JP6502143B2 - マスクブランク、位相シフトマスク、位相シフトマスクの製造方法および半導体デバイスの製造方法 - Google Patents
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マスクブランクから位相シフトマスクを作製する時のマスク検査で位相シフト膜に黒欠陥が見つかった場合、EB欠陥修正で修正することが多い。MoSiONからなる単層構造の位相シフト膜の黒欠陥に対し、EB欠陥修正で修正を行う場合、位相シフト膜と透光性基板との境界を検出するためのエッチング終点の検出が、MoSiNからなる単層構造の位相シフト膜に比べて難しくなるということが新たに判明した。
(構成1)
透光性基板上に位相シフト膜を備えたマスクブランクであって、
前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光を10%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜を透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上190度以下の位相差を生じさせる機能とを有し、
前記位相シフト膜は、金属、ケイ素、窒素および酸素を含有する材料からなる組成傾斜膜であり、
前記位相シフト膜における前記金属およびケイ素の合計含有量に対する前記金属の含有量の比率は、5%以上であり、
前記位相シフト膜の基板側領域における酸素含有量は10原子%以下であり、
前記位相シフト膜の前記基板側領域以外の領域における酸素含有量は、前記基板側領域における酸素含有量よりも多いことを特徴とするマスクブランク。
前記基板側領域は、前記位相シフト膜における前記透光性基板側の表面から反対側の表面に向かって10nmの厚さまでの範囲にわたる領域であることを特徴とする構成1記載のマスクブランク。
前記位相シフト膜は、全体の1/2の厚さの領域における酸素含有量が10原子%以上であることを特徴とする構成1または2に記載のマスクブランク。
前記位相シフト膜の基板側領域における窒素含有量は40原子%以上であることを特徴とする構成1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
前記位相シフト膜の酸素含有量は、前記透光性基板側の表面から反対側の表面に向かって増加していることを特徴とする構成1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
前記位相シフト膜のケイ素含有量は、前記透光性基板側の表面から反対側の表面に向かって減少していることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
前記位相シフト膜における前記金属およびケイ素の合計含有量に対する前記金属の含有量の比率は、15%以下であることを特徴とする構成1から6のいずれかに記載のマスクブランク。
前記位相シフト膜は、前記透光性基板の表面に接して形成されていることを特徴とする構成1から7のいずれかに記載のマスクブランク。
前記位相シフト膜は、厚さが90nm以下であることを特徴とする構成1から8のいずれかに記載のマスクブランク。
前記位相シフト膜上に、遮光膜を備えることを特徴とする構成1から9のいずれかに記載のマスクブランク。
構成10記載のマスクブランクの前記位相シフト膜に転写用パターンが形成され、前記遮光膜に遮光帯パターンが形成されていることを特徴とする位相シフトマスク。
構成10記載のマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造方法であって、
ドライエッチングにより前記遮光膜に転写用パターンを形成する工程と、
前記転写用パターンを有する遮光膜をマスクとするドライエッチングにより前記位相シフト膜に転写用パターンを形成する工程と、
遮光帯パターンを有するレジスト膜をマスクとするドライエッチングにより前記遮光膜に遮光帯パターンを形成する工程と
を備えることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。
構成11記載の位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写用パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
構成12記載の位相シフトマスクの製造方法により製造された位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写用パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
[マスクブランクとその製造]
本発明者らは、MoSiONに代表される金属シリサイド酸窒化物からなる単層構造の高透過率型の位相シフト膜において、EB欠陥修正で修正を行った時に実用上十分な加工速度を得ながら、位相シフト膜と透光性基板との境界を検出するためのエッチング終点の検出が容易で、その結果、高い精度でEB欠陥修正が行える位相シフト膜やその組成について、鋭意研究を行った。本発明の各実施の形態において対象とする位相シフト膜は、露光光(ArFエキシマレーザー光)に対して所定の位相差(150度以上190度以下)と10%以上の高い透過率を確保することが可能な膜である。この位相シフト膜が有する光学的性質により、高いパターンエッジ強調効果が得られ、それにより、この位相シフトマスクを用いて転写を行った時の解像度や焦点裕度が向上する。また、単層構造の位相シフト膜とすることで、2層以上の積層構造の位相シフト膜に比して、ドライエッチングで位相シフトパターンを形成した時の側壁形状がよくなる。さらに、単層構造の位相シフト膜とすることで、2層以上の積層構造の位相シフト膜に比して、製造工程の工数を削減できるとともに成膜時の工程数を少なくできることから、欠陥の発生を抑制できる。このため、欠陥修正対象箇所を少なくすることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るマスクブランク100の構成を示す断面図である。図1に示す本発明のマスクブランク100は、透光性基板1上に、位相シフト膜2、遮光膜3およびハードマスク膜4がこの順に積層された構造を有する。
また、位相シフト膜2の膜厚は、少なくとも90nm以下にすることが好ましい。薄膜化を行うと、EMFバイアスを小さくすることができるためである。このため、位相シフト膜2の厚さは、85nm以下であることがさらに好ましく、80nm以下であるとより好ましい。また、位相シフト膜の膜厚をこのような薄膜にすることにより、マスク上のパターン倒壊による不良が抑制され、位相シフトマスクの歩留まりが向上する。
なお、光学濃度ODは、対象とする膜に入射する光の強度をI0、その膜を透過してきた光の強度をIとした時に、
OD=−log10(I/I0)
で定義される。
また、ハードマスク膜4は、遮光膜3がケイ素を含有する材料で形成されている場合、前記のクロムを含有する材料で形成されることが好ましい。
この実施形態の位相シフトマスク200は、マスクブランク100の位相シフト膜2に転写用パターン(位相シフトパターン)が形成され、遮光膜3に遮光帯パターンが形成されていることを特徴としている。マスクブランク100にハードマスク膜4が設けられている構成の場合、この位相シフトマスク200の作製途上でハードマスク膜4は除去される。
本発明の半導体デバイスの製造方法は、前記の位相シフトマスク200または前記のマスクブランク100を用いて製造された位相シフトマスク200を用い、半導体基板上のレジスト膜に転写用パターンを露光転写することを特徴としている。本発明の位相シフトマスク200は高い位相シフト効果を生じさせるため、本発明の位相シフトマスク200を用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写すると、半導体デバイス上のレジスト膜に設計仕様を十分に満たす精度でパターンを形成することができる。また、その製造途上で黒欠陥部分をEB欠陥修正で修正した位相シフトマスクを用いて半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写した場合においても、その位相シフトマスクの黒欠陥が存在していたパターン部分に対応する半導体デバイス上のレジスト膜に転写不良が発生することを防止できる。このため、このレジストパターンをマスクとして、被加工膜をドライエッチングして回路パターンを形成した場合、精度不足や転写不良に起因する配線短絡や断線のない高精度で歩留まりの高い回路パターンを形成することができる。
(実施例1)
[マスクブランクの製造]
主表面の寸法が約152mm×約152mmで、厚さが約6.35mmの合成石英ガラスからなる透光性基板1を準備した。この透光性基板1は、端面および主表面を所定の表面粗さ以下(一辺が1μmの四角形の内側領域で算出される自乗平均平方根粗さRqで0.2nm以下)になるように研磨され、その後、所定の洗浄処理および乾燥処理を施されたものである。
位相シフト量測定装置(レーザーテック社製 MPM193)を用いて、その位相シフト膜2の波長193nmの光に対する透過率と位相差を測定したところ、透過率が12%、位相差が176.2度(deg)であった。また、この位相シフト膜2に対して、STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)とEDXで分析したところ、位相シフト膜2の表面から約2nm程度の厚さで酸化層が形成されていることが確認された。
次に、この実施例1のマスクブランク100を用い、以下の手順で実施例1の位相シフトマスク200を作製した。最初に、ハードマスク膜4の表面にHMDS処理を施した。続いて、スピン塗布法によって、ハードマスク膜4の表面に接して、電子線描画用化学増幅型レジストからなるレジスト膜を膜厚80nmで形成した。次に、このレジスト膜に対して、位相シフト膜2に形成すべき位相シフトパターンである第1のパターンを電子線描画し、所定の現像処理を行い、第1のパターンを有する第1のレジストパターン5aを形成した(図2(a)参照)。なお、この時電子線描画した第1のパターンには、位相シフト膜に黒欠陥が形成されるように、本来形成されるべき位相シフトパターンの他にプログラム欠陥を加えておいた。
次に、遮光パターン3aをマスクとし、フッ素系ガス(SF6+He)を用いたドライエッチングを行い、位相シフト膜2に第1のパターン(位相シフトパターン2a)を形成し、かつ同時にハードマスクパターン4aを除去した(図2(d)参照)。
この結果から、EB欠陥修正を行った後の実施例1の位相シフトマスクを露光装置のマスクステージにセットし、半導体デバイス上のレジスト膜に露光転写したとしても、最終的に半導体デバイス上に形成される回路パターンを高精度に形成できると言える。
[マスクブランクの製造]
比較例1のマスクブランクは、位相シフト膜2の膜組成を実施例1から変更した例であって、位相シフト膜2以外については、実施例1と同様の方法で製造した。この比較例1の位相シフト膜2を構成する元素は実施例1と同じで、モリブデン、ケイ素、窒素および酸素からなり、また実施例1と同様に単層構造の膜(MoSiON膜)である。但し、成膜条件を変えて膜の成分比率(膜組成)を変更するとともに、膜厚方向に対して組成傾斜を持たない均一な分布の単層膜とした。具体的には、枚葉式DCスパッタリング装置内に透光性基板1を設置し、モリブデン(Mo)とケイ素(Si)との混合焼結ターゲット(Mo:Si=4原子%:96原子%)を用い、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、酸素(O2)およびヘリウム(He)の混合ガスをスパッタリングガスとする反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、モリブデン、ケイ素、窒素および酸素からなる位相シフト膜2を66nmの厚さで形成した。位相シフト膜2の材料組成は、ガス流量などを実施例1の時とは変えることによって調整した。
次に、この比較例1のマスクブランク100を用い、実施例1と同様の方法で、比較例1の位相シフトマスク200を作製した。
2 位相シフト膜
2a 位相シフトパターン
3 遮光膜
3a,3b 遮光パターン
4 ハードマスク膜
4a ハードマスクパターン
5a 第1のレジストパターン
6b 第2のレジストパターン
100 マスクブランク
200 位相シフトマスク
Claims (12)
- 透光性基板上に位相シフト膜を備えたマスクブランクであって、
前記透光性基板は、合成石英ガラス、石英ガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、およびSiO 2 −TiO 2 ガラスから選ばれるいずれかのガラスで形成され、
前記位相シフト膜は、前記透光性基板の表面に接して形成され、
前記位相シフト膜は、ArFエキシマレーザーの露光光を10%以上の透過率で透過させる機能と、前記位相シフト膜を透過した前記露光光に対して前記位相シフト膜の厚さと同じ距離だけ空気中を通過した前記露光光との間で150度以上190度以下の位相差を生じさせる機能とを有し、
前記位相シフト膜は、金属、ケイ素、窒素および酸素を含有する材料からなる組成傾斜膜であり、
前記位相シフト膜における前記金属およびケイ素の合計含有量に対する前記金属の含有量の比率は、5%以上であり、
前記位相シフト膜の基板側領域における酸素含有量は10原子%以下であり、
前記位相シフト膜の前記基板側領域以外の領域における酸素含有量は、前記基板側領域における酸素含有量よりも多く、
前記基板側領域は、前記位相シフト膜における前記透光性基板側の表面から反対側の表面に向かって10nmの厚さまでの範囲にわたる領域であることを特徴とするマスクブランク。 - 前記位相シフト膜は、全体の1/2の厚さの領域における酸素含有量が10原子%以上であることを特徴とする請求項1記載のマスクブランク。
- 前記位相シフト膜の基板側領域における窒素含有量は40原子%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のマスクブランク。
- 前記位相シフト膜の酸素含有量は、前記透光性基板側の表面から反対側の表面に向かって増加していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマスクブランク。
- 前記位相シフト膜のケイ素含有量は、前記透光性基板側の表面から反対側の表面に向かって減少していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマスクブランク。
- 前記位相シフト膜における前記金属およびケイ素の合計含有量に対する前記金属の含有量の比率は、15%以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマスクブランク。
- 前記位相シフト膜は、厚さが90nm以下であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のマスクブランク。
- 前記位相シフト膜上に、遮光膜を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のマスクブランク。
- 請求項8記載のマスクブランクの前記位相シフト膜に転写用パターンが形成され、前記遮光膜に遮光帯パターンが形成されていることを特徴とする位相シフトマスク。
- 請求項8記載のマスクブランクを用いた位相シフトマスクの製造方法であって、
ドライエッチングにより前記遮光膜に転写用パターンを形成する工程と、
前記転写用パターンを有する遮光膜をマスクとするドライエッチングにより前記位相シフト膜に転写用パターンを形成する工程と、
遮光帯パターンを有するレジスト膜をマスクとするドライエッチングにより前記遮光膜に遮光帯パターンを形成する工程と
を備えることを特徴とする位相シフトマスクの製造方法。 - 請求項9記載の位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写用パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
- 請求項10記載の位相シフトマスクの製造方法により製造された位相シフトマスクを用い、半導体基板上のレジスト膜に転写用パターンを露光転写する工程を備えることを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
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