JP6531403B2 - 顕微鏡 - Google Patents

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Description

本発明は、顕微鏡に関する。
顕微鏡の分野において、位相差観察、暗視野観察、偏斜照明観察などの観察方法を切り替え可能な顕微鏡が提案されている(例えば、下記の特許文献1参照)。特許文献1の顕微鏡は、形状が異なる複数の開口が形成された絞り部材を備える。この顕微鏡は、絞り部材をスライドさせることによって、光路に配置される開口を選択可能であり、位相差観察と偏斜照明観察とを切り替え可能である。
米国特許第4407569号明細書
ところで、絞り部材をスライドさせる場合、絞り部材の位置決めのための構成や手間を要することがある。本発明は、試料に照射される照明光の強度分布の角度依存性を簡易に切り替え可能な顕微鏡を提供することを目的とする。
本発明の態様に従えば、照明光が通過可能な開口部を有する絞り部材と、開口部の一部を覆う第1の偏光板と、照明光の光路に配置され、第1の偏光板と相対的に回転可能な第2の偏光板と、第1の偏光板および第2の偏光板を通った照明光を試料に照射するコンデンサレンズと、試料の観察側に配置される対物レンズと、を備え、開口部は、コンデンサレンズの光軸を含む面を挟む一対の領域のうち一方の領域のみに、コンデンサレンズの光軸から離れた位置に配置され、コンデンサレンズの光軸から開口部のエッジまでの最短距離をh1とし、光軸から開口部における第1の偏光板のエッジまでの最短距離をh2とし、コンデンサレンズの光軸から開口部のエッジまでの最長距離をh4とし、コンデンサレンズの焦点距離をfとし、対物レンズの開口数をNA1としたときに、h1<f×NA1≦h2<h4を満たし、開口部の一部を覆うNDフィルタを備え、光軸から開口部におけるNDフィルタのエッジまでの最短距離をh6としたときに、h1<h6≦h2を満たし、NDフィルタに対する照明光の透過率をTとしたときに、0.22≦(h6−h1)/(h2−h1)≦0.75、かつ30%≦T≦70%を満たす、ことを特徴とする顕微鏡
が提供される。
本発明によれば、試料に照射される照明光の強度分布の角度依存性を簡易に切り替え可能な顕微鏡を提供することができる。
実施形態に係る顕微鏡を示す図である。 第1実施形態に係る絞り部を示す図である。 第1実施形態に係る顕微鏡の光路を示す図である。 変形例に係る絞り部を示す図である。 第2実施形態に係る絞り部を示す図である。 第2実施形態に係る顕微鏡の光路を示す図である。 減光領域のパラメータを変化させた際の結像性能の評価を示す表である。 透過率を変化させた数値シミュレーションを説明するための図である。 変形例に係る絞り部を示す図である。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る顕微鏡MSを示す図である。顕微鏡MSは、例えば、試料Sを拡大観察する正立型の顕微鏡である。顕微鏡MSは、例えば、試料Sで透過散乱した光により観察を行う透過型の顕微鏡であるが、試料Sで反射散乱した光により観察を行う反射型の顕微鏡であってもよい。
顕微鏡MSは、例えば、光源部10、基台11、直立ベース12、アーム13、照明レンズユニット14、試料ステージ15、ステージ駆動部16、レボルバ17、複数の対物レンズ18、観察鏡筒19、および接眼レンズ鏡筒20を備える。光源部10から接眼レンズ鏡筒20の内部に至る光路に配置される光学系は、例えば、球面レンズや非球面レンズなどの回転対称な形状のレンズ部材を含む。以下、顕微鏡MSの光学系において、レンズ部材の回転対称軸を連結した軸を光軸AXと称す。光軸AXは、カットレンズなどのように回転対称な形状の一部を用いたレンズ部材においても、その元になる回転対称な形状の回転対称軸に応じて定められる。
基台11は、例えば、机やテーブルなどに載置可能であり、その下面が平坦に形成される。直立ベース12は、例えば、基台11を基端として鉛直方向に延びる部材である。アーム13は、例えば、直立ベース12を基端として水平方向に延びる部材である。以下、アーム13の先端側を顕微鏡MSの前面側と称し、その反対側を後面側と称す。
光源部10は、例えば、基台11の後面側に配置され、基台11の後面に接続される。照明レンズユニット14は、直立ベース12の前面側に固定されている。ステージ駆動部16は、照明レンズユニット14の上方に配置され、直立ベース12の前面側に固定されている。ステージ駆動部16は、試料Sを載置する試料ステージ15を保持する。ステージ駆動部16は、試料ステージ15を光軸AXと平行な方向に上下させること、試料ステージ15を光軸AXと垂直な方向に移動させること、試料ステージ15を光軸AXの回りで回転させることなどができる。
レボルバ17は、試料ステージ15の上方に配置され、アーム13の先端下部に取り付けられている。レボルバ17は、例えば、倍率が異なる複数の対物レンズ18(例、対物レンズ18aおよび対物レンズ18b)を保持する。顕微鏡MSは、レボルバ17の回転により、複数の対物レンズ18のうち光路(光軸AXの周囲)に配置される対物レンズ(例、対物レンズ18a)を切り替え可能である。
観察鏡筒19は、レボルバ17の上方に配置され、アーム13の先端上部に取り付けられている。観察鏡筒19は、アーム13を基端として上方に延びており、その先端側が基端側に対して折れ曲がって傾斜している。接眼レンズ鏡筒20は、観察鏡筒19の先端側に接続されている。
以下、顕微鏡MSの光学系の各部について、光源部10から接眼レンズ鏡筒20に向かう順に説明する。光源部10は、照明光を射出する。光源部10は、その筐体内に収容される光源21を備える。光源21は、LEDなどの固体光源であってもよいし、ランプ光源であってもよい。なお、顕微鏡MSは、光源部10の少なくとも一部を備えていなくてもよい。例えば、光源部10は、観察の際に外付けされる態様であってもよい。
顕微鏡MSは、光源部10の光出射側に、基台11に収容されたコレクタレンズ22およびミラー23を備える。コレクタレンズ22は、例えば、その光軸が光軸AXと同軸に設定され、光源部10からの照明光束を平行にする。ミラー23は、例えば、その反射面が光軸AXと45°の角度で配置される。コレクタレンズ22からの照明光は、ミラー23で反射し、上方に向かって進行する。
照明レンズユニット14は、複数の絞り部24(例、絞り部24aおよび絞り部24b)、ターレット25、およびコンデンサレンズ26を備える。複数の絞り部24は、それぞれ、複数の対物レンズ18のいずれかと1対1の対応で設けられる。例えば、絞り部24aは対物レンズ18aと対応し、絞り部24bは対物レンズ18bと対応する。ターレット25は、複数の絞り部24を保持し、所定軸25aの周りで回転可能である。所定軸25aは、例えば、光軸AXと平行、かつ光軸AXと直交する方向において光軸AXからずれた位置に設定される。顕微鏡MSは、ターレット25の回転によって、複数の絞り部24のうち光路(光軸AXの周囲)に配置される絞り部(例、絞り部24a)を切り替え可能である。なお、以下の説明において、複数の絞り部24のうち照明光Lの光路に配置されている1つの絞り部を、適宜、符号24を付して表す。
コンデンサレンズ26は、絞り部24(例、絞り部24a)を通った照明光を集光し、試料Sに照射する。コンデンサレンズ26の光軸は、光軸AXと同軸である。以下、照明光の照射により試料Sから放射される光を観察光という。透過型の顕微鏡である場合に、観察光は試料Sで透過散乱した光を含み、反射型の顕微鏡である場合に、観察光は試料Sで反射散乱した光を含む。
試料Sは、例えば、コンデンサレンズ26の後側焦点を含み光軸AXに直交する面に配置される。複数の絞り部24は、それぞれ、例えばコンデンサレンズ26の前側焦点を含み光軸AXに直交する面に配置される。
複数の対物レンズ18は、それぞれ、その前側焦点面がコンデンサレンズ26の後側焦点面と一致するように配置される。以下の説明において、複数の対物レンズ18のうち、照明光の光路に配置されている1つの対物レンズを、適宜、第1対物レンズ18と称す。
顕微鏡MSは、第1対物レンズ(例、対物レンズ18a)の光出射側に、観察鏡筒19に保持された第2対物レンズ27およびプリズム28、並びに接眼レンズ鏡筒20に保持された接眼レンズ29を備える。第1対物レンズ18および第2対物レンズ27は、試料Sの像を形成する。プリズム28は、第2対物レンズ27からの観察光を、接眼レンズ29へ導く。接眼レンズ29は、例えば、第1対物レンズ18および第2対物レンズ27が形成した像をリレーする。
なお、顕微鏡MSが備える対物レンズの数は、1つでもよいし、2以上の任意の数でもよい。対物レンズの数が1つの場合、絞り部24の数は1つでもよい。また、プリズム28は、観察光の少なくとも一部を、試料Sの像を撮像する撮像素子へ導いてもよい。また、プリズム28は、観察光を分岐して、観察光の一部を撮像素子へ導くとともに、観察光の他の一部を接眼レンズ29に導いてもよい。顕微鏡MSは、上述の撮像素子を備えていてもよいし、備えていなくてもよい。例えば、撮像素子は、観察の際に顕微鏡MSに外付けされてもよい。
本実施形態において、顕微鏡MSは、偏斜照明観察用のモード(以下、偏斜モードという)と、暗視野観察用のモード(以下、暗視野モードという)とを有し、これらのモードを切り替え可能である。顕微鏡MSは、絞り部24を通る照明光の強度分布を可変であり、これにより、試料Sに向かう照明光の角度分布を変化させることができる。
図2(A)は絞り部24を示す斜視図であり、図2(B)は絞り部24を示す平面図である。なお、以下の説明において、光軸AXと平行な方向をZ方向とし、Z方向に直交する1方向をX方向とし、X方向およびZ方向に直交する方向をY方向とする。図2(A)に示すように、絞り部24は、第1の偏光板31、第2の偏光板32、及び絞り部材33を備える。
絞り部材33は、照明光Lが通過可能な開口部34を有する。絞り部材33は、開口部34の周囲が照明光Lを遮光する遮光部になっている。絞り部材33は、例えば、円盤状の部材であり、光軸AXと垂直に配置される。開口部34は、コンデンサレンズ26の光軸(光軸AX)を含む面Pxzを挟む一対の領域(領域A4および領域A5)のうち一方の領域A4(+Y方向の領域)のみに配置されている。開口部34は、コンデンサレンズの光軸(光軸AX)から離れた位置に配置されており、絞り部材33は、光軸AX上の照明光Lを遮光する。開口部34は、例えば、そのエッジの形状が矩形状である。
第1の偏光板31は、光軸AXの方向から平面的に見た場合に、開口部34の一部を覆うように配置されている。第1の偏光板31は、開口部34の内側の領域の一部と重なるように配置されている。開口部34の内側の領域(図2(B)参照)は、第1の偏光板31を経由する照明光Lが通る調光領域A1と、第1の偏光板31を経由しない照明光Lが通る通過領域A2とを含む。
第1の偏光板31は、開口部34のうち相対的に光軸AXから近い部分を覆うとともに、開口部34のうち相対的に光軸AXから遠い部分を覆わないように、配置されている。すなわち、調光領域A1は、通過領域A2と比べて、光軸AXの近くに配置される。第1の偏光板31は、例えば、平面形状が矩形の角を丸めた形状の板状の部材であり、その1辺が開口部34のエッジの1辺と平行になるように配置される。
第1の偏光板31は、絞り部材33に固定され、絞り部材33とユニット化されている。第1の偏光板31は、絞り部材33のうち照明光Lの入射側の面に設けられている。第1の偏光板31および絞り部材33を含むユニットの一部は、例えば、コンデンサレンズ26の前側焦点面またはその近傍に配置される。例えば、コンデンサレンズ26の前側焦点面に、第1の偏光板31の一部が配置されていてもよいし、絞り部材33の一部が配置されていてもよい。
第1の偏光板31および絞り部材33は、例えば、照明光の光路に配置されている状態(例、観察中)において、光軸AXの周りで回転しないように保持される。なお、第1の偏光板31は、照明光Lの光路に配置されている状態において、光軸AXの周りで回転可能であってもよい。例えば、第1の偏光板31は、絞り部材33とともに回転可能であってもよい。第1の偏光板31の透過軸31aの方向は、任意に設定されるが、ここではY方向に平行であるとする。偏光板は、所定方向の直線偏光が通る光学部材であり、以下、所定方向に平行な軸を透過軸という。
第2の偏光板32は、照明光Lの光路に配置されている。第2の偏光板32は、例えば、第1の偏光板31に対する照明光Lの入射側に配置される。第2の偏光板32は、例えば円盤状の部材であり、光軸AXと直交するように配置される。第2の偏光板32は、第1の偏光板31と相対的に回転可能である。ここでは、第1の偏光板31の回転位置が固定されており、第2の偏光板32は、第1の偏光板31に対して光軸AXの周りで回転可能である。第1の偏光板31および第2の偏光板32は、互いにオープンニコルの関係を満たす回転位置とクロスニコルの関係を満たす回転位置とに配置可能である。図2(A)に示すように、第2の偏光板32は、例えば、その透過軸32aが第1の偏光板31の透過軸31aに平行となる回転位置から、その透過軸32aが第1の偏光板31の透過軸31aに垂直となる回転位置まで、回転可能である。
顕微鏡MSは、第1の偏光板31と第2の偏光板32とが相対的に回転することにより試料Sに入射する照明光Lの量を調整する。偏斜モードにおいて、第1の偏光板31および第2の偏光板32は、透過軸31aと透過軸32aとが非垂直(例、平行)となる回転位置に配置される。例えば、偏斜モードにおいて、透過軸31aと透過軸32aとの角度は、0°以上90°未満に設定される。また、暗視野モードにおいて、第1の偏光板31および第2の偏光板32は、透過軸31aと透過軸32aとの角度が偏斜モードに比べて90°に近くなる回転位置に、もしくは透過軸31aと透過軸32aの角度が90°になる回転位置に配置される。そのため、暗視野モードでは、第1の偏光板31を通る照明光Lの光量が偏斜モードに比べて少なくなり、絞り部24を通る照明光Lのうち試料Sに対する入射角が相対的に小さい成分の光量が減少する。
また、第1の偏光板31は、絞り部材33と別の部材に取り付けられ、この部材に支持されていてもよい。この場合に、第1の偏光板31は、光軸AXの周りで回転可能であってもよいし、光軸AXの周りで回転しないように固定されていてもよい。また、第1の偏光板31が回転可能である場合、第2の偏光板32は、第1の偏光板31との回転位置の関係が変化するように、回転可能であってもよいし、回転しないように固定されていてもよい。
ここで、光軸AXに関する放射方向(絞り部材33上で光軸AXを中心とする円の径方向)において、光軸AXに近づく側を内側と称し、光軸AXから離れる側を外側と称す。図2(B)に示すように、光軸AXから開口部34の内側のエッジまでの最短距離をh1とし、光軸AXから開口部34における第1の偏光板31の外側のエッジまでの最短距離をh2とし、光軸AXから開口部34の外側のエッジまでの最長距離をh4とする。最短距離h1および最短距離h2は、コンデンサレンズ26の焦点距離をfとし、複数の対物レンズ18から選択される1つの対物レンズの開口数をNA1としたときに、下記の式(1)を満たすように設定される。
h1<f×NA1≦h2<h4 ・・・(1)
図2(B)において、開口部34の形状は矩形状であり、最短距離h1は、開口部34の4辺のうち光軸AXに最も近い辺から、光軸AXまでの距離である。また、最長距離h4は、開口部34の4つの頂点のうち光軸AXから最も遠い頂点から、光軸AXまでの距離である。なお、図2(B)において、符号h5は、最短距離h1に対応する辺の対辺から光軸AXの距離であり、距離h5は、h2<h5<h4の関係を満たす。
なお、図1に示したように、対になる絞り部と対物レンズとが複数組設けられる場合、絞り部は、対になる対物レンズとの間で、上記の式(1)を満たす。例えば、絞り部24aにおけるh1、h2、及びh4は、対物レンズ18aの開口数に対して、上記の式(1)を満たすように設定される。また、絞り部24bのh1、h2、及びh4は、対物レンズ18bの開口数に対して、上記の式(1)を満たすように設定される。
図3(A)は偏斜モードにおける光路を示す図であり、図3(B)は暗視野モードにおける光路を示す図である。なお、図3(A)および図3(B)において、絞り部24よりも光源部10側の光学系および対物レンズ18よりも像面Vp側の光学系については図示を省略した。
なお、偏斜モードとは、第1の偏光板31の透過軸と第2の偏光板32の透過軸とが互いに垂直とならない場合を称し、暗視野モードとは、第1の偏光板31の透過軸と第2の偏光板32の透過軸とが互いに垂直または垂直に近い場合を称す。図3(A)に示すように、偏斜モードにおいて絞り部24に入射した照明光Lは、その一部が絞り部材33の開口部34のうち通過領域A2を通り、他の一部が調光領域A1を通る。なお、図3(A)では、f×NA1=h2である場合を例として示している。
ここで、照明光Lのうちその直接光が対物レンズ18入射する光を低NA成分L1と称し、照明光Lのうちその直接光が対物レンズ18に入射しない光を高NA成分L2と称す。図3(A)、(B)に示す例では、f×NA1=h2場合を示しているので、照明光Lのうち調光領域A1を通る光が低NA成分L1となり、照明光Lのうち通過領域A2を通る光は高NA成分L2となる。低NA成分L1および高NA成分L2は、それぞれ、コンデンサレンズ26を介して試料Sに照射される。
偏斜モードでは、上述したように、第1の偏光板31の透過軸と第2の偏光板32の透過軸とは互いに垂直とならない回転位置にあるため、図3(A)に示すように、低NA成分L1および高NA成分が試料Sに入射する。暗視野モードでは、上述したように、第1の偏光板31の透過軸と第2の偏光板32の透過軸とは互いに垂直または垂直に近い回転位置にあるため、図3(B)に示すように、低NA成分L1が試料に入射しないように構成されている。ユーザは、第1の偏光板31または第2の偏光板32を回転して、第1の偏光板31の透過軸と第2の偏光板32の透過軸との相対位置関係を調整することにより、低NA成分L1の光量を調整することが可能となる。つまり、ユーザは、偏斜モードと、暗視野モードとを切り替えることもできるし、偏斜モードにおける低NA成分L1の光量も調整することができる。したがって、ユーザは、低NA成分L1の光量を微調整しながら試料Sを観察することができる。
上述のような本実施形態に係る顕微鏡MSは、式(1)の条件を満たす絞り部24において、第1の偏光板31と第2の偏光板32の相対的な回転位置を変化させるので、試料Sに照射される照明光Lの強度分布の角度依存性を簡易に変化させることができる。第1の偏光板31と第2の偏光板32を相対的に回転させる場合、例えば、絞り部材33を光軸AXの交差方向にスライドさせなくとも、低NA成分L1の光量を調整することができる。そのため、例えば、絞り部材33をスライドさせる際の開口部34の位置決めなどを省くことができ、低NA成分L1の光量を簡易に調整することができる。
また、第1の偏光板31に対する照明光Lの入射側に第2の偏光板32が配置されている場合、第1の偏光板31により低NA成分L1の光量を調整することができる。ここで、第1の偏光板31は絞り部材33の開口部34の近傍に配置されていると、試料Sに入射する際の照明光Lの強度分布の角度依存性を精度よく調整することができる。
次に、絞り部24の変形例について説明する。図4(A)〜(D)はそれぞれ、変形例に係る絞り部24を示す図である。
図4(A)に示す第1変形例の絞り部24は、絞り部材33の開口部34の平面形状が扇状(輪帯の一部)である。開口部34のエッジは、例えば、光軸AXを中心とし径が異なる2つの円の一部(円弧35aおよび円弧35b)と、光軸AXに対する放射方向(径方向)に延びて円弧35aおよび円弧35bを結ぶ直線36とを含む。また、第1変形例において、第1の偏光板31は、開口部34を覆う部分の平面形状が扇状である。第1の偏光板31は、例えば、光軸AXを中心とする円盤状であるが、光軸AXの方向から見た状態で開口部34の外側に配置される部分の形状については任意に変更してもよい。
なお、絞り部24は、開口部34の平面形状が扇状であって、第1の偏光板31のうち開口部34を覆う部分の平面形状が矩形あるいはその他の形状であってもよい。また、絞り部24は、開口部34の平面形状が矩形状(スリット状)であって、第1の偏光板31のうち開口部34を覆う部分の平面形状が扇状あるいはその他の形状であってもよい。
図4(B)に示す第2変形例の絞り部24において、第1の偏光板31は、絞り部材33の開口部34の内側に配置されている。なお、第1の偏光板31の厚みは、絞り部材33の厚みと同じであってもよいし、絞り部材33の厚み未満であってもよく、絞り部材33の厚みを超えていてもよい。第1の絞り部材33は、その全体が開口部34の内側に配置されていてもよいし、その一部が開口部34の外側に配置されていてもよい。
図4(C)に示す第3変形例の絞り部24において、第1の偏光板31は、絞り部材33に対して第2の偏光板32と反対側に配置されている。また、図4(D)に示す第4変形例において、第2の偏光板32は、絞り部材33に対して、照明光Lの出射側に配置されている。この場合、低NA成分L1は、第2の偏光板32によって遮られる。
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態において、上述の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付してその説明を省略あるいは簡略化する。図5(A)は、第2実施形態に係る絞り部24を示す斜視図であり、図5(B)は絞り部24を示す平面図である。
絞り部24は、開口部34の一部を覆う減光フィルタ(NDフィルタ41)を備える。NDフィルタ41は、第1の偏光板31の上面に取り付けれ、第1の偏光板31を介して絞り部材33とユニット化されている。NDフィルタ41は、例えば、平面形状が矩形の板状の部材であり、その一辺が開口部34のエッジの一辺と平行となるように配置される。
図5(B)に示すように、NDフィルタ41は、光軸AXの方向から見た場合に、例えば、調光領域A1の少なくとも一部を覆うとともに、通過領域A2を覆わないように配置される。例えば、NDフィルタ41のうち開口部34における外側のエッジと光軸AXとの最短距離をh6としたときに、最短距離h6は、h1<h6≦h2を満たすように設定される。図5(B)のようにNDフィルタ41の平面形状が矩形状である場合、光軸AXからNDフィルタ41までの最長距離h3は、NDフィルタ41の4つの頂点のうち光軸AXから最も遠い頂点から、光軸AXまでの距離である。最短距離h6は、最長距離h3に対応する辺の対辺から光軸AXの距離であり、最短距離h6は、h6<h3の関係を満たす。以下、調光領域A1のうちNDフィルタ41と重なる領域を減光領域A3という。減光領域A3は、調光領域A1のうち相対的に光軸AXに近い位置に設定される。
図6は、偏斜モードにおける光路を示す図である。なお、図6において、絞り部24よりも光源部10側の光学系および対物レンズ18よりも像面Vp側の光学系については図示を省略した。また、暗視野モードについては、NDフィルタ41を通った照明光Lが第1の偏光板31によって遮光されるため、図3(B)に示した暗視野モードと同様である。
偏斜モードにおいて、絞り部24に入射した照明光Lのうち低NA成分L1および高NA成分L2は、それぞれ、コンデンサレンズ26を介して試料Sに照射される。ここで、低NA成分L1が減光領域A3を通る際に光量が減少しているので、試料Sにおいて構造の背景の明るさが増すことを抑制することができる。
ところで、試料Sに入射する際の照明光Lが高NA側に偏ると、例えば、試料Sの構造などによってムラが生じやすくなることがある。このようなムラを減らすには、例えば、絞り部24から出射する照明光Lにおいて低NA側の成分を増加させるとよい。低NA側の成分を増加させるには、例えば、光軸AXから開口部34のエッジまでの最短距離h1を減少させればよい。一方、低NA側の成分が増加すると、試料Sにおける構造の背景が明るくなり、構造の像のコントラストが低下することがある。
そこで、本実施形態においては、絞り部24を通る照明光Lのうち低NA側の成分の一部をNDフィルタ41によって除くことにした。例えば、NDフィルタ41を用いない場合と比較して最短距離h1を減少させ、低NA側の成分の光量をNDフィルタ41により減らすことにより、試料Sに入射する際の照明光Lを低NA側に広げつつ、低NA成分L1の光量の増加を抑えることができる。これにより、試料Sにおける構造の像のコントラストを確保しつつ、像のムラを減らすことができる。
本願発明者は、研究開発を行った結果、減光領域A3の設定に応じて結像性能が変化することを見出した。本願発明者は、α=(h6−h1)/(h2−h1)によりパラメータαを定義した場合、αが小さくなるほどシェーディング影響が大きくなる傾向があり、αが大きくなるほど試料Sのエッジが強調された像が得られる傾向があることを見出した。本願発明者は、h1、h6を変化させつつ、結像性能を評価した。なお、ここでいうシェーディングとは、視野の照明の明るさが不均一になる現象であり、特に本実施形態では、一次元に変化する現象である。
図7は、h1、h6を変化させた際のαの値および結像性能の評価結果を示す表である。この評価において、h2は0.65×f[mm]の固定値とし、h1、h6を0.05×f[mm]の刻みで変化させた。図7において、h1およびh6の単位はmmである。各セルにおいて、上段はαの値であり、下段は結像性能の評価結果を○または×で表したものである。図7に示すように、αが0.22以上である場合、シェーディングの影響が所定のレベル以下に抑えられ、結像結果が良好(○)であった。また、αが0.75以下の場合、試料Sのエッジの強調が過剰になることが抑えられ、結像結果が良好(○)であった。このような観点で、h1、h6は、0.22≦(h6−h1)/(h2−h1)≦0.75を満たすように、設定されているとよい。
また、本願発明者は、NDフィルタ41の透過率T[%]に応じて結像性能が変化することも見出した。本願発明者は、透過率Tを変化させて数値シミュレーションを行い、結像性能を評価した。
図8(A)〜(C)は、計算条件を示す説明図である。図8(A)に示すように、開口部34の形状は扇形、開口部34における第1の偏光板31の形状、および開口部34におけるNDフィルタ41の形状は、光軸AXを中心とする同心円の一部(扇形)である。開口部34のうち光軸AXに近い側の円弧の半径をh1とし、第1の偏光板31のうち光軸AXから遠い側の円弧の半径をh2とし、NDフィルタ41のうち光軸AXから遠い側の円弧の半径をh6とした。図8(A)に示すh1、h2、h6はそれぞれ、図2〜図6に記載したh1、h2、h6に対応する。また、扇形の開き角θは60°とした。
図8(B)に示すように、数値シミュレーション用の試料Sxは、1次元の周期パターンとした。試料Sxは、方向Dsに単位構造が周期的に並んでおり、方向Dsにおける試料Sxのエッジの間隔をpで表す。pは約2μmの振幅物体であり、照明光の波長は550nmである。試料Sの透過率は、図8(C)に示すように、方向Dsにおける位置が0(符号Sで表す)において100[%]である。位置Sは、図8(B)に示した試料Sxにおいて、エッジ間の中心位置である。図8(C)において、透過率が100%である範囲の端の位置を符号Sで表し、位置Sと位置Sとの中間位置を符号Sで表した。
図8(D)は、透過率Tを小さくした場合の像強度分布を示す図であり、図8(E)は、透過率Tを大きくした場合の像強度分布を示す図である。図8(D)および(E)において、符号I、I、Iは、それぞれ、図8(C)に示した位置S、S、Sに対応する光強度(任意単位、a.u.)である。
図8(D)に示すように、Tが減少するにつれて光強度Iが減少し、2つのピークがあるように見えてしまう。図8(E)に示すように、Tが増加するにつれて光強度Iが増加し、3つのピークが見えてしまう。本願発明者は、上記現象を新たに見出し、Tの適切な範囲を見出した。すなわち、透過率T[%]は、30%≦T≦70%の範囲に設定されているとよい。
次に、変形例について説明する。図9(A)〜(D)はそれぞれ、変形例に係る絞り部24を示す図である。
図9(A)に示す第5変形例の絞り部24において、NDフィルタ41は、開口部34を覆う部分の平面形状が扇状である。NDフィルタ41は、例えば、光軸AXを中心とする円盤状であるが、光軸AXの方向から見た状態で開口部34の外側に配置される部分の形状については任意に変更してもよい。
なお、絞り部24は、開口部34の平面形状が扇状であって、NDフィルタ41のうち開口部34を覆う部分の平面形状が矩形あるいはその他の形状であってもよい。また、絞り部24は、開口部34の平面形状が矩形状(スリット状)であって、NDフィルタ41のうち開口部34を覆う部分の平面形状が扇状あるいはその他の形状であってもよい。
図9(B)に示す第6変形例の絞り部24において、第1の偏光板31は、絞り部材33の開口部34の内側に配置されており、NDフィルタ41は、第1の偏光板31上と絞り部材33上とにわたって、絞り部材33に対する照明光Lの入射側に設けられている。
なお、NDフィルタ41の厚みは、絞り部材33の厚みと同じであってもよいし、絞り部材33の厚み未満であってもよく、絞り部材33の厚みを超えていてもよい。NDフィルタ41は、第1の偏光板31と接していてもよいし、第1の偏光板31と接していなくてもよい。NDフィルタ41は、その全体が開口部34の内側に配置されていてもよいし、その一部が開口部34の外側に配置されていてもよい。
図9(C)に示す第7変形例の絞り部24において、NDフィルタ41は、絞り部材33の開口部34の内側に配置されており、第1の偏光板31は、NDフィルタ41上と絞り部材33上とにわたって設けられている。第1の偏光板31は、NDフィルタ41に対する照明光Lの入射側に設けられている。
図9(D)に示す第8変形例の絞り部24において、第1の偏光板31は、絞り部材33における照明光Lの入射側に面に配置されており、NDフィルタ41は、絞り部材33における照明光Lの出射側の面に配置されている。
図9(E)に示す第9変形例の絞り部24において、NDフィルタ41は、絞り部材33における照明光Lの入射側に面に配置されており、第1の偏光板31は、絞り部材33における照明光Lの出射側の面に配置されている。
上述の変形例のように、NDフィルタ41は、第1の偏光板31に対する照明光Lの入射側に配置されていてもよいし、第1の偏光板31からの照明光Lの出射側に配置されていてもよい。また、NDフィルタ41は、絞り部材33とユニット化されていなくてもよく、絞り部材33および第1の偏光板31と別の部材に支持されていてもよい。また、絞り部24がNDフィルタ41を備える場合に、例えば図3(D)に示したように、第2の偏光板32は、第1の偏光板31からの照明光Lの出射側に配置されていてもよい。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
18・・・対物レンズ、24・・・絞り部、26・・・コンデンサレンズ、
31・・・第1の偏光板、31a・・・吸収軸、32・・・第2の偏光板、
32a・・・吸収軸、33・・・絞り部材、34・・・開口部、AX・・・光軸、
h1・・・最短距離、h2・・・最短距離、h6・・・最短距離、L・・・照明光、
MS・・・顕微鏡、S・・・試料

Claims (7)

  1. 照明光が通過可能な開口部を有する絞り部材と、
    前記開口部の一部を覆う第1の偏光板と、
    前記照明光の光路に配置され、前記第1の偏光板と相対的に回転可能な第2の偏光板と、
    前記第1の偏光板および前記第2の偏光板を通った前記照明光を試料に照射するコンデンサレンズと、
    前記試料の観察側に配置される対物レンズと、を備え、
    前記開口部は、前記コンデンサレンズの光軸を含む面を挟む一対の領域のうち一方の領域のみに、前記コンデンサレンズの光軸から離れた位置に配置され、
    前記コンデンサレンズの光軸から前記開口部のエッジまでの最短距離をh1とし、前記光軸から前記開口部における前記第1の偏光板のエッジまでの最短距離をh2とし、前記コンデンサレンズの光軸から前記開口部のエッジまでの最長距離をh4とし、前記コンデンサレンズの焦点距離をfとし、前記対物レンズの開口数をNA1としたときに、
    h1<f×NA1≦h2<h4を満たし、
    前記開口部の一部を覆うNDフィルタを備え、
    前記光軸から前記開口部における前記NDフィルタのエッジまでの最短距離をh6としたときに、h1<h6≦h2を満たし、
    前記NDフィルタに対する前記照明光の透過率をTとしたときに、0.22≦(h6−h1)/(h2−h1)≦0.75、かつ30%≦T≦70%を満たす、ことを特徴とする顕微鏡。
  2. 前記第1の偏光板と前記第2の偏光板とが相対的に回転することにより、前記対物レンズの開口角以下の角度で前記試料に入射する光の量を調整する、ことを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
  3. 前記第1の偏光板と前記第2の偏光板とは、それぞれの透過軸が互いに平行となる回転位置から、それぞれの透過軸が互いに垂直となる回転位置まで、相対的に回転可能である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡。
  4. 前記第2の偏光板は、前記第1の偏光板に対する前記照明光の入射側に配置されている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の顕微鏡。
  5. 前記第1の偏光板は、前記絞り部材とユニット化されている、ことを特徴とする請求項4に記載の顕微鏡。
  6. 前記第1の偏光板および前記絞り部材の一部は、前記コンデンサレンズの前側焦点面に配置される、ことを特徴とする請求項5に記載の顕微鏡。
  7. 前記第1の偏光板の回転位置が固定されており、前記第2の偏光板は、前記第1の偏光板に対して回転可能である、ことを特徴とする請求項5または6に記載の顕微鏡。
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