JP6561285B2 - 木材の処理方法及び加工品 - Google Patents
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Description
しかしながら、このように含水率を低下させた木材であっても、更なる乾燥や季節毎の湿度・温度の変化などによる吸湿・乾燥により形状が変化してしまい、寸法精度が悪くなることなどが問題となっていた。特に木材についてレーザー加工や印刷などの精密加工を行う場合には、選択した箇所へのこれら加工に木材の経時変形を原因とするズレが生じるなどの問題があった。
この経時変形は木材に含まれる道管の量や形状、道管や仮道管(本明細書では、以下、道管と呼ぶ)をつなぐリグニンやヘミセルロースの量などにより発生形態は複雑であり、予測が難しく制御できなかった。ここで道管とは、被子植物の木部組織における主要構成要素である。
このため木材は、種々の加工を行う場合、寸法上の誤差が出ることで希望するデザインを表現する表面加工が行えないなど扱いづらく、また外観上も決して美しい物にならないなど表面加工の製品化の上で課題となっていた。更にまたレーザー加工などを行うと加工後に木材が更に変形してしまうといった問題もあった。
また、お湯を散布するなどの工程が必要であるため、大型且つ複雑な装置の設置など費用などの面でも問題となっていた。更にまた木材の加熱温度においても90℃から120℃の範囲での加熱が必要であったり、60時間以上の加熱時間が必要であったりしてコストや時間、設備等の面で容易に実施する事が難しかった。
木材と酵素水溶液を接触させる接触工程は、酵素水溶液に含まれる酵素としてプロテアーゼ、ガラクタナーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼ、及びこれらを複合的に含むヘミセルラーゼから少なくとも1種類以上の酵素を0.05重量%以上15重量%以下含む、pH2以上pH11以下に調整した水溶液を木材に接触させる工程である。
木材への接触方法としては、酵素水溶液に木材を浸漬する方法、木材の表面に酵素水溶液を噴霧する方法、木材の表面に筆やブラシにより塗布する方法、木材表面及び側面を写した画像の解析結果から選んだ箇所に印刷技術を用いて酵素水溶液で処理する方法から選択した少なくとも1つの接触方法により接触させる。この接触工程を行う際、酵素水溶液を接触する前に木材にマスキングを施すことにより、処理を行わない箇所を選択することもできる。
この接触工程の後の処理工程は、リグニンやヘミセルロースなど木材を構成する物質に酵素を反応させる反応工程であり、酵素水溶液を接触させた木材をその状態で温度20℃以上80℃以下の雰囲気に0.5時間以上24時間以内静置する。
処理工程の後に行う乾燥工程は、自然乾燥や恒温槽を用いて乾燥する方法、乾燥器を用いて乾燥する方法、熱プレス機により加熱しながらプレスして乾燥する方法、乾燥した後に熱プレスを行い乾燥する方法などが好ましく用いられる。乾燥工程により乾燥した木材の含水率は、含水率計などにより確認でき、60%未満となることが木材を利用する場合好ましい。
更にまた木材の内部まで処理する場合には、木材を酵素水溶液に接触させる接触工程は酵素水溶液の温度と木材の温度を酵素の処理温度よりも低く20℃より低く保ち、酵素水溶液を木材内部まで浸透させた後、木材の温度を所定の温度にして反応させることができる。
前処理後の木材の含水率の測定方法は、水分率計により測定したり、木材の形状測定から木材の体積を導いて単位体積当たりの重量変化を測定する事により確認する事ができる。
乾燥した木材の含水率は、1%以上60%以下が好ましく、1%以上50%未満がより好ましく、1%以上40%未満が更に好ましい。含水率が1%以上60%以下だと酵素水溶液による処理工程において木材に酵素水溶液が浸透し易くなって本発明の効果が好適に確認できる。木材の含水率が1%未満だと予備乾燥に時間や費用が必要になる。一方、木材の含水率が60%より高いと酵素水溶液の効果が木材に含まれる水分により阻害される場合がある。
この木材の前処理の後、木材の変形が確認できない場合は、続けてレーザー加工、切削加工、染色加工、印刷加工などの加工を行う事もできる。
酵素水溶液中の酵素の量は、0.05重量%以上15重量%以下が好ましく、0.2重量%以上10重量%未満がより好ましく、0.3重量%以上5重量%未満が更に好ましい。
酵素水溶液の酵素量が0.05重量%以上15重量%以下だと、木材への酵素水溶液の浸透速度と反応速度が好適な範囲に入るため、木材表面硬度を保ったまま内部応力が除去できる。
酵素水溶液の酵素量が0.05重量%未満であると長い処理時間が必要な場合があり、15重量%より高いと酵素量と処理の効果の相関が低下する傾向にあったり、木材表面硬度が低下する傾向があったり、費用が高くなる場合がある。
酵素水溶液には、水溶液の粘度を調整するため酵素の処理効果を損なわない増粘剤を用いる事ができる。増粘剤としては、シクロデキストリンが好ましく用いられる。酵素水溶液の粘度の増加は、酵素水溶液を筆などで塗布する工程において、処理を行う箇所に選択的に酵素水溶液を施す際に特に有効である。
水溶液のpHについてはpH2以上pH11以下だと酵素の処理効果が認められるため好ましく用いられる。酵素は、選択された酵素の種類及び処理能力を鑑み選択できる。
処理する木材と酵素水溶液の接触方法は、酵素水溶液に木材を浸漬する方法、木材表面に酵素水溶液を噴霧する方法、木材表面に筆やブラシにより塗布する方法が好ましく用いられる。
板材として加工された木材の場合、年輪が板材の表面に現れるが、年輪から板材の反りの発生しやすい場所が特定できる。具体的には、板材の経時変形は、図2に示す様に木の表皮に近い部分が木の軸方向と逆側(木の表皮に近い側)に反る場合が多くある(図2参照)。このため、木の表面の年輪の箇所を確認した後、板材の表皮に近い面の中心に軸と平行方向に酵素水溶液を施すことにより、効果的に木材の内部応力を低下する事が可能となる。
木材表面に筆やブラシで酵素水溶液を塗布する場合には、効果的に木材の内部応力を低下できる部分に施すことができる。筆やブラシについては特に限定されないが、樹脂製の筆やブラシなどが好ましく用いられる。この場合、前述の通り、酵素水溶液に増粘剤を加えると酵素水溶液が処理した箇所から流れにくいため酵素の効果が好適に認められる。
また、塗装に使われるエアーブラシなども好ましく用いられる。エアーブラシを用いる場合には、コンプレッサにより作成した圧縮空気を用いて酵素水溶液を処理箇所に施すことができる。この際、木材の処理を行いたくない部分にマスキングを施すことにより、選択的な処理を行う事ができる。
処理工程の温度は、20℃以上80℃以下で内部応力の除去効果が確認される。温度30℃以上70℃未満では内部応力の除去効果がより短い時間で確認されるため、より好ましく用いられ、35℃以上68℃未満では内部応力の除去効果が高く、更に短い処理時間で処理が行えるため、更に好ましく用いられる。この温度については、選択される酵素の処理温度における処理速度、処理し易い時間を鑑み任意に決定することができる。
処理工程における湿度については特に限定されないが、木材表面が乾燥しない状態が好ましく、湿度50%以上100%以下が酵素水溶液からの水の蒸散が少なくて処理条件一定となるため好ましく、湿度は75%以上100%以下がより好ましく、湿度は80%以上100%以下が更に安定した処理が行えるため好ましい。
酵素水溶液のpHについては、pH2以上pH11以下で酵素による木材の処理効果が確認されるため好ましく、pH3以上pH9以下で処理速度が高くなるため好ましく用いられ、pH3以上pH6以下で処理速度が更に高くなるために、より好ましく用いられる。
処理時間については、木材の処理状態を勘案しつつ任意に設定できるが、酵素の処理速度と実験を行った結果から、0.1時間以上24時間以下で内部応力の除去効果が確認されるため好ましく、0.2時間以上20時間以下がより好ましく、0.3時間以上12時間以下が更に好ましい。処理時間が短すぎると酵素水溶液による木材の内部応力除去効果が限定的になる傾向があり、処理時間が長いことについては特に限定されないが、処理時間が長すぎると処理時間と木材の内部応力除去効果との相関が低下する傾向にある。
レーザー加工、切削加工、染色加工、印刷加工の各々の加工方法については特に限定されないが、レーザー加工に用いられるレーザーは、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、YVO4レーザー、エキシマーレーザー、ファイバーレーザーの少なくとも一つのレーザーを搭載したレーザー加工機が好ましく用いられる。切削加工には、マシニングセンタや旋盤、のこぎり、回転切断機などが好ましく用いられる。染色加工には、色素や顔料を含んだ液体もしくは色素や顔料をそのまま木材に接触させ染色することができる。色素や顔料の接触方法としては、筆やプリンター、印刷機、エアーブラシなどが好ましく用いられる。印刷加工には、プリンターや印刷機などが好ましく用いられる。
この製造方法では、接触工程、処理工程、乾燥工程は、上述した木材の内部応力除去方法の条件による内部応力除去方法を、レーザー加工、切削加工、染色加工、印刷加工から選ばれる少なくとも一つの加工を施した木材加工品に施すことができる。
レーザー加工、切削加工、染色加工、印刷加工の各々の加工方法については特に限定されないが、レーザー加工に用いられるレーザーは、YAGレーザー、炭酸ガスレーザー、YVO4レーザー、エキシマーレーザー、ファイバーレーザーの少なくとも一つのレーザーを搭載したレーザー加工機が好ましく用いられる。切削加工には、マシニングセンタや旋盤、のこぎり、回転切断機などが好ましく用いられる。染色加工には、色素や顔料を含んだ液体もしくは色素や顔料をそのまま木材に接触させ染色することができる。色素や顔料の接触方法としては、筆やプリンター、印刷機、エアーブラシなどが好ましく用いられる。印刷加工には、プリンターや印刷機などが好ましく用いられる。染色加工や印刷加工により色素や顔料が施された木材表面では、木材の内部応力除去方法に用いられる酵素の一部の処理速度が低下するため、木材の内部応力を除去したくない場所や木材表面の状態を変えたくない場合にこれら色素や顔料を施すことにより、木材表面を保護することもできる。
まず、酵素毎の木材の処理効果を確認するため、pHを調整した酵素水溶液を作成し、10℃から90℃の温度において木材の処理を行った。木材は酵素水溶液に浸漬し実施した。酵素水溶液の濃度は水溶液に対し1重量%とした。木材は、針葉樹から選択された杉材(重量5g)と広葉樹から選択された桜材(重量5g)をそれぞれ被処理材として用いた。
処理時間を5時間とし、処理後の表面の電子顕微鏡撮影結果及び処理前後の木材の重量変化から効果の検証を行い、木材の処理効果が確認された温度範囲とpH範囲及び相対的な処理効果(最低0、最高100)を得た。この酵素の処理効果を各酵素の種類毎に表1に示す。
最初に本発明の実施例1及び比較例1を以下のように行った。予備乾燥として恒温槽(エスペックミック社製)を用いて乾燥した杉平板(切り出し加工時寸法として、厚さ5mm×幅100mm×長さ150mm)について、図2及び図3に示すように長さ方向の一端面を位置決め機能付きテーブル6に取り付け、上から押さえ治具9で固定した後、もう一方の端面下部のテーブル上面からの距離を測定した。この木材の幅100mmに対するテーブル上面との間の長さは3.5mmでありこの板材の反り率を3.5%とした。同様の寸法の他の杉板を選択し、反り率を測定したところ3.5%であることを確認して、この2枚の杉板を実施例1及び比較例1に用いた。実施例1及び比較例1の杉板材の含水率を測定したところ両方とも8%であった。
また、この時確認された本発明の処理方法の評価は実験例の結果から想定された評価と同等であった。その後、この木材について表面全体に株式会社ワークステーション製レーザー加工機を用いてレーザー加工を施して、レーザー加工の1時間後及び1週間後にそれぞれ測定された反り率はそれぞれ0.5%であり、レーザー加工によっても新たな反りが発生しないことを確認した。
酵素を加えない以外は全て実施例1と同じ方法で木材に対して処理を行った。この処理を行った場合の板材の反り率は3.5%であり、処理前と比較して変形の大きさの差異は確認できなかった。この時の表面の電子顕微鏡撮影を行ったところ、道管同士の接合がそのまま残っていることが確認された(図5)。この時、この木材の反り率は3.5%であり、この処理による反りの改善効果は確認されなかった。
その後、実施例1と同じ条件でこの木材の表面全体にレーザー加工を施して、レーザー加工の1時間後及び1週間後に測定された反り率は、それぞれ3.5%及び4.5%であり、レーザー加工によって、新たな反りの発生を確認した。
酵素水溶液の酵素としてキシナラーゼ1を選択し、イオン交換水を用いて0.4重量%の酵素水溶液を作成した(pH4.0)。この水溶液に木材を浸漬し、温度60℃の恒温槽内に2時間静置し、その後、軽く水洗した後、60℃の恒温槽にて3時間乾燥した。この木材の反り率を測定したところ0.5%であり、反り率として75%以上改善した。また、この時確認された本発明の処理方法の評価は、実験例の結果から想定された評価と同等であった。その後、熱プレス機(東洋精機製MP−WCL)にて60℃で2分間のプレス乾燥を行なった。この時の板材は反り率0.2%以下だった。この結果からプレス加工により更に反りが改善する事が確認された。
その後、この木材について表面全体に実施例1と同じ条件でレーザー加工を施して、レーザー加工1時間後及び1週間後に測定された反り率はそれぞれ0.2%以下であり、レーザー加工によっても新たな反りが発生しないことを確認した。
酵素を加えない以外は全て実施例2と同じ方法で木材に対して処理を行った。水により処理した後の板材は反り率2.0%であり、処理前との比較で変化は確認できなかった。この時の表面の電子顕微鏡撮影を行ったところ、道管同士の接合状態がそのまま残っていることが確認された。この結果から、この条件での反りの改善効果は確認されなかった。
この木材に対し、60℃の恒温槽にて3時間の乾燥後、熱プレス機(東洋精機製MP−WCL)にて60℃2分間のプレス乾燥をした。この時の木材の反り率は0.5%以下であり、反り率として75%以上改善した。
その後、この木材について表面全体に実施例1と同じ条件でレーザー加工を施して、レーザー加工1時間後及び1週間後に測定された反りはそれぞれ反り率0.5%及び3.5%であり、レーザー加工によって新たな反りの発生を確認した。
次に本発明の処理方法による木材の内部応力の除去効果が実験例で行われた評価と一致することを確認するため、酵素としてキシラナーゼ1を選択し、pH及び処理温度を制御し、内部応力の除去効果を検証した。
11回の試験を行った結果、図6に示したように、実験例で得られた処理能力の評価(電子顕微鏡撮影から得られた結果と木材の処理前後の重量変化から5段階評価した)と内部応力除去効果(反り率の改善%)は、良い相関を示した。
また、実施例の評価が3以下だった処理条件において、処理時間を増して処理を行った所、反り率がより改善されることを確認した。反り率のさらなる改善が確認された事から、同じ処理条件であった場合、処理時間を増やすことにより、反り率の改善を制御できることが確認できた。
これらの実験結果から、本発明の処理方法による木材の内部応力の除去効果が実験例で行われた評価と一致することを確認した。
同様の寸法の杉板を選択し、反り率を測定したところ反り率3.0%であることを確認した。このように4枚の杉板を選び実施例3から実施例6に用いた。実施例7には、同様の反り率%を示した桜材を用いた。これら杉板材及び桜板材の含水率を測定したところ、5枚とも10%であった。
酵素水溶液の酵素としてプロテアーゼを選択し、イオン交換水を用いて10重量%の酵素水溶液を作成した(水溶液のpHは5.0)。この水溶液に木材を浸漬し、温度50℃の恒温槽内に30分間静置した。その後、軽く水洗した後、60℃の恒温槽にて3時間の乾燥後、反り率を測定したところ0.5%で反り率として83%改善した。また、この時確認した本発明の処理方法の評価は実験例の結果から想定された評価と同等であった。
その後、この木材について表面全体に実施例1と同じ条件でレーザー加工を施して、レーザー加工1時間後及び1週間後に測定された反り率はそれぞれ0.5%以下であり、レーザー加工によっても新たな反りが発生しないことを確認した。
酵素水溶液の酵素としてガラクタナーゼを選択し、イオン交換水を用いて10重量%の酵素水溶液を作成した(水溶液のpHは4.5)。この水溶液に前記木材を浸漬し、温度40℃の恒温槽内に10時間静置した。その後、軽く水洗した後、60℃の恒温槽にて3時間の乾燥後、反り率を測定したところ0.6%で反り率として80%、改善した。また、この時確認された本発明の処理方法の評価は実験例の結果から想定された評価と同等であった。
その後、この木材について表面全体に実施例1と同じ条件でレーザー加工を施して、レーザー加工1時間後及び1週間後に測定された反り率はそれぞれ0.6%以下であり、レーザー加工によっても新たな反りが発生しないことを確認した。
酵素水溶液の酵素としてセルラーゼを選択し、イオン交換水を用いて3重量%の酵素水溶液を作成した(水溶液のpHは5.0)。この水溶液に前記木材を浸漬し、温度45℃の恒温槽内に5時間静置した。その後、軽く水洗した後、60℃の恒温槽にて3時間の乾燥後、反り率を測定したところ0.3%で反り率として90%程度、改善した。また、この時確認した本発明の処理方法の評価は実験例の結果から想定された評価と同等であった。
その後、この木材について表面全体に実施例1と同じ条件でレーザー加工を施して、レーザー加工1時間後及び1週間後に測定された反り率はそれぞれ0.3%以下であり、レーザー加工によっても新たな反りが発生しないことを確認した。
酵素水溶液の酵素としてペクチナーゼを選択し、イオン交換水を用いて2重量%の酵素水溶液を作成した(水溶液のpHは4.0)。この水溶液に前記木材を浸漬し、温度50℃の恒温槽内に4時間静置した。その後、軽く水洗した後、60℃の恒温槽にて3時間の乾燥後、反り率を測定したところ0.4%で反り率として85%以上、改善した。また、この時確認された本発明の処理方法の評価は実験例の結果から想定された評価と同等であった。
その後、この木材について表面全体に実施例1と同じ条件でレーザー加工を施して、レーザー加工1時間後及び1週間後に測定された反り率はそれぞれ0.4%以下であり、レーザー加工によっても新たな反りが発生しないことを確認した。
酵素水溶液の酵素としてキシラナーゼ2を選択し、イオン交換水を用いて2重量%の酵素水溶液を作成した。この溶液にはシクロデキストリンを0.5重量%添加することで粘度を増した(水溶液のpHは5.0)。この水溶液に桜板材を浸漬し、温度60℃の恒温槽に4時間静置した。その後、軽く水洗した後、60℃の恒温槽にて3時間の乾燥後、反り率を測定したところ0.4%で反り率として85%以上改善した。また、この時確認された本発明の処理方法の評価は実験例の結果から想定された評価と同等であった。
その後、この桜板材について表面全体に実施例1と同じ条件でレーザー加工を施して、レーザー加工1時間後及び1週間後に測定された反り率はそれぞれ0.4%以下であり、レーザー加工によっても新たな反りが発生しないことを確認した。
酵素水溶液の酵素としてキシラナーゼ2を選択し、イオン交換水を用いて2重量%の酵素水溶液を作成した。この溶液には、シクロデキストリンを0.5重量%添加し、粘度を増した(水溶液のpHは5.0)。この水溶液を反り率2%、含水率8%である木材の反りが生じやすい面3の道管の方向と平行にポリエチレン製のブラシで塗布した。この木材の反りが生じやすい面3は、木材の側面4及び反りが生じやすい面3の画像から判断した。
この酵素水溶液を処理した木材を温度60℃の恒温槽内に4時間静置した。その後、軽く水洗した後、60℃の恒温槽にて3時間の乾燥後、反り率を測定したところ0.5%で反り率として75%以上改善した。この時確認された本発明の処理方法の評価は実験例の結果から想定された評価と同等であった。
その後、この木材について表面全体に実施例1と同じ条件でレーザー加工を施して、レーザー加工1時間後及び1週間後に測定された反り率はそれぞれ0.5%以下であり、レーザー加工によっても新たな反りが発生しないことを確認した。
酵素水溶液の酵素としてキシラナーゼ2を選択し、イオン交換水を用いて2重量%の酵素水溶液を作成した(水溶液のpHは5.0)。この水溶液を反り率2%、含水率10%である木材の反りが生じやすい面3の道管の方向と平行にエアーブラシ(アネスト岩田社製IS−800)で塗布した。塗布箇所を任意に選択するため、塗布箇所以外には、マスキングテープによるマスキングを施した。この時、エアーブラシから塗布した酵素水溶液の濃度及びpHは、前記濃度及びpHと変化がないことを確認した。木材の反りが生じやすい面3は、木材の側面4及び反りが生じやすい面3の年輪の現れかたの画像から判断した。
この酵素水溶液を処理した木材を温度60℃の恒温槽に4時間静置した。その後、軽く水洗した後、60℃の恒温槽にて3時間の乾燥後、反り率を測定したところ0.5%で反り率として75%以上改善した。また、この時確認された本発明の処理方法の評価は実験例1の結果から想定された評価と同等であった。更にまた、マスキングを施した箇所では、電子顕微鏡撮影の結果から、酵素による処理効果が低いことを確認した。
その後、この木材について表面全体に実施例1と同じ条件でレーザー加工を施して、レーザー加工1時間後及び1週間後に測定された反り率はそれぞれ0.5%以下であり、レーザー加工によっても新たな反りが発生しないことを確認した。
2 反りが発生した木材
3 反りの発生しやすい面
4 反りの発生しやすい方向を判断する木材の断面
5 反りが発生した木材の反りの大きさ
6 位置決め機能付きテーブル
7 反りが発生しやすい面の画像取得手段
8 反りの発生しやすい方向を判断する木材の断面の画像取得手段
9 押さえ治具
Claims (1)
- 木材の経時変形を低減させる内部応力除去方法であって、
前記木材の一部もしくは全部を、ガラクタナーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、キシラナーゼから成る群から選ばれる少なくとも1種以上の酵素を含む水溶液に接触させる接触工程と、
前記木材を構成する物質と、前記酵素とを20℃から80℃の環境下で反応させる処理工程と、
前記処理工程後の木材を乾燥する乾燥工程と、
を含む木材の経時変化を低減させる内部応力除去方法。
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