JP6565768B2 - 光通信装置 - Google Patents

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Description

この明細書による開示は、車両等の移動体に搭載され、道路に設置された光通信路側機との間で光通信によって情報を送受信する光通信装置に関する。
従来、例えば特許文献1には、光ビーコン等の光通信路側機からダウンリンク信号を受信する受信手段と、光通信路側機へ向けてアップリンク信号を送信する送信手段とを備える車両用の路車間通信装置が開示されている。この路車間通信装置は、受信手段によるダウンリンク信号の受信状態に基づき、光通信路側機との通信領域に進入したと判定し、送信手段からのアップリンク信号の送信を開始する。こうした制御によれば、通信領域に進入する前の不要なアップリンク信号の送信が抑制され得る。
特開2014−119956号公報
さて、特許文献1に開示の路車間通信装置では、受信手段によるダウンリンク信号の受信状態に基づき、光通信路側機の通信領域への進入を判断している。故に、通信領域に進入したとの判断は必ずしも正確ではなく、進入したとの判断後に送信されたアップリンク信号であっても、光通信路側機に確実に受信されるとは限らない。そのため路車間通信装置では、通信の信頼性の確保のために、通信領域に進入したとの判定後に、実質一定の送信周期でアップリンク信号の送信が繰り返される。
しかしながら、アップリンク信号の送信周期は、高速で走行する車両からでも光通信路側機に確実にアップリンク信号が受信されるよう、比較的短く設定される。故に、例えば車両が低速で走行している場合、通信領域への進入前にてアップリンク信号の送信が抑制されたとしても、通信領域への進入後に行われるアップリンク信号の送信回数は、不必要に増加し得た。
本開示は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、その目的は、光通信路側機との通信の確実性を確保しつつ、不要なアップリンク信号の送信を抑制することが可能な光通信装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、開示された第一の態様は、移動体(A)に搭載され、道路に設置された光通信路側機(110)との間で光通信によって情報を送受信する光通信装置であって、光通信路側機からダウンリンク信号を受信する受信部(81)と、光通信路側機へ向けてアップリンク信号を送信する送信部(82)と、受信部の受信状態に基づき、光通信路側機との安定通信領域(SCA)に受信部が進入したことを判定する通信領域判定部(72)と、移動体の走行速度を取得する速度取得部(71)と、通信領域判定部が安定通信領域内にあるとの判定に基づき、送信部によるアップリンク信号の送信を開始させる送信制御部であって、走行速度が速くなるほどアップリンク信号の送信間隔(ti)を短く設定し、走行速度が遅くなるほどアップリンク信号の送信間隔を長く設定する送信制御部(73)と、を備え、送信制御部は、通信領域判定部が安定通信領域内であると判定した後に速度取得部にて取得される走行速度を用いて、当該走行速度に対応する送信間隔を設定し、アップリンク信号の送信を開始する光通信装置とされる。
この態様によれば、安定通信領域に進入したと判定された後で開始されるアップリンク信号の送信間隔は、移動体の走行速度が高くなるほど、短くされる。故に、移動体が高速で走行している場合でも、光通信路側機へ向けてアップリンク信号が送信される回数は、確保される。以上により、アップリンク信号は、光通信路側機に確実に受信され得る。
一方、移動体が低速で走行している場合では、アップリンク信号の送信間隔は長くされる。故に、安定通信領域に進入したと判定されるまでアップリンク信号の送信をしない制御と相俟って、一つの光通信路側機へ向けたアップリンク信号の送信回数は、的確に抑制され得る。以上によれば、光通信装置は、安定通信領域への進入判定に基づいて開始する路車間通信について、光通信路側機との通信の確実性を確保しつつ、不要なアップリンク信号の送信を抑制できる。
尚、上記括弧内の参照番号は、後述する実施形態における具体的な構成との対応関係の一例を示すものにすぎず、技術的範囲を何ら制限するものではない。
路車間通信に関連する光通信装置、ナビゲーション装置、及び光ビーコンの全体構成を示すブロック図である。 光ビーコンの安定通信領域及び不安定通信領域を模式的に示す図である。 光ビーコンの安定通信領域及び不安定通信領域を模式的に示す図である。 図5よりも車両の走行速度が高い場合に、アップリンク信号の送信間隔が短く設定されることを示す図である。 図4よりも車両の走行速度が低い場合に、アップリンク信号の送信間隔が長く設定されることを示す図である。 送受信処理回路によって実施される送信処理の詳細を示すフローチャートである。
本開示の一実施形態による光通信装置100は、図1に示すように、ナビゲーション装置10と共に車両Aに搭載されている。光通信装置100は、近赤外線を用いた光通信により、道路上に設置された各種の光ビーコン110との間で双方向の路車間通信を行う。各種の光ビーコン110には、DSSS(Driving Safety Support Systems)用及びVICS(Vehicle Information and Communication System,登録商標)用等の光ビーコンが含まれる。
光ビーコン110は、電話回線等の通信回線を介して、交通管制センター等に設置された中央装置と接続されている。光ビーコン110は、光通信装置100へ向けてダウンリンク信号を繰り返し送信すると共に、光通信装置100から送信されたアップリンク信号を受信する。
ダウンリンク信号によって伝送される情報(以下、「ダウンリンク情報」)には、車両Aの進行方向の道路に関する交通情報及び予定旅行時間情報等が含まれる。アップリンク信号によって伝送される情報(以下、「アップリンク情報」)には、車両Aが走行した道路の旅行時間及び通行軌跡等のプローブ情報が含まれる。光ビーコン110は、多数の車両から収集したプローブ情報を中央装置に送信する。またアップリンク情報には、個々の光通信装置100に割り当てられた固有のID情報が含まれる。光ビーコン110は、特定の車両Aからのアップリンク信号を受信すると、受信したID情報を含むダウンリンク信号を間欠的に送信する。
光ビーコン110は、ビーコン制御部111と少なくとも一つの投受光部112とを備えている。ビーコン制御部111は、プロセッサ、RAM、及び記憶媒体を有するマイクロコントローラを主体に構成されている。ビーコン制御部111は、中央装置との有線通信と、光通信装置100との光通信とを統合的に制御する。
図2及び図3に示す投受光部112は、車道脇に設けられた支柱から水平に架設された架設バーに取り付けられている。投受光部112は、車両Aが通過可能な道路の上方に位置している。受光面及び照射面を直下よりも上流方向に向けた投受光部112の設置姿勢により、路車間通信を実施可能な通信領域は、投受光部112の上流方向に設定される。尚、投受光部112の上流方向は、車両Aの進行方向とは反対の方向である。
光ビーコン110の通信領域は、ダウンリンク信号とアップリンク信号とで互いに異なっている。光通信装置100がダウンリンク信号を送信する通信領域(以下「DL通信領域」)は、投受光部112の真下を基準位置RPとすると、規格上、基準位置RPから上流方向に0.7〜6.0mの範囲とされる。一方、光ビーコン110がアップリンク信号を受信可能な領域(以下「UL通信領域」)は、規格上、基準位置RPの上流方向に3.4〜6.0mの範囲とされる。
以上のように、DL通信領域及びUL通信領域の各上流端は、一般的に上記の規格よりも広く設定されている。加えて、DL通信領域の上流端と、UL通信領域の上流端とは、必ずしも一致していない。例えば、DL通信領域の上流端がUL通信領域の上流端よりも上流方向に位置している場合、UL通信領域の上流端からDL通信領域の上流端までを「不安定通信領域UCA」と定義し、UL通信領域の上流端からDL通信領域の下流端までを「安定通信領域SCA」とする。
不安定通信領域UCAには、ダウンリンク信号である近赤外光が照射され得るため、光通信装置100は、不安定ながらもダウンリンク信号を受信可能である。しかし、不安定通信領域UCAでのダウンリンク信号の受信の成功率は、安定通信領域SCAでのダウンリンク信号の受信の成功率よりも低くなる。加えて、不安定通信領域UCAがUL通信領域外であることにより、不安定通信領域UCAに位置する光通信装置100から送信されたアップリンク信号は、投受光部112に受信され難い。故に、不安定通信領域UCAは、ダウンリンク通信には成功し得るものの、アップリンク通信には失敗する領域となる。
投受光部112は、発光ダイオード及びフォトダイオードを少なくとも一つずつ有している。発光ダイオードは、近赤外線光よりなるダウンリンク信号を、DL通信領域へ向けて照射する。フォトダイオードは、UL通信領域に位置する光通信装置100から出力された近赤外線光よりなるアップリンク信号を受光可能である。
次に、図1に基づき、車両Aに搭載されたナビゲーション装置10及び光通信装置100の詳細を順に説明する。
ナビゲーション装置10は、目的地までの経路情報、及び路車間通信を通じて取得された道路情報等を、表示及び音声によって車両Aの運転者に提供する。ナビゲーション装置10は、位置検出部30、ディスプレイ21、音声出力部22、外部メモリ23、及びナビゲーション制御部20等によって構成されている。
位置検出部30は、GNSS受信器31、慣性センサ32、及び車速信号入力部33を有している。GNSS受信器31は、複数の人工衛星からの測位信号を受信し、受信した測位信号に基づいて車両Aの現在位置を計測する。慣性センサ32は、ジャイロセンサ等であり、車両Aに作用する加速度を計測する。車速信号入力部33は、車両Aに搭載された車速センサ40と電気的に接続されている。車速信号入力部33には、車両Aの車輪の回転速度に対応した車速パルスが入力される。車速信号入力部33に入力された車速パルスに基づき、車両Aの走行速度及び移動量が算出可能である。
位置検出部30は、各構成(31〜33)にて取得された情報を統合することにより、車両Aの現在の位置情報と車両Aの現在の走行速度を示す速度情報とを生成し、ナビゲーション制御部20に逐次提供する。尚、位置検出部30は、位置情報及び速度情報を取得するための構成として、地磁気から進行方位を検出可能な地磁気センサ、及びステアリングの操舵角情報を取得する取得部等をさらに備えていてもよい。
ディスプレイ21は、カラー表示可能な液晶表示器等を含む構成である。ディスプレイ21は、運転者によって設定された目的地までの経路情報、並びに光ビーコン110によって提供されたVICS情報及びDSSS情報等、車両Aに係る種々の情報を画面に表示させた画像によって運転者に提示できる。
音声出力部22は、音声を再生可能なスピーカ等を含む構成である。音声出力部22は、予め設定された所定の報知音及び音声メッセージ等を車室内に再生することで、例えば経路情報、VICS情報、及びDSSS情報等の車両Aに係る種々の情報を運転者に提示できる。
外部メモリ23は、例えばHDD及びフラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性の記憶媒体を含む構成である。外部メモリ23には、ディスプレイ21に表示される地図データ、及び音声出力部22によって再生される音声データ等が格納されている。加えて外部メモリ23には、個々の光ビーコン110の種別、設置された緯度及び経度等を示す光ビーコン情報が記憶されている。
ナビゲーション制御部20は、プロセッサ、RAM、記憶媒体、入出力インターフェース、及びこれらを接続するバスライン等を有するマイクロコントローラを主体に構成されている。ナビゲーション制御部20は、記憶媒体に格納されたプログラムをプロセッサによって実行することにより、経路情報、VICS情報、及びDSSS情報等の提示処理、並びに光通信装置100との間での情報の送受信処理等を行う。例えばナビゲーション制御部20は、位置検出部30にて取得された車両Aの速度情報を、光通信装置100へ向けて逐次送信する。またナビゲーション制御部20は、光通信装置100にて受信された情報を逐次取得する。
光通信装置100は、道路の上方に設置された投受光部112との間で光通信を行い易いように、例えば車両Aのダッシュボードの上面に取付けられている。光通信装置100は、光ビーコン110から送信されるダウンリンク信号を受信する機能と、光ビーコン110へ向けてアップリンク信号を送信する機能とを備えている。光通信装置100は、受信部81、送信部82、及び送受信処理回路70等によって構成されている。
受信部81は、近赤外光を検出可能なフォトダイオードを少なくとも一つ以上含む構成である。フォトダイオードの受光面は、車両Aの進行方向上側に向けられている。受信部81は、ダウンリンク信号として投受光部112から射出される近赤外光を検出することにより、ダウンリンク信号を受信する。受信部81は、光通信によって受信したダウンリンク信号を電気信号に変換し、送受信処理回路70へ向けて逐次出力する。
送信部82は、近赤外光を射出可能な発光ダイオードを少なくとも一つ以上含む構成である。発光ダイオードの照射面は、受信部81の受光面と同様に、車両Aの進行方向上側に向けられている。送信部82は、送受信処理回路70から電気信号として出力されたアップリンク信号を近赤外線のパルス信号に変換し、投受光部112の位置する進行方向上側へ向けて逐次送信する。
送受信処理回路70は、ナビゲーション装置10と電気的に接続されており、ナビゲーション装置10と有線通信によって情報を送受信できる。送受信処理回路70は、プロセッサ、RAM、及び記憶媒体等を備えたマイクロコントローラを主体に構成されている。加えて送受信処理回路70は、受信部81にて受信されたダウンリンク情報を取得する受信ポートと、送信部82から送信させるアップリンク情報を出力する送信ポートとを備えている。送受信処理回路70は、記憶媒体に記憶されたプログラムに実行により、光ビーコン110との光通信を処理する機能部として、データ処理部71、領域確定部72、及び送受信制御部73を構築する。
データ処理部71は、光ビーコン110から受信した各種のダウンリンク情報を、予め設定された優先順位に基づいて並び替え、ナビゲーション制御部20へ向けて転送する。加えてデータ処理部71は、光ビーコン110へ送信されるプローブ情報等をナビゲーション制御部20から取得する。またデータ処理部71は、車両Aの走行速度を示す速度情報をナビゲーション制御部20から取得する。データ処理部71は、車両Aの走行中において、速度情報の取得を繰り返し実施する。データ処理部71は、ナビゲーション制御部20にて算出された走行速度の値を速度情報として単に取得してもよく、又は連続する複数回分の走行速度を取得したうえで、これらの平均値を最新の速度情報としてもよい。
領域確定部72は、受信部81におけるダウンリンク信号の受信状態に基づき、光ビーコン110の安定通信領域SCAに受信部81が進入したか否かを判定する。領域確定部72は、投受光部112から送信されたダウンリンク信号を受信部81が連続して受信できているか否かに基づき、受信状態を判定する。例えば、所定時間内でのダウンリンク信号の受信回数が所定の閾値を超えていれば、領域確定部72は、受信部81がダウンリンク信号を連続して受信していると判断し、安定通信領域SCAに受信部81があると判定する。一方、所定時間内でのダウンリンク信号の受信回数が閾値未満である場合、領域確定部72は、受信部81が安定通信領域SCAの外にあると判定する。
送受信制御部73は、受信部81にて受信されたダウンリンク信号の取得処理と、送信部82から送信するアップリンク信号の出力処理とを実施する。送受信制御部73は、領域確定部72による安定通信領域SCAであるとの判定に基づき、送信部82によるアップリンク信号の送信を開始させる(図4及び図5参照)。尚、図4及び図5において、光ビーコン110から光通信装置100へ向かう左向きの矢印がダウンリンク信号を示し、光通信装置100から光ビーコン110へ向かう右向きの矢印がアップリンク信号を示している。
送受信制御部73は、データ処理部71にて取得される車両Aの走行速度が速くなるほど、アップリンク信号の送信間隔tiを短く設定する。その結果、アップリンク信号の送信周期が短縮されて、所定時間あたりのアップリンク信号の送信回数が増加される(図4参照)。一方、送受信制御部73は、走行速度が遅くなるほど、アップリンク信号の送信間隔tiを長く設定する。その結果、アップリンク信号の送信周期が延長されて、所定時間あたりのアップリング信号の送信回数が低減される(図5参照)。
さらに送受信制御部73は、アップリンク信号の送信を開始した後も、データ処理部71にて取得される最新の走行速度に基づいて、アップリンク信号の送信間隔tiを調整する。具体的に送受信制御部73は、アップリンク信号を送信する度に、次のアップリンク信号を送信するまでの間隔を、最新の走行速度に基づいて設定している。故に、安定通信領域SCAとの判定後に、車両Aの走行速度が大きく変動した場合でも、変動後の走行速度に対応した送信間隔tiにて、送受信制御部73は、アップリンク信号の送信を実施させる。
送受信制御部73は、光ビーコン110からのダウンリンク信号の受信が所定の時間(例えば3秒程度)無い場合、この光ビーコン110との通信が終了したと判定する。さらに、送受信制御部73は、光ビーコン110との通信を終了させる以前に、この光ビーコン110にアップリンク信号が受信されたことに基づき、アップリンク信号の送信を終了させることができる。
具体的に、アップリンク信号を受信した光ビーコン110は、上述したように、アップリンク信号に含まれている固有のID情報をダウンリンク信号に付加する。送受信制御部73は、アップリンク信号の送信開始後に、ダウンリンク信号に自車宛のID情報が含まれているか否かを判定する。ダウンリンク信号に自車宛のID情報が含まれていない場合、送受信制御部73は、アップリンク信号が光ビーコン110に受信されていないと判定し、アップリンク信号の送信を継続する。一方で、ダウンリンク信号に自車宛のIDが含まれている場合、送受信制御部73は、光ビーコン110によってアップリンク信号が受信されたと判定し、アップリンク信号の送信を終了する(図4及び図5参照)。
以上のように、車両Aの走行速度に合わせてアップリンク信号の送信間隔tiを変更する処理の詳細を、図6に基づき、図1,図4,図5を参照しつつ説明する。図6に示す送信処理は、光通信装置100への給電が開始されたことに基づき、送受信処理回路70によって開始される。
尚、こうした送信処理は、光ビーコン110への接近を位置情報に基づいて検知したナビゲーション制御部20の指令信号に基づき、送受信処理回路70によって開始されてもよい。また図6のフローチャートでは、ダウンリンク信号の受信に基づいてアップリンク信号の送信を開始する内容と送信間隔tiを調整する内容とが主に示されており、例えば光ビーコン110との通信を終了する処理等の記載は省略されている。
S101では、ダウンリンク信号を受信する処理を実施し、S102に進む。S102では、S101にて受信したダウンリンク信号の受信状態に基づき、受信部81が安定通信領域内であるか否かを判定する。S102にて、ダウンリンク信号を連続して受信できている場合、受信部81が安定通信領域SCA内であると判定し(S102:YES)、S103に進む。一方で、ダウンリンク信号を連続して受信できていない場合、受信部81が安定通信領域SCAの外であると判定し(S102:NO)、S101に戻る。S101及びS102の繰り返しにより、受信部81(車両A)の安定通信領域SCA内への進入を待機する。
S103では、最新の速度情報を取得し、S104に進む。S104では、S103にて取得した最新の速度情報に基づき、速度情報に対応した送信間隔tiを設定し、S105に進む。S105では、アップリンク信号を送信し、S106に進む。S106では、アップリンク信号を送信してからの経過時間を計測するタイマを始動し、S107に進む。
S107では、自車宛のID情報を含むダウンリンク信号を受信したか否かを判定する。S107にて、自車宛のID情報を含むダウンリンク信号を受信したと判定した場合(S107:YES)、アップリンク信号が光ビーコン110によって受信されたものと推定し、一連の送信処理を終了する。以上により、送受信処理回路70は、安定通信領域SCAの通過に伴う光ビーコン110との通信終了を待機した状態となる。
一方、S107にて、自車宛のID情報を含むダウンリンク信号を受信していないと判定した場合(S107:NO)、S108に進む。S108では、S106にて始動したタイマの経過時間と、S104にて設定した送信間隔tiとを比較し、経過時間が送信間隔tiを超えたか否かを判定する。S108にて、タイマの経過時間が送信間隔ti未満であり、タイムアウト前であると判定した場合(S108:NO)、S107に戻る。そして、S107及びS108の判定を繰り返すことにより、自車宛のID情報を含むダウンリンク信号の受信を待機する。
一方、S108にて、タイマの経過時間が送信間隔ti以上となり、タイムアウト後であると判定した場合(S108:YES)、S103に戻る。そして、S103〜S106の実施により、最新の速度情報に基づいて次の送信間隔tiを再設定したうえで、アップリンク信号を送信する。さらに、S103〜S108の繰り返しによれば、自車宛のID情報を含むダウンリンク信号の受信まで、アップリンク信号は、送信間隔tiを調整されつつ、繰り返し送信される。
ここまで説明した本実施形態によれば、安定通信領域SCAに進入したとの判定後に開始されるアップリンク信号の送信間隔は、車両Aの走行速度が高くなるほど、短くなる。故に、車両Aが高速で走行している場合でも、安定通信領域SCAからアップリンク信号が送信される回数は確保される。以上により、アップリンク信号は、光ビーコン110に確実に受信され得る。
一方、車両Aが低速で走行している場合では、アップリンク信号の送信間隔tiは長くされる。故に、安定通信領域SCAに進入したと判定されるまでアップリンク信号の送信を開始しない制御と相俟って、一つの光ビーコン110へのアップリンク信号の送信回数は、的確に抑制され得る。以上によれば、光通信装置100は、安定通信領域SCAへの進入判定に基づいて開始する光ビーコン110との通信の確実性を確保しつつ、不要なアップリンク信号の送信を抑制できる。その結果、光通信装置100の消費電力の低減、送信部82の発光ダイオードの長寿命化等が実現される。
加えて本実施形態では、安定通信領域SCAに進入したとの判定後に車両Aの走行速度が大きく変動しても、アップリンク信号の送信間隔tiは、最新の走行速度に基づいて、適宜調整され得る。故に、光通信装置100は、適切な送信間隔tiでのアップリンク信号の送信を継続できる。以上によれば、路車間通信の確実性の確保と不要なアップリンク信号の送信抑制との両立が、さらに実現され易くなる。
さらに本実施形態の送受信処理回路70は、アップリンク信号を送信する度に送信間隔tiを調整している。故に、アップリンク送信の開始後に走行速度が著しく下がったような場合でも、アップリンク信号の送信間隔tiは、走行速度に合わせてさらに正確に調整され得る。したがって、路車間通信の確実性の確保と不要なアップリンク信号の送信抑制との両立が、いっそう実現され易くなる。
また本実施形態では、ダウンリンク信号が連続して受信されたことに基づいて、領域確定部72は、受信部81が安定通信領域SCAにあると判定する。こうしたダウンリンク信号の受信状態に基づくことで、光通信装置100は、アップリンク信号の送信を、光ビーコン110による受信が可能となるタイミングで、遅滞なく開始し得る。したがって、光通信装置100は、光ビーコン110との路車間通信を確実に実施しつつ、アップリンク信号の送信回数を最小限に抑えることができる。
加えて本実施形態では、自車宛のID情報を含んだダウンリンク信号の取得により、光通信装置100は、アップリンク信号の送信を終了できる。以上によれば、アップリンク信号を受信済みの光ビーコン110へ向けた不要な送信継続が実施されないので、アップリンク信号の送信回数は、確実に低減可能となる。
尚、第一実施形態において、データ処理部71が「速度取得部」に相当し、領域確定部72が「通信領域判定部」に相当し、送受信制御部73が「送信制御部」に相当し、光ビーコン110が「光通信路側機」に相当し、車両Aが「移動体」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定して解釈されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
上記実施形態の変形例1では、ダウンリンク信号の強度に基づいて、受信部の安定通信領域SCAへの進入が判定される。具体的に、変形例1の領域確定部は、光ビーコンから送信されたダウンリンク信号の光の強度が所定の強度閾値を超えたことに基づき、受信部が安定通信領域SCAにあると判定する。以上の判定方法によっても、領域確定部は、安定通信領域SCAと受信部との位置関係の推定精度を確保できる。その結果、光通信装置は、アップリンク信号の送信を、光ビーコンによる受信が可能となるタイミングで、遅滞なく開始し得る。
また上記実施形態の変形例2による領域確定部は、ダウンリンク信号を連続して受信したか否かの判定と、ダウインリンク信号の強度が閾値強度を超えたか否かの判定とを組み合わせて、安定通信領域への受信部の進入を推定する。具体的に、変形例2の領域確定部は、連続して受信したダウインリンク信号の強度が全て閾値強度を超えた場合、又は連続して受信したダウインリンク信号の強度の平均値が閾値強度を超えた場合等に、受信部が安定通信領域SCA内にあると判定する。以上の判定方法によれば、光通信装置は、光ビーコンの安定通信領域SCAに進入したことの推定精度を、さらに高めることができる。
上記実施形態の変形例3による光通信装置は、ナビゲーション装置の一部として構成されている。即ち、変形例3では、ナビゲーション装置が本開示の光通信装置の機能を備えている。故に、上記実施形態の送受信処理回路70に構築される各機能部は、変形例3では、ナビゲーション制御部に構築される。
上記実施形態の変形例4による光通信装置は、例えば車両Aに設けられた通信バスに接続されており、ナビゲーション装置を介することなく速度情報を取得可能である。この変形例4のように、光通信装置は、ナビゲーション装置に付随する構成でなくてもよい。
上記実施形態では、速度情報の取得ステップ(S103)と送信間隔の設定ステップ(S104)は、アップリンク信号の送信ステップ(S105)とタイマの始動ステップ(S106)よりも先に実施されていた。しかし、変形例5による光通信装置の送信処理では、アップリンク信号の送信ステップとタイマの始動ステップを実施した後に、速度情報の取得ステップと送信間隔の設定ステップが実施される。以上の処理順序であっても、アップリンク信号の送信間隔は、走行速度に合わせてさらに正確に調整され得る。
上記実施形態の変形例6では、アップリンク信号の送信間隔は、アップリンク信号の送信開始と前後して、一度だけ設定される。即ち、安定通信領域に進入したとの判定後に車両の走行速度が変動しても、アップリンク信号は、最初に設定された送信周期で送信され続ける。以上のような変形例6であっても、安定通信領域に進入したと判定された前後の走行速度が送信周期に反映され得るので、路車間通信の確実性の確保と不要なアップリンク信号の送信抑制との両立が可能となる。
車両Aの走行速度に対して送信間隔tiを設定するための方法は、適宜変更可能である。例えば、送信間隔tiは、走行速度に反比例する関数として設定されてもよく、又は走行速度が大きくなるほど値の小さくなる線形又は非線形の関数として設定されていてもよい。また、走行速度に対する送信間隔tiの変化は、連続的でなくてもよい。例えば、走行速度の増加に伴い、ステップ状に送信間隔tiを短く設定する関数又はテーブルが予め規定されていてもよい。さらに、予め設定された低速域値よりも低い速度域にて、送信間隔tiは、一定の値とされてもよい。同様に、予め設定された高速域値よりも高い速度域にて、送信間隔tiは、一定の値とされてもよい。
光通信装置の搭載される移動体は、上記実施形態のような車両Aに限定されない。光通信装置は、乗用車、貨物自動車(トラック)、オートバイ(二輪車)、バス、建設機械等、車道を走行する種々の移動体に搭載可能である。
A 車両(移動体)、ti 送信間隔、UCA 不安定通信領域、71 データ処理部(速度取得部)、72 領域確定部(通信領域判定部)、73 送受信制御部(送信制御部)、81 受信部、82 送信部、100 光通信装置、110 光ビーコン(光通信路側機)

Claims (6)

  1. 移動体(A)に搭載され、道路に設置された光通信路側機(110)との間で光通信によって情報を送受信する光通信装置であって、
    前記光通信路側機からダウンリンク信号を受信する受信部(81)と、
    前記光通信路側機へ向けてアップリンク信号を送信する送信部(82)と、
    前記受信部の受信状態に基づき、前記光通信路側機との安定通信領域(SCA)に前記受信部が進入したことを判定する通信領域判定部(72)と、
    前記移動体の走行速度を取得する速度取得部(71)と、
    前記通信領域判定部が前記安定通信領域内にあるとの判定に基づき、前記送信部によるアップリンク信号の送信を開始させる送信制御部であって、前記走行速度が速くなるほどアップリンク信号の送信間隔(ti)を短く設定し、前記走行速度が遅くなるほどアップリンク信号の送信間隔を長く設定する送信制御部(73)と、を備え
    前記送信制御部は、前記通信領域判定部が前記安定通信領域内であると判定した後に前記速度取得部にて取得される前記走行速度を用いて、当該走行速度に対応する送信間隔を設定し、アップリンク信号の送信を開始する光通信装置。
  2. 前記速度取得部は、前記走行速度の取得を繰り返し、
    前記送信制御部は、アップリンク信号の送信を開始した後に、前記走行速度に基づいてアップリンク信号の送信間隔を調整する請求項1に記載の光通信装置。
  3. 前記送信制御部は、アップリンク信号を送信する度に、次のアップリンク信号を送信するまでの送信間隔を前記走行速度に基づいて設定する請求項2に記載の光通信装置。
  4. 前記通信領域判定部は、前記光通信路側機から送信されたダウンリンク信号を連続して前記受信部が受信したことに基づき、前記受信部が前記安定通信領域にあると判定する請求項1〜3のいずれか一項に記載の光通信装置。
  5. 前記通信領域判定部は、前記光通信路側機から送信されたダウンリンク信号の光の強度が所定の強度閾値を超えたことに基づき、前記受信部が前記安定通信領域にあると判定する請求項1〜4のいずれか一項に記載の光通信装置。
  6. 前記送信制御部は、アップリンク信号を送信した後の経過時間が送信間隔を超えたタイミングで、前記速度取得部にて取得される最新の前記走行速度を用いて次の送信間隔を設定する請求項1〜5のいずれか一項に記載の光通信装置。
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