JP6566077B2 - 燃料噴射弁、及び、燃料噴射弁の製造方法 - Google Patents

燃料噴射弁、及び、燃料噴射弁の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関(以下、「エンジン」という)に燃料を噴射供給する燃料噴射弁、及び、燃料噴射弁の製造方法に関する。
従来、ハウジングが有する噴孔をニードルの往復移動によって開閉しハウジング内の燃料を外部に噴射する燃料噴射弁が知られている。例えば、特許文献1には、可動コア、固定コア、コイル、可動コアと一体に往復移動可能に設けられ可動コアの動きに応じて弁座から離間または弁座に当接すると噴孔を開閉するニードル、可動コアを閉弁方向に付勢する閉弁用スプリング、可動コアを開弁方向に付勢する開弁用スプリングなどを備える燃料噴射弁が記載されている。
特開2012−97728号公報
特許文献1に記載の燃料噴射弁では、開弁用スプリングは、一端が可動コアに当接し、他端がハウジングまたはニードルに設けられる支持部材に支持されている。特許文献1に記載の燃料噴射弁が閉弁するとき、可動コアが閉弁方向に行き過ぎると開弁用スプリングが規定以上に圧縮される。規定以上に圧縮された開弁用スプリングの付勢力によって可動コアがリバウンドすると、ニードルが再び開弁方向に移動し予定外の燃料噴射が行われるおそれがある。
本発明の目的は、閉弁時の可動コアの閉弁方向への行き過ぎを防止することができる燃料噴射弁を提供することにある。
本発明の第一の態様は、燃料噴射弁であって、燃料を噴射する噴孔(26)を開閉するニードル部材(411、711、412、42)、コイル(29)への通電に伴い磁気吸引力を生じさせる固定コア(27)、固定コアに吸引されて反噴孔側へ所定量移動した時点でニードル部材に当接しニードル部材を開弁作動させる可動コア(50)、ニードル部材に固定されている固定部材(35、65、75)、ニードル部材の開弁作動に伴い弾性変形しニードル部材を閉弁作動させる第一弾性力を発揮する第一スプリング(281)、及び、一端が固定部材の反噴孔側の面と当接し、他端が可動コアの噴孔側と当接し、弾性変形することで可動コアを反噴孔側へ付勢する第二弾性力を発揮する第二スプリング(282)を備える。本発明の第一の態様の燃料噴射弁では、ニードル部材は、固定部材が反噴孔側へ圧入される圧入部(412)を有し、固定部材は、圧入部に圧入されることによってニードル部材に固定されている。
本態様では、固定部材の一部は、第二スプリングの内側に位置している。
本発明の第二の態様は、燃料噴射弁の製造方法であって、固定部材の圧入部への圧入の量を調整することによって第二弾性力を調整する。
本発明の燃料噴射弁は、ニードル部材に固定されている固定部材を備えている。本発明の燃料噴射弁が閉弁するとき、可動コアは、ニードル部材と一体となって噴孔方向としての閉弁方向に移動する。ニードル部材は、噴孔を閉じると閉弁方向への移動を停止するが、可動コアは慣性力によってさらに閉弁方向に移動する。このとき、閉弁方向に移動する可動コアは、固定部材に当接し、閉弁方向への行き過ぎが規制される。これにより、閉弁方向に行き過ぎた可動コアのリバウンドによってニードル部材が反噴孔方向としての開弁方向に移動し噴孔が再び開くことを防止することができる。
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁の断面図である。 図1のII部拡大図である。 本発明の第二実施形態による燃料噴射弁の断面図である。 本発明の第三実施形態による燃料噴射弁の断面図である。 図4のV−V線断面図である。 本発明の第四実施形態による燃料噴射弁の断面図である。 本発明の第五実施形態による燃料噴射弁の断面図である。 本発明の第六実施形態による燃料噴射弁の断面図である。 本発明のその他の実施形態による燃料噴射弁の断面図である。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による燃料噴射弁1を図1、2に示す。なお、図1、2には、ニードル40が弁座255から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座255に当接する方向である閉弁方向を図示する。
燃料噴射弁1は、例えば図示しない直噴式ガソリンエンジンの燃料噴射装置に用いられ、燃料としてのガソリンを高圧でエンジンに噴射供給する。燃料噴射弁1は、ハウジング20、ニードル40、可動コア50、固定コア27、鍔部収容部材30、「固定部材」としての規制部材35、コイル29、第一スプリング281、第二スプリング282などを備える。
ハウジング20は、図1に示すように、第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23及び噴射ノズル25から構成されている。第一筒部材21、第二筒部材22及び第三筒部材23は、いずれも円筒状の部材である。第一筒部材21、第二筒部材22、第三筒部材23の順に同軸となるよう配置され、互いに接続している。
第一筒部材21及び第三筒部材23は、例えばフェライト系ステンレスなどの磁性材料により形成され、磁気安定化処理が施されている。一方、第二筒部材22は、例えばオーステナイト系ステンレスなどの非磁性材料により形成されている。
噴射ノズル25は、第一筒部材21の第二筒部材22とは反対側の端部に溶接されている。噴射ノズル25は、例えばマルテンサイト系ステンレスなどの金属からなる有底筒状の部材である。噴射ノズル25は、所定の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。噴射ノズル25は、噴射部251及び筒部252などから構成されている。
噴射部251は、燃料噴射弁1の中心軸と同軸のハウジング20の中心軸CA0を対称軸として線対称の形状を成している。噴射部251の外壁253は、噴射ノズル25の内部から外部に向かって突出するよう形成されている。噴射部251は、ハウジング20の内部と外部とを連通する噴孔26を複数有する。噴射部251の内壁254には、噴孔26の内側開口の周囲に弁座255が形成されている。
筒部252は、噴射部251の径方向外側に噴射部251の外壁253が突出する方向とは反対の方向に延びるように設けられている。筒部252は、一方の端部が噴射部251に接続し、他方の端部が第一筒部材21に接続している。
ニードル40は、例えばマルテンサイト系ステンレスなどの金属により形成されている。ニードル40は、噴射ノズル25の硬度と同程度の硬度を有するよう焼入れ処理が施されている。
ニードル40は、ハウジング20の内部に往復移動可能に収容されている。ニードル40は、小径部411、「圧入部」としての大径部412、シール部42、摺接部44、鍔部43などから構成されている。小径部411、大径部412、シール部42及び鍔部43は、一体に形成される。小径部411、大径部412、シール部42及び鍔部43は、特許請求の範囲に記載の「ニードル部材」に相当する。
小径部411は、第一筒部材21の内側に往復移動可能に設けられる棒状の部位である。小径部411の弁座255側にはシール部42が設けられている。小径部411の弁座255とは反対側には大径部412が設けられている。小径部411の大径部412が設けられる側の端部は、燃料が流通可能な流路401を有する。流路401は、小径部411を径方向に貫くよう形成されている開口413に連通している。
大径部412は、略筒状の部位である。大径部412の外径は、小径部411の外径より大きい。大径部412は、ニードル40の弁座255とは反対側に連通し燃料が流通可能な流路402を有する。流路402は、小径部411の流路401に連通している。
シール部42は、弁座255に当接可能に設けられている。ニードル40は、シール部42が弁座255から離間または弁座255に当接すると噴孔26を開閉し、ハウジング20の内部と外部とを連通または遮断する。
摺接部44は、小径部411のシール部42側に設けられている。摺接部44は、外壁441の一部が面取りされている。摺接部44は、外壁441の面取りされていない部分が噴射ノズル25の内壁と摺接可能である。これにより、ニードル40は、弁座255側の先端部での往復移動が案内される。
鍔部43は、略円環状の部位である。鍔部43は、大径部412の弁座255とは反対側の端部の径方向外側に設けられている。鍔部43の弁座255側の端面431は、可動コア50に当接可能である。鍔部43の弁座255とは反対側の端面432は、大径部412の弁座255側の端面414と同一平面となるよう形成されている。
可動コア50は、例えばフェライト系ステンレスなどの磁性材料からなる略筒状の部材である。可動コア50は、鍔部43の弁座255側にニードル40に対して相対移動可能に設けられている。
可動コア50は、大径部412が挿通される挿通孔500を有している。また、可動コア50は、挿通孔500の径外方向に可動コア50の弁座255とは反対側と弁座255側とを連通する連通路501を複数有している。連通路501には燃料が流れる。
可動コア50の弁座255とは反対側の端面502は、鍔部43の端面431及び固定コア27に当接可能に形成されている。図2に示すように、鍔部収容部材30の板部31が大径部412及び鍔部43に当接し、かつ、鍔部収容部材30の筒部32が可動コア50に当接しているとき、端面502と端面431との間には隙間430が形成される。
固定コア27は、ハウジング20の第三筒部材23と溶接され、ハウジング20の内側に固定されている。固定コア27は、固定コア本体部271及び固定コア摺動部272を有している。
固定コア本体部271は、例えばフェライト系ステンレスなどの磁性材料から形成されている。固定コア本体部271は、磁気安定化処理が施され、後述するコイル29が形成する磁界内に設けられている。
固定コア摺動部272は、固定コア本体部271の弁座255側の端部の内側に設けられている筒状部材である。固定コア摺動部272は、表面に例えばクロムめっきを施し、鍔部収容部材30や鍔部43、可動コア50の硬度と同程度の硬度を有している。固定コア摺動部272は、図2に示すように、弁座255側の端面273が固定コア本体部271の弁座255側の端面274より弁座255側に位置するよう形成されている。これにより、可動コア50が開弁方向に移動すると、可動コア50の端面502と固定コア摺動部272の端面273とが当接し、可動コア50の開弁方向への移動が規制される。
鍔部収容部材30は、第一スプリング281と可動コア50との間であって固定コア摺動部272の径方向内側に設けられている。鍔部収容部材30は、板部31、及び、筒部32などから構成されている。板部31と筒部32とは、一体に形成されている。
板部31は、鍔部43に対して弁座255とは反対側に位置する。板部31は、大径部412の端面414、及び、鍔部43の端面432と当接可能な端面311を有している。板部31は、中心軸CA0の方向に貫通する貫通孔312を有する。貫通孔312は、鍔部収容部材30の外部と内部とを連通する。
筒部32は、板部31の径方向外側の端部から弁座255の方向に延びるよう形成されている筒状の部位である。筒部32は、内壁が鍔部43の径方向外側の外壁と摺動可能に設けられている。また、筒部32の外壁は、固定コア摺動部272の内壁と摺動可能に形成されている。
筒部32の弁座255側の端面321は、可動コア50の端面502に当接可能に形成されている。筒部32は、鍔部43が鍔部収容部材30の内側を往復移動可能な程度の長さを有している。筒部32は、筒部32の内側と外側とを連通する連通路322を有する。連通路322は、隙間430に連通可能である。
コイル29は、筒状に形成され、主に第二筒部材22及び第三筒部材23の径方向外側を囲むよう設けられている。コイル29は、電力が供給されると周囲に磁界を形成する。磁界が形成されると、固定コア27、可動コア50、第一筒部材21、第三筒部材23及びホルダ17に磁気回路が形成される。
第一スプリング281は、一端が板部31の弁座255とは反対側の端面313に当接するよう設けられている。第一スプリング281の他端は、固定コア27の内側に圧入固定されたアジャスティングパイプ11の弁座255側の端面111に当接している。第一スプリング281は、ニードル40を弁座255側、すなわち、閉弁方向に付勢している。
第二スプリング282は、一端が可動コア50の弁座255側の端面503に当接している。第二スプリング282の他端は、規制部材35に支持されている。第二スプリング282は、可動コア50を弁座255とは反対側、すなわち、開弁方向に付勢している。
第二スプリング282の「第二弾性力」としての付勢力は、第一スプリング281の「第一弾性力」としての付勢力より小さくなるよう設定されている。これにより、コイル29に電力が供給されていないとき、ニードル40のシール部42は、弁座255に当接した状態、すなわち、閉弁状態となる。
規制部材35は、鍔部43の弁座255側であって小径部411及び大径部412の径方向外側に設けられている略筒状の部材である。規制部材35は、例えば、圧入によりニードル40に固定される。規制部材35は、筒部36、内側突出部37、及び、外側突出部38などから構成されている。
筒部36は、小径部411及び大径部412の径方向外側に設けられる。筒部36の内壁361と小径部411の外壁415との間には連通路360が形成されている。連通路360は、小径部411の開口413と規制部材35の外側とを連通している。筒部36の弁座255とは反対側の端面362は、可動コア50の端面503に当接可能に形成されている。筒部36の弁座255側の内縁部363は、弁座255とは反対側から弁座255側に向かうにつれて規制部材35の中心軸と同軸の中心軸CA0から離れるよう形成されている傾斜面を有している。
内側突出部37は、筒部36の径方向内側に設けられる。内側突出部37は、筒部36の弁座255とは反対側の端部から筒部36の径内方向に突出するよう形成されている。内側突出部37の内壁371は、大径部412の外壁416に固定されている。内側突出部37の弁座255とは反対側の端面372は、筒部36の端面362と同一平面上にあって可動コア50の端面503に当接可能に形成されている。
外側突出部38は、筒部36の弁座255側の端部から筒部36の径方向外側に突出するよう形成されている。外側突出部38の弁座255とは反対側の端面381は、第二スプリング282を支持する。
第三筒部材23の第二筒部材22側とは反対の端部には、筒状の燃料導入パイプ12が圧入及び溶接されている。燃料導入パイプ12の内側には、フィルタ13が設けられている。フィルタ13は、燃料導入パイプ12の導入口14から流入した燃料に含まれる異物を捕集する。
燃料導入パイプ12及び第三筒部材23の径方向外側は、樹脂によりモールドされている。当該モールド部分にコネクタ15が設けられている。コネクタ15には、コイル29へ電力を供給するための端子16がインサート成形されている。また、コイル29の径方向外側には、コイル29を覆うよう筒状のホルダ17が設けられている。
燃料導入パイプ12の導入口14から流入する燃料は、固定コア27の内側、アジャスティングパイプ11の内側、貫通孔312、流路402、401、開口413、連通路360、第一筒部材21と小径部411との間を流れ、噴射ノズル25の内部に導かれる。また、アジャスティングパイプ11の内側を流れる燃料の一部は、連通路501、第一筒部材21と規制部材35との間を流れ、噴射ノズル25の内部に導かれる。すなわち、燃料導入パイプ12の導入口14から第一筒部材21と小径部411との間までが噴射ノズル25の内部に燃料を導入する燃料通路18となる。
次に、燃料噴射弁1の作用について、説明する。
コイル29に電力が供給されていないとき、ニードル40のシール部42は、弁座255に当接している。このとき、ニードル40、可動コア50、及び、鍔部収容部材30は、図2に示す位置関係となっている。具体的には、固定コア27と可動コア50との間には磁気吸引力は発生していないため、固定コア27と可動コア50との間には隙間が形成されている。また、大径部412及び鍔部43と板部31とが当接し、かつ、筒部32と可動コア50とが当接しているため、隙間430が形成されている。隙間430には、燃料通路18を流れる燃料が満たされている。
コイル29に電力が供給され固定コア27と可動コア50との間に磁気吸引力が発生すると、可動コア50は、第一スプリング281の付勢力、第二スプリング282の付勢力、及び、当該磁気吸引力のバランスに応じて隙間430の中心軸CA0方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動し、可動コア50の端面502が鍔部43の端面431に当接する。このとき、隙間430の燃料は、筒部32の連通路322を介して鍔部収容部材30の外部に速やかに流出する。
さらに、可動コア50の端面502と鍔部43の端面431とが当接したまま可動コア50は開弁方向に移動する。これにより、シール部42が弁座255から離間し、噴孔26が開く。噴孔26が開くと、噴射ノズル25の内部に導かれている燃料が噴孔26を通って外部に噴射される。開弁方向に移動する可動コア50が固定コア摺動部272に当接すると、可動コア50の開弁方向への移動が停止する。
コイル29への電力の供給が停止すると、固定コア27と可動コア50との間に発生している磁気吸引力が消滅するため、可動コア50及び鍔部収容部材30は、第一スプリング281の付勢力及び第二スプリング282の付勢力に応じて閉弁方向に移動する。可動コア50及び鍔部収容部材30が閉弁方向に移動すると、端面414及び端面431と端面311とが当接する。これにより、ニードル40は、可動コア50及び鍔部収容部材30とともに閉弁方向に移動する。
ニードル40が閉弁方向に移動しシール部42と弁座255とが当接すると噴孔26は閉じられ、燃料の噴射が終了する。シール部42と弁座255とが当接するとニードル40の閉弁方向への移動は停止するが、可動コア50は慣性力によって閉弁方向に移動する。このとき、第二スプリング282の付勢力によって可動コア50の閉弁方向への移動速度は徐々に遅くなるが、当該移動速度が十分に遅くならない場合、可動コア50は、規制部材35の端面362、372に当接することで閉弁方向への移動を停止する。
第一実施形態による燃料噴射弁1は、第二スプリング282を支持しつつ可動コア50に当接可能な規制部材35を備えている。
開弁状態の燃料噴射弁1が閉弁するとき、可動コア50とニードル40とは一体となって閉弁方向に移動する。可動コア50は、ニードル40が弁座255に当接し閉弁方向への移動を停止した後もさらに閉弁方向に移動する。規制部材35は、鍔部43との間で可動コア50が往復移動可能なよう設けられており、ニードル40が弁座255に当接した後の可動コア50の閉弁方向への行き過ぎを防止する。これにより、閉弁方向に行き過ぎた可動コア50のリバウンドによってニードル40が開弁方向に移動し噴孔26が再び開くことを防止することができる。
規制部材35は、小径部411及び大径部412の径方向外側に設けられ、第二スプリング282の一端を支持している。これにより、燃料噴射弁1の製造時に規制部材35と可動コア50との距離を調整すれば第二スプリング282の付勢力を調整することができるため、第二スプリング282の付勢力を高精度に調整することができる。
従来、燃料噴射弁の製造時に可動コアを開弁方向に付勢する付勢部材の付勢力の調整は、当該付勢部材の一端を支持するハウジングなどに当該付勢部材やニードル、可動コアなどを組み付けた状態で行われていた。このため、当該付勢部材の付勢力の調整は、比較的難しく調整に必要な工数が増加していた。
燃料噴射弁1では、規制部材35と可動コア50との関係のみによって第二スプリング282の付勢力を調整することができる。これにより、可動コアを開弁方向に付勢する付勢手段の一端がハウジングに支持されている場合に比べ、付勢力の調整を比較的容易に行うことができる。
また、燃料噴射弁1では、可動コア50とニードル40とを組み付けるニードル組立工程において第二スプリング282の付勢力を調整することができるため、ハウジングに付勢部材やニードル、可動コアなどを組み付けた後当該付勢部材の付勢力を調整するインジェクタ組立工程が不要となる。これにより、燃料噴射弁の製造工数を低減することができる。
筒部36の内壁361と小径部411の外壁415との間には、燃料通路18を構成する連通路360が形成されている。これにより、燃料噴射に必要な量の燃料を燃料導入パイプ12の導入口14から噴射ノズル25の内部まで確実に流すことができる。
筒部36の弁座255側の内縁部363は、弁座255とは反対側から弁座255側に向かうにつれて規制部材35の中心軸と同軸の中心軸CA0から離れるよう形成されている傾斜面を有している。これにより、連通路360から規制部材35の外側に燃料をスムーズに流出させることができる。
規制部材35は、筒部36の弁座255とは反対側の端部に設けられている内側突出部37が大径部412に圧入し固定されている。これにより、燃料噴射弁1の閉弁時、閉弁方向に移動する可動コア50が規制部材35に衝突するときの衝撃力を内側突出部37で受け止めることができる。したがって、可動コア50が規制部材35に衝突するときの衝撃力によって規制部材35が破損することを防止できる。
燃料噴射弁1では、開弁時、可動コア50は、隙間430の中心軸CA0方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動する。可動コア50は、ある程度加速した状態で可動コア50の端面502が鍔部43の端面431に当接する。これにより、燃料噴射弁1では、ニードル40に比較的大きな開弁方向の力を作用させることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による燃料噴射弁を図3に基づいて説明する。第二実施形態は、規制部材とハウジングとの間に比較的断面積が小さい狭小空間を有する点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図3には、ニードル40が弁座255から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座255に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第二実施形態による燃料噴射弁2では、第一筒部材21は、規制部材35の外側突出部38の弁座255側に比較的断面積が小さい流路を有する。具体的には、図3に示すように、外側突出部38の弁座255側の端面382と端面382に対向する第一筒部材21の内壁211との間に隙間380が形成されている。
燃料噴射弁2では、ニードル40が閉弁方向に移動すると、隙間380は徐々に狭くなるため、隙間380の燃料によってダンパ効果が生じる。このダンパ効果によってニードル40の閉弁方向への移動速度が遅くなり、ニードル40が弁座255に比較的速い速度で衝突することを防止する。これにより、第二実施形態は、閉弁時のシール部42と弁座255との衝突によってシール部42や弁座255が破損することを防止することができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による燃料噴射弁を図4、5に基づいて説明する。第三実施形態は、規制部材の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図4には、ニードル40が弁座255から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座255に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第三実施形態による燃料噴射弁3は、「固定部材」としての規制部材65を備える。規制部材65は、例えば、圧入及びレーザ溶接によってニードル40に固定される。規制部材65は、筒部66、及び、外側突出部38などから構成されている。
筒部66は、小径部411及び大径部412の径方向外側に設けられる。筒部66の内壁661のうち弁座255とは反対側の端部の内壁は、大径部412の外壁416に固定されている。筒部66の内壁661のうち弁座255側の端部の内壁は、レーザ溶接によって小径部411の外壁415と溶接されている。筒部66の弁座255とは反対側の端面662は、可動コア50の端面503に当接可能に形成されている。
筒部66は、径方向に貫通する連通孔664を複数有している。連通孔664は、図5に示すように、小径部411が有する開口413に対応する位置に形成されている。連通孔664は、開口413と規制部材65の外側とを連通している。
燃料噴射弁3では、規制部材65は、弁座255とは反対側の端部が大径部412に固定され、弁座255側の端部が小径部411にレーザ溶接されている。両端がニードル40に固定されている規制部材65は、開口413と規制部材65の外部とを連通する連通孔664を有している。連通孔664は、燃料通路18を構成し、開口413と規制部材65の外部との間を流れる燃料が通る。これにより、燃料噴射に必要な量の燃料を燃料導入パイプ12の導入口14から噴射ノズル25の内部まで確実に流すことができる。
また、規制部材65は、弁座255側の端部がレーザ溶接によって小径部411に固定されている。これにより、燃料噴射弁3の閉弁時、閉弁方向に移動する可動コア50が規制部材35に衝突するときの衝撃力によって規制部材65が閉弁方向に移動することを防止する。したがって、燃料噴射弁3の使用によって第二スプリング282の付勢力が変化することを防止することができる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態による燃料噴射弁を図6に基づいて説明する。第四実施形態は、ニードル及び規制部材の形状が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図6には、ニードル70が弁座255から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル70が弁座255に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第四実施形態による燃料噴射弁4は、ニードル70、及び、「固定部材」としての規制部材75を備える。
ニードル70は、小径部711、大径部412、シール部42、摺接部44、鍔部43などから構成されている。小径部711、大径部412、シール部42及び鍔部43は、一体に形成される。小径部411、大径部412及びシール部42は、特許請求の範囲に記載の「ニードル部材」に相当する。
小径部711は、第一筒部材21の内側に往復移動可能に設けられる棒状の部位である。小径部711の弁座255側にはシール部42が設けられている。小径部711の弁座255とは反対側には大径部412が設けられている。小径部711の大径部412が設けられる側の端部は、燃料が流通可能な流路701を有する。流路701は、第一実施形態の流路401に比べて中心軸CA0方向に長くなるよう形成されている。流路701は、流路402に連通している。流路701は、小径部711を径方向に貫くよう形成されている開口713に連通している。開口713は、図6に示すように、規制部材75より弁座255側に形成されている。
規制部材75は、例えば、圧入によりニードル40に固定される。規制部材75は、筒部76、及び、外側突出部38などから構成されている。
筒部76は、小径部411及び大径部412の径方向外側に設けられる。筒部76の内壁761のうち弁座255とは反対側の端部の内壁は、大径部412の外壁416に固定されている。筒部76の内壁761のうち弁座255側の端部の内壁は、小径部711の外壁715との間に隙間760を形成している。隙間760は、弁座255側に開口764を有する。隙間760には燃料が流入または流出可能である。筒部76の弁座255とは反対側の端面762は、可動コア50の端面503に当接可能に形成されている。筒部76の弁座255側の内縁部763は、弁座255とは反対側から弁座255側に向かうにつれて中心軸CA0から離れるよう形成されている傾斜面を有している。
燃料噴射弁4では、燃料通路18を構成するニードル70の開口713は、規制部材75より弁座255側に形成されている。これにより、燃料噴射弁4は、規制部材75に邪魔されることなく、燃料噴射に必要な量の燃料を噴射ノズル25の内部まで確実に流すことができる。
燃料噴射弁4では、ニードル70が閉弁方向に移動すると、規制部材75の内縁部763と小径部711の外壁715との間を通って隙間760に燃料が押し込まれる。この隙間760への燃料の押し込みによってニードル70に適度な抵抗が作用し、ニードル70の閉弁方向への移動速度が比較的遅くなる。これにより、ニードル70が弁座255に速い速度で衝突することを防止することができる。したがって、第四実施形態は、閉弁時のシール部42と弁座255との衝突によってシール部42や弁座255が破損することを防止することができる。
また、隙間760を形成する筒部76の弁座255側の内縁部763は、弁座255とは反対側から弁座255側に向かうにつれて中心軸CA0から離れるよう形成されている傾斜面を有している。これにより、隙間760への燃料の流入および流出をスムーズに行うことができる。
(第五実施形態)
次に、本発明の第五実施形態による燃料噴射弁を図7に基づいて説明する。第五実施形態は、規制部材の移動を阻止する移動阻止部が設けられている点が第四実施形態と異なる。なお、第四実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図7には、ニードル70が弁座255から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル70が弁座255に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第五実施形態による燃料噴射弁5は、移動阻止部80を備える。移動阻止部80は、円環状の部材であって、規制部材75の弁座255側であって小径部711の外壁715に例えば、溶接により固定されている。移動阻止部80は、規制部材75の外側突出部38の端面382に当接している。
燃料噴射弁5では、移動阻止部80は、閉弁方向に移動する可動コア50が規制部材75に衝突するときの衝撃力によって規制部材75が閉弁方向に移動することを阻止することができる。これにより、第二スプリング282の付勢力を規定しているニードル70を介した可動コア50に対する規制部材75の相対位置を不変とすることができる。
(第六実施形態)
次に、本発明の第六実施形態による燃料噴射弁を図8に基づいて説明する。第六実施形態は、閉弁時、鍔部と可動コア、及び、鍔部と板部との間に隙間が形成されている点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。また、図8には、ニードル40が弁座255から離間する方向である開弁方向、及び、ニードル40が弁座255に当接する方向である閉弁方向を図示する。
第六実施形態による燃料噴射弁6の断面図を図8に示す。図8に示す状態では、シール部42と弁座255とは当接している。このとき、筒部32と可動コア50とは当接し、可動コア50と規制部材35とは当接している。また、鍔部43の弁座255側の端面431は、端面502との間に隙間430を形成しつつ、鍔部43の弁座255とは反対側の端面432は、鍔部収容部材30の板部31が有する端面311との間に隙間310を形成している。
第六実施形態では、図68に示す状態から固定コア27と可動コア50との間に磁気吸引力が発生すると、可動コア50は、隙間430の中心軸CA0方向の長さに相当する距離を加速しつつ開弁方向に移動し、可動コア50の端面502が鍔部43の端面431に当接する。これにより、燃料噴射弁6では、ニードル40に比較的大きな開弁方向の力を作用させることができる。
(その他の実施形態)
(1)上述の実施形態による燃料噴射弁は、鍔部収容部材の板部がニードルに当接し、かつ、鍔部収容部材の筒部が可動コアに当接しているとき、可動コアの弁座とは反対側の端面と鍔部の弁座側の端面との間には隙間を有するとした。しかしながら、当該隙間が有しない燃料噴射弁であってもよい。図9に、鍔部収容部材を備えていない燃料噴射弁7を示す。燃料噴射弁7は、シール部42と弁座255とが当接しているとき、鍔部43の端面431と可動コア50の端面502とが当接している。このような燃料噴射弁7でも本発明の規制部材を備えることによって、第二スプリング282を支持する規制部材35が可動コア50のリバウンドを防止することができる。
(2)上述の実施形態では、ニードルは「燃料流路」を有するとした。燃料流路は有していなくてもよい。
(3)上述の実施形態では、規制部材は、筒部及び外側突出部を有するとした。しかしながら、規制部材の形状はこれに限定されない。鍔部の弁座側において鍔部との間で可動コアが移動可能なよう設けられ、「支持部」及び可動コアと当接可能な「当接部」を有すればよい。
(4)第一、二実施形態では、内側突出部の弁座とは反対側の端面と筒部の弁座とは反対側の端面とは、同一平面上に位置するとした。しかしながら、同一平面上でなくてもよい。可動コア画餅弁方向に移動するとき内側突出部の弁座とは反対側の端面または筒部の弁座とは反対側の端面の少なくとも一方が可動コアに当接可能に形成されていればよい。
(5)第一、二実施形態では、規制部材は、「可動コア側の端部」が大径部に圧入固定されるとした。しかしながら、規制部材が圧入固定される部位はこれに限定されない。
(6)第五実施形態では、移動阻止部は、一個の円環状の部材であるとした。しかしながら、移動阻止部の形状及び数はこれに限定されない。移動阻止部は、複数の円弧状の部材から構成され、例えば、小径部の外壁に周方向に等間隔に設けられてもよい。この場合、ニードルの小径部が有する外壁と規制部材の内壁との間に形成される「ダンパ空間」が隣り合う移動阻止部の隙間を介して規制部材の外側に連通するため、燃料をスムーズに流すことができる。
(7)第四、五実施形態による燃料噴射弁が規制部材の弁座側の端面と当該端面に対向するハウジングの内壁との間に形成される「狭小空間」を有してもよい。
(8)第一〜三実施形態による燃料噴射弁が移動阻止部を備えてもよい。この場合、移動阻止部は、複数の円弧状の部材から構成されることによってニードルの小径部が有する外壁と規制部材の内壁との間に形成される連通路が隣り合う移動阻止部の隙間を介して規制部材の外側に連通するため、燃料をスムーズに流すことができる。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2、3、4、5、7・・・燃料噴射弁
26 ・・・噴孔
27 ・・・固定コア
29 ・・・コイル
35、65、75・・・規制部材(固定部材)
42 ・・・シール部(ニードル部材)
50 ・・・可動コア
281 ・・・第一スプリング
282 ・・・第二スプリング
411、711・・・小径部(ニードル部材)
412 ・・・大径部(ニードル部材、圧入部)

Claims (4)

  1. 燃料を噴射する噴孔(26)を開閉するニードル部材(411、711、412、42)と、
    コイル(29)への通電に伴い磁気吸引力を生じさせる固定コア(27)と、
    前記固定コアに吸引されて反噴孔側へ所定量移動した時点で前記ニードル部材に当接し、前記ニードル部材を開弁作動させる可動コア(50)と、
    前記ニードル部材に固定されている固定部材(35、65、75)と、
    前記ニードル部材の開弁作動に伴い弾性変形し前記ニードル部材を閉弁作動させる第一弾性力を発揮する第一スプリング(281)と、
    一端が前記固定部材の反噴孔側の面と当接し、他端が前記可動コアの前記噴孔側の面と当接し、弾性変形することで前記可動コアを反噴孔側へ付勢する第二弾性力を発揮する第二スプリング(282)と、
    を備え、
    前記ニードル部材は、前記固定部材が反噴孔側へ圧入される圧入部(412)を有し、
    前記固定部材は、前記圧入部に圧入されることによって前記ニードル部材に固定され
    前記固定部材の一部は、前記第二スプリングの内側に位置している燃料噴射弁。
  2. 燃料を噴射する噴孔(26)を開閉するニードル部材(411、711、412、42)と、
    コイル(29)への通電に伴い磁気吸引力を生じさせる固定コア(27)と、
    前記固定コアに吸引されて反噴孔側へ所定量移動した時点で前記ニードル部材に当接し、前記ニードル部材を開弁作動させる可動コア(50)と、
    前記ニードル部材に固定されている固定部材(35、65、75)と、
    前記ニードル部材の開弁作動に伴い弾性変形し前記ニードル部材を閉弁作動させる第一弾性力を発揮する第一スプリング(281)と、
    一端が前記固定部材の反噴孔側の面と当接し、他端が前記可動コアの前記噴孔側の面と当接し、弾性変形することで前記可動コアを反噴孔側へ付勢する第二弾性力を発揮する第二スプリング(282)と、
    を備え、
    前記ニードル部材は、前記固定部材が反噴孔側へ圧入される圧入部(412)を有し、
    前記固定部材は、前記圧入部に圧入されることによって前記ニードル部材に固定されている燃料噴射弁の製造方法であって、
    前記固定部材の前記圧入部への圧入の量を調整することによって前記第二弾性力を調整する燃料噴射弁の製造方法。
  3. 前記ニードル部材は、前記圧入部の前記噴孔側において外径が前記圧入部の外径より小さく形成される小径部(411)を有している請求項1に記載の燃料噴射弁。
  4. 前記ニードル部材は、前記圧入部の前記噴孔側において外径が前記圧入部の外径より小さく形成される小径部(411)を有している請求項2に記載の燃料噴射弁の製造方法。
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