以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
〔実施形態1〕
(自律走行体システム1の構成)
図2及び図3を用いて、本実施形態に係る自律走行体システム1の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態1に係る自律走行体システム1の構成を表す図である。
図2に示すように、自律走行体システム1は、建物の天井2に配されたランドマーク(マーカー)3と、自律走行を行う自律走行体10とを有する。本実施形態において自律走行体10は、例えば、美術館、空港などの各種商業施設内など、主に建物の内部の床面を自律走行するものとする。自律走行体10は、走行台車部11と、走行台車部11を覆うように組み付けられた外装部21とを備えている。具体的には、自律走行体10は、走行台車部11と、カメラ部(撮影部)15と、光透過性部材16と、外装部21と、外乱光遮蔽構造(遮光器)7とを備えている。
ランドマーク3は、自律走行体10が自己の走行している位置を認識するために、建物内の天井2等に、所定の間隔で配されている。なお、ランドマーク3は、必ずしも天井2に配されている必要はない。ランドマーク3は、天井2に類する位置に配されていてもよく、また、例えば、側面の壁などに配されていてもよい。さらに、ランドマーク3は、所定の間隔に配されていなくてもよい。
外乱光遮蔽構造7はカメラ部15の撮影面15aへの外乱光の入射を防ぐものである。外乱光遮蔽構造7は、カメラ部15の撮影面15aの画角に応じて外装部21に設けられた開口部21aから、外装部21内へ向かう方向であって、走行台車部11に配されたカメラ部15の撮影面15aへ至るまで延伸し、カメラ部15の撮影面15aの縁部を囲む。
外乱光遮蔽構造7は、第1の外乱光遮蔽構造(第1の遮光部)27と、第2の外乱光遮蔽構造(第2の遮光部)17とを有する。第1の外乱光遮蔽構造27は、外装部21の開口部21aから外装部21内であって、カメラ部15の撮影面15aへ近づく方向へ延伸し、下端部は第2の外乱光遮蔽構造17内に挿入されている。第2の外乱光遮蔽構造17は、カメラ部15の撮影面15aの縁部を囲み、カメラ部15の撮影面15aから、外装部21の開口部21aへ近づく方向へ延伸する。なお、外乱光遮蔽構造7の具体的な構造は、図1を用いて後述する。
走行台車部11は、モータ駆動によりタイヤが回転することで走行する駆動機構12と、バッテリー、音声入出力部品及び制御基板等を有し、駆動機構12に載置されている本体ユニット部(画像認識部)13とを備えている。
駆動機構12は、センサ部14と、タイヤと、図示しないモータとを有する。駆動機構12は、本体ユニット部13からの指示によりモータを駆動し、タイヤを回転させることで自律走行体10を自律走行させる。駆動機構12は、本体ユニット部13から取得する自己位置情報に基づき走行を制御する。
センサ部14は、レーザーレンジファインダー、超音波センサ、またはジャイロセンサなどを有する。センサ部14により取得したセンサ出力により、本体ユニット部13が自律走行体10の周囲の障害物を検出すると、駆動機構12は、障害物の前で停止したり、障害物を避けるように走行する。なお、センサ部14は、駆動機構12ではなく、本体ユニット部13に配されていてもよい。
本体ユニット部13は、駆動機構12上に配されている。本体ユニット部13は、バッテリー、音声入出力部品及び制御基板などを有し、自律走行体10の走行およびその他の駆動を制御する。本体ユニット部13は、自律走行体10が走行すべき領域や経路を示す地図情報を記憶している。本体ユニット部13は、センサ部14から取得するセンサ出力や、カメラ部15から取得する撮影画像から、地図情報における自己位置を認識し、当該自己位置を示す情報に基づき駆動機構12の駆動を制御する。
本体ユニット部13は、カメラ部15から取得する撮影画像に含まれるランドマーク3の画像を定期的に検出して認識することで、地図情報における自己位置と、実際に走行している自己位置との差を把握し、地図情報における自己位置を定期的に補正する。
カメラ部15は、天井2に配されたランドマーク3を検出するためのカメラである。カメラ部15は、例えば、対物レンズと、CCD(charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal-OxideSemiconductor)等のイメージセンサである撮影素子とを有する。カメラ部15は、被写体で反射されて対物レンズに入射した光を上記撮像素子によって電気信号に変換する。
光透過性部材16は、カメラ部15の撮影面15aを保護する板状の部材である。光透過性部材16は、カメラ部15の撮影面15aと接触して、カメラ部15の撮影面15aを覆って配されている。光透過性部材16は、透明な材質からなり、例えばアクリルからなる。被写体で反射された光は光透過性部材16を透過し、この光透過性部材16を透過した光がカメラ部15の撮影面15aに入射することで、カメラ部15は被写体を撮影する。
外装部21は、いわゆるキャビネットである。外装部21は、内部が空洞であり、下端部は、走行台車部11が挿入できる程度に開口されている。外装部21の頭頂部には、外装部21が走行台車部11に組み付けられたときに、カメラ部15の撮影面15aと重なるように、カメラ部15の画角に応じた面積の開口部21aが設けられている。被写体から反射された光は、外装部21外部から、外装部21の開口部21aを通って、カメラ部15の撮影面15aに入射する。これにより、カメラ部15は被写体を撮影する。
図3は、外装部21を走行台車部11に組み付けている様子を表す図である。図3に示すように、外装部21は、矢印Aに示す方向へ相対移動されることで、開口している下端部から、カメラ部15及び走行台車部11が挿入される。このようにして、外装部21は、カメラ部15及び走行台車部11を覆って、走行台車部11に組み付けられる。
この外装部21を走行台車部11に組み付けるとき、外乱光遮蔽構造7を構成する、カメラ部15の撮影面15aに配された第2の外乱光遮蔽構造17内部に、外装部21の頭頂部に配された第1の外乱光遮蔽構造27が挿入されるように位置決めして、外装部21を走行台車部11に組み付ける。
(外乱光遮蔽構造7の具体的な構成)
次に、図1を用い、自律走行体10における外乱光遮蔽構造7の具体的な構成について説明する。図1は、自律走行体10の外乱光遮蔽構造7の構成を表す断面図である。
外乱光遮蔽構造7は、被写体から反射された光が、外装部21の開口部21aを通りカメラ部15の撮影面15aへ至る経路を構成している。第1の外乱光遮蔽構造27及び第2の外乱光遮蔽構造17は筒状であり、一方が、他方の内部に挿入可能な大きさとなっている。
第1の外乱光遮蔽構造27は外装部21に配されており、第2の外乱光遮蔽構造17はカメラ部15に配されている。第1の外乱光遮蔽構造27及び第2の外乱光遮蔽構造17はそれぞれ、光を遮光する材質からなる。第1の外乱光遮蔽構造27及び第2の外乱光遮蔽構造17は、それぞれ、光沢がない黒色であることが好ましい。これにより、最も入射光の反射、散乱を抑えることができるため、カメラ部15の撮影画像への外乱光(散乱光)の映り込みを低減する効果が大きくなる。
第1の外乱光遮蔽構造27は、外装部21の開口部21aの縁部を囲み外装部21と接触し着脱可能に接続されている一方の端部(第1の接続部)27bと、カメラ部15に近い側の端部である他方の端部27cとを有する。第1の外乱光遮蔽構造27のうち、一方の端部27bは上端部であり、他方の端部27cは下端部である。第1の外乱光遮蔽構造27の他方の端部27cはカメラ部15と離間している。第1の外乱光遮蔽構造27は、一方の端部27bから、外装部21の内部に向かう方向であって、他方の端部27cにかけて延伸している。
第1の外乱光遮蔽構造27の一方の端部27bは屈曲している。外装部21の開口部21aの縁部に沿って設けられた外装部21の凹部21bに、屈曲している、第1の外乱光遮蔽構造27の一方の端部27bが嵌め込まれることで、第1の外乱光遮蔽構造27は外装部21と固定されている。
第2の外乱光遮蔽構造17は、カメラ部15の撮影面15aの縁部を囲み、カメラ部15の撮影面15aから、外装部21の開口部21aへ近づく方向(カメラ部15の撮影面15aから離れる方向)へ延伸している。
第2の外乱光遮蔽構造17は、内面に配されている突起部(第2の接続部)17aと、外装部21の開口部21aに近い側の端部である一方の端部17bと、カメラ部15に近い側の端部でありカメラ部15の側面の周囲を囲む他方の端部17cとを有する。第2の外乱光遮蔽構造17のうち、一方の端部17bは上端部であり、他方の端部17cは下端部である。
突起部17aは、カメラ部15の撮影面15aの縁部と接触し接続されている。または、突起部17aは、カメラ部15の撮影面15a上に配されている光透過性部材16の縁部と接触し接続されていてもよい。このように、第2の外乱光遮蔽構造17は、カメラ部15と、直接的または間接的に着脱可能に接続されている。
第2の外乱光遮蔽構造17は、外装部21の開口部21aから外装部21の内部に向かう方向へ、一方の端部17bから突起部17aにかけて延伸していると表現することもできる。第2の外乱光遮蔽構造17は外装部21と非接触である。
第1の外乱光遮蔽構造27の他方の端部27c近傍は、第2の外乱光遮蔽構造17の一方の端部17b側から、第2の外乱光遮蔽構造17の内部に挿入されている。すなわち、本実施形態では、第1の外乱光遮蔽構造27の内径と比べて、第2の外乱光遮蔽構造17の内径の方が大きい。第1の外乱光遮蔽構造27の他方の端部27c近傍は、第2の外乱光遮蔽構造17の内面と離間しており、第2の外乱光遮蔽構造17と、第1の外乱光遮蔽構造27との間には隙間が設けられている。
なお、第2の外乱光遮蔽構造17の内径と比べて、第1の外乱光遮蔽構造27の内径の方が大きく、第2の外乱光遮蔽構造17の一方の端部17b近傍が第1の外乱光遮蔽構造27の他方の端部27c近傍内に挿入されている構成であってもよい。
(自律走行体システム1における主な利点)
以上のように、自律走行体システム1を構成する自律走行体10に配された外乱光遮蔽構造7は、カメラ部15の撮影面15aへ入射する光の入射角度を制限する。外乱光遮蔽構造7は、外装部21の開口部21aの縁部を囲み、外装部21と固定されている一方の端部27bと、カメラ部15と固定されている突起部17aとを有する。そして、外乱光遮蔽構造7は、カメラ部15の撮影面15aの周囲を囲み、かつ、外装部21の内部へ向かう方向であって、一方の端部27bから、突起部17aへ向けて延伸している。
このように、外乱光遮蔽構造7は、外装部21の外側に露出しておらず、外装部21と固定されている一方の端部27bから、外装部21の内部へ向かう方向へ延伸しているため、外装部21の外部からは視認されることはない。このため、外乱光遮蔽構造7を設けることによる自律走行体10の外観の美観を損ねることを防止することができる。さらに、外乱光遮蔽構造7は、カメラ部15の撮影面15aの周囲を囲み、外装部21の開口部21aの縁部を囲む一方の端部27bから、カメラ部15と接続されている突起部17aへ向けて延伸している。このため、外装部21の開口部21aを通過した光は、外乱光遮蔽構造7の内面に沿ってカメラ部15の撮影面15aに入射することになる。このため、外装部21の開口部21aを通過した光が、外装部21内で散乱することを防止することができるため、カメラ部15の撮影面15aへ上記散乱した光が入射することを防止することができる。このように、外乱光遮蔽構造7によると、自律走行体10の外観の美観を損ねることなく、自律走行体10に配されたカメラ部15が撮影する撮影画像への散乱光の映り込み(撮影画像の品質の劣化)を防止することができる。
また、具体的には、外乱光遮蔽構造7は、一方の端部27bを含む第1の外乱光遮蔽構造27と、突起部17aを含む第2の外乱光遮蔽構造17とを有する。そして、第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17とは、一方が他方の内部に挿入されている。
ここで、自律走行体10は、走行台車部11に、外装部21が組み付けられることで製造される。カメラ部15は、天井2に配されたランドマーク3を読み取るため、走行台車部11に配される位置精度が、ある程度必要である。このため、外装部21が走行台車部11に組み付けられる前に、すでに、走行台車部11に固定されている。一方、低コスト化のため、外装部21を走行台車部11へ組み付ける位置精度は、カメラ部15を走行台車部11へ配する位置精度と比べて低い。
そこで、外乱光遮蔽構造7を、外装部21と接続されている第1の外乱光遮蔽構造27と、カメラ部15と接続されている第2の外乱光遮蔽構造17との2個の部材に分けていることで、外装部21を走行台車部11へ組み付ける位置精度が比較的低くても、確実に、第1の外乱光遮蔽構造27及び第2の外乱光遮蔽構造17を、カメラ部15の撮影面15aの周囲を囲み、かつ、外装部21の内部へ向かう方向であって、一方の端部27bから、突起部17aへ向けて延伸する構成とすることができる。
さらに、第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17とは、一方が他方の内部に挿入されており、重なる部分を有することで、当該重なっている部分において遮光効果が高くなる。これにより、カメラ部15が撮影する撮影画像への散乱光の映り込みを防止する効果が高くなる。
なお、上記のように第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17とが重なる部分を有することで遮光効果が高くなる理由は以下のとおりである。
外乱光遮蔽構造7が有する端部や突起部が、特に散乱光の原因となる。本実施形態に係る外乱光遮蔽構造7は、外装部21の開口部21aと接続されている第1の外乱光遮蔽構造27が第2の外乱光遮蔽構造17の内部に挿入されているため、外装部21の開口部21a(すなわち、第1の外乱光遮蔽構造27の一方の端部27b)を通過した光が、第1の外乱光遮蔽構造27の内面に沿い主に到達するのは、第1の外乱光遮蔽構造27の他方の端部27cのみとなる。第1の外乱光遮蔽構造27の外側に配されている第2の外乱光遮蔽構造17の一方の端部17bへは、第1の外乱光遮蔽構造27と第2の外乱光遮蔽構造17との隙間を通過する必要があるため、ほとんどの光が到達しない。そのため、第1の外乱光遮蔽構造27が第2の外乱光遮蔽構造17の内部に挿入され、重なり部分を有することで、カメラ部15が撮像する撮像画像への散乱光映り込みを防止する効果が高くなる。
なお、第1の外乱光遮蔽構造27の一方の端部27bは、外装部21から取り外しが可能である。このように、第1の外乱光遮蔽構造27を、外装部21から取り外し可能としておくことで、第1の外乱光遮蔽構造27を取り外した状態で、外装部21を走行台車部11へ組み付け、その後に、第1の外乱光遮蔽構造27の一方の端部27bを外装部21に取り付けることで、自律走行体10を完成させてもよい。これにより、大きな外装部21を走行台車部11へ組み付ける際に、第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17との位置合わせが不要となるため、さらに、容易に、第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17とを有する外乱光遮蔽構造7を得ることができる。
また、第1の外乱光遮蔽構造27は、第2の外乱光遮蔽構造17の内部に挿入されている。ここで、外装部21には開口部21aが設けられているため、開口部21aから外装部21の内部へ異物が混入する場合がある。特に、金属製の異物が、本体ユニット部13に配されている配線等に触れるとショートの原因となる。しかし、外乱光遮蔽構造7は、第1の外乱光遮蔽構造27が、第2の外乱光遮蔽構造17の内部に挿入されているため、外装部21の外部から、外装部21の開口部21a内に混入した、ほこりやゴミ等の異物は、第1の外乱光遮蔽構造27を通り、第2の外乱光遮蔽構造17内であってカメラ部15の上方の領域内に留まる。このように、外装部21の開口部21a内に混入した異物が、本体ユニット部13への落下を防止することができるため、自律走行体10の動作不良の発生を防止することができる。
加えて、外装部21と固定されている一方の端部27bを含む第1の外乱光遮蔽構造27が、第2の外乱光遮蔽構造17の内部に挿入されていることで、第1の外乱光遮蔽構造27の一方の端部27bから、第1の外乱光遮蔽構造27のうち第2の外乱光遮蔽構造17と重なっている部分の終わりである他方の端部27cまで(すなわち、第1の外乱光遮蔽構造27の上端部から下端部まで)段差が生じない。このため、逆の場合(第2の外乱光遮蔽構造17が第1の外乱光遮蔽構造27の内部に挿入されている場合)と比べて、外装部21の開口部21a内に進入した光であって、第1の外乱光遮蔽構造27の内面で反射した光が迷光となることを防止することができる。
この迷光を防止することができる理由は次の通りである。すなわち、外乱光遮蔽構造7が有する端部や突起部が特に散乱光の原因となる。本実施形態に係る外乱光遮蔽構造7は、外装部21の開口部21aと接続されている第1の外乱光遮蔽構造27が第2の外乱光遮蔽構造17の内部に挿入されている。換言すると、第1の外乱光遮蔽構造27と第2の外乱光遮蔽構造17との重なり部分である第2の外乱光遮蔽構造17の一方の端部17bは、第1の外乱光遮蔽構造27の外側に配されている。このように、第2の外乱光遮蔽構造17の一方の端部17bは、第1の外乱光遮蔽構造27の一方の端部27bを通過した光が主として沿って進行する第1の外乱光遮蔽構造27の内面より遠く、その第2の外乱光遮蔽構造17の一方の端部17bまで到達する光が減少する。このため、外乱光遮蔽構造7内部での迷光の発生を防止することができる。これにより、さらに、カメラ部15の撮影画像への映り込みを防止することができる。
また、第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17とは離間している。すなわち、外装部21が走行台車部11へ組み付けられた状態で、第1の外乱光遮蔽構造27の外面と、第2の外乱光遮蔽構造17の内面との間に隙間が存在している。このように、第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17との隙間分だけ、外装部21を走行台車部11へ組み付ける位置精度に余裕ができるため、外装部21を走行台車部11へ組み付ける位置精度が比較的低くても、確実に、第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17とを有する外乱光遮蔽構造7を得ることができる。
また、第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17との具体的な形状として、滑らかな曲面で構成された筒状とすることが可能である。第1の外乱光遮蔽構造27と第2の外乱光遮蔽構造17とを、滑らかな曲面で構成された筒状とすることで、乱反射の原因となる(それによる散乱光の原因となる)角部が、第1の外乱光遮蔽構造27と第2の外乱光遮蔽構造17との内部に存在しなくなる。このため、角部が内部に存在する場合に比べて光の散乱を抑える事ができる。滑らかな曲面で構成された筒状としては、例えば円筒形状、楕円筒形状、円錐台形状等を用いることができる。
また、第1の外乱光遮蔽構造27と、第2の外乱光遮蔽構造17とを黒色に塗装することで、外装部21の開口部21aを通過した光が、第1の外乱光遮蔽構造27及び第2の外乱光遮蔽構造17内において散乱することを、より防止することができる。
また、自律走行体10は、第2の外乱光遮蔽構造17内部であって、カメラ部15の撮影面15aと接触して配されている光透過性部材16を有する。これにより、異物が外装部21の開口部21aから、第1の外乱光遮蔽構造27及び第2の外乱光遮蔽構造17の内部に混入しても、光透過性部材16の表面に落下するだけなので、カメラ部15の機能に影響が及ぶことを防止することができる。
加えて、カメラ部15の撮影面15aと、光透過性部材16とは離間していないため、撮影面15aと、光透過性部材16との間で反射や散乱が発生することを防止することができる。
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、図4及び図5に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図4は本発明の実施形態2に係る自律走行体10Aのカメラ部18近傍の構成を表す断面図である。図5は参考例に係る自律走行体110Aのカメラ部18近傍の構成を表す断面図である。図2に示した自律走行体システム1は、自律走行体10に換えて図4に示す自律走行体10Aを有していてもよい。自律走行体10Aは、自律走行体10が有していたカメラ部15に換えてカメラ部(撮影部)18を有する。自律走行体10Aの他の構成は自律走行体10と同様である。
カメラ部18は、赤外光を出射する赤外線投光器19を有する。そして、カメラ部18の撮影面18aと接触して、アクリル等からなる光透過性部材16が配されている。
ここで、図5に示す自律走行体110Aのように、光透過性部材116Aを、カメラ部18の撮影面18aと接触させて配するのではなく、外装部21の開口部21aを覆い、カメラ部18の撮影面18aと離間させて配すると、カメラ部18の赤外線投光器19から出射した赤外線が光透過性部材116Aで反射し、矢印Bに示すように、光透過性部材116Aとカメラ部18の撮影面18aとの間で散乱光となり、カメラ部18が撮影した撮影画像に映り込む現象が発生する。
一方、図4に示したように、本実施形態に係る自律走行体10Aは、カメラ部18が赤外線投光器19を有していても、光透過性部材16が、カメラ部18の撮影面18aと接触して配されているため、赤外線投光器19が出射した赤外光に起因して、カメラ部18の撮影画像へ映り込みが発生することを防止することができる。
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1、2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図6は本発明の実施形態3に係る自律走行体10Bの外乱光遮蔽構造7B近傍の構成を表す断面図である。図2に示した自律走行体システム1は、自律走行体10に換えて図6に示す自律走行体(自律走行体)10Bを有していてもよい。自律走行体10Bは、自律走行体10が有していた外乱光遮蔽構造7に換えて外乱光遮蔽構造(遮光器)7Bを有する。自律走行体10Bの他の構成は自律走行体10と同様である。
外乱光遮蔽構造7Bは、第1の外乱光遮蔽構造27及び第2の外乱光遮蔽構造17に加え、微細凹凸構造(凹凸形状)28を有する。なお、第1の外乱光遮蔽構造27及び第2の外乱光遮蔽構造17の構成や配置は、実施形態1及び2と同様である。
微細凹凸構造28は、第1の外乱光遮蔽構造27の内面27aに設けられている。微細凹凸構造28は、一例として、ブラスト処理などの表面処理により、第1の外乱光遮蔽構造27の内面に形成することができる。第1の外乱光遮蔽構造27の内面27aに微細凹凸構造28を設けることで、外装部21の開口部21aからの入射光は、微細凹凸構造28で拡散するため、カメラ部15が撮影する撮影画像への映り込みを、さらに効果的に防止することができる。
なお、微細凹凸構造28は、第1の外乱光遮蔽構造27の内面27aだけでなく、第2の外乱光遮蔽構造17の内面にも設けてもよいし、第1の外乱光遮蔽構造27の内面27aには設けず第2の外乱光遮蔽構造17の内面だけに設けてもよい。第1の外乱光遮蔽構造27の内面27aと第2の外乱光遮蔽構造17の内面との少なくとも一方に設けられていればよい。
〔実施形態4〕
本発明の実施形態4について、図7及び図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、前記実施形態1〜3にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図7は、本発明の実施形態4に係る自律走行体10Cの構成を表す図である。図2に示した自律走行体システム1は、自律走行体10に換えて図7に示す自律走行体10Cを有していてもよい。自律走行体10Cは、自律走行体10が有していた走行台車部11及び外装部21に換えて走行台車部11C及び外装部21Cを有する。自律走行体10Cの他の構成は自律走行体10と同様である。
自律走行体10Cは、主に工場内で、資材、部品、及び製品等を運搬する無人搬送車である。自律走行体10Cにおいてカメラ部15は、走行台車部11に配されている。
外装部21Cは、いわゆるキャビネットである。外装部21Cは、内部が空洞であり、下端部は、走行台車部11Cが挿入できる程度に開口されている。外装部21Cの上面には、外装部21Cが走行台車部11Cに組み付けられたときに、カメラ部15の撮影面15aと重なるように、カメラ部15の画角に応じた面積の開口部21Caが設けられている。被写体から反射された光は、外装部21C外部から、外装部21Cの開口部21Caを通って、カメラ部15の撮影面15aに入射する。これにより、カメラ部15は被写体を撮影する。
第1の外乱光遮蔽構造27は、外装部21Cの開口部21Caから外装部21C内であって、カメラ部15の撮影面15aへ近づく方向へ延伸し、下端部は第2の外乱光遮蔽構造17内に挿入されている。
図8は、外装部21Cを走行台車部11Cに組み付けている様子を表す図である。図8に示すように、外装部21Cは、矢印Cに示す方向へ相対移動されることで、開口している下端部から、カメラ部15及び走行台車部11Cが挿入される。このようにして、外装部21Cは、カメラ部15及び走行台車部11Cを覆って、走行台車部11Cに組み付けられる。
この外装部21Cを走行台車部11Cに組み付けるとき、外乱光遮蔽構造7を構成する、カメラ部15の撮影面15aに配された第2の外乱光遮蔽構造17内部に、外装部21Cの上面に配された第1の外乱光遮蔽構造27が挿入されるように位置決めして、外装部21Cを走行台車部11Cに組み付ける。
このように、自律走行体10Cは、外乱光遮蔽構造7を有するため、自律走行体10Cの外観の美観を損ねることなく、自律走行体10Cに配されたカメラ部15が撮影する撮影画像への映り込みを防止することができる。
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る遮光器(外乱光遮蔽構造7・7B)は、撮影部(カメラ部15)と、当該撮影部(カメラ部15)の撮影面15aと重なる領域に開口部21a・21Caが設けられ上記撮影部(カメラ部15)を覆う外装部21・21Cとを備えた自律走行体10・10A〜10Cに配され、上記撮影面15aへ入射する光を制限する遮光器(外乱光遮蔽構造7・7B)であって、上記外装部21・21Cの開口部21a・21Caの縁部を囲み、当該外装部21・21Cと固定されている第1の接続部(一方の端部27b)と、上記撮影部(カメラ部15)と固定されている第2の接続部(突起部17a)とを有し、上記撮影面15aの周囲を囲み、かつ、上記第1の接続部(一方の端部27b)から、上記外装部21・21Cの内部へ向かう方向であって上記第2の接続部(突起部17a)へ向けて延伸していることを特徴とする。
このように、遮光器は、外装部の外側に露出しておらず、外装部と固定されている第1の接続部から、外装部の内部へ向かう方向へ延伸しているため、外装部の外部からは視認されることはない。このため、遮光器を設けることによる自律走行体の外観の美観を損ねることを防止することができる。さらに、遮光器は、撮影部の撮影面の周囲を囲み、外装部の開口部の縁部を囲む第1の接続部から、撮影部と固定されている第2の接続部へ向けて延伸している。このため、外装部の開口部を通過した光は、遮光器の内面に沿って撮影部の撮影面に入射することになる。このため、外装部の開口部を通過した光が、外装部内で散乱することを防止することができるため、撮影部の撮影面へ上記散乱した光が入射することを防止することができる。このように、遮光器によると、自律走行体の外観の美観を損ねることなく、自律走行体に配された撮影部が撮影する撮影画像への散乱光の映り込み(撮影画像の品質の劣化)を防止することができる。
本発明の態様2に係る遮光器(外乱光遮蔽構造7・7B)は、上記態様1において、上記第1の接続部(一方の端部27b)を含む第1の遮光部(第1の外乱光遮蔽構造27)と、上記第2の接続部(突起部17a)を含む第2の遮光部(第2の外乱光遮蔽構造17)とを有し、上記第1の遮光部(第1の外乱光遮蔽構造27)と、上記第2の遮光部(第2の外乱光遮蔽構造17)とは、一方が他方の内部に挿入されていることが好ましい。
ここで、自律走行体は、撮影部が配されている走行台車部に、外装部が組み付けられることで製造される。撮影部は、建物の天井に配されたマークを読み取るため、走行台車部に配される位置精度が、ある程度必要である。このため、外装部が走行台車部に組み付けられる前に、すでに、走行台車部に固定されている。一方、低コスト化のため、外装部を走行台車部へ組み付ける位置精度は、撮影部を走行台車部へ配する位置精度と比べて低い。
そこで、遮光器を、外装部と固定されている第1の遮光部と、撮影部と固定されている第2の遮光部との2個の部材から構成されるようにすることで、外装部を走行台車部へ組み付ける位置精度が比較的低くても、確実に、第1の遮光部及び第2の遮光部を、撮影部の撮影面の周囲を囲み、かつ、外装部の内部へ向かう方向であって、第1の接続部から、第2の接続部へ向けて延伸する構成とすることができる。
本発明の態様3に係る遮光器(外乱光遮蔽構造7・7B)は、上記態様2において、上記第1の遮光部(第1の外乱光遮蔽構造27)は、上記第2の遮光部(第2の外乱光遮蔽構造17)の内部に挿入されていることが好ましい。上記構成によると、第1の遮光部と第2の遮光部とが重なる部分を有することで、当該重なっている部分において遮光効果が高くなる。このため、より、撮影部が撮影する撮影画像への散乱光の映り込みを防止する効果が高くなる。
なお、上記のように、第1の遮光部と第2の遮光部とが重なる部分を有することで遮光効果が高くなる理由は以下のとおりである。
遮光器が有する端部や突起部が、特に散乱光の原因となる。本態様3に係る遮光器は、外装部の開口部と接続されている第1の遮光部が第2の遮光部の内部に挿入されているため、外装部の開口部(すなわち、第1の遮光部の一方の端部)を通過した光が、第1の遮光部の内面に沿い主に到達するのは、第1の遮光部の他方の端部のみとなる。第1の遮光部の外側に配されている第2の遮光部の一方の端部へは、第1の遮光部と第2の遮光部との隙間を通過する必要があるため、ほとんどの光が到達しない。そのため、第1の遮光部が第2の遮光部の内部に挿入され、重なり部分を有することで、撮影部が撮像する撮像画像への散乱光映り込みを防止する効果が高くなる。
ここで、外装部には開口部が設けられているため、開口部から外装部の内部へ異物が混入する場合がある。特に、金属製の異物が、走行台車部に配されている配線等に触れるとショートの原因となる。
しかし、遮光器は、第1の遮光部が、第2の遮光部の内部に挿入されているため、外装部の外部から、外装部の開口部内に混入した、ほこりやゴミ等の異物は、第1の遮光部を通り、第2の遮光部内であって撮影部の上方の領域内に留まる。このように、外装部の開口部内に混入した異物が、走行台車部への落下を防止することができるため、自律走行体の動作不良の発生を防止することができる。
加えて、外装部と固定されている第1の接続部を含む第1の遮光部の方が、第2の遮光部の内部に挿入されていることで、第1の遮光部の第1の接続部から、第1の遮光部のうち第2の遮光部と重なっている部分の終わりである他方の端部まで(すなわち、第1の遮光部の上端部から下端部まで)段差が生じない。このため、逆の場合(第2の遮光部が第1の遮光部の内部に挿入されている場合)と比べて、外装部の開口部内に進入した光であって、第1の遮光部の内面で反射した光が迷光となることを防止することができる。
この迷光を防止することができる理由は次の通りである。すなわち、遮光器が有する端部や突起部が特に散乱光の原因となる。本態様3に係る遮光器は、外装部の開口部と接続されている第1の遮光部が第2の遮光部の内部に挿入されている。換言すると、第1の遮光部と第2の遮光部との重なり部分である第2の遮光部の一方の端部は、第1の遮光部の外側に配されている。このように、第2の遮光部の一方の端部は、第1の遮光部の一方の端部を通過した光が主として沿って進行する第1の遮光部の内面より遠く、その第2の遮光部の一方の端部まで到達する光が減少する。このため、遮光器内部での迷光の発生を防止することができる。これにより、さらに、撮影部の撮影画像への映り込みを防止することができる。
本発明の態様4に係る遮光器(外乱光遮蔽構造7・7B)は、上記態様3において、上記第1の遮光部(第1の外乱光遮蔽構造27)と、上記第2の遮光部(第2の外乱光遮蔽構造17)とは離間していることが好ましい。上記構成によると、第1の遮光器と、第2の遮光器との隙間分だけ、外装部を走行台車部へ組み付ける位置精度に余裕ができるため、外装部を走行台車部へ組み付ける位置精度が比較的低くても、確実に、第1の遮光器と、第2の遮光器とを有する遮光器を得ることができる。
本発明の態様5に係る遮光器(外乱光遮蔽構造7・7B)は、上記態様2〜4において、上記第1の遮光部(第1の外乱光遮蔽構造27)及び上記第2の遮光部(第2の外乱光遮蔽構造17)は筒状であることが好ましい。これにより、一形態として、上記第1の遮光部及び上記第2の遮光部を得ることができる。このように、第1の遮光部及び第2の遮光部を、滑らかな曲面で構成された筒状とすることで、乱反射の原因となる(それによる散乱光の原因となる)角部が、第1の遮光部と第2の遮光部との内部に存在しなくなる。このため、角部が内部に存在する場合に比べて光の散乱を抑える事ができる。
本発明の態様6に係る遮光器(外乱光遮蔽構造7・7B)は、上記態様2〜5において、上記第1の遮光部(第1の外乱光遮蔽構造27)及び上記第2の遮光部(第2の外乱光遮蔽構造17)は黒色であることが好ましい。これにより、上記第1の遮光部及び上記第2の遮光部内での散乱を、より防止することができる。
本発明の態様7に係る遮光器(外乱光遮蔽構造7B)は、上記態様2〜6において、上記第1の遮光部(第1の外乱光遮蔽構造27)及び上記第2の遮光部(第2の外乱光遮蔽構造17)の少なくとも一方の内面に凹凸形状(微細凹凸構造28)を有することが好ましい。上記構成によると、凹凸形状により、光を拡散させることで、撮影部が撮影する撮影画像への映り込みを、さらに効果的に防止することができる。
本発明の態様8に係る自律走行体10・10A〜10Cは、上記態様2〜6において、上記遮光器(外乱光遮蔽構造7・7B)と、上記撮影部(カメラ部15)と、上記外装部21・21Cとを有することが好ましい。上記構成により、外観の美観を損ねることなく、撮影部が撮影する撮影画像への映り込みを防止することができる。
本発明の態様9に係る自律走行体10・10A〜10Cは、上記態様8において、上記遮光器(外乱光遮蔽構造7・7B)の内部に配され、上記撮影面15aを覆う光透過性部材16を有することが好ましい。上記構成によると、異物が外装部の開口部から、遮光器の内部に混入しても、光透過性部材の表面に落下するだけなので、撮影部の機能に影響が及ぶことを防止することができる。
本発明の態様10に係る自律走行体10Aは、上記態様9において、上記撮影部(カメラ部15)は、赤外線投光器19を有し、上記光透過性部材16は、上記撮影面15aと接触していることが好ましい。上記構成によると、光透過性部材が、撮影部の撮影面と接触して配されているため、赤外線投光器が出射した赤外光に起因して撮影部の撮影画像へ映り込みが発生することを防止することができる。
本発明の態様11に係る自律走行体システム1は、上記態様8〜10において、上記自律走行体10・10A〜10Cと、建物内に配されたマーカー(ランドマーク3)とを有し、上記自律走行体10・10A〜10Cは、さらに、上記撮影部(カメラ部15)が撮影した画像に含まれる上記マーカー(ランドマーク3)の画像を認識する画像認識部(本体ユニット部13・13C)を有することが好ましい。上記構成によると、自律走行体の外観の美観を損ねることなく、自律走行体に配された撮影部が撮影する撮影画像への映り込みを防止することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。