JP6587588B2 - 積層体、光学フィルム、偏光板保護フィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Description
画像表示装置における画像品質の低下は、水分が偏光板内部へと進入し、偏光子を劣化させることが一因とされる。偏光子はその表面に保護フィルム(光学フィルム)が積層されて保護されているが、装置の薄型化に伴い保護フィルムにも薄膜化が求められている。保護フィルムを薄膜化すると水分が偏光子と接触しやすくなり、画像品質が低下しやすくなる。また、このような画像品質の低下は、屋外用途等の過酷環境下での使用においてより顕在化する。
また、これらの保護フィルムは高温環境下でヘイズ値が上昇しやすい傾向にあり、これらの保護フィルムを画像表示装置に組み込んでも、特に高温環境において表示性能を長期に亘り良好に維持することが困難であることも明らかとなってきた。
本発明はこれらの知見に基づきさらに検討を重ね、完成されるに至ったものである。
〔1〕
セルロースエステルを含有する層と、ポリウレアを含有する層とが隣接して配された構造を有する積層体であって、
上記ポリウレアが下記一般式(1)で表される構造単位を有する積層体。
〔2〕
上記L1及び/又はL2が脂肪族環を有し、この脂肪族環が環構成炭素原子として第4級炭素原子を少なくとも1つ有する、〔1〕記載の積層体。
〔3〕
上記L1及び/又はL2が下記一般式(L1)〜(L9)のいずれかで表される基を有する、〔1〕記載の積層体。
〔4〕
上記セルロースエステルがセルロースアシレートである、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の積層体。
〔5〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体を用いた光学フィルム。
〔6〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体を用いた偏光板保護フィルム。
〔7〕
〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の積層体と、偏光子とを有する偏光板。
〔8〕
〔7〕記載の偏光板を有する画像表示装置。
なお、化合物の塩としては、例えば、化合物と無機酸もしくは有機酸とで形成された、化合物の酸付加塩、又は、化合物と無機塩基もしくは有機塩基とで形成された、化合物の塩基付加塩等が挙げられる。また、化合物のイオンとしては、例えば、上述の化合物の塩が乖離してなる、化合物の骨格を含むイオンが挙げられる。
本明細書において置換又は無置換を明記していない置換基(連結基についても同様)については、所望の効果を損なわない範囲で、その基に任意の置換基を有していてもよい意味である。これは置換又は無置換を明記していない化合物についても同義である。
本明細書において、ある基の炭素数を規定する場合、この炭素数は、基全体の炭素数を意味する。つまり、この基がさらに置換基を有する形態である場合、この置換基を含めた全体の炭素数を意味する。
アルキル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8のものであり、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基などが挙げられる。)、シクロアルキル基(好ましくは炭素原子数3〜20、より好ましくは3〜12、特に好ましくは3〜8のものであり、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜12、特に好ましくは2〜8であり、例えばプロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素原子数6〜30、より好ましくは6〜20、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜10、特に好ましくは0〜6であり、例えばアミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜12、特に好ましくは1〜8であり、例えばメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばアセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜10であり、例えばフェニルオキシカルボニル基などが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜10であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数2〜20、より好ましくは2〜16、特に好ましくは2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素原子数7〜20、より好ましくは7〜16、特に好ましくは7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素原子数0〜20、より好ましくは0〜16、特に好ましくは0〜12であり、例えばスルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素原子数6〜20、より好ましくは6〜16、特に好ましくは6〜12であり、例えばフェニルチオ基などが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメシル基、トシル基などが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばメタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる。)、ウレタン基、ウレイド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素原子数1〜20、より好ましくは1〜16、特に好ましくは1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素原子数1〜30、より好ましくは1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えばイミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる。)、及びシリル基(好ましくは、炭素原子数3〜40、より好ましくは3〜30、特に好ましくは3〜24であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)。
これらの置換基は更に置換基を有してもよい。また、置換基が2つ以上ある場合は、同じでも異なってもよい。また、隣接する置換基は互いに連結して環を形成してもよい。
本発明の偏光板は、上記効果を奏する本発明の積層体を有し、高温高湿条件下においても偏光子の劣化が効果的に抑えられる。また本発明の画像表示装置は、上記効果を奏する本発明の積層体ないし偏光板を有し、高温高湿下おいても表示性能を長期に亘り良好に維持できる。
本明細書において、偏光子の劣化を抑制する程度を「偏光子耐久性」又は「偏光板耐久性」ともいう。
[積層体]
図1に示されるように、本発明の積層体の好ましい一形態である積層体10は、セルロースエステルを含有する層11(以下、単に「セルロースエステル層」ともいう。)と、セルロースエステル層11の少なくとも一方の表面に隣接して配された、後述する一般式(1)で表される構造単位を有するポリウレアを含有する層12(以下、単に「ポリウレア層」ともいう。)とを有する。
本発明において「隣接して配された」とは、セルロースエステル層とポリウレア層とが直接積層された(直接重ね合わされた)形態を意味する。すなわち、セルロースエステル層とポリウレア層との間には、両層を密着又は接着させる接着剤層等を有しない。
また、本発明の積層体は、組成の異なる2層以上のポリウレア層をセルロースエステル層上に設けた形態でもよい。2層以上のポリウレア層を形成する場合は、セルロースエステル層の片面に2層以上のポリウレア層を設けた形態でもよく、セルロースエステル層の両面にそれぞれ2層以上のポリウレア層を設けた形態でもよい。
また、本発明の積層体は、セルロースエステル層とポリウレア層の他、特定の機能に特化した各種機能層(図示していない)を有していてもよい。この機能層として、例えばハードコート層、反射防止層、光散乱層、防汚層、帯電防止層等が挙げられる。
本発明の積層体を構成するポリウレア層について説明する。
本発明において、「ポリウレア層」とは、後述するポリウレアを層中に50質量%以上含有する層を意味する。ポリウレア層中のポリウレアの含有量は60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、85質量%以上が特に好ましい。ポリウレアの含有量が多いほど、セルロースエステル層との密着性が向上し、また透湿度を抑制できるので好ましい。そのため、ポリウレア層中のポリウレアの含有量は100質量%でもよく、通常は99質量%以下である。上記ポリウレア層中のポリウレアの含有量が100質量%でない場合、残部は、後述する各種の添加剤を含むことができる。
ポリウレア層にはポリウレアを2種以上併用してもよい。すなわち、ポリウレア層中に、構造単位の組成比、構造及び/又は分子量が異なるポリウレアを併用してもよい。2種以上のポリウレアを併用する場合、上述した、ポリウレア層中のポリウレアの含有量は、2種以上のポリウレアの合計量となる。
ポリウレア層を構成するポリウレアは、下記一般式(1)で表される構造単位(繰り返し単位)の1種又は2種以上を有する。なお、本明細書において式中に示された*は、ポリマー構造中に組み込まれるための結合部(連結部位)を示す。
L1及びL2は単結合を示すか、又は、炭素原子を有する二価の基を示す。L1及び/又はL2は炭素原子を有する二価の基であることが好ましく、隣接する2つのベンゼン環に対し、炭素原子で連結する二価の基であることがより好ましい。
L1及びL2として採り得る二価の基は、炭素数が1〜20が好ましく、2〜15がより好ましく、3〜13がさらに好ましく、3〜10がさらに好ましい。L1及びL2として採り得る二価の基は、炭化水素基が好ましく、この炭化水素基は置換基を有してもよい。この置換基としてはハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。
L1及びL2として採り得る二価の基は、第3級炭素原子又は第4級炭素原子を少なくとも1つ有することが好ましい。
L1及びL2として採り得る二価の基は環構造を有することも好ましく、この環構造は環構成炭素原子として第4級炭素原子を有することが好ましい。上記二価の基が、環構成炭素原子に第4級炭素原子を含む環構造を有する基である場合、この二価の基としては下記式(L1)〜(L9)のいずれかで表される基を有することが好ましく、下記式(L1)〜(L9)のいずれかで表される基であることが好ましい。
L1及び/又はL2が上記好ましい形態の脂肪族環を有する構造をとることにより、積層体の、水分等に対するバリア性能を効果的に高めることができる。これは、ポリウレアの疎水性構造部の運動性が適度に抑制されるためと考えられる。また、L1及び/又はL2が上記好ましい形態の脂肪族環を有する構造をとることにより、ポリウレア層に適度な柔軟性を付与することができ、積層体を、汎用性に優れた性状とすることができる。
上記ポリウレアが上記一般式(1)の構造単位以外の構造単位を有する場合、上記ポリウレア中、上記一般式(1)の構造単位を除いた残部を構成する構造単位は、ウレア結合でポリマー主鎖中に組み込まれるものであれば特に制限されない。
分子量の測定は、後述する実施例に記載する方法等で測定することができる。
本発明の積層体を構成するセルロースエステル層は、層中にセルロースエステルを50質量%以上含有する層である。セルロースエステル層中のセルロースエステルの含有量は60質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、85質量%以上が特に好ましい。セルロースエステル層中のセルロースエステルの含有量の上限は、通常は96質量%以下であり、95質量%以下が好ましく、92質量%以下が更に好ましい。この場合、セルロースエステルを除く残部には、例えば後述する添加剤等が含まれる。
本発明のセルロースエステル層の製造において、原料として用いるセルロースエステルについて説明する。
セルロースエステルは、セルロースエステルフィルムの製造に用いられるセルロースエステルであれば特に制限されることなく用いることができる。
セルロースを構成する、β−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位及び6位に遊離のヒドロキシ基を有している。セルロースエステルは、これらのヒドロキシ基の一部をエステル化剤等によりエステル化した重合体(ポリマー)である。
セルロースとしては、綿花リンタや木材パルプ(広葉樹パルプ,針葉樹パルプ)等があり、いずれの原料セルロースから得られるセルロースでも使用でき、場合により混合して使用してもよい。原料セルロースは、例えば、丸澤、宇田著,「プラスチック材料講座(17)繊維素系樹脂」,日刊工業新聞社(1970年発行)や発明協会公開技報公技番号2001−1745号(7頁〜8頁)に記載のセルロースを用いることができる。
セルロースエステルとしては、セルロースエステルフィルムの製造に用いられる公知のセルロースエステルを何ら制限なく用いることができる。なかでもセルロースアシレートを用いることが好ましい。
本発明に用いるセルロースアシレートは、セルロースアシレートフィルムの製造に用いられる公知のセルロースアシレートを何ら制限なく用いることができる。
アシル置換度(以下、単に「置換度」ということがある)は、2位、3位及び6位に位置するセルロースのヒドロキシ基のアシル化の度合いを示すものであり、すべてのグルコース単位の2位、3位及び6位のヒドロキシ基がいずれもアシル化された場合、総アシル置換度は3である。例えば、すべてのグルコース単位で、6位のみがすべてアシル化された場合、総アシル置換度は1である。同様に、全グルコースの全ヒドロキシ基において、各々のグルコース単位で、6位及び2位のいずれか一方のすべてがアシル化された場合も、総アシル置換度は1である。
すなわち置換度は、グルコース分子中の全ヒドロキシ基がすべてアシル化された場合を3として、アシル化の度合いを示すものである。
セルロースアシレートの置換度は、手塚他,Carbohydrate.Res.,273,83−91(1995)に記載の方法、又は、ASTM−D817−96に規定の方法に準じて測定することができる。
また、特開2008−20896号公報の段落[0023]〜[0038]に記載の、脂肪酸アシル基と置換若しくは無置換の芳香族アシル基とを有する混合酸エステルも好ましく用いることができる。
重合度は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)によりポリスチレン換算で測定される数平均分子量をセルロースエステルないしセルロースアシレートのグルコピラノース単位の分子量で除することで求めることができる。
例えば、綿花リンタ又は木材パルプ由来のセルロースを原料とし、これを酢酸等の有機酸で活性化処理した後、硫酸触媒の存在下で、所望の構造の有機酸を用いてエステル化することによりセルロースアシレートを得ることができる。また、アシル化剤として有機酸無水物を用いる場合には、一般にセルロース中に存在するヒドロキシ基の量に対して有機酸無水物を過剰量で使用してセルロースをエステル化する。
またセルロースアシレートは、例えば、特開平10−45804号公報に記載された方法により合成することもできる。
続いて上記セルロースエステル層の形成について説明する。
上記セルロースエステル層の形成は、特に限定されるものではなく、例えば溶融製膜法又は溶液製膜法(ソルベントキャスト法)により形成することが好ましく、添加剤の揮散や分解を考慮すると溶液製膜法により形成することがより好ましい。ソルベントキャスト法を利用したポリマーフィルムの製造例については、米国特許第2,336,310号、同第2,367,603号、同第2,492,078号、同第2,492,977号、同第2,492,978号、同第2,607,704号、同第2,739,069号及び同第2,739,070号の各明細書、英国特許第640731号及び同第736892号の各明細書、並びに特公昭45−4554号、同49−5614号、特開昭60−176834号、同60−203430号及び同62−115035号等の各公報を参考にすることができる。また、上記セルロースエステル層は、延伸処理が施されていてもよい。延伸処理の方法及び条件については、例えば、特開昭62−115035号、特開平4−152125号、同4−284211号、同4−298310号、同11−48271号等の各公報を参照することができる。
溶液の流延方法としては、調製されたドープを加圧ダイから金属支持体上に均一に押出す方法、一旦金属等の支持体上に流延されたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレードによる方法、逆回転するロールで調節するリバースロールコーターによる方法等があり、加圧ダイによる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイプやTダイタイプ等があるが、いずれも好ましく用いることができる。また、ここで挙げた方法以外にも、従来知られているセルロースエステル溶液を流延製膜する種々の方法で実施することができ、用いる溶媒の沸点等の違いを考慮して各条件を設定することができる。
共流延法及び逐次流延法によりセルロースエステル層を製造する場合には、まず、各層用のセルロースエステル溶液(ドープともいう)を調製し、この溶液を支持体上に流延する。
共流延法(重層同時流延)では、まず、流延用支持体(バンド又はドラム)の上に、各層(3層あるいはそれ以上でもよい)各々の流延用ドープを別々のスリットなどから同時に押出すことができる流延用ダイを用いてドープを押出して、各層同時に流延する。流延後、適当な時間をおいて支持体から剥ぎ取って、乾燥しフィルムを成形する流延法である。共流延ダイを用いることにより、例えば、流延用支持体の上に表層用ドープから形成された表層2層と、これら表層に挟まれたコア層用ドープからなるコア層の計3層を、支持体上に同時に押出して流延することができる。
また塗布法では、一般的には、コア層を溶液製膜法によりフィルム状に形成し、その表層に、目的のセルロースエステル溶液である塗布液を塗布し、乾燥して、積層構造のセルロースエステル層を形成する。
上記セルロースエステル層は、上記の流延、乾燥後、延伸処理されていることも好ましい。セルロースエステル層の延伸方向はフィルム搬送方向(MD(Machine Direction)方向)と搬送方向に直交する方向(TD(Transverse Direction)方向)のいずれでもよい。後に続く偏光板加工プロセスを考慮すると、TD方向であることが好ましい。延伸処理は2段階以上に分けて複数回行ってもよい。
MD方向の延伸の場合、例えば、フィルムの搬送ローラの速度を調節して、フィルムの剥ぎ取り速度よりも巻き取り速度を速くすることで行うことができる。
上記セルロースエステル層は、本発明の効果を損なわない範囲で、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、公知の可塑剤、有機酸、色素、ポリマー、レターデーション調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤又はマット剤などが例示される。これらについては、特開2012−155287号公報の段落番号[0062]〜[0097]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。また、添加剤としては、剥離促進剤、有機酸、多価カルボン酸誘導体を挙げることもできる。これらについては、国際公報WO2015/005398号段落[0212]〜[0219]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。更に、添加剤として、後述する、ラジカル捕捉剤、劣化防止剤又はバルビツール酸化合物なども挙げることができる。
添加剤の含有量(上記セルロースエステル層が二種以上の添加剤を含有する場合には、それらの合計含有量)は、セルロースエステル100質量部に対して50質量部以下であることが好ましく、30質量部以下であることがより好ましく、5〜30質量部であることが更に好ましい。
好ましい添加剤の1つとしては、可塑剤を挙げることができる。可塑剤をセルロースエステル層に添加することにより、セルロースエステル層の疎水性を高めることができる。この点は、セルロースエステル層の含水率を低下させる観点から好ましい。このような可塑剤を使用することは、セルロースエステル層を有する積層体を、偏光板保護フィルムとして用いた場合、湿度に起因する画像表示装置の表示ムラを発生しにくくすることができるため、好ましい。
可塑剤の分子量は、添加することによる上記効果を良好に得る観点からは、3000以下であることが好ましく、1500以下であることがより好ましく、1000以下であることが更に好ましい。また、可塑剤の分子量は、低揮散性の観点からは、例えば300以上であり、好ましくは350以上である。なお、多量体の可塑剤については、分子量とは、数平均分子量をいうものとする。
可塑剤は、2種類以上を併用してもよい。2種類以上を併用する場合も、含有量の具体例及び好ましい範囲は上記と同一である。
好ましい添加剤の1つとしては、酸化防止剤を挙げることもできる。酸化防止剤については、国際公開第2015/005398号の段落[0143]〜[0165]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
好ましい添加剤の1つとしては、ラジカル補捉剤を挙げることもできる。ラジカル補捉剤については、国際公開第2015/005398号段落[0166]〜[0199]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
好ましい添加剤の1つとしては、劣化防止剤を挙げることもできる。劣化防止剤については、国際公開第2015/005398号段落[0205]〜[0206]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記セルロースエステル層は、バルビツール酸構造を有する化合物(バルビツール酸化合物)を含有することもできる。バルビツール酸化合物は、この化合物を添加することにより、セルロースエステル層に各種機能を発現させることができる化合物である。例えば、バルビツール酸化合物は、セルロースエステル層の硬度向上に有効である。また、バルビツール酸化合物は、この化合物を含むセルロースエステル層を備えた偏光板の、光、熱又は湿度等に対する耐久性の改良にも有効である。上記セルロースエステル層に使用可能なバルビツール酸化合物については、例えば、国際公開第2015/005398号段落[0029]〜[0060]の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
上記セルロースエステル層は、アルカリ鹸化処理することにより、ポリビニルアルコールのような偏光子の材料との密着性を高めることができる。
鹸化の方法については、特開2007−86748号公報の段落番号[0211]及び段落番号[0212]に記載されている方法を用いることができる。
セルロースエステル層が3層以上の積層構造を有する場合、コア層の膜厚は3〜70μmが好ましく、5〜60μmがより好ましい。3層構造である場合のスキン層A及びスキン層Bの膜厚は、ともに、0.5〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましく、0.5〜3μmが更に好ましい。なお、コア層は、積層構造において内部に位置する層、3層構造である場合は中間に位置する層をいい、スキン層A、Bは積層構造ないし3層構造において、外側に位置する層をいう。
本発明の積層体の製造方法について説明する。
本発明の積層体の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用することができる。溶融製膜法又は溶液製膜法の他、後述する方法でセルロースエステル層を作製した後、各種公知の塗布方法によりポリウレア層を形成し、積層体を製造することもできる。このような塗布方法としては特に制限はないが、マイクログラビア塗工方式を好ましく用いることができる。なお、いずれの塗布方法を用いた場合であっても、ポリウレアを、適宜の溶媒に適宜の濃度で溶解したものであれば、塗布液は特に限定されず、塗工条件及び成膜条件も特に限定されない。
溶融製膜法としては、T−ダイ法などの製造法を用いることが好ましく、特に同時共押し出し法を用いることが好ましい。溶液製膜法としては、上記共流延法、逐次流延法又は塗布法などの積層流延法を用いることが好ましく、特に同時共流延(同時多層共流延ともいう。)法を用いることが、安定製造及び生産コスト低減の観点から特に好ましい。
本発明の積層体は、下記の物性ないし特性を有することが好ましい。
本発明の積層体は、下記方法により測定されるヘイズが1%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることが特に好ましい。このようなヘイズを示す積層体は、透明性に優れ、液晶表示装置のフィルム部材として好適である。ヘイズの下限値は、例えば0.001%以上であるが、特に限定されない。
ヘイズは、積層体40mm×80mmを用いて、25℃、相対湿度60%の環境下で、ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機株式会社)を用いて、JIS K7136(2000)に従って測定する。
本発明の積層体の膜厚は、用途に応じ適宜定めることができるが、例えば、5〜100μmとすることができる。5μm以上とすることにより、ウェブ状のフィルムを作製する際のハンドリング性が向上し好ましい。また、100μm以下とすることにより、湿度変化に対応しやすく、光学特性を維持しやすくなる。
上述の画像表示装置の薄型化への要求に応えるためには、積層体は薄膜化されていることが好ましく、この場合の積層体の膜厚は、例えば、8〜80μmが好ましく、10〜70μmがより好ましい。
上記積層体の透湿度は、JIS Z−0208の記載を基に、40℃、相対湿度90%の条件において測定される。
本発明の積層体の透湿度は、1600g/m2/day未満であることが好ましく、1000g/m2/day未満であることがより好ましく、500g/m2/day未満であることが更に好ましく、250g/m2/day未満であることが特に好ましい。積層体の透湿度を上記範囲に制御することで、本発明の積層体を搭載した液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の、液晶セルの反りや、黒表示時の表示ムラを抑制できる。
上記積層体の含水率(平衡含水率)は、偏光板の保護フィルムとして用いる際、ポリビニルアルコールなどの親水性熱可塑性樹脂との接着性を損なわないために、膜厚に関わらず、25℃、相対湿度80%における含水率が、0〜4質量%であることが好ましい。含水率は、0〜2.5質量%であることがより好ましく、0〜1.5質量%であることが更に好ましい。平衡含水率が4質量%以下であれば、レターデーションの湿度変化による依存性が大きくなり過ぎず、液晶表示装置の常温、高湿及び高温高湿環境経時後の黒表示時の表示ムラを抑止の点からも好ましい。
含水率の測定法は、フィルム試料7mm×35mmを水分測定器、試料乾燥装置「CA−03」及び「VA−05」(ともに三菱化学社製)を用いてカールフィッシャー法で測定することができる。含水率は水分量(g)を試料質量(g)で除して算出できる。
本発明の偏光板は、偏光子と、この偏光子の保護フィルムとして本発明の積層体を少なくとも1枚含む。すなわち本発明の偏光板は光学フィルムないし偏光板保護フィルムとして好適に用いることができる。通常は、偏光子の両面を本発明の積層体で挟み両面を保護した偏光板とする。
積層体がセルロースエステル層の片面にポリウレア層が設けられた形態である場合、上記積層体の偏光子との貼合面は、ポリウレア層の側でもよいし、セルロースエステル層の側でもよい。本発明の効果をより高める観点から、ポリウレア層の側を偏光子と直接貼合することが好ましい。
ここで、平行、直交又は45°については、本発明が属する技術分野において許容される誤差の範囲を含む。例えば、それぞれ平行、直交及び45°に関する厳密な角度から±10°の範囲内であることを意味し、厳密な角度との誤差は、±5°の範囲内が好ましく、±3°の範囲内がより好ましい。
偏光子の透過軸と本発明の積層体の遅相軸についての平行とは、本発明の積層体の主屈折率nxの方向と偏光子の透過軸の方向とが±10°の角度で交わっていることを意味する。この角度は、±5°の範囲内が好ましく、より好ましくは±3°の範囲内、更に好ましくは±1°の範囲内、最も好ましくは±0.5°の範囲内である。
また、偏光子の透過軸と本発明の積層体の遅相軸についての直交とは、本発明の積層体の主屈折率nxの方向と偏光子の透過軸の方向とが90°±10°の範囲内の角度で交わっていることを意味する。この角度は、好ましくは90°±5°の範囲内、より好ましくは90°±3°の範囲内、更に好ましくは90°±1°の範囲内、最も好ましくは90°±0.1°の範囲内である。上述のような範囲であれば、偏光板クロスニコル下における偏光度性能の低下が抑制され、光抜けが低減され好ましい。
<偏光度>
本発明の偏光板は、偏光度が95.0%以上であることが好ましく、98%以上であることがより好ましく、最も好ましくは99.5%以上である。
本発明の偏光板は、湿熱経時条件下における耐久性に優れる。このため、後述する偏光板耐久性試験前後での偏光度の変化量は小さい。
本発明の偏光板は、日本分光社製の自動偏光フィルム測定装置VAP−7070を用いて直交透過率及び平行透過率を測定し、偏光度を算出し、特に、85℃、相対湿度85%の環境下で500時間保存した場合の偏光度変化量が3%未満であるのが好ましい。
本発明の偏光板のその他の好ましい光学特性等については、特開2007−086748号公報の段落番号[0238]〜[0255]に記載されており、これらの特性を満たすことが好ましい。
本発明の偏光板は画像表示装置用途として好ましく用いられる。かかる画像表示装置として、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置が挙げられる。有機エレクトロルミネッセンス表示装置に用いる場合、例えば反射防止用途に用いられる。なかでも本発明の偏光板は液晶表示装置に好適に用いられる。
<液晶表示装置>
本発明の画像表示装置としての一実施形態である液晶表示装置は、液晶セルと、この液晶セルの少なくとも一方に配置された本発明の偏光板とを含む。
上記液晶表示装置の好ましい実施形態について説明する。
第1偏光板21及び第2偏光板26は、図示しないが、通常は、それぞれ2枚の偏光板保護フィルムで偏光子を挟むように積層した構成を有している。本発明の液晶表示装置20は、少なくとも一方の偏光板が本発明の偏光板であることが好ましい。また、2枚の偏光板のうち、第1偏光板21(視認側偏光板)の偏光板保護フィルムとして本発明の積層体を配置した上で、更に第2偏光板26(バックライト側偏光板)の偏光板保護フィルムとして本発明の積層体を配置することも好ましい。これにより、2枚の偏光板に含まれる偏光子の伸縮を抑止し、パネルの反りを防止するができる。本発明の液晶表示装置20は、装置の外側(液晶セルから遠い側)から、偏光板保護フィルムとしての本発明の積層体、偏光子、一般の透明保護フィルムの順序で積層することも好ましい。
本発明の積層体は、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−PlaneSwitching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、ECB(Electrically Controlled Birefringence)、及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。本発明の積層体は、いずれの表示モードの液晶表示装置にも好適に用いることができる。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置にも好適に用いることができる。
<合成例1:ポリウレアA−2の合成>
上記合成例1において、使用する原料を目的のポリウレアの構造に対応したものに変更し、上記合成例と同様にして、上述した構造のポリウレアA−3、A−5、A−8、A−13、A−14、A−15、A−16及びA−17を合成した。
特表2008−544304の段落[0047]の記載を参照し、下記構造の比較ポリマーHA−1(ポリエステル)を合成した。
また、重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)によりポリスチレン換算で測定される重量平均分子量を採用した。具体的な測定条件を以下に示す。
GPC装置:東ソー社製GPC装置(HLC−8320GPC、Ecosec)
カラム:TSK gel SuperHZM−H、TSK gel SuperHZ4000、TSK gel SuperHZ2000併用、(東ソー製、4.6mmID(内径)×15.0cm)
溶離液:N−メチルピロリドン(NMP)
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/min
<セルロースエステル層の作製>
下記の組成物をミキシングタンクに投入し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、固形分濃度22質量%のセルロースアセテート溶液(ドープA)を調製した。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
セルロースアセテート溶液(ドープA)の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
アセチル置換度2.86のセルロースアセテート 100質量部
トリフェニルホスフェート(可塑剤) 7.8質量部
ビフェニルジフェニルホスフェート(可塑剤) 3.9質量部
紫外線吸収剤(チヌビン328 チバ・ジャパン製) 0.9質量部
紫外線吸収剤(チヌビン326 チバ・ジャパン製) 0.2質量部
メチレンクロライド(第1溶媒) 336質量部
メタノール(第2溶媒) 29質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 11質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記ポリウレアA−2を固形分15質量%となるようにメチルエチルケトンと混合した後、攪拌機をつけたガラス製セパラブルフラスコに仕込み、室温にて5時間攪拌後、孔径5μmのポリプロピレン製デプスフィルターでろ過し、ポリウレア層形成用組成物を得た。次に、上記で作製したセルロースエステル層上に、上記ポリウレア層形成用組成物を、グラビアコーターを用いて塗布した。次いで、塗布したポリウレア層形成用組成物を、25℃で1分間乾燥し、更に120℃で約5分間乾燥して、膜厚60μmの積層体S−2を得た。
上記積層体S−2の作製において、ポリウレア層形成用組成物に用いるポリウレアA−2を、それぞれポリウレアA−3、A−5、A−8、A−13、A−14、A−15、A−16、A−17及びHA−1に変更した以外は、上記積層体S−2の作製と同様にして、積層体S−3、S−5、S−8、S−13、S−14、S−15、S−16、S−17及び比較積層体HS−1を作製した。
得られた積層体の厚さは、いずれも60μmであった。
ポリウレア層とセルロースエステル層との密着性を、JIS K 5400に準処した碁盤目試験(クロスカット法)により測定した。具体的な手順を以下に示す。
上記で製造した各積層体において、ポリウレア層側の表面に、カッターナイフ及びカッターガイドを用いて、1mm間隔で縦横11本の切り込みを入れ、100個の碁盤目を作製した。この碁盤目上にセロハンテープ(登録商標)を強く圧着させた後、テープの端を表面に対して45°の角度で一気に剥がした。
その後、碁盤目の状態(100個の碁盤目(格子の目)のうち剥がれた格子の目の割合)を観察した。観察結果を下記評価基準に当てはめ評価した。
<密着性評価基準>
A:どの格子の目も剥がれない
B:格子の目の剥がれが5%未満である
C:格子の目の剥がれが5%以上30%未満である
D:格子の目の剥がれが30%以上である
結果を下記表2に示す。
透湿度は、「高分子の物性II」(高分子実験講座4 共立出版)の285頁〜294頁:蒸気透過量の測定(質量法、温度計法、蒸気圧法、吸着量法)を適用し、評価した。具体的な手順を以下に示す。
JIS Z−0208の方法に準じて、上記で作製した各積層体を裁断し、この裁断した積層体を透湿カップに装着して試験試料とした。この試験試料を温度40℃、相対湿度90%の条件下で24時間調湿した。
調湿前後における試験試料の質量をそれぞれ秤量し、調湿前の試験試料の質量をa、調湿後の試料の質量をbとして、24時間で試料を通過する水分量Δmを、下記式より算出した。
Δm=|a−b|
次いで、上記Δmを試料面積1m2あたりの値に換算し、透湿度(g/m2/day)とした。
積層前後の透湿度変化率=[(セルロースエステルフィルムの透湿度)−(積層体の透湿度)]/(セルロースエステルフィルムの透湿度)
<透湿度の評価基準>
A:積層前後の透湿度変化率が0.85以上
B:積層前後の透湿度変化率が0.85未満0.75以上
C:積層前後の透湿度変化率が0.75未満0.65以上
D:積層前後の透湿度変化率が0.65未満
結果を下記表2に示す。
ヘイズメーター(HGM−2DP、スガ試験機)を使用し、JIS K−6714に従って積層体のヘイズ値を測定した。各積層体を40mm×80mmに切り出し、これを25℃、相対湿度60%RHでの条件で測定した。
また、105℃、相対湿度10%RHの条件で72時間保存した後に、上記と同様の条件でヘイズ値を測定した。得られたヘイズ値に基づきヘイズ値の変化量を下記式より算出し、下記評価基準により積層体の耐久性を評価した。
ヘイズ値の変化量(%)=上記保存後のヘイズ値(%)−上記保存前のヘイズ値(%)
(耐久性評価基準)
A:ヘイズ値の変化量が0.5%未満
B:ヘイズ値の変化量が0.5%以上1%未満
C:ヘイズ値の変化量が1%以上2%未満
D:ヘイズ値の変化量が2%以上
結果を下記表2に示す。
これに対し、セルロースエステル層に本発明で規定する構造のポリウレアを含有するポリウレア層を直に積層してなる本発明の積層体は、層間の密着性に優れ、また透湿度をより抑えることができ水分のバリア性にも優れていた。また本発明の積層体は、105℃という高温下で長時間保存してもヘイズ値の変化量が2%未満に抑えられていた(実施例1〜9)。なお、積層体HS−1も高温下におけるヘイズ値の変化量が2%未満であり、ヘイズ変化を指標にした耐久性は良好であった。
下記のようにして、偏光板PL−2、PL−3及びPL−13を作製した。
特開2001−141926号公報の実施例1に従い、延伸したポリビニルアルコールフィルムにヨウ素を吸着させて膜厚27μmの偏光子を作製した。
各成分を下記に示す組成で混合し、50℃で1時間撹拌して、活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を得た。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
活性エネルギー線硬化型接着剤組成物の組成
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
ラジカル重合成化合物:東亜合成社製アロニックスM−220
20.0質量部
興人社製N−ヒドロキシルアクリルアミド 40.0質量部
興人社製アクロイルモルホリン 40.0質量部
ラジカル重合開始剤:日本化薬社製KAYACURE DETX−S
0.5質量部
ラジカル重合開始剤:BASF社製IRGACURE907
1.5質量部
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
上記で作製した各積層体のポリウレア層側にコロナ処理を施した。コロナ処理を施した積層体の表面に、上記で調製した活性エネルギー線硬化型接着剤組成物をMCDコーター(富士機械社製、セル形状:ハニカム、グラビアロール線数:1000本/INCH、回転速度140%/対ライン速)を用いて、厚み0.5μmになるように塗布した。
また、別途、厚み40μmのシクロオレフィン系フィルム(JSR社製アートンG7810)を用意し、その表面に、コロナ処理を施した。このコロナ処理を施した表面に上記と同様にして活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を厚み0.5μmとなるように塗布した。
続いて、各積層体の活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を塗布した面と、シクロオレフィン系フィルムの活性エネルギー線硬化型接着剤組成物を塗布した面とを、上記で作製した偏光子の両面にそれぞれ貼り合わせて偏光板前駆体を作製した。この際、作製した偏光子のロールの長手方向と、各積層体におけるセルロースエステル層のロールの長手方向とが平行になるように配置した。また、偏光子のロールの長手方向と上記シクロオレフィン系フィルムの長手方向とが、平行になるように配置した。
(活性エネルギー線)
活性エネルギー線として、紫外線(ガリウム封入メタルハライドランプ)、照射装置:Fusion UV Systems,Inc社製Light HAMMER10、バルブ:Vバルブ、ピーク照度:1600mW/cm2、積算照射量1000/mJ/cm2(波長380〜440nm)を使用した。なお、紫外線の照度は、Solatell社製Sola−Checkシステムを使用して測定した。
偏光板の偏光子耐久性は、偏光板をガラスに粘着剤を介して貼り付けた形態で次のようにして偏光度をそれぞれ測定した。
ガラス板の上に偏光板を、積層体の側が空気界面側になるように(ガラス板から離れた側になるように)貼り付けたサンプル(約5cm×5cm)を2つ作製した。これらのサンプルについて、ガラス板側を光源に向けてセットして偏光度を測定した。2つのサンプルをそれぞれ測定し、算術平均した値を偏光板の偏光度とした。
なお、偏光度は、以下の式により算出した。
その後、温度85℃、相対湿度85%の高温高湿環境下で500時間保存した。次いで、上記と同様にして2つのサンプルについて偏光度を測定し、2つのサンプルの測定値を算術平均し、保存後の偏光板の偏光度とした。保存前後の偏光度変化量に基づき、偏光子耐久性を下記評価基準に基づき評価した。
ここで、偏光度変化量は下記式で算出される。
A:偏光度変化量が0.05%未満
B:偏光度変化量が0.05%以上1.0%未満
C:偏光度変化量が1.0%以上2.0%未満
D:偏光度変化量が2.0%以上3.0%未満
E:偏光度変化量が3.0%以上
結果を下記表3に示す。
なお、積層体HS−1は層間に剥離が認められたため、偏光子耐久性の評価は実施しなかった。
11 セルロースエステル層
12 ポリウレア層
20 液晶表示装置
21 第1(上側)偏光板
22 第1偏光板吸収軸の方向
23 第1(液晶セル上)電極基板
24 液晶層
25 第2(液晶セル下)電極基板
26 第2(下側)偏光板
27 第2偏光板吸収軸の方向
Claims (8)
- 前記L1及び/又はL2が脂肪族環を有し、該脂肪族環が環構成炭素原子として第4級炭素原子を少なくとも1つ有する、請求項1記載の積層体。
- 前記セルロースエステルがセルロースアシレートである、請求項1〜3のいずれか1項記載の積層体。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の積層体を用いた光学フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の積層体を用いた偏光板保護フィルム。
- 請求項1〜4のいずれか1項記載の積層体と、偏光子とを有する偏光板。
- 請求項7記載の偏光板を有する画像表示装置。
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