JP6594729B2 - 走行手段可変運搬台車 - Google Patents

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Description

この発明は、被運搬物を運搬する手押し台車の技術分野に属し、さらにいえば、積雪した路面や土等の柔らかい路面等の路面環境がわるい悪路にも柔軟に対応できる走行手段可変運搬台車に関する。
従来から悪路(雪や土等の路面)に対して円滑に走行できる運搬台車が種々開発されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
また、特に宅配業者においては、交通規制や環境面への配慮から配達用の手押し台車が広く普及しており、一年のうちには路面環境が大きく変化する地域もあることから、悪路にも強く、一年を通して使い易い運搬台車が切望されていた。
前記特許文献1に係る運搬台車は、運搬車体の下部に履帯(無限軌道)を配設する構成を特徴とし、この履帯式構造により、浜辺等の砂地や砂利道、草道等の路面(いわゆる悪路)でも円滑に運搬走行させることができる(同文献1の請求項1、明細書の段落[0018]等を参照)。
前記特許文献2に係る運搬台車は、走行部にグラススキーに使用される機構(無限軌道)を採用し、この走行機構により、大きな段差の乗り越えや曲線に沿った走行を容易に行うことができ、路面状態に左右されることなく静かに走行させることができる(同文献2の請求項1、明細書の段落[0009]、[0027]等を参照)。
特開2000−71999号公報 特開2015−127188号公報
しかし、前記特許文献1、2に係る悪路環境に対応した運搬台車は、例えば夏場等の雪道でない通常の路面では、従来一般のキャスター(車輪)付き運搬台車と比し、旋回性能が劣り、取り回しが悪くなったり、付加する機構でオーバースペックになる等の問題があり、一年を通して使えない現状があった。とは言え、通常用と悪路用の運搬台車をそれぞれ個別に用意するには保管場所やコストの問題があった。
そこで、夏場等の路面環境が良い季節では、キャスター付き運搬台車とし、冬場等の路面環境が悪い季節では、キャスターから無限軌道へ交換した運搬台車とするなど、台車本体を共通として走行手段だけを変更できる運搬台車を実現することができれば、コストや保管場所の問題が解決できる等、非常に有益であることは明らかである。
また、宅配業者が使用する従来の運搬台車は、取っ手(ハンドル部)のポジションを折畳み状態(0度)と直立状態(90度)の2つしか保持できず、配送員が台車側を向いた(前向きの)姿勢で運搬台車を押す、引くという作業をしいられていた。なぜなら、配送員が台車側とは反対側へ向いた(後向きの)姿勢で運搬台車を牽引すると、取っ手(配送員)と台車本体との距離が近いため、配送員の足(特には踵)が台車に衝突したり、台車の下方へ巻き込まれる等、円滑な牽引ができないからである。
しかし、荷物が嵩張り、視界の確保が困難な場合や、雪道等のUターンができない場合は、運搬台車を前向きの姿勢で押し引きするよりも後向きの姿勢で牽引する方がはるかに円滑な配送作業を行うことができ、このような牽引操作も良好(円滑)に行える運搬台車を実現することができれば、さらに有益であることは明らかである。
本発明は、上述した背景技術の問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、路面状態に応じて、走行手段をキャスター又は無限軌道に簡易に変更できることが可能な走行手段可変運搬台車を提供することにある。
また、運搬台車を前向きの姿勢で押し引きすることはもとより、牽引操作も良好に行うことができる走行手段可変運搬台車を提供することにある。
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る走行手段可変運搬台車は、被運搬物を載置するための基台と、基台に設けられた取っ手と、基台の下面に脱着可能に設けられたキャスターユニット及び無限軌道ユニットとからなる走行手段可変運搬台車であって、
前記基台は、走行方向に設けられた縦フレームと、走行方向と略直交する左右方向に設けられた横フレームとが平面視で井桁状に組まれたフレーム部材で構成され、前記横フレームは、下方に開口部を有する断面C字状に形成され、前記横フレームの左右両端部に前記キャスターユニット及び無限軌道ユニットを取り付けるためのボルト孔が鉛直方向に貫通されて設けられており、当該ボルト孔を利用して前記キャスターユニット及び無限軌道ユニットのいずれか一方が前記基台に取り付けられてなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した走行手段可変運搬台車において、前記基台のフレーム部材は、前記横フレームを前記縦フレームの側面に貫通させることで井桁状に組まれていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した走行手段可変運搬台車において、取付板を備えた前記キャスターユニット及び無限軌道ユニットのいずれか一方の前記取付板が、下方に開口部を有する断面C字状に形成された前記横フレームの両端部の中空断面内に挿入されて前記横フレームのボルト孔を利用して取り付けられることを特徴とする。
求項に記載した発明は、請求項に記載した走行手段可変運搬台車において、前記取付板は、その一部が、平面視で基台の左右からはみ出す状態で基台に取り付けられていることを特徴とする。
本発明に係る走行手段可変運搬台車によれば、以下の効果を奏する。
(1)基台(車台本体)および取っ手を共通として走行手段だけを交換することにより、路面状態に応じてキャスター式の運搬台車、或いは無限軌道式の運搬台車に容易に交換することができる。より具体的に、夏場等の路面環境が良い季節では、キャスター付き運搬台車とし、冬場等の路面環境が悪い季節では、キャスターから無限軌道へ交換した運搬台車に、工数をできる限り少なくして交換作業を容易に行うことができるので、通常用と悪路用の運搬台車をそれぞれ個別に用意する場合と比し、保管場所の確保の問題が解消し、しかも低コストで実施できる等、至極合理的な運搬台車を実現することができる。
(2)前記取っ手の角度を手前側へ傾倒させた位置で固定保持できるので、取っ手と基台との距離を離すことができ、配送員が台車側とは反対側へ向いた後向きの姿勢で運搬台車を牽引しても、配送員の足が台車に衝突したり、台車の下方へ巻き込まれることのない円滑な牽引を行うことができる。また、悪路の中で段差(路面上の凹凸)を走行する際に、てこの原理で台車前部(前輪部)を容易に持ち上げて段差を越えてスムーズな走行を行うこともできる。
(3)個々の配送員の身長に応じて取っ手の高さをフレキシブルに調整することもできるので、配送員は楽な姿勢で運搬作業を行うことができ、配送員の疲労軽減となり労働負荷の削減にもつながる。
(4)要するに、本発明によれば、路面状態に応じて走行手段を容易に変更できる上に、路面の段差は、取っ手の角度を変えて台車前部を容易に持ち上げてスムーズに乗り越え、被運搬物が嵩張り視界がわるい場合やUターンできない場合には姿勢を反転させて良好な牽引作業に切り換えることも可能であり、しかも配送員は楽な姿勢で運搬作業を行うことができるなど、万能型の運搬台車を実現することができる。
本発明にかかる走行手段可変運搬台車のうち、走行手段を無限軌道式で実施した場合の運搬台車を示す斜視図である。 図1の分解斜視図である。なお、本発明が走行手段可変運搬台車であることを示すべく、図中に2基のキャスターユニット(13)を追加して示した。 Aは、無限軌道ユニットを示した正面図であり、Bは、同側面図である。 Aは、本発明にかかる走行手段可変運搬台車のうち、走行手段をキャスター式で実施した場合の運搬台車を示す分解斜視図であり、Bは、Aで示したX部(キャスターユニット)の拡大図である。 Aは、図1、図2、及び図4Aに示した折り畳み金具(17)の拡大図であり、Bは、取っ手のフレーム部(2a)を抜粋して示した斜視図である。 Aは、図1について、取っ手の角度を手前側へ可変した状態を示す斜視図であり、Bは、取っ手の角度をさらに鈍角に可変した状態で被運搬物を収容する収容ボックスを取り付けた状態を示す斜視図である。 図1について、取っ手の位置をより高く伸張した状態を示す斜視図である。
本発明に係る走行手段可変運搬台車は、被運搬物を載置するための基台と、基台に設けられた取っ手と、基台の下面に脱着可能に設けられたキャスターユニット及び無限軌道ユニットとからなり、前記基台は、走行方向に設けられた縦フレームと、走行方向と略直交する左右方向に設けられた横フレームとが平面視で井桁状に組まれたフレーム部材で構成され、前記横フレームは、下方に開口部を有する断面C字状に形成され、前記横フレームの左右両端部に前記キャスターユニット及び無限軌道ユニットを取り付けるためのボルト孔が鉛直方向に貫通されて設けられており、当該ボルト孔を利用して前記キャスターユニット及び無限軌道ユニットのいずれか一方が前記基台に取り付けられてなることを特徴とする。
要するに、本発明に係る走行手段可変運搬台車は、図2が分かりやすいように、車台本体(基台)を共通として走行手段だけを交換することにより、路面状態に応じてキャスター式の運搬台車、或いは無限軌道式の運搬台車とする技術的思想に立脚している。
以下、実施例1では、走行手段として無限軌道を採用した運搬台車について説明し、実施例2では、キャスターを採用した運搬台車について説明する。
[実施例1]
図1〜図3は、本発明に係る走行手段可変運搬台車の実施例を示している。
この実施例1に係る走行手段可変運搬台車10は、無限軌道式の運搬台車であり、被運搬物(図視略)を載置するための基台1と、基台1に設けられた取っ手2と、基台1の下面に脱着可能に設けられた無限軌道ユニット3とからなる。
前記無限軌道ユニット3は、無限軌道4を回転自在に支持する支持脚5の上部に取付板6を備えてなり、前記基台1は、前記無限軌道ユニット3の取付板6を外付け可能なボルト孔7が設けられており、当該ボルト孔7を利用して前記無限軌道ユニット3の取付板6が前記基台1に取り付けられてなる。
ちなみに図2中の符号13は、キャスターユニットを示している。これについては実施例2で説明する。
本実施例に係る前記基台1は、一例として、前記ボルト孔7を備えたフレーム部材8の上に載置板(例えば、樹脂製ボード)9を設けてなる。
具体的に、前記フレーム部材8は、金属製で実施され、走行方向に平行に設けられた2本の縦フレーム(例えば、細長い角材)8a、8aと、走行方向と略直交する左右方向に平行に設けられた2本の横フレーム8b、8bとが平面視で井桁状に組まれ、前記横フレーム8bは、下方に開口部を有する断面C字状に形成され、前記横フレーム8bの左右両端部に前記取付板6を取り付けるためのボルト孔7が鉛直方向に貫通されて設けられている。また、前記取付板6には、前記ボルト孔7と一致するボルト孔6aが設けられ、当該一致するボルト孔7、6aに通されたボルトがナットで締結されることにより(図視略)、無限軌道ユニット3が前記基台1に取り付けられている。
前記基台1を構成するフレーム部材8は、本実施例では部材の強度、コスト、および軽量化を考慮し、最も合理的な井桁状に組んで実施している。
また、前記フレーム部材8は、部材の強度、重心を低くすることによる走行時の安定性、およびコンパクト化を考慮し、縦フレーム8aの側面に横フレーム8bを貫通させ、当該フレーム8a、8bの交点部をボルト接合することにより井桁状に組んで実施している。ただし、これに限定されるものではなく、縦フレーム8aの上面又は下面に横フレーム8bを設けて井桁状等に形成して実施することもできる。
前記載置板9は、その裏面に、前記縦フレーム8aを受け入れるための溝部9aが全長にわたって形成されている。これは、載置板9を縦フレーム8aだけでなく横フレーム8bの上面にも面タッチ状態で載置させるための工夫であり、載置板9の安定性の向上、ボルト接合等の取付作業の効率化に寄与する。その他、フレーム部材8a等と接合するためのボルトが載置板9の上面へ突出しないように段付き孔とする工夫等も適宜行われるところである。
前記横フレーム8bは、下方に開口部を有する断面C字状に形成した金属板で実施している。その意義は、平板等で実施する場合は、無限軌道ユニット3の取付板6と4点留めで実施するのが通例であるのに対し、横フレーム8bと取付板6との取付強度をより向上させて、ボルトの2点留めを実現することにある。
すなわち、前記ボルト孔7は、前記横フレーム8bの左右方向の両端部に2個ずつ設けられており、さらに、横フレーム8bの中空断面方向からみると、幅方向両端部に、上面と断面C字状の突出部(爪部)とを貫通するように配設(穿設)されている。
一方、無限軌道ユニット3の取付板6は、前記ボルト孔7、7と一致する位置にボルト孔6a、6aを備えた、横フレーム8bの中空断面形状と近似する所定の厚みを有する合成樹脂製で実施され、これを前記横フレーム8bの中空断面内にスライドさせて位置決めし、当該一致させたボルト孔7、6aを利用してボルト接合し、横フレーム8b、ひいては基台1に取り付けられる。
そうすると、前記所定の厚みを有する合成樹脂製の取付板6は、前記断面C字状の横フレーム8bの上下の面材でしっかりと締め付けられるので、ボルトの2点留めでも十分に高い保持力を実現することができる。よって、後述するキャスター式の運搬台車に変更する場合には、4点留めで実施する場合と比し、部材点数、工数をほぼ半減できるので、低コスト化、作業効率化を実現することができる。
前記無限軌道ユニット3の構成について説明すると、本実施例に係る無限軌道ユニット3は、無限軌道4と支持脚5と前記取付板6とで構成される。
前記無限軌道4は、少なくとも無限軌道帯4aと、無限軌道帯4aの形状を内側から保持するインナーフレーム4bとからなる(図3参照)。この無限軌道4は、市販品のグラススキーを本発明に適用するために改良したものである。改良点は、前記インナーフレーム4bにおける前記支持脚5を取り付ける部位に水平方向に貫通する所要の大きさの孔を穿設した。
無限軌道帯4aの構造は公知なので詳しい説明は省略するが、ちなみに図3中の符号4cは、無端レールを示し、符号4dは、ローラを示し、符号4eは、複数のローラ4dを支持するエレメントを示し、符号4fは、エレメント4eを等間隔に保持するベルトを示している。
前記支持脚5は、防錆を考慮して合成樹脂製とし、すでに販売されている特に剛性を高めたガラス繊維強化された合成樹脂製のキャスターの支持脚を使用し、従来一般のキャスター用の支持脚と同様の形態を採用している。すなわち、前記無限軌道4を挟む脚部5a、5aを備えた略下向きコ字形で、前記脚部5a、5aで無限軌道4を挟むように所定の間隔をあけて前記横フレーム8b、8bの配置間隔とほぼ一致する位置に少なくとも2つ(本実施例では2つ)配置され、前記インナーフレーム4bを前記所定の間隔をあけて貫通させた少なくとも2つの水平軸11がそれぞれ前記脚部5a、5aで軸支されて当該無限軌道4を回転自在に支持している。ちなみに図中の符号12は、ナットを示している。
前記取付板6は、前記2つの支持脚5の上面にそれぞれ装着され、前記したように、基台1側に設けられたボルト孔7と一致する位置にボルト孔6aが設けられている。
ちなみに、本実施例では、前記取付板6の一部が、平面視で基台1の左右からはみ出す状態で基台1に取り付けられる工夫を施している。これは、基台1よりも外側に突き出すことによって、取付板6の樹脂部が緩衝材の役割を果たし、基台1(フレーム部材8と載置板9)の保護に寄与するだけでなく、人や建物への損傷を防ぐ利点もある。
かくして、実施例1に係る無限軌道式の運搬台車10は、走行方向の一端部から立ち上がる取っ手2を備えた基台1(台車本体)に、その横フレーム8b、8bの両端部の中空断面内へ、両側から前記無限軌道ユニット3の取付板6、6をそれぞれスライドさせて挿入し、一致した横フレーム8bのボルト孔7と取付板6のボルト孔6aを利用してボルト接合することにより強固に組み立てられる。
なお、図示例は最良の実施形態を示しているに過ぎず、要するに本発明は、基台1を共通として走行手段だけをキャスター式から無限軌道式へ、無限軌道式からキャスター式へ自在に変更可能な構成であればよい。
この実施例1に係る走行手段可変運搬台車は、さらに、取っ手2の角度を広範囲に設定可能な折り畳み金具17を用いることにより、配送員が後ろ向きの姿勢で牽引する操作を容易ならしめる工夫を施しているが、この点については実施例3で説明する。
[実施例2]
図4は、本発明に係る走行手段可変運搬台車の実施例を示している。
この実施例2に係る走行手段可変運搬台車10’は、上記実施例1に係る基台1及び取っ手2をそのまま(共通に)利用して、走行手段のみを無限軌道式からキャスター式に変更したものである(図2も参照)。
すなわち、この図4に係るキャスター式の運搬台車10’は、被運搬物(図視略)を載置するための基台1と、基台1に設けられた取っ手2と、基台1の下面に脱着可能に設けられたキャスター13とからなる。
前記キャスターユニット13は、車輪14を回転自在に支持する支持脚15の上部に取付板16を備えてなり、前記基台1は、前記キャスターユニット13の取付板16を外付け可能なボルト孔7が設けられており、当該ボルト孔7を利用して前記キャスターユニット13の取付板16が前記基台1に取り付けられてなる。
すなわち、本発明に係る前記キャスターユニット13の取付板16と前記無限軌道ユニット3の取付板6は、前記基台1に設けられた共通のボルト孔7を利用して基台1に取り付けられる構成で実施することにより、構造設計、交換作業等の合理化を図っている。
前記基台1を構成するフレーム部材8と載置板9は、上記実施例1と同一なので同一の符号を付してその説明を省略する(前記段落[0020]、[0021]、及び[0022]を参照)。
前記キャスターユニット13は、車輪14と支持脚15と前記取付板16とで構成され、前記車輪14を挟む脚部15a、15aを備えた略下向きコ字形で、車輪15の芯を貫通させた水平軸が前記脚部15a、15aで軸支されて当該車輪14を回転自在に支持している。ちなみに、本実施例に係るキャスターユニット13は、一例として、前輪部を自由車(自在キャスター)で実施し、後輪部を固定車(固定キャスター)で実施している。
なお、前記支持脚15と取付板16の構成は、上記実施例1と同様の材質、形態で実施しているので、その説明を省略する(前記段落[0024]を参照)。
かくして、実施例2に係るキャスター式の運搬台車10’は、走行方向の一端部から立ち上がる取っ手2を備えた基台1(台車本体)に、その横フレーム8b、8bの両端部の中空断面内へ、両側から前記キャスターユニット13の取付板16、16をそれぞれスライドさせて挿入し、一致した横フレーム8bのボルト孔7と取付板16のボルト孔(図2のボルト孔6aを援用して参照)を利用してボルト接合することにより強固に組み立てられる。
なお、図示例は最良の実施形態を示しているに過ぎず、要するに本発明は、基台1を共通として走行手段だけを無限軌道式からキャスター式へ、キャスター式から無限軌道式へ自在に変更可能な構成であればよい。
この実施例2に係る走行手段可変運搬台車も、上記実施例1と共通する取っ手2を用いているので、当然に、取っ手2の角度を広範囲に設定可能な折り畳み金具17を用いることにより、配送員が後ろ向きの姿勢で牽引する操作を容易ならしめる工夫を施しているが、この点については実施例3で説明する。
[実施例3]
この実施例3では、上記実施例1、2で説明した走行手段可変運搬台車10、10’に共通する構成要素である折り畳み金具17を用いた角度可変機構の構造および作用効果について説明する。
前記実施例1、2に係る取っ手2は、図5Aが分かり易いように、折り畳み金具17を介して基台1(本実施例では、縦フレーム8a)に設けられ、前記折り畳み金具17により基台1に対して、倒伏する位置、略90度に直立する位置に加え、更に90度を超えた1つ又は複数(本実施例では、2つ)の位置の各ポジション(本実施例では、4つ)に固定保持可能な構成で実施されている。
前記折り畳み金具17は、一例として、縦フレーム8a方向に開口し、取っ手2のフレーム部2aを受け入れ可能な平面視略コ字状に形成され、その両側壁(同形同大)17a、17aの下端部が縦フレーム8aの基端部とボルト接合により取り付けられる一方、前記取っ手2が、前記両側壁17a、17a内に受け入れた前記フレーム部2aの下端部に水平に通したヒンジピン18を軸に回動可能に設けられている。
また、前記折り畳み金具17の両側壁17a、17aにはそれぞれ、位置決めフラットバー19を受け入れて回動させることが可能な同形同大の略扇形状の孔17b、17bが設けられている。前記取っ手2のフレーム部2aを水平に貫通させて略扇形状の孔17b、17bへ挿入された位置決めフラットバー19は、一端部が取っ手2側に固定されたバネ20によって常に取っ手2の上部方向に引っ張られ、当該位置決めフラットバー19の足踏み部19aを足で踏み込むと切欠き溝17cから外れ、取っ手2が回動する機構で構成されている。ちなみに、図5中の符号2bは、位置決めフラットバー19が挿入され、かつ位置決めフラットバー19の上下方向への移動を許容する縦孔を示している。
さらに、前記位置決めフラットバー19は、その上端部が楔状(テーパー状)に形成され、前記略扇形状の孔17bには、予め設定された取っ手2の複数の角度(ポジション)に対応する部位に前記楔状の上端部が嵌まり込む切欠き溝17cが同数設けられ、各ポジションに固定して保持可能な構成で実施されている。
上記構成の角度可変機構の操作は、配送員が前記位置決めフラットバー19の足踏み部19aを上方から踏み込むと、位置決めフラットバー19と切欠き溝17cとの嵌合状態(ロック)が解除されて、取っ手2の角度変更操作が可能となる。そして、配送員が望む角度へ取っ手2を回動させると、前記バネ20の力で自動的に前記位置決めフラットバー19の楔部が前記切欠き溝17c内へ嵌まり込みロックがかかる。なお、前記取っ手2が倒伏する位置(角度0度)では、足踏み部19aを踏み込むことが出来ないので切欠き溝17cは設けられていない(図5A参照)。
上下方向に長い板形状の前記位置決めフラットバー19を用いる意義について説明すると、丸形バーと比し、軽量、かつ力が作用する方向の断面二次モーメントを大きく取って、たわみを抑えることができる。また、細長い形状なので、固定保持するポジションの数を多くすることができる。楔部が切欠き溝17cに確実に入り込み、噛み込む形状的特性を有しているので、ガタツキがなくなり突発的な衝撃により固定保持状態が解かれる事態も抑制できる。
上記構成の角度可変機構によれば、例えば、図6A、Bに示したように、取っ手2を配送員の手前側に傾倒させると、必然的に、取っ手2(配送員)と基台1との距離を離すことができる。よって、操作者が台車側とは反対側へ向いた(後向きの)姿勢で運搬台車を牽引しても、操作者の足が台車に衝突したり(接したり)、台車の下方へ巻き込まれることのない円滑な牽引を行うことができる。
その他、悪路の中で段差(路面上の凹凸)を走行する際に、従来のように取っ手2が直立状態にあると、乗り越えの衝撃がそのまま取っ手2の根元部分(フレーム部2aの下端部)に作用して曲げモーメントが大きくなるので、取っ手2の取付部が破損する虞があるし、相当な力を要した。この点、上記構成の角度可変機構によれば、予め取っ手2が配送員の手前側に傾倒させた状態に位置しているので、必然的に曲げモーメントは小さくなり、配送員は、てこの原理で負担にならない程度の力で台車前部を容易に持ち上げることができ、スムーズな運搬作業を実現することができる。また、運搬台車の破損防止および耐久性向上にも寄与する。
なお、図6、図7は無限軌道式の運搬台車を示しているが、キャスター式でも同様の作用効果を奏する。
ところで、宅配業者は、運搬台車を図6Bに示したような収容ボックスLを、面ファスナー22を用いて直立した取っ手2に巻き付け固定し使用をする場合がある。しかし、前記したように、取っ手2を配送員の手前側へ傾倒させて固定保持する場合には、この手法は採用できない。そこで、本発明では、図6A、Bに示したように、前記基台1を構成する載置板9の前端部(取っ手2とは反対側の位置)にパイプ通し孔9bをバランスのよい配置で穿設しておき、当該パイプ通し孔9bに位置ずれ防止パイプ21を差し込んで立設し、当該立設した位置ずれ防止パイプ21に収容ボックスLの面ファスナー22を巻き付け固定する手法を採用した。
さらに本発明に係る走行手段可変運搬台車は、図7に示したように、取っ手2を上下方向に伸縮させて、配送員の背丈に応じて取っ手2の高さを微調整できる高さ調整機構を備えている(図1と対比して参照)。
これまでは、折り畳み時のコンパクト化を考慮し、取っ手2を2段階方式(入れ子式)で収納、展開可能な台車は散見されるが、配送員の背丈に応じて取っ手2の高さを微調整できる台車はなかった。取っ手2の高さは従来より80cm前後が主流であるが、この50年で平均身長が6cm程度伸びているにもかかわらず据え置きのままで軽視されていた。しかし、本来であれば、配送員が労働時間の間中、押し続ける台車は、配送員の背丈に応じて調整するべき部位である。
そこで、本発明は、図5Bに示したように、取っ手2の略下半部を形成するフレーム部2aの上端部に縦長の切欠き溝2cを形成し、同フレーム部2a内を上下に摺動する略上半部を形成する上フレーム部2a’を所望の高さに位置決めしたとき、前記切欠き溝2cの周辺を締め付け金具23で締め付けてすぼめることにより、前記上フレーム部2a’を固定する手段を採用している。この手段によれば、前記締め付け金具23を一旦緩めると、前記上フレーム部2a’の拘束が解かれ上下に摺動可能な状態となり、前記締め付け金具23を締め付けると上フレーム部2a’が位置決め固定されるため、柔軟かつ確実に取っ手2の高さを微調整することができる。
以上、実施例1〜4を図面に基づいて説明したが、本発明はこの限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
1 基台
2 取っ手
2a フレーム部
2a’上フレーム部
2b 縦孔
2c 切欠き溝
3 無限軌道ユニット
4 無限軌道
4a 無限軌道帯
4b インナーフレーム
4c 無端レール
4d ローラ
4e エレメント
4f ベルト
5 支持脚
5a 脚部
6 取付板
6a ボルト孔
7 ボルト孔
8 フレーム部材
8a 縦フレーム
8b 横フレーム
9 載置板
9a 溝部
9b パイプ通し孔
10 走行手段可変運搬台車(無限軌道式の運搬台車)
10’ 走行手段可変運搬台車(キャスター式の運搬台車)
11 水平軸
12 ナット
13 キャスターユニット
14 車輪
15 支持脚
15a 脚部
16 取付板
17 折り畳み金具
17a 側壁
17b 略扇形状の孔
17c 切欠き溝
18 ヒンジピン
19 位置決めフラットバー
19a 足踏み部
20 バネ
21 位置ずれ防止パイプ
22 面ファスナー
23 締め付け金具
L 収容ボックス

Claims (4)

  1. 被運搬物を載置するための基台と、基台に設けられた取っ手と、基台の下面に脱着可能に設けられたキャスターユニット及び無限軌道ユニットとからなる走行手段可変運搬台車であって、
    前記基台は、走行方向に設けられた縦フレームと、走行方向と略直交する左右方向に設けられた横フレームとが平面視で井桁状に組まれたフレーム部材で構成され、前記横フレームは、下方に開口部を有する断面C字状に形成され、前記横フレームの左右両端部に前記キャスターユニット及び無限軌道ユニットを取り付けるためのボルト孔が鉛直方向に貫通されて設けられており、当該ボルト孔を利用して前記キャスターユニット及び無限軌道ユニットのいずれか一方が前記基台に取り付けられてなることを特徴とする、走行手段可変運搬台車。
  2. 前記基台のフレーム部材は、前記横フレームを前記縦フレームの側面に貫通させることで井桁状に組まれていることを特徴とする、請求項1に記載した走行手段可変運搬台車。
  3. 取付板を備えた前記キャスターユニット及び無限軌道ユニットのいずれか一方の前記取付板が、下方に開口部を有する断面C字状に形成された前記横フレームの両端部の中空断面内に挿入されて前記横フレームのボルト孔を利用して取り付けられることを特徴とする、請求項1又は2に記載した走行手段可変運搬台車。
  4. 前記取付板は、その一部が、平面視で基台の左右からはみ出す状態で基台に取り付けられていることを特徴とする、請求項に記載した走行手段可変運搬台車。
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