JP6597322B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置において、感光体ドラムや中間転写ベルトから用紙上に転写された色材(トナー)を加熱・加圧により定着させる定着装置が用いられている。近年、画像形成装置においても省エネルギー化が求められており、定着装置における加熱効率の向上を目的として、加熱部材の周辺に当該加熱部材からの放熱を抑制するための反射部材や断熱部材等の放熱抑制部材が配置された定着装置が提案されている(特許文献1参照)。
また、定着装置においては、加熱部材からの用紙の分離不良が発生する場合がある。これに対し、分離爪で用紙を機械的に剥離する方法や、用紙と加熱部材の間にエアーを吹き付けて用紙を剥離する方法が実施されている。
特開平9−101700号公報
しかしながら、分離不良を完全に回避することは困難であり、まれに加熱部材に用紙が密着したまま搬送されてしまい、ジャムが発生することがある。図11に示すように、放熱抑制部材370が設けられた定着装置360では、放熱抑制部材370が加熱部材361の外周面を覆うように設置されるため、ジャムが発生した場合に、加熱部材361と放熱抑制部材370との間に用紙Pが入り込んでしまう場合があった。
この場合、用紙Pと放熱抑制部材370との摺擦によって、放熱抑制部材370の損傷、汚染が発生するおそれがあった。特に、反射部材においては、内面が損傷を受けることで鏡面性が低下したり、内面にトナーが付着することで反射率が低下したりする等、放熱抑制効果が低下する。また、放熱抑制部材370と用紙Pの一部が接触し固着した場合、用紙Pと加熱部材361との摺擦によって、加熱部材361が損傷すると、画質低下の要因となっていた。
また、加熱部材361が放熱抑制部材370に覆われた状態では、放熱抑制部材370がない場合と比較して、詰まった用紙Pを除去する作業が困難となり、ジャム処理時の作業性が悪かった。単純に狭い空間に挟まった用紙Pを取り出すことが難しいだけでなく、狭い空間を移動する途中で用紙Pが変形するため、用紙Pを除去する際に周辺部材を傷つける可能性も高かった。
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、放熱抑制部材を有する定着装置における部材の損傷を低減させるとともに、ジャム処理時の作業性を向上させることを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、周回駆動される外周面を有し、色材が転写された用紙を加熱する加熱部材と、前記加熱部材の外周面の少なくとも一部を所定の空隙を有するように覆って前記加熱部材からの放熱を抑制する放熱抑制部材と、を備える定着装置であって、前記放熱抑制部材は、前記加熱部材からの放熱を抑制する第1の位置と、前記加熱部材と当該加熱部材に対向する対向部材とにより形成されるニップ部の用紙搬送方向における下流側端部付近において、前記加熱部材のうち前記第1の位置で覆われていた部分から前記第1の位置より離れた第2の位置と、に移動可能な可動部を有し、前記可動部を前記第1の位置又は前記第2の位置に移動させる移動部と、前記ニップ部の下流側端部付近における用紙のジャムを検知するジャム検知部と、前記ジャム検知部によりジャムが検知された場合に、前記可動部を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるよう、前記移動部を制御する制御部と、を備え、前記第2の位置は、前記ニップ部の下流側端部付近の前記加熱部材と前記可動部との間の空間が前記第1の位置より広い位置であり、前記ジャム検知部によりジャムが検知された用紙が前記加熱部材と前記第1の位置における前記可動部との間に到達する前に、前記可動部は前記第1の位置から前記第2の位置に移動する
請求項2に記載の発明は、周回駆動される外周面を有し、色材が転写された用紙を加熱する加熱部材と、前記加熱部材の外周面の少なくとも一部を所定の空隙を有するように覆って前記加熱部材からの放熱を抑制する放熱抑制部材と、を備える定着装置であって、前記放熱抑制部材は、前記加熱部材からの放熱を抑制する第1の位置と、前記加熱部材と当該加熱部材に対向する対向部材とにより形成されるニップ部の用紙搬送方向における下流側端部付近において、前記加熱部材のうち前記第1の位置で覆われていた部分から前記第1の位置より離れた第2の位置と、に移動可能な可動部を有し、前記可動部を前記第1の位置又は前記第2の位置に移動させる移動部と、前記ニップ部の下流側端部付近における用紙のジャムを検知するジャム検知部と、前記ジャム検知部によりジャムが検知された場合に、前記可動部を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるよう、前記移動部を制御する制御部と、を備え、前記第2の位置は、前記加熱部材の周回方向において前記第1の位置より下流側の位置である
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の定着装置において、前記可動部の前記加熱部材の周回方向に沿った移動速度は、前記加熱部材の周回速度より速い
請求項4に記載の発明は、請求項に記載の定着装置において、前記可動部の前記加熱部材の周回方向に沿った移動速度は、前記加熱部材の周回速度と略同一である
請求項5に記載の発明は、請求項2から4のいずれか一項に記載の定着装置において、前記放熱抑制部材は、前記加熱部材から放射された熱を反射する反射部材であり、前記可動部の前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動に伴い、前記可動部の前記加熱部材と対向する表面を清掃するクリーニング部材を備える
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の定着装置において、前記ニップ部の下流側端部から前記ジャム検知部までの距離は、前記ニップ部の下流側端部から前記第1の位置における前記可動部までの前記加熱部材の周回方向に沿った距離より短い。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の定着装置において、ジャムの解消を検知するジャム解消検知部を備え、前記制御部は、前記ジャム解消検知部によりジャムの解消が検知された場合に、前記可動部を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるよう、前記移動部を制御する。
請求項に記載の発明は、請求項1から4、6、7のいずれか一項に記載の定着装置において、前記放熱抑制部材は、前記加熱部材から放射された熱を反射する反射機能、又は、前記放熱抑制部材を挟んで前記加熱部材側と反対側との間の熱伝導を遮る断熱機能の少なくとも一方を有する。
請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置である。
本発明によれば、放熱抑制部材を有する定着装置における部材の損傷を低減させるとともに、ジャム処理時の作業性を向上させることができる。
本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の全体構成を示す概略断面図である。 画像形成装置の機能的構成を示すブロック図である。 (a)は、可動部が第1の位置にある場合の定着部の断面構成を示す模式図である。(b)は、可動部が第2の位置にある場合の定着部の断面構成を示す模式図である。 第1の実施の形態における可動部の移動方法を説明するための図である。 (a)は、第2の実施の形態における画像形成装置の可動部が第1の位置にある場合の定着部の断面構成を示す模式図である。(b)は、可動部が第2の位置にある場合の定着部の断面構成を示す模式図である。 第2の実施の形態における可動部の移動方法を説明するための図である。 (a)は、第3の実施の形態における画像形成装置の可動部が第1の位置にある場合の定着部の断面構成を示す模式図である。(b)は、可動部が第2の位置にある場合の定着部の断面構成を示す模式図である。 第3の実施の形態における可動部の移動方法を説明するための図である。 第1のジャム発生時処理を示すフローチャートである。 第3の実施の形態の変形例における第2のジャム発生時処理を示すフローチャートである。 従来の定着装置における問題点を説明するための図である。
以下、図面を参照して、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について説明する。なお、本発明は、図示例に限定されるものではない。
[第1の実施の形態]
まず、図1及び図2を参照して、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置100の装置構成について説明する。図1は、画像形成装置100の全体構成を示す概略断面図である。図2は、画像形成装置100の機能的構成を示すブロック図である。
画像形成装置100は、原稿から画像を読み取って得られた画像データ、又は、外部機器から受信した画像データに基づいて、電子写真方式により、カラー画像を形成するタンデム型の画像形成装置である。
画像形成装置100は、制御部10、操作表示部20、画像読取部30、画像形成部40、搬送部50、定着部60、記憶部80等を備えて構成される。
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等により構成される。CPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開し、展開されたプログラムに従って、画像形成装置100の各部の動作を集中制御する。
操作表示部20は、表示部21、操作部22を備える。
表示部21は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、制御部10から入力される表示信号の指示に従って各種画面を表示する。
操作部22は、表示部21の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備え、ユーザーの操作に基づく操作信号を制御部10に出力する。操作部22は、ユーザーからの操作指示を受け付ける。
画像読取部30は、ADF(Auto Document Feeder:自動原稿給紙装置)31、スキャナー32を備える。
ADF31は、原稿トレイに載置された原稿を自動給紙する。
スキャナー32は、ADF31からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、光源から原稿へ照明走査した光の反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサーの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取り、読み取った画像をA/D変換し、得られた画像データを制御部10に出力する。
画像形成部40は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応する感光体ドラム41Y,41M,41C,41K、帯電部42Y,42M,42C,42K、露光部43Y,43M,43C,43K、現像部44Y,44M,44C,44K、一次転写ローラー45Y,45M,45C,45K、感光体クリーニング部46Y,46M,46C,46Kと、中間転写ベルト47と、二次転写ローラー48と、ベルトクリーニング部49と、を備える。
帯電部42Y,42M,42C,42Kは、感光体ドラム41Y,41M,41C,41Kを一様に帯電させる。
露光部43Y,43M,43C,43Kは、レーザー光源、ポリゴンミラー、レンズ等から構成され、各色の画像データに基づいて感光体ドラム41Y,41M,41C,41Kの表面をレーザービームにより走査露光して静電潜像を形成する。
現像部44Y,44M,44C,44Kは、感光体ドラム41Y,41M,41C,41K上の静電潜像に各色のトナーを付着させ、現像を行う。
一次転写ローラー45Y,45M,45C,45Kは、感光体ドラム41Y,41M,41C,41K上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト47上に逐次転写させる(一次転写)。すなわち、中間転写ベルト47上には、4色のトナー像が重ね合わされたカラートナー像が形成される。
二次転写ローラー48は、中間転写ベルト47上のカラートナー像を、給紙トレイT1,T2,T3から供給された用紙の一方の面上に一括して転写させる(二次転写)。
感光体クリーニング部46Y,46M,46C,46Kは、転写後の感光体ドラム41Y,41M,41C,41Kの周面上に残ったトナーを除去する。
ベルトクリーニング部49は、二次転写ローラー48により用紙にカラートナー像が転写された後の中間転写ベルト47から残留トナーを除去する。
搬送部50は、レジストローラー51、用紙を搬送するための搬送ローラー等を備え、給紙トレイT1,T2,T3に収納された用紙を画像形成部40に供給してから、定着後の用紙を機外に排出するまで、画像形成装置100内において用紙を搬送する。給紙トレイT1,T2,T3には、給紙トレイ毎に予め定められた紙種やサイズの用紙が収納されている。
定着部60は、用紙上に転写された色材としてのトナーを、加熱・加圧により用紙上に定着させる。
定着部60は、加熱部材駆動部1、可動部駆動部2、フォトセンサー3、温度センサー4、開閉センサー5等を備える。
記憶部80は、ハードディスクやフラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置により構成され、各種データを記憶する。例えば、記憶部80には、各紙種(厚紙・普通紙・薄紙等)に対応する定着温度が記憶されている。定着温度とは、定着部60において用紙がニップ部を通過する際に、トナーを溶融するのに必要な温度であり、画像形成される用紙の紙種等によって異なる。
図3(a)及び(b)に、定着部60の断面構成を模式的に示す。
定着部60は、加熱部材としての定着ベルト61、加熱ローラー62、上加圧ローラー63、下加圧ローラー64、放熱抑制部材70等を備える。
定着ベルト61は、加熱ローラー62及び上加圧ローラー63に張架された無端状ベルトであり、周回駆動される外周面を有する。定着ベルト61は、トナーが転写された用紙に接触して、この用紙を定着温度で加熱する。
加熱ローラー62は、用紙が定着ベルト61によって所定の温度で加熱されるように、すなわち、定着ベルト61の温度が定着温度となるように定着ベルト61を加熱する。加熱ローラー62には、ハロゲンヒーター等のヒーター65が加熱ローラー62の軸方向の複数の位置に内蔵されている。各ヒーター65は、加熱ローラー62の軸方向のそれぞれ対応する位置を加熱する。その結果、定着ベルト61の幅方向のそれぞれ対応する位置が加熱される。
定着ベルト61の近傍には、定着ベルト61の温度を測定するための温度センサー4が配置される。温度センサー4は、熱電対等により構成され、用紙の幅方向に複数配置されている。制御部10は、各温度センサー4により測定された温度が定着に必要な所定の温度と一致するように、各温度センサー4に対応する位置にあるヒーター65の出力を制御する。定着ベルト61の温度は、例えば、160〜200℃の範囲で制御される。
上加圧ローラー63は、定着ベルト61と下加圧ローラー64との間にニップ部を形成させるために、下加圧ローラー64と対向して配置される。
加熱部材駆動部1は、加熱ローラー62又は上加圧ローラー63を回転させることで、定着ベルト61を周回駆動させる。加熱部材駆動部1の駆動制御は、制御部10によって行われる。
下加圧ローラー64は、定着ベルト61を介して上加圧ローラー63に押圧される。下加圧ローラー64は、定着時には、下加圧ローラー64を上加圧ローラー63に対して付勢する付勢手段により定着ベルト61に圧接され、非使用時には、定着ベルト61に対する圧接が解除される。定着ベルト61と下加圧ローラー64とを圧接させて形成されたニップ部を用紙が通過することで、用紙上の画像が定着される。
放熱抑制部材70は、定着ベルト61の外周面の一部を所定の空隙を有するように覆って定着ベルト61からの放熱を抑制する。放熱抑制部材70は、反射部材71と、断熱部材72と、から構成される。反射部材71は、定着ベルト61から放射された熱を反射する反射機能を有する。断熱部材72は、断熱部材72を挟んで定着ベルト61側と反対側との間の熱伝導を遮る断熱機能を有する。
反射部材71は、アルミニウム等の金属板により構成され、反射部材71の内面(定着ベルト61に対向する面)は、反射率を上げるために鏡面加工が施されている。反射部材71は、定着ベルト61から所定の間隔をあけて、加熱ローラー62の上端から上加圧ローラー63の軸位置の高さ付近まで、定着ベルト61を被覆するよう配置されている。ここでは、定着ベルト61の幅方向(通紙方向と直交する方向)における反射部材71の長さは、ジャム処理時の作業性をより高めるため最大用紙幅よりわずかに狭く設定されていることとするが、この例に限定されない。
断熱部材72は、耐熱温度が400℃程度のフェルトシートにより構成される。断熱部材72は、反射部材71の外面の全面に耐熱テープで貼り付けられている。
放熱抑制部材70は、ニップ部の下流側の面において、加熱ローラー62の略中心を通る高さで本体部73と、可動部74と、に分割されている。本体部73は、定着部60内において、その位置が固定されている。可動部74は、本体部73と接する部分に設けられたヒンジ部75を軸として回動可能に設けられている。図3(b)に示すように、可動部74は、ヒンジ部75を軸として定着ベルト61から遠ざかる方向へ40°ほど開く構造となっている。
なお、放熱抑制部材70のうち、断熱部材72は、反射部材71の移動に伴って移動可能であるため、ヒンジ部75により回動可能な部分は、反射部材71の層のみであってもよい。
可動部74は、図3(a)に示す第1の位置と、図3(b)に示す第2の位置と、に移動可能となっている。第1の位置は、定着ベルト61からの放熱を抑制する位置、すなわち、可動部74のヒンジ部75と反対側の端部(可動部74の下端)が第2の位置より定着ベルト61に近接した位置である。第2の位置は、定着ベルト61と当該定着ベルト61に対向する対向部材(下加圧ローラー64)とにより形成されるニップ部の用紙搬送方向における下流側端部(以下、ニップ部出口という。)付近において、定着ベルト61のうち第1の位置の可動部74により覆われていた部分(図3(a)において、定着ベルト61の可動部74と対向する部分)から第1の位置より離れた位置であり、ニップ部出口付近の定着ベルト61と可動部74との間の空間が第1の位置より広い位置である。ここでは、第2の位置を、可動部74が定着ベルト61と平行な状態から40°ほど開いた位置とする。
なお、ニップ部出口付近は、ニップ部出口に近い領域であり、分離不良により定着ベルト61が用紙を巻き込む範囲を含む。
可動部駆動部2は、可動部74を第1の位置又は第2の位置に移動させる。すなわち、可動部駆動部2は、移動部として機能する。
ここで、図4(a)及び(b)を参照して、可動部74の移動方法について説明する。なお、図4(a)及び(b)では、反射部材71と断熱部材72との区別を省略している。
可動部74と定着部60の筐体91の側面との間にはバネ92が架け渡されており、可動部74は、常に第1の位置から第2の位置へと向かう力を受けている。可動部74を第1の位置に固定するために、可動部74の下端を押さえる係り止め93が設けられている。係り止め93による可動部74の固定が解除されると、バネ92が縮む力によって、可動部74が第1の位置(図4(a))から第2の位置(図4(b))へと退避する。
第1の実施の形態では、可動部駆動部2は、係り止め93の位置を変えることにより、可動部74を第1の位置から第2の位置に移動させる。
フォトセンサー3は、定着部60内の用紙搬送経路において、ニップ部のすぐ下流に設置されており、ニップ部出口付近における用紙のジャムを検知し、検知結果を制御部10に出力する。すなわち、フォトセンサー3は、ジャム検知部として機能する。例えば、フォトセンサー3の設置位置に搬送されるべき用紙が所定のタイミングで検知されない場合や、用紙が通過しないはずの経路上に設置されたフォトセンサー3により用紙が検知された場合等に、ジャムが発生したと判断する。
ここで問題となるジャムとは、用紙上で溶融したトナーと定着ベルト61との接着力が強く、用紙が定着ベルト61から分離しないまま搬送される定着巻き付きジャムのことである。
制御部10は、フォトセンサー3によりニップ部出口付近における用紙のジャムが検知された場合に、可動部74を第1の位置から第2の位置に移動させるよう、可動部駆動部2を制御する。制御部10と定着部60とにより、本発明に係る定着装置が構成される。
具体的には、フォトセンサー3によるジャムの検知と連動して、係り止め93による可動部74の固定が解除され、可動部74が第2の位置に移動する。フォトセンサー3によりジャムが検知された用紙が定着ベルト61と第1の位置における可動部74との間に到達する前に、可動部74は第1の位置から第2の位置に移動する。
また、制御部10は、フォトセンサー3によりジャムが検知された場合に、加熱部材駆動部1を制御して、定着ベルト61の駆動を停止させる。
定着ベルト61と下加圧ローラー64とにより形成されるニップ部出口からフォトセンサー3までの距離は、ニップ部出口から第1の位置における可動部74までの定着ベルト61の周回方向に沿った距離より短い。
開閉センサー5は、定着部60の開閉動作を検知し、検知結果を制御部10に出力する。例えば、定着部60においてジャムが発生し、用紙を除去する際等に、ユーザーは、定着部60に対して作業が可能なように定着部60を開き、ジャム処理終了後、定着部60を閉じる。
ユーザーが定着部60を開け、詰まった用紙を除去した後、定着部60を閉じる際に、可動部74を第2の位置から第1の位置に戻し、可動部74が第1の位置に保持されるよう係り止め93をセットする。あるいは、定着部60を開ける動作に伴い、係り止め93により可動部74の下端が把捉され、定着部60を閉じる動作に伴い、可動部74が第1の位置に戻され、係り止め93によって固定されることとしてもよい。
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、ジャムが検知された場合に、可動部74を第2の位置に移動させ、ニップ部出口付近における定着ベルト61と可動部74との間の空間を第1の位置より広げるので、放熱抑制部材70を有する定着部60における放熱抑制部材70や定着ベルト61等の部材の損傷を低減させることができる。特に、反射部材71においては、トナーや紙粉等の汚れによる反射率の低下を低減させることができる。また、ユーザーが詰まった用紙を取り除く際にも、第2の位置にて待機することにより、作業空間が広がり、ジャム処理時の作業性を向上させることができる。
また、ニップ部出口からフォトセンサー3までの距離が、ニップ部出口から第1の位置における可動部74までの定着ベルト61の周回方向に沿った距離より短いので、フォトセンサー3によりジャムが検知された用紙が定着ベルト61と第1の位置における可動部74との間に到達する前に、可動部74を第1の位置から第2の位置に移動させることができる。これにより、可動部74が第1の位置にある状態のまま、用紙が放熱抑制部材70と定着ベルト61に挟まれることを回避できる。
また、ジャムが検知されると即座に定着ベルト61の駆動を停止させるため、用紙の搬送が停止するまでに多少のタイムラグはあるが、可動部74の上端付近(放熱抑制部材70と定着ベルト61の間隔が狭い領域)にまで用紙が進入することはない。
なお、第1の実施の形態では、ジャムが発生した場合に、放熱抑制部材70の一部(可動部74)のみが移動する場合について説明したが、放熱抑制部材70全体がニップ部出口付近の空間を広げる方向に退避する構成(放熱抑制部材70全体が可動部74である構成)でもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置100と同様の構成であるため、図1及び図2を援用し、画像形成装置100と同様の構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び動作について説明する。
第2の実施の形態における画像形成装置は、定着部60に代えて定着部160を備えるため、図面上の定着部60を定着部160と読み替える。
定着部160は、加熱部材駆動部1、可動部駆動部2、フォトセンサー3、温度センサー4、開閉センサー5等を備える(図2参照)。
図5(a)及び(b)に、定着部160の断面構成を模式的に示す。
定着部160は、加熱部材としての定着ベルト161、加熱ローラー162、上加圧ローラー163、下加圧ローラー164、反射部材170等を備える。加熱ローラー162には、ヒーター165が加熱ローラー162の軸方向の複数の位置に内蔵されている。
定着ベルト161、加熱ローラー162、上加圧ローラー163、下加圧ローラー164、ヒーター165については、第1の実施の形態の画像形成装置100が備える定着ベルト61、加熱ローラー62、上加圧ローラー63、下加圧ローラー64、ヒーター65と同様であるため、説明を省略する。
また、図示していないが、反射部材170の外面には、第1の実施の形態と同様に、断熱部材が貼られている。
反射部材170は、定着ベルト161の外周面の一部を所定の空隙を有するように覆って定着ベルト161からの放熱を抑制する。反射部材170は、定着ベルト161から放射された熱を反射する。反射部材170は、アルミニウム等の金属板により構成され、反射部材170の内面は、反射率を上げるために鏡面加工が施されている。
反射部材170は、本体部171と、可動部172と、を有する。本体部171は、定着部160内において、その位置が固定されている。可動部172は、図5(a)に示す第1の位置と、図5(b)に示す第2の位置と、に移動可能となっている。第1の位置は、定着ベルト161からの放熱を抑制する位置であり、可動部172が本体部171と連続するような位置である。第2の位置は、定着ベルト161と下加圧ローラー164とにより形成されるニップ部出口付近において、定着ベルト161のうち第1の位置の可動部172により覆われていた部分から第1の位置より離れた位置であり、定着ベルト161の周回方向において第1の位置より下流側の位置である。ここでは、第2の位置を、可動部172の下端が本体部171のニップ部出口側端部と略同じ高さになるまで、本体部171の外側に退避した位置とする。可動部172が第1の位置から第2の位置に移動することにより、定着ベルト161のうち第1の位置の可動部172により覆われていた部分が開放される。
反射部材170のニップ部の下流側の面において、本体部171と可動部172の境界(本体部171の下端)は、定着ベルト161の周回方向において、用紙が定着ベルト161に巻き付いて搬送される最上位置(ジャムの検知により定着ベルト161の駆動が停止されても動いてしまう位置)より下流側にある。また、可動部172の定着ベルト161の周回方向に沿った長さLbは、本体部171のニップ部出口側端部と最高点との距離Laより短い。
可動部駆動部2は、可動部172を第1の位置又は第2の位置に移動させる。すなわち、可動部駆動部2は、移動部として機能する。
制御部10は、フォトセンサー3によりニップ部出口付近における用紙のジャムが検知された場合に、可動部172を第1の位置から第2の位置に移動させるよう、可動部駆動部2を制御する。制御部10と定着部160とにより、本発明に係る定着装置が構成される。
具体的には、ジャムが検知されると、可動部172は、ニップ部出口付近の定着ベルト161に対向する第1の位置(図5(a)参照)から、可動部172の下端が本体部171のニップ部出口側端部と略同じ高さになる第2の位置(図5(b)参照)まで、定着ベルト161に沿って退避する。
ここで、図6(a)及び(b)を参照して、可動部172の移動方法について説明する。可動部172は、定着ベルト161の幅方向における両端部において、レール191a,191bにより移動を規制されており、このレール191a,191bの間を移動可能となっている。可動部172の上端にはバネ192が接続されており、可動部172は、常に第1の位置から第2の位置へと向かう力を受けている。可動部172を第1の位置に固定するために、可動部172の上端を押さえる係り止め193が設けられている。係り止め193による可動部172の固定が解除されると、バネ192が縮む力によって、可動部172が第1の位置(図6(a))から第2の位置(図6(b))へと退避する。
第2の実施の形態では、可動部駆動部2は、係り止め193の位置を変えることにより、可動部172を第1の位置から第2の位置に移動させる。可動部172の定着ベルト161の周回方向に沿った移動速度は、定着ベルト161の周回速度(定着ベルト161の周回方向に沿った線速)より速い。
図5(a)に示すように、本体部171のニップ部出口側端部の外側には、スポンジ製のクリーニング部材173が配置されている。クリーニング部材173は、可動部172の第1の位置と第2の位置との間の移動に伴い、可動部172の定着ベルト161と対向する表面(内面)を清掃する。
このように、可動部172の内面が別の部材(本体部171)に沿って移動する構成においては、別の部材の可動部172と対向する面は低摩擦かつ低硬度の材料で構成されることが望ましい。例えば、フェルト状の断熱部材や、テフロン(登録商標)テープ等を使用することで、可動部172の移動時の反射面の劣化を抑制できる。
また、第2の実施の形態においても、定着ベルト161と下加圧ローラー164とにより形成されるニップ部出口からフォトセンサー3までの距離は、ニップ部出口から第1の位置における可動部172までの定着ベルト161の周回方向に沿った距離より短い。
ユーザーが定着部160を開け、詰まった用紙を除去した後、定着部160を閉じる際に、可動部172を第2の位置から第1の位置に戻し、可動部172が第1の位置に保持されるよう係り止め193をセットする。あるいは、定着部160を閉じる動作に伴い、可動部172が第1の位置に戻され、係り止め193によって固定されることとしてもよい。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、ジャムが検知された場合に、可動部172を第2の位置に移動させ、ニップ部出口付近において、定着ベルト161のうち第1の位置の可動部172により覆われていた部分を開放するので、反射部材170を有する定着部160における反射部材170や定着ベルト161等の部材の損傷を低減させることができる。また、ユーザーが詰まった用紙を取り除く際にも作業空間が広がり、ジャム処理時の作業性を向上させることができる。
また、第1の実施の形態では、可動部74が定着ベルト61の表面と直交する方向に退避するため、予め可動部74が退避するための空間を確保しておく必要があったが、第2の実施の形態のように、可動部172を定着ベルト161の周回方向の下流側に移動させることで、退避のためのスペースが不要となり、定着部160の省スペース化が図れる。
また、ジャムが発生した際の可動部172の定着ベルト161の周回方向に沿った移動速度が、定着ベルト161の周回速度(用紙が定着ベルト161に密着して搬送される速度)より速いため、用紙が可動部172の下端に到達することなく、可動部172を退避させることが可能となる。また、万が一可動部172の退避が、用紙が反射部材170と定着ベルト161との間に進入する瞬間より遅れた場合でも、用紙には用紙が変形しにくい方向(用紙の進行方向)に力が働くため、用紙の変形が抑えられ、部材の損傷を最小限に抑えることが可能である。
また、可動部172が第1の位置から第2の位置へ移動する際に可動部172の内面が通過する位置にクリーニング部材173を配置することにより、可動部172の反射面の汚れを除去し、高い反射率を維持することが可能となる。
仮に、可動部172が第1の位置にある状態で用紙が反射部材170と定着ベルト161との間に進入した場合、用紙上に付着していたトナーや紙粉が可動部172の内面に付着するおそれがあったが、クリーニング部材173により可動部172の内面を清掃することで、可動部172の反射機能を保つことができる。
なお、第2の実施の形態では、本体部171の外側にクリーニング部材173を配置し、可動部172の内面を清掃することを目的として、可動部172の移動経路を本体部171の外側に配置したが、可動部172の移動経路は本体部171の内側であってもよい。しかし、第2の実施の形態のような構成の方が、用紙が反射部材170の接合位置(本体部171と可動部172の境界)に到達した場合に、接合位置に用紙が巻き込まれ変形する可能性が低くなり、部材の損傷を回避できる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態における画像形成装置は、第1の実施の形態に示した画像形成装置100と同様の構成であるため、図1及び図2を援用し、画像形成装置100と同様の構成については図示及び説明を省略する。以下、第3の実施の形態に特徴的な構成及び動作について説明する。
第3の実施の形態における画像形成装置は、定着部60に代えて定着部260を備えるため、図面上の定着部60を定着部260と読み替える。
定着部260は、加熱部材駆動部1、可動部駆動部2、フォトセンサー3、温度センサー4、開閉センサー5等を備える(図2参照)。
図7(a)及び(b)に、定着部260の断面構成を模式的に示す。
定着部260は、加熱部材としての定着ベルト261、加熱ローラー262、上加圧ローラー263、下加圧ローラー264、反射部材270等を備える。加熱ローラー262には、ヒーター265が加熱ローラー262の軸方向の複数の位置に内蔵されている。
定着ベルト261、加熱ローラー262、上加圧ローラー263、下加圧ローラー264、ヒーター265については、第1の実施の形態の画像形成装置100が備える定着ベルト61、加熱ローラー62、上加圧ローラー63、下加圧ローラー64、ヒーター65と同様であるため、説明を省略する。
また、図示していないが、反射部材270の外面には、第1の実施の形態と同様に、断熱部材が貼られている。
反射部材270は、定着ベルト261の外周面の一部を所定の空隙を有するように覆って定着ベルト261からの放熱を抑制する。反射部材270は、定着ベルト261から放射された熱を反射する。反射部材270は、アルミニウム等の金属板により構成され、反射部材270の内面は、反射率を上げるために鏡面加工が施されている。
反射部材270は、本体部271と、可動部272a,272b,272c,272d,272e,272fと、を有する。本体部271は、定着部260内において、その位置が固定されている。可動部272a〜272fは、図7(a)に示す第1の位置と、図7(b)に示す第2の位置と、に移動可能となっている。第1の位置は、定着ベルト261からの放熱を抑制する位置であり、可動部272a〜272fが本体部171と一繋がりに連続するような位置である。第2の位置は、定着ベルト261と下加圧ローラー264とにより形成されるニップ部出口付近において、定着ベルト261のうち第1の位置の可動部272a〜272fにより覆われていた部分から第1の位置より離れた位置であり、定着ベルト261の周回方向において第1の位置より下流側の位置である。ここでは、第2の位置を、可動部272a〜272fが順に重なり本体部271側に寄せられるように退避した位置とする。可動部272a〜272fが第1の位置から第2の位置に移動することにより、定着ベルト261のうち第1の位置の可動部272a〜272fにより覆われていた部分の一部が開放される。
可動部駆動部2は、可動部272a〜272fを第1の位置又は第2の位置に移動させる。すなわち、可動部駆動部2は、移動部として機能する。
制御部10は、フォトセンサー3によりニップ部出口付近における用紙のジャムが検知された場合に、可動部272a〜272fを第1の位置から第2の位置に移動させるよう、可動部駆動部2を制御する。制御部10と定着部260とにより、本発明に係る定着装置が構成される。
制御部10は、定着部260のニップ部出口付近においてジャムが検知された後、開閉センサー5により定着部260に対する開閉動作が検知された場合に、ジャムが解消されたと判断する。すなわち、制御部10と開閉センサー5とにより、ジャム解消検知部が構成される。
制御部10は、ジャムの解消が検知された場合、すなわち、定着部260のニップ部出口付近においてジャムが検知され、開閉センサー5により定着部260に対する開閉動作が検知された場合に、可動部272a〜272fを第2の位置から第1の位置に移動させるよう、可動部駆動部2を制御する。
ここで、図8(a)及び(b)を参照して、可動部272a〜272fの移動方法について説明する。なお、図8(a)及び(b)においては、本体部271を省略している。定着ベルト261の幅方向における両端部に、可動部272a〜272fが第1の位置にある時の反射部材270に沿ってレール291が設けられている。可動部272a〜272fは、それぞれ、定着ベルト261の幅方向に沿った回動軸273a〜273fを有する。各回動軸273a〜273fは、定着ベルト261の幅方向における両端部において、レール291により移動を規制されており、このレール291に沿って定着ベルト261の周回方向に移動可能となっている。
可動部272aの回動軸273aには糸292が固定されており、巻き取り軸293の回転により糸292が巻き取られることで、可動部272aがレール291に沿って上昇する。
可動部272aが一定距離だけ移動すると、可動部272aの回動軸273aが可動部272bの回動軸273bを引き上げ、可動部272bも可動部272aとともに移動する。以下、同様に、可動部272aの回動軸273aの移動に伴い、可動部272c〜272fがレール291に沿って移動する。可動部272a〜272fは、第1の位置(図8(a))から第2の位置(図8(b))まで移動する。
フォトセンサー3によりジャムが検知されると、反射部材270の可動部272a〜272fを移動させるための巻き取り軸293は、上加圧ローラー263の駆動軸263aに接続され、可動部272a〜272fは、レール291に沿って定着ベルト261の周回方向下流に向かって、定着ベルト261の周回速度と略等速でニップ部出口付近からの退避を開始する。具体的には、巻き取り軸293は、上加圧ローラー263の駆動軸263aとギアの噛み合いによって回転が同期され、可動部272aの回動軸273aの移動速度が定着ベルト261の周回速度と略一致するようになっている。なお、ジャム発生時以外は、巻き取り軸293と駆動軸263aとの接続は切られている。
第3の実施の形態では、可動部駆動部2は、巻き取り軸293を上加圧ローラー263の駆動軸263aに接続させることで、可動部272a〜272fを第1の位置から第2の位置に移動させる。可動部272a〜272fの定着ベルト261の周回方向に沿った移動速度は、定着ベルト261の周回速度と略同一である。ここで、略同一とは、可動部272a〜272fの移動速度と定着ベルト261の周回速度とが厳密に同一でなくてもよいことを意味する。
一方、可動部272a〜272fを第2の位置から第1の位置まで移動させる際には、可動部駆動部2は、巻き取り軸293と上加圧ローラー263の駆動軸263aとの接続を解除する。これにより、第2の位置で停止していた可動部272a〜272fが開放され、可動部272a〜272fの自重によって、可動部272a〜272fが第1の位置まで移動する。
次に、第3の実施の形態の画像形成装置における動作について説明する。
図9は、第1のジャム発生時処理を示すフローチャートである。
まず、制御部10は、フォトセンサー3により、定着部260のニップ部出口付近におけるジャムが検知されたか否かを判断する(ステップS1)。
ジャムが検知された場合には(ステップS1;YES)、制御部10は、可動部駆動部2を制御して、巻き取り軸293を上加圧ローラー263の駆動軸263aに接続させ、反射部材270の可動部272a〜272fを第1の位置から第2の位置に移動させるとともに(ステップS2)、加熱部材駆動部1を制御して、定着ベルト261の駆動を停止させる(ステップS3)。また、制御部10は、ユーザーによる用紙の除去作業の際の安全を確保するため、ヒーター265を停止させる。
次に、制御部10は、定着部260に対する開閉作業が終了したか否かを判断する(ステップS4)。具体的には、制御部10は、開閉センサー5により定着部260が開かれ、その後閉じられたことが検知された場合に、ジャムが解消されたと判断する。
定着部260に対する開閉作業が終了していない場合には(ステップS4;NO)、制御部10は、ジャム処理作業を促すメッセージを表示部21に表示させ、ユーザーにジャム処理作業を要請する(ステップS5)。その後、ステップS4に戻る。
ステップS4において、定着部260に対する開閉作業が終了した場合(ステップS4;YES)、すなわち、定着部260においてジャムの解消が検知された場合には、制御部10は、可動部駆動部2を制御して、巻き取り軸293と上加圧ローラー263の駆動軸263aとの接続を解除させ、反射部材270の可動部272a〜272fを第2の位置から第1の位置に移動させる(ステップS6)。
次に、制御部10は、画像形成装置の再稼働を開始する(ステップS7)。
以上で、第1のジャム発生時処理が終了する。
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、ジャムが検知された場合に、可動部272a〜272fを第2の位置に移動させ、ニップ部出口付近において、定着ベルト261のうち第1の位置の可動部272a〜272fにより覆われていた部分の一部を開放するので、反射部材270を有する定着部260における反射部材270や定着ベルト261等の部材の損傷を低減させることができる。また、ユーザーが詰まった用紙を取り除く際にも作業空間が広がり、ジャム処理時の作業性を向上させることができる。
また、可動部272a〜272fを定着ベルト261の周回方向の下流側に退避させることで、退避のためのスペースが不要となり、定着部260の省スペース化が図れる。
また、ジャムが検知されると、定着ベルト261の駆動停止も略同時に行われるが、定着ベルト261の回転は慣性により続くので、可動部272a〜272fを定着ベルト261と略等速で移動させることにより、用紙と略等速で、用紙と略同じ位置まで、可動部272a〜272fを退避させることができる。
また、可動部272a〜272fの移動が開始される前に、用紙が反射部材270と定着ベルト261との間に進入してしまったとしても、進入した用紙にかかる力(反射部材270と定着ベルト261の速度差によって双方から引っ張られる力)を低減させることができ、用紙の更なる変形や部材の損傷を回避することができる。特に、定着ベルト261の駆動速度が高速で、ジャムが検知されてから可動部272a〜272fが退避するまでの用紙の搬送距離が長いシステムや、フォトセンサー3等のジャム検知部をニップ部に近接して設置できず、可動部272a〜272fが第1の位置にある間に用紙の進入が避けられないシステムにおいて有効である。
また、ジャムの解消が検知された場合に、可動部272a〜272fを第2の位置から第1の位置に移動させるので、可動部272a〜272fの戻し忘れによる誤動作(放熱抑制効果の低下や局所過熱)を防止することができるとともに、ユーザーが可動部272a〜272fの位置を手動で戻す必要がなくなり、操作性が向上する。
なお、第3の実施の形態では、可動部272a〜272fを定着ベルト261と略等速で動かすために上加圧ローラー263の駆動軸263aを利用したが、可動部272a〜272fに対する駆動手段を設けず、用紙が可動部272a〜272fと接着する力を利用して、用紙の移動に伴って可動部272a〜272fを移動させることとしてもよい。
また、第3の実施の形態では、可動部272a〜272fを第2の位置から第1の位置まで移動させる際に、巻き取り軸293と上加圧ローラー263の駆動軸263aとの接続を解除することとしたが、巻き取り軸293と上加圧ローラー263の駆動軸263aとの接続を持続した状態で、上加圧ローラー263の駆動軸263aを通常の画像形成時とは逆に回転させることで、可動部272a〜272fを第1の位置から第2の位置まで移動させた時とは逆に、巻き取り軸293を回転させることとしてもよい。
[変形例]
次に、第3の実施の形態の変形例について説明する。ここでは、第3の実施の形態と異なる部分のみを説明する。
変形例では、ジャム処理からの復帰後の定着ベルト261の昇温速度に基づいてジャムの解消を検知する点が、第3の実施の形態とは異なる。用紙が定着ベルト261の周辺に残っている場合、熱容量が増加し、通常より定着ベルト261の昇温速度が遅くなる。このため、温度センサー4により測定された温度に基づいて、用紙の有無を判断することができる。
制御部10は、定着部260のニップ部出口付近においてジャムが発生し、定着ベルト261に対する再加熱が開始された後、温度センサー4により測定された温度に基づいて、定着ベルト261の昇温速度が正常であるか否かを判断する。具体的には、制御部10は、定着ベルト261の昇温速度が予め定められた値以上である場合には、ジャムが解消されたと判断する。一方、制御部10は、定着ベルト261の昇温速度が予め定められた値未満である場合には、定着ベルト261の周辺に用紙が残っている、つまり、ジャムが解消されていないと判断する。すなわち、制御部10と温度センサー4とにより、ジャム解消検知部が構成される。
制御部10は、ジャムの解消が検知された場合、すなわち、定着部260のニップ部出口付近においてジャムが検知され、定着ベルト261に対する再加熱における昇温速度が正常である場合に、可動部272a〜272fを第2の位置から第1の位置に移動させるよう、可動部駆動部2を制御する。
図10は、第2のジャム発生時処理を示すフローチャートである。
ステップS11〜ステップS13の処理は、図9に示した第1のジャム発生時処理のステップS1〜ステップS3の処理と同様であるため、説明を省略する。
次に、制御部10は、定着部260に対する開閉作業が終了したか否かを判断する(ステップS14)。
定着部260に対する開閉作業が終了した場合には(ステップS14;YES)、制御部10は、ヒーター265を制御し、定着ベルト261に対する加熱を再開させる(ステップS15)。
次に、制御部10は、温度センサー4により測定された温度を取得し、定着ベルト261の昇温速度が正常であるか否かを判断する(ステップS16)。具体的には、制御部10は、定着ベルト261の昇温速度が正常である場合に、定着ベルト261の周辺に用紙がない、つまり、ジャムが解消されたと判断する。
ステップS14において、定着部260に対する開閉作業が終了していない場合(ステップS14;NO)、又は、ステップS16において、定着ベルト261の昇温速度が正常でない場合には(ステップS16;NO)、制御部10は、ジャム処理作業を促すメッセージを表示部21に表示させ、ユーザーにジャム処理作業を要請する(ステップS17)。ここで、定着ベルト261の再加熱中であった場合には、制御部10は、ヒーター265を停止させる。その後、ステップS14に戻る。
ステップS16において、定着ベルト261の昇温速度が正常である場合(ステップS16;YES)、すなわち、定着部260においてジャムの解消が検知された場合には、制御部10は、可動部駆動部2を制御して、巻き取り軸293と上加圧ローラー263の駆動軸263aとの接続を解除させ、反射部材270の可動部272a〜272fを第2の位置から第1の位置に移動させる(ステップS18)。
次に、制御部10は、画像形成装置の再稼働を開始する(ステップS19)。
以上で、第2のジャム発生時処理が終了する。
変形例によれば、定着ベルト261に対する再加熱における昇温速度に基づいてジャムの解消を検知し、ジャムの解消が検知された場合に、可動部272a〜272fを第2の位置から第1の位置に移動させるので、可動部272a〜272fの戻し忘れによる誤動作を防止することができるとともに、ユーザーが可動部272a〜272fの位置を手動で戻す必要がなくなり、操作性が向上する。
なお、上記各実施の形態における記述は、本発明に係る定着装置及び画像形成装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記各実施の形態における特徴的な構成や動作を組み合わせることとしてもよい。
上記各実施の形態では、放熱抑制部材が反射機能及び断熱機能の両方を有する場合について説明したが、放熱抑制部材は反射機能又は断熱機能のいずれか一方を有するものであってもよい。
また、上記各実施の形態では、放熱抑制部材が加熱部材(定着ベルト)の外周面の一部を覆うものである場合について説明したが、放熱抑制部材が加熱部材の外周面の全体を覆うものであってもよい。
また、可動部の移動方法についても、上記各実施の形態に示した例に限定されない。
また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態において、可動部を第2の位置から第1の位置に自動的に戻す機構を備えることとしてもよい。
1 加熱部材駆動部
2 可動部駆動部
3 フォトセンサー
4 温度センサー
5 開閉センサー
10 制御部
40 画像形成部
60 定着部
61 定着ベルト
70 放熱抑制部材
71 反射部材
72 断熱部材
73 本体部
74 可動部
100 画像形成装置
160 定着部
161 定着ベルト
170 反射部材
171 本体部
172 可動部
173 クリーニング部材
260 定着部
261 定着ベルト
270 反射部材
271 本体部
272a,272b,272c,272d,272e,272f 可動部

Claims (9)

  1. 周回駆動される外周面を有し、色材が転写された用紙を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材の外周面の少なくとも一部を所定の空隙を有するように覆って前記加熱部材からの放熱を抑制する放熱抑制部材と、
    を備える定着装置であって、
    前記放熱抑制部材は、前記加熱部材からの放熱を抑制する第1の位置と、前記加熱部材と当該加熱部材に対向する対向部材とにより形成されるニップ部の用紙搬送方向における下流側端部付近において、前記加熱部材のうち前記第1の位置で覆われていた部分から前記第1の位置より離れた第2の位置と、に移動可能な可動部を有し、
    前記可動部を前記第1の位置又は前記第2の位置に移動させる移動部と、
    前記ニップ部の下流側端部付近における用紙のジャムを検知するジャム検知部と、
    前記ジャム検知部によりジャムが検知された場合に、前記可動部を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるよう、前記移動部を制御する制御部と、
    を備え
    前記第2の位置は、前記ニップ部の下流側端部付近の前記加熱部材と前記可動部との間の空間が前記第1の位置より広い位置であり、
    前記ジャム検知部によりジャムが検知された用紙が前記加熱部材と前記第1の位置における前記可動部との間に到達する前に、前記可動部は前記第1の位置から前記第2の位置に移動する定着装置。
  2. 周回駆動される外周面を有し、色材が転写された用紙を加熱する加熱部材と、
    前記加熱部材の外周面の少なくとも一部を所定の空隙を有するように覆って前記加熱部材からの放熱を抑制する放熱抑制部材と、
    を備える定着装置であって、
    前記放熱抑制部材は、前記加熱部材からの放熱を抑制する第1の位置と、前記加熱部材と当該加熱部材に対向する対向部材とにより形成されるニップ部の用紙搬送方向における下流側端部付近において、前記加熱部材のうち前記第1の位置で覆われていた部分から前記第1の位置より離れた第2の位置と、に移動可能な可動部を有し、
    前記可動部を前記第1の位置又は前記第2の位置に移動させる移動部と、
    前記ニップ部の下流側端部付近における用紙のジャムを検知するジャム検知部と、
    前記ジャム検知部によりジャムが検知された場合に、前記可動部を前記第1の位置から前記第2の位置に移動させるよう、前記移動部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記第2の位置は、前記加熱部材の周回方向において前記第1の位置より下流側の位置である定着装置。
  3. 前記可動部の前記加熱部材の周回方向に沿った移動速度は、前記加熱部材の周回速度より速い請求項に記載の定着装置。
  4. 前記可動部の前記加熱部材の周回方向に沿った移動速度は、前記加熱部材の周回速度と略同一である請求項に記載の定着装置。
  5. 前記放熱抑制部材は、前記加熱部材から放射された熱を反射する反射部材であり、
    前記可動部の前記第1の位置と前記第2の位置との間の移動に伴い、前記可動部の前記加熱部材と対向する表面を清掃するクリーニング部材を備える請求項2から4のいずれか一項に記載の定着装置。
  6. 前記ニップ部の下流側端部から前記ジャム検知部までの距離は、前記ニップ部の下流側端部から前記第1の位置における前記可動部までの前記加熱部材の周回方向に沿った距離より短い請求項1からのいずれか一項に記載の定着装置。
  7. ジャムの解消を検知するジャム解消検知部を備え、
    前記制御部は、前記ジャム解消検知部によりジャムの解消が検知された場合に、前記可動部を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるよう、前記移動部を制御する請求項1からのいずれか一項に記載の定着装置。
  8. 前記放熱抑制部材は、前記加熱部材から放射された熱を反射する反射機能、又は、前記放熱抑制部材を挟んで前記加熱部材側と反対側との間の熱伝導を遮る断熱機能の少なくとも一方を有する請求項1から4、6、7のいずれか一項に記載の定着装置。
  9. 請求項1からのいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。
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