JP6635733B2 - 消臭剤 - Google Patents

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本発明は、消臭剤に関する。より詳しくは、ノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分の消臭に好適に用いられる消臭剤に関する。
近年、主に中高年以降の男女にみられる特有の体臭の存在が注目を集めている。この体臭には、主に30−40代の男性に多くみられ、ジアセチルを原因とするものと、更に高齢の世代に多くみられ、ノネナールを原因とするものとに大別され、ジアセチルを原因とする臭気は俗にミドル脂臭といわれ、ノネナールを原因とする臭気は俗に加齢臭といわれる。これらを消臭する方法についての研究が行われており、例えば、ノネナールの臭気を軽減又は消臭する消臭剤としてε−ポリリジン又はその塩を有効成分として含有する消臭剤が開示されている(特許文献1参照)。
特開2014−151137号公報
上記のとおり、ノネナールの臭気を軽減又は消臭する消臭剤としてε−ポリリジン又はその塩を用いる技術が開示されているが、この消臭剤は、ノネナールの消臭効果が充分に高いとはいえず、より優れた消臭効果を発揮する消臭剤を開発する余地がある。また、このような体臭の消臭剤は、人間の肌に直接触れる場所に使用されることが想定されるため、消臭能力に加え、高い安全性が求められる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、ノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分の優れた消臭能力を発揮し、安全性も高い消臭剤を提供することを目的とする。
本発明者は、安全性が高く、ノネナールやジアセチルを含む臭気成分に対して高い能力を発揮する消臭剤について種々検討したところ、アミン構造を有する水溶性ポリマーがノネナールやジアセチルの消臭能力に優れ、かつ、安全性も高いことを見いだし、このポリマーを消臭剤に用いることで上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。
すなわち本発明は、ノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分を原因とする臭気を低減する消臭剤であって、上記消臭剤は、アミン構造を有する水溶性ポリマーを含むことを特徴とするノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分用消臭剤である。
以下に本発明を詳述する。
なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、本発明の好ましい形態である。
本発明のノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分用消臭剤(以下、単に本発明の消臭剤とも記載する)は、アミン構造を有する水溶性ポリマーを含むことを特徴とし、ノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分の消臭能力に優れるものである。本発明において優れた消臭能力とは、臭気成分の量又は濃度の少なくとも一方を低減させる効果が高いことを意味する。
アミン構造を有する水溶性ポリマーとしては、構造中にアミン構造を有する水溶性ポリマーであれば特に制限されないが、分岐鎖構造を有するポリマーであることが好ましい。より好ましくは、アミン構造部分で分岐した構造を有するポリマーである。このような構造のポリマーであると、消臭能力により優れるものとなる。
なお、本発明において、水溶性ポリマーとは、常温(20〜25℃)に於いて、水に容易に溶けるポリマーを意味するが、例えば、20℃で水100gに対する溶解性が10g以上であるポリマーを意味する。但し、高分子量(重量平均分子量10,000,000以上)のポリマーの場合、水溶性を有していても水溶液の粘度上昇により溶解性が低下する場合もあり得るので、20℃で水100gに対する溶解性が0.1g以上であるポリマーも対象とする場合がある。
上記アミン構造を有する水溶性ポリマーは、1級〜3級アミン構造をいずれも有するものであることが好ましい。上記のとおり、本発明におけるアミン構造を有する水溶性ポリマーとしては、分岐鎖構造を有するポリマーであることが好ましく、アミン構造部分で分岐した構造を有するポリマーであることがより好ましい。1級〜3級アミン構造をいずれも有するポリマーは、構造中にアミン構造を多数有し、かつ、アミン構造部分で分岐した構造を有するポリマーの好適な形態の1つである。
上記アミン構造を有する水溶性ポリマーは、アミン価が5〜30であることが好ましい。アミン価がこのような範囲であると、消臭性能により優れるものとなる。アミン価は、より好ましくは、10〜30であり、更に好ましくは、15〜25である。
水溶性ポリマーのアミン価は、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸溶液等の強酸を用いて電位差滴定を行うことにより測定することができる。
本発明におけるアミン構造を有する水溶性ポリマーとしては、下記式(1)で表されるポリアミンが好ましい。
Figure 0006635733
(式(1)中、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜6の直鎖又は分岐状アルキレン基を表す。Aは、同一又は異なって、水素原子、又は、分岐による別のポリアミン鎖を表す。mは1以上の整数を表し、nは、0以上の整数を表す。)
ポリアミンとしては、ポリアルキレンアミン(PAA)、ポリアルキレンイミン(PAI)が好適である。これらの中でも、1級〜3級アミン構造をいずれも有するポリアルキレンイミンが好ましい。上記式(1)で表されるポリアミンが1級〜3級アミン構造をいずれも有するポリアルキレンイミンである場合、式(1)におけるnは2以上の整数であり、Aの少なくとも1つは水素原子であり、少なくとも1つは分岐による別のポリアミン鎖である。
上記ポリアルキレンアミン(PAA)としては、ポリエチレンアミン(PEA)、テトラブチレンペンタミンが挙げられる。PEAは、アンモニア及びエチレンジクロリドを反応させ、その後、分別蒸留することにより得ることができる。このような方法により得られるPEAとしては、トリエチレンテトラミン(TETA)及びテトラエチレンペンタミン(TEPA)がある。
上記ポリアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等の炭素原子数2〜6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる、これらのアルキレンイミンの単独重合体や共重合体が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。より好ましくは、エチレンイミンの単独重合体(ポリエチレンイミン;PEI)である。またエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン等を重合して得られるものであってもよい。このようなポリアルキレンイミンでは、通常、構造中に3級アミノ基の他、1級アミノ基や2級アミノ基(イミノ基)を有することになる。
上記式(1)中のAは、同一又は異なって、水素原子、又は、分岐による別のポリアミン鎖であることが好ましいが、分岐による別のポリアミン鎖である場合、当該別のポリアミン鎖の一部が、酸無水物、エポキシ化合物、酸ハライド、マイケル付加反応等により、各種の置換基で修飾されていても良い。上記式(1)中のAの修飾率は、50モル%以下が好ましく、より好ましくは20モル%以下であり、更に好ましくは10モル%以下であり、特に好ましくは5モル%以下であり、最も好ましくは0%である。
なお、ここで、上記式(1)中のAの修飾率とは、式(1)中にn個存在するA全体を100モル%としたときの、そのうちの修飾されたAの割合を意味する。
上記アルキレンイミンの単独重合体や共重合体においては、ポリアルキレンイミン鎖が形成されることになり、該ポリアルキレンイミン鎖は、分岐状の構造を必須とすることになる。PEIとしては、少なくとも中度の分岐を有しているもの、即ち、上記式(1)において、(−NA−R−)単位のうち、Aが水素原子である単位の数をn1、Aが分岐による別のポリアミン鎖である単位の数をn2とすると、n1とn2との比率がn1/n2=4/1〜1/4であるものが好ましい。より好ましくは、n1/n2=3/1〜1/3であり、更に好ましくは、2/1〜1/2であり、最も好ましくは、3/2〜2/3である。
本発明においては、ポリアミン鎖がエチレンイミンを主体として形成されるものであることが好ましい。この場合、「主体」とは、ポリアミン鎖が2種以上のアルキレンイミンにより形成されるときに、全アルキレンイミンのモル数において、大半を占めるものであることを意味する。
上記「大半を占める」ことを全アルキレンイミン100モル%中のエチレンイミンのモル%で表すと、50〜100モル%であることが好ましい。このようなものであると、消臭効果により優れるものとなる。より好ましくは、60モル%以上であり、更に好ましくは、70モル%以上である。
上記アミン構造を有する水溶性ポリマーがポリエチレンイミンである場合、ポリエチレンイミンが有するアミン構造全体のうち、1級アミン構造の割合は、10〜50モル%であることが好ましい。1級アミン構造の割合がこのような範囲であると、ポリエチレンイミンがよりノネナールやジアセチルの消臭効果により優れたものとなる。1級アミン構造の割合は、より好ましくは、20〜45モル%であり、更に好ましくは、25〜40モル%であり、最も好ましくは27〜37モル%である。
上記ポリアミン鎖における1級、2級及び3級アミン窒素原子に由来する単位の相対割合は、特にPEIの場合で、製法に応じて適宜選択することができる。PEIは、二酸化炭素、重亜硫酸ナトリウム、硫酸、過酸化水素、塩酸、酢酸等の触媒の存在下でエチレンイミンを重合させることにより製造できる。
上記アミン構造を有する水溶性ポリマーは、重量平均分子量が200〜100,000であることが好ましい。より好ましくは、300〜80,000であり、更に好ましくは、500〜70,000であり、最も好ましくは550〜68,000である。
アミン構造を有する水溶性ポリマーの重量平均分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により、下記の条件で測定することができる。
測定機器:HLC−8320GPC(商品名、東ソー社製)
分子量カラム:Asahipak Column GF‐310,510,710 HQ(いずれもShodex社製)を3本直列に接続して使用
ガードカラム:Asahipak Column GF‐7M HQ
溶離液:0.2M MEA(モノエタノールアミン)水溶液 pH=5.1に調整(酢酸でpH調整)
流速:0.5mL/min
カラム温度:40℃
検量線用標準物質:Shodex standard P‐82(プルラン)(Mw:5,900〜788,000)
測定方法:測定対象物を固形分が約0.5質量%となるように溶離液に溶解し、フィルターにてろ過した物を測定サンプルとして分子量を測定する。
本発明の消臭剤は、アミン構造を有する水溶性ポリマーを含む限り、その他の成分を含んでいてもよい。
本発明の消臭剤におけるアミン構造を有する水溶性ポリマーの含有割合は、消臭剤全体100質量%に対して、99〜1質量%であることが好ましい。より好ましくは、80〜5質量%であり、更に好ましくは、70〜10質量%である。
本発明の消臭剤が含んでもよいその他の成分としては、エタノール、エチレングリコール等の溶剤;アニオン性、カチオン性、ノニオン性等の各種界面活性剤;アボカド油、アーモンド油等の油脂類;ビタミンA群、ビタミンB群、ビタミンC群等の各種ビタミン類;バリン、フェニルアラニン、アスパラギン等のアミノ酸類;リモネン、メントール等の香料等が挙げられる。
本発明の消臭剤の形態は特に制限されず、液状、ゲル状、ペースト状、粉末状、固体状等のいずれの形態であってもよい。
また本発明の消臭剤は、身体、衣類、家具、寝具等のいずれに対して使用されてもよい。
本発明の消臭剤は、上述の構成よりなり、ノネナールやジアセチルの優れた消臭能力を発揮し、また、安全性も高いことから、これらの化合物を原因とする体臭を抑制するための消臭剤として好適に用いることができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味するものとする。
実施例、参考例で使用したポリエチレンイミンは、以下のとおりである。以下の実施例、参考例において、SP−006、SP−200はそのまま用い、P−1000については、真空乾燥機を用いて、110℃、減圧下で4時間乾燥したものを用いた。
(1)SP−006(日本触媒社製エポミンSP−006):Mwが600であり、アミン比率は1級アミン:2級アミン:3級アミン=35:35:30である。
(2)SP−200(日本触媒社製エポミンSP−200):Mwが10,000であり、アミン比率は1級アミン:2級アミン:3級アミン=35:35:30である。
(3)P−1000(日本触媒社製エポミンP−1000):Mwが70,000であり、アミン比率は1級アミン:2級アミン:3級アミン=25:50:25である。
(実施例1及び比較例1、2)ジアセチル消臭能力試験
ガラス製シャーレを用意し、SP−006を0.50g秤量して入れた。また比較例として、純水0.50gを入れたシャーレ、及び、ブランクとして空のシャーレを用意した。これらのシャーレをそれぞれ、コック付きサンプリングバッグ(GLサイエンス社製、スマートバッグPA、容量3L)に入れ、ヒートシールして完全に密閉した。各サンプリングバッグ内を真空にした後、窒素ガス2Lを量り入れた。各バッグ内のシャーレを開けた後、ジアセチル飽和窒素ガスをシリンジを用いて5mL量り取り入れた。2時間静置した後、アセトアルデヒド用の北川式検知管(ガステック社製 No.92)を用い、バッグ内の気体100mLを3回吸引して、ジアセチル濃度の低減率を比較した。なお、測定値は、検知管の説明書に記載の換算スケールを用いてジアセチル濃度に換算した。
ジアセチルまたはノネナールの低減率は下式のように算出した。
低減率(%)=(ブランクのガス濃度−試料入りのガス濃度)÷(ブランクのガス濃度)×100
本結果を表1に示す。
Figure 0006635733
(実施例2、3、比較例3、4及び参考例1)ノネナール消臭能力試験
3つのガラス製シャーレを用意し、上記3種のポリエチレンイミンをそれぞれ0.50g秤量した。また比較例として、純水0.50gを入れたシャーレ、及び、ブランクとして空のシャーレを用意した。これらを用いて実施例1と同様にして窒素入りサンプリングバッグを作成し、各バッグ内のシャーレを開けた後、ノネナールの10%エタノール溶液をマイクロシリンジを用いて15μL量り取り入れた。2時間静置した後、ホルムアルデヒド用の北川式検知管(ガステック社製 No.91L)を用い、バッグ内の気体100mLを1回吸引して、ノネナール濃度を測定した。ノネナールに関しては、検知管による実測値をもとに、低減率を算出した。
本結果を表2に示す。
Figure 0006635733

Claims (4)

  1. ノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分を原因とする臭気を低減する消臭剤であって、
    該消臭剤は、アミン構造を有する水溶性ポリマーを含み、
    該アミン構造を有する水溶性ポリマーは、分子量が10,000以下であり、アミン構造全体のうち、1級アミン構造の割合が27〜37モル%であるポリエチレンイミンであることを特徴とするノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分用消臭剤。
  2. 前記ポリエチレンイミンは、分岐鎖構造を有することを特徴とする請求項1に記載のノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分用消臭剤。
  3. 前記ポリエチレンイミンは、1級〜3級アミン構造をいずれも有することを特徴とする請求項1又は2に記載のノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分用消臭剤。
  4. 前記ポリエチレンイミンは、重量平均分子量が200〜10,000であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のノネナール及び/又はジアセチルを含む臭気成分用消臭剤。
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