JPH0874177A - 消臭繊維及びその製造方法 - Google Patents

消臭繊維及びその製造方法

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JPH0874177A
JPH0874177A JP7160264A JP16026495A JPH0874177A JP H0874177 A JPH0874177 A JP H0874177A JP 7160264 A JP7160264 A JP 7160264A JP 16026495 A JP16026495 A JP 16026495A JP H0874177 A JPH0874177 A JP H0874177A
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mol
fibers
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JP7160264A
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Hiroshi Koizumi
博史 小泉
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、悪臭性のカルボニル基を含有する
化合物や酸性化合物の悪臭に対して優れた消臭性能を有
し、取り扱いが容易でかつ安全性、加工性、洗濯耐久性
に優れ、かつ染色耐久性に優れる消臭繊維及びその製造
法を提供することを目的とする。 【構成】 1、酸性基を繊維当たり0.01mol/k
g以上、2.5mol/kg以下含有する繊維に、アミ
ノ基が0.03mol/kg以上、3mol/kg以下
水溶性ポリアミン化合物を湿熱結合されてなり、酸性基
の結合率が50mol%以上であることを特徴とする消
臭繊維及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、悪臭を消臭する機能を
有する繊維及びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維の染色性改良の方法の1つと
して繊維にアミン化合物を付与する事が知られている。
このような方法として多くの方法が知られているが、そ
の付与方法としては、繊維形成前の重合体への共重合法
(特公昭47−15096、特公昭47−32159、
特公昭48−30479、特公昭55−6725)繊維
形成後に繊維にグラフト重合法(特公昭46−1167
1、特公昭37−2997)、ポリマーブレンド法(特
公昭38−20972、特公昭37−15415)、繊
維に直接含浸する方法(特公昭29−8217、特公昭
47−23988、特公昭48−23834)等を挙げ
ることができる。しかし、何れの方法においても含有す
るアミン化合物は、塩型に処理することが好ましい事が
記載されており、このような方法によって得られる繊維
は、悪臭性のカルボニル基を含有する化合物や酸性化合
物から放出される悪臭に対する消臭性能には乏しいもの
であった。またアミン系化合物を利用する消臭材につい
てもすでに提案がなされている。例えば、ポリエチレン
イミンと非イオン性の吸湿性有機物を保有する消臭材が
特開平3−146064号公報に開示されているが、こ
の提案によるものは洗濯耐久性及び加工性において十分
満足できるレベルにあるものとは言えなかった。また、
セルロース分子に反応性基を導入してポリエチレンイミ
ンを反応させるタバコ喫煙用フィルターのための素材が
特開昭57−16687号公報に開示されているが、こ
の提案によるものは反応性基部位を均一にできないた
め、反応したポリエチレンイミンの偏在化が起こりポリ
エチレンイミンが脱落しやすいものであった。更に、洗
濯耐久性向上の目的でアクリル繊維製造段階の膨潤ゲル
繊維にアミノ基を導入した金属ポルフィリンを処理後、
乾燥緻密化する消臭性アクリル系合成繊維及びその製造
方法が特開昭62−141128号公報に開示されてい
るが、この提案によるものは洗濯耐久性においては満足
できるレベルにあるが、染色耐久性においては十分満足
できるレベルにあるものとは言えなかった。
【0003】一般に、消臭繊維を用いた繊維製品は、当
然のように消臭繊維の消臭性能について洗濯耐久性が必
要であるが、多方面への用途展開を考慮すると、一般の
繊維製品同様に染色の要求が強く、この場合、染色後の
消臭繊維の消臭性能が実用的な消臭性能をいわゆる染色
耐久性が極めて重要な特性となる。洗濯耐久性とは、繊
維上の付着物を水流による機械的な作用と繊維製品の変
色及び物理的な性質の低下を起こさない必要最低限の界
面活性剤による化学的作用を利用して付着物を剥離した
時の性能保持率を示すものであり、物理的吸着の様な非
常に弱い結合による付着物の脱落を示すものである(詳
細な洗濯試験法は、JIS−L−0217に記載されて
いる)。これに対して染色耐久性は、繊維上の付着物を
熱による強い熱力学的作用により付着物を剥離したとき
の性能保持率を示すものであり、物理吸着物及びイオン
的結合による結合物の脱落をも示す物である。従って、
染色加工後の悪臭物質に対する消臭性能保持は非常に困
難な問題として扱われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、悪臭性のカ
ルボニル基を含有する化合物や酸性化合物の悪臭に対し
て優れた吸着性能を示し、その上取り扱い性が容易で、
かつ安全性、加工性、洗濯耐久性が良好であることに加
え染色耐久性が良好である消臭繊維及びその製造法の提
供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1)酸性基を繊維当たり0.01mol/kg以上、
2.5mol/kg以下含有する繊維に、アミノ基が
0.03mol/kg、以上3mol/kg以下湿熱結
合されてなることを特徴とする消臭繊維、(2)酸性基
を繊維当たり0.01mol/kg以上、2.5mol
/kg以下含有するアクリル系合成繊維であって、分子
量1000以上、200000以下の水溶性ポリアミン
化合物をアミノ基として0.03mol/kg以上、3
mol/kg以下を含有し、かつアクリル系合成繊維の
酸性基の結合率が50mol%以上、100mol%以
下であることを特徴とする消臭繊維、(3)酸性基を繊
維当たり0.01mol/kg以上、2.5mol/k
g以下含有する繊維に、アミノ基が0.03mol/k
g以上、3mol/kg以下になるようにアミン化合物
を付着させ、得られる繊維を100℃以上、180℃以
下の加圧水蒸気で処理することを特徴とする消臭繊維の
製造方法、(4)酸性基を繊維当たり0.01mol/
kg以上、2.5mol/kg以下含有するアクリル系
合成繊維の未乾燥繊維に、水溶性ポリアミン化合物をア
ミノ基として0.03mol/kg以上、3mol/k
g以下付着させ、得られる繊維を100℃以上、180
℃以下の水蒸気で処理することを特徴とする消臭繊維の
製造方法、である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるアミノ基とは、塩置換していないアミノ基であ
る。塩置換したアミノ基では、カルボニル基を含有する
化合物や酸性化合物の悪臭に対する充分満足できる吸着
性能を得ることができず、また、洗濯、染色処理により
容易に脱落するため本発明には用いられない。
【0007】本発明におけるアミノ基は、繊維に対して
0.03mol/kg以上、3mol/kg以下、特に
望ましくは0.05mol/kg以上、2mol/kg
以下含有させる必要がある。0.03mol/kg未満
では目的とするカルボニル基を含有する化合物や酸性化
合物の悪臭に対する吸着性能が低く、3mol/kgを
越えるときは繊維の風合いが著しく低下するので、本発
明においては用いられない。
【0008】本発明による消臭繊維の繊維素材として
は、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性基、望まし
くはスルホン酸基を含有するアクリル系合成繊維、セル
ロ−ス系繊維などが挙げられるが、特に、アクリル系合
成繊維が好ましい。ここでいうアクリル系合成繊維と
は、50重量%以上のアクリロニトリルとアクリル酸、
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、イタコン酸、メ
タクリル酸、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリル
アミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、メタリルスルホン酸、メタリルスルホ
ン酸塩、スチレンスルホン酸、スチレンスルホン酸塩、
アリルスルホン酸、アリルスルホン酸塩等のビニル単量
体の1種又は2種以上を共重合させて得られる合成繊維
である。本発明において特に好ましく用いられるのは、
80重量%以上のアクリロニトリルとアクリル酸、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリルアミド、
酢酸ビニル、塩化ビニリデン、メタリルスルホン酸塩、
スチレンスルホン酸塩等のビニル単量体の1種又は2種
以上を共重合させて得られる合成繊維である。
【0009】本発明における素材繊維の酸性基含量は、
カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性基が0.01m
ol/kg以上、2.5mol/kg以下、特に好まし
くは0.01mol/kg以上、1.5mol/kg以
下である。酸性基が0.01mol/kg未満ではアミ
ノ基を含有する水溶性ポリアミン化合物と酸性基との結
合が不十分となり、アミノ基を含有する水溶性ポリアミ
ン化合物が洗濯、染色処理により容易に脱落するため本
発明には用いられない。また、酸性基が2.5mol/
kgを越えるときは繊維中の酸性基含有高分子化合物が
洗濯、染色処理により容易に脱落するため同様に好まし
くない。
【0010】本発明による繊維は、アミノ基を持った化
合物を酸性基を持った繊維に湿熱結合させることによっ
て製造することができる。本発明において好ましいの
は、アクリル系合成繊維あるいはセルロース系繊維等の
酸性基を持った繊維にアミノ基を持った化合物を湿熱結
合させることである。更に好ましいのは、アクリル系合
成繊維の製造段階において、未乾燥繊維にアミノ基を持
った水溶性ポリアミン化合物を均一に付着させた後に湿
熱結合させることであり、このようにすることによりア
ミノ基を含有する水溶性アミン化合物とアクリル系合成
繊維の酸性基との結合率が向上し、洗濯耐久性及び染色
耐久性がより良好な消臭繊維が可能となる。
【0011】本発明において湿熱結合は、前記繊維を好
ましくは100℃以上、180℃以下、特に好ましくは
105℃以上、130℃以下の温度の加圧水蒸気で処理
することによって形成される。加圧水蒸気温度が100
℃未満では、アミノ基を含有するアミン化合物と繊維の
酸性基の結合が十分に行われない傾向があり、アミノ基
を含有するアミン化合物が洗濯により脱落しやすい。水
蒸気温度が180℃を越える場合は、繊維の風合いが低
下する傾向がある。
【0012】本発明におけるアミン化合物は、2官能基
以上の塩置換していないアミノ基を持った化合物が好ま
しい。具体的には、例えば、エチレンジアミン、ジアミ
ノプロピルアミン、2,2’−アゾビスー(2−アミジ
ノプロパン)、カルボヒドラジン、チオカルボヒドラジ
ド、チオセミヒドラジド、チオ尿素、グアニジン塩類、
グアニル尿素類、1,4−ジアミノブタン、ジアミノプ
ロパン、ジアミノマレオニトリル、スピロアセタール化
合物、ドデカンジオヒドラジド、ヘキサメチレンジアミ
ン、ステアリン酸ジエチレントリアミン、キトサン、ポ
リエチレンイミン、ポリアリルアミン、アミノ変性アク
リルポリマーの等の1種又は2種以上を用いうることが
できる。更には、2官能基以上の塩置換していないアミ
ノ基を持った分子量が1000以上、200000以下
の水溶性ポリアミン化合物が特に好ましい。分子量が1
000未満ではアクリル系合成繊維を構成する分子鎖と
水溶性ポリアミン化合物を構成する分子鎖1本当たりの
結合の割合が低下し、染色処理により容易に結合が断ち
切られ、水溶性ポリアミン化合物が脱落しやすい。分子
量が200000を越えるときは繊維の風合いが低下す
る傾向がある。また、水不溶性ポリアミン化合物ではア
クリル系合成繊維内部への拡散が乏しいため酸性基の結
合率が低く染色により水不溶性ポリアミン化合物が脱落
しやすい。具体的には、ポリエチレンイミン、ポリアリ
ルアミン、アミノ変性アクリルポリマーの1種又は2種
以上が好ましく用いられる。
【0013】本発明の酸性基の結合率は染色耐久性を向
上させる上から50mol%以上、100mol%以下
が好ましい。特に好ましくは、60mol%以上、10
0mol%以下である。酸性基の結合率の測定は、繊維
の総酸性基量及びポリアミン化合物の官能基と結合して
いない残存酸性基量(以下、残存酸性基量と言う)によ
って下式より求めることができる。 酸性基の結合率(mol%)=総酸性基量−残存酸性基
量/総酸性基量×100 ただし、総酸性基量及び残存酸性基量の単位はmol/
kgである。
【0014】酸性基の結合率は、アクリル系合成繊維の
酸性基の結合割合を示すものである。何も処理をしてい
ないアクリル系合成繊維は、総酸性基量と残存酸性基量
が同じ値を示し、酸性基の結合率は0mol%となる
が、水溶性ポリアミン化合物をアクリル系合成繊維の未
乾燥繊維に付着した後、乾燥することにより残存酸性基
量が低下し、酸性基の結合率は向上する。また、次いで
水蒸気処理する事で更に残存酸性基量が低下し、酸性基
の結合率は向上する。これは、アクリル系合成繊維の酸
性基と水溶性ポリアミン化合物のアミノ基のイオン的分
子間架橋反応が湿熱処理により促進している事に起因し
ているためである。この分子間架橋反応の促進により、
洗濯耐久性及び染色耐久性の向上が認められるものであ
る。
【0015】本発明の繊維は、従来より知られている消
臭繊維、防臭繊維、抗菌繊維等と混用する事により更な
る効果を付加でき更に望ましい。
【0016】
【作用】本発明による消臭繊維を用いることにより、悪
臭性のカルボニル基を含有する化合物や酸性化合物の悪
臭に対して優れた消臭性能を示し、その上取り扱いが容
易でかつ安全性、加工性、洗濯耐久性が良好であり、更
に染色耐久性に優れる消臭繊維を得ることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を更に具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、各実施例における、洗濯試験はJIS−L−021
7に準拠して試験を行った。
【0018】残存酸性基量の測定は、繊維1.0gを1
0重量%塩化ナトリウム水溶液300mlに入れ40℃
恒温槽中で30時間振とうした後、精製水で付着塩化ナ
トリウムを十分に洗浄し、80℃で1時間乾燥して残存
酸性基ナトリウム置換繊維とした。次いで、該繊維を9
6重量%硫酸5ml、62重量%硝酸40ml、70重
量%過塩素酸2ml混合液中で電熱ヒーター上で5時間
湿式分解を行った。ここで得られた液体を100倍に精
製水で希釈し、炎光分析によりナトリウム定量分析を行
い、このナトリウム量より残存酸性基量の測定を行っ
た。
【0019】染色処理は、染料としてKyanol M
illbule BW(日本化薬株式会社製)を3.0
%owf、均染剤としてミクレガー2Nを1.0%ow
f、PH調整剤として酢酸90重量%水溶液を0.2c
c/Lを用いて、浴比1:80、100℃にて60分間
行い、次いでアンモニア1.0重量%水溶液でソーピン
グを10分間行った後十分水洗を行った。
【0020】熱、紫外線による消臭性能変化の測定は、
JIS−B−7751記載の紫外線カーボンアーク灯式
耐光性及び耐候性試験機を用いて、ブラックパネル温度
63℃、照射時間10時間の条件下で試験を行った後、
繊維の悪臭物質の吸着量を測定し、下式により熱、紫外
線による消臭性能変化率を求めた。 熱、光による消臭性能変化率(%)=A/B×100 ただし、Aは耐光試験後の繊維の悪臭成分吸着量、Bは
耐光試験前の繊維の悪臭成分吸着量である。
【0021】悪臭物質の吸着性能の測定は、容量100
0mlのテトラーバック中に600mlの活性炭フィル
ターを通した清浄空気と悪臭成分と共にサンプル1.0
gを入れ、60分後の残存ガス濃度をガス検知管で測定
し悪臭成分吸着量を求めた。悪臭成分は、カルボニル基
を含有する化合物として0.04重量%のアセテアルデ
ヒド水溶液0.5mlを用い、また酸性化合物としては
2000ppmの硫化水素ガス10mlを用いた。
【0022】
【実施例1〜5、比較例1】アクリロニトリル94.5
重量%、アクリル酸メチル5.0重量%、メタリルスル
ホン酸ナトリウム0.5重量%を共重合して得られた重
合体を70重量%の硝酸に溶解して重合体濃度15.5
重量%の紡糸原液を調整した。この紡糸原液を0.06
mmの細孔を有する紡糸口金を通して0℃に保った37
重量%の硝酸系凝固浴に紡出し、水洗後沸水中で9倍に
延伸し未乾燥繊維を得た。この繊維のスルホン酸基の含
有量量を測定したところ、0.056mol/kgであ
った。
【0023】この未乾燥繊維を、重合度1630(分子
量約70000)のポリエチレンイミン(株式会社日本
触媒製)1.3重量%(実施例1)、2.5重量%(実
施例2)、3.8重量%(実施例3)、6.3重量%
(実施例4)、12.5重量%(実施例5)の20℃水
溶液に1分間浸漬処理を行い脱水した。この時の絞り率
は80重量%であった。脱水後80℃で1時間乾燥し、
オートクレーブで120℃の飽和蒸気にて5分間の湿熱
処理を行い実施例1〜5の繊維を得た。比較例として、
ポリエチレンイミン水溶液処理を燐酸によりPH4に燐
酸塩置換した重合度1630(分子量約70000)の
ポリエチレンイミン燐酸塩で実施例2と同様の処理を行
い比較例1の繊維を得た。これらの得られた繊維と得ら
れた繊維を10回洗濯を繰り返した後の繊維及び得られ
た繊維を染色処理した繊維について悪臭成分吸着試験を
行った結果と酸性基の結合率を表1に示す。
【0024】
【比較例2〜3】実施例2の繊維において、湿熱処理条
件を湿熱処理なし(比較例2)、オートクレーブで19
0℃の飽和蒸気にて5分間湿熱処理(比較例3)と変え
た以外は実施例2と同様にして、比較例2、3の繊維を
得た。これらの得られた繊維と得られた繊維を10回洗
濯を繰り返した後の繊維及び得られた繊維を染色処理し
た繊維について悪臭成分吸着試験を行った結果と酸性基
の結合率を表1に示す。
【0025】
【比較例4】実施例1で用いた未乾燥繊維を脱水後80
℃で1時間乾燥し、オートクレーブで120℃の飽和蒸
気にて5分間の湿熱処理を行った後、分子量約7000
0のポリエチレンイミン12.0重量%の20℃水溶液
に1分間浸漬処理を行い脱水した。この時の絞り率は1
7重量%であった。次いで80℃で乾燥を1時間行い比
較例4の繊維を得た。得られた繊維及び得られた繊維を
10回洗濯を繰り返した後の繊維及び得られた繊維を染
色処理した繊維について悪臭成分吸着試験を行った結果
と酸性基の結合率を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】表1によれば、実施例1〜5は、10回洗
濯を繰り返した後の繊維及び染色処理した繊維のアセト
アルデヒド及び硫化水素に対する消臭性能は優れたもの
であった。これに対して、未乾燥繊維に塩置換したポリ
エチレンイミンを処理した比較例1の繊維、ポリエチレ
ンイミン処理後加圧水蒸気処理しない比較例2の繊維及
び繊維を乾燥、熱処理後にポリエチレンイミンを処理し
た比較例4の繊維は、10回洗濯を繰り返した繊維及び
染色処理した繊維のアセトアルデヒド及び硫化水素に対
する消臭性能は、洗濯及び染色処理をする前の繊維に比
較して20%以下であった。また、比較例3の190℃
の水蒸気処理をした繊維は、接着、膠着が激しいもので
あった。
【0028】
【実施例6】実施例1で用いた未乾燥繊維に分子量38
2のステアリン酸ジエチレントリアミン6.3重量%エ
マルジョン溶液に20℃で1分間浸漬処理を行い脱水し
た。この時の絞り率は、100重量%であった。脱水後
80℃で1時間乾燥し、オートクレーブで120℃の飽
和蒸気にて5分間の湿熱処理を行い実施例6の繊維を得
た。得られた繊維と得られた繊維を10回洗濯を繰り返
した後の繊維及び得られた繊維を染色処理した繊維につ
いて悪臭成分吸着試験を行った結果と酸性基の結合率を
表2に示す。
【0029】
【実施例7〜9、比較例5】1.85mol/kgのカ
ルボキシル基を含有するカルボキシメチルセルロース繊
維にキトサン(高松油脂株式会社製)を0.3重量%
(比較例4)、5.0重量%(実施例7)、10.0重
量%(実施例8)、30.0重量%(実施例9)水溶液
に20℃で1分間浸漬処理し、絞り率100%に脱水し
た。脱水後120℃で15分乾燥した後、オートクレー
ブで110℃の飽和蒸気にて3分間湿熱処理を行い実施
例7〜9の繊維及び比較例5の繊維を得た。得られた繊
維と得られた繊維を10回洗濯を繰り返した後の繊維及
び得られた繊維を染色処理した繊維について悪臭成分吸
着試験を行った結果と酸性基の結合率を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】表2によれば、アミノ基含有量が0.3〜
1.89mol/kgである実施例6〜9の繊維は、ア
ミノ基含有量0.02mol/kgの比較例5の繊維に
対して含有アミノ基の種類うを問わず該繊維及び洗濯を
10回繰り返した後の繊維のアセトアルデヒド及び硫化
水素に対する消臭性能は良好なものであった。また、水
不溶性のアミン化合物を含有した実施例6及びセルロー
ス繊維を基材とした実施例7〜9の繊維は、アクリル系
合成繊維に水溶性アミン化合物を含有した実施例4の繊
維に比較して染色後の繊維のアセトアルデヒド及び硫化
水素に対する消臭性能は極めて低いものであった。
【0032】
【比較例6】スルホン酸基を0.06mol/kg含有
するアクリル製織布3.0gに重合度1630(分子量
約70000)のポリエチレンイミンを0.7g、分子
量400のポリエチレングリコールを2.8gの混合物
を付着させ、比較例6の繊維を得た。得られた繊維と得
られた繊維を10回洗濯を繰り返した後の繊維及び得ら
れた繊維を染色処理した繊維について悪臭成分吸着試験
を行った結果と酸性基の結合率を表3に示す。
【0033】
【比較例7】繊維状セルロースアセテート(グルコース
単位当たり0.5アセチル基を包含する部分アセチル化
セルロース)10.0gを15.0重量%水酸化ナトリ
ウムエタノール溶液で30分間振とうし、液体成分を絞
り出してから2,4,6−トリクロトリアジン18.5
gのトルエン200ml溶液と共に更に1時間振とうす
る。得られた反応性中間体を濾取し、少量の氷冷水で洗
浄し、10.0重量%ポリエチレンイミン(分子量約7
0000)水溶液400mlと共に16時間攪拌した。
濾過後、炭酸水素ナトリウム5.0%水溶液と純水で洗
浄し、シリカゲル上で減圧乾燥し、比較例7の繊維を得
た。得られた繊維と得られた繊維を10回洗濯を繰り返
した後の繊維について悪臭成分吸着試験を行った結果を
表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3によれば、比較例6に示す特開平3−
146064号公報に示されたアクリル製織布にポリエ
チレンイミン及びポリエチレングリコールを付着した消
臭材は、酸性基の結合率は0mol%であり、10回洗
濯を繰り返した後及び染色処理後のアセトアルデヒド及
び硫化水素に対する消臭性能は極めて低いものであっ
た。また、比較例7に示す特開昭57−16687号公
報に示されたタバコ喫煙用フィルターは、酸性基の結合
率は97mol%と高いものの、この繊維及び10回洗
濯を繰り返した後の繊維と染色処理後の繊維のアセトア
ルデヒド及び硫化水素に対する消臭性能は極めて低いも
のであった。
【0036】
【比較例8】アクリロニトリル79.0重量%、アクリ
ル酸21.0重量%を共重合して得られた重合体を75
重量%の硝酸に溶解して重合体濃度16.0重量%の紡
糸原液を調整した。この紡糸原液を0.06mmの細孔
を有する紡糸口金を通して0℃に保っ25重量%の硝酸
系凝固浴に紡出し、水洗後沸水中で8倍に延伸し、未乾
燥繊維を得た。この未乾燥繊維のカルボキシル基の含有
量を測定したところ、2.72mol/kgであった。
【0037】この未乾燥繊維を、重合度1630(分子
量約70000)のポリエチレンイミン2重量%のエタ
ノール溶液に20℃で3分間浸漬処理を行い脱水した。
この時の絞り率は150%であった。脱脂後60℃で1
時間乾燥し、比較例8の繊維を得た。得られた繊維と得
られた繊維を10回洗濯を繰り返した後の繊維及び得ら
れた繊維を染色処理した繊維について悪臭成分吸着試験
を行った結果と酸性基の結合率を表4に示す。また、洗
濯後の重量変化率を下式に従って求めた。 洗濯重量変化率(%)=(W1−W2)/W1×100 ただしW1は洗濯前の乾燥試料重量、W2は洗濯後の乾燥
試料重量である。
【0038】
【表4】
【0039】表4によれば、カルボキシル基を繊維当た
り2.5mol/kg以上含有した比較例8に示す繊維
は、洗濯を繰り返すことで繊維の溶出が見られ、洗濯1
0回後にはアセトアルデヒドに対する消臭性能は極めて
低いものであった。
【0040】
【実施例10〜14、比較例9〜10】アクリロニトリ
ル74.7重量%、塩化ビニリデン25.0重量%、メ
タスルホン酸ナトリウム0.3重量%を共重合して得ら
れた重合体をジメチルホルムアミドに溶解して重合体濃
度18.0重量%の紡糸原液を調整した。この紡糸原液
を0.15mmの細孔を有する紡糸口金を通して30℃
に保った75重量%のジメチルホルムアミド系凝固浴に
紡出し、80℃に保った75重量%のジメチルホルムア
ミド系延伸浴中で5.0倍延伸し、水洗後沸水中で1.
2倍に延伸した。得られた未乾燥繊維は95.3重量%
の膨潤度を示した。この繊維のスルホン酸基の含有量を
測定したところ、0.10mol/kgであった。
【0041】この繊維を分子量約30000のポリアリ
ルアミンPH10水溶液0.15重量%(実施例1
0)、0.5重量%(実施例11)、3.0重量%(実
施例12)、5.0重量%(実施例13)、10.0重
量%(実施例14)、15.0重量%(比較例9)を2
5℃で1分間浸漬処理を行い脱水した。この時の絞り率
は100重量%であった。脱水後80℃で1時間乾燥
し、オートクレーブで120℃の飽和蒸気にて5分間の
湿熱処理を行い実施例10〜14及び比較例9の繊維を
得た。得られた繊維と得られた繊維を10回洗濯を繰り
返した後の繊維及び得られた繊維を染色処理した繊維に
ついて悪臭成分吸着試験を行った結果と酸性基の結合率
を表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】表5によれば、分子量約30000のポリ
アリルアミンPH10水溶液を湿熱結合したアミノ基含
有量0.034〜0.27mol/kgの実施例10〜
14の繊維は、10回洗濯を繰り返した後の繊維及び染
色処理した繊維のアセトアルデヒド及び硫化水素に対す
る消臭性能は優れたものであった。アミノ基含有量3.
41mol/kgの比較例9の繊維は接着、膠着が激し
いものであった。
【0044】
【実施例15〜17、比較例10】アクリロニトリル9
4.6重量%、アクリル酸メチル5.0重量%、イタコ
ン酸0.4重量%を共重合して得られた重合体を70重
量%の硝酸に溶解して重合体濃度16.0重量%の紡糸
原液を調整した。この紡糸原液を0.06mmの細孔を
有する紡糸口金を通して0℃に保った35重量%の硝酸
系凝固浴に紡出し、水洗後沸水中で8倍に延伸し未乾燥
繊維を得た。この繊維のカルボキシル基の含有量を測定
したところ、0.06mol/kgであった。
【0045】この未乾燥繊維を分子量約70000のポ
リエチレンイミン1.3重量%(実施例15)、2.5
重量%(実施例16)、3.8重量%(実施例17)の
20℃水溶液に1分間浸漬処理を行い脱水した。この時
の絞り率は80%であった。脱水後80℃で1時間乾燥
し、オートクレーブで120℃の飽和蒸気にて5分間の
湿熱処理を行い実施例15〜17の繊維を得た。比較例
として、実施例16の繊維において、湿熱処理をせず比
較例10の繊維とした。得られた繊維と得られた繊維を
10回洗濯を繰り返した後の繊維及び得られた繊維を染
色処理した繊維について悪臭成分吸着試験を行った結果
と酸性基の結合率を表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】表6によれば、実施例15〜17は、水蒸
気処理をしていない比較例10の繊維に比較して、10
回洗濯を繰り返した後の繊維及び染色処理した繊維のア
セトアルデヒド及び硫化水素に対する消臭性能は優れた
ものであった。
【0048】
【実施例18〜21】実施例1で用いた沸水中で9倍延
伸した未乾燥繊維にポリエチレンイミンの分子量約30
0(実施例18)、分子量約1200(実施例19)、
分子量約10000(実施例20)、分子量約7000
0(実施例21)を1.0重量%水溶液に20℃で1分
間浸漬処理し、絞り率100%に脱水した。脱水後12
0℃で15分乾燥した後、オートクレーブで120℃の
飽和蒸気にて5分間湿熱処理を行い実施例18〜21の
繊維を得た。得られた繊維と得られた繊維を10回洗濯
を繰り返した後の繊維及び得られた繊維を染色処理した
繊維について悪臭成分吸着試験を行った結果と酸性基の
結合率を表7に示す。
【0049】
【表7】
【0050】表7によれば、分子量300〜70000
のポリエチレンイミンを湿熱結合した実施例18〜21
は、10回洗濯を繰り返した後の繊維のアセトアルデヒ
ド及び硫化水素に対する消臭性能は優れたものであっ
た。また、分子量1200〜70000のポリエチレン
イミンを湿熱結合した実施例18〜20は、分子量30
0のポリエチレンイミンを湿熱結合した実施例18の繊
維に比較して、染色処理することによりアセトアルデヒ
ド及び硫化水素に対する消臭性能は優れたものであっ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、悪臭性のカルボニル基
を含有する化合物や酸性化合物の悪臭に対して優れた消
臭性能を有する取り扱いが容易でかつ安全性、加工性、
洗濯耐久性が良好であり更に染色耐久性に優れる消臭繊
維を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸性基を繊維当たり0.01mol/k
    g以上、2.5mol/kg以下含有する繊維に、アミ
    ノ基が0.03mol/kg以上、3mol/kg以下
    湿熱結合されてなることを特徴とする消臭繊維。
  2. 【請求項2】 酸性基を繊維当たり0.01mol/k
    g以上、2.5mol/kg以下含有するアクリル系合
    成繊維であって、分子量1000以上、200000以
    下の水溶性ポリアミン化合物をアミノ基として0.03
    mol/kg以上、3mol/kg以下を含有し、かつ
    アクリル系合成繊維の酸性基の結合率が50mol%以
    上、100mol%以下であることを特徴とする消臭繊
    維。
  3. 【請求項3】 酸性基を繊維当たり0.01mol/k
    g以上、2.5mol/kg以下含有する繊維に、アミ
    ノ基が0.03mol/kg以上、3mol/kg以下
    になるようにアミン化合物を付着させ、得られる繊維を
    100℃以上、180℃以下の加圧水蒸気で処理するこ
    とを特徴とする消臭繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸性基を繊維当たり0.01mol/k
    g以上、2.5mol/kg以下含有するアクリル系合
    成繊維の未乾燥繊維に、水溶性ポリアミン化合物をアミ
    ノ基として0.03mol/kg、以上3mol/kg
    以下付着させ、得られる繊維を100℃以上、180℃
    以下の水蒸気で処理することを特徴とする消臭繊維の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997034040A1 (fr) * 1996-03-14 1997-09-18 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Fibre desodorisante, processus de preparation et article a base de fibres desodorisantes
JP2002371462A (ja) * 2001-06-11 2002-12-26 Tokai Senko Kk 染色された消臭性セルロース系布帛類及びその製造方法
JP2017055815A (ja) * 2015-09-14 2017-03-23 株式会社日本触媒 消臭剤

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