図1〜図54を参照して本開示における半導体発光素子用基板、および、半導体発光素子を説明する。
[半導体発光素子用基板の構成]
図1に示されるように、半導体発光素子用の基板である素子用基板11は、一つの面である突部形成面11Sを有している。半導体発光素子の製造工程にて、突部形成面11Sには、発光構造体が形成される。
素子用基板11を形成する材料は、半導体発光素子の製造工程にて、熱的、機械的、化学的、および、光学的な耐性を有している。素子用基板11を形成する材料は、例えば、Al2O3(サファイア)、SiC、Si、Ge、MgAl2O4、LiTaO3、LiNbO3、ZrB2、GaP、GaN、GaAs、InP、InSn、AlN、および、CrB2からなる群から選択される1種類である。なかでも、素子用基板11を形成する材料は、機械的、熱的、化学的、および、光学的な耐性が上記材料のなかで高い点から、また、光透過性を有する点から、サファイアであることが好ましい。突部形成面11Sは、発光構造体に結晶性を与えることに適した結晶性を自身に有している。
突部形成面11Sは、多数の微細な凹凸から構成される凹凸構造を有している。微細な凹凸は、突部形成面11Sの広がる方向に沿って二次元方向に繰り返されている。突部形成面11Sが有する凹凸構造は、多数の大突部12、多数の小突部13、および、平坦部14から構成されている。
平坦部14は、一つの結晶面に沿って広がる平面である。素子用基板11の結晶系が六方晶系であるとき、平坦部14は、例えば、c面、m面、a面、および、r面からなる群から選択される一つが連なる平面である。素子用基板11の結晶系が立方晶系であるとき、平坦部14は、例えば、(001)面、(111)面、および、(110)面からなる群から選択される一つが連なる平面である。なお、平坦部14が有する結晶面は、上記指数面よりも高指数面であってもよく、発光構造体に結晶性を与えることに適した一つの結晶面であればよい。平坦部14が有する結晶面は、突部形成面11Sの上で、半導体層が結晶性を有することを促す機能を有している。
また、素子用基板11を透過させて光を外部に取り出す構成を有する半導体発光素子においては、素子用基板11内の平坦部14の面積が小さい場合、発光構造体が設けられている側の反対側の面(光取り出し面)を突部形成面11Sとする。これによって、突部形成面11Sに沿って広がる平面に対しては臨界角以上の入射角を有する発光光であっても、凹凸構造の斜面に対しては臨界角未満とすることができる。そのため、素子用基板11と空気の界面における光取り出し効率を大幅に改善することができる。
複数の大突部12の各々は、平坦部14から突き出ている。複数の大突部12の各々は、平坦部14と接続する基端と、その基端とは反対側の端部である先端とを備え、大突部12の基端から大突部12の先端に向かって細くなる錐体形状を有している。
複数の小突部13の一部は、平坦部14から突き出ており、複数の小突部13の残りは、大突部12から突き出ている。平坦部14から突き出た複数の小突部13の各々は、平坦部14と接続する基端と、その基端とは反対側の端部である先端とを備え、小突部13の基端から小突部13の先端に向かって細くなる錐体形状を有している。大突部12の表面から突き出た複数の小突部13の各々もまた、大突部12の表面と接続する基端と、その基端とはほぼ反対側の先端とを備え、小突部13の基端から小突部13の先端に向かって細くなる錐体形状を有している。突部形成面11Sと対向する平面視において、小突部13に外接する円の半径は、大突部12に外接する円の半径よりも小さい。
なお、大突部12、および、小突部13の各々が有する形状は、半球形状であってもよいし、円錐形状であってもよいし、角錐形状であってもよい。換言すれば、大突部12の頂点を通り、かつ、平坦部14と垂直な平面によって大突部12が切断された際に、その断面である垂直断面に現れる母線は、曲線であってもよいし直線であってもよく、大突部12の頂点を頂点とする三角形と、大突部12の頂点を通る半円とによって囲まれる領域に位置すればよい。また、小突部13の頂点を通り、かつ、平坦部14と垂直な平面によって小突部13が切断された際に、その断面である垂直断面に現れる母線は、曲線であってもよいし直線であってもよく、小突部13の頂点を頂点とする三角形と、小突部13の頂点を通る半円とによって囲まれる領域に位置すればよい。大突部12の形状と小突部13の形状とは互いに異なっていてもよい。さらに、大突部12が有する形状は、大突部12間において互いに異なっていてもよく、小突部13の有する形状は、小突部13間において互いに異なっていてもよい。
図2に示されるように、大突部12の繰り返される空間的な周期であって、平坦部14と平行な方向に沿った距離の最頻値は、大突部12の第1ピッチXである。大突部12の表面や平坦部14の表面は、小突部13と接続する面である。小突部13と接続する面の法線方向において、その小突部13と接続する面と、その小突部13の表面との間の距離の最大値は、その小突部13の高さHSである。複数の小突部13の各々において高さHSを有する部位は、その小突部13の頂点である。互いに隣り合う2個の小突部13の頂点間の距離であって、平坦部14と平行な方向に沿った距離の最頻値は、小突部13の繰り返される空間的な周期であって、小突部13の第2ピッチYである。
大突部12の表面と接続している複数の小突部13において、小突部13の高さHSは、大突部12の基端に近い小突部13ほど小さいことが好ましい。上記垂直断面において、大突部12の基端の両端を結ぶ線分の長さは、大突部12の幅DLであり、小突部13における基端の両端を結ぶ線分の長さは、小突部13の幅DSである。
大突部12の表面と接続している複数の小突部13において、小突部13の幅DSは、大突部12の基端に近い小突部13ほど大きいことが好ましい。この際に、大突部12と接続している複数の小突部13のなかで小突部13の位置が大突部12の基端に近い小突部13ほど、小突部13の高さHSが小さく、かつ、小突部13の幅DSが大きく、小突部13の形状は扁平である。
なお、小突部13の頂点を通り、かつ、平坦部14と平行な面によって小突部13が切断された際に、その断面において、小突部13の基端の両端を結ぶ線分の長さは、大突部12との接続位置に関わらずほぼ一定であることが好ましい。また、複数の小突部13においては、大突部12の基端に近い小突部13ほど小突部13の高さHSが小さく、かつ、小突部13の幅DSが大きい。そして、複数の小突部13のなかで、小突部13の位置が大突部12の先端に近い小突部13ほど、小突部13の形状は、略半球形状であり、小突部13の位置が大突部12の基端に近い小突部13ほど、大突部12の先端から基端へ向かって延びる略半楕円体形状である。複数の小突部13のなかで大突部12の基端に近い小突部13は、大突部12の先端から基端へ向かって延びるスジ状や滴状に形成されている。
上述したスジ状や滴状を有した小突部13の形状について図3を参照して詳細に説明する。
図3に示されるように、大突部12の表面と対向する正面視において、小突部13は、大突部12の表面において略楕円形状を有し、かつ、大突部12の先端から基端へ向かって延びる長軸を有している。各小突部13の形状は、その位置に応じて異なっている。大突部12の先端近くに位置する小突部13ほど、円形に近い形状を有している。楕円形状を有した複数の小突部13の各々において、大突部12の先端に最も近い部位は、その小突部13の先端13fであり、大突部12の基端に最も近い部位は、その小突部13の基端13bである。楕円形状を有した小突部13において、先端13fと基端13bとの間の距離は長軸方向における幅であり、先に記載した小突部13の幅DSである。
楕円形状を有した小突部13において、先端13fと基端13bとの間の中央は、小突部13の中央部位13Mである。大突部12の周方向において、楕円形状を有した小突部13の有する両端部の間の距離は短軸方向に沿った幅であり、小突部13の短径幅WSである。複数の小突部13の各々において、最も大きい短径幅WSを有する最大幅部位は、小突部13の長軸方向において、中央部位13Mと基端13bとの間に位置する。各小突部13の長軸方向の幅DSにおける最大幅部位の位置は、小突部13ごとに異なる。例えば、大突部12と接続する複数の小突部13のなかで、大突部12の先端に近い小突部13ほど、最大幅部位は中央部位13Mに近く、反対に、大突部12の基端に近い小突部13ほど、最大幅部位は基端13bに近い。各小突部13の長軸方向の幅DSにおける高さHSを有する部位、すなわち、頂点の位置も小突部13ごとに異なっており、大突部12の先端に近い小突部13ほど、小突部13の頂点の位置は先端13fに近い。
図4に示されるように、突部形成面11Sの平面視にて、大突部12の外周縁からは、複数の小突部13が突き出ている。大突部12と、その大突部12に接続している小突部13とから構成される集合体の外形は、平面視において凹凸状に波打っている。互いに隣り合う2個の集合体の間には、平坦部14、および、平坦部14から突き出た複数の小突部13が位置している。
[突部の配置]
図5では、大突部12における並びの規則性を説明する便宜上、複数の大突部12の各々の外形が模式化された円によって示されている。また、図6においても同じく、小突部13における並びの規則性を説明する便宜上、複数の小突部13の各々の外形が模式化された円によって示されている。
図5に示されるように、突部形成面11Sに並ぶ複数の大突部12は、複数の大突部群12Gから構成され、複数の大突部群12Gの各々は、複数の単位集合体から構成されている。複数の大突部12から構成される単位集合体は、一辺が第1ピッチXの長さを有する正六角形の頂点に位置する6個の大突部12と、その正六角形の中心に位置する1個の大突部12とから構成されている。
大突部群12Gを構成する複数の単位集合体の各々では、互いに隣り合う大突部12が第1ピッチXを空けて配置されている。大突部群12Gを構成する複数の単位集合体の各々において、一辺の長さが第1ピッチXである正六角形の中心から、その正六角形の各頂点に向けて延びる6個のベクトルの各々は、その正六角形の中心に位置する大突部12の並進ベクトルである。
大突部群12Gを構成する複数の単位集合体の各々において、上述した正六角形の頂点に位置する6個の大突部12の各々は、その正六角形の中心に位置する大突部12が、大突部12の並進ベクトルによって変位したものとほぼ重なる。これに対して、上述した正六角形が有する6個の頂点のなかで互いに隣り合う2個の頂点間の中央に向けて、その正六角形の中心から延びる6個のベクトルを基に、各々の大きさを2倍した6個のベクトルの各々は、大突部群12Gにおける単位集合体の並進ベクトルである。大突部群12Gを構成する複数の単位集合体の各々は、それと隣り合う単位集合体が、単位集合体の並進ベクトルによって変位したものとほぼ重なる。
複数の大突部群12Gの各々においては、複数の単位集合体の各々が並進ベクトルに沿って並び、複数の単位集合体の各々においては、6個の大突部12の各々が並進ベクトルに沿って並ぶ。大突部群12Gは、大突部12の並びがこうした規則性を有する最小の単位である。互いに異なる2個の大突部群12Gの間においては、単位集合体の並進ベクトルが互いに異なること、2個の大突部群12Gの間隙が第1ピッチXとは異なること、これらの少なくとも一つが満たされている。
図5には、互いに異なる2個の大突部群12Gの間において、大突部12の第1ピッチXが互いに等しい一方で、大突部群12Gにおける単位集合体の並進ベクトルは互いに異なり、かつ、2個の大突部群12Gの間隙が第1ピッチXとは異なる一例が示されている。互いに異なる2個の大突部群12Gの間においては、単位集合体の並進ベクトルが互いに異なり、かつ、2個の大突部群12Gの間隙が第1ピッチXと等しくてもよいし、あるいは、単位集合体の並進ベクトルが互いに等しく、かつ、2個の大突部群12Gの間隙が第1ピッチXと異なっていてもよい。
上述したように、複数の大突部12が正六角形の頂点に位置する構造によれば、突部形成面11Sに形成される発光構造体の膜ストレスが1個の大突部12に集中することも抑えられ、大突部12に必要とされる機械的な強度も抑えられる。
図6に示されるように、突部形成面11Sに並ぶ複数の小突部13は、複数の小突部群13Gから構成され、複数の小突部群13Gの各々は、複数の単位集合体から構成されている。複数の小突部13から構成される単位集合体は、一辺が第2ピッチYの長さを有する正六角形の頂点に位置する6個の小突部13と、その正六角形の中心に位置する1個の小突部13とから構成されている。
小突部群13Gを構成する複数の単位集合体の各々では、互いに隣り合う小突部13が第2ピッチYを空けて配置されている。小突部群13Gを構成する複数の単位集合体の各々において、一辺の長さが第2ピッチYである正六角形の中心から、その正六角形の各頂点に向けて延びる6個のベクトルの各々は、その正六角形の中心に位置する小突部13の並進ベクトルである。
小突部群13Gを構成する複数の単位集合体の各々において、上述した正六角形の頂点に位置する6個の小突部13の各々は、その正六角形の中心に位置する小突部13が、小突部13の並進ベクトルによって変位したものとほぼ重なる。これに対して、上述した正六角形が有する6個の頂点のなかで互いに隣り合う2個の頂点間の中央に向けて、その正六角形の中心から延びる6個のベクトルを基に、各々の大きさを2倍した6個のベクトルの各々は、小突部群13Gにおける単位集合体の並進ベクトルである。小突部群13Gを構成する複数の単位集合体の各々は、それと隣り合う単位集合体が、単位集合体の並進ベクトルによって変位したものとほぼ重なる。
複数の小突部群13Gの各々においては、複数の単位集合体の各々が並進ベクトルに沿って並び、複数の単位集合体の各々においては、6個の小突部13の各々が並進ベクトルに沿って並ぶ。小突部群13Gは、小突部13の並びがこうした規則性を有する最小の単位である。互いに異なる2個の小突部群13Gの間においては、単位集合体の並進ベクトルが互いに異なること、2個の小突部群13Gの間隙が第2ピッチYとは異なること、これらの少なくとも一つが満たされている。
図6には、互いに異なる2個の小突部群13Gの間において、小突部13の第2ピッチYが互いに等しい一方で、小突部群13Gにおける単位集合体の並進ベクトルは互いに異なり、かつ、2個の小突部群13Gの間隙が第2ピッチYとは異なる一例が示されている。互いに異なる2個の小突部群13Gの間においては、単位集合体の並進ベクトルが互いに異なり、かつ、2個の小突部群13Gの間隙が第2ピッチYと等しくてもよいし、あるいは、単位集合体の並進ベクトルが互いに等しく、かつ、2個の小突部群13Gの間隙が第2ピッチYと異なっていてもよい。
上述したように、複数の小突部13が正六角形の頂点に位置する構造によれば、突部形成面11Sに形成される発光構造体の膜ストレスが1個の小突部13に集中することも抑えられ、小突部13に必要とされる機械的な強度も抑えられる。
なお、突部形成面11Sの備える大突部群12Gは1つであってもよい。すなわち、突部形成面11Sの備える全ての大突部12の各々は、共通する並進ベクトルによって他の大突部12が変位したものであってもよい。また、突部形成面11Sの備える小突部群13Gは1つであってもよい。すなわち、突部形成面11Sの備える全ての小突部13の各々は、共通する並進ベクトルによって他の小突部13が変位したものであってもよい。
[第1ピッチX、および、第2ピッチY]
大突部12の第1ピッチX、および、小突部13の第2ピッチYは、フーリエ変換像に基づいて定められ、このフーリエ変換像は、突部形成面11Sの二次元画像である原画像から二次元の高速フーリエ変換を通じて得られる。
突部形成面11Sの原画像は、突部形成面11Sに対向する平面視から得られる画像であって、突部形成面11Sの広がる二次元の座標系において突部の段差の大きさを輝度などによって示す画像である。突部形成面11Sの二次元画像である原画像は、突部形成面11Sと対向する平面視において、例えば、原子間力顕微鏡による測定、走査型電子顕微鏡による測定、接触式段差計による測定などによって得られる。大突部12における並びの規則性、および、小突部13における並びの規則性もまた、こうした突部形成面11Sの二次元画像である原画像から、二次元の高速フーリエ変換を通じて得られるフーリエ変換像に基づいて定められる。なお、二次元の高速フーリエ変換処理は、二次元高速フーリエ変換処理ソフトを備えたコンピュータによる画像処理によって行われる。
まず、大突部12の第1ピッチX、および、小突部13の第2ピッチYは、例えば、上述した原画像の画像処理から求められる。この際に用いられる原画像は、突部形成面11Sの一部である任意に選択される矩形部分を示し、例えば、第1ピッチXの取得に際しては、矩形部分の一辺の長さが第1ピッチXの30倍以上40倍以下であり、第2ピッチYの取得に際しては、矩形部分の一辺の長さが第2ピッチYの30倍以上40倍以下である。また、この際の矩形部分における大突部12の各々は、ほぼ共通する並進ベクトルによって他の大突部12が変位したものである。また、矩形部分における小突部13の各々は、ほぼ共通する並進ベクトルによって他の小突部13が変位したものである。
次に、フーリエ変換を用いた原画像の波形分離によって、原画像に基づくフーリエ変換像が得られ、フーリエ変換像における0次ピークと1次ピークとの間の距離が求められ、その距離の逆数が、一つの矩形部分における第1ピッチXや第2ピッチYとして取り扱われる。そして、互いに異なる25カ所以上の矩形部分について第1ピッチXが計測され、また、互いに異なる25カ所以上の矩形部分について第2ピッチYが計測され、こうして得られた計測値の平均値が、第1ピッチXや第2ピッチYとして取り扱われる。なお、互いに異なる矩形部分の間隙は、少なくとも1mmであることが好ましく、5mm以上10mm以下であることが、より好ましい。
大突部12の第1ピッチXは、300nm以上5.0μm以下であることが好ましく、小突部13の第2ピッチYは、100nm以上1.0μm以下であることが好ましい。大突部12の第1ピッチXや小突部13の第2ピッチYが上記の範囲であれば、突部形成面11Sでの光の全反射が抑えられる程度に、突部形成面11Sには、それに必要な配置、および、密度によって大突部12、および、小突部13が並んでいる。
[高さHL、および、高さHS]
大突部12の表面と平坦部14との間の距離の最頻値である高さHLは、突部形成面11Sの二次元画像である原画像から得られた二次元のフーリエ変換像と、原画像から得られた高さとから定められる。まず、突部形成面11Sの一部である任意に選択される矩形部分に対して原画像が得られ、その原画像から、凹凸構造の断面構造が得られる。次に、断面構造において連続する5個以上の大突部12に対して、大突部12における頂点の高さと、その大突部12に接続する平坦部14の高さとの差が計測される。ついで、先に計測された矩形部分とは異なる矩形部分についても同様に大突部12の高さが計測され、合計で25以上の大突部12に対して高さが計測される。そして、2次元のフーリエ変換像における赤道方向のプロファイルが作成され、その1次ピークの逆数から、大突部12における高さHLは求められる。なお、互いに異なる2個の矩形部分の間隙は、少なくとも1mmであることが好ましく、5mm以上10mmであることが、より好ましい。
小突部13が接続している大突部12の表面、もしくは、平坦部14と、小突部13の表面との間の距離の最頻値である高さHSもまた、突部形成面11Sの二次元画像である原画像から得られた二次元のフーリエ変換像と、原画像から得られた高さとから定められる。まず、突部形成面11Sの一部である任意に選択される矩形部分に対して原画像が得られ、その原画像から、凹凸構造の断面構造が得られる。次に、断面構造において連続する5個以上の小突部13に対して、小突部13における頂点の高さと、その小突部13に接続する表面の高さとの差が計測される。ついで、先に計測された矩形部分とは異なる矩形部分についても同様に小突部13の高さが計測され、合計で25以上の小突部13に対して高さが計測される。そして、2次元のフーリエ変換像における赤道方向プロファイルが作成され、その1次ピークの逆数から、小突部13における高さHLは求められる。なお、大突部12に対する高さHLの測定と同じく、互いに異なる2個の矩形部分の間隙は、少なくとも1mmであることが好ましく、5mm以上10mm以下であることが、より好ましい。
なお、大突部12の高さHLは、100nm以上4.0μm以下であることが好ましい。また、小突部13の高さHSは、10nm以上800nm以下であることが好ましい。大突部12の高さHLや小突部13の高さHSが上記の範囲であれば、突部形成面11Sにおける光の全反射が抑えられやすい。なお、大突部12の高さHLは、上記垂直断面において、大突部12における基端の両端を結ぶ直線と直交する方向に沿った大突部12における最大の長さである。また、小突部13の高さHSは、上記垂直断面において、小突部13における基端の両端を結ぶ直線と直交する方向に沿った小突部13における最大の長さである。
また、平坦部14の距離(X−DL)と第1ピッチXとの比((X−DL)/X)は、突部形成面11Sを発光構造体形成面として使用する場合、1/10以上1/2以下が好ましく、1/6以上1/3以下がより好ましい。また、突部形成面11Sを光取り出し面として使用する場合、1/300以上1/15以下が好ましく、1/60以上1/30以下がより好ましい。
大突部12の幅DLに対する高さHLの比は、大突部12のアスペクト比であり、小突部13の幅DSに対する高さHSの比は、小突部13のアスペクト比である。大突部12のアスペクト比は、0.3以上0.9以下であることが好ましく、0.5以上0.8以下であることがより好ましい。大突部12の頂上付近の小突部13のアスペクト比は、0.3以上0.9以下であることが好ましく、0.5以上0.8以下であることがより好ましい。大突部12のアスペクト比が0.5以上、小突部13のアスペクト比が0.5以上であれば、突部形成面11Sでの光の全反射が抑えられやすい。また、大突部12のアスペクト比が0.6以下、小突部13のアスペクト比が0.6以下であれば、互いに隣り合う2個の大突部12の隙間や、互いに隣り合う2個の小突部13の隙間に対し、発光構造体を構成する半導体層、特にバッファ層、アンドープGaNによる埋め込みが容易に行われる。
[突部が有する規則性]
大突部12が有する並びの規則性、および、小突部13が有する並びの規則性は、フーリエ変換像に基づいて定められ、このフーリエ変換像もまた、突部形成面11Sの一部である任意に選択される矩形部分の原画像から、二次元の高速フーリエ変換を通じて得られる。まず、多数の小突部13のみを含む原画像と、それのフーリエ変換像との関係の一例について図7および図8を参照して説明し、次いで、多数の大突部12と多数の小突部13とを含む原画像と、それのフーリエ変換像との関係の一例について図9から図11を参照して説明する。
なお、図7、図8、図9、および、図11の各々は、図中の左上に原画像の一例である原子間力顕微鏡画像を示し、図中の左上以外の部分において、原画像の変換像である二次元のフーリエ変換像を示す。そして、フーリエ変換像においては、波数が0μm−1である原点を中心として、波数の絶対値が100μm−1以内の範囲を示す。
図7における原画像は、矩形部分の全体にわたるほぼ全ての小突部13が、第2ピッチYとして400nmを有し、かつ、一辺が第2ピッチYの長さを有する正六角形の頂点に位置する例を示す。原画像における小突部13の像は、小突部13のなかで頂点に近い部位ほど高い輝度を示している。矩形部分の全体にわたる複数の小突部13は、1つの小突部群13Gを構成している。こうした原画像から得られるフーリエ変換像は、原画像における光の強度の繰り返し成分を輝点として示している。
図7におけるフーリエ変換像では、SN比が特に大きい6個の輝点である小突部輝点に対して白抜き矢印が付されている。6個の小突部輝点は、1つの小突部群13Gから得られる繰り返し成分である小突部13間の周期性を示す1次ピークであって、半導体発光素子用基板のフーリエ変換像においては、周辺模様を構成する輝点である。
周辺模様を構成し得る6個の小突部輝点は、矩形部分の全体に点在する小突部13の繰り返し成分である小突部13間の周期性を示す1次ピークである。周辺模様を構成し得る6個の小突部輝点は、波数が0μm−1である原点を中心とする正六角形の頂点に位置し、小突部13の繰り返される方向が主として6方向であることを示している。周辺模様を構成し得る6個の小突部輝点と、波数が0μm−1である原点との間の距離は、第2ピッチYの逆数である。
フーリエ変換像における小突部輝点の個数は、小突部13の繰り返される方向が原画像において多いほど多い。
例えば、原画像には1個の小突部群13Gのみが含まれるとき、小突部13の繰り返される方向は、原画像において6個であり、フーリエ変換像においては6個の小突部輝点が1次ピークとして出現する。また、原画像に2個の小突部群13Gが含まれ、かつ、2個の小突部群13Gの間において小突部13の繰り返される方向が異なるとき、小突部13の繰り返される方向は、原画像において12個(=6個×2)であり、フーリエ変換像においては12個の小突部輝点が出現する。
これに対して、原画像には多数の小突部群13Gが含まれ、かつ、多数の小突部13の各々において小突部13の繰り返される方向が異なるとき、フーリエ変換像においては原点を中心とする一つの円上に多くの輝点が連なり、原点を中心とする周方向に沿った輝線である1個の円環が形成される。例えば、原画像に60個の小突部群13Gが含まれ、小突部13の繰り返される方向が小突部群13Gごとに異なるとき、原点を中心とする1つの円上に360個の輝点が連なり、周方向に沿った1個の円環が形成される。
フーリエ変換像における原点と小突部輝点との間の距離は、小突部13の第2ピッチYが大きいほど短い。そして、原画像における小突部13の第2ピッチYが複数であり、第2ピッチYの個数が多いほど、複数の小突部輝点を通る同心円の個数も多い。
例えば、原画像には1個の小突部群13Gのみが含まれるとき、原画像に含まれる第2ピッチYは1種類であって、フーリエ変換像においては、1個の円上に輝点が出現する。また、原画像に2個の小突部群13Gが含まれ、2個の小突部群13Gの間において小突部13の第2ピッチYが異なるとき、フーリエ変換像においては、互いに半径が異なる2個の円上に輝点が出現する。
図8における原画像は、矩形部分の全体において複数の小突部群13Gを備えている。1つの小突部群13Gは、一辺が第2ピッチYの長さを有する正六角形の頂点に位置する複数の小突部13から構成されている。小突部群13Gを構成する小突部13の第2ピッチYは、図7における原画像と同じく400nmである。これに対して、複数の小突部群13Gは、一辺が3μmの正六角形の頂点に位置し、かつ、互いに異なる6個の方向に沿って3μmごとに位置している。
すなわち、図8における原画像においては、7個の小突部13から構成される単位集合体の並びが、3μmごとの平坦部において途絶えたり、小突部群13Gごとに含まれる小突部13の個数が変わったりしている。こうした原画像から得られるフーリエ変換像は、原画像における光の強度の繰り返し成分を輝点として示すため、図7よりもSN比は小さく、かつ、輝点の個数も多い。
図8における白抜き矢印が示すように、フーリエ変換像には、図7に示される6個の小突部輝点よりも内側に多数の輝点が含まれ、多数の輝点のなかでもSN比が特に大きい6個の輝点は、図7から新たに出現した1次群輝点である。6個の1次群輝点は、波数が0μm−1である原点を中心とする正六角形の頂点に位置している。6個の1次群輝点は、半導体発光素子用基板のフーリエ変換像において中心模様を構成し、中心模様は、上述した小突部輝点などの周辺模様よりも原点に近い模様である。
中心模様を構成し得る6個の1次群輝点は、矩形部分の全体に点在する小突部群13Gの繰り返し成分である小突部群13G間の周期性を示す1次ピークである。中心模様を構成し得る6個の1次群輝点は、波数が0μm−1である原点を中心とする正六角形の頂点に位置し、小突部群13Gの繰り返される方向が主として6方向であることを示している。中心模様を構成し得る6個の1次群輝点と、波数が0μm−1である原点との間の距離は、小突部群13Gの間隔である3μmの逆数である。
図8における6個の白い円が示すように、フーリエ変換像のなかの多数の輝点のなかでも、上述した6個の小突部輝点は、図7と同じく、SN比が大きい輝点として出現している。さらに、これら6個の小突部輝点の各々の周囲には、これもまた白い円によって囲まれるように、SN比が大きい他の6個の輝点であるピッチ400nmを有する複数の小突部で構成された小突部群13G(小突部13間の周期性)と、ピッチ3μmを有する複数の小突部群13G(小突部群13G間の周期性)によって生じる複合輝点が出現している。各小突部輝点の周囲に位置する6個の複合輝点は、小突部13の繰り返し成分と小突部群13Gの繰り返し成分の二次元のフーリエ変換時における畳み込み積分(コンボリューション)によって生じる複合ピークである。1個の小突部輝点の周囲に位置する6個の複合輝点は、小突部の基本並進ベクトルに従って、6個の1次群輝点(小突部群13G間の周期性による原点に最も近い輝点群)の各々を小突部群の基本並進ベクトルのスカラー量分だけ並進させた位置に出現している。そして、1個の小突部輝点の周囲に位置する6個の複合輝点の各々は、その小突部輝点を中心として、かつ、その小突部輝点から3μm(小突部群13G間の周期)の逆数だけ離れた正六角形の頂点に位置している。
すなわち、複数の小突部群13Gの各々が、3μmの一辺を有した正六角形の頂点に位置することは、1次群輝点と複合輝点とに反映される。また、複数の小突部群13Gの各々が、小突部13の単位集合体によって構成されていることは、6個の小突部輝点と、各小突部輝点の周囲に位置する複合輝点とに反映されている。
図8において白い円に囲まれる模様、すなわち、1個の小突部輝点と、それの周囲に位置する6個の複合輝点とは、1個の輝点集合体を構成している。同心円上に位置する6個以上の輝点集合体は、半導体発光素子用基板のフーリエ変換像において周辺模様を構成している。なお、突部形成面11Sの備える全ての小突部13において、7個の小突部13から構成される単位集合体の並びは、互いに隣り合う小突部群13Gの間隙において途絶えたり、小突部群13Gごとに少なからず変わったりしている。それゆえに、図8におけるフーリエ変換像には、6個よりも多い輝点集合体が出現している。
図9における原画像は、上述した突部形成面11Sにおける一部の一例を示し、正六角形の頂点に位置する複数の大突部12と、正六角形の頂点に位置する複数の小突部13とを示している。大突部12の第1ピッチXは、図8における原画像の小突部群13Gのピッチと同じく3μmであり、小突部13の第2ピッチYは、図7における原画像と同じく400nmである。こうした原画像から得られるフーリエ変換像は、原画像における光の強度の繰り返し成分を輝点として示すため、図7よりもSN比は小さく、かつ、輝点の個数も多い一方で、図8よりもSN比は高く、かつ、輝点の個数も少ない。
図9に示されるフーリエ変換像には、図7に示される6個の小突部輝点よりも内側に、白抜き矢印が示すように、中心模様を構成する6個の輝点である1次大突部輝点が出現している。6個の1次大突部輝点は、図8における1次群輝点に相当する位置に出現し、波数が0μm−1である原点を中心とする正六角形の頂点に位置している。中心模様を構成する6個の1次大突部輝点は、矩形部分の全体に点在する大突部12の繰り返し成分である大突部12間の周期性を示す1次ピークである。6個の1次大突部輝点の各々が逆格子の基本並進ベクトルを定めるため、大突部12の繰り返される方向が主として6方向であることを6個の1次大突部輝点は示している。中心模様を構成し得る6個の1次大突部輝点と、波数が0μm−1である原点との間の距離は、互いに隣り合う大突部12の間隔である3μmの逆数である。
また、図9に示されるフーリエ変換像には、図8と同じく、6個の小突部輝点が出現し、さらに、6個の小突部輝点の各々の周囲には、6個の輝点である小突部と大突部とによって生じる複合輝点が出現している。
図10が示すように、各小突部輝点の周囲に位置する6個の複合輝点(図中では小/大突部輝点として表記)は、小突部13間の周期性である小突部13の繰り返し成分と、大突部12間の周期性である大突部12の繰り返し成分との二次元のフーリエ変換時における畳み込み積分(コンボリューション)によって生じる複合ピークであり、図8における複合輝点に相当する位置に配置されている。1個の小突部輝点の周囲に位置する6個の複合輝点は、小突部13の基本並進ベクトルに従って、6個の1次大突部輝点、すなわち、大突部12間の周期性による輝点であって原点に最も近い輝点の各々を小突部13の基本並進ベクトルのスカラー量分だけ並進させた位置に出現している。そして、1個の小突部輝点の周囲に位置する6個の複合輝点の各々は、その小突部輝点を中心として、かつ、その小突部輝点から第1ピッチである3μmの逆数、すなわち大突部12間の周期性による輝点であって原点に最も近い輝点群と原点との間の距離だけ離れた正六角形の頂点に位置している。
すなわち、複数の大突部12の各々が、第1ピッチとして3μmの一辺を有した正六角形の頂点に位置することは、1次大突部輝点と複合輝点とに反映される。また、複数の大突部12の各々に小突部13の単位集合体が重なっていることは、6個の小突部輝点と、各小突部輝点の周囲に位置する複合輝点とに反映されている。
図9において白い円に囲まれる模様、すなわち、1個の小突部輝点と、それの周囲に位置する6個の複合輝点とは、1個の輝点集合体を構成している。同心円上に位置する6個以上の輝点集合体は、半導体発光素子用基板のフーリエ変換像において周辺模様を構成している。なお、図9のフーリエ変換像におけるSN比が、図8のフーリエ変換像におけるSN比よりも大きいことは、図9の原画像における複数の大突部12の周期性が、外形にばらつきを有する複数の小突部群13Gよりも高いことを示している。
図11における原画像は、上述した突部形成面11Sにおける一部の他の例を示し、正六角形の頂点に位置する複数の大突部12と、正六角形の頂点に位置する複数の小突部13とを示している。そして、互いに隣り合う大突部12の間に位置する平坦部14には、小突部13が配置されていない。大突部12の第1ピッチXは、図8における原画像の小突部群13Gのピッチと同じく3μmであり、小突部13の第2ピッチYは、図9における原画像と同じく400nmである。こうした原画像から得られるフーリエ変換像は、原画像における光の強度の繰り返し成分を輝点として示すため、図9よりもSN比は小さく、かつ、輝点の個数も多い。
図11に示されるフーリエ変換像には、図9と同じく、中心模様を構成する6個の1次大突部輝点が出現している。一方で、6個の小突部輝点の輝度、および、6個の小突部輝点の各々の周囲に位置する複合輝点の輝度は、図9と比べて非常に低い。そして、6個の小突部輝点と、小突部輝点ごとの6個の複合輝点とから構成される複数の輝点集合体は、6個の1次大突部輝点の周囲のほぼ全体にわたって周方向に沿って点在している。
すなわち、一辺の長さが第1ピッチとして3μmである正六角形の頂点に大突部12が位置することは、1次大突部輝点に反映されている。一方で、小突部13の繰り返される長さである第2ピッチとして400nm、および、小突部13の繰り返される方向において小突部13の周期性が図9よりも失われていることは、図8と同じく、輝点集合体の点在に反映されている。
なお、図11における原画像よりもさらに小突部13の周期性が失われた状態であれば、輝点集合体は原点を中心として周方向に沿って連続し、フーリエ変換像における周辺模様として、輝線による円環が形成される。また、図11における原画像よりもさらに小突部13の周期性が失われた状態であれば、1次大突部輝点は原点を中心として周方向に沿って連続し、フーリエ変換像における中心模様として、輝線による円環が形成される。
ところで、上述した大突部群12G、および、小突部群13Gにおいては、それに対応する単位集合体が、それに対応する並進ベクトルによって変位した位置に周期的に配置される。一方で、単位集合体の並進ベクトルや、単位集合体を構成する突起の並進ベクトルは、大突部群12Gごとに、また、小突部群13Gごとに変わる。このように1つの突部形成面11S内において並進ベクトルが変わる構成であっても、複数の大突部12の並びと、複数の小突部13の並びとが重なる構成であれば、大突部12の並びにおける周期性、および、小突部13の並びにおける周期性は、下記(a)(b)(c)に基づいて定められる。(a)原画像が得られた矩形部分の大きさ(b)第1ピッチXに対する第2ピッチYの比率である比率Y/X(c)フーリエ変換像が有する模様
まず、二次元のフーリエ変換像は、(a)矩形部分の大きさと(b)比率Y/Xとに基づいて、小域変換像と大域変換像とに分類される。さらに、大域変換像は、(a)矩形部分の大きさと(b)比率Y/Xとに基づいて、第1変換像と第2変換像とに分類される。矩形部分の大きさと比率Y/Xとに基づくフーリエ変換像の(c)模様の分類を表1、および、表2に示す。そして、小域変換像が有する模様と第1変換像が有する模様との組み合わせ、および、小域変換像が有する模様と第2変換像が有する模様との組み合わせを表3に示す。
表1が示すように、下式1が満たされる矩形部分に対しては、矩形部分の一辺の長さLが第1ピッチXの3倍、すなわち、3Xであるとき、その矩形部分の原画像から得られるフーリエ変換像は、小域変換像である。例えば、小突部13の間隔である第2ピッチYが、大突部12の間隔である第1ピッチXの0.2倍であって、一辺に3つの大突部12が並ぶ矩形部分であれば、その矩形部分から得られるフーリエ変換像は、小域変換像である。こうした範囲に定められる小域変換像であれば、1つの大突部群12Gが含まれる範囲において、小突部群13Gが多数であるか否かが模様として示される。
また、矩形部分の一辺の長さLが第1ピッチXの5倍以上20倍未満、すなわち、5X以上20X未満であるとき、その矩形部分の原画像から得られるフーリエ変換像は、大域変換像のなかの第1変換像である。例えば、小突部13の間隔である第2ピッチYが、大突部12の間隔である第1ピッチXの0.2倍であって、一辺に19の大突部12が並ぶ矩形部分であれば、その矩形部分から得られるフーリエ変換像は、第1変換像である。こうした範囲に定められる第1変換像であれば、約10個以上約150個以下の大突部12が含まれる範囲において、小突部群13Gが多数であるか否かが模様として示される。
また、矩形部分の一辺の長さLが第1ピッチXの20倍以上、すなわち、20X以上であるとき、その矩形部分の原画像から得られるフーリエ変換像は、大域変換像のなかの第2変換像である。例えば、小突部13の間隔である第2ピッチYが、大突部12の間隔である第1ピッチXの0.2倍であって、一辺に20以上の大突部12が並ぶ矩形部分であれば、その矩形部分から得られるフーリエ変換像は、第2変換像である。こうした範囲に定められる第2変換像であれば、大突部群12Gが多数であるか否かが模様として示される。
0< Y/X ≦ 0.2 ・・・ 式1
一方で、表2が示すように、下式2が満たされる矩形部分に対しては、矩形部分の一辺の長さLが第1ピッチXの3倍、すなわち、3Xであるとき、その矩形部分の原画像から得られるフーリエ変換像は、上式1が満たされるときと同じく、小域変換像である。例えば、小突部13の間隔である第2ピッチYが、大突部12の間隔である第1ピッチXの0.5倍であって、一辺に3つの大突部12が並ぶ矩形部分であれば、その矩形部分から得られるフーリエ変換像は、小域変換像である。こうした範囲に定められる小域変換像であれば、1つの大突部群12Gが含まれる範囲において、小突部群13Gが多数であるか否かが模様として示される。
また、矩形部分の一辺の長さLが第1ピッチXの10倍以上30倍未満、すなわち、10X以上30X未満であるとき、その矩形部分の原画像から得られるフーリエ変換像は、大域変換像のなかの第1変換像である。例えば、小突部13の間隔である第2ピッチYが、大突部12の間隔である第1ピッチXの0.5倍であって、一辺に29の大突部12が並ぶ矩形部分であれば、その矩形部分から得られるフーリエ変換像は、第1変換像である。こうした範囲に定められる第1変換像であれば、約100個以上約1500個以下の大突部12が含まれる範囲において、小突部群13Gが多数であるか否かが模様として示される。
また、矩形部分の一辺の長さLが第1ピッチXの30倍以上、すなわち、30X以上であるとき、その矩形部分の原画像から得られるフーリエ変換像は、大域変換像のなかの第2変換像である。例えば、小突部13の間隔である第2ピッチYが、大突部12の間隔である第1ピッチXの0.5倍であって、一辺に30以上の大突部12が並ぶ矩形部分であれば、その矩形部分から得られるフーリエ変換像は、第2変換像である。こうした範囲に定められる第2変換像であれば、大突部群12Gが多数であるか否かが模様として示される。
0.2< Y/X ≦ 0.5 ・・・ 式2
表3が示すように、上述した突起の並びにおける周期性は、小域変換像が有する模様と、第1変換像が有する模様と、第2変換像が有する模様との組み合わせとによって定められる。組み合わせにおけるいずれにおいても、小域変換像においては、中心模様は輝点であり、周辺模様は輝点集合体である。すなわち、1つの大突部群12Gが含まれる範囲において、小突部群13Gは周辺模様として円環を示す程度に多数ではなく、1または60個以下の複数である。そして、大域変換像においては、中心模様は輝点と円環とのいずれか一方であり、周辺模様は、輝点集合体と円環とのいずれか一方である。
例えば、第1の模様形態における小域変換像において、中心模様は輝点であり、周辺模様は輝点集合体である。すなわち、1つの大突部群12Gが含まれる範囲において、小突部群13Gは周辺模様として円環を示す程度に多数ではなく、1または60個以下の複数である。また、第1の模様形態においては、第1変換像においても、中心模様は輝点であり、周辺模様は輝点集合体である。こうした模様形態においては、5X≦L<20X、あるいは、10X≦L<30Xの範囲において、小突部群13Gは、周辺模様として円環を示す程度に多数ではなく、1または60個以下の複数である。
例えば、第2の模様形態における小域変換像において、中心模様は輝点であり、周辺模様は輝点集合体である。すなわち、1つの大突部群12Gが含まれる範囲において、小突部群13Gは周辺模様として円環を示す程度に多数ではなく、1または60個以下の複数である。また、第2の模様形態においては、第1変換像において、中心模様は輝点であり、周辺模様は円環である。こうした模様形態においては、5X≦L<20X、あるいは、10X≦L<30Xの範囲において、小突部群13Gは、周辺模様として円環を示す程度に多数である。
例えば、第3の模様形態における小域変換像において、中心模様は輝点であり、周辺模様は輝点集合体である。すなわち、1つの大突部群12Gが含まれる範囲において、小突部群13Gは周辺模様として円環を示す程度に多数ではなく、1または60個以下の複数である。また、第3の模様形態における第1変換像において、中心模様は輝点であり、5X≦L<20X、あるいは、10X≦L<30Xの範囲においても、大突部群12Gは、中心模様として円環を示す程度の多数ではない。そして、第3の模様形態においては、第2変換像において、中心模様は依然として輝点であり、周辺模様は円環である。こうした模様形態においては、20X≦L、あるいは、30X≦Lの範囲において、小突部群13Gは、周辺模様として円環を示す程度に多数である。
例えば、第4の模様形態における小域変換像において、中心模様は輝点であり、周辺模様は輝点集合体である。すなわち、1つの大突部群12Gが含まれる範囲において、小突部群13Gは周辺模様として円環を示す程度に多数ではなく、1または60個以下の複数である。また、第4の模様形態における第1変換像において、中心模様は輝点であり、5X≦L<20X、あるいは、10X≦L<30Xの範囲においても、大突部群12Gは、中心模様として円環を示す程度の多数ではない。また、第4の模様形態における第1変換像において、周辺模様は輝点集合体であり、5X≦L<20X、あるいは、10X≦L<30Xの範囲においても、小突部群13Gは、中心模様として円環を示す程度の多数ではない。そして、第4の模様形態においては、第2変換像において、中心模様は円環である一方で、周辺模様は依然として輝点集合体である。こうした模様形態においては、20X≦L、あるいは、30X≦Lの範囲において、大突部群12Gは、中心模様として円環を示す程度に多数である一方で、小突部群13Gは、周辺模様として円環を示す程度の多数ではない。
例えば、第5の模様形態における小域変換像において、中心模様は輝点であり、周辺模様は輝点集合体である。すなわち、1つの大突部群12Gが含まれる範囲において、小突部群13Gは周辺模様として円環を示す程度に多数ではなく、1または60個以下の複数である。また、第5の模様形態における第1変換像において、中心模様は輝点であり、5X≦L<20X、あるいは、10X≦L<30Xの範囲においても、大突部群12Gは、中心模様として円環を示す程度の多数ではない。そして、第5の模様形態においては、第2変換像において、中心模様は円環であり、また、周辺模様も円環である。こうした模様形態においては、20X≦L、あるいは、30X≦Lの範囲において、大突部群12Gは、中心模様として円環を示す程度に多数であり、また、小突部群13Gも、周辺模様として円環を示す程度に多数である。
[第1の製造方法]
図12〜図18を参照して半導体発光素子用基板を製造する第1の製造方法を説明する。なお、上述した大突部12、および、小突部13の各々は、マスクを用いた突部形成面11Sのエッチングによって形成される。大突部12を形成するエッチングに用いられるマスクは、コロイダルリソグラフィ技術を用いた単粒子膜、フォトリソグラフィ技術を用いて形成されるレジストマスク、あるいは、ハードマスク、ナノインプリント技術を用いて形成されるレジストマスクのいずれか1つである。小突部13を形成するエッチングに用いられるマスクは、コロイダルリソグラフィ技術を用いた単粒子膜、フォトリソグラフィ技術を用いて形成されるレジストマスク、あるいは、ハードマスク、ナノインプリント技術を用いて形成されるレジストマスクのいずれか1つである。これらの製造方法のなかで、第1の製造方法は、大突部12を形成するエッチングに用いられるマスク、および、小突部13を形成するエッチングに用いられるマスクの各々が単粒子膜である一例である。
第1の製造方法は、大径粒子工程と小径粒子工程とを含み、互いに異なる大きさの2種類の粒子を用いて基板をエッチングする。大径粒子工程は、大径粒子膜形成工程と大径粒子エッチング工程とを含み、小径粒子工程は、小径粒子膜形成工程と小径粒子エッチング工程とを含む。
大径粒子膜形成工程においては、大径の粒子から構成される単粒子膜が突部形成面11Sに形成され、大径粒子エッチング工程においては、大径の粒子から構成される単粒子膜をマスクとして突部形成面11Sがエッチングされる。
小径粒子膜形成工程においては、大径粒子エッチング工程にてエッチングされた突部形成面11Sに、小径の粒子から構成される単粒子膜が形成され、小径粒子エッチング工程においては、小径の粒子から構成される単粒子膜をマスクとして突部形成面11Sがさらにエッチングされる。
以下、第1の製造方法に含まれる各工程を処理の順に説明する。
[大径粒子膜形成工程]
大径粒子工程にて用いられる単粒子膜を構成する大径粒子SLは、有機粒子、有機無機複合粒子、無機粒子からなる群から選択される1種類以上の粒子である。有機粒子を形成する材料は、例えば、ポリスチレンやPMMA等の熱可塑性樹脂と、フェノール樹脂やエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂と、ダイヤモンドと、グラファイトと、フラーレン類とからなる群から選択される1種類である。有機無機複合粒子を形成する材料は、例えば、SiCと炭化硼素とからなる群から選択される1種類である。
大径粒子SLは、無機粒子であることが好ましい。大径粒子SLが無機粒子であれば、大径粒子SLからなる単粒子膜が選択的にエッチングされる工程において、単粒子膜と突部形成面11Sとの間におけるエッチングの選択比が得られやすい。無機粒子を形成する材料は、例えば、無機酸化物と、無機窒化物と、無機硼化物と、無機硫化物と、無機セレン化物と、金属化合物と、金属とからなる群から選択される1種類である。
無機酸化物は、例えば、シリカと、アルミナと、ジルコニアと、チタニアと、セリアと、酸化亜鉛と、酸化スズと、イットリウムアルミニウムガーネット(YAG)とからなる群から選択される1種類である。無機窒化物は、例えば、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素からなる群から選択される1種類である。無機硼化物は、例えば、ZrB2と、CrB2とからなる群から選択される1種類である。無機硫化物は、例えば、硫化亜鉛と、硫化カルシウムと、硫化カドミウムと、硫化ストロンチウムとからなる群から選択される1種類である。無機セレン化物は、例えば、セレン化亜鉛とセレン化カドミウムとからなる群から選択される1種類である。金属粒子は、Si、Ni、W、Ta、Cr、Ti、Mg、Ca、Al、Au、Ag、および、Znからなる群から選択される1種類の粒子である。
なお、大径粒子SLを形成する材料は、構成元素の一部が、それとは異なる他元素によって置換されてもよい。例えば、大径粒子SLを形成する材料は、シリコンとアルミニウムと酸素と窒素とからなるサイアロンであってもよい。また、大径粒子SLは、互いに異なる材料からなる2種類以上の粒子の混合物であってもよい。また、大径粒子SLは、互いに異なる材料からなる積層体であってもよく、例えば、無機窒化物からなる無機粒子が、無機酸化物によって被覆された粒子であってもよい。また、大径粒子SLは、無機粒子の中にセリウムやユーロピウムなどの付活剤が導入された蛍光体粒子であってもよい。なお、上述した材料のなかでも、大径粒子SLの形状が安定している点で、大径粒子SLを形成する材料は、無機酸化物であることが好ましく、そのなかでもシリカがより好ましい。
大径粒子SLの粒径は、上述の各実施形態において例示した大きさの大突部12を形成するためには、300nm以上5μm以下であることが好ましい。
大径粒子膜形成工程には、下記3つの方法のいずれか一つが用いられる。
・ラングミュア−ブロジェット法(LB法)
・粒子吸着法
・バインダー層固定法
LB法においては、水よりも比重が低い溶剤のなかに粒子が分散した分散液が用いられ、まず、水の液面に分散液が滴下される。ついで、分散液から溶剤が揮発することによって、粒子からなる単粒子膜が水面に形成される。そして、水面に形成された単粒子膜が、突部形成面11Sに移し取られることによって、突部形成面11Sに単粒子膜が形成される。
粒子吸着法においては、まず、コロイド粒子の懸濁液のなかに素子用基板11が浸漬される。ついで、突部形成面11Sと静電気的に結合した第1層目の粒子層のみが残されるように、第2層目以上の粒子が除去される。これによって、突部形成面11Sに単粒子膜が形成される。
バインダー層固定法においては、まず、突部形成面11Sにバインダー層が形成されて、バインダー層上に粒子の分散液が塗布される。ついで、バインダー層が加熱によって軟化して、第1層目の粒子層のみが、バインダー層のなかに埋め込まれ、2層目以上の粒子が洗い落とされる。これによって、突部形成面11Sに単粒子膜が形成される。
大径粒子膜形成工程に用いられる成膜方法は、下記式(1)に示される充填度合いD(%)を15%以下とする方法がよい。なかでも、単層化の精度、膜形成に要する操作の簡便性、大径粒子膜の面積の拡張性、大径粒子膜が有する特性の再現性などの点から、LB法が好ましい。
充填度合いD[%]=|B−A|×100/A・・・(1)
式(1)において、Aは粒子の平均粒径であり、Bは互いに隣り合う粒子間のピッチにおける最頻値であり、|B−A|はAとBとの差の絶対値である。
充填度合いDは、単粒子膜において、粒子が最密充填されている度合いを示す指標である。充填度合いDが小さいほど、粒子が六方充填されている度合いは高く、粒子の間隔が調整された状態であって、単粒子膜における粒子の配列の精度が高い。単粒子膜における粒子の密度を高める点から、充填度合いDは、10%以下であることが好ましく、1.0%以上3.0%以下であることがより好ましい。
粒子の平均粒径Aは、単粒子膜を構成する粒子の平均一次粒径である。粒子の平均一次粒径は、粒度分布のピークから求められる。粒度分布は、粒子動的光散乱法によって求められる粒度分布の近似から得られる。なお、充填度合いDを15%以下とするために、粒子における粒径の変動係数(標準偏差を平均値で除した値)は、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。
粒子間のピッチにおける最頻値は、互いに隣り合う2個の粒子同士の頂点と頂点との間の距離の最頻値である。なお、粒子が球形であって、粒子間が隙間なく互いに接しているとき、互いに隣り合う粒子同士の頂点と頂点との間の距離は、互いに隣り合う粒子同士の中心と中心との間の距離である。なお、粒子間のピッチにおける最頻値は、大突部12の第1ピッチXと同様に、単粒子膜の原子間力顕微鏡像に基づいて得られる。
次に、単粒子膜を形成する方法の一例としてLB法を用いる方法について説明する。
まず、水が溜められた水槽と分散液とが準備される。分散液には、水よりも比重の低い溶剤のなかに大径粒子SLが分散されている。大径粒子SLの表面は、疎水性を有することが好ましく、分散媒における溶剤も、疎水性を有することが好ましい。大径粒子SL、および、溶剤が疎水性を有する構成であれば、大径粒子SLの自己組織化が水面で進行して、六方充填した粒子から構成される単粒子膜が形成されやすくなる。分散媒における溶剤は、高い揮発性を有することが好ましい。揮発性が高く、かつ、疎水性である溶剤には、クロロホルム、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、エチルエチルケトン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、酢酸エチル、および、酢酸ブチルからなる群から選択される1種以上の揮発性有機溶剤が用いられる。
大径粒子SLが無機粒子であるとき、大径粒子SLの表面は、通常、親水性である。そのため、大径粒子SLが無機粒子であるとき、大径粒子SLの表面は、疎水化剤によって疎水化されることが好ましい。大径粒子SLの疎水化に用いられる疎水化剤としては、例えば、界面活性剤や金属アルコキシシランなどが用いられる。
分散液は、メンブランフィルターなどによって精密ろ過されて、分散液のなかに含まれる凝集粒子、すなわち、複数の1次粒子の集合である2次粒子が除去されていることが好ましい。精密ろ過されている分散液であれば、粒子が2層以上重なる箇所や、粒子が存在しない箇所が、単粒子膜にて生成されがたくなり、精度の高い単粒子膜が得られやすくなる。
図12に示されるように、水面Lに分散液が滴下されて、分散液のなかの溶剤が揮発すると、大径粒子SLが水面Lに沿って単層で展開する。この際に、水面に分散した大径粒子SLが集結するとき、互いに隣り合う大径粒子SLの間には、その間に介在する溶剤に起因して表面張力が作用する。その結果、互いに隣り合う大径粒子SLは、ランダムに存在するのではなく、2次元的な自己組織化によって六方充填された構造を形成する。これによって、六方充填した粒子から構成される単粒子膜FLが形成される。
なお、分散液における大径粒子SLの濃度は、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、分散液の滴下される速度は、0.001ml/秒以上10ml/秒以下であることが好ましい。分散液における大径粒子SLの濃度および分散液の滴下される速度が上記範囲内であれば、大径粒子SLがクラスター状に凝集して2層以上に重なることが抑えられる。また、大径粒子SLが存在しない欠陥箇所が生じることが抑えられ、六方充填した粒子から構成される単粒子膜が得られやすい。
また、大径粒子膜形成工程は、水面Lに超音波が照射される条件で実施されることが好ましい。水面Lに超音波が照射されながら分散液の溶剤が揮発すると、大径粒子SLにおいて単粒子膜における粒子の六方充填が進む。また、水面Lに超音波が照射されながら分散液の溶剤が揮発すると、大径粒子SLの軟凝集体が破壊されて、一度生成された点欠陥、線欠陥、または、結晶転位などが修復されもする。
水面Lに形成された単粒子膜FLは、単層状態を保ちながら素子用基板11に移し取られる。単粒子膜FLを素子用基板11に移し取る方法は、例えば、疎水性を有する突部形成面11Sと単粒子膜FLの主面とが略平行に保たれ、単粒子膜FLの上方から、突部形成面11Sが単粒子膜FLと接触する。そして、疎水性を有する単粒子膜FLと、同じく疎水性を有する突部形成面11Sとの親和力によって、単粒子膜FLが素子用基板11に移し取られる。あるいは、単粒子膜FLが形成される前に、あらかじめ水中に配置された突部形成面11Sと、水面Lとが略平行に配置され、単粒子膜FLが水面Lに形成された後に、水面Lが徐々に下げられて、突部形成面11Sに単粒子膜FLが移し取られる。
これらの方法であれば、特別な装置が使用されずに、単粒子膜FLが突部形成面11Sに移し取られる。一方で、大面積の単粒子膜FLにおいて粒子が六方充填した状態を保ちながら突部形成面11Sに移し取られる点では、以下に示されるLBトラフ法が好ましい。
図13に示されるように、LBトラフ法においては、まず、素子用基板11が立てられた状態で、あらかじめ水面Lの下に素子用基板11が浸漬されて、水面Lに単粒子膜FLが形成される。そして、素子用基板11が立てられた状態で、素子用基板11が徐々に上方に引き上げられることによって、単粒子膜FLが素子用基板11に移し取られる。この際に、突部形成面11Sに移し取られた単粒子膜FLは、その全体で完全な六方充填構造を有しない。すなわち、突部形成面11Sに移し取られた単粒子膜FLは、互いに区画された複数の膜要素から構成されて、複数の膜要素の各々で、大径粒子SLの六方充填構造が連続することになる。
なお、図13では、素子用基板11の両面に単粒子膜FLが移し取られる状態が示されているが、少なくとも突部形成面11Sに単粒子膜FLは移し取られればよい。また、単粒子膜FLは、水面Lにて単層に形成されているため、素子用基板11の引き上げ速度などが多少変動しても、単粒子膜FLが崩壊して多層化するおそれはない。
突部形成面11Sに移し取られた単粒子膜FLに対しては、単粒子膜FLを突部形成面11Sに固定する固定処理が行われてもよい。単粒子膜FLを突部形成面11Sに固定する方法には、バインダーによって大径粒子SLと突部形成面11Sとが接合される方法や、大径粒子SLが突部形成面11Sと融着する焼結法が用いられる。
バインダーを用いる固定方法では、単粒子膜FLが移し取られた突部形成面11Sにバインダー溶液が供給されて、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLと突部形成面11Sとの間にバインダー溶液が浸透する。この際に、バインダーの使用量は、単粒子膜FLの質量に対して0.001倍以上0.02倍以下であることが好ましい。このような使用量の範囲であれば、バインダーが多すぎて、互いに隣り合う大径粒子SLの間にバインダーが詰まってしまうことが抑えられ、かつ、大径粒子SLを突部形成面11Sに固定することができる。バインダーには、金属アルコキシシランや一般の有機バインダー、無機バインダーなどが用いられる。
焼結法では、単粒子膜FLを移し取った素子用基板11が加熱されて、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLが、突部形成面11Sに融着する。この際に、素子用基板11の加熱温度は、大径粒子SLを形成する材料と、素子用基板11を形成する材料とに応じて、適宜決定される。なお、素子用基板11が空気中で加熱されるとき、素子用基板11や大径粒子SLが酸化する可能性がある。そのため、焼結法が用いられるときには、不活性ガスの雰囲気で素子用基板11を加熱することが好ましい。
[大径粒子エッチング工程]
図14に示されるように、単層の大径粒子SLから構成される単粒子膜FLは、突部形成面11Sに形成される。単粒子膜FLは、突部形成面11Sの平面視にて、大径粒子SLが六方充填した構造を有している。
大径粒子エッチング工程では、大径粒子SLと素子用基板11が共にエッチングされる条件でエッチングを行ってもよいが、好ましくは、素子用基板11が実質的にエッチングされないエッチング条件で、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLがエッチングされる。この際に、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLの粒径は、選択的なエッチングによって縮小し、互いに隣り合う大径粒子SLの間には、新たな間隙が形成される。
突部形成面11Sが実質的にエッチングされないエッチング条件では、大径粒子SLのエッチング速度に対する突部形成面11Sのエッチング速度の割合が、25%以下であることが好ましい。大径粒子SLのエッチング速度に対する突部形成面11Sのエッチング速度の割合は、15%以下であることがより好ましく、特に10%以下であることが好ましい。なお、このようなエッチング条件は、反応性エッチングに用いられるエッチングガスを適切に選択すればよい。例えば、素子用基板11がサファイアであり、大径粒子SLがシリカである場合には、Cl2、HCl、CF4、SF6、CHF3、C2F6、C3F8、CH2F2、および、NF3からなる群から選択される1種類以上のガスをエッチングガスとして用いればよい。また、素子用基板11をエッチングすることの必要に応じて、Arなどの希ガスやO2などの添加ガスをエッチングガスに加えることが好ましい。なお、エッチングガスは、これらに限定されること無く、単粒子膜FLを構成する粒子の材質に応じて適宜選択されるものである。
図15に示されるように、次に、縮径された大径粒子SLをマスクとして、突部形成面11Sがエッチングされる。この際に、突部形成面11Sは、互いに隣り合う大径粒子SLの間の空隙を通じてエッチャントであるエッチングガスに曝され、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLもまた、エッチャントであるエッチングガスに曝される。
ここで、突部形成面11Sでは、突部形成面11Sと対向する大径粒子SLの部位が、大径粒子SLの中心から遠い部位であるほど、先にエッチングが進行する。そして、大径粒子SLの消滅に伴って、大径粒子SLの中心と対向する領域でも、エッチングが進行する。
図16に示されるように、結果として、突部形成面11Sでは、大径粒子SLの中心と対向していた部分を頂点とした半球形状を有する原型突部16が形成される。原型突部16は、大突部12の原型となる。原型突部16の第1ピッチXは、単粒子膜FLにて互いに隣り合う大径粒子SLの間の間隔と同等であり、原型突部16の配置もまた、大径粒子SLの配置と同様である。また、大径粒子SLが縮径される前の状態において、互いに隣り合う大径粒子SLの隙間と対向していた領域、および、大径粒子SLの外表面の付近と対向していた領域は、エッチングガスに曝される時間が特に長いため、エッチングの進行度合いが大きくなる結果、平坦になる。
大径粒子エッチング工程では、突部形成面11Sのエッチング速度が、大径粒子SLのエッチング速度よりも高いことが好ましい。大径粒子SLのエッチング速度に対する突部形成面11Sのエッチング速度の割合は、200%以上であることが好ましく、300%以下であることがより好ましい。なお、このようなエッチング条件は、反応性エッチングに用いられるエッチングガスを適切に選択すればよい。例えば、素子用基板11がサファイアであり、大径粒子SLがシリカである場合、Cl2、BCl3、SiCl4、HBr、HI、HCl、CF4、CHF3、C2F6、C3F8、CH2F2、および、Arからなる群から選択される1種類以上のガスをエッチングガスとして用いればよい。なお、突部形成面11Sのエッチングに用いられるエッチングガスは、これらに限定されること無く、素子用基板11を形成する材料に応じて適宜選択されるものである。
[小径粒子膜形成工程]
小径粒子工程にて用いられる単粒子膜を構成する小径粒子SSは、大径粒子SLよりも小さい粒径を有している。一方で、小径粒子SSの材料は上述の大径粒子膜形成工程にて例示した各種の材料が用いられる。
小径粒子SSの粒径は、上述の各実施形態および変形例にて例示した大きさの小突部13を形成するためには、100nm以上1μm以下であることが好ましい。そして、小径粒子SSの粒径は、大径粒子SLの粒径の1/50以上1/3以下であることが好ましい。小径粒子SSの粒径が大径粒子SLの粒径の1/50以上であれば、小径粒子SSの大きさが適度に確保されるため、小径粒子SSから構成される単粒子膜がマスクとして機能しやすい。また、小径粒子SSの粒径が大径粒子SLの粒径の1/3以下であれば、形成される大突部12に対して小突部13が大きくなりすぎないため、第1の実施形態にて説明した大突部12による光の反射角度を調整する効果や、小突部13による光の回折を引き起こす効果が突部12,13ごとに得られやすい。
小径粒子膜形成工程では、大径粒子膜形成工程にて例示した単粒子膜形成方法のいずれか一つを用いて、原型突部16が形成された突部形成面11Sに、小径粒子SSから構成される単粒子膜FSが形成される。突部形成面11Sに単粒子膜FSを形成する方法としては、大径粒子膜形成工程と同様に、LBトラフ法が好ましい。こうした単粒子膜FSの形成方法における各種の条件は、大径粒子膜形成工程にて例示した条件と同様の条件が適用される。
[小径粒子エッチング工程]
図17に示されるように、単層の小径粒子SSから構成される単粒子膜FSは、大径粒子エッチング工程によって原型突部16が形成された突部形成面11Sに形成される。単粒子膜FSは、突部形成面11Sの平面視にて、小径粒子SSが六方充填した構造を有している。小径粒子SSは、原型突部16の外表面上と、互いに隣接する原型突部16の間の平坦な部分とに並ぶ。
小径粒子エッチング工程では、大径粒子エッチング工程と同様の流れによって、小径粒子SSをマスクとして、突部形成面11Sがエッチングされる。
まず、好ましくは素子用基板11が実質的にエッチングされないエッチング条件で、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSがエッチングされる。この際に、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSの粒径は、選択的なエッチングによって縮小し、互いに隣り合う小径粒子SSの間には、新たな間隙が形成される。なお、突部形成面11Sが実質的にエッチングされないエッチング条件は、大径粒子エッチング工程にて例示した条件と同様の条件が適用される。
次に、縮径された小径粒子SSをマスクとして、突部形成面11Sがエッチングされる。この際に、突部形成面11Sは、互いに隣り合う小径粒子SSの間の空隙を通じてエッチャントであるエッチングガスに曝され、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSもまた、エッチャントであるエッチングガスに曝される。
突部形成面11Sでは、突部形成面11Sと対向する小径粒子SSの部位が、小径粒子SSの中心から遠い部位であるほど、先にエッチングが進行する。そして、小径粒子SSの消滅に伴って、小径粒子SSの中心と対向する領域でも、エッチングが進行する。
図18に示されるように、小径粒子SSをマスクとしたエッチングの結果として、突部形成面11Sでは、原型突部16の形状に追従した形状を有する大突部12と、小径粒子SSと対向していた部分に位置し、錐体形状を有する小突部13と、互いに隣接する原型突部16の間の平坦な部分に対応する位置に平坦部14とが形成される。上述のように、突部形成面11Sに単粒子膜FSが形成された状態において、小径粒子SSは、原型突部16の外表面上と、互いに隣接する原型突部16の間の平坦な部分とに並ぶため、小突部13は、大突部12の外表面上と、平坦部14上とに形成される。
ここで、突部形成面11Sに単粒子膜FSが形成された状態において、小径粒子SSは、半球形状の原型突部16の外表面に沿って並んでいるため、原型突部16の基端付近では、突部形成面11Sに垂直な方向に、1個よりも多い小径粒子SSが重なって配置される。原型突部16の先端から基端に向かって、垂直方向における小径粒子SSの重なりは大きくなるため、原型突部16の先端から基端に向かうに連れて、突部形成面11Sがエッチングガスに曝される時間は短くなる。その結果、原型突部16の先端から基端に向かうに連れてエッチングの進行が遅くなるため、原型突部16の先端に位置する小突部13から基端に位置する小突部13に向かって、小突部13における高さは小さくなる。また、垂直方向に小径粒子SSが重なることによって、小径粒子SSによって覆われてエッチングの進行が遅くなる領域が拡大する。その結果、原型突部16の先端に位置する小突部13から基端に位置する小突部13に向かって、小突部13ごとの幅は大きくなる。突部形成面11Sがエッチングされる際のエッチング条件は、大径粒子エッチング工程にて例示した条件と同様の条件が適用される。
[第2の製造方法]
図19〜図23を参照して、半導体発光素子用基板を製造する第2の製造方法について説明する。なお、以下に説明する半導体発光素子用基板の第2の製造方法は、先に説明した第1の製造方法と比較して、大径粒子工程と小径粒子工程の順番が異なる。以下では、先に説明した第1の製造方法との相違点を中心に説明する。
小径粒子工程は、小径粒子膜形成工程と小径粒子エッチング工程とを含み、大径粒子工程は、大径粒子膜形成工程と大径粒子エッチング工程とを含む。
小径粒子膜形成工程では、突部形成面11Sに小径粒子SSから構成される単粒子膜FSが形成され、小径粒子エッチング工程では、単粒子膜FSをマスクとして突部形成面11Sがエッチングされる。大径粒子膜形成工程では、小径粒子エッチング工程にてエッチングされた突部形成面11Sに大径粒子SLから構成される単粒子膜FLが形成され、単粒子膜FLをマスクとして突部形成面11Sがさらにエッチングされる。
以下、第2の製造方法に含まれる各工程を処理の順に説明する。
[小径粒子膜形成工程]
小径粒子工程にて用いられる単粒子膜FSを構成する小径粒子SSの粒径や材料は、第1の製造方法にて例示した粒径や材料と同様である。ただし、第2の製造方法においては、小径粒子SSの粒径は、大径粒子SLの粒径の1/10以上1/3以下であることが好ましい。第2の製造方法では、小径粒子SSから構成される単粒子膜FSをマスクとしたエッチングが先に行われるため、突部形成面11Sに形成される原型突部の大きさは、第1の製造方法における原型突部の大きさよりも小さい。そして、この小さい原型突部が、大径粒子SLから構成される単粒子膜FLをマスクとしたエッチングが行われる間、エッチングガスに曝される。小径粒子SSの粒径が大径粒子SLの粒径の1/10以上であれば、大径粒子エッチング工程を経ても、原型突部が消滅することなく、小突部13として十分な大きさの突部が形成される。
小径粒子膜形成工程では、第1の製造方法にて例示した単粒子膜形成方法と同様の方法によって、突部形成面11Sに小径粒子SSから構成される単粒子膜FSが形成される。
[小径粒子エッチング工程]
図19に示されるように、単層の小径粒子SSから構成される単粒子膜FSは、突部形成面11Sに形成される。単粒子膜FSは、突部形成面11Sの平面視にて、小径粒子SSが六方充填した構造を有している。
小径粒子エッチング工程では、まず、好ましくは素子用基板11が実質的にエッチングされないエッチング条件で、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSがエッチングされる。この際に、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSの粒径は、選択的なエッチングによって縮小し、互いに隣り合う小径粒子SSの間には、新たな間隙が形成される。なお、突部形成面11Sが実質的にエッチングされないエッチング条件は、第1の製造方法にて例示した条件と同様の条件が適用される。
図20に示されるように、次に、縮径された小径粒子SSをマスクとして、突部形成面11Sがエッチングされる。この際に、突部形成面11Sは、互いに隣り合う小径粒子SSの間の空隙を通じてエッチャントであるエッチングガスに曝され、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSもまた、エッチャントであるエッチングガスに曝される。突部形成面11Sでは、突部形成面11Sと対向する小径粒子SSの部位が、小径粒子SSの中心から遠い部位であるほど、先にエッチングが進行する。そして、小径粒子SSの消滅に伴って、小径粒子SSの中心と対向する領域でも、エッチングが進行する。
図21に示されるように、小径粒子SSをマスクとしたエッチングの結果として、突部形成面11Sでは、小径粒子SSの中心と対向していた部分を頂点とした半球形状を有する原型突部17が形成される。原型突部17の第2ピッチYは、単粒子膜FSにて互いに隣り合う小径粒子SSの間の間隔と同等であり、原型突部17の配置もまた、小径粒子SSの配置と同様である。また、小径粒子SSが縮径される前の状態において、互いに隣り合う小径粒子SSの隙間と対向していた領域、および、小径粒子SSの外表面の付近と対向していた領域は、エッチングガスに曝される時間が特に長いため、エッチングの進行度合いが大きくなる結果、平坦になる。
なお、突部形成面11Sがエッチングされる際のエッチング条件は、第1の製造方法にて例示した条件と同様の条件が適用される。
[大径粒子膜形成工程]
大径粒子工程にて用いられる単粒子膜を構成する大径粒子SLの粒径や材料は、第1の製造方法にて例示した粒径や材料と同様である。
大径粒子膜形成工程では、第1の製造方法にて例示した単粒子膜形成方法と同様の方法によって、原型突部17が形成された突部形成面11Sに、大径粒子SLから構成される単粒子膜FLが形成される。ここで、第1の製造方法では、原型突部16の大きさに対して、その上に配置される小径粒子SSの大きさは小さいが、第2の製造方法では、原型突部17の大きさに対して、その上に配置される大径粒子SLの大きさは大きい。したがって、第1の製造方法よりも第2の製造方法の方が、原型突部の形成後に突部形成面11Sに形成される単粒子膜FLが平坦になりやすく、突部形成面11Sに粒子が規則正しく並びやすい。結果として、第1の製造方法よりも第2の製造方法の方が、突部形成面11Sにおける大突部12、および、小突部13の配置の均一性が高められる。
[大径粒子エッチング工程]
図22に示されるように、単層の大径粒子SLから構成される単粒子膜FLは、小径粒子エッチング工程によって原型突部17が形成された突部形成面11Sに形成される。単粒子膜FLは、突部形成面11Sの平面視にて、大径粒子SLが六方充填した構造を有している。
大径粒子エッチング工程では、まず、好ましくは素子用基板11が実質的にエッチングされないエッチング条件で、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLがエッチングされる。この際に、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLの粒径は、選択的なエッチングによって縮小し、互いに隣り合う大径粒子SLの間には、新たな間隙が形成される。なお、突部形成面11Sが実質的にエッチングされないエッチング条件は、第1の製造方法にて例示した条件と同様の条件が適用される。
次に、縮径された大径粒子SLをマスクとして、突部形成面11Sがエッチングされる。この際に、突部形成面11Sは、互いに隣り合う大径粒子SLの間の空隙を通じてエッチャントであるエッチングガスに曝され、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLもまた、エッチャントであるエッチングガスに曝される。
突部形成面11Sでは、突部形成面11Sと対向する大径粒子SLの部位が、大径粒子SLの中心から遠い部位であるほど、先にエッチングが進行する。そして、大径粒子SLの消滅に伴って、大径粒子SLの中心と対向する領域でも、エッチングが進行する。
図23に示されるように、大径粒子SLをマスクとしたエッチングの結果として、突部形成面11Sでは、大径粒子SLの中心と対向していた部分を頂点とした錐体形状を有する大突部12と、原型突部17の位置に対応した位置に位置する小突部13とが形成される。大突部12の第1ピッチXは、単粒子膜FLにて互いに隣り合う大径粒子SLの間の間隔と同等であり、大突部12の配置もまた、大径粒子SLの配置と同様である。
そして、大径粒子SLをマスクとしたエッチング工程において、小径粒子SSのマスクによって形成された段差が平坦部14に残っているときに、突部形成面11Sのエッチングが停止される。こうした製造方法によっても、上述した半導体発光素子用基板が製造される。
[第3の製造方法]
図24〜図26を参照して、半導体発光素子用基板を製造する第3の製造方法について説明する。なお、第3の製造方法は、第1の製造方法と比較して、各単粒子膜を形成する工程と、各単粒子膜をマスクとしてエッチングする工程との順番が異なる。以下では、第1の製造方法との相違点を中心に説明する。
[半導体素子用基板の製造方法]
第3の製造方法では、大径粒子膜形成工程よりも先に小径粒子膜形成工程が行われる。そして、小径粒子膜形成工程と大径粒子膜形成工程とが順に行われた後に、小径粒子SSからなる単粒子膜FSをマスクにしたエッチングである第1工程と、大径粒子SLからなる単粒子膜FLをマスクにしたエッチングである第2工程とが同時に行われる。
小径粒子膜形成工程では、突部形成面11Sに小径粒子SSから構成される単粒子膜FSが形成される。大径粒子膜形成工程では、小径粒子SSから構成される単粒子膜FSに、大径粒子SLから構成される単粒子膜FLが積み重ねられる。
エッチング工程では、単粒子膜FLをマスクとして突部形成面11Sがエッチングされ、かつ、互いに隣り合う大径粒子SLの間に位置する単粒子膜FSをマスクとして突部形成面11Sがエッチングされる。
以下、第3の製造方法に含まれる各工程を処理の順に説明する。
図24に示されるように、まず、小径粒子膜形成工程にて、単層の小径粒子SSから構成される単粒子膜FSが、突部形成面11Sに形成される。小径粒子膜形成工程では、第2の製造方法にて例示した単粒子膜形成方法と同様の方法によって、突部形成面11Sに単粒子膜FSが形成される。小径粒子SSの粒径や材料は、第1の製造方法にて例示した粒径や材料と同様である。単粒子膜FSは、突部形成面11Sの平面視にて、小径粒子SSが六方充填した構造を有している。
ついで、大径粒子膜形成工程にて、単層の大径粒子SLから構成される単粒子膜FLが、単粒子膜FSの上に積み重ねられる。大径粒子膜形成工程では、第1の製造方法にて例示した単粒子膜形成方法と同様の方法によって、突部形成面11Sに単粒子膜FLが形成される。大径粒子SLの粒径や材料は、第1の製造方法にて例示した粒径や材料と同様である。大径粒子膜形成工程では、第2の製造方法にて例示した単粒子膜形成方法と同様の方法によって、単粒子膜FSの上に単粒子膜FLが積み重ねられる。大径粒子SLの粒径や材料は、第1の製造方法にて例示した粒径や材料と同様である。単粒子膜FLは、突部形成面11Sの平面視にて、大径粒子SLが六方充填した構造を有している。
これら2個の単粒子膜FS,FLの積み重なりによって、突部形成面11Sは、大径粒子SLによって覆われる部分と、互いに隣り合う大径粒子SLの隙間において小径粒子SSによって覆われる部分と、いずれの粒子SS,SLにも覆われない部分とが区画される。
図25に示されるように、エッチング工程では、まず、好ましくは素子用基板11が実質的にエッチングされないエッチング条件で、単粒子膜FSと単粒子膜FLとがエッチングされる。これによって、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLの粒径が縮小し、互いに隣り合う大径粒子SLの間には、新たな間隙が形成される。この際に、互いに隣り合う大径粒子SLの隙間を通じたエッチングによって、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSの粒径も縮小し、互いに隣り合う小径粒子SSの間にも、新たな間隙が形成される。結果として、縮径された大径粒子SL、および、縮径された小径粒子SSをマスクとして、突部形成面11Sがエッチングされる。
ついで、素子用基板11、単粒子膜FS、および、単粒子膜FLがエッチングされるエッチング条件で、各々のエッチングが進められる。この際に、突部形成面11Sは、互いに隣り合う小径粒子SSの間の空隙を通じてエッチャントであるエッチングガスに曝され、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSもまた、エッチャントであるエッチングガスに曝される。突部形成面11Sでは、小径粒子SSの中心から遠い部位であるほど、先にエッチングが進行する。こうしたエッチングの進行は、大径粒子SLの中心から遠い部位であるほど速い。そして、小径粒子SSの消滅に伴って、小径粒子SSの中心と対向する領域でも、エッチングが進行する。
図26に示されるように、突部形成面11Sにおいて、互いに隣り合う大径粒子SLの間の中央では、小径粒子SSが最も速く消滅する。そして、小径粒子SSから構成される単粒子膜FSと、大径粒子SLから構成される単粒子膜FLとをマスクにするエッチングは、大径粒子SLが消滅するまで行われる。この場合、大径粒子SLと対向していた領域は、錘体形状を有する大突部12として残る。こうした製造方法によっても、上述した半導体発光素子用基板に類似した構造が製造される。
なお、第3の製造方法においては、小径粒子SSから構成される単粒子膜FSをマスクとしたエッチングと、大径粒子SLから構成される単粒子膜FLをマスクとしたエッチングとが同時に行われる。そのため、小径粒子SSをマスクにしたエッチングによって小突部13が形成される間、大径粒子SLは、大突部22の先端を平坦な面として保護し続ける。それゆえに、第2の製造方法のように、小径粒子SSの粒径が、大径粒子SLの粒径の1/10以上1/3以下でなくとも、小突部13として十分な大きさの突部が形成される。
[半導体発光素子]
図27を参照して本開示における半導体発光素子の一実施形態を説明する。
図27に示されるように、半導体発光素子は、素子用基板11を基材として有している。素子用基板11としては、上述の各実施形態における半導体発光素子用基板が用いられる。半導体発光素子は、素子用基板11の突部形成面11Sに、突部形成面11Sの凹凸構造を覆う発光構造体21を有している。発光構造体21は、複数の半導体層から構成される積層体を有し、電流の供給によってキャリアを再結合させて発光する。複数の半導体層の各々は、突部形成面11Sから順に積み重ねられる。
複数の半導体層の各々を形成する材料は、GaN、AlN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、GaAs、AlGaAs、InGaAsP、InAlGaAsP、InP、InGaAs、InAlAs、ZnO、ZnSe、ZnS等の化合物半導体であることが好ましい。なかでも、複数の半導体層の各々を形成する材料は、V族元素が窒素であるIII-V族半導体であることが好ましい。
複数の半導体層の有する機能は、n型の導電性と、p型の導電性と、キャリアを再結合させる活性層とを含むことが好ましい。複数の半導体層における積層構造は、n型半導体層とp型半導体層との間に活性層が挟まれたダブルヘテロ構造であってもよいし、複数の量子井戸構造が重ねられた多重量子井戸構造であってもよい。
複数の半導体層は、バッファ層を含んでもよい。バッファ層は、突部形成面11Sに積層されて、突部形成面11Sの結晶性をバッファ層以外の半導体層に反映させる。具体的な半導体層の構成例としては、GaN、AlN等からなるバッファ層、n−GaN、n−AlGaN等からなるn型の導電性を有する層(クラッド層)、InGaN、GaN等からなる発光層、アンドープGaN、p−GaN等からなるp型の導電性を有する層(クラッド層)、MgドープAlGaN、MgドープGaNからなるキャップ層が順次積層されてなる多層膜が挙げられる。
半導体発光素子は、波長変換層を含んでもよい。波長変換層は、発光素子の上面のうち光の取り出される上面に積層されて、活性層にて生成された光の波長を調整する。例えば、活性層にて生成された光が、紫外線領域の光を多く含むとき、波長変換層は、紫外線領域の光を、照明用に適した白色の光に変換する。こうした波長変換層は、ピーク波長410〜483nmの蛍光を発する青色蛍光体、ピーク波長490〜556nmの蛍光を発する緑色蛍光体、および、ピーク波長585〜770nmの蛍光を発する赤色蛍光体を含む。また、活性層にて生成された光が、青色領域の光を多く含むとき、波長変換層は、紫外線領域青色領域の光を、照明用に適した白色の光に変換する。こうした波長変換層は、ピーク波長570〜578nmの蛍光を発する黄色蛍光体を含む。
[半導体発光素子の製造方法]
本開示における半導体発光素子の製造方法の一実施形態について説明する。
半導体発光素子の製造方法は、上述した半導体発光素子用基板の製造方法によって素子用基板11を製造する工程と、素子用基板11の突部形成面11Sに発光構造体21を形成する工程とを含んでいる。
発光構造体21における化合物半導体層を形成する方法は、エピタキシャル成長法や反応性スパッタ法などである。エピタキシャル成長法は、気相エピタキシャル成長法、液相エピタキシャル成長法、分子線エピタキシャル成長法などである。反応性スパッタ法は、化合物半導体層の構成元素からなるターゲットをスパッタし、ターゲットからスパッタされた粒子と気相中の不純物元素との反応によって半導体層の形成材料を生成する。n型半導体層を形成する方法は、n型不純物の添加されるエピタキシャル成長法や反応性スパッタ法であればよい。p型半導体層を形成する方法は、p型不純物の添加されるエピタキシャル成長法や反応性スパッタ法であればよい。
液相エピタキシャル成長法では、化合物半導体層の形成材料を含む過飽和溶液が、固相と液相との平衡状態を保ちながら、化合物半導体層の形成材料を突部形成面11S上に結晶として成長させる。気相エピタキシャル成長法では、原料ガスの流れる雰囲気が、化合物半導体層の形成材料を生成して、化合物半導体層の形成材料を突部形成面11S上に結晶として成長させる。分子線エピタキシャル成長法では、化合物半導体層の構成元素からなる分子または原子のビームが、突部形成面11S上を照射して、化合物半導体層の形成材料を突部形成面11S上に結晶として成長させる。なかでも、V族原料としてAsH3やPH3のような水素化物を用いるハライド気相成長法は、成長する化合物半導体層の厚さが大きい点にて好ましい。
[半導体発光素子用基板の作用]
上記素子用基板11を用いた半導体発光素子では、突部形成面11Sが平坦である場合と比較して、突部形成面11Sの大突部12が形成されている部分では、発光構造体にて生じた光の突部形成面11Sへの入射角は小さくなる。その結果、光の入射角が臨界角より大きくなることが抑えられるため、発光構造体と素子用基板11との界面で全反射が繰り返されることが抑えられる。
また、突部形成面11Sが小突部13を有していることによって、上述のような光の反射角度の変化に加えて、発光構造体にて生じた光は、小突部13に当たって回折を起こしやすくなる。特に、平坦部14からも小突部13が突き出ている構造であれば、こうした光の回折がより起こりやすい。
このように、突部形成面11Sが大突部12と小突部13とを有していることによって、発光構造体にて生じた光の進む方向が分散されるため、発光構造体と素子用基板11との界面で全反射が抑えられる結果、光の取り出し効率を高めることができる。
また、小突部13の形状は、大突部12の先端から基端へ向かって扁平になるため、大突部12の先端よりも基端の方が、大突部12の外表面における凹凸がなだらかになる。したがって、大突部12の先端よりも基端の方が、互いに隣り合う小突部13の間に形成される溝側面の傾きが緩やかになる。そのため、突部形成面11Sにバッファ層、アンドープGaNを含む半導体層が成膜される際に、大突部12の基端付近にて、上記溝がバッファ層、アンドープGaNを含む半導体層で埋まりやすくなる。そして、互いに隣り合う小突部13の間に形成される溝側面の傾きが小突部13の位置に関わらずほぼ一定である構造と比較して、バッファ層、アンドープGaNを含む半導体層の成膜が均一に進む。
また、突部形成面11Sの平面視にて、大突部12と小突部13とから構成される突部の外形が凹凸状に波打っているため、突部形成面11Sにバッファ層、アンドープGaNを含む半導体層が成膜される際に結晶欠陥が生じることが抑えられる。通常、結晶成長によってバッファ層、アンドープGaNを含む半導体層が成膜される際には、突部形成面11Sにおける平坦な部分を起点として、その平坦面に平行な方向と垂直な方向とに結晶成長が進む。ここで、複数の平坦な部分で生じた結晶が平坦面に平行な方向に進んでぶつかる際に結晶転位が起こりやすいが、この際に、突部形成面11Sの凹凸構造が障害となって結晶転位の進む方向が規制される。その結果、結晶転位が、その起こりやすい方向に進んで結晶欠陥が増大することが抑えられる。特に、上述したように大突部12の外形が凹凸状に波打った複雑な形状であれば、こうした結晶欠陥の抑制効果は高い。
(第1の変形例)
図28を参照して、本開示における半導体発光素子用基板の第1の変形例について説明する。第1の変形例は、上記実施形態と比較して大突部の形状が異なる。以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図28に示されるように、大突部22は、錐台形状であって、先端部分が平坦に形成され、頂点を有していない。大突部22が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、大突部22の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、大突部22の各々が有する形状は、互いに異なっていてもよい。
上記の構成においても、大突部22と接続している複数の小突部13においては、小突部13の高さHSは、小突部13の位置が大突部22の基端に近い小突部13ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部22の外表面と接続している複数の小突部13においては、小突部13の幅DSは、小突部13の位置が大突部22の基端に近い小突部13ほど大きくなることが好ましい。
(第2の変形例)
図29を参照して、本開示における半導体発光素子用基板の第2の変形例について説明する。第2の変形例は、上記実施形態と比較して小突部の形状が異なる。以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図29に示されるように、小突部23は、錐台形状であって、先端部分が平坦に形成され、頂点を有していない。小突部23が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、小突部23の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、小突部23の各々が有する形状は、互いに異なっていてもよい。
上記の構成においても、大突部12と接続している複数の小突部23においては、小突部23の高さHSは、小突部23の位置が大突部12の基端に近い小突部23ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部12の外表面と接続している複数の小突部23においては、小突部23の幅DSは、小突部23の位置が大突部12の基端に近い小突部23ほど大きくなることが好ましい。
(第3の変形例)
図30を参照して、本開示における半導体発光素子用基板の第3の変形例について説明する。第3の変形例は、上記実施形態と比較して、大突部の形状と小突部の形状が異なる。以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図30に示されるように、大突部22は、錐台形状であって、先端部分が平坦に形成され、頂点を有していない。また、小突部23は、錐台形状であって、先端部分が平坦に形成され、頂点を有していない。
大突部22、および、小突部23が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、大突部22の側面を構成する母線、および、小突部23の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、大突部22と小突部23とが、互いに異なる錐台形状を有していてもよい。さらに、大突部22の各々が有する形状は互いに異なっていてもよく、小突部23の各々が有する形状は互いに異なっていてもよい。
上記の構成においても、大突部22と接続している複数の小突部23においては、小突部23の高さHSは、小突部23の位置が大突部22の基端に近い小突部23ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部22の外表面と接続している複数の小突部23においては、小突部23の幅DSは、小突部23の位置が大突部22の基端に近い小突部23ほど大きくなることが好ましい。
(第4の変形例)
図31および図32を参照して、本開示における半導体発光素子用基板の第4の変形例について説明する。第4の変形例は、上記実施形態と比較して、大突部の形状が異なる。以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図31に示されるように、大突部22は、錐台形状であって、先端部分に平坦な面22Sを有している。大突部22が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、大突部22の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、大突部22の各々が有する形状は、互いに異なっていてもよい。
大突部22の有する平坦な面22Sは、一つの結晶面に沿って広がる平面である。素子用基板11の結晶系が六方晶系であるとき、平坦な面22Sは、例えば、c面、m面、a面、および、r面からなる群から選択される一つが連続する平面である。素子用基板11の結晶系が立方晶系であるとき、平坦な面22Sは、例えば、(001)面、(111面)面、および、(110)面からなる群から選択される一つが連なる平面である。なお、平坦な面22Sが有する結晶面は、上記指数面よりも高指数面であってもよく、発光構造体に結晶性を与えることに適した一つの結晶面であればよい。
大突部22の外表面に位置する複数の小突部13は、大突部22の周方向に沿って並んでいる。大突部22において平坦部14に接続する基端22Eには、1段目の小突部13が、大突部22の周方向に沿って並んでいる。また、大突部22の外表面において、1段目の小突部13よりも大突部22の先端に近い部位には、2段目の小突部13が、これもまた大突部22の周方向に沿って並んでいる。
図32が示すように、大突部22の外表面に位置する複数の小突部13は、大突部22の外表面の中で平坦な面22S以外から突き出ている。複数の小突部13の各々は、大突部22の外表面に接続する基端から先端に向かって細くなる錐体形状を有している。なお、大突部22の外表面において、複数の小突部13は、1段目の小突部13のみから構成されてもよいし、3段以上の小突部13から構成されてもよい。
上記の構成においても、大突部22と接続している複数の小突部13においては、小突部13の高さHSは、小突部13の位置が大突部22の基端に近い小突部13ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部22の外表面と接続している複数の小突部13においては、小突部13の幅DSは、小突部13の位置が大突部22の基端に近い小突部13ほど大きくなることが好ましい。
こうした構成によれば、大突部22の先端が平坦な面22Sを有するため、大突部22の先端において、半導体層が結晶性を有することを促すことが可能である。
(第5の変形例)
図33、および、図34を参照して、本開示の半導体発光素子用基板における第5の変形例について説明する。第5の変形例は、上記実施形態と比較して、大突部とおよび小突部の形状が異なる。以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図33に示されるように、大突部22は、錐台形状であって、先端部分に平坦な面22Sを有している。また、小突部23は、錐台形状であって、先端部分に平坦な面を有している。
大突部22、および、小突部23が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、大突部22の側面を構成する母線、および、小突部23の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、大突部22と小突部23とが、互いに異なる錐台形状を有していてもよい。さらに、大突部22の各々が有する形状は互いに異なっていてもよく、小突部23の各々が有する形状は互いに異なっていてもよい。
上記の構成においても、大突部22と接続している複数の小突部23においては、小突部23の高さHSは、小突部23の位置が大突部22の基端に近い小突部23ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部22の外表面と接続している複数の小突部23においては、小突部23の幅DSは、小突部23の位置が大突部22の基端に近い小突部23ほど大きくなることが好ましい。
なお、図34に示されるように、小突部23の中で2段目の小突部23は、錐台形状であって、先端部分に平坦な面を有している一方で、小突部23の中で、平坦部14から突き出る小突部23、および、1段目の小突部23は、小突部23を形成するための条件を簡便に設定できる観点において、錐体形状であることが好ましい。
こうした構成によれば、大突部22の先端が平坦な面22Sを有するため、大突部22の先端において、半導体層が結晶性を有することを促すことが可能である。また、小突部23の先端が平坦な面を有するため、小突部23の先端においても、半導体層が結晶性を有することを促すことが可能である。
(第6の変形例)
図35を参照して、上記実施形態の変形例である第6の変形例について説明する。第6の変形例は、上記実施形態と比較して、突部形成面11Sがブリッジ部を備えている点が異なる。以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図35に示されるように、突部形成面11Sが有する凹凸構造には、大突部12、小突部13、平坦部14に加えて、多数のブリッジ部15が含まれている。
複数のブリッジ部15の各々は、平坦部14から突き出て、かつ、互いに隣り合う大突部12の間を連結している。ブリッジ部15は、錐体形状を有する大突部12の中心同士を結ぶ突条形状を有し、ブリッジ部15の高さは、大突部12の高さよりも低い。なお、ブリッジ部15の有する形状は、直線形状に限らず、曲線形状であってもよいし、折線形状であってもよい。ブリッジ部15の各々が有する形状は、互いに異なっていてもよい。
こうした構成によれば、ブリッジ部15が形成されることによって、発光構造体にて生じた光はブリッジ部15の位置でも反射等によって進む方向を変えるため、光の取り出し効率がより高められる。また、ブリッジ部15が形成されることによって、突部形成面11Sの凹凸構造がより複雑になるため、大突部12と小突部13とから構成される突部の外形が凹凸状であることによる効果と同様に、結晶欠陥の抑制効果が高められる。
なお、上記実施形態、および、第1〜第6の変形例の各々は他の形態と組み合わされてもよい。例えば、第1〜第5の変形例の半導体発光素子用基板に、第6の変形例のブリッジ部15が設けられてもよい。また例えば、一つの半導体発光素子用基板に、上記実施形態の大突部12と小突部13とからなる突部と、第1〜第5の変形例の各々における大突部と小突部とからなる突部とが混在していてもよい。
(第7の変形例)
図36および図37を参照して、本開示の半導体発光素子用基板における第7の変形例について説明する。第7の変形例は、上記実施形態と比較して、小突部の配置が異なる。以下では、上記実施形態との相違点を中心に説明し、上記実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図36に示されるように、素子用基板11の有するすべての小突部13は大突部12から突き出ており、平坦部14からは小突部13が突き出ていない。
大突部12の形状や配置に関する条件は、上記実施形態の大突部12の形状や配置と同様である。また、小突部13の形状や配置に関する条件は、上記実施形態における大突部12と接続している小突部13の形状や配置と同様である。
すなわち、第7の変形例においても、大突部12と接続している複数の小突部13においては、小突部13の高さHSは、小突部13の位置が大突部12の基端に近い小突部13ほど小さくなることが好ましい。また、上記垂直断面において、大突部12の外表面と接続している複数の小突部13においては、小突部13の幅DSは、小突部13の位置が大突部12の基端に近い小突部13ほど大きくなることが好ましい。
図37に示されるように、突部形成面11Sの平面視にて、平坦部14には、小突部13が形成されていない。大突部12の外周縁からは、小突部13が突き出ており、大突部12と、その大突部12に接続している小突部13とから構成される突部の外形は、凹凸状に波打っている。
第7の変形例においては、平坦部14に小突部13が形成されていないため、突部形成面11Sにおいて、平坦な部分の面積が増える。上述のように、突部形成面11Sにバッファ層、アンドープGaNを含む半導体層が成膜される際には、突部形成面11Sの平坦な部分を起点として、結晶成長が進む。この点、第7の変形例は、上記実施形態よりも、突部形成面11Sにて平坦な部分が多いため、バッファ層、アンドープGaNを含む半導体層の成膜が行いやすい。
(第8の変形例)
図38を参照して、本開示の半導体発光素子用基板における第8の変形例について説明する。第8の変形例は、第7の変形例と比較して、大突部の形状が異なる。以下では、第7の変形例との相違点を中心に説明し、第7の変形例と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図38に示されるように、大突部22は、錐台形状であって、先端部分が平坦に形成され、頂点を有していない。大突部22が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、大突部22の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、大突部22の各々が有する形状は、互いに異なっていてもよい。
上記の構成においても、大突部22と接続している複数の小突部13においては、小突部13の高さHSは、小突部13の位置が大突部22の基端に近い小突部13ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部22の外表面と接続している複数の小突部13においては、小突部13の幅DSは、小突部13の位置が大突部22の基端に近い小突部13ほど大きくなることが好ましい。
すなわち、第8の変形例は、第1の変形例にて平坦部14に小突部13が形成されていない構成に相当する。
(第9の変形例)
図39を参照して、本開示の半導体発光素子用基板における第9の変形例について説明する。第9の変形例は、第7の実施形態と比較して、小突部の形状が異なる。以下では、第7の変形例との相違点を中心に説明し、第7の変形例と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図39に示されるように、小突部23は、錐台形状であって、先端部分が平坦に形成され、頂点を有していない。小突部23が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、小突部23の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、小突部23の各々が有する形状は、互いに異なっていてもよい。
上記の構成においても、大突部12と接続している複数の小突部23においては、小突部23の高さHSは、小突部23の位置が大突部12の基端に近い小突部23ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部12の外表面と接続している複数の小突部23においては、小突部23の幅DSは、小突部23の位置が大突部12の基端に近い小突部23ほど大きくなることが好ましい。
すなわち、第9の変形例は、第2の変形例にて平坦部14に小突部23が形成されていない構成に相当する。
(第10の変形例)
図40を参照して、本開示の半導体発光素子用基板における第10の変形例について説明する。第10の変形例は、第7の変形例と比較して、大突部とおよび小突部の形状が異なる。以下では、第7の変形例との相違点を中心に説明し、第7の変形例と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図40に示されるように、大突部22は、錐台形状であって、先端部分が平坦に形成され、頂点を有していない。また、小突部23は、錐台形状であって、先端部分が平坦に形成され、頂点を有していない。
大突部22が有する形状、および、小突部23が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、大突部22の側面を構成する母線、および、小突部23の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、大突部22と小突部23とが、互いに異なる錐台形状を有していてもよい。さらに、大突部22の各々が有する形状は互いに異なっていてもよく、小突部23の各々が有する形状は互いに異なっていてもよい。
上記の構成においても、大突部22と接続している複数の小突部23においては、小突部23の高さHSは、小突部23の位置が大突部22の基端に近い小突部23ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部22の外表面と接続している複数の小突部23においては、小突部23の幅DSは、小突部23の位置が大突部22の基端に近い小突部23ほど大きくなることが好ましい。
すなわち、第10の変形例は、第3の変形例にて平坦部14に小突部23が形成されていない構成に相当する。
(第11の変形例)
図41および図42を参照して、本開示の半導体発光素子用基板における第11の変形例について説明する。第11の変形例は、第7の変形例と比較して、大突部の形状が異なる。以下では、第7の変形例との相違点を中心に説明し、第7の変形例と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図41に示されるように、大突部22は、錐台形状であって、先端部分に平坦な面22Sを有している。大突部22が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、大突部22の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、大突部22の各々が有する形状は、互いに異なっていてもよい。
大突部22の有する平坦な面22Sは、一つの結晶面に沿って広がる平面である。素子用基板11の結晶系が六方晶系であるとき、平坦な面22Sは、例えば、c面、m面、a面、および、r面からなる群から選択される一つが連続する平面である。素子用基板11の結晶系が立方晶系であるとき、平坦な面22Sは、例えば、(001)面、(111面)面、および、(110)面からなる群から選択される一つが連なる平面である。なお、平坦な面22Sが有する結晶面は、上記指数面よりも高指数面であってもよく、発光構造体に結晶性を与えることに適した一つの結晶面であればよい。
大突部22の外表面に位置する複数の小突部13は、大突部22の周方向に沿って並んでいる。大突部22において平坦部14に接続する基端22Eには、1段目の小突部13が、大突部22の周方向に沿って並んでいる。また、大突部22の外表面において、1段目の小突部13よりも大突部22の先端に近い部位には、2段目の小突部13が、これもまた大突部22の周方向に沿って並んでいる。
図42が示すように、大突部22の外表面に位置する複数の小突部13は、大突部22の外表面の中で平坦な面22S以外から突き出ている。複数の小突部13の各々は、大突部22の外表面に接続する基端から先端に向かって細くなる錐体形状を有している。なお、大突部22の外表面において、複数の小突部13は、1段目の小突部13のみから構成されてもよいし、3段以上の小突部13から構成されてもよい。
上記の構成においても、大突部22と接続している複数の小突部13においては、小突部13の高さHSは、小突部13の位置が大突部22の基端に近い小突部13ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部22の外表面と接続している複数の小突部13においては、小突部13の幅DSは、小突部13の位置が大突部22の基端に近い小突部13ほど大きくなることが好ましい。
すなわち、第10の変形例は、第4の変形例にて平坦部14に小突部13が形成されていない構成に相当する。こうした構成によっても、第7の変形例に準じた効果が得られる。しかも、半導体層の結晶成長において平坦部14が有する機能と同様の機能を平坦な面22Sが有する。そのため、大突部22の先端上の半導体層に対して、平坦部14上の半導体層に求められる結晶性と同様の結晶性を与えることが可能である。
(第12の変形例)
図43、および、図44を参照して、本開示の半導体発光素子用基板における第12の変形例について説明する。第12の変形例は、第7の変形例と比較して、大突部および小突部の形状が異なる。以下では、第7の変形例との相違点を中心に説明し、第7の変形例と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図43に示されるように、大突部22は、錐台形状であって、先端部分に平坦な面22Sを有している。また、小突部23は、錐台形状であって、先端部分に平坦な面を有している。
大突部22、および、小突部23が有する形状は、半球の頂部が切り取られた形状であってもよいし、円錐台形状や、角錐台形状であってもよい。換言すれば、上記垂直断面にて、大突部22、および、小突部23の側面を構成する母線は、曲線であっても直線であってもよい。また、大突部22と小突部23とが、互いに異なる錐台形状を有していてもよい。さらに、大突部22の各々が有する形状は互いに異なっていてもよく、小突部23の各々が有する形状は互いに異なっていてもよい。
上記の構成においても、大突部22と接続している複数の小突部23においては、小突部23の高さHSは、小突部23の位置が大突部22の基端に近い小突部23ほど小さくなることが好ましい。また、垂直断面において、大突部22の外表面と接続している複数の小突部23においては、小突部23の幅DSは、小突部23の位置が大突部22の基端に近い小突部23ほど大きくなることが好ましい。
なお、図44に示されるように、小突部23の中で2段目の小突部23は、錐台形状であって、先端部分に平坦な面を有している一方で、小突部23の中で、平坦部14から突き出る小突部23、および、1段目の小突部23は、小突部23を形成するための条件を簡便に設定できる観点において、錐体形状であることが好ましい。
すなわち、第12の変形例は、第5の変形例にて平坦部14に小突部23が形成されていない構成に相当する。こうした構成によっても、第7の変形例に準じた効果が得られる。しかも、半導体層の結晶成長において平坦部14が有する機能と同様の機能を平坦な面22Sと、小突部23の先端とが有する。そのため、大突部22の先端上の半導体層と、小突部23の先端上の半導体層とに対して、平坦部14上の半導体層に求められる結晶性と同様の結晶性を与えることが可能である。
(第13の変形例)
図45、および、図46を参照して、本開示の半導体発光素子基板における第13の変形例について説明する。第13の変形例は、第7の変形例と比較して、突部形成面11Sがブリッジ部を備えている点が異なる。以下では、第7の変形例との相違点を中心に説明し、第7の変形例と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
図45に示されるように、突部形成面11Sが有する凹凸構造には、大突部12、小突部13、平坦部14に加えて、多数のブリッジ部15が含まれている。
複数のブリッジ部15の各々は、平坦部14から突き出て、かつ、互いに隣り合う大突部12の間を連結している。ブリッジ部15は、錐体形状を有する大突部12の中心同士を結ぶ突条形状を有し、ブリッジ部15の高さは、大突部12の高さよりも低い。なお、ブリッジ部15の有する形状は、直線形状に限らず、曲線形状であってもよいし、折線形状であってもよい。ブリッジ部15の各々が有する形状は、互いに異なっていてもよい。
また、図46に示されるように、突部形成面11Sが有する凹凸構造には、錐台形状を有する大突部22と、錐体形状を有する小突部23と、平坦部14とに加えて、上述した多数のブリッジ部15が含まれてもよい。ブリッジ部15は、錐台形状を有する大突部22の中心同士を結ぶ突条形状を有し、ブリッジ部15の高さは、大突部22の高さよりも低い。錐台形状を有する大突部22とブリッジ部15とを有する構成は、大突部22の先端に平坦な面を形成するための条件を簡便に設定できる観点において好ましい。
すなわち、第13の変形例は、第6の変形例にて平坦部14に小突部13が形成されていない構成に相当する。こうした構成によれば、ブリッジ部15が形成されることによって、発光構造体にて生じた光がブリッジ部15の位置でも反射等によって進む方向を変えるため、光の取り出し効率がより高められる。また、ブリッジ部15が形成されることによって、突部形成面11Sの凹凸構造がより複雑になるため、大突部12と小突部13とから構成される突部の外形が凹凸状であることによる効果と同様に、結晶欠陥の抑制効果が高められる。
なお、第7〜第13の変形例の各々は他の変形例と組み合わされてもよい。例えば、第7〜第12の変形例の半導体発光素子用基板に、第13の変形例のブリッジ部15が設けられてもよい。また、例えば、一つの半導体発光素子用基板に、第7の変形例の大突部12と小突部13とからなる突部と、第8〜第12の変形例の各々における大突部と小突部とからなる突部とが混在していてもよい。
(第1の製造方法の変形例)
・大径粒子エッチング工程において、突部形成面11Sのエッチングが開始された後、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLがエッチングによって消滅する前に、突部形成面11Sのエッチングを停止して、続いて単粒子膜FLを突部形成面11Sから除去してから、小径粒子膜形成工程に進んでもよい。
具体的には、単粒子膜FLの除去工程では、30kHz以上1.5MHz以下、好ましくは40kHz以上900kHz以下の超音波洗浄、1MPa以上15MPa、好ましくは5MPa以上15MPa以下の高圧洗浄、または、ワイピング、具体的にはコットン製の布やPVA製のブラシによる接触洗浄等の方法を用いて単粒子膜FLを物理的に除去してもよく、CF4等のガスを使用したドライエッチングやHF等を使用したウェットエッチング等の方法を用いて、化学的に単粒子膜FLのみを選択的に除去してもよい。この場合には、突部形成面11Sのなかで、単粒子膜FLが除去される直前まで大径粒子SLと対向していた領域は、エッチングされないため、平坦になる。こうした製造方法によれば、第1の変形例のように、先端部分が平坦な大突部22が形成される。
・また、小径粒子エッチング工程において、突部形成面11Sのエッチングが開始された後、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSがエッチングによって消滅する前に、突部形成面11Sのエッチングを停止し、単粒子膜FSを突部形成面11Sから除去してもよい。この場合には、突部形成面11Sのなかで、単粒子膜FSが除去される直前まで小径粒子SSと対向していた領域の中央は、エッチングされないため、平坦になる。こうした製造方法によれば、第2の変形例のように、先端部分が平坦な小突部23が形成される。
・また、大径粒子エッチング工程と小径粒子エッチング工程の双方において、粒子の消滅前にエッチングを停止してもよい。すなわち、大径粒子エッチング工程では、突部形成面11Sのエッチングが開始された後、単粒子膜FLを構成する大径粒子SLがエッチングによって消滅する前に、突部形成面11Sのエッチングを停止して、続いて単粒子膜FLを突部形成面11Sから除去してから、小径粒子膜形成工程に進む。そして、小径粒子エッチング工程では、突部形成面11Sのエッチングが開始された後、単粒子膜FSを構成する小径粒子SSがエッチングによって消滅する前に、突部形成面11Sのエッチングを停止して、続いて単粒子膜FSを突部形成面11Sから除去する。この場合には、第3の変形例のように、先端部分が平坦な大突部22と、先端部分が平坦な小突部23とが形成される。
・また、上述の製造方法では、大径粒子エッチング工程において、突部形成面11Sが含む領域のうち、大径粒子SLが縮径される前の状態において、互いに隣り合う大径粒子SLの隙間と対向していた第1の領域、および、大径粒子SLの外表面と対向していた第2の領域が平坦になるまでエッチングを行う例を説明した。これに代えて、これらの領域のエッチングの進行度合いの差を利用すると、ブリッジ部15が形成される。
具体的には、大径粒子SLが縮径される前の状態において、互いに隣り合う大径粒子SLの隙間と対向していた第1の領域は、大径粒子SLによってマスクされないため、大径粒子SLの外表面の付近と対向していた第2の領域よりもエッチングの進行度合いがやや大きくなる。特に、上記の隙間が大きい場合ほど、エッチングの進行度合いの差が大きくなる。また、エッチングガスの変更によっても、このエッチングの進行度合いの差は変わる。したがって、大径粒子SLの粒径やエッチングガスの種類等のエッチング条件を調整することによって、突部形成面11Sにおいて、大径粒子SLの外表面の付近と対向していた第2の領域のうち、互いに隣り合う大径粒子SLが接している部分と対向していた領域は、互いに隣り合う大径粒子SLの隙間と対向していた第1の領域よりも窪みが浅くなる。こうした製造方法によれば、第6の変形例に記載の半導体発光素子用基板が製造される。
・また、上述の製造方法において、互いに隣接する原型突部16の間の平坦な部分に、エッチングガスによってエッチングされないマスクを形成した後に、小径粒子膜形成工程、および、小径粒子エッチング工程を実施してもよい。こうした製造方法によれば、第13の変形例のように、平坦部14に小突部13が形成されていない半導体発光素子用基板が製造される。
(第2の製造方法の変形例)
・エッチング工程において、小径粒子SSのマスクによって形成された段差が平坦部14において消滅し、かつ、大突部22の外周面に縮径した段差が残っているときに、突部形成面11Sのエッチングを停止してもよい。この場合、縮径した段差は、錐台形状を有する小突部23、あるいは、錐体形状を有する小突部13として残る。こうした製造方法によれば、第9の変形例の半導体発光素子用基板が製造される。
この際に、小径粒子SSのマスクによって形成された段差が平坦部14において消滅するためには、小径粒子SSのマスクによって形成される段差に対して、平坦部14におけるエッチングの量が十分に大きいことが求められる。こうしたエッチングの条件下においては、1段目の小突部23のマスクとして機能した小径粒子SSもまた、平坦部14の段差と共に消滅しやすくなる。一方で、2段目の小突部23のマスクとして機能する小径粒子SSは、1段目の小突部23のマスクとして機能する小径粒子SSよりも消滅しにくい。それゆえに、第11の変形例において記載したように、小突部23の中で2段目の小突部23は、錐台形状である一方で、1段目の小突部23は、錐体形状であることが好ましい。こうした構成であれば、小突部23を形成するためのエッチング条件に対する制約を抑えることが可能でもある。なお、3段以上の小突部23を有する構成においても同じく、小突部23の含まれる段数が小さいほど、小突部23が錐体形状であることが好ましい。
・また、エッチング工程において、小径粒子SSが消滅する前に、突部形成面11Sのエッチングを停止してもよい。この場合、突部形成面11Sにおいて小径粒子SSと対向していた領域は、錐台形状を有する。こうした製造方法によれば、第2の変形例の半導体発光素子用基板が製造される。
なお、この際に、大突部22が形成されるためには、小径粒子SSにおけるエッチングの量が、大径粒子SLにおけるエッチングの量に比べて適切に大きいことが求められる。こうしたエッチングの条件下においては、1段目の小突部23のマスクとして機能した小径粒子SSや、平坦部14から突き出る小突部23のマスクとして機能した小径粒子SSもまた、大径粒子SLのエッチングと共に消滅しやすくなる。一方で、2段目の小突部13のマスクとして機能する小径粒子SSは、1段目の小突部23のマスクとして機能する小径粒子SSよりも消滅しにくい。それゆえに、第5の変形例において記載したように、小突部23の中で2段目の小突部23は、錐台形状である一方で、1段目の小突部23は、錐体形状であることが好ましい。こうした構成であれば、小突部23を形成するためのエッチング条件に対する制約を抑えることが可能でもある。なお、3段以上の小突部23を有する構成においても同じく、小突部23の含まれる段数が小さいほど、小突部23が錐体形状であることが好ましい。
・また、突部形成面11Sが含む領域のうち、大径粒子SLが縮径される前の状態において、互いに隣り合う大径粒子SLの隙間と対向していた領域、および、大径粒子SLの外表面の付近と対向していた領域のエッチングの進行度合いの差を利用すると、ブリッジ部15が形成される。こうした製造方法によれば、第6の変形例に記載の半導体発光素子用基板が製造される。
なお、エッチング前、および、エッチング途中において、大突部22の外表面から小径粒子SSが落ちないように、単粒子膜FSに単粒子膜FLを積み重ねる前に、小径粒子SSを固定するためのバインダーを、単粒子膜FSに予め塗布してもよい。この際に、突部形成面11Sに小径粒子SSを固定するためのバインダーは、樹脂、シランカップリング剤などである。こうしたバインダーは、突部形成面11Sに小径粒子SSを固定する機能を有し、かつ、小径粒子SSよりも速いエッチング速度を有していればよい。
(第3の製造方法の変形例)
・大径粒子SLから構成される単粒子膜FLが突部形成面11Sに積み重ねられ、大径粒子SLから構成される単粒子膜FLに、小径粒子SSから構成される単粒子膜FSが積み重ねられてもよい。この場合、大径粒子SLの表面が小径粒子SSをマスクにしてエッチングされるため、突部形成面11Sのマスクとして機能する大径粒子SLの外表面そのものに凹凸が形成される。こうした製造方法であっても、上記実施形態に記載した半導体発光素子用基板が製造される。
・大径粒子SLが消滅する前にエッチングが終了してもよい。この際に、互いに隣り合う大径粒子SLの間の中央では、エッチングガスに曝される時間が特に長く、小径粒子SSの消滅後においてエッチングの進行度合いが大きくなる。こうした領域は、大径粒子SLのエッチングが引き続き進む間に、小径粒子SSのマスクによって形成された段差が消滅して平坦になる。その結果、突部形成面11Sにおいて、互いに隣り合う大径粒子SLの間の中央に、平坦部14が形成される。
一方で、平坦部14の周囲では、平坦部14よりもエッチングガスに曝される時間が短く、しかも、大径粒子SLの中心に近い部位ほど、エッチングガスに曝される時間は短い。こうしたエッチングの進行度合いの差によって、平坦部14に囲まれる部位には、平坦部14から突き出た錐台形状を有する大突部22が形成される。大突部22の第1ピッチXは、単粒子膜FLにて互いに隣り合う大径粒子SLの間の間隔と同等であり、大突部22の配置もまた、大径粒子SLの配置と同様である。
また、大突部22の外表面には、小径粒子SSの中心と対向していた部分を頂点とした半球形状を有する小突部13が形成される。上述したように、エッチングの進行度合いの差に起因して、大突部22の外表面が傾斜していくため、傾斜に沿って、小突部13の形状が延びる。その結果、大突部22の先端から基端に向かって、小突部13の幅は大きくなる。そして、突部形成面11Sにおいて、縮小した大径粒子SLによって覆われる部分には、エッチング工程前と同じ平坦な面が残る。こうした製造方法によれば、上記第11の変形例、あるいは、第12の変形例に記載した半導体発光素子用基板が製造される。なお、小径粒子SSが消滅する前にエッチングが終了する方法であれば、第4の変形例、あるいは、第5の変形例に記載した半導体発光素子用基板が製造される。
(実施例)
上述した半導体発光素子用基板、半導体発光素子、および、その製造方法について、以下に挙げる具体的な実施例を用いて説明する。
<実施例1:第1の模様形態>
小突部形成工程の後に、大突部形成工程を行って、実施例1の半導体発光素子用基板を得た。製造方法の詳細を以下に示す。
[小突部形成工程]
直径が2インチ、厚さが0.42mmのサファイア基板上に、エッチングマスクとしてスピンオングラス(SOG)をスピンコートし、公知のナノインプリントリソグラフィ法でピッチ600nmの円柱状のマスクを形成した後、ドライエッチングを行うことで、ピッチ600nmの構造体を作製した。具体的には、圧力が1Paであって、エッチングガスがCl2ガスである雰囲気において、アンテナパワーとして1500W、バイアスとして0Wを供給し、サファイア基板をドライエッチング加工し、これによって、複数の小径の原型突部(錐体形状)を備えるサファイア基板を得た。原型突部は、第2ピッチYが600nm、構造高さが260nm、平坦部距離が80nmであった。
[大突部形成工程]
原型突部を備えるサファイア基板上に、エッチングマスクとしてSiO2膜を成膜後、公知のフォトリソグラフィ法でピッチ3.0μmの円柱状のマスクを形成し、ドライエッチングを行うことで、ピッチ3.0μmの大突部上に複数の小突部を設けた多重構造付きサファイア基板である実施例1の半導体発光素子用基板を得た。大突部は、第1ピッチXが3.0μm、構造高さが1.3μm、平坦部距離が0.4μmであった。
実施例1の半導体発光素子用基板における比率Y/Xは0.2(0<Y/X≦0.2)であり、これに基づく小域変換像、および、第1変換像を図47(a)(b)に示す。
[半導体発光素子の形成]
こうして得られた半導体発光素子用基板の上記突部が形成されている面に、n型半導体層、活性層、p型半導体層を順次積層し、続いてp電極およびn電極を形成して、実施例1の半導体発光素子を完成した。各GaN系の半導体層は、一般に広く利用されるMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Depsition )法によって形成した。MOCVD法においては、アンモニアガスとIII族元素のトリメチルガリウム、トリメチルアンモニウム、トリメチルインジウムなどのアルキル化合物ガスを、700℃〜1000℃の温度環境でサファイア基板上に供給して熱分解反応させ、基板上で目的の結晶をエピタキシャル成長により成膜する。
n型半導体層としては、低温成長バッファ層としてAl0.9Ga0.1Nを15nm、アンドープGaNを4.5μm、nクラッド層としてSiドープGaNを3μm、アンドープGaNを250nm、これらを順次積層した。
活性層としては、再結合の確率を高くするためバンドギャップの狭い層を数層挟んで内部量子効率の向上を行う多重量子井戸を形成した。その構成としては、アンドープIn0.15Ga0.85N(量子井戸層)を4nm、SiドープGaN(バリア層)10nmの膜厚で交互に成膜し、アンドープIn0.15Ga0.85Nが9層、SiドープGaNが10層となるように積層した。
p型半導体層としては、MgドープAlGaNを15nm、アンドープGaNを200nm、MgドープGaNを15nm積層した。
n電極を形成する領域において、最表層であるp型半導体層のMgドープのGaNからn型半導体層のアンドープのGaNまでをエッチングによって除去し、SiドープのGaN層を露出させた。この露出面にAlとWからなるn電極を形成し、n電極上にPtとAuからなるnパッド電極を形成した。
p型半導体層の表面全面にNiとAuとからなるp電極を形成し、p電極上にAuからなるpパッド電極を形成した。
以上の処理によって一つの発光素子のサイズが300μm×350μmであるベアチップの状態の半導体素子を形成した。実施例1では、半導体発光素子用基板の上面に、錐体形状の大突部と小突部とが形成されていることが認められ、また、小突部は大突部の外表面と平坦部とに形成されていることが認められた。
<実施例2:第1の模様形態>
小突部形成工程の後に、大突部形成工程を行って、実施例2の半導体発光素子用基板を得た。製造方法の詳細を以下に示す。
実施例1の小突部形成工程におけるナノインプリントリソグラフィ法で形成した円柱状のマスクのピッチを1.0μmに変更し、それ以外を実施例1と同じくして、複数の小径の原型突部(錐体形状)を備えるサファイア基板を得た。原型突部は、第2ピッチYが1.0μm、構造高さが0.38μm、平坦部距離が0.25μmであった。
大突部形成工程を実施例1と同じくして、大突部上に複数の小突部を設けた多重構造付きサファイア基板である実施例2の半導体発光素子用基板を得た。大突部は、第1ピッチXが3.0μm、構造高さが1.3μm、平坦部距離が0.4μmであった。実施例2の半導体発光素子用基板における比率Y/Xは0.33(0.2<Y/X≦0.5)であり、これに基づく小域変換像、および、第1変換像を図48(a)(b)に示す。
<実施例3:第2の模様形態>
小突部形成工程の後に、大突部形成工程を行って、実施例3の半導体発光素子用基板を得た。製造方法の詳細を以下に示す。
[小突部形成工程]
直径が2インチ、厚さが0.42mmのサファイア基板上に、φ600nmのSiO2コロイダルシリカ粒子を国際公開第2008/001670号に開示される単層コーティング法によって単層コートした。具体的には、平均粒径が600nmのSiO2コロイダルシリカ粒子であって、粒径の変動係数が1.85%である球形コロイダルシリカの3.0質量%水分散体、すなわち、分散液を用意した。
ついで、この分散液に、濃度が50質量%の臭素化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムである界面活性剤を2.5mmol/Lとなるように加えて30分攪拌し、コロイダルシリカ粒子の表面に臭素化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを吸着させた。この際、臭素化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムの質量がコロイダルシリカ粒子の質量の0.04倍となるように分散液と臭素化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムとを混合した。
ついで、この分散液に、この分散液の体積と同体積のクロロホルムを加え十分に攪拌して、疎水化されたコロイダルシリカを油相抽出した。
こうして得られた濃度1.5質量%の疎水化コロイダルシリカ分散液を、単粒子膜の表面圧を計測する表面圧力センサーと、単粒子膜を液面に沿う方向に圧縮する可動バリアとを備えた水槽であるLBトラフ装置中の液面であって、下層水である水温が25℃の水面に滴下速度0.01ml/秒で滴下した。なお、水槽の下層水には、あらかじめ上記サファイア基板を浸漬しておいた。
滴下中より、出力が120Wであって、周波数が1.5MHzの超音波を下層水中から水面に向けて照射して、粒子が六方充填することを促しつつ、分散液の溶剤であるクロロホルムを揮発させて、単粒子膜を形成させた。
ついで、この単粒子膜を可動バリアにより拡散圧が18mNm−1になるまで圧縮し、サファイア基板を5mm/分の速度で引き上げ、単粒子膜を基板の片面上に移し取り、コロイダルシリカからなる単粒子膜エッチングマスク付きのサファイア基板を得た。
こうして得られたサファイア基板を加工するドライエッチングを行った。具体的には、圧力が1Paであって、エッチングガスがCl2ガスである雰囲気において、アンテナパワーとして1500W、バイアスとして300Wを供給し、SiO2コロイダルシリカ粒子をマスクとしてドライエッチング加工し、これによって、複数の小径の原型突部(錐体形状)を備えるサファイア基板を得た。原型突部は、第2ピッチYが600nm、構造高さが260nm、平坦部距離が80nmであった。
大突部形成工程を実施例1と同じくして、大突部上に複数の小突部を設けた多重構造付きサファイア基板である実施例3の半導体発光素子用基板を得た。大突部は、第1ピッチXが3.0μm、構造高さが1.3μm、平坦部距離が0.4μmであった。実施例3の半導体発光素子用基板における比率Y/Xは0.2(0<Y/X≦0.2)であり、これに基づく小域変換像、および、第1変換像を図49(a)(b)に示す。
<実施例4:第3の模様形態>
大突部形成工程の後に、小突部形成工程を行って、実施例4の半導体発光素子用基板を得た。製造方法の詳細を以下に示す。
まず、実施例1の大突部形成工程における基板を直径が2インチ、厚さが0.42mmのサファイア基板に変更し、それ以外を実施例1と同じくして、複数の大径の原型突部(錐体形状)を備えるサファイア基板を得た。原型突部は、第1ピッチXが3.0μm、構造高さが1.3μm、平坦部距離が0.4μmであった。
実施例3の小突部形成工程における分散液を以下の通りに変更し、それ以外を実施例3と同じくして、大突部上に複数の小突部を設けた多重構造付きサファイア基板である実施例4の半導体発光素子用基板を得た。大突部頂上付近の小突部は、第2ピッチYが1.0μm、構造高さが0.38μm、平坦部距離が0.25μmであった。実施例4の半導体発光素子用基板における比率Y/Xは0.33(0.2<Y/X≦0.5)であり、これに基づく小域変換像、第1変換像、および、第2変換像を図50(a)(b)(c)に示す。
・平均粒径: 0.99μm
・粒径の変動係数:1.63%
・濃度: 3.0質量%水分散体
<実施例5:第4の模様形態>
小突部形成工程の後に、大突部形成工程を行って、実施例5の半導体発光素子用基板を得た。製造方法の詳細を以下に示す。
小突部形成工程を実施例1と同じくして、複数の小径の原型突部(錐体形状)を備えるサファイア基板を得た。原型突部は、第2ピッチYが600nm、構造高さが260nm、平坦部距離が80nmであった。
大突部形成工程を、実施例3の小突部形成工程における分散液を以下の通りに変更し、それ以外を実施例3と同じくしたものとして、大突部上に複数の小突部を設けた多重構造付きサファイア基板である実施例5の半導体発光素子用基板を得た。大突部は、第1ピッチXが3.0μm、構造高さが1.3μm、平坦部距離が0.4μmであった。実施例5の半導体発光素子用基板における比率Y/Xは0.2(0<Y/X≦0.2)であり、これに基づく小域変換像、第1変換像、および、第2変換像を図51(a)(b)(c)に示す。
・平均粒径: 3.00μm
・粒径の変動係数:1.00%
・濃度: 5.0質量%水分散体
<実施例6:第4の模様形態>
小突部形成工程の後に、大突部形成工程を行って、実施例6の半導体発光素子用基板を得た。製造方法の詳細を以下に示す。
実施例5の小突部形成工程におけるピッチを1.0μmに変更し、それ以外を実施例5と同じくして、大突部上に複数の小突部を設けた多重構造付きサファイア基板である実施例6の半導体発光素子用基板を得た。大突部頂上付近の小突部は、第2ピッチYが1.0μm、構造高さが0.38μm、平坦部距離が0.25μmであった。実施例6の半導体発光素子用基板における比率Y/Xは0.33(0.2<Y/X≦0.5)であり、これに基づく小域変換像、第1変換像、および、第2変換像を図52(a)(b)(c)に示す。
<実施例7:第5の模様形態>
大突部形成工程の後に、小突部形成工程を行って、実施例7の半導体発光素子用基板を得た。製造方法の詳細を以下に示す。
大突部形成工程を実施例5と同じくして、複数の大径の原型突部(錐体形状)を備えるサファイア基板を得た。原型突部は、第1ピッチXが3.0μm、構造高さが1.3μm、平坦部距離が0.4μmであった。
小突部形成工程を実施例3と同じくして、大突部上に複数の小突部を設けた多重構造付きサファイア基板である実施例7の半導体発光素子用基板を得た。大突部頂上付近の小突部は、第2ピッチYが600nm、構造高さが260nm、平坦部距離が80nmであった。実施例7の半導体発光素子用基板における比率Y/Xは0.2(0<Y/X≦0.2)であり、これに基づく小域変換像、第1変換像、および、第2変換像を図53(a)(b)(c)に示す。
<実施例8:第5の模様形態>
大突部形成工程の後に、小突部形成工程を行って、実施例8の半導体発光素子用基板を得た。製造方法の詳細を以下に示す。
大突部形成工程を実施例5と同じくして、複数の大径の原型突部(錐体形状)を備えるサファイア基板を得た。原型突部は、第1ピッチXが3.0μm、構造高さが1.3μm、平坦部距離が0.4μmであった。
小突部形成工程を実施例4と同じくして、大突部上に複数の小突部を設けた多重構造付きサファイア基板である実施例8の半導体発光素子用基板を得た。大突部頂上付近の小突部は、第2ピッチYが1.0μm、構造高さが0.38μm、平坦部距離が0.25μmであった。実施例8の半導体発光素子用基板における比率Y/Xは0.33(0.2<Y/X≦0.5)であり、これに基づく小域変換像、第1変換像、および、第2変換像を図54(a)(b)(c)に示す。
以上、上記実施形態によれば以下に列挙する効果が得られる。
(1)突部形成面11Sが大突部12と小突部13とを有しているため、光の反射や回折等によって、発光構造体にて生じた光の進む方向が分散される。その結果、発光構造体と素子用基板11との界面での全反射が抑えられるため、光の取り出し効率を高めることができる。また、素子用基板11を透過させて光を外部に取り出す構成を有する半導体発光素子においては、発光構造体が設けられている側の反対側の面(光取り出し面)を突部形成面11Sとすることで、突部形成面11Sに沿って広がる平面に対しては臨界角以上の入射角を有する発光光であっても、凹凸構造の斜面に対しては臨界角未満とすることができるため、素子用基板11と空気の界面における光取り出し効率を大幅に改善することができる。
(2)平坦部14からも小突部13が突き出ているため、(1)の効果が高められる。
(3)大突部12の先端から基端へ向かって、小突部13の高さHSが小さくなるため、大突部12の外表面における凹凸がなだらかになる。その結果、バッファ層、アンドープGaNを含む半導体層が成膜されやすくなる。また、大突部12の先端から基端へ向かって、小突部13の幅DSが大きくなるため、大突部12の外表面における凹凸は、よりなだらかになる。
(4)突部形成面11Sの平面視にて、大突部12と小突部13とから構成される突部の外形が凹凸状に波打っているため、突部形成面11Sにバッファ層、アンドープGaNを含む半導体層が成膜される際に結晶欠陥が生じることが抑えられる。