JP6659201B2 - サスペンション - Google Patents

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本発明は、自動車等に搭載されるサスペンションに関する。
従来、自動車に搭載されるサスペンションとして、トーションビーム式サスペンション等が採用されている。トーションビーム式サスペンションは、車幅方向に間隔をおいて配置された一対のトレーリングアームと、前記一対のトレーリングアームの間に設けられて結合されたトーションビームとを備え、それぞれが車輪に接続されたトレーリングアームの上下動をトーションビームのねじれにより許容する構造となっている。
そのようなトーションビーム式サスペンションとして、例えば下記特許文献1に開示されているもののように、トレーリングアームの端部に、ハブユニットを取り付けるためのエンドプレートを取り付けたものがある。特許文献1に開示されているトーションビーム式サスペンションにおいては、ハブユニットに設ける車輪速センサとの干渉を避けるため、トレーリングアームの端部に切り欠きを形成している。このような切り欠きを設けているため、トレーリングアームに対してショックアブソーバが接合されている。
特開2013−23150号公報
ここで、上記特許文献1のトーションビーム式サスペンション等において採用されているトレーリングアームは、長手方向中間部において湾曲した形状とされている。これに加え、トーションビーム式サスペンションが曲面によって構成されていたり、切り欠きを設けたりして、さらに他の部材を取り付けるとなると大きな制約が発生するという問題がある。具体的には、トレーリングアームに対し、例えばショックアブソーバの取り付け用のブラケット等を接合しようとしても、湾曲した曲面に対して取り付け対象となるブラケット等を位置合わせしたうえ、溶接等の手法で連結する必要がある。そのため、トレーリングアームの湾曲面に対してブラケット等を連結するためには、相当の熟練を要するという問題がある。
また、トレーリングアームの端部に設けたエンドプレートに対し、ハブユニット等の部材を取り付けたり、センサ等を設ける場合には、トレーリングアームに対してショックアブソーバ用のブラケット等を取り付けるのがより一層困難になることが想定される。具体的には、ハブユニット等の部材を取り付けるために、ボルトなどの固定具をエンドプレートに対して略垂直に挿通し、トレーリングアームの内側に向けて突出するように装着することが考えられる。また、従来公知のABSセンサ等のようなものが、エンドプレート側からトレーリングアームの内側に向けて突出するように装着するように装着される場合もある。これらのように、エンドプレート側からトレーリングアームの内側に向けて突出するような部材(以下、「突出部材」とも称す)を設ける場合は、トレーリングアームにおいてエンドプレートと対向する部分(対向領域)に対し、突出部材が干渉する必要がある。このような方策として、トレーディングアームの対向領域に干渉防止用の孔を設ける方法が考えられる。しかしながら、干渉防止用の孔を設けた場合、この孔の近傍にブラケット等を溶接すると、孔に隣接する位置に形成された溶接端の影響でトレーリングアームの疲労寿命が低下してしまう懸念がある。また、前述のような孔を設ける場合には、ショックアブソーバ用のブラケット等の接合対象となる部分により一層の制約が加わってしまうという問題がある。
そこで本発明は、トレーリングアームの端部に結合させたエンドプレートに対し、エンドプレート側からトレーリングアームの内側に向けて突出するような突出部材を設けつつ、他部材装着用のブラケットをトレーリングアームに対して取り付けるための制約を最小限に抑制可能としたサスペンションの提供を目的とする。
上述した課題を解決すべく提供される本発明のサスペンションは、湾曲して延在する中空状のトレーリングアームと、前記トレーリングアームの端部に結合するエンドプレートと、他部材が装着されるブラケットと、前記エンドプレートに対して取り付けられる突出部材とを有し、前記トレーリングアームが、前記エンドプレートと対向する対向領域を有し、前記突出部材が、前記トレーリングアームの内部において前記エンドプレート側から前記対向領域に向けて突出するように設けられており、前記対向領域に、前記突出部材の突出方向に膨出した膨出部が設けられており、前記膨出部の頂部に平面あるいは稜線が形成されており、前記ブラケットが、前記頂部に対して結合されていることを特徴とするものである。
本発明のサスペンションにおいては、トレーリングアームの内部において突出部材がエンドプレート側から突出するように設けられている。しかしながら、本発明のサスペンションにおいては、トレーリングアームにおいてエンドプレートと対向する部分にある対向領域に、突出部材の突出方向に膨出した膨出部が設けられている。このような膨出部が設けられているため、トレーリングアームの対向領域に孔等を設けなくても突出部材とトレーリングアームとの干渉を回避できる。
さらに、本発明のサスペンションにおいては、上述した膨出部の頂部に平面あるいは稜線が形成されており、この頂部にブラケットが結合されている。そのため、本発明のサスペンションは、製造過程において溶接等の手法により、トレーリングアームに対し、ブラケットを容易に結合させることができる。また、本発明のサスペンションにおいては、トレーリングアームとブラケットとの結合部が膨出部の頂部に形成された平面状あるいは稜線状の部分に形成される。そのため、本発明によれば、湾曲面に併せてブラケットを位置決めして固定する場合に比べて、トレーリングアームとブラケットとを強固に結合させることができる。
上述した本発明のサスペンションは、前記トレーリングアームが、前記端部から所定の曲率で湾曲しながら延在するように形成されたものであり、前記トレーリングアームの周面が、曲率中心側の内周部と、前記内周部よりも外周側の外周部とを有し、前記外周部に前記対向領域が設けられたものであっても良い。
上述した本発明のサスペンションは、前記エンドプレートに対し、ハブが取り付けられており、前記突出部材が、前記ハブを前記エンドプレートに対して固定するためのボルトである場合に好適である。なお、ハブは、いわゆるスピンドル軸タイプのものや。ベアリングタイプのものなど、いずれのタイプのものであっても良い。
また、上述した本発明のサスペンションにおいて、前記突出部材は、前記エンドプレートに対して固定されたセンサであっても良い。
上述した本発明のサスペンションにおいて、前記他部材は、ショックアブソーバであっても良い。
本発明によれば、トレーリングアームの端部に結合させたエンドプレートに対し、エンドプレート側からトレーリングアームの内側に向けて突出するような突出部材を設けつつ、他部材装着用のブラケットをトレーリングアームに対して取り付けるための制約を最小限に抑制可能としたサスペンションを提供できる。
本実施形態に係るサスペンションの斜視図である。 図1に示すサスペンションのアーム部材を拡大して示す斜視図である。 図1の要部拡大図である。 膨出部におけるトレーリングアームとブラケットの結合構造を示す断面図である。
本発明の実施形態に係るサスペンション1について、図面を参照して説明する。なお、以下の説明においては、先ずサスペンション1の概略構成について説明した後、ずサスペンション1をなすトレーリングアーム2とショックアブソーバ8用のブラケット6との結合構造について詳細に説明する。
≪サスペンション1の概略構成について≫
サスペンション1は、前輪駆動の自動車の後輪側に設けられ、後輪(図示しない)が取り付けられる各トレーリングアーム2の上下動を、トーションビーム3のねじれにより許容する構造とした、いわゆるトーションビーム式のサスペンションである。
図1に示すように、サスペンション1は、車体(図示しない)の幅方向(左右方向)に間隔をおいて配置される一対のトレーリングアーム2と、車両の幅方向に直線状に延在し、延在方向の両端でトレーリングアーム2に結合するトーションビーム3を備える。トーションビーム3は、板状部材が折り曲げられて形成されている。トーションビーム3は、例えば断面形状が円形のもの、楕円形のもの、矩形状のもの、小判型のもの等、適宜のものとすることができるが、本実施形態では断面がU字で樋状のものとされている。トーションビーム3は、樋状の開口を車両前方側に向けた状態、後方側に向けた状態、下側に向けた状態など適宜の姿勢で取り付けることができるが、本実施形態では樋状の開口が車体の下側に向いた状態、すなわち鞍型形状に設けられている。
一対のトレーリングアーム2は、左右で対称の形状になるように形成されている。トレーリングアーム2は、それぞれ車体の前方側に弾性部材である管状ブシュが圧入されるブシュ圧入部21を備えている。ブシュ圧入部21は、ブラケット(図示しない)や固定ボルト(図示しない)を介して車体に揺動可能に取り付けられている。
トレーリングアーム2は、車体の後方側において、スプリング(図示しない)、ショックアブソーバ(図示しない)を介して車体に懸架されている。具体的には、トレーリングアーム2には、スプリングシート5や、ブラケット6が接合されている。スプリングシート5は、スプリング7の座となるものである。また、ブラケット6は、ショックアブソーバ8の一端を接続するためのものである。スプリングシート5と車体との間に配されたスプリングにより、車体に対して上下方向に作用する振動を吸収することができる。また、ブラケット6と車体との間に懸架されたショックアブソーバ8により、車体に対して前後方向から作業する衝撃を受け止めることができる。このように、スプリング7やショックアブソーバ8において衝撃を受け止めることができるよう、スプリングシート5やブラケット6は、それぞれトレーリングアーム2に対して溶接により強固に固定されている(ブラケット6の結合構造50については、後に詳述する)。
また、トレーリングアーム2の後方側の一端には、後述するエンドプレート30に取り付けられたハブ9を介して後輪の車軸4が設けられている。これにより、後輪が回転可能に支持されている。
図2および図3に示すように、各トレーリングアーム2は、中空状であって、湾曲して延在するように形成されたアーム部材20と、アーム部材20の後方(ブシュ圧入部21の反対側)の一端に設けられたエンドプレート30とを備える。
各アーム部材20は、後方の端部から所定の曲率で湾曲しながら延在するように形成されている。すなわち、アーム部材20は、車体の幅方向の外側(トレーリングアーム2と反対側)に曲率中心がおかれるように湾曲しながら延在している。
図2に示すように、エンドプレート30は、板状の本体部31を有する。本体部31は、略中央に設けられた開口31aと、その外周部に設けられた複数(本実施形態では4つ)の開口31b〜31eとを有する。開口31aは、スピンドルタイプのハブ9の本体部分を一部差し込んで係合させるためのものである。また、開口31b〜31eのうち一部は、ハブ9を固定するためのボルト32(突出部材)を挿通するためのものである。
図2に示すように、アーム部材20とエンドプレート30とは、アーム部材20の環状端面23とエンドプレート30の平坦面37とを当接させ、環状端面23の外側から溶接することにより結合されている。なお、アーム部材20とエンドプレート30とは、溶接可能な金属からなる。
≪トレーリングアーム2とブラケット6との結合構造≫
続いて、サスペンション1を構成するトレーリングアーム2と、ショックアブソーバ8用のブラケット6との結合構造50、及びこれを構成する各部の構造について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
トレーリングアーム2は、上述したように湾曲しつつ延在するように形成された金属製の部材である。トレーリングアーム2は、所定の曲率で湾曲しつつ延在するように形成されたものである。図1等に示すように、トレーリングアーム2の周面は、曲率中心側の内周部2aと、内周部2aよりも外周側の外周部2bとを有する。トレーリングアーム2は、ブシュ圧入部21側の端部が車体前方側に向き、エンドプレート30側の端部が車体後方側に向く姿勢とされ、車体前後方向に延びるように車体に取り付けられる。また、トレーリングアーム2は、内周部2aが車幅方向外側を向く姿勢として取り付けられる。図1や図3に示すように、トレーリングアーム2の外周部2bには、エンドプレート30と対向する位置に対向領域52が設けられている。結合構造50は、対向領域52において形成されている。
図3に示すように、対向領域52には、トレーリングアーム2の外側(車体幅方向内側)に向けて膨出した膨出部54が向けられている。膨出部54は、ハブ9の固定用としてエンドプレート30に取り付けられたボルト32のうち、ハブ9の軸心位置よりも車体後方側に配置されたもの(突出部材)の延長線上において、トレーリングアーム2が膨出するように形成されている。すなわち、膨出部54は、突出部材たるボルト32の軸線と、トレーリングアーム2の外周部2bとが交差する部分を含み、トレーリングアーム2の長手方向に向けて所定の長さに亘って、ボルト32の突出方向に向けてトレーリングアーム2が膨出するように形成されている。このような膨出部54を設けることにより、図4に示すように、ボルト32(突出部材)と、トレーリングアーム2の外周部2bとの間に隙間が確保されている。従って、膨出部54は、ボルト32の先端部との干渉を回避する機能を有する。
また、膨出部54は、ブラケット6を溶接により固定するための座としての機能も有する。具体的には、膨出部54は、頂部54aが平面状とされている。また上述したように、膨出部54は、トレーリングアーム2の長手方向に向けて延びるように形成されている。
ここで、ブラケット6は、スプリングシート5に対して後方であって、トレーリングアーム2の外周部2bに対し、トレーリングアーム2の曲率半径方向外側に隣接する位置(車体幅方向内側に隣接する位置)に配置されている。ブラケット6は、スプリングシート5側に延びる部分がスプリングシート5の裏手において溶接されると共に、トレーリングアーム2の外周部2bに向けて延びる部分(以下、「延設部6a」とも称す)が膨出部54の頂部54aに対して溶接されている。膨出部54は、ブラケット6の延設部6aが到達する位置において、延設部6aが当接する部分の略全体が頂部54aに面接触可能なように、車体前後方向に延びるように形成されている。そのため、延設部6aは、略全体に亘って膨出部54の頂部54aに対して面接触した状態で溶接により固定されている。このように、膨出部54は、ブラケット6を溶接により固定するための座としての機能も有する。
上述したように、本実施形態のサスペンション1においては、ハブ9を取り付けるためのボルト32が、トレーリングアーム2の内部をエンドプレート30側から突出するように設けられている。その一方で、トレーリングアーム2の対向領域52には、ボルト32の突出方向に膨出した膨出部54が設けられている。膨出部54を設けることにより、ボルト32の先端部とトレーリングアーム2との干渉が回避されている。そのため、サスペンション1においては、ボルト32との干渉回避用の孔等を対向領域52に設ける必要がない。これにより、トレーリングアームの疲労寿命の低下を抑制できる。
また、本実施形態のサスペンション1においては、膨出部54の頂部54aが平面状に形成されており、この頂部54aにブラケット6が結合されている。そのため、上述したような構成によれば、サスペンション1の製造に際し、トレーリングアーム2に対してブラケット6を溶接して結合させる作業を容易に行うことができる。また、サスペンション1においては、トレーリングアーム2とブラケット6とを結合させた結合構造50が膨出部54の頂部54aに形成された平面状の部分に形成される。そのため、結合構造50における結合強度は、トレーリングアーム2の湾曲面に併せてブラケット6を位置決めして固定する従来技術の製造方法を採用した場合に比べて高い。
なお、本実施形態においては、膨出部54の頂部54aを平面状とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、膨出部54を頂部54aに稜線が形成されるようなものとしてもよい。かかる構成とした場合についても、頂部54aに対してブラケット6の延設部6aを位置決めして溶接する作業を容易かつ適切に行うことができる。
また、本実施形態のサスペンション1は、膨出部54をハブ9の固定用として用いられるボルト32を回避できる位置に設けた例を示したが、これに加えて、あるいはこれに代えて他の突出部材との干渉を回避可能な位置に膨出部54を設けても良い。具体的には、ハブ9の回転を検知するためのセンサ等、エンドプレート30に取り付けられ、トレーリングアーム2の内側に向けて突出する部材を突出部材とし、この突出部材との干渉を回避できるように膨出部54を設けても良い。
本実施形態のサスペンション1では、ショックアブソーバ8を支持するためのブラケット6を上述したような結合構造50によりトレーリングアーム2に対して結合させたものである。そのため、ショックアブソーバ8に対して車体に対して前後方向から作業する衝撃が入力されたとしても、これをしっかりと受け止めることができる。
なお、本実施形態では、ショックアブソーバ8用のブラケット6をトレーリングアーム2に対して結合させるための構造として結合構造50を採用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、ブラケット6に加えて、あるいはブラケット6に代えてスプリングシート5等の他の部材を結合構造50と同様の構造によりトレーリングアーム2に対して結合させるようにしても良い。
本実施形態において、サスペンション1は、前輪駆動車の後輪に適用される形態を説明した。しかし、サスペンションは、4輪駆動車の後輪に使用されてもよいし、他の駆動方式の自動車や前輪に用いられてもよい。
但し、上記各実施形態に示す構成は構成要素の具体例を挙げたものであり、各構成、形
状、又は取り付け態様は本発明の趣旨を逸脱しない限り、実施形態として示すものに限定
されることなく、種々の変形ないし変更が可能である。
本発明のサスペンションは、車両全般において好適に利用することができる。
1 サスペンション
2 トレーリングアーム
2a 内周部
2b 外周部
6 ブラケット
8 ショックアブソーバ
9 ハブ
30 エンドプレート
32 ボルト
52 対向領域
54 膨出部
54a 頂部

Claims (2)

  1. 湾曲して延在する中空状のトレーリングアームと、
    前記トレーリングアームの端部に結合するエンドプレートと、
    他部材が装着されるブラケットと、
    前記エンドプレートに対して取り付けられる突出部材とを有し、
    前記トレーリングアームが、前記エンドプレートと対向する対向領域を有し、
    前記突出部材が、前記トレーリングアームの内部において前記エンドプレート側から前記対向領域に向けて突出するように設けられており、
    前記対向領域に、前記突出部材の突出方向に膨出した膨出部が設けられており、
    前記膨出部の頂部に平面あるいは稜線が形成されており、
    前記ブラケットが、前記頂部に対して結合されていることを特徴とするサスペンション。
  2. 前記トレーリングアームが、前記端部から所定の曲率で湾曲しながら延在するように形成されたものであり、
    前記トレーリングアームの周面が、曲率中心側の内周部と、前記内周部よりも外周側の外周部とを有し、前記外周部に前記対向領域が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション。
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