JP6663837B2 - 自動生産設備および自動生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動生産設備および自動生産方法に関し、特に、製品のねじ締めに有効な技術に関する。
製品を製造する際の自動化設備として、自動生産設備が広く用いられている。この自動生産設備としては、例えば製品のねじ締めを自動にて行うものがある。
このねじ締めを自動にて行う自動生産設備は、例えば電動ドライバや自動ねじ供給機などを有する。設備内に設置された電動ドライバは、ねじをピックアップして、ピックアップしたねじを製品に締め付ける。
また、ねじをピックアップする際は、同じく設備内に設置された自動ねじ供給機によって1本ずつ切り出されたねじを、電動ドライバの先端の磁化させたビットによって磁力で吸着して把持するのが一般的である。
また、非磁性体のねじの場合には、磁力による吸着ができないため、例えば吸引によってねじを吸着して把持するものが知られている。この種の把持技術としては、電動ドライバ先端のビットの周囲にカバーを設け、ポンプなどを用いてカバー部の内部の圧力を低下させ、吸引して把持するものがある(例えば特許文献1参照)。
特開平10−156741号公報
上述した特許文献1の技術では、ねじの材質に依らずにねじをピックアップすることが可能であるものの、電動ドライバの先端のビットがピックアップしたねじの頭にあるビットの嵌合部に挿入されることが担保されない。
そのため、ねじはビットの回転軸に対して傾いた状態にて把持されることがあり、製品にねじを締め付ける際に製品のねじ穴にねじを挿入することができず、ねじ締め不良が発生してしまう恐れがある。
ビットがねじ頭の嵌合部に挿入されたかどうか判断するには、電動ドライバにセンサ等を設けて挿入状態を検知することが考えられるが、その場合には、電動ドライバの構造が複雑となるとともに、自動生産設備のコストも上昇してしまう。
本発明の目的は、電動ドライバの構造を複雑化せずにねじをピックアップした際にねじの頭の嵌合部に電動ドライバのビットが挿入されることを担保することのできる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、代表的な自動生産設備は、ねじ部材を回転させて締め付ける電動ドライバを有する。この電動ドライバは、ビット、回転部、および第1のカバー部を有する。ビットは、ねじ部材の締め付け駆動穴に嵌合してねじ部材を回転させる。回転部は、ビットを回転させる。第1のカバー部は、ビットを覆う円筒状のカバーである。
第1のカバー部の内径は、締め付けるねじ部材のねじ頭の直径と同じである。
ビットは、ねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面がねじ頭に形成される面取りの終端部よりもねじ頭の頂部に近い場合、ビットが第1のカバー部に収納するように設けられる。
ねじ頭に形成される面取りの終端部がねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面よりもねじ頭の頂部に近い場合、ビットの先端部が第1のカバー部から突出するように設けられる。
特に、ビットの先端部が第1のカバー部から突出するように設けられる場合には、ビットの先端部から第1のカバー部の先端部までの、ビットの軸方向の長さである第1の距離は、ねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面からねじ部材のねじ頭に形成される面取りの終端部までの、ねじ部材の軸方向の長さである第2の距離以上である。
また、ビットが第1のカバー部に収納されるように設けられている場合には、ビットの先端部から第1のカバー部の先端部までの、ビットの軸方向の長さである第1の距離は、ねじ頭の円弧面が始まる基端部からねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面までの、ねじ部材の軸方向の長さである第3の距離以上とする。
あるいはビットの先端部が第1のカバー部に収納されるように設けられている場合には、ビットの先端部から第1のカバー部の先端部までの、ビットの軸方向の長さである第1の距離は、ねじ頭に形成される面取りの、ねじの軸方向の長さである第4の距離よりも大きいものとする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
(1)ねじ締め不良の発生を防止することができる。
(2)上記(1)により、製品の信頼性を高めることができる。
実施の形態1による自動生産設備における構成の一例を示す説明図である。 図1の自動生産設備が有する電動ドライバにおける構成の一例を示す断面図である。 図2の電動ドライバが有するビット部およびカバー部の一部を拡大した断面の一例を示す説明図である。 図3の電動ドライバにおけるねじのピックアップの一例を示す説明図である。 図3の他の例を示す説明図である。 図1の自動生産設備における構成の一例を示すブロック図である。 図6の自動生産装置による製品へのねじ締め処理の一例を示すフローチャートである。 実施の形態2による自動生産設備が有する電動ドライバのビット部およびカバー部の一部を拡大した断面の一例を示す説明図である。 図8の断面における他の例を示す説明図である。 実施の形態3による自動生産設備が有する電動ドライバにおける構成の一例を示す断面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
以下、実施の形態を詳細に説明する。
〈概要〉
本実施の形態における自動生産設備100は、電動ドライバ140が有するビット部20と、このビット部20の周囲に設けられたカバー部40との位置関係をねじの形状および寸法に合わせて決定するものである。
これにより、電動ドライバ140の構造を複雑化せずにねじをピックアップした際にねじの頭にあるビットの嵌合部に電動ドライバの先端のビットが挿入されることを担保する。
(実施の形態1)
〈自動生産設備の構成例〉
図1は、本実施の形態1による自動生産設備100における構成の一例を示す説明図である。
自動生産設備100は、図1に示すように、筐体110、自動ねじ供給機120、ロボット130、電動ドライバ140、および制御部145を有する。
図1において、筐体110の左側には、自動ねじ供給機120が搭載されており、その右側には、組み立て対象となる製品200が載置されている。また、筐体110には、ロボット130が載置されている。
自動ねじ供給機120は、複数のねじ300を格納して、電動ドライバ140がピックアップする際に、ねじ部材であるねじ300を1本ずつ切り出す。ロボット130は、3次元的に移動可能な構成からなり、該ロボット130には、電動ドライバ140が取り付けられている。
電動ドライバ140は、ロボット130によって移動が行われる。具体的には、ロボット130は、電動ドライバ140を自動ねじ供給機120と製品200との間を移動させる。
電動ドライバ140は、自動ねじ供給機120においてねじ300をピックアップし、ピックアップしたねじ300を製品200において締め付ける。
自動ねじ供給機120は、ロボット130に搭載された電動ドライバ140によってねじ300をピックアップする関係上、ねじ頭が上に向いた状態のねじ300を1本ずつ切り出す必要がある。
その一方、ねじ頭が上に向いた状態で1本ずつ配置されていれば、必ずしも自動にてねじ300を1本ずつ切り出す必要はない。例えば、ねじ頭が上に向いた状態にて1本ずつ個別に格納可能なパレットを配置することで代用することが可能である。
ロボット130は、3次元的に移動可能であればよく、その形態を問わない。形態の例としては、3軸直交型、スカラ型、垂直多関節型、あるいはパラレルリンク型などが挙げられる。制御部145は、自動ねじ供給機120、ロボット130、および電動ドライバ140の動作を制御する。
〈電動ドライバの構成例〉
図2は、図1の自動生産設備100が有する電動ドライバ140における構成の一例を示す断面図である。
電動ドライバ140は、図2に示すように、本体部10、ビット部20、リンク部30、および第1のカバー部であるカバー部40を有する。本体部10は、図示しないモータによって回転動作を発生させる。
リンク部30は、本体部10とビット部20とを連結する。これにより、本体部10の回転動作をビット部20に伝達する。ビット部20は、電動ドライバ140の軸部分であり、ねじ頭に該ビット部20の先端部が挿入される。カバー部40とは、ビット部20の周囲を覆うカバーである。
カバー部40は、ビット部20と同心円をなす中空円柱からなり、カバー部40の内径は、ねじ300のねじ頭の直径と略同じ寸法とする。この場合、カバー部40の内径がねじ300のねじ頭の直径と同じであると、ねじ頭がカバー部40内に収納されないため、カバー部40の内径は、ねじ頭の直径よりもわずかに大きいものとする。
ビット部20の先端部は、締め付けるねじ300の後述する嵌合部400の形状に合わせた形状からなり、例えばプラス型、マイナス型、四角型、六角型、あるいはトルクス(登録商標)型などである。
カバー部40には、接続部50が設けられている。この接続部50には、ホース60の一端が接続されている。ホース60の他端には、吸引ポンプなどの図6に示す圧力機構150が接続されている。
圧力機構150は、吸引動作を行う。ねじ300をピックアップしてねじ頭がカバー先端を塞いだ際に、圧力機構150によってカバー部40の内部を負圧にする。これにより、ねじ300を吸引する。
〈ビット部とカバー部との位置関係〉
図3は、図2の電動ドライバ140が有するビット部20およびカバー部40の一部を拡大した断面の一例を示す説明図である。
図3は、図2の電動ドライバ140におけるビット部20の先端部を拡大した断面の一例を示す説明図である。図3(a)は、ねじ頭にビット部20が挿入される前の状態を示したものであり、図3(b)は、ねじ頭にビット部20が挿入された状態を示したものである。
なお、この図3は、締め付けるねじ300が、六角穴付きボルトを対象とした場合を示している。
ここで、六角穴付きボルトからなるねじ300について説明する。
図3(a)に示すねじ300において、ねじ頭、すなわちねじ300の頭部形状は、いわゆる六角穴付きであり、該ねじ頭には、ビット部20が挿入される嵌合部400が形成されている。この嵌合部400は、締め付け駆動穴となる。
また、ねじ頭上面の先端部は、面取り410が施されている。この面取り410は、ねじ頭上面の先端部を丸めたものである。言い換えれば、ねじ頭の頂面からねじ頭の外周面にかけて斜めに削られて、ねじ頭の頂面の角が取られている。
ここで、ねじ頭の外周面の面取り410が始まる部分、すなわち面取り410がねじ頭の外周と同じ外径となる部分を終端部415と定義する。この終端部415から嵌合部400の底面405までの、ねじ300の軸方向の長さを距離Bと定義する。距離Bは、第2の距離となる。底面405は、言い換えれば嵌合部400において、ビット部20の先端面が接触する面である。
また、電動ドライバ140が有するカバー部40の先端部40aからビット部20の先端部20aが突出しているビット部20の軸方向の長さを距離Aと定義する。距離Aは、第1の距離となる。
上述した距離Aと距離Bとが一致する場合、ねじ300をピックアップするためにビット部20をねじ頭の嵌合部400に挿入した際には、図3(b)に示すように、カバー部40の内側がねじ頭で塞がれる状態となる。
このとき、図2のホース60を介してカバー部40に接続された吸引ポンプなどの圧力機構150を動作させてカバー部40の内部を負圧にすることにより、ねじ300を吸引して把持することができる。圧力機構150は、吸引部となる。
これに対し、距離Aが距離Bよりも大きい場合には、ビット部20をねじ頭の嵌合部400に挿入した際のカバー部40とねじ頭との隙間が大きくなり、ねじ300を吸引する力がかからず把持することができない。
よって、距離Aは、距離Bと同じ、あるいは距離Bよりも小さくなければならず、その関係は以下の式1にて表される。
A≦B (式1)
図4は、図3の電動ドライバ140におけるねじ300のピックアップの一例を示す説明図である。
図4(a)は、距離Aと距離Bとが一致する場合において、ビット部20がねじ300の嵌合部400に挿入できなかった場合の例を示したものである。図4(b)は、距離Aと距離Bとが一致する場合において、ビット部20がねじ300の嵌合部400に挿入された場合を示したものである。
ここで、ねじ300のピックアップ成功の検知によってビット部20の挿入状態を判断するためには、ビット部20が挿入されていない状態にてねじ300がピックアップできないことが必要となる。
距離Aと距離Bとが一致する場合において、六角形状のビット部20と同じく六角形状からなるねじ300の嵌合部400との角度が合っておらず、ビット部20をねじ頭の嵌合部400に挿入できなかった場合には、図4(a)に示すように、ビット部20をねじ300の嵌合部400に挿入した際のカバー部40とねじ頭との隙間が大きくなる。これによって、隙間から空気が漏れてしまい、ねじ300を吸引する力がかからず該ねじ300を把持することができない。
これに対して、ビット部20とねじ300の嵌合部400との角度が合って該ビット部20がねじ頭の嵌合部400に挿入された場合には、図4(b)に示すように、カバー部40の内部が負圧となり、ねじ300を吸引して把持することができる。
すなわち、ねじ300のピックアップに成功した際には、電動ドライバ140が有するビット部20がねじ300の嵌合部400に挿入されていることを担保することができる。
このように、ねじ300のピックアップが成功したことを検知するだけで、ビット部20がねじ頭の嵌合部400に挿入されたことを判断することができる。ねじ300のピックアップ成功の検出は、例えば図6にて後述する検知機構160や、自動ねじ供給機120のねじ300の在荷状態の認識などにより容易に判断することができる。検知機構160は、例えばカバー部40内の圧力を測定するセンサである。
これにより、電動ドライバ140の構造を簡易にすることができる。
一方、ねじ300のピックアップ時にビット部20がねじ300の嵌合部400に挿入されていることを担保できない構成の場合、発明が解決しようとする課題で述べたように、ねじがビットの回転軸に対して傾いた状態などにて把持されることがある。
そのため、電動ドライバに挿入状態を検知するセンサなどを新たに設ける必要がある。その結果、電動ドライバ140の構造が複雑となり、コストアップの要因にもなってしまう。
図5は、図3の他の例を示す説明図である。
始めに、ねじ300の面取り410の軸方向の長さを距離Dと定義する。距離Dは、第4の距離である。すなわち、面取り410の終端部415からねじ300のねじ頭の頂面までの、ねじ300の軸方向の長さを距離Dとする。
ねじ300をピックアップする際、ねじ頭の頂面は、図5(a)に示すように、面取り410の終端部415に対して必ず上方にある。そのため、ビット部20の先端部20aは、カバー部40に収納される状態とし、この状態おけるビット部20の先端部20aからカバー部40の先端部40aまでのビット部20の軸方向の長さを距離A’と定義する。
ここで、距離A’と距離Dとが一致する場合には、図5(a)に示すように、ビット部20がねじ300の嵌合部400に挿入されていない状態であっても、図5(b)に示すように、電動ドライバ140のカバー部40の内側がねじ300のねじ頭によって塞がれてしまう状態になる。
この状態において、カバー部40に接続された吸引ポンプなどの圧力機構150を動作させてカバー部40内を負圧にすると、ねじ300を吸引して把持することができてしまうことなり、ビット部20がねじ300の嵌合部400に挿入されていることを担保することができない。
よって、距離A’は、距離Dよりも大きくなければならない。
このことから、式1をふまえて距離A’は、以下に示す式2の範囲となる。
D<A’ (式2)
〈自動生産設備のハードウェア構成〉
続いて、自動生産設備100のハードウェア構成について説明する。
図6は、図1の自動生産設備100における構成の一例を示すブロック図である。
自動生産設備100は、筐体110、および制御部145を有する構成からなる。筐体110には、自動ねじ供給機120、ロボット130、電動ドライバ140、圧力機構150、および検知機構160を有する。
ここで、自動ねじ供給機120、ロボット130、および電動ドライバ140については、図1と同様であるので説明は省略する。圧力機構150は、上述したように吸引ポンプなどであり、カバー部40内部を吸引することによって負圧を発生させる。
検知機構160は、図4にて述べたように、カバー部40内の圧力を測定する圧力センサである。この場合、ホース60の圧力を測定するようにしてもよい。あるいは、デジタルカメラなどの撮像部であってもよい。
デジタルカメラの場合には、電動ドライバ140がねじ300をピックアップした際の画像をデジタルカメラなどによって撮影し、画像認識処理などによって電動ドライバ140がねじ300を保持しているかを判定する。
また、制御部145は、ねじ供給完了検知部510、動作制御部520、および判定部であるねじピックアップ判定部530を有する。
ねじ供給完了検知部510は、筐体110に設置された自動ねじ供給機120により、ねじ300が供給されたことを検知する。動作制御部520は、ねじ300が供給されたことをねじ供給完了検知部510が検知すると、ロボット130、電動ドライバ140、および圧力機構150などにねじ300をピックアップする制御信号を出力する。
検知機構160は、ねじ300のピックアップ動作が終了した際に、ねじ300のピックアップ状態を検知する。検知は、上述したように、カバー部40内またはホース60内などの圧力を検出する。あるいはピックアップ動作の終了した電動ドライバ140の画像などを撮影するようにしてもよい。
ねじピックアップ判定部530は、検知機構160の検知結果に基づいて、ねじ300のピックアップ成否を判定し、その判定結果を動作制御部520に出力する。判定結果がピックアップされていない場合、動作制御部520は、再度ねじ300をピックアップする動作の制御信号を出力する。
また、ピックアップできていれば動作制御部520は、電動ドライバ140によってねじ300を製品にねじ締めする制御信号をロボット130、電動ドライバ140、および圧力機構150などに出力する。
〈ねじ締めの処理例〉
図7は、図6の自動生産装置による製品へのねじ締め処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ねじ供給完了検知部510は、自動ねじ供給機120によるねじ300の供給状態を検知し(ステップS101)、ねじ300の供給が完了したか否かを判定する(ステップS102)。
ステップS102の処理にて、ねじ供給完了検知部510がねじ300の供給ができていないと判定した際には、ステップS101の処理に戻り、該ステップS101以降の処理を繰り返す。
また、ねじ供給完了検知部510がねじ300が供給できていると判定すると、動作制御部520は、自動ねじ供給機120によって1本切り出されたねじ300の直上まで電動ドライバ140が移動するようにロボット130に制御信号を出力して制御する(ステップS103)。
続いて、動作制御部520は、圧力機構150を動作させ、電動ドライバ140のカバー部40内の吸引を開始させるとともに、電動ドライバ140の本体部10を動作させてビット部20を回転させる(ステップS104)。
そして、動作制御部520は、ロボット130を制御することにより、ビット部20を回転させながら電動ドライバ140を降下させて、自動ねじ供給機120上のねじ300をピックアップすべくアプローチする(ステップS105)。
その後、動作制御部520は、電動ドライバ140を上昇させ、自動ねじ供給機120からねじ300を引き抜くように制御を行う(ステップS106)。続いて、検知機構160は、ねじ300がピックアップされたか否かを検知する(ステップS107)。その検知結果は、ねじピックアップ判定部530に出力される。
ねじピックアップ判定部530は、検知機構160から出力された検知結果に基づいてねじ300がピックアップされたか否か判定する(ステップS108)。
検知機構160が圧力センサの場合には、測定した圧力値をねじピックアップ判定部530に出力する。検知機構160がデジタルカメラなどの場合には、ねじ把持状態あるいは自動ねじ供給機120のねじ300の在荷状態などを撮影した画像データをねじピックアップ判定部530に出力する。
ねじピックアップ判定部530は、圧力値を受け取った際に受け取った圧力値が予め設定されているしきい値を超えるか否かを判定する。予め設定されているしきい値を超えていない場合、ねじピックアップ判定部530は、ねじ300が把持されていないと判定する。
また、検知機構160がデジタルカメラなどの場合、ねじピックアップ判定部530は、撮影された画像データを画像処理することによってねじ把持状態あるいは自動ねじ供給機120のねじ300の在荷状態などから判定する。
例えば電動ドライバ140にねじがない場合には、ピックアップできていないと判定する。あるいは自動ねじ供給機120の在荷数が前回のピックアップから減っていなければピックアップできていないと判定する。
ステップS108の処理において、ねじ300がピックアップできていないと判定した場合には、ステップS105の処理に戻り、該ステップS105以降の処理を繰り返す。
また、ステップS108の処理において、ねじ300がピックアップできていると判定した場合、動作制御部520は、ロボット130、電動ドライバ140、および圧力機構150を制御して図1の製品200に対してねじ締めを実施する(ステップS109)。これにより、製品200に対するねじ締め処理が終了となる。
以上により、ねじ300をピックアップした際にねじ300の嵌合部400に電動ドライバ140の先端のビット部20が挿入されることを担保することができる。これにより、ねじ締め不良の発生を防止することができる。
なお、電動ドライバ140のビット部20をねじ300の嵌合部400に挿入できずにピックアップの失敗を繰り返す場合は、ねじ300のピックアップ時に回転しているビット部20の回転速度を調整することによって、ビット部20挿入の成功率を上げることができる。あるいは電動ドライバ140の降下速度などを調整することによっても、ビット部20挿入の成功率を上げることができる。
以上によって、単純な構造の電動ドライバ140により、ねじ300のピックアップ時点で嵌合部400にビット部20が挿入されていることを担保し、ねじ300が傾くことなくピックアップすることが可能となる。
よって、製品200のねじ締め不良の発生を防止することができ、該製品200の信頼性を向上させることができる。
(実施の形態2)
〈概要〉
本実施の形態2においては、ねじ300としてナベねじを対象とした自動生産設備100が有する電動ドライバ140について説明する。
〈ビット部とカバー部との位置関係〉
図8は、本実施の形態2による自動生産設備100が有する電動ドライバ140のビット部20およびカバー部40の一部を拡大した断面の一例を示す説明図である。
ここで、自動生産設備100の構成については、前記実施の形態1の図1と同様であり、電動ドライバ140の構成については、前記実施の形態1の図2および図6と同様であるので説明は省略する。
この図8では、ねじ300がナベねじを対象とした場合を示している。
ナベねじであるねじ300のねじ頭は、図8(a)に示すように、ストレート面および円弧面420から構成されており、該ねじ頭の中央部には、ビット部20が挿入される嵌合部400が設けられている。
ストレート面は、ねじ300のねじ部から径方向に延びる径方向面427の端部を基端部として、ねじ300の軸方向に終端部425まで延びた面である。円弧面420は、ストレート面の先端部であり、ストレート面の終了する終端部425からねじ頭の先端部までの円弧状の面である。すなわち終端部425は、円弧面420が始まる基端でもある。
ここで、ストレート面の終端部425から嵌合部400の底面405までの、ねじ300の軸方向における長さを距離Cと定義する。距離Cは、第3の距離である。
ここで、図8(a)に示すように、嵌合部400の底面405が終端部425より上方、言い換えれば底面405が終端部425より、よりねじ頭の頂部に近い位置にある場合、ビット部20の先端部は、カバー部40に収納される構成とする。
また、ビット部20の先端部20aがカバー部40に収納される状態におけるビット部20の先端部20aからカバー部40の先端部40aまでのビット部20の軸方向の長さを距離A’と定義する。
距離長さA’と距離Cとが一致する場合、ビット部20をねじ300の嵌合部400に挿入した際には、図8(b)に示すように、カバー部40の内側がねじ300のねじ頭で塞がれる状態となる。このとき、圧力機構150を動作させることにより、負圧によってねじ300を吸引して把持することができる。
これに対し、距離A’が距離Cよりも小さい場合には、ビット部20をねじ300の嵌合部400に挿入した際のカバー部40とねじ頭との隙間が大きくなる。よって、ねじ300を吸引する力がかからず把持することができない。
よって、距離A’は、距離Cと同じ、あるいは距離Cよりも大きくなければならず、その関係は以下の式3で表される。
C≦A’ (式3)
一方、終端部425からねじ頭の頂部までのねじ300の軸方向の長さを距離D’と定義したとき、距離A’と距離D’とが一致する場合には、ビット部20がねじ300の嵌合部400に挿入されていない状態であっても、電動ドライバ140のカバー部40の内側がねじ頭で塞がれた状態になる。
この状態において、圧力機構150を動作させてカバー部40の内部を負圧にすると、ねじ300を吸引して把持することができてしまい、把持した際にねじ300の嵌合部400にビット部20が挿入されることが担保されないことになる。
よって、距離A’は、距離D’よりも小さくなければならない。このことから、式3をふまえて距離A’は以下の式4の範囲を取る。
C≦A’<D’ (式4)
前記実施の形態1にて説明した六角穴付きボルトの例と、本実施の形態によるナベねじの例とでは、ビット部20の先端部20aがカバー部40の先端部40aよりも突出するか収納されるかによって分かれている。
これは、図3に示す面取り410の終端部415および図8に示すストレート面の終端部425が嵌合部400の底面405に対して上方にあるか下方にあるかによって分けられる。
終端部415あるいは終端部425が、嵌合部400の底面405よりも、ねじ頭の頂部に近い位置にある場合、電動ドライバ140が有するビット部20の先端部20aは、カバー部40の先端部40aに収納される状態になる。
また、嵌合部400の底面405が、終端部415または終端部425よりもねじ頭の頂部に近い位置にある場合、ビット部20の先端部20aは、カバー部40の先端部40aから突出する状態になる。
図9は、図8の断面における他の例を示す説明図である。
図9(a)は、電動ドライバ140が締め付けるねじ300が皿ねじの場合を示したものであり、図9(b)は、電動ドライバ140が締め付けるねじ300がトラスねじの場合を示したものである。
例えば、皿ねじの場合は、図9(a)に示すように、ねじ300のねじ頭に図3に示した六角穴付きボルトや図8に示したナベねじのように面取りや円弧面420がないために、ねじ300のねじ頭の頂面外周を面取りの終端部415とみなす。
よって、ねじ300における嵌合部400の底面405に対して終端部415が上方に、すなわち頂面側にあるため、電動ドライバ140のビット部20の先端部20aは、カバー部40の先端部40aから突出した状態になる。
また、トラスねじの場合は、図9(b)に示すように、ねじ300の底面405に対して終端部425がねじ頭の下方にあるため、電動ドライバ140におけるビット部20の先端部20aは、カバー部40に収納される状態になる。
以上により、製品のねじ締めを自動で行う自動生産設備100において、ねじ300のねじ頭の形状に依らずねじ300のピックアップ時点にてねじ300のねじ頭の嵌合部にビットが挿入されていることを担保することができる。
ねじ300を傾くことなくピックアップすることができるので、製品へのねじ締め時のねじ締め不良の発生を防止することができる。
(実施の形態3)
〈概略〉
前記実施の形態1,2では、座金を有していないねじ300を用いる場合について説明したが、本実施の形態3では、座金を有するねじ300を対象とする自動生産設備100について説明する。
〈電動ドライバの構成例〉
図10は、本実施の形態3による自動生産設備が有する電動ドライバ140における構成の一例を示す断面図である。
また、自動生産設備100については、前記実施の形態1の図1に示す自動生産設備100と同様の構成からなるので、説明は省略する。図10に示す電動ドライバ140は、ばね座金301および平座金302が一体化されたねじ300を締め付け対象とするものである。ばね座金301は、ねじ300の緩みを低減させるものであり、ねじ頭と平座金302との間に設けられる。平座金302は、締め付け対象の製品との接着性を高める。
図10の電動ドライバ140が図2の電動ドライバ140と異なるところは、第2のカバー部である補助カバー部45が新たに設けられた点である。その他の構成については、図2の電動ドライバ140と同様であるので説明は省略する。
補助カバー部45は、円筒状からなり、カバー部40の外周に設けられており、ばね60などにより電動ドライバ140の軸方向に伸縮可能な状態によって取り付けられている。この補助カバー部45の内径は、平座金302の直径と略一致するように形成されている。これにより、ねじ300を把持した際に、より傾きにくくすることができる。また、補助カバー部45の内径が平座金302の直径と同じであると、平座金302が補助カバー部45内に収納されないため、該補助カバー部45の内径は、平座金302の直径よりもわずかに大きいものとする。
以上により、ばね座金301および平座金302などの座金が一体化されたねじ300であっても、ピックアップ時点にてねじ300の嵌合部400にビット部20が挿入されていることを担保することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることが可能である。
10 本体部
20 ビット部
20a 先端部
30 リンク部
40 カバー部
40a 先端部
45 補助カバー部
50 接続部
60 ホース
100 自動生産設備
110 筐体
120 自動ねじ供給機
130 ロボット
140 電動ドライバ
145 制御部
150 圧力機構
160 検知機構
200 製品
301 ばね座金
302 平座金
400 嵌合部
405 底面
415 終端部
420 円弧面
425 終端部
427 径方向面
510 ねじ供給完了検知部
520 動作制御部
530 ねじピックアップ判定部

Claims (8)

  1. ねじ部材を製品のねじ穴に自動的に固定する自動生産設備であって、
    前記ねじ部材を回転させて締め付ける電動ドライバを有し、
    前記電動ドライバは、
    前記ねじ部材の締め付け駆動穴に嵌合して前記ねじ部材を回転駆動させるビットと、
    前記ビットを回転させる回転部と、
    前記ビットを覆う円筒状の第1のカバー部と、
    を有し、
    前記第1のカバー部の内径は、締め付ける前記ねじ部材のねじ頭の直径と等しく、
    前記ビットは、前記ねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面が前記ねじ頭に形成される面取りの終端部よりも前記ねじ頭の頂部に近い場合、前記ビットの前記第1のカバー部に収納されるように設けられ、前記ねじ頭に形成される面取りの終端部が前記ねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面よりも前記ねじ頭の頂部に近い場合、前記ビットの先端部が前記第1のカバー部から突出するように設けられる、自動生産設備。
  2. 請求項1記載の自動生産設備において、
    前記ビットの先端部が前記第1のカバー部から突出するように設けられる場合、前記ビットの先端部から前記第1のカバー部の先端部までの、前記ビットの軸方向の長さである第1の距離は、前記ねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面から前記ねじ部材のねじ頭に形成される面取りの終端部までの、前記ねじ部材の軸方向の長さである第2の距離以下である、自動生産設備。
  3. 請求項1記載の自動生産設備において、
    前記ビットが前記第1のカバー部に収納されるように設けられる場合、前記ビットの先端部から前記第1のカバー部の先端部までの、前記ビットの軸方向の長さである第1の距離は、前記ねじ頭の円弧面が始まる基端部から前記ねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面までの、前記ねじ部材の軸方向の長さである第3の距離以上である、自動生産設備。
  4. 請求項1記載の自動生産設備において、
    前記ビットの先端部が前記第1のカバー部から収納されるように設けられる場合、前記ビットの先端部から前記第1のカバー部の先端部までの、前記ビットの軸方向の長さである第1の距離は、前記ねじ頭に形成される面取りの、前記ねじ部材の軸方向の長さである第4の距離よりも小さい、自動生産設備。
  5. 請求項1記載の自動生産設備において、
    前記第1のカバー部を覆う円筒状の第2のカバー部を有し、
    前記第2のカバー部の内径は、前記ねじ部材が有する座金の直径と同じである、自動生産設備。
  6. ねじ部材の締め付け駆動穴に嵌合して前記ねじ部材を回転駆動させるビット、前記ビットを回転させる回転部、および前記ビットを覆う円筒状の第1のカバー部を備え、前記第1のカバー部の内径は、締め付ける前記ねじ部材のねじ頭の直径と等しく、前記ビットは、前記ねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面が前記ねじ頭に形成される面取りの終端部よりも前記ねじ頭の頂部に近い場合、前記ビットの先端部が前記第1のカバー部に収納されるように設けられ、前記ねじ頭に形成される面取りの終端部が前記ねじ頭に形成される締め付け駆動穴の底面よりも前記ねじ頭の頂部に近い場合、前記ビットが前記第1のカバー部から突出するように設けることによって、製品に締め付ける前記ねじ部材をピックアップした際に前記ビットが前記ねじ部材の締め付け駆動穴に嵌合することを担保する電動ドライバと、前記第1のカバー部の内部を吸引する吸引部と、前記電動ドライバが前記ねじ部材をピックアップしたか否かを判定する判定部と、ねじ供給機が前記ねじ部材を供給したか否を判定するねじ供給完了検知部と、を有する自動生産設備を用いた自動生産方法であって、
    前記電動ドライバが、前記吸引部により前記第1のカバー部の内部を吸引することにより、前記ねじ部材をねじ供給装置からピックアップするステップと、
    前記判定部が、前記ねじ部材がピックアップしたか否を判定するステップと、
    前記判定部がピックアップしたと判定した際に、前記電動ドライバが前記ねじ部材を前記製品に締め付けるステップと、
    を有し、
    前記ねじ部材をピックアップしたか否を判定するステップにおいて、前記ねじ部材がピックアップされていないと判定した際に、前記ねじ部材がピックアップできるまで前記ねじ部材を前記ねじ供給装置からピックアップするステップを繰り返す、自動生産方法。
  7. 請求項6記載の自動生産方法において、
    前記ねじ供給完了検知部が、前記ねじ供給機が前記ねじ部材を供給したか否を判定するステップを有し、
    前記ねじ部材を供給したと判定した際に、前記ねじ部材を前記ねじ供給装置からピックアップするステップを実行する、自動生産方法。
  8. 請求項6記載の自動生産方法において、
    前記電動ドライバは、前記ビットを回転させながら前記ねじ部材を前記ねじ供給装置からピックアップする、自動生産方法。
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