以下に、本発明の実施形態を、車両に搭載される電動パワーステアリング装置の制御装置に用いた場合を例として説明する。
ここで、上記電動パワーステアリング装置は、車両のステアリング機構に電動モータの回転力で操舵補助力(アシスト力)を付与するものであり、モータの駆動力を減速機構を介してギア又はベルト等の伝達機構により、ステアリングシャフト或いはラック軸に操舵補助力を付与するようになっている。そして、このような電動パワーステアリング装置(EPS)は、操舵補助力のトルクを正確に発生させるため、モータ電流のフィードバック制御を行っている。
かかるフィードバック制御は、操舵補助指令値(電流指令値)と電動モータ電流検出値との差が小さくなるように電動モータ印加電圧を調整するものであり、電動モータ印加電圧の調整は、一般的にPWM(パルス幅変調)制御のデューティ(Duty)の調整で行っている。
上記の電動パワーステアリング装置の一般的な構成を図1に示して説明すると、ハンドル1のコラム軸(ステアリングシャフト、ハンドル軸)2は減速機構3の減速ギア、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5、タイロッド6a,6bを経て、更にハブユニット7a,7bを介して操向車輪8L,8Rに連結されている。また、コラム軸2には、ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10及び操舵角θを検出する舵角センサ14が設けられており、ハンドル1の操舵力を補助するモータ20が減速機構3の減速ギア(ギア比n)を介してコラム軸2に連結されている。
そして、上記の電動パワーステアリング装置を制御する制御装置30であるコントロールユニット(ECU)は、マイクロコントロールユニット(MCU)を基幹部品として構成され、バッテリ13から電力が供給されると共に、イグニションキー11を経てイグニションキー信号が入力される。
このように構成される制御装置30では、トルクセンサ10で検出された操舵トルクThと車速センサ12で検出された車速Velとに基づいてアシスト(操舵補助)指令の電流指令値の演算を行い、電流指令値に補償等を施した電圧制御指令値Vrefによって電動モータ20に供給する電流を制御する。なお、舵角センサ14は必須のものではなく、配設されていなくても良く、電動モータに連結されたレゾルバ等の回転位置センサから操舵角を取得することも可能である。
また、上記制御装置30には、車両の各種情報を授受するCAN(Controller Area Network)50が接続されており、車速VelはCAN50から受信することも可能である。また、制御装置30には、CAN50以外の通信、アナログ/ディジタル信号、電波等を授受する非CAN51も接続されている。
上記のような制御装置30の上記MCU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと、例えば図2に示されるような構成となっている。
図2を参照して制御装置30のコントロールユニットの機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10からの操舵トルクTh及び車速センサ12からの車速Velは電流指令値演算部31に入力され、電流指令値演算部31は操舵トルクTh及び車速Velに基づいてアシストマップ等を用いて電流指令値Iref1を演算する。演算された電流指令値Iref1は加算部32Aで、特性を改善するための補償部34からの補償信号CMと加算され、加算された電流指令値Iref2が電流制限部33で最大値を制限され、最大値を制限された電流指令値Irefmが減算部32Bに入力され、モータ電流検出値Imと減算される。
減算部32Bでの減算結果I(=Irefm−Im)はPI制御部35でPI(比例積分)制御され、PI制御された電圧制御値Vrefが変調信号(キャリア)CFと共にPWM制御部36に入力されてデューティを演算され、デューティを演算されたPWM信号でインバータ37を介してモータ20をPWM駆動する。モータ20のモータ電流値Imはモータ電流検出手段38で検出され、減算部32Bに入力されてフィードバックされる。
補償部34は、検出若しくは推定されたセルフアライニングトルク(SAT)を加算部344で慣性補償値342と加算し、その加算結果に更に加算部345で収れん性制御値341を加算し、その加算結果を補償信号CMとして加算部32Aに入力し、特性改善する。
また、上記モータ20が3相ブラシレスモータの場合、PWM制御部36及びインバータ37の詳細は例えば図3に示すような構成となっており、PWM制御部36は、電圧制御値Vrefを所定式に従って3相分のPWMデューティ値D1〜D6を演算するデューティ演算部36Aと、PWMデューティ値D1〜D6で駆動素子としてのFETのゲートを駆動すると共に、デッドタイムの補償をしてON/OFFするゲート駆動部36Bとで構成されている。デューティ演算部36Aには変調信号(キャリア)CFが入力されており、デューティ演算部36Aは変調信号CFに同期してPWMデューティ値D1〜D6を演算する。
また、インバータ37は、U相の上段FET1及び下段FET4で成る上下アームと、V相の上段FET2及び下段FET5で成る上下アームと、W相の上段FET3及び下段FET6で成る上下アームとで成る3相ブリッジで構成されており、上記各FETがPWMデューティ値D1〜D6でON/OFFされることによってモータ20を駆動する。
なお、インバータ37とモータ20との間には、アシスト制御停止時等に電流の供給を遮断するためのモータ開放スイッチ23が介挿されている。モータ開放スイッチ23は、各相に介挿された寄生ダイオード付きのFET7〜9で構成されている。
そして、上記のように構成される電動パワーステアリング装置において、上記制御装置30の内部等に設けられる本発明の電子部品搭載用放熱基板は、次のように構成されている。なお、以下の説明では、同一の構成要素については、他の形態を採り得るものについても同一の記号を用い、重複する説明や構成については、一部省略する場合がある。また、図面に示す各構成要素の大きさや比率などは説明の便宜のために実際のものとは異なる場合が有る。
また、本発明は、配線パターン形状のリードフレームに形成した導体板と前記配線パターン形状のリードフレーム間に設けられた絶縁材とにより構成される電子部品搭載用放熱基板を前提としている。そして、上記リードフレームは少なくとも2種類以上の異なる厚さを有しており、上記基板の板面は、最も厚みの厚いリードフレームの板面の表面側又は裏面側と相互に連続する一の面上に一面を設けるように構成されており、上記厚さの異なるリードフレームが、交差部(「クロス配線部」と言う場合もある。)において相互に交差して配置することが可能となっていることを特徴としている。そこで、以下の説明では、最初に、上記のようなリードフレームと絶縁材により構成されているが本発明による交差部が形成されていない電子部品搭載用放熱基板について説明し、続けて上記交差部を備える電子部品搭載用放熱基板についての説明を行う。
図4は、上述したような本発明による交差部が形成されていない電子部品搭載用放熱基板100の例を図示したものであり、(A)は平面図、(B)は(A)同様の基板の側面図である。なお、ここで上記側面図は、上記図4(A)に示す平面図の同図(A)上の図面上の下側の位置から上側の位置を見た場合の図を示している。
上記電子部品搭載用放熱基板100は、例えば、上記図4で示したように、基本的には配線パターン形状に打ち抜き等の手段により形成されたリードフレーム110と、このリードフレーム110の間に一体成型された絶縁材130とにより構成されている。なお、上記図4において白い閉曲線で囲まれた部分がリードフレーム110を表しており、図4(A)の灰色の網掛け部分乃至図4(B)の斜線部分が絶縁材130を表している。
上記電子部品搭載用放熱基板100のうち、リードフレーム110は、導体板により形成されるため、全体としては平板状に形成されており、上面側から見て、電子部品が実装される回路の配線パターン形状に形成されている。そのため、上記リードフレーム110の上記電子部品搭載用放熱基板100の表面側と裏面側との間の側面、言い換えれば、上記リードフレーム110の厚さ方向の側面は、基本的には、上記基板電子部品搭載用放熱基板100の板面に垂直な平面に構成されている。そして、上記導体板の配線パターン形状のリードフレーム110への成形手段は、特に限定を設けるものではないが、例えば、プレス加工や打ち抜き加工のようなものを採用することが可能である。
また、上記成形をエッチングによって行うことも可能ではあるが、上記本発明の電子部品搭載用放熱基板では、基本的には、上記導体板の板厚を厚くすることで、当該導体板により形成されるリードフレーム110の厚さを増加させ、配線抵抗の減少を図っている。そのため、上記エッチングにより加工を行う場合であっても、材質が銅である場合には、少なくとも70μm程度の厚さ以上に形成することによって、従来のエッチングにより回路パターンを形成した基板よりも放熱特性が改善される。また更に、上記エッチングによる加工を行わず、打ち抜き加工等により上記配線パターン形状のリードフレーム110を形成する場合には、特に大電流を流すことが想定される際には、上記導体板の板厚としては、例えば、銅を使用した場合には、少なくとも300μm以上であることが更に望ましい。
また、上記本発明の電子部品搭載用放熱基板では、上記導体板の板厚は任意に設定することが可能であるため、高電流を使用する電子部品に対しては、基板表面上の面積ではなく上記基板の板厚を増加させることによる体積の増加によって、配線抵抗を減少させると共に放熱性をも改善させる対応が可能である。したがって、その結果として、部品の実装密度を向上させることが可能である。
そして更に、本発明では、上記導体板として、少なくとも2種類以上の相互に異なる厚さのものを用いるなどして、少なくとも2種類以上の相互に異なる厚さを有する配線パターン形状のリードフレーム110を形成している。そして、これら相互に異なる厚さを有するリードフレームは、相互に混在して配置することも可能である。
したがって、上記のように板厚の異なるリードフレームを混在させて用いる構成を採用することにより、上記本発明の電子部品搭載用放熱基板では、実装される電子部品に通電される電流量に応じたリードフレームを高密度に配置することが可能であり、使用材料や寸法の縮小等を通じて関連コストの削減を図ることも可能である。
すなわち、リードフレームを上述のように、例えば、抜き加工で行う場合には、ブランキングと呼ばれる、プレス加工でリードフレーム配線部の輪郭形状を作る作業を行う。そして上記ブランキングの際には材料は最終成形品よりも大きくしたものが用いられ、その大きくした部分は,さん(bridge)と呼ばれ、上記さんには「送りさん幅」と「縁さん幅」とが有る。そして、一般的に上記さん幅の必要最小幅は、板厚をt(mm)とした場合には、「送りさん幅」は1.0t〜1.5tmm程度であり、「縁さん幅」は1.5×「送りさん幅」となっており、上記さん幅を小さくし過ぎるとプレス金型を抜く際に支障が生ずる場合が有ったり、パンチ、ダイの摩耗が早まったりバリ発生の原因になったりする場合が有るといわれている。
そこで上記本発明の電子部品搭載用放熱基板の例では、図5(A)に示したように、上記基板に使用するリードフレームとして、大電流用と小電流(小信号)用のものに同じ板厚のものを用いることに代えて、図5(B)に示したように、上記各電流に対応する複数の厚みを有するリードフレームを用いており、これを混在させることも可能な構成としている。なおここで、上記図5(A)は大電流用(110H)と小電流(小信号)(111L)用のものとして同一の厚さを有するリードフレームにより構成した場合の電子部品搭載用放熱基板を上記リードフレームの延伸方向から見た断面図を示したものであり、図5(B)は異なる厚さを有するリードフレームにより構成される本発明の電子部品搭載用放熱基板の上記リードフレームの延伸方向から見た断面図を示したものである。
図5(A)で示したように、2つの大電流用のライン110H(幅はそれぞれ、W4、W6)と小信号用のライン111L(幅W5)とに、同一の厚さを有するリードフレーム110を用いた場合には、上記リードフレーム間の間隔は、上記リードフレーム110の厚みt(ここではt=A)に応じた送りさん幅γが必要とされる。そのため、例えば、図5(A)に示した例では、上記複数のリードフレーム110の幅と上記送りさん幅(絶縁材が充填される部分)の配列の合計は概ねα(α≒2γ+W4+W5+W6)となる。
その一方、図5(B)で示したように、2つの大電流用のライン110H(幅はそれぞれ、W1、W3)と小信号用のライン110L(幅W2)とに、異なる厚さ(大電流用のラインの厚さt=A、小電流用のラインの厚さt=B)を有するリードフレーム110を用いた場合には、上記複数のリードフレーム間の相互間隔は、上記大電流ライン110Hの間に小電流ライン110Lを配置することができる為に、上記複数のリードフレーム110の幅と上記送りさん幅(絶縁材が充填される部分)の配列の合計は概ねβ(β≒γ+W1+W3)となる。
そのため、上記のように構成する結果、上記複数のリードフレーム110と絶縁材とにより形成される幅を比較すると、α>βとなり、上記小信号用のライン110Lの厚みを大電流用のライン110Hよりも薄くすることにより、配線密度を高くすることが可能であり、上記小電流ラインのためのリードフレーム110Lは、より板厚の薄い導体板を使用することができる為、使用材料等の節約によるコストの削減等も図ることが可能である。
そのため、例えば、リードフレームを作成するための導体板として、板厚tがt=A(但し、A=1.0mm)とt=B(但し、B=0.25mm)を用いた場合に、大電流用のライン110Hを上記板厚がAのもので加工し、小信号用のライン110Lを上記板厚がBのもので加工して、これらを組み合わせて本発明の電子部品搭載用放熱基板に用いることにより、上記基板の小型化を図ることが可能である。
なお、上記リードフレームを形成する導体板の素材は、上記の様な銅やアルミニウム等の比較的安価な金属の良導体などで形成されコストの低減等を図ることが可能であるが、上記導体板はリードフレーム110を形成し、電子部品をはんだ付け等で実装するものであるから、熱伝導性が高いと同時に上記電子部品の実装に当たり適合性の良いものであることが望ましい。
次に、上記電子部品搭載用放熱基板100の例のうち、絶縁材130は、上記導体板により形成される配線パターン形状のリードフレーム110間の隙間の空間を埋めるように構成されており、上記リードフレーム間の隙間に充填することで上記リードフレームを相互に接着し、全体の構造を基本的には平板状に安定的に保持するようになっている。
そして、上記図4に示した電子部品搭載用放熱基板100のように、上記導体板から形成される上記リードフレーム110の板厚が相互に異なる場合には、上記リードフレーム110の電子部品を実装する側を上記図4(A)の紙面に垂直な手前の方向(図4(B)の場合には上記図の上側方向)を上面側とした場合には、上記リードフレーム110Hと110Lの上面側の板面と上記絶縁材130の上面側の板面とは、同一の平面を構成するように形成されている。
その一方、上記リードフレーム110の電子部品を実装する側とは裏面側の板面については、上記のようにリードフレーム110の厚さが異なることから、上記リードフレーム110により構成される裏面相互間では同一の平面を構成できない。そこで、前記導体板により形成されるリードフレーム110の前記部品配置面の裏面の板面と前記絶縁材130の部品配置面側の裏面側の板面とについては、前記リードフレームのうち最も厚みを有するリードフレームの前記部品配置面の裏面の板面に合わせて、前記絶縁材130の充填を行い、上記板厚の最も厚いリードフレームの裏面側の板面と前記絶縁材130により形成される裏面側の板面とが同一面上に形成されるようになっている。すなわち、上記リードフレーム110により形成される板面と上記リードフレーム間に設けられる絶縁材130とにより形成される板面とは、上記リードフレーム110のうち最も厚みの大きなリードフレームに合わせて、上記リードフレーム110の板面の表面側と裏面側とで相互に連続する一の面を構成するようになっている。その結果、上記複数の厚みを有するリードフレーム110を用いた場合の上記電子部品搭載用放熱基板の裏面は、上記最も厚みの厚いリードフレーム110の部品配置面の裏面と上記絶縁材130とにより平面状に構成されることになる。なお、上記図4(B)では、上記リードフレーム110のうち厚みの薄いリードフレームは、上記最も厚みの厚いリードフレームの板面の表面側と相互に連続する一の面上である表側の面に一面を設けるように構成されているが、これに限らず、上記最も厚みの厚いリードフレーム110の板面の裏面側と相互に連続する一の面上に一面を設けるように構成されても良い。
また、上記絶縁材130は、放熱性のポリカーボネートやエンジニアリングプラスチック等の複合絶縁樹脂材等を素材として成形されるが、これらに限られるものではなく、絶縁性や放熱性、さらに、リードフレーム110を構成する導体板の素材との接着性や適合性等を考慮して選択することが可能である。
また、本発明では、上記のように、上記絶縁材130を上記導体板による配線パターン形状のリードフレーム110間の空間及びその周囲に充填する構造となっている。そのため、上記絶縁材130により、上記電子部品搭載用放熱基板100全体の剛性を向上させることが可能であり、上記リードフレーム110と共に、上記のように実装される電子部品ECからの熱を効果的に放熱することが可能である。
そして、上記電子部品搭載用放熱基板100では、上記配線パターン状に形成されたリードフレーム110と上記絶縁材130とを例えばインサート成形等の手法により一体化して形成し、上記電子部品搭載用放熱基板100を構成する事が可能である。
そしてその際、上記のように厚さの異なるリードフレーム110(例えば、110Hと110L)を用いる場合には、上記のように相互に厚さの異なるリードフレーム110を相互に混在して上記基板100を構成することも可能である。したがって、厚さの厚い上記リードフレーム110Hと厚さの薄い上記リードフレーム110Lとを交互に配置したり、或いは、厚さの厚い上記リードフレーム110Hの間に厚さの薄い上記リードフレーム110Lを複数配置したりするなど、回路構成等や発熱領域の分散等を考慮した配置が可能である。
そのため、上記電子部品搭載用放熱基板100では、上記電子回路の配線パターン形状のリードフレーム110をプレス成型等により形成することができるためタクト削減によるコスト削減が図れる。また、同様の理由によりターミナル等の実装が不要となるため、部品削減によるコストダウン等も図ることが可能である。また、本実施形態では、トランスファ成形は用いられないが、本発明では上記トランスファ成形によるものと比較して、高温対策が必要な電解コンデサやチョークコイルを同列に配置可能である点や、高価なセラミック基板が不要となるという利点がある。
次に、図6(A)は上記のようにして形成された上記電子部品搭載用放熱基板100の上面側に電子部品EC等を実装した例を図示した平面図であり、図6(B)は(A)同様の基板の側面図である。ここで上記電子部品搭載用放熱基板100の上面側に実装される上記電子部品EC等には、電流制御用のFET等の半導体スイッチング素子や、制御電流検出用のシャント抵抗や、リップル吸収用の大容量コンデンサ等の発熱性の部品が含まれており、その他に、必要に応じて、上記リードフレーム間等を接続する、銅やアルミニウム等の金属板などからなるバスバーbbも含まれる。また、上記電子部品ECはパッケージされたものに限らず、ベアチップ実装により実装されるものであっても良い。
そして、上記図6に示したように、上記電子部品搭載用放熱基板100では、上記電子回路の配線パターン形状に形成したリードフレーム110にリフロー工程などにより直接上記電子部品ECを配置して、実装することが可能である。
また、上記絶縁材130とリードフレーム110との構成は、上記のようにリードフレーム110Hや110Lの間に絶縁材130を設ける構成に限られず、図7(A)、(B)及び次に示すような、上記リードフレーム110の電子部品配置面側の電子部品が実装される箇所以外の部分に、上記リードフレームの延伸方向の両側面を挿通するように凹部113を設けて、上記凹部113をも上記絶縁体130により被覆する構成を採用することも可能である。
なおここで、上記図7(A)はリードフレーム110に凹部113を設けた場合の構成例を示す斜視図であり、図7(B)は上記図7(A)のX―X線を垂直に通る面Sで切った断面を同図中の矢印の方向から見た断面図である。また、上記図7では、電子部品搭載用放熱基板全体を示さず、リードフレーム110と絶縁材130との一部の例についてのみ示している。
上記図7に記載する構成例では、リードフレーム110(110Hでも110Lでも構わない)の電子部品ECを実装する部品配置面の板面(上記図7(A)の斜視図に示す上側の面)のうち、上記電子部品ECを配置しない部分には、上記図7(B)に示したように、上記部品配置面の板面に表面側凹部113(u)を設けて、上記表面側凹部113(u)に絶縁材130を充填することにより、上記表面側凹部113(u)を上記絶縁材130により被覆する構成を採用している。
そして、上記表面側凹部113(u)を被覆する上記絶縁材130の表面は、上記リードフレーム110の部品配置面(ここでは上面)の板面と上記絶縁材130の上記部品配置面側の表面とで連続した一つの面を形成するように構成されている。
また、同様に、上記図7に記載する構成例では、上記リードフレーム110の電子部品ECを実装する部品配置面の裏面の板面(上記図7(A)の斜視図に示す下側の面)であって、上記部品配置面のうち上記電子部品ECを配置しない部分の裏面に当たる部分には、上記図7(B)に示したように、上記部品配置面の裏面の板面に裏面側凹部113(d)を設けて上記絶縁材130により被覆し、併せて、上記裏面側凹部113(d)を被覆する上記絶縁材130の表面は、上記リードフレーム110の部品配置面の裏面の板面と上記絶縁材130の上記部品配置面側の裏面側の表面とで連続した一つの面を形成するように構成されている。なお、ここで、上記のような凹部113の形成方法については特に限定を設けるものではないが、上記リードフレーム110を成形する際に、連続プレス等の手段により同時に成形することが可能である。
そのため、上記図7に記載する構成例では、上記絶縁材130は上記リードフレーム110間の側面に充填されてこれと接合されるのみならず、上記リードフレーム110の延伸方向(例えば上記図7(A)に記載のX−X線に沿った方向)に垂直な方向で、上記リードフレーム110の両側面から上記絶縁材130を連通させることが可能なため、上記リードフレーム110の上面乃至下面側においても上記リードフレーム110と接触して接合されることが可能となっている。そして上記絶縁材130は、上記凹部113に充填されるものを含めて、上記のようにリードフレーム110の部品配置面の板面とその裏面側とで同一の平面を構成するように形成されている。
したがって、本発明に係る上記図7に示したような構成例では、上記のようにリードフレーム110と絶縁材130との接触面が拡大される結果として、上記リードフレーム110と絶縁材130との接合強度の向上を図ることが可能である。
また更に、本発明に係る上記図7に示したような構成例では、上記のようにリードフレーム110の部品配置面の板面と上記絶縁材130の表面とが上記凹部113に充填されるものを含めて同一の平面を構成するように形成されていることから、上記各種の電子部品ECを実装するに当たり、ディップ(Dip)式半田供給ではなく、メタルマスクによる半田供給が可能となり半田付け範囲の制御を容易に行うことが可能となる。
なお、上記凹部113の構成例はその一例を示したものであるため、上記基板により形成する電子回路に応じて、適切な配置を行うことが可能である。そのため、上記凹部113の形態や配置は上記電子回路に応じて、上記図7に示したような構成例に限らず、一部の電子部品近傍に配したり、表面側凹部113(u)又は裏面側凹部113(d)のみを配したり、或いは、上記凹部113の輪郭等の構成も曲線等により形成されるものであっても構わない。また、上記凹部113の凹面の深さは上記リードフレーム110との接着性や放熱性等を考慮して定めることが可能である。また、上記凹部113は、厚みの薄いリードフレーム110Lが上記最も厚みの厚いリードフレーム110Hの板面の表面側又は裏面側とで相互に連続する面を構成している側に設けることも可能である。
次に上記のような2種類以上の厚みの異なるリードフレームと絶縁材とからなる電子部品搭載用放熱基板に交差部を設ける場合の構成について説明する。
上記交差部は、上述した最も厚みの厚いリードフレーム110Hと、上記最も厚みの厚いリードフレーム110Hよりも厚みの薄いリードフレーム110Lとを交差させる箇所であり、このような交差部を設けることにより、上記リードフレームによる電子部品搭載用放熱基板において、ワイヤーボンディングによる工程を不要とし、基板サイズの最適化を実現し、併せて、上記最も厚みの厚いリードフレーム110Hにより形成される配線パターンと厚みの薄いリードフレーム110Lにより形成される配線パターンとを同一面上に構成できるようにするために形成される。
すなわち、上述したようなリードフレーム110と絶縁材130により構成される電子部品搭載用放熱基板において、交差部を形成していない場合の別の構成例を図8を用いて説明すると、次のようになる。ここで、上記図8は、交差部を形成していないリードフレームによる電子部品搭載用放熱基板200を図示したものであり、図8(A)は、上記リードフレームによる電子部品搭載用放熱基板200に上記図3に示したような3相からなるインバータ回路部分にFETや電解コンデンサ等の電子部品ECを実装した場合の基板の状態を透視して示した斜視図であり、図8(B)は、上記図8(A)に示した3相からなるインバータ回路のうち、1相部分を拡大して基板面を透視して示した平面図である。
また、図8(C)は、上記図8(B)と同一の部分において上記電子部品ECを実装していない基板面の状態を示した平面図であり、同図中の白抜きの表示部分はリードフレーム110の露出部分、網みかけ表示部分は絶縁材130、点線部分は上記リードフレーム110のうち電子部品EC実装面(図中白抜きの部分)以外の部分に上述した凹部113を形成して絶縁材130を充填した結果として基板面から隠れている部分を示したものである。また、図8(D)は、上記図8(C)の基板の基板面に電子部品ECを実装した場合の状態を上記図8(B)に示したように、基板面を透視しない状態で示した平面図である。
なお、上記図8中で、FET(High)は上述したインバータ37の上段FETの一つ、FET(Low)は同じく下段FETの1つ、Motor Relayは同じくFETによるモータ開放スイッチの一つを示し、Shuntはモータ電流検出用のシャント抵抗を示しており、また、WB配線はワイヤーボンディング配線を示している。
上述した図8に示したような電子部品搭載用放熱基板200等のようにリードフレームによる基板に交差部を形成していない場合には、離間して配置した電子部品相互間や他のリードフレーム110との相互接続を行おうとする場合には、図8(B)や図8(D)に示したように、ワイヤーボンディング配線による接続を行う必要があった。そのため、上述したように、このような場合には、リフロー工程により上記電子部品搭載用放熱基板へバスバー等を含む電子部品ECを一括して実装してからそのまま使用することが困難となり、余分なワイヤーボンド工程等を別途行う必要があることから生産リードタイムの増加や高コストになるという課題があった。また、このようにリードフレーム110を相互に交差して配置することが困難な場合には、配線パターンを形成する場合にも困難が生じ、電子部品搭載用放熱基板のサイズを従来よりも小型化することに関しても制限があった。
そこで、本発明では次の図9及び図10に示すように、リードフレーム基板300に交差部(クロス配線部)CWを設けて、これらの課題と制限の解消を図っている。ここで、上記図9は上記クロス配線部CWを説明する図であり、図9(A)は図5(B)の場合と同様に異なる厚さを有するリードフレームによる電子部品搭載用放熱基板を上記リードフレームの延伸方向から見た図を示したもの、図9(B)は大電流用の厚さの厚いリードフレーム110Hの板面に上記最も厚みの厚いリードフレーム110Hの延伸方向の両側面を挿通するような凹部115を設けて、上記凹部115に絶縁材130を充填した例を図示したものである。また、図9(C)は上述した図8(C)と同様に3相からなるインバータ回路のうち、1相部分を拡大して基板面を透視して示した平面図であって、ここでは電子部品搭載用放熱基板300にクロス配線部CWを形成した上で、上記基板面に電子部品ECを実装した例を示しており、図9(D)は上記図9(C)に表示したクロス配線部CWをX−X線の部分で見た断面図を示したものであり、図9(E)は図9(D)部分を斜視図で示したものである。なお、上記図9(E)ではリードフレーム110Hの延伸方向の両側面に充填されている絶縁材130については表示を省略して示している。
また、図10はクロス配線部CWを有する電子部品搭載用放熱基板300の例を異なる表示で図示したものであり、図10(A)は図9(C)の場合と同様に3相からなるインバータ回路のうち、1相部分を拡大して基板面を示した平面図であって、図中の白抜きの表示部分はリードフレーム110が基板面に露出した部分を示し、網かけの表示部分は絶縁材130を示し、点線部分は上記リードフレーム110に凹部(113,115)が形成されて絶縁材130が充填されている部分を示している。また、図10(B)は上記図10(A)に示す基板に電子部品ECを実装した状態を基板面を透視して示した図であり、図10(C)はクロス配線部CWを含む図10(B)で示したKの領域周辺を拡大して示した斜視図であり、ここでは見やすくするために絶縁材130を省略して示している。
本発明では、上記図9(A)で示したように、厚さの異なるリードフレーム110を大電流用の厚さの厚いリードフレーム110Hと小電流用の厚さの薄いリードフレーム110Lとして用いている。そこで、本発明による上記交差部(クロス配線部)CWでは、上記厚さの異なるリードフレーム(110H、110L)を交差させるために、図9(B)に示すように、上記厚さの厚いリードフレーム110Hに、上記リードフレーム110Hの延伸方向の両側面を挿通するような凹部115を設けて、上記凹部115に上記絶縁材130を充填し、そこに、上記厚さの薄いリードフレーム110Lを交差させることができるように構成されている。
そして、図9(C)はそのように構成された凹部115にクロス配線部CWを形成した例を示したものである。上記クロス配線部CWは、図9(D)、(E)に示したように、上記最も厚さの厚いリードフレーム110Hの延伸方向の両側面を挿通するような凹部115を設けて、上記凹部115に上記絶縁材130を充填し、上記凹部115の開口部の表面側である上記最も厚みの厚いリードフレーム110Hの外側寄りに、上記厚みの薄いリードフレーム110Lを上記側面の方から組み合わせるように配設し、上記厚みの薄いリードフレーム110Lを上記絶縁材130を介して上記最も厚みの厚いリードフレーム110Hに対して、交差して上部(上記図9(D)、(E)では上方)に配設するように構成されている。
また、図10(A)はこのようなクロス配線部CWを電子部品搭載用放熱基板300の上面から見たものである。上記図10(A)で示すように、上記厚さの異なるリードフレーム(110H、110L)は、基本的には何れも上記電子部品搭載用放熱基板300の一方の側から他方の側の方向(ここでは図面上で上下の方向)へ延伸して設けられているが、クロス配線部CWでは、図10(C)に斜視図で示したように、厚さの薄いリードフレーム110Lが厚さの厚いリードフレーム110Hの上側を交差して通るように形成されている。
そのため、上記リードフレームによる電子部品搭載用放熱基板300にクロス配線部CWを設けた場合には、図10(B)に示したように、電子部品搭載用放熱基板300上に電子部品ECを実装した場合には、上述した図8(B)、(D)に記載したように、ワイヤーボンディング配線(WB配線)を用いなくとも電子部品EC相互間や電子部品ECと上記電子部品ECが実装されたリードフレームと異なるリードフレームとの相互接続が可能になっている。
そのため、上記クロス配線部CWを設けた場合には、上記クロス配線の効果により電子部品ECの実装密度が向上し、小型化が可能になる他、ワイヤーボンディング等の配線・製造工程が不要となり、リフロー工程のみで製作が可能なので製作リードタイム短縮とコストダウンが可能であり、配線が交差する部分で接触が生ずることを防げる結果、上記最も厚みの厚いリードフレーム110Hにより形成される配線パターンと厚みの薄いリードフレーム110Lにより形成される配線パターンとを同一面上に構成することが可能である。
なお、上記クロス配線部CWでは、厚さの厚いリードフレーム110Hと厚さの薄いリードフレーム110Lとは略90度で交差(すなわち直交して交差)しているが、交差角度は上記90度に限らず、基板上に形成される配線パターン形状等に応じて任意の交差角度により形成することが可能である。
また、上記の例では、電子部品搭載用放熱基板300の上面側にクロス配線部CWが形成されているが、必要に応じて裏面側に形成することも可能である。そのため、裏面側に形成する場合には、上述したと同様に、上記厚さの厚いリードフレーム110Hの裏面側に凹部115を形成し、そこに厚さの薄いリードフレーム110Lを交差させて両者の間を絶縁材130で充填することになる。したがって、基板表裏面上に同様の構成からなるリードフレームを同位相で配置し、立体的な配線を実現することも可能である。
また、上記の構成例は、本発明による電子部品搭載用放熱基板の実施形態の一例を示したものであり、本発明の趣旨の範囲で種々の形態の変更も可能である。
そのため、例えば、図11(A)に断面図を示したように、上記配線パターン形状のリードフレーム110と上記絶縁材130との間で、上記リードフレーム110の側面側から上記絶縁材130側にかけて係止部117を設ける構成として、上記配線パターン形状のリードフレーム110をプレス加工で量産することを前提とした形状とする事も可能である。
本発明のリードフレームは、基本的には厚さ方向の側面の上記絶縁材130側は板面に垂直な平面を有しているが、上記係止部117を設ける場合には、これを変形した構成を採用することが可能であり、上記変形例では、上記リードフレーム110の係止部117の外形形状は全て直線を組み合わせる事を特徴して、側面縁部の全域にわたりテーパー形状から始まり中心部の突出し部まで直線形状で終わることを特徴としている。これにより上記配線パターン形状のリードフレーム110の表面積を増加させられるので、伝熱および放熱面の拡大が可能であり、上記絶縁材130との係止面積も増加が可能で、結合がより密になる効果がある。そのため、これにより結合強度と放熱性をさらに向上させることも可能である。
また、上記係止部117については、更に上記図11(B)から(I)及び次に記載するような形態を採ることも可能である。なお、上記図11(B)から(D)は上記リードフレームの係止部117を上記リードフレームの板面の両側の側面が見えるように断面図で表したものであり、上記図11(E)から(H)は同じく、上記リードフレームの板面の片側の側面が見えるように断面図で表したものであり、上記図11(I)は上記リードフレームの板面の側面側を平面図で表したものである。
上記のうち図11(B)及び図11(C)に記載した例は、上記リードフレーム110の延伸方向に対する側面の表面側と裏面側から前記側面の中央部側にかけて上記絶縁材130側に突出して形成される斜面により形成され、上記斜面は断面が三角形状であるものであって、上記斜面の結合部に断面が円形状や楕円形状等の係止形状を前記斜面から滑らかに形成したものである。すなわち、例えば、上記のうち図11(B)に記載した例は、上記配線パターン形状のリードフレーム110の前記絶縁材130側の側面に上記絶縁材130と係合する係止部117を設ける構成として、上記配線パターン形状のリードフレーム110をプレス加工で量産することを前提とした形状としたものである。そして、上記リードフレーム110の係止部117の外形形状はヘチマ形状をしており複数の曲線を組み合わせた事を特徴しており、側面縁部の全域にわたりヘチマ形状の曲面形状により、係止部117の周辺に絶縁材130がスムーズに行き渡ることにより絶縁材130と係止部の結合がより強固になる事を特徴としている。また、上記のうち図11(C)に記載した例では、リードフレーム110の係止部外形形状はダルマ形状をしており複数の曲線を組み合わせた事を特徴しており、上記の場合と同様に、側面縁部の全域にわたりダルマ形状の曲面形状により、係止部117の周辺に絶縁材130がスムーズに行き渡ることにより絶縁材130と係止部の結合がより強固になる事を特徴としている。そのため、上記図11(B)や図11(C)に記載した例では、上記のようにヘチマ形状やダルマ形状を採用することにより、配線パターン形状のリードフレーム110の表面積を増加させられるので、伝熱および放熱面の拡大が可能であり、上記絶縁材130との係止面積の増加とヘチマ形状の中心部の窪み部がリードフレーム110と絶縁材130の結合を密になるように働いている。
また、上記のうち図11(D)に記載した例は、前記リードフレームの一方の板面から他の一方の板面にかけて形成された斜面と他の一方の板面と平行に形成された係止片(階段状の段差で形成された突き出し部)とから上記係止部117を形成したものである。すなわち、上記の例も上述のもの等と同様に、配線パターン形状のリードフレーム110をプレス加工で量産することを前提とした形状としたものであり、リードフレームの係止部外形形状は全て直線を組み合わせる事を特徴として、側面縁部のほぼ中央からのびた階段状の段差で構成された突き出し部まで直線形状で終わることを特徴としている。
また、上記のうち図11(E)と(F)に記載した例は、前記リードフレームの延伸方向に対する側面の表面側と裏面側に前記絶縁材との間に段差を設けることにより係止部を形成したものである。上記係止部の段差の深さ(すなわち、前記リードフレームの側面部から前記段差の形状により前記リードフレームの板面の中央方向まで絶縁材が延伸して形成される長さ)は、前記リードフレームの側面の表面側と裏面側とで異なるものとしても良く、例えば、前記係止部の段差の深さは、図11(F)に示したように、前記リードフレームの側面の裏面側が大きいものであるように構成するものであっても良い。
また、上記のうち図11(G)と(H)に記載した例は、前記係止部117を、前記リードフレームの延伸方向に対する側面の表面側と裏面側から前記側面の中央部側にかけて前記絶縁材側に突出して形成される斜面により形成したものであり、上記図11(G)では、前記斜面の断面が三角形状であるものを表示し、上記図11(H)では、前記斜面の表面側と裏面側からの基点部を上記表面側と裏面側とで上記リードフレームの板面の垂直線上の位置からずらして形成したものである。
以上のように、上記図11(A)から(H)までに記載したような係止部117は、上記のようにプレス加工などによる成形が容易であり、係止面積の増加による放熱性や機械的な結合強度の増加が図れると共に、上記のようなリードフレーム110と絶縁材130の境界面にダルマ状の形状やヘチマ状の形状又は上記階段状の段差部などを形成することにより、基板に生ずる結露などによる湿気進入の抑制効果なども持たせることが可能である。
また、上記のうち図11(I)に記載した例は、前記係止部117を、前記リードフレーム110の側面に、前記リードフレームの板面に沿って凹部を形成することによって設けたものであり、上記図11(I)に示した例では、前記凹部は、前記凹部の解放端側よりも奥側(すなわち前記リードフレームの板面の内側方向)で広く形成されている。そのため、このように係止部をいわば鍵穴状に形成した場合、上記係止部117が上記リードフレームの板面を上面から見た場合に板面の側面に沿って形成されているため、プレス加工などによる成形が容易であり、上記のように係止面積の増加による放熱性や機械的な結合強度の増加を図ることが可能である。
なお、上記記載のものは係止部117の一例を示したものであり、上記記載の係止部117のパラメータ(例えば、上記段差の深さ等)を適宜変更することにより、上記リードフレーム110により構成しようとする回路の特性などに合わせて調整することが可能である。
また、本発明では、図11(J)や図11(K)に記載したように、上記リードフレーム110の板面の延伸方向に対する側面から内側寄りに形成された、前記リードフレーム110の表面と裏面とを貫通する樹脂封止形状Rsを設けることも可能である。ここで、上記図11(J)の上側の図は上記リードフレーム110の板面の平面図であり、上記図11(J)の下側の図は、上記平面図のX−X線部分での断面図を示し、上記図11(K)の上側の図は上記リードフレームの板面の平面図であり、上記図11(K)の下側の図は、上記平面図のY−Y線部分での断面図を示している。上記樹脂封止形状Rsは、上述のようにリードフレームの表面と裏面とを貫通するように形成された穴であり、上記図11(J)、(K)のように長方形状のものであっても或いは円形状のもの等であって良く、特に大きさや形状に限定を設けるものではない。本発明では、上記のような樹脂封止形状Rsを設けることにより、上記リードフレーム110と上記絶縁材130を構成する樹脂等との接合強度を向上させることが可能であるが、特に本発明により上記リードフレーム110に構成される凹部(113、115)や上記係止部117と組み合わせる事により更に効果的に用いることが可能である。すなわち、例えば、図11(K)の例は、上述の図11(E)や(F)の例で示した段差状の係止部の内側に上記樹脂封止形状Rsを形成した例であるが、上記のような構成を併用することにより、更に効果的に上記リードフレームと上記絶縁材との機械的結合強度を向上させることが可能である。
また、本発明では、例えば、図12に斜視図で示したように、上記の導体板により形成される配線パターン形状のリードフレーム110の一部を、上記絶縁体130の内周側や外周側で、前記導体板の板面に対して上方又は下方の任意の方向に屈曲させて形成することも可能である。そのため、このように形成した場合には、上記電子部品搭載用放熱基板の外部に存在する接続端子や他の基板等との接続を容易化することが可能である。
また、本発明の対象となる電子部品搭載用放熱基板では、例えば、図13に記載したように、上記電子部品搭載用放熱基板を構成する絶縁体130の周縁部分では、上記絶縁体130により上記電子部品搭載用放熱基板の部品配置面側又はその裏面側が縁取りして構成されるようにしても良い。ここで、上記図13は、本発明の対象となる電子部品搭載用放熱基板(ここでは上記クロス配線部CWを含まない例を示す)の外縁に、縁取り部を設けた電子部品搭載用放熱基板400の例を示したものであり、図13(A)はその平面図であり、図13(B)は上記基板400と同様の基板の側面図である。なお、上記基板400では、上記リードフレーム110として大電流用の厚みを有するもの110Hと、小電流用(小信号用)の厚みを有するもの110Lと、これらの中間程度の電流が通電する中電流用の厚みを有するもの110Mの3種類を含んだものを表示している。
上記図13に記載した電子部品搭載用放熱基板400は、上記本発明を構成する絶縁材130の周縁部分に、前記絶縁体130により上記電子部品搭載用放熱基板400の上面側に閉曲線状に構成された縁取り部150を形成したものである。なお、ここでは上記閉曲線状の縁取り部150は、上記絶縁体130の外縁の輪郭に合わせて長方形状に形成しているが、上記輪郭は、選択する基板の形態に合わせて、任意に選択して構成することも可能である。
本発明の上記の構成例では、上記のように縁取り部150を構成して設けることにより、上記リードフレーム110と絶縁材130との接合部分の剥離を一層生じないようにすると共に、上記電子部品搭載用放熱基板400の剛性を一層向上させることが可能である。
そのため、本発明では上記のような構成によっても、本発明の目的を効果的に達成することが可能であり、これらの構成を有する電子部品搭載用放熱基板に上記クロス配線部(交差部)CWを加えた電子部品搭載用放熱基板を電動パワーステアリング装置に用いることにより、効果的な放熱を行うことにより駆動制御の性能の向上が図れると共に、基板への部品実装密度を高め、部品実装のためのコストを低減することも可能である。