JP6735629B2 - ビールテイスト飲料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
その中で、飲料の製造方法では、微生物の加熱殺菌や所定の香味を提供するために、その製造工程で加熱工程を経る場合がある。しかし、飲料の製造工程に加熱工程があると、材料の加熱によって不快な香りが作り出されたりする場合がある(特許文献1,2,3)。
このような問題を解決する方法の1つとして、加熱工程で加熱殺菌された飲料原液中に、無菌環境下で、無菌の非加熱の香料を添加する飲料の製造方法も知られている(特許文献4)。
しかし、無菌の非加熱の香料の添加だけではでは、微生物リスクが完全に排除できたとは言いがたい。また、無菌の非加熱の香料を添加するためには、新たな設備が必要になる。
また、加熱殺菌された材料を含む麦芽エキス含有飲料において、香気成分(プロリン)を含有する飲料も知られている(特許文献5,6)。
しかし、当該飲料では、加熱に起因する不快臭の問題があった。
そこで、原材料にホップを用いないビールテイスト飲料において、加熱工程による不快な香りがマスキングされた飲料が求められている。また、原材料にホップを用いないが優れた香味を有するビールテイスト飲料が求められている。
[1]
リナロール0.005質量ppm以上、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン0.07質量ppm以上、または、2-アセチルピラジン0.04質量ppm以上を含有し、ホップが用いられないビールテイスト発酵飲料。
[2]
リナロール0.005質量ppm以上、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン0.07質量ppm以上、または、2-アセチルピラジン0.07質量ppm以上を含有し、ホップが用いられないビールテイスト非発酵飲料。
[3]
麦芽、麦芽エキスまたは大豆ペプチドを含む、[1]または[2]に記載のビールテイスト飲料。
[4]
原材料にホップが用いられないビールテイスト飲料の製造方法であって、
原飲料を加熱する工程、および、
リナロール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンおよび2-アセチルピラジンからなる群から選ばれる1以上からなる香気成分濃度を調整する工程、
を含む、前記製造方法。
[5]
前記ビールテイスト飲料が、リナロール0.005質量ppm以上、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン0.07質量ppm以上、または、2-アセチルピラジン0.04質量ppm以上を含有する、ビールテイスト発酵飲料であり、
前記加熱工程の前に、酵母を添加して発酵させて原飲料を得る発酵工程を含む、[4]に記載の製造方法。
[6]
前記ビールテイスト飲料が、リナロール0.005質量ppm以上、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン0.07質量ppm以上、または、2-アセチルピラジン0.07質量ppm以上を含有する、ビールテイスト非発酵飲料であり、
前記加熱工程の前に、麦芽エキスまたは大豆ペプチドに、水とアルコールを混和し、炭酸ガス圧を調整して原飲料を得る混和工程を含む、[4]に記載の製造方法。
本発明のビールテイスト飲料は、リナロール(linalool)、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンおよび2-アセチルピラジン(2-acetyl pyrazine)からなる群から選ばれる1以上を所定量含有し原材料にホップを使用しない飲料である。
本発明のビールテイスト飲料の原材料は水、穀物、糖類、水溶性食物繊維および各種添加物等であり、ホップは含まれない。
「ホップが用いられない」飲料とは、原材料にホップが用いられない飲料であり、例えば飲料の原材料表示に「ホップ」が記載されていない飲料を意味する。
本発明のビールテイスト飲料はリナロール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンおよび2-アセチルピラジンから選ばれる1以上の香気成分を含む。これらの香気成分を用いると、加熱工程などで発生する不快臭を効果的にマスキングできる。
2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンは、甘芳ばしい香りを有する成分であり、イチゴ、パイナップルなどに含まれる。
2-アセチルピラジンは、穀物様の芳ばしい香りを有する成分であり、ピーナッツ、ポップコーン、ゴマなどに含まれる。
本発明のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に含まれる炭酸ガスを利用してもよく、また、炭酸水との混和または炭酸ガスの添加などで溶解させてもよい。
本発明のビールテイスト飲料に含まれる炭酸ガスは、原材料に発酵液を用いた場合、発酵工程で炭酸ガスが発生するため、当該炭酸ガスをそのまま用いることができる。また、原材料に非発酵液を用いた場合、発酵工程で発生する炭酸ガスを利用できないため、非発酵液と炭酸水との混和、または非発酵液に炭酸ガスの添加によって、ビールテイスト飲料に炭酸ガスを溶解させることができる。
本発明では、本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、様々な添加物を添加してもよい。例えば、着色料、泡形成剤、香料、発酵促進剤、甘味料、苦味料、酵母エキス、ペプチド含有物などのタンパク質系物質、アミノ酸などの調味料、アスコルビン酸などの酸化防止剤、各種酸味料などを本発明の効果を妨げない範囲で必要に応じて添加することができる。着色料は、飲料にビール様の色を与えるために使用するものであり、カラメル色素などを用いることができる。泡形成剤は、飲料にビール様の泡を形成させるため、あるいは飲料の泡を保持させるために使用するものであり、大豆サポニン、キラヤサポニン等の植物抽出サポニン系物質、コーン、大豆などの植物タンパク、およびペプチド含有物、ウシ血清アルブミン等のタンパク質系物質、酵母エキスなどを適宜使用することができる。香料は、ビール様の風味付けのために用いるものであり、ビール風味を有する香料を適量使用することができる。発酵促進剤は、酵母による発酵を促進させるために使用するものであり、例えば、酵母エキス、米や麦などの糠成分、ビタミン、ミネラル剤などを単独または組み合わせて使用することができる。甘味料は、天然甘味料および合成甘味料のいずれの高甘味度甘味料も使用することができ、ショ糖誘導体、例えばスクラロース等;合成甘味料、例えばアセスルファムK、サッカリン等が挙げられ、これらは単独または2種以上組み合せて用いることができる。苦味料は、クワシン、ナリンギン、柑橘抽出物、ニガキ抽出物、コーヒー抽出物、茶抽出物、ゴーヤ抽出物、ハス胚芽抽出物、キダチアロエ抽出物、ニガヨモギ抽出物、マンネンロウ抽出物、レイシ抽出物、ローレル抽出物、セージ抽出物、キャラウェイ抽出物などを用いることができる。
原材料にホップが用いられない本発明のビールテイスト飲料の製造方法は、原飲料の加熱工程、香気成分(リナロール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン、2-アセチルピラジン)濃度を調整する工程を含み、調整工程が行われるタイミングはいつでもよい。
原飲料の原材料にはホップは用いられない。また、原飲料は発酵工程を経て得られた発酵液であっても、発酵工程を経ていない非発酵液であってもよい。
本発明のビールテイスト飲料の製造方法は、原材料にホップが用いられないため微生物などの増殖を防ぐために、加熱工程が必要になるが、加熱工程によって不快臭が発生することがある。本発明のビールテイスト飲料とその製造方法によれば、そのような不快臭を効果的にマスキングできる。
原飲料の製造工程として、発酵液および非発酵液の製造工程を説明する。
本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられる原飲料である発酵液は、例えば、仕込み工程、発酵工程、貯酒工程、ろ過工程、および容器詰工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程によって得られる。
具体的には、原料を仕込釜または仕込槽に投入し、必要に応じてアミラーゼなどの酵素を添加し、糊化、糖化を行わせ、ろ過して煮沸し、清澄タンクにて凝固タンパクなどの固形分を取り除く。その後、さらに酵母を添加して発酵させ、ろ過機などで酵母を取り除き、必要に応じて水、醸造用アルコールや添加剤などを加え、発酵液を得る。
本発明のビールテイスト飲料の製造方法に用いられる原飲料である非発酵液の製造工程は、発酵工程を含まず、麦、麦芽エキス、大豆ペプチドなどと水を含む麦汁などの原液に、炭酸水または炭酸ガスと、アルコールとを混和する混和工程によって得られる。原液の製造にはホップは用いられない。非発酵液は混和工程の他に、さらに、仕込み工程、貯酒工程、および容器詰工程などの当業者に周知のビールテイスト飲料の製造工程を含んでもよい。
原飲料はホップを含まないため、微生物の増殖を防ぐため加熱工程が必要である。
加熱工程における加熱時間、加熱温度は特に限定されないが、含まれ得る微生物に応じて例えば65℃以上で10分間以上、または75℃で1分間など任意に設定することができる。加熱後の温度は特に限定されないが、室温まで徐冷してすることが好ましい。
含有量が調整される香気成分はリナロール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンおよび2-アセチルピラジンから選ばれる1以上である。
香気成分は、最終的に得られるビールテイスト飲料に含まれるべき香気成分の量に合わせて調整される。例えば、原飲料に香気成分が一定量含まれている場合、香気成分は既に原飲料に含まれている量を引いた量が添加される。
香気成分の調整のタイミングは特に限定されず、加熱工程前であっても加熱工程後であってもよい。
香気成分の含有量は、香気成分の添加工程で調整できるが、原材料の選択、発酵液を調製するときの麦汁等の煮沸条件等によっても調整可能である。例えば、フラネオールや2−アセチルピラジンの含有量を増やしたいときには、これらの香気成分を多く含む麦芽をすることによって、所定の香気成分の含有量を達成できる。
発明のビールテイスト飲料は、容器に充填・密閉して、容器詰めとすることができる。いずれの形態・材質の容器を用いてもよく、容器の例としては、ビン、缶、樽、またはペットボトルが挙げられる。
麦芽20kgを粉砕し、52℃の温水80Lに投入した。よく撹拌しながら40分保持し、続いて65℃で40分、78℃で2分保持した後、濾過して麦芽粕を除去して麦汁を得た。麦汁を煮沸してから冷却した後、ビール酵母を添加して約1週間発酵させた。酵母を除去し、瓶詰めして、ホップを使用しない発酵液を製造した。
また、比較例1の飲料に、香気成分としてリナロール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンまたは2−アセチルピラジンを表1に記載の濃度となるように添加し、飲料A1〜A12を製造した。
香味改善効果の評価は、比較例1を基準として、加熱による不快臭の低減効果を
1:全くない
2:僅かに感じるが不十分
3:ある
の3段階で評価し、2.5以上を合格とした。
また、ビールテイスト飲料の総合評価は、
1:非常においしくない
2:おいしくない
3:どちらでもない
4:おいしい
5:非常においしい
の5段階で評価した。
また、高い香味改善効果が得られたこれらの飲料は、ビールテイスト飲料の総合評価にも優れていることがわかった。
市販の麦芽エキスに、アルコール濃度が4.4重量%となるようアルコールを添加し、炭酸ガスを付与して、ホップを使用しない非発酵液を製造した。
また、比較例2の飲料に、香気成分としてリナロール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンまたは2−アセチルピラジンを表2に記載の濃度となるように添加し、飲料B1〜B9を製造した。
また、高い香味改善効果が得られたこれらの飲料は、ビールテイスト飲料の総合評価にも優れていることがわかった。
市販の大豆ペプチドに、アルコール濃度が4.4重量%となるようアルコールを添加し、炭酸ガスを付与して、ホップを使用しない非発酵液を製造した。
また、比較例3の飲料に、香気成分としてリナロール、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンまたは2−アセチルピラジンを表3に記載の濃度となるように添加し、飲料C1〜C3を製造した。
また、高い香味改善効果が得られたこれらの飲料は、ビールテイスト飲料の総合評価にも優れていることがわかった。
Claims (6)
- 2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン2〜5質量ppm、または、2-アセチルピラジン0.2〜5質量ppmを含有し、
ホップが用いられない加熱殺菌したビール
テイスト発酵飲料(ただし、麦芽エキス、炭酸ガス、重合カテキン類0.005〜0.06質量%および非重合体カテキン類を含有し、重合カテキン類(B)と非重合体カテキン類(C)との質量比[(B)/(C)]が1〜4.5であり、pH3〜4であり、アルコール含有量が1質量%未満のビールテイスト飲料を除く)。 - さらにリナロールを含有する、請求項1に記載のビールテイスト飲料。
- 麦芽、麦芽エキスまたは大豆ペプチドを含む、請求項1または2に記載のビールテイスト発酵飲料。
- 原材料にホップが用いられないビールテイスト発酵飲料の製造方法であって、
原飲料を加熱殺菌する工程、および、
2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノンおよび2-アセチルピラジンからなる群から選ばれる1以上からなる香気成分濃度を調整する工程、
を含み、
前記ビールテイスト発酵飲料が、2,5−ジメチル−4−ヒドロキシ−3(2H)−フラノン2〜5質量ppm、または、2-アセチルピラジン0.2〜5質量ppmを含有する、前記製造方法(ただし、麦芽エキス、炭酸ガス、重合カテキン類0.005〜0.06質量%および非重合体カテキン類を含有し、重合カテキン類(B)と非重合体カテキン類(C)との質量比[(B)/(C)]が1〜4.5であり、pH3〜4であり、アルコール含有量が1質量%未満のビールテイスト飲料の製造方法を除く)。 - 前記加熱殺菌工程の前に、酵母を添加して発酵させて原飲料を得る発酵工程を含む、請求項4に記載の製造方法。
- 前記ビールテイスト発酵飲料が麦芽または麦芽エキスを含む、請求項4または5に記載の製造方法。
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