JP6740083B2 - 免疫学的測定試薬、測定方法及び測定範囲の拡大方法 - Google Patents
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Description
臨床検査分野においては自動分析装置を使用することが多いが、高精度での測定という分析性能を左右する因子として、分析装置の性能と試薬の性能の両面からアプローチされる。特に複数の装置で使用されるような汎用性の高い測定試薬の場合には、その試薬性能として感度や特異性はもちろんのこと、試薬の安定性や測定範囲が十分に確保されていることが非常に重要である。
Dダイマーの測定方法としては、Dダイマーを認識するモノクローナル抗体を、ラテックス粒子、プラスチックプレートなどの固相に固定してDダイマーと結合させる抗原抗体反応に基づく方法、すなわちラテックス凝集法やELISA法などが知られている。
一方、特許文献5では、0.05mol/L又は0.1mol/L(反応液中での濃度はそれぞれ0.04mol/L又は0.08mol/L)のMOPS、PIPES、又はHEPES緩衝液を用いた場合、高感度に標準梅毒トレポネーマ陽性血清を測定できるが、0.6mol/L(反応液中での濃度は0.5mol/L)の同緩衝液を用いた場合は、吸光度変化量の差が小さいため、感度の問題があることが開示されている。
しかし、これらの報告は、上記したような希釈直線性を改善して測定範囲を拡大することで正確な測定を達成できることを示唆するものはない。
[1]測定対象物質に対する抗体若しくはそのフラグメント又は抗原を固定化した不溶性担体を用いる、被検試料中の前記測定対象物質を免疫学的に測定する方法において、0.19mol/L以上の濃度の緩衝液の存在下で抗原抗体反応を行う、測定方法、
[2]前記不溶性担体が、ラテックス粒子である、[1]の測定方法、
[3]前記緩衝液が、HEPES緩衝液、Tris緩衝液、又はBis−Tris緩衝液から選ばれる、[1]又は[2]の測定方法、
[4]前記測定対象物質が、CRP、プロテインC、ヒアルロン酸、AFP(α−フェトプロテイン)、IgE、RF(リウマチ因子)、IRE(エラスターゼ1)、ASO(抗ストレプトリジンO)、アディポネクチン(ADN)、ATIII(アンチトロンビンIII)、β2M(β 2 マイクログロブリン)、CEA(癌胎児性抗原)、第XIII因子(13因子、F13)、FDP(フィブリン・フィブリノゲン分解産物)、FRTN(フェリチン)、HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、HPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)、tPAI(組織プラスミノゲンアクチベータ・プラスミノゲンアクチベータインヒビター1複合体)、Dダイマー、SF(可溶性フィブリン)、PPI(PIC、プラスミン・プラスミンインヒビター複合体)、TAT(トロンビン・アンチトロンビン複合体)、Cys C(シスタチンC)、PSA(前立腺特異抗原)、PG(ペプシノゲンI・II)、ヘモグロビン、Tf(尿中トランスフェリン、便中トランスフェリン)、尿中BTA(膀胱腫瘍抗原)、IRI(インスリン)、E2(エストラジオール、エストロゲン)、E3(エストリオール)、MMP−3(マトリックスメタロプロティナーゼ−3)、Mb(ミオグロビン)、H−FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)、L−FABP(尿中L型脂肪酸結合蛋白)、KL−6(シアル化糖鎖抗原)、RBP(レチノール結合蛋白)、IV型コラーゲン、HCV抗体、HBs抗原、HBe抗原・抗体、HBc抗体、HIV抗体、HTLV−1抗体である、[1]〜[3]のいずれかに記載の測定方法、
[5]測定対象物質に対する抗体若しくはそのフラグメント又は抗原、及び緩衝液を含む、免疫学的測定試薬であって、前記緩衝液の濃度が、抗原抗体反応時の反応液中の濃度として0.19mol/L以上となる濃度である、免疫学的測定試薬、
[6]前記測定対象物質が、CRP、プロテインC、ヒアルロン酸、AFP(α−フェトプロテイン)、IgE、RF(リウマチ因子)、IRE(エラスターゼ1)、ASO(抗ストレプトリジンO)、アディポネクチン(ADN)、ATIII(アンチトロンビンIII)、β2M(β 2 マイクログロブリン)、CEA(癌胎児性抗原)、第XIII因子(13因子、F13)、FDP(フィブリン・フィブリノゲン分解産物)、FRTN(フェリチン)、HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、HPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)、tPAI(組織プラスミノゲンアクチベータ・プラスミノゲンアクチベータインヒビター1複合体)、Dダイマー、SF(可溶性フィブリン)、PPI(PIC、プラスミン・プラスミンインヒビター複合体)、TAT(トロンビン・アンチトロンビン複合体)、Cys C(シスタチンC)、PSA(前立腺特異抗原)、PG(ペプシノゲンI・II)、ヘモグロビン、Tf(尿中トランスフェリン、便中トランスフェリン)、尿中BTA(膀胱腫瘍抗原)、IRI(インスリン)、E2(エストラジオール、エストロゲン)、E3(エストリオール)、MMP−3(マトリックスメタロプロティナーゼ−3)、Mb(ミオグロビン)、H−FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)、L−FABP(尿中L型脂肪酸結合蛋白)、KL−6(シアル化糖鎖抗原)、RBP(レチノール結合蛋白)、IV型コラーゲン、HCV抗体、HBs抗原、HBe抗原・抗体、HBc抗体、HIV抗体、HTLV−1抗体である、[5]の免疫学的測定試薬、
[7]測定対象物質に対する抗体若しくはそのフラグメント又は抗原を固定化した不溶性担体を用いる、免疫学的測定において、0.19mol/L以上の濃度の緩衝液の存在下で抗原抗体反応を行う、前記測定における測定範囲の拡大方法、
[8]前記測定対象物質が、CRP、プロテインC、ヒアルロン酸、AFP(α−フェトプロテイン)、IgE、RF(リウマチ因子)、IRE(エラスターゼ1)、ASO(抗ストレプトリジンO)、アディポネクチン(ADN)、ATIII(アンチトロンビンIII)、β2M(β 2 マイクログロブリン)、CEA(癌胎児性抗原)、第XIII因子(13因子、F13)、FDP(フィブリン・フィブリノゲン分解産物)、FRTN(フェリチン)、HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、HPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)、tPAI(組織プラスミノゲンアクチベータ・プラスミノゲンアクチベータインヒビター1複合体)、Dダイマー、SF(可溶性フィブリン)、PPI(PIC、プラスミン・プラスミンインヒビター複合体)、TAT(トロンビン・アンチトロンビン複合体)、Cys C(シスタチンC)、PSA(前立腺特異抗原)、PG(ペプシノゲンI・II)、ヘモグロビン、Tf(尿中トランスフェリン、便中トランスフェリン)、尿中BTA(膀胱腫瘍抗原)、IRI(インスリン)、E2(エストラジオール、エストロゲン)、E3(エストリオール)、MMP−3(マトリックスメタロプロティナーゼ−3)、Mb(ミオグロビン)、H−FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)、L−FABP(尿中L型脂肪酸結合蛋白)、KL−6(シアル化糖鎖抗原)、RBP(レチノール結合蛋白)、IV型コラーゲン、HCV抗体、HBs抗原、HBe抗原・抗体、HBc抗体、HIV抗体、HTLV−1抗体である、[7]の拡大方法
に関する。
また、本明細書において、単に「Dダイマー」と称する場合には、前記「Dダイマー」は、安定化フィブリン(特にはヒト安定化フィブリン)のプラスミン分解産物であるDダイマーを意味し、DD/Eモノマー及びDD/Eポリマーを含む。
本発明は、抗体またはその抗体に由来するフラグメント(以下、併せて、単に抗体と称することがあります)、あるいは、抗原を不溶性担体に固定化した免疫学的反応を利用した測定方法、測定試薬において使用することができる。後述する不溶性担体に抗体若しくはそのフラグメント又は抗原を固定化して免疫学的反応を行うものであれば、本発明を利用して希釈直線性の改善、測定範囲の拡大ができるため、測定項目は特に限定されない。特に、後述するように抗体を固定化するラテックス粒子の粒径が比較的大きい場合に好ましく用いることができる。
具体的測定項目としては、例えば、CRP、プロテインC、ヒアルロン酸、AFP(α−フェトプロテイン)、IgE、RF(リウマチ因子)、IRE(エラスターゼ1)、ASO(抗ストレプトリジンO)、アディポネクチン(ADN)、ATIII(アンチトロンビンIII)、β2M(β 2 マイクログロブリン)、CEA(癌胎児性抗原)、第XIII因子(13因子、F13)、FDP(フィブリン・フィブリノゲン分解産物)、FRTN(フェリチン)、HCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、HPL(ヒト胎盤性ラクトゲン)、tPAI(組織プラスミノゲンアクチベータ・プラスミノゲンアクチベータインヒビター1複合体)、Dダイマー、SF(可溶性フィブリン)、PPI(PIC、プラスミン・プラスミンインヒビター複合体)、TAT(トロンビン・アンチトロンビン複合体)、Cys C(シスタチンC)、PSA(前立腺特異抗原)、PG(ペプシノゲンI・II)、ヘモグロビン、Tf(尿中トランスフェリン、便中トランスフェリン)、尿中BTA(膀胱腫瘍抗原)、IRI(インスリン)、E2(エストラジオール、エストロゲン)、E3(エストリオール)、MMP−3(マトリックスメタロプロティナーゼ−3)、Mb(ミオグロビン)、H−FABP(ヒト心臓由来脂肪酸結合蛋白)、L−FABP(尿中L型脂肪酸結合蛋白)、KL−6(シアル化糖鎖抗原)、RBP(レチノール結合蛋白)、IV型コラーゲン、HCV抗体、HBs抗原、HBe抗原・抗体、HBc抗体、HIV抗体、HTLV−1抗体などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明において使用することができる抗体または抗原は、前記測定項目において測定対象とする物質に対して特異的に反応する抗体であり、測定対象と結合する抗体である限り、特に限定されるものではない。また、RF等抗体を不溶性担体に固定化して自己抗体を検出する免疫学的反応を行うが、抗原として抗体を利用する場合も含むものとする。
特に、本発明において使用されるDダイマーに対する抗体としては、少なくともDダイマーと結合する抗体である限り、特に限定されるものではなく、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体を用いることができる。また、抗体の種類としては、免疫グロブリン分子自体のほか、抗体フラグメント、例えば、Fab、Fab’、F(ab’)2、又はFv等も使用可能である。これらのフラグメントは、公知の方法に従って前記抗体から得ることができる。
本発明において使用される不溶性担体としては、粒子、例えば、有機高分子粒子、無機物質粒子、若しくは赤血球、又はプレート、例えば、ELISA用プレートなどが挙げられる。有機高分子粒子としては例えば、不溶性アガロース、不溶性デキストラン、セルロース、ラテックス粒子が挙げられる。好適にはラテックス粒子を挙げることができ、ポリスチレン、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン−スチレンスルホン酸塩共重合体、メタクリル酸重合体、アクリル酸重合体、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、ポリ酢酸ビニルアクリレートなどの粒子を挙げることができる。また、無機物質粒子としてはシリカ、アルミナなどが挙げられる。また粒子の平均粒径は、測定機器などによって適宜選択されるが、0.05〜0.50μmのものが挙げられる。
本発明における緩衝液の濃度は、抗原抗体反応時に0.19mol/L以上の濃度であればよく、好ましくは0.2mol/L以上、より好ましくは0.3mol/L以上、更に好ましくは0.4mol/L以上、最も好ましくは0.5mol/L以上あるいは0.7mol/L以上であることができ、好ましくは0.3〜1.0mol/Lである。
当業者であれば、被検試料の希釈直線性を確認することで、適宜、最適な緩衝液の濃度及び種類を選択することができる。
非特異反応抑制剤としては、動物血清や抗体、抗体断片等を挙げることができる。
安定化剤としては、アルブミン、スキムミルク、ゼラチン等のタンパク質や、アジ化ナトリウム、チメロサーム、ケーソンCG、プロクリン等の防腐剤を挙げることができる。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げることができる。
被検試料中の塩濃度の影響を抑えることなどを目的とし無機塩を添加することができる。無機塩としては塩化ナトリウム、塩化カルシウム等を挙げることができる。
本発明により分析可能な被検試料としては、例えば、液状生体試料、例えば、血液、血漿、血清、または尿等を挙げることができる。
免疫学的に測定する方法としては、少なくとも0.19mol/L以上の濃度の緩衝液の存在下で免疫反応を行うことを除けば、公知の免疫学的測定方法を使用することができる。具体的には凝集反応法、特にはラテックス凝集反応法、又はELISA法が挙げられる。
免疫学的測定試薬としては、1試薬からなる試薬形態の他、第一試薬と第二試薬からなる2試薬系等の複数の試薬からなる試薬形態(すなわち、キット)であってもよい。1試薬系の試薬の場合は、被検試料と混合した際に0.19mol/L以上となる濃度の緩衝液に、抗体又は抗原を固定化した不溶性担体を含む試薬であればよく、複数の試薬からなる試薬形態の場合は、免疫反応が開始される溶液中での緩衝液濃度が0.19mol/L濃度以上となるように、各試薬の緩衝液濃度を決定すればよい。好ましくは測定精度の観点などから第一試薬と第二試薬からなる2試薬系がよく、以下に例示する。
各試薬に用いる緩衝液は、第一試薬と第二試薬とで同一の緩衝液を用いてもよいし、第一試薬と第二試薬とで異なる種類の緩衝液を用いてもよい。また、第二試薬には緩衝液を用いず、第一試薬にのみ緩衝液を用いてもよい。なお2種類以上の緩衝液を併用する場合には、個々の緩衝液の濃度の総和が0.19mol/L以上となればよい。
各試薬の緩衝液濃度は、被検試料と第一試薬および第二試薬とを混合した際に、緩衝液の濃度が0.19mol/L以上の濃度となるように決定すればよい。各試薬の液量は、測定に用いる自動分析装置によっても変動するが、当業者であれば、被検試料および第一試薬、第二試薬との液量比から、反応液中の緩衝液濃度が0.19mol/L以上となるように、適宜、各試薬の緩衝液濃度を設定することができる。例えば、被検試料と第一試薬、第二試薬の液量比が、1/20〜1/10:1〜2:1の場合、第一試薬の緩衝液濃度は0.1〜1mol/Lであり、第二試薬の緩衝液濃度は0〜0.4mol/Lであることが好ましい。
本発明の測定における測定範囲の拡大方法は、測定対象物質に対する抗体若しくはそのフラグメント又は抗原を固定化した不溶性担体を用いて、被検試料中の測定対象物質の免疫学的測定において、0.19mol/L以上の濃度の緩衝液の存在下で免疫反応を行うことによるものである。0.19mol/L以上の濃度の緩衝液の存在下で免疫反応を行うことにより、測定対象物質の測定範囲が高濃度側に拡大し、低濃度の感度を維持したまま、より高濃度域の測定対象物質を正確に測定することができる。
なお、測定範囲の決定は、公知の方法により行うことができ、例えば、高濃度の被検試料の希釈系列を作製・測定し、希釈直線性が得られる範囲を測定範囲と設定する方法などが挙げられる。
当業者であれば、測定しようとする濃度範囲において、被検試料の希釈直線性を確認することで、適宜、最適な緩衝液の濃度や種類を選択することができる。
(1)第一試薬の調製
濃度を、0.1mol/L、0.2mol/L、0.4mol/L、0.6mol/L、1mol/Lに調製したHEPES緩衝液(pH7.2)にウシ血清アルブミン(BSA)を添加したものを、第一試薬とした。
抗Dダイマー抗体をMES緩衝液(pH6.0)に懸濁し、この抗体液にポリスチレンラテックス(JSR社)を添加して4℃にて一晩撹拌した。上記混合物に、BSAを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を添加し、4℃にて30分間撹拌した後、遠心分離を実施した。得られた沈殿物を、防腐剤を含む水に懸濁し、抗Dダイマー抗体感作ポリスチレンラテックス液(第二試薬)を得た。
Dダイマーの調製は、主にStephanie A.OlexaとAndrei Z.Budzynskiの方法(1978)、Circulation,Suppl.58,119,Olexa et al.の方法(1979)、及びBiochim.Biophys.Acta 576,39〜50に準じて行った。ヒトフィブリノーゲン(Enzyme Research Laboratories社)に、ウシトロンビン(持田製薬社)および塩化カルシウムを加え、37℃2時間反応させフィブリノーゲンをフィブリンに変換させた。これを遠心分離し、フィブリンを非凝固性物質から分離した。フィブリンは塩化カルシウムを含むトリス塩酸緩衝液pH7.8に浮遊させた。37℃環境下で浮遊液にヒトプラスミン(Chromogenix社)を添加した。アプロチニン(Pentapharm.社)を加えて分解反応を停止させた後、リジンセファロースカラムを通過させプラスミンを除去した。この通過液は分子量の異なるDダイマーの混合物である。
得られた精製Dダイマーを、0、2、8、32、48、60μg/mLとなるように、BSAを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)にて調製し、Dダイマー標準液とした。
(1)測定方法
実施例1(3)で調製したDダイマー標準液7μLに、HEPES緩衝液の濃度が異なる第一試薬を120μL添加混合して37℃で約5分間保持した後、第二試薬を120μL添加して撹拌し、約10分間経過するまでの間の吸光度変化を波長700nmにて測定し、検量線を作成した。上記吸光度測定は、全自動分析機日立7170を用いて行った。
次に、前記標準液の代わりに、BSAを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)にて血漿検体を2倍、4倍、8倍希釈したものを測定し、上記で作成した検量線を用いて測定値(検量線より導き出した被検試料中のDダイマーの濃度)を得た。結果を表1に示す。
HEPES緩衝液の代わりにトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を用い、抗原抗体反応時のトリス塩酸緩衝液の濃度が正確に0.05mol/L、0.1mol/L、0.2mol/L、0.3mol/L、0.5mol/Lとなるように、以下のように第一試薬および第二試薬を調製した。それ以外は、実施例2と同様に測定を行った。なお、評価に用いた被検試料は実施例2と異なる血漿検体を用いた。
(1)第一試薬の調製
濃度を、0.1mol/L、1mol/L、2mol/Lに調製したトリス塩酸緩衝液にウシ血清アルブミン(BSA)を添加して、pH8.5に合わせたものを第一試薬とした。
抗フェリチン抗体をMOPS緩衝液(pH7.1)に懸濁し、この抗体液にポリスチレンラテックスを添加して4℃にて一晩撹拌した。上記混合物に、BSAを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)を添加し、4℃にて30分間撹拌した後、遠心分離を実施した。得られた沈殿物を、防腐剤を含む水に懸濁し、抗フェリチン抗体感作ポリスチレンラテックス液(第二試薬)を得た。
精製フェリチン(ccbiotech社)を0、50、200、400、700、1000ng/mLとなるように、BSAを含むトリス塩酸緩衝液(pH8.0)にて調製し、フェリチン標準液とした。
(1)測定方法
フェリチン標準液11μLに、トリス塩酸緩衝液の濃度が異なる第一試薬を90μL添加混合して37℃で約5分間保持した後、第二試薬を90μL添加して撹拌し、約10分間経過するまでの間の吸光度変化を主波長570nm、副波長800nmにて測定し、検量線を作成した。上記吸光度測定は、全自動分析機日立7180を用いて行った。
次に、前記標準液の代わりに、生理食塩水にて血漿検体を4/5倍、2/5倍、1/5倍に希釈したものを測定し、上記で作成した検量線を用いて測定値(検量線より導き出した被検試料中のフェリチン濃度)を得た。結果を表5に示す。
また、上記検体とは別検体を使用して1.0mol/L(0.94mol/L)の緩衝液を使用して測定した場合においても、検量線の形状に検体の希釈特性が近付き、希釈直線性が改善される傾向が観察された。
以上、本発明を特定の態様に沿って説明したが、当業者に自明の変形や改良は本発明の範囲に含まれる。
Claims (8)
- 測定対象物質に対する抗体若しくはそのフラグメントを固定化した不溶性担体を用いる、被検試料中の前記測定対象物質の免疫学的測定において、前記測定対象物質がDダイマー又はフェリチンであり、0.19mol/L以上の濃度の緩衝液の存在下で抗原抗体反応を行う、前記測定における測定範囲を拡大する方法。
- 測定対象物質に対する抗体若しくはそのフラグメントを固定化した不溶性担体を用いる、被検試料中の前記測定対象物質の免疫学的測定において、前記測定対象物質がDダイマー又はフェリチンであり、0.19mol/L以上の濃度の緩衝液の存在下で抗原抗体反応を行う、前記測定における希釈直線性を改善する方法。
- 測定対象物質に対する抗体若しくはそのフラグメントを固定化した不溶性担体を用いる、被検試料中の前記測定対象物質の免疫学的測定において、前記測定対象物質がDダイマー又はフェリチンであり、0.19mol/L以上の濃度の緩衝液の存在下で抗原抗体反応を行う、前記測定における検量線の形状と検体の希釈特性を近づける方法。
- 前記不溶性担体が、ラテックス粒子である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記緩衝液が、HEPES緩衝液、Tris緩衝液、又はBis−Tris緩衝液から選ばれる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法に用いるための免疫学的測定試薬であって、測定対象物質に対する抗体若しくはそのフラグメント、及び緩衝液を含み、前記緩衝液の濃度が、抗原抗体反応時の反応液中の濃度として0.19mol/L以上となる濃度である、前記免疫学的測定試薬。
- 前記不溶性担体が、ラテックス粒子である、請求項6に記載の免疫学的測定試薬。
- 前記緩衝液が、HEPES緩衝液、Tris緩衝液、又はBis−Tris緩衝液から選ばれる、請求項6又は7に記載の免疫学的測定試薬。
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