JP6742402B2 - 電動機、圧縮機、及び冷凍サイクル装置 - Google Patents

電動機、圧縮機、及び冷凍サイクル装置 Download PDF

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Description

本発明は、固定子鉄心の各磁極歯に絶縁部品を介して固定子巻線が巻回された電動機、圧縮機、及び冷凍サイクル装置に関する。
従来の電動機における固定子は、図14の縦断面図に示すように、複数の鋼鈑を積層して形成された固定子コア1420の両端部に、巻線との絶縁をとるためのコイルエンド絶縁部材1451が設けられている。また、固定子コア1420は、磁極歯であるティース部を有しており、ティース部のうち巻線が巻かれる部分である基部の側面には、薄型絶縁部材1452が設けられている。
ただし、上記従来技術に係るコイルエンド絶縁部材1451は、図14のように、固定子コア1420の両端部に嵌め込まれ、コイルエンド絶縁部材1451の周縁部がティース部の側面と重なるため、コイルエンド絶縁部材1451の周縁部とティース部の側面との間に段差が生じる。よって、図14に示すように、ティース部の側面と薄型絶縁部材1452との間にデッドスペースXが生じることから、巻線効率が低下し、電動機の効率ロスを引き起こす。
この問題に対して、固定子コアの両端部に段部を設け、この段部にコイルエンド絶縁部材を嵌め込むという構成を採った固定子が知られている(例えば特許文献1及び2参照)。図15の縦断面図に示すように、特許文献1の固定子コア2420は、複数の同形状の鋼板を積層すると共に、ティース部の基部の幅のみを細くした内径側嵌め合い分の鋼板を積厚方向の両端に積層して形成されたものである。このようにして、固定子コア2420には、ティース部の基部における両端部に段部が形成され、当該段部に固定子用保護部材2450の端部が嵌め込まれ取り付けられている。
また、図16の縦断面図に示すように、特許文献2の固定子コア3420は、ティース部の基部のコア幅を狭くした端部用コアピースが両端部に積層されて形成された凸型コア端部を有している。固定子コア3420の両端部には、凸型コア端部に嵌合する凹部を有する鞍型のコイルエンド絶縁部材3450が嵌め込まれている。固定子コア3420の側面に設けられる薄型絶縁物3450cの端部は、図17に示すように、固定子コア3420とコイルエンド絶縁部材3450との間に折り込まれて狭持されている。
特開2015−171249号公報 特開2003−299289号公報
しかしながら、特許文献1の固定子コア1420の側面には、絶縁コーティングが施されているに過ぎない。すなわち、特許文献1の構成では、巻線と固定子コア1420とが、絶縁コーティングのみによって絶縁されるため、固定子のコア巾拡大又は印加電圧増加による漏れ電流の増加に対応することができない。また、特許文献2で使用されるコイルエンド絶縁部材3450は、鞍型の絶縁部品であるため、ティース部の先端部に巻線を巻回しすることができない。さらに、薄型絶縁物3450cの端部は、固定子コア3420とコイルエンド絶縁部材3450との間に折り込まれて狭持されるため、薄型絶縁物3450cを折り込んだ部分にデッドスペースが生じ、かつ、バックヨーク部と巻線との絶縁性を確保することができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、固定子のコア巾拡大又は印加電圧増加による漏れ電流の増加に対する有用な対処を実現可能とし、かつ巻線効率を向上させる電動機、圧縮機、及び冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
本発明に係る電動機は、回転軸を中心に回転駆動される回転子と、回転子の外周側に円環状に設けられた固定子と、を有する電動機であって、固定子は、複数の電磁鋼板が積層されて形成されたものであり、環状のバックヨーク部およびバックヨーク部から回転子の方向に突出した複数のティース部を有する固定子鉄心と、ティース部の回転軸の軸方向における両端部を覆う一対のコイルエンド絶縁部材と、ティース部の周方向における側壁、及び当該側壁に連続するバックヨーク部の内周壁を覆う壁部絶縁部材と、ティース部に、コイルエンド絶縁部材及び壁部絶縁部材を介して巻回された固定子巻線と、を備え、ティース部は、固定子巻線が巻回される部分である基部と、基部の回転子側の端面に設けられ、周方向の幅が基部よりも広く形成された先端部と、を有し、コイルエンド絶縁部材は、バックヨーク部に対向するヨーク対向部と、基部に対向する基部対向部と、先端部に対向する先端対向部と、周縁部の外側のうち、先端対向部の周方向の両端部に設けられたティース側支持部材と、周縁部の外側のうち、ヨーク対向部と基部対向部との接続部の位置に設けられた少なくとも1つのヨーク側支持部材と、を有すると共に、ティース側支持部材及びヨーク側支持部材によって壁部絶縁部材を支持するものであり、固定子鉄心は、ティース部の周方向における側壁及びバックヨーク部の内周壁であって軸方向の各端部側に設けられた一対の段差部を有し、コイルエンド絶縁部材の周縁部は、当該コイルエンド絶縁部材に対応する段差部に配置されており、コイルエンド絶縁部材の周縁部は、軸方向に沿って延出し、当該周縁部に対応する段差部に配置される周縁壁を有しており、ヨーク側支持部材は、周縁部に沿って突起する突起部を有し、壁部絶縁部材は、当該壁部絶縁部材に対応する突起部と周縁部との間に形成されたヨーク側収納溝に挿入されて把持されており、突起部の高さは、周縁壁の半分の高さである
本発明は、固定子鉄心が段差部を有しており、コイルエンド絶縁部材は、ティース部の両端部を覆い、かつ周縁部が段差部に配置されている。そして、壁部絶縁部材は、ティース部の側壁及びバックヨーク部の内周壁を覆っている。よって、ティース部の側壁と壁部絶縁部材との間のデッドスペースを削減すると共に、固定子鉄心と固定子巻線との絶縁性を確保することができるため、固定子のコア巾拡大又は印加電圧増加による漏れ電流の増加に対し有用に対処することができ、かつ巻線効率の向上を図ることができる。
本発明の一実施の形態に係る冷凍サイクル装置の構成図である。 図1の圧縮機の断面構成の一例を示す概略図である。 図2のA−A線に沿った圧縮機構の概略断面図である。 図2のB−B線に沿った電動機の概略断面図である。 図4の電動機における固定子巻線の結線図である。 図4の固定子を構成する分割コアを示す斜視図である。 図6の分割コアを示す分解斜視図である。 図6のD−D線に沿った概略縦断面図である。 図8の固定子コアのティース部の幅寸法と損失及び効率との関係を示すグラフである。 図7の上方に配置されたコイルエンド絶縁部材を下方からみた状態を示す平面図である。 図7の下方に配置されたコイルエンド絶縁部材を上方からみた状態を示す平面図である。 図6の分割コアを領域Eの範囲で部分的に示す拡大図である。 図6のF−F線に沿った概略横断面図である。 従来技術に係る固定子コア及び絶縁部材を示す縦断面図である。 特許文献1に係る固定子コア及び絶縁部材を示す縦断面図である。 特許文献2に係る固定子コア及び絶縁部材を示す縦断面図である。
実施の形態.
図1は、本発明の一実施の形態に係る冷凍サイクル装置の構成図である。図1に示すように、冷凍サイクル装置200は、圧縮機100と、吸入マフラ101と、四方切換弁103と、室外側熱交換器104と、電動膨張等の減圧器105と、室内側熱交換器106と、を有している。吸入マフラ101は、圧縮機100の吸入側に接続されている。すなわち、冷凍サイクル装置200は、配管を介して、圧縮機100、吸入マフラ101、四方切換弁103、室外側熱交換器104、電動膨張等の減圧器105、及び室内側熱交換器106が接続されて形成された冷媒回路を有している。
圧縮機100は、例えばロータリ圧縮機からなる密閉型の圧縮機である。四方切換弁103は、圧縮機100の吐出側に接続され、圧縮機100からの冷媒の流れを切換えるものである。室外側熱交換器104は、例えばフィンアンドチューブ型熱交換器からなり、外気と冷媒との熱交換を行うものである。減圧器105は、例えば電動膨張弁からなり、冷媒の流量を調整するものである。室内側熱交換器106は、例えばフィンアンドチューブ型熱交換器からなり、室内の空気と冷媒との熱交換を行うものである。なお、室外側熱交換器104又は室内側熱交換器106として、プレート式熱交換器を採用し、冷媒と熱交換する熱媒体として、水又は不凍液等を利用できるようにしてもよい。
なお、冷凍サイクル装置200を空気調和機に適用した場合は、一般的に、室内側熱交換器106は、屋内に配置される室内機などの装置に搭載され、圧縮機100、四方切換弁103、室外側熱交換器104、及び減圧器105は、屋外に配置される室外機などの装置に搭載される。また、この場合、四方切換弁103は、例えば、暖房運転時には図3の実線側に接続され、冷房運転時には図3の破線側に接続される。
そして、暖房運転時には、圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒は、室内側熱交換器106に流れ、凝縮し、液化した後、減圧器105で絞られ、低温低圧の二相状態となり、室外側熱交換器104へ流れ、蒸発し、ガス化して四方切換弁103を通って再び圧縮機100に戻る。すなわち、冷凍サイクル装置200内の冷媒は、図1の実線矢印に示すように循環する。この循環により、蒸発器として機能する室外側熱交換器104では、冷媒が外気と熱交換し、凝縮器として機能する室内側熱交換器106では、冷媒が室内の空気と熱交換する。つまり、暖房運転時の冷凍サイクル装置200では、室外側熱交換器104に送られてきた冷媒が外気から吸熱し、吸熱した冷媒は、圧縮機100を介して室内側熱交換器106に送られ、室内の空気と熱交換を行うことにより、室内の空気を温める。
また、冷房運転時には、圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒は、室外側熱交換器104に流れ、凝縮し、液化した後、減圧器105で絞られ、低温低圧の二相状態となり、室内側熱交換器106へ流れ、蒸発し、ガス化して四方切換弁103を通って再び圧縮機100に戻る。すなわち、暖房運転から冷房運転に変わると、室内側熱交換器106が凝縮器から蒸発器に変化し、室外側熱交換器104が蒸発器から凝縮器に変化する。そして、冷凍サイクル装置200内の冷媒は、図1の破線矢印に示すように循環する。この循環により、蒸発器として機能する室内側熱交換器106では、冷媒が室内の空気と熱交換し、蒸発器として機能する室外側熱交換器104では、冷媒が外気と熱交換する。つまり、冷房運転時の冷凍サイクル装置200では、室内側熱交換器106に送られてきた冷媒が、室内の空気から吸熱すなわち室内の空気を冷却する。また、室内側熱交換器106において室内の空気から吸熱した冷媒は、圧縮機100を介して室外側熱交換器104に送られ、外気と熱交換を行い、外気に放熱する。
冷凍サイクル装置200内を循環させる冷媒としては、R407C冷媒、R410A冷媒、又はR32冷媒などを採用することができる。もっとも、上記のような単一冷媒に限らず、混合冷媒を採用してもよい。
図2は、図1の圧縮機100の断面構成の一例を示す概略図である。図3は、図2のA−A線に沿った圧縮機構20の概略断面図である。図4は、図2のB−B線に沿った電動機30の概略断面図である。図2〜図4では、圧縮機100の一例として、1シリンダ型ロータリ圧縮機を示す。
まず、図2を参照して、圧縮機100の全体構成を説明する。圧縮機100は、密閉容器10内に、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構20と、圧縮機構20を駆動する電動機30と、が収納されて構成されている。密閉容器10は、上部容器11と下部容器12とで構成されている。ここで、図3及び図4に示すように、x軸、y軸、及びz軸を定義し、z軸正側を上方とし、z軸負側を下方とし、z軸方向を軸方向とする。
圧縮機構20は、密閉容器10の下方に収納され、電動機30は、密閉容器10の上方に収納されている。圧縮機構20と電動機30とは、回転軸21で連結されている。回転軸21は、電動機30の回転力を圧縮機構20に伝達し、圧縮機構20では、伝達された回転力によって冷媒ガスが圧縮され、圧縮された冷媒ガスは、密閉容器10内に吐出される。密閉容器10内は、圧縮された高温かつ高圧の冷媒ガスによって満たされている。また、密閉容器10の下方すなわち底部には圧縮機構20の潤滑用の冷凍機油が貯留されている。
回転軸21の下部には、オイルポンプが設けられている。オイルポンプは、回転軸21の回転に応じて、密閉容器10の底部に貯留された冷凍機油を汲み上げ、圧縮機構20の各摺動部へ給油するものである。このように、オイルポンプによって冷凍機油が給油されることで、圧縮機構20の機械的潤滑作用が確保される。
回転軸21は、主軸部21a、偏心軸部21b、及び副軸部21cにより構成され、軸方向に沿って上方から下方へ主軸部21a、偏心軸部21b、副軸部21cの順に形成されている。主軸部21aには、電動機30が焼嵌または圧入され固定されており、偏心軸部21bには、円筒状のローリングピストン22が摺動自在に嵌合されている。
図3は、図2のA−A線に沿って圧縮機構20を切断し上面側から見た概略断面図であり、圧縮機構20は、シリンダ23、ローリングピストン22、上軸受24、下軸受25、およびベーン26で構成されている。
シリンダ23は、内部に、軸方向の両端が開口された円筒状の空間であるシリンダ室23aが設けられている。シリンダ室23a内には、シリンダ室23a内で偏心運動を行う回転軸21の偏心軸部21bと、偏心軸部21bに嵌合したローリングピストン22と、シリンダ室23aの内周とローリングピストン22の外周とによって形成される空間を仕切るベーン26と、が収納されている。
シリンダ23には、一方がシリンダ室23a内に開口し、もう一方に背圧室23bが設けられたベーン溝23cが形成されている。ベーン溝23cには、ベーン26が収納されており、ベーン26は、ベーン溝23c内を径方向に往復運動する。
ベーン26の形状は、ベーン溝23cに取付けられた状態において、シリンダ室23aの周方向の厚さが、シリンダ室23aの径方向および軸方向の長さ(厚さ)よりも小さいほぼ直方体の形状である。ここで、周方向はx軸に沿った方向に相当し、径方向はy軸に沿った方向に相当する。
ベーン溝23cの背圧室23bには、図示しないベーンスプリングが設けられている。圧縮機構20は、密閉容器10内の高圧の冷媒ガスが背圧室23bに流入するように構成され、背圧室23b内の冷媒ガスの圧力とシリンダ室23a内の冷媒ガスの圧力との差圧により、シリンダ室23aの中心に向って径方向にベーン26を動かす力を作り出す。背圧室23b内とシリンダ室23a内との差圧による力と、ベーンスプリングが径方向に押圧する力とによって、ベーン26は、シリンダ室23aの中心に向って径方向に動かされる。ベーン26を径方向に動かす力は、ベーン26の一端すなわちシリンダ室23a側の端部を、ローリングピストン22の円筒状の外周に当接させる。ベーン26がローリングピストン22の外周に当接することによって、シリンダ23の内周とローリングピストン22の外周とによって形成される空間を仕切ることができる。
上記の通り、本実施の形態における圧縮機構20は、背圧室23bにベーンスプリングを有している。このため、密閉容器10内の冷媒ガス、すなわち背圧室23b内の冷媒ガスの圧力とシリンダ室23a内の冷媒ガスの圧力との差圧が、ベーン26をローリングピストン22の外周に押圧するために十分な圧力を有しない場合でも、ベーンスプリングの力によって、ベーン26の一端をローリングピストン22の外周に押圧することができる。すなわち、圧縮機構20によれば、ベーン26の一端が、ローリングピストン22の外周に当接する状態を、常に維持することができる。
上軸受24は、回転軸21の主軸部21aに嵌合され、主軸部21aを回転自在に支持している。また、上軸受24は、シリンダ室23aの軸方向の一方の開口部、すなわちシリンダ室23aの上側の開口部を閉塞している。同様に、下軸受25は、回転軸21の副軸部21cに嵌合され、副軸部21cを回転自在に支持している。また、下軸受25は、シリンダ室23aの軸方向の一方の開口部、すなわちシリンダ室23aの下側の開口部を閉塞している。
シリンダ23には、密閉容器10の外部から、冷媒ガスをシリンダ室23a内に吸入する吸入ポートが設けられている。上軸受24には、圧縮した冷媒ガスをシリンダ室23a外に吐出する吐出ポートが設けられている。上軸受24は、側面視でほぼ逆T字形状であり、下軸受25は、側面視でほぼT字形状である。
上軸受24の吐出ポートには、吐出弁が設けられており、シリンダ23から吐出ポートを介して吐出される高温・高圧の冷媒ガスの吐出タイミングを、吐出弁によって制御する。すなわち、吐出弁は、シリンダ23のシリンダ室23a内で圧縮される冷媒ガスが、所定の圧力になるまで閉塞し、所定の圧力以上となると開口して、高温・高圧の冷媒ガスをシリンダ室23a外へ吐出させる。
シリンダ室23a内では、吸入、圧縮、及び吐出の動作が繰り返されているため、吐出ポートから吐出される冷媒ガスは、間欠的に吐出され、脈動音などの騒音となる。こうした騒音を低減するため、上軸受24の外側すなわち電動機30側には、上軸受24を覆うように吐出マフラ27が取付けられている。吐出マフラ27には、吐出マフラ27と上軸受24とによって形成される空間と密閉容器10内とを連通する吐出穴が設けられている。シリンダ23から吐出ポートを介して吐出される冷媒ガスは、吐出マフラ27と上軸受24とによって形成される空間に、一旦吐出され、その後、吐出穴から密閉容器10内へ吐出される。
密閉容器10の横には、液冷媒が直接シリンダ23のシリンダ室23aに吸入されることを抑制する吸入マフラ101が設けられている。圧縮機100には、冷凍サイクル装置200を構成する冷媒回路から、低圧の冷媒ガスと液冷媒とが混在した気液二相の冷媒が送られてくる。液冷媒がシリンダ23に流入し圧縮機構20で圧縮されると、圧縮機構20の故障となるため、吸入マフラ101は、液冷媒と冷媒ガスを分離し、冷媒ガスのみをシリンダ室23aに送る。吸入マフラ101は、シリンダ23の吸入ポートと吸入連結管によって接続され、吸入マフラ101から送られる低圧の冷媒ガスは、吸入連結管を介してシリンダ室23aに吸入される。
以上のように構成された圧縮機構20では、回転軸21の回転運動により、シリンダ23のシリンダ室23a内で回転軸21の偏心軸部21bが回転する。シリンダ室23aの内周と偏心軸部21bに嵌合されたローリングピストン22の外周とベーン26によって仕切られた圧縮室は、回転軸21の回転とともに、容積が増加又は減少する。
具体的には、まず初めに、圧縮室と吸入ポートとが連通し、低圧冷媒ガスが吸入される。次に、吸入ポートの連通が閉鎖され、圧縮室の容積減少とともに、圧縮室内の冷媒ガスが圧縮される。最後に、吐出ポートと連通し、圧縮室内の冷媒ガスが所定の圧力に達した後、吐出ポートに設けられた吐出弁が開き、圧縮され高圧・高温となった冷媒ガスが、圧縮室外すなわちシリンダ室23aの外へ吐出される。
シリンダ室23aから吐出マフラ27を介し、密閉容器10内に吐出された高圧・高温の冷媒ガスは、電動機30内を通過し、密閉容器10内を上昇し、密閉容器10の上部に設けられた吐出管102から、密閉容器10の外部へ吐出される。密閉容器10の外部には、冷媒が流れる冷媒回路が構成されており、吐出された冷媒は冷媒回路を循環して、再び吸入マフラ101に戻ってくる。
次に、図4を参照して、圧縮機構20に回転力を伝達する電動機30について説明する。図4は、図2のB−B線に沿って電動機30を切断し上面側から見た概略断面図であり、電動機30は、密閉容器10の内周に固定されるほぼ円筒状の固定子41と、固定子41の内側に配設されたほぼ円柱状の回転子31を備える。
回転子31は、薄板電磁鋼板を打抜いた鉄心シートを複数枚積層して形成された回転子鉄心32により構成されている。回転子31の構成には、ブラシレスDCモータのように永久磁石を用いるものと、誘導電動機のように二次巻線を使用するものがある。
例えば、回転子31が、図4のようなブラシレスDCモータである場合は、回転子鉄心32の軸方向に磁石挿入孔33が設けられ、磁石挿入孔33には、フェライト磁石又は希土類磁石などの永久磁石34が挿入されている。永久磁石34によって回転子31上の磁極を形成する。電動機30は、回転子31上の磁極が作る磁束と、固定子41の固定子巻線が作る磁束との作用によって、回転子31を回転させる。
回転子31が、図示しない誘導電動機である場合は、回転子鉄心32に永久磁石の代わりに二次巻線が設けられ、固定子41の固定子巻線46が、回転子側の二次巻線に磁束を誘導して回転力を発生させ、回転子31を回転させる。
回転子鉄心32の中心には、回転軸21を通す軸穴35が設けられており、回転軸21の主軸部21aが焼き嵌め等により締結されている。これにより、回転子31は、自身の回転運動を回転軸21に伝達する。軸穴35の周囲には、風穴36が設けられており、電動機30の下方にある圧縮機構20にて圧縮された高圧・高温の冷媒が、風穴36を通過する。なお、圧縮機構20にて圧縮された冷媒は、風穴36以外にも、回転子31と固定子41との間のエアギャップ及び固定子巻線46の間隙も通過する。
固定子41は、固定子鉄心42、複数のコイルエンド絶縁部材45a、複数のコイルエンド絶縁部材45b、複数の壁部絶縁部材45c、及び固定子巻線46から構成されている。固定子41は、ほぼ円筒状の形状であり、中心にほぼ円柱状の回転子31が配置をされている。すなわち、固定子41は、回転子31の外周側に円環状に設けられている。以降において、複数のコイルエンド絶縁部材45a、複数のコイルエンド絶縁部材45b、及び複数の壁部絶縁部材45cを総称するときは、単に絶縁部材45ともいう。
固定子鉄心42は、回転子31と同様に、薄板電磁鋼板を打抜いた鉄心シートを複数枚積層して形成されており、固定子鉄心42の外径は下部容器12の中間部分の内径より大きく製作され、下部容器12の内径に焼嵌めによって固定されている。
固定子鉄心42は、外周側の円筒形部を形成するバックヨーク部43と、固定子鉄心42は、バックヨーク部43から固定子41の径方向の中心側、すなわち回転子31の方向に突出した複数のティース部44と、により構成されている。複数の磁極歯である各ティース部44は、バックヨーク部43の内周に沿って等間隔に設けられている。各ティース部44は、固定子巻線46が施されることにより、磁極を構成する。隣り合うティース部44とティース部44との間には、固定子巻線46が収容できる空間、すなわちスロット47が形成されている。
固定子巻線46には、リード線51が接続されている。リード線51は、密閉容器10に固定されたガラス端子52と接続されており、ガラス端子52から電力が供給される。ガラス端子52には、リード線51を介して固定子巻線46に電力を供給する外部電源が接続される。外部電源は、密閉容器10の外に設けられるインバータ装置などである。
固定子巻線46は、固定子鉄心42に複数設けられたティース部44のそれぞれに、絶縁部材45を介して固定子41の軸方向すなわち上下方向に巻き付けられた巻線の集合体である。固定子巻線46は、例えば、絶縁被膜で覆われた銅線又はアルミ線で構成されている。固定子巻線46を構成する各巻線は、隣り合う2つのティース部44の間に設けられた各スロット47に、ほぼ隙間なく収納されている。固定子巻線46に電流を流したとき、各巻線が巻きつけられた各ティース部44が磁極となる。磁極の方向は、固定子巻線46に流す電流の方向によって変わる。
図5は、図4の電動機30における固定子巻線46の結線図である。本実施の形態における電動機30は、三相交流で回転磁界を生成する三相電動機である。一般に、三相電動機の固定子巻線は、3つの独立した固定子巻線の集合体である。
図5に示すように、固定子巻線46は、U相に対応するU相固定子巻線46Uと、V相に対応するV相固定子巻線46Vと、W相に対応するW相固定子巻線46Wと、の集合体である。リード線51は、U相に対応するリード線51uと、V相に対応するリード線51vと、W相に対応するリード線51wとにより構成されている。
U相固定子巻線46Uは、対応する各ティース部44に巻き付けられた巻線46a、巻線46b、及び巻線46cからなるものである。すなわち、U相固定子巻線46Uは、図5のように、巻線46aと巻線46bと巻線46cとが直列に接続されて構成されている。U相固定子巻線46Uの端末の一方は中性点55に接続され、もう一方の端末であるU相端子55uは端子台50uにおいてリード線51uに接続され、固定子41のU相を構成する。
同様に、V相固定子巻線46Vは、対応する各ティース部44に巻き付けられた巻線46d、巻線46e、及び巻線46fからなるものである。すなわち、V相固定子巻線46Vは、巻線46dと巻線46eと巻線46fとが直列に接続されて構成されている。V相固定子巻線46Vの端末の一方は中性点55に接続され、もう一方の端末であるV相端子55vは端子台50vにおいてリード線51vに接続され、固定子41のV相を構成する。
また、W相固定子巻線46Wは、対応する各ティース部44に巻き付けられた巻線46g、巻線46h、及び巻線46iからなるものである。すなわち、W相固定子巻線46Wは、巻線46gと巻線46hと巻線46iとが直列に接続されて構成されている。W相固定子巻線46Wの端末の一方は中性点55に接続され、もう一方の端末であるW相端子55wは端子台50wにおいてリード線51wに接続され、固定子41のW相を構成する。
U相固定子巻線46Uと、V相固定子巻線46Vと、W相固定子巻線46Wとに電流を流すことによって、固定子巻線46が励磁され、各ティース部44が磁極となる。各ティース部44の回転軸21に対して円周方向の側面、すなわち、各ティース部44のスロット47側の側壁は、各ティース部44と固定子巻線46とが接触しないように、絶縁部材45で覆われている。なお、端子台50uと端子台50vと端子台50wは、隣接して設けられている。
以上のような構成により、電動機30は、回転子31が作る磁束と固定子41の固定子巻線46が作る磁束との作用によって、回転子31を回転させ、回転力を回転軸21へ伝達し、回転軸21を介して圧縮機構20へ伝達する。
電動機30が発生する回転力、すなわち電動機30の発生トルクは、圧縮機構20の吸入、圧縮、及び吐出の各工程に必要な負荷量に従う。すなわち、圧縮機構20の負荷量が大きくなると、電動機30が発生するトルクも大きくする必要がある。電動機30の発生トルクは、固定子巻線46に流す電流によって発生する磁束と、回転子31に設けられた永久磁石又は二次巻線の磁束との作用によって発生する。電動機30の発生トルクの大きさは、固定子41と回転子31とが発生する磁束の大きさによって決められる。
一般的には、回転子31側の磁束の大きさは、搭載する永久磁石又は二次巻線の設計に応じて、設計時におおよそ決められ、固定子41の磁束の大きさを決める要素のうち、固定子巻線46を巻き回す回数も設計時に決められる。このため、電動機30の発生トルクの大きさは、固定子巻線46に流す電流の増減によって制御する。すなわち、電動機30の発生トルクを大きくしたい場合には、固定子巻線46に流す電流を増加させ、電動機30の発生トルクを小さくしたい場合には、固定子巻線46に流す電流を減少させる。
固定子巻線46に流す電流は、リード線51及びガラス端子52を介して接続された外部電源によって制御することができる。電動機30に必要な発生トルクは、例えばインバータ装置からなる外部電源により、圧縮機構20の負荷量に合わせて発生させることができる。インバータ装置は、電動機30のU相固定子巻線46U、V相固定子巻線46V、及びW相固定子巻線46Wのそれぞれに、120°ずつ位相が異なる交流電圧を印加させ、電動機30を駆動する。
ここで、本実施の形態に係る固定子41は、複数の分割コアが円環状に連結されて構成されている。図4では、9つの分割コアからなる固定子41を例示している。これらの分割コアは何れも同様に構成されているため、以下、図4の範囲Cに示す分割コアの構成を具体的に説明する。
図6は、図4の固定子を構成する分割コアを示す斜視図である。図7は、図6の分割コアを示す分解斜視図である。図8は、図6のD−D線に沿った概略縦断面図である。つまり、図8には、図6のD−D線に沿ったyz平面における概略断面図を示している。図9は、図8の固定子コアのティース部の幅寸法と損失及び効率との関係を示すグラフである。図10は、図7の上方に配置されたコイルエンド絶縁部材を下方からみた状態を示す平面図である。図11は、図7の下方に配置されたコイルエンド絶縁部材を上方からみた状態を示す平面図である。図12は、図6の分割コアを領域Eの範囲で部分的に示す拡大図である。図13は、図6のF−F線に沿った概略横断面図である。つまり、図13には、図6のF−F線に沿ったxy平面における概略断面図を示している。なお、図6及び図7では、固定子巻線46を省略している。また、図8及び図13では、各構成部材の構造を明示するために、固定子鉄心42へのハッチングを省略している。
図6及び図7に示すように、固定子41を構成する分割コア41aは、固定子鉄心42の一部である固定子コア42aを有している。本実施の形態において、固定子鉄心42は、9つの固定子コア42aが円環状に連結されたものである。したがって、固定子コア42aは、厚み方向すなわち軸方向に積層された複数枚の電磁鋼鈑から構成されている。固定子コア42aは、バックヨーク部43を構成する分割ヨーク部43aと、分割ヨーク部43aから回転子31側へ突出したティース部44とにより構成されている。ティース部44は、分割ヨーク部43aの周方向における中央部から径方向に突出した基部44aと、基部44aの端面に設けられ、周方向の幅が基部44aよりも広く形成された先端部44bと、を有している。基部44aは、固定子巻線46が巻回される部分である。本実施の形態における先端部44bは、基部44aの端面から周方向へ左右均等に広がりつつ回転子31側へ延びるように構成されている。
図8に示すように、固定子コア42aは、回転軸21の軸方向における一端部及び他端部に、それぞれ、コイルエンド絶縁部材45a又はコイルエンド絶縁部材45bが嵌め込まれる段部424を有している。各段部424は、固定子コア42aの周方向両側に設けられた段差部423により形成されている。各段差部423は、分割ヨーク部43aの内周壁及びティース部44の周方向における両側の側壁に形成されている。ここで、ティース部44の周方向における両側の側壁には、基部44aの両側壁と、先端部44bの周方向における両側の側壁と、を含むものとする。また、分割ヨーク部43aの内周壁とは、分割ヨーク部43aの回転子31側の側壁のことである。より具体的に、段差部423は、図7に示すように、ティース部44の周方向における側壁から、当該側壁に連続する分割ヨーク部43aの内周壁に亘って形成された段端面421及び段差面422によって構成されている。
ここで、図8及び図9を参照して、固定子コア42aのティース部44の幅寸法と損失及び効率との関係を説明する。ところで、図8は、図6のD−D線に沿ったyz平面における概略断面図であるため、図8における固定子コア42aは、ティース部44の基部44aに相当する。
図9では、段部424における基部44aの周方向の幅である狭幅dnの、段部424以外の部分における基部44aの周方向の幅である広幅dwに対する割合[%]を横軸にとり、電動機30の損失[W]と電動機30の効率[%]とを縦軸にとっている。図13に示すように、広幅dwに対する狭幅dnの割合が増加するにつれて、電動機30の損失が減少し、電動機30の効率が上昇する。そして、広幅dwに対する狭幅dnの割合が70%以上の範囲において、電動機30の損失及び効率が好適な状態で安定することがわかる。
そこで、本実施の形態の固定子コア42aは、広幅dwに対する狭幅dnの割合が70%以上となるように構成されている。すなわち、電動機30は、広幅dwに対する狭幅dnの割合が70%以上である固定子コア42aを有しているため、ティース部44の磁束密度増加による鉄損の増加を抑制し、効率低下を防止することができる(段差無しコアに対して−1%以内)。
また、分割コア41aは、固定子コア42aの一端部に形成された段部424に嵌め込まれるコイルエンド絶縁部材45aと、固定子コア42aの他端部に形成された段部424に嵌め込まれるコイルエンド絶縁部材45bと、コイルエンド絶縁部材45aとコイルエンド絶縁部材45bとによって上下から把持される一対の壁部絶縁部材45cと、を有している。コイルエンド絶縁部材45a、コイルエンド絶縁部材45b、及び各壁部絶縁部材45cは、例えば樹脂材料等で形成されており、固定子鉄心42と固定子巻線46との絶縁をとるものである。
コイルエンド絶縁部材45a及び45bは、図6及び図8に示すように、固定子コア42aの両端部の全体を覆うように組み付けられる。コイルエンド絶縁部材45a及び45bの周縁部の形状は、固定子コア42aの段部424の形状に対応している。コイルエンド絶縁部材45a及び45bは、それぞれ、段差部423に対応する周縁部から固定子コア42aに向かって延出する周縁壁451を有している。周縁壁451は、コイルエンド絶縁部材45a及び45bの本体から垂直に延びており、段端面421に対向する周縁端面452を有している。
本実施の形態において、分割コア41aは、図8に示すように、周縁壁451の周方向における厚みである壁厚Wと、段端面421の幅Wとが等しくなるように形成されている。このため、各段部424にコイルエンド絶縁部材45a及び45bを嵌め込むと、段端面421に周縁端面452が当接し、固定子コア42aとコイルエンド絶縁部材45a及び45bとの連結部分が面一の状態となる。すなわち、各コイルエンド絶縁部材45a及び45bの周縁部と、当該周縁部に対応するティース部44の周方向における各側壁及びバックヨーク部43の内周壁とは、面一の状態となっている。
図10及び図11に示すように、コイルエンド絶縁部材45a及び45bは、いずれも、分割ヨーク部43aに対向するヨーク対向部451pと、基部44aに対向する基部対向部451qと、先端部44bに対向する先端対向部451rと、を有している。周縁壁451は、ヨーク対向部451pと基部対向部451qとの接続部CoにおいてL字状に曲げられている。
また、コイルエンド絶縁部材45aは、2つのティース側支持部材453と、1つのヨーク側支持部材454と、を有している。コイルエンド絶縁部材45bは、2つのティース側支持部材453と、2つのヨーク側支持部材454と、を有している。
ティース側支持部材453は、先端対向部451rの周方向の両端部に設けられている。ティース側支持部材453は、先端対向部451rに位置する周縁壁451に平行となるように配設された直方体状の収納壁453wを有している。収納壁453wの高さは、例えば周縁壁451の1/3に設定される。ティース側支持部材453において、収納壁453wは、先端対向部451rに所定の間隔をあけて接続されている。したがって、コイルエンド絶縁部材45a及び45bには、周縁壁451と収納壁453wとの接続部に、壁部絶縁部材45cを挿入可能なティース側収納溝453gが形成されている。ティース側収納溝453gの幅は、壁部絶縁部材45cの厚みに応じて設定される。
ヨーク側支持部材454は、接続部Coの位置における周縁壁451の外側に設けられ、周縁壁451に沿って突起する突起部454wを有している。突起部454wの高さは、例えば周縁壁451の半分の高さに設定される。ヨーク側支持部材454において、突起部454wは、接続部Coに位置するヨーク対向部451p及び基部対向部451qに所定の間隔をあけて接続されている。したがって、コイルエンド絶縁部材45a及び45bには、周縁壁451と突起部454wとの接続部に、壁部絶縁部材45cを挿入可能なヨーク側収納溝454gが形成されている。ヨーク側収納溝454gの幅は、壁部絶縁部材45cの厚みに応じて設定される。
一対の壁部絶縁部材45cは、コイルエンド絶縁部材45aが有する各支持部材と、コイルエンド絶縁部材45bが有する各支持部材とによって把持されるものである。すなわち、一対の壁部絶縁部材45cは、コイルエンド絶縁部材45aが有するティース側収納溝453g及びヨーク側収納溝454gと、コイルエンド絶縁部材45bが有するティース側収納溝453g及びヨーク側収納溝454gとによって、上下から把持されるものである。
図7に示すように、壁部絶縁部材45cは、分割ヨーク部43aの回転子31側の面に対向配置されるヨーク側絶縁部材451cと、基部44aの側壁を覆う基部絶縁部材452cと、先端部44bの周方向側の側壁を覆う先端絶縁部材453cと、を有している。ここで、基部絶縁部材452c及び先端絶縁部材453cは、ティース絶縁部材とも総称する。
ヨーク側絶縁部材451cと基部絶縁部材452cとの接合部における横断面L字状の各端部Leは、それぞれ、対向するヨーク側収納溝454gに挿入される。本実施の形態では、巻線の円滑性を考慮して、コイルエンド絶縁部材45aが、接続部Coの位置における一方の周縁壁451の外側にのみヨーク側支持部材454を有している。このため、図7に示す3箇所の端部Leは、ヨーク側収納溝454gに挿入されて支持される。また、領域Eを拡大した図12に示すように、先端絶縁部材453cの下端部は、対向するティース側収納溝453gに挿入されて支持される。つまり、先端絶縁部材453cの上端部及び下端部は、それぞれ、対向するティース側収納溝453gに挿入されて支持される。
すなわち、図13に示すように、壁部絶縁部材45cは、ティース部44の周方向における各側壁から分割ヨーク部43aの内周壁に亘って固定子コア42aを覆うように形成されている。同様に、コイルエンド絶縁部材45a及び45bの周縁部は、各段部424に嵌め込まれ、ティース部44の周方向における各側壁から分割ヨーク部43aの内周壁に亘って固定子コア42aを覆うように形成されている。よって、分割コア41aが連結された固定子41によれば、バックヨーク部43及びティース部44の先端部44bと固定子巻線46との絶縁性を確保することができるため、各巻線46a〜46iをバックヨーク部43側及び先端部44b側にも十分に巻回しすることができ、巻線効率の向上を図ることができる。
壁部絶縁部材45cの厚みは、例えばt0.075mm〜t0.250mmの範囲で設定される。すなわち、ティース側収納溝453g及びヨーク側収納溝454gの幅を調整することにより、様々な厚みを有する壁部絶縁部材45cを選択することができるため、電動機30のコア巾増加及び電動機30の印加電圧増加に起因して発生する漏れ電流への有用な対処が可能となる。
なお、図4では、9つの分割コアで構成された9スロットタイプの固定子41を例示しているが、固定子41は円環状に形成されていればよく、例えば12個といった任意の個数の分割コアを円環状に連結して固定子41を構成してもよい。また、固定子鉄心42は、複数の固定子コア42aを円環状に連結して形成されているが、これに限らず、固定子鉄心42は、円環状に打ち抜かれた鉄心シートを積層することにより一体的に形成してもよい。さらに、図5では、固定子巻線46の3相が結線された場合を例に説明したが、固定子巻線46の3相はデルタ(Δ)結線された構成であってもよい。
以上のように、本実施の形態における電動機30は、固定子鉄心42が、ティース部44の周方向における側壁及びバックヨーク部43の内周壁であって軸方向の各端部側に設けられた一対の段差部423を有している。また、固定子41は、複数のティース部44各々の軸方向における両端部を覆う一対のコイルエンド絶縁部材45a及び45bと、複数のティース部44各々の側壁及びバックヨーク部43の内周壁を覆う壁部絶縁部材45cと、有している。そして、一対のコイルエンド絶縁部材であるコイルエンド絶縁部材45a及び45bの周縁部は、それぞれ、当該コイルエンド絶縁部材に対応する段差部423に配置されている。このため、固定子41では、ティース部44の側壁と壁部絶縁部材45cとの間のデッドスペースを削減すると共に、固定子鉄心42と固定子巻線46との絶縁性を確保することができる。よって、電動機30によれば、固定子のコア巾拡大又は印加電圧増加による漏れ電流の増加に対し有用に対処することができ、かつ巻線効率の向上を図ることができる。
加えて、電動機30では、各コイルエンド絶縁部材45a及び45bが、対応する固定子コア42aに設けられた段部424に嵌め合わされて組み付けられている。よって、固定子コア42aとコイルエンド絶縁部材45a及び45bとの位置決めが容易となるため、作業性の向上を図ることができる。併せて、コイルエンド絶縁部材45a及び45bを固定子コア42aに対して強固に固定することができる。さらに、固定子巻線46の巻回時にコイルエンド絶縁部材45a及び45bに加わる荷重に対する応力を緩和することができるため、コイルエンド絶縁部材45a及び45bの劣化を防ぐことができ、結果として電動機30の品質を向上させることができる。すなわち、上記構成を採った電動機30によれば、固定子鉄心42と固定子巻線46との絶縁距離を確保した上で、各巻線46a〜46iを巻回できる面積を増やすことが可能となり、モータ損失の一つである銅損を低減することができる。
また、各コイルエンド絶縁部材45a又は45bの周縁部は、それぞれ、固定子鉄心42に向かって軸方向に沿って延出し、当該周縁部に対応する段差部423に配置される周縁壁451を有している。よって、周縁壁451の周縁端面452が段差部423の段端面421に当接することから、各コイルエンド絶縁部材45a及び45bの周方向の幅を短くすることができるため、ティース部44の側壁と壁部絶縁部材45cとの間のデッドスペースをさらに削減することができる。
加えて、固定子41は、周縁壁451の壁厚Wと段差部の幅Wとが等しくなるように形成されている。すなわち、固定子41では、固定子コア42aとコイルエンド絶縁部材45a及び45bとが、ティース部44の周方向における各側壁からバックヨーク部43の内周壁に亘って面一となるように連結されている。つまり、各コイルエンド絶縁部材45a及び45bの周縁部と、当該周縁部に対応するティース部44の各側壁及びバックヨーク部43の内周壁とは、面一の状態となっている。したがって、電動機30によれば、ティース部44の側面と壁部絶縁部材45cとの間にデッドスペースが生じないため、巻線効率を向上させ、電動機30の効率アップを図ることができる。
また、壁部絶縁部材45cは、固定子コア42aの段差部423とコイルエンド絶縁部材45a及び45bの周縁壁451との連結部分を覆い、かつ周縁壁451、分割ヨーク部43aの内周壁、及びティース部44の周方向における各側壁に当接するように配設されている。よって、固定子鉄心42と固定子巻線46との絶縁性を十分に確保することができる。
さらに、各ティース部44は、それぞれ、段差部423が形成されている位置での基部44aの周方向における幅である狭幅dnの、段差部423が形成されていない位置での基部44aの周方向における幅である広幅dwに対する割合が、70%以上となっている。このため、電動機30によれば、ティース部44の磁束密度増加による鉄損の増加を抑制し、効率低下を防止することができる。
また、各コイルエンド絶縁部材45a及び45bは、それぞれ、壁部絶縁部材45cを支持する複数の支持部材を周縁部の外側に有している。壁部絶縁部材45cは、当該壁部絶縁部材45cに対応する一対のコイルエンド絶縁部材45a及び45bが有する各支持部材によって把持されている。そして、各コイルエンド絶縁部材45a及び45bは、それぞれ、各支持部材として、ティース部44の先端部44b側に設けられた一対のティース側支持部材453と、バックヨーク部43側に設けられた少なくとも1つのヨーク側支持部材454と、を有している。よって、電動機30によれば、壁部絶縁部材45cを安定的に支持することができる。
さらに、各ティース側支持部材453は、それぞれ、周縁部との距離をとって当該周縁部に平行となるように配置された収納壁453wを有している。各壁部絶縁部材45cは、それぞれ、当該壁部絶縁部材45cに対応する収納壁453wと周縁部との間に形成されたティース側収納溝453gに挿入されて把持されている。また、各ヨーク側支持部材454は、それぞれ、周縁部との距離をとって配置され、当該周縁部に沿って突起する突起部454wを有している。各壁部絶縁部材45cは、それぞれ、当該壁部絶縁部材45cに対応する突起部454wと周縁部との間に形成されたヨーク側収納溝454gに挿入されて把持されている。したがって、電動機30では、壁部絶縁部材45cをコイルエンド絶縁部材45a及び45bに簡易にかつ安定的に取り付けることができる。そして、固定子41のコア巾拡大又はモータ印加電圧増加の際は、ティース側収納溝453g及びヨーク側収納溝454gの幅と共に、壁部絶縁部材45cの厚みを変更することで、漏れ電流の増加に対して有用に対処することができる。
すなわち、コイルエンド絶縁部材45a及び45bは、壁部絶縁部材45cがティース側収納溝453g及びヨーク側収納溝454gに挿入された状態で、周縁部が固定子コア42aの各段部424へ嵌め込まれる。したがって、壁部絶縁部材45cは、コイルエンド絶縁部材45aの各収納溝と、コイルエンド絶縁部材45bの各収納溝とによって上下から把持される。このため、電動機30では、壁部絶縁部材45cを安定した状態で簡易に取り付けることができる。さらに、ヨーク側収納溝454gの横断面は、ヨーク側絶縁部材451cと基部絶縁部材452cとの接続部分に対応するL字状となっている。このため、ヨーク側収納溝454gを有するコイルエンド絶縁部材45a及び45bによれば、直線状に形成された溝よりも壁部絶縁部材45cを安定的に保持することができる。
なお、上述した実施の形態は、電動機、圧縮機、及び冷凍サイクル装置における好適な具体例であり、本発明の技術的範囲は、これらの態様に限定されるものではない。例えば、上記実施の形態では、突起部454wの高さが周縁壁451の半分程度に設定されている場合を例示したが、これに限らず、突起部454wの高さは、壁部絶縁部材45cを安定的に把持できる範囲内において任意に変更してもよい。同様に、収納壁453wの高さは、壁部絶縁部材45cを安定的に保持できる範囲内において任意に変更してもよい。また、図12等では、収納壁453wが直方体状の形状である場合を例示したが、これに限らず、収納壁453wの形状は、壁部絶縁部材45cを安定的に支持できる範囲で適宜変更してもよい。さらに、基部対向部451qの径方向における中央部などに、ティース側収納溝453gと同様の収納溝を形成し、壁部絶縁部材45cを挿入して支持するようにしてもよい。加えて、壁部絶縁部材45cは、ヨーク側絶縁部材451cと基部絶縁部材452cと先端絶縁部材453cとが一体的に形成された構成であってもよく、個別に形成されたヨーク側絶縁部材451cと基部絶縁部材452cと先端絶縁部材453cとにより構成されていてもよい。
10 密閉容器、11 上部容器、12 下部容器、20 圧縮機構、21 回転軸、21a 主軸部、21b 偏心軸部、21c 副軸部、22 ローリングピストン、23 シリンダ、23a シリンダ室、23b 背圧室、23c ベーン溝、24 上軸受、25 下軸受、26 ベーン、27 吐出マフラ、30 電動機、31 回転子、32 回転子鉄心、33 磁石挿入孔、34 永久磁石、35 軸穴、36 風穴、41 固定子、41a 分割コア、42 固定子鉄心、42a、1420、2420、3420 固定子コア、43 バックヨーク部、43a 分割ヨーク、44 ティース部、44a 基部、44b 先端部、45 絶縁部材、45a、45b、1451、3450 コイルエンド絶縁部材、45c 壁部絶縁部材、46 固定子巻線、46U U相固定子巻線、46V V相固定子巻線、46W W相固定子巻線、46a〜46i 巻線、47 スロット、50u、50v、50w 端子台、51、51u、51v、51w リード線、52 ガラス端子、55 中性点、55u U相端子、55v V相端子、55w W相端子、100 圧縮機、101 吸入マフラ、102 吐出管、103 四方切換弁、104 室外側熱交換器、105 減圧器、106 室内側熱交換器、200 冷凍サイクル装置、421 段端面、422 段差面、423 段差部、424 段部、451 周縁壁、451c ヨーク側絶縁部材、451p ヨーク対向部、451q 基部対向部、451r 先端対向部、452 周縁端面、452c 基部絶縁部材、453 ティース側支持部材、453c 先端絶縁部材、453g ティース側収納溝、453w 収納壁、454 ヨーク側支持部材、454g ヨーク側収納溝、454w 突起部、1452 薄型絶縁部材、2450 固定子用保護部材、3450c 薄型絶縁物、dn 狭幅、dw 広幅。

Claims (6)

  1. 回転軸を中心に回転駆動される回転子と、前記回転子の外周側に円環状に設けられた固定子と、を有する電動機であって、
    前記固定子は、
    複数の電磁鋼板が積層されて形成されたものであり、環状のバックヨーク部および前記バックヨーク部から前記回転子の方向に突出した複数のティース部を有する固定子鉄心と、
    前記ティース部の前記回転軸の軸方向における両端部を覆う一対のコイルエンド絶縁部材と、
    前記ティース部の周方向における側壁、及び当該側壁に連続する前記バックヨーク部の内周壁を覆う壁部絶縁部材と、
    前記ティース部に、前記コイルエンド絶縁部材及び前記壁部絶縁部材を介して巻回された固定子巻線と、
    を備え、
    前記ティース部は、
    前記固定子巻線が巻回される部分である基部と、
    前記基部の前記回転子側の端面に設けられ、周方向の幅が前記基部よりも広く形成された先端部と、を有し、
    前記コイルエンド絶縁部材は、
    前記バックヨーク部に対向するヨーク対向部と、
    前記基部に対向する基部対向部と、
    前記先端部に対向する先端対向部と、
    周縁部の外側のうち、前記先端対向部の周方向の両端部に設けられたティース側支持部材と、
    前記周縁部の外側のうち、前記ヨーク対向部と前記基部対向部との接続部の位置に設けられた少なくとも1つのヨーク側支持部材と、を有すると共に、
    前記ティース側支持部材及び前記ヨーク側支持部材によって前記壁部絶縁部材を支持するものであり、
    前記固定子鉄心は、前記ティース部の周方向における前記側壁及び前記バックヨーク部の前記内周壁であって前記軸方向の各端部側に設けられた一対の段差部を有し、
    前記コイルエンド絶縁部材の前記周縁部は、当該コイルエンド絶縁部材に対応する前記段差部に配置されており、
    前記コイルエンド絶縁部材の前記周縁部は、前記軸方向に沿って延出し、当該周縁部に対応する前記段差部に配置される周縁壁を有しており、
    前記ヨーク側支持部材は、前記周縁部に沿って突起する突起部を有し、
    前記壁部絶縁部材は、当該壁部絶縁部材に対応する前記突起部と前記周縁部との間に形成されたヨーク側収納溝に挿入されて把持されており、前記突起部の高さは、前記周縁壁の半分の高さである電動機。
  2. 前記周縁壁の壁厚と前記段差部の幅とが等しくなるように形成されている請求項に記載の電動機。
  3. 前記ティース部は、前記段差部が形成されている位置での前記基部の周方向における幅である狭幅の、前記段差部が形成されていない位置での前記基部の周方向における幅である広幅に対する割合が、70%以上である請求項1又は2に記載の電動機。
  4. 前記ティース側支持部材は、前記周縁部に平行となるように配置された収納壁を有し、
    前記壁部絶縁部材は、当該壁部絶縁部材に対応する前記収納壁と前記周縁部との間に形成されたティース側収納溝に挿入されて把持されている請求項1〜の何れか一項に記載の電動機。
  5. 請求項1〜の何れか一項に記載の電動機を備えた圧縮機。
  6. 請求項に記載の圧縮機を備えた冷凍サイクル装置。
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