JP7724963B2 - 固定子の製造方法、電動機の固定子、電動機、密閉型圧縮機、および冷凍サイクル装置 - Google Patents

固定子の製造方法、電動機の固定子、電動機、密閉型圧縮機、および冷凍サイクル装置

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Description

本開示は、固定子の製造方法、電動機の固定子、電動機、密閉型圧縮機、および冷凍サイクル装置に関するものである。
一般的に、環状ヨークが相互に回転自在な複数個の積層されたヨーク片からなるとともに、ティースがそれぞれヨーク片に形成されており、そのヨーク片に対して、巻線を行う回転電機のステータの巻線方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この回転電機のステータの巻線方法では、環状ヨークを例えば楕円形状のような非円形状に変形させて複数個のティースにおいて隣り合うティース同士の間にそれぞれ形成される隙間の一部を他に比して拡大させ、その拡大させた隙間に巻線を通してティースに巻回している。
特開2010-98938号公報
しかしながら、特許文献1に記載の回転電機のステータの巻線方法では、環状ヨークを非円形状に変形させてティースに巻回を行うことから、複数の巻線ノズルを用いて隣り合う複数のティースに対して同時に巻回を行うことができないという課題があった。
本開示は、以上のような課題を解決するためになされたもので、複数の巻線ノズルで複数の隣り合うティースに対して同時に巻回を行うことで巻回時間を短縮でき、かつ渡線の弛みを抑制することができる固定子の製造方法、電動機の固定子、電動機、密閉型圧縮機、冷凍サイクル装置を提供することを目的としている。
本開示に係る固定子の製造方法は、筒形状の容器の内周面に固定され、前記容器の周方向に延びるバックヨークと、前記バックヨークの内周面から径方向内側へ突出したティースとを有する分割コアが円環状に複数つながった固定子コアと、前記分割コアの前記ティースに巻回された巻線と、前記分割コアと前記巻線との間を絶縁するインシュレータと、を備え、前記インシュレータは、前記容器の軸方向における前記分割コアの端面を覆う端面絶縁部と、前記端面絶縁部の内周側の端部から、前記周方向に張り出し、かつ前記軸方向において前記分割コアから離れる方向に延びる内鍔部と、前記端面絶縁部の外周側の端部から、前記周方向に張り出し、かつ前記軸方向において前記分割コアから離れる方向に延びる外鍔部と、を有し、前記外鍔部は、外周面に前記巻線から延びる渡線を配置する配置部と、内周面に凹んだインシュレータ凹部と、を有し、前記インシュレータ凹部の周方向幅は、前記端面絶縁部の周方向幅よりも大きく、かつ、前記外鍔部の周方向幅よりも小さく構成され、前記インシュレータ凹部の前記軸方向における前記分割コアから遠い側の端部である第1端部は、前記内鍔部の前記軸方向における前記分割コアから遠い側の端部である第2端部よりも前記分割コアから遠く構成され、前記インシュレータ凹部の前記軸方向における前記分割コアに近い側の端部である第3端部は、前記第2端部よりも前記分割コアに近く構成され、前記第3端部と、前記外鍔部の内周面との境目には段差部が形成された、固定子の製造方法であって、円環状に複数つながった前記分割コアの一箇所を開きC字状にすることで、前記ティース間同士の間隔を広げ、複数の隣り合う前記ティースに対して複数の巻線ノズルで同時に巻回を行う巻線工程と、巻回を終えた前記ティースから次の前記ティースへ前記巻線ノズルを移動させる際に、前記分割コアの開いていた前記一箇所を閉じて複数つながった前記分割コアを円環状にした後、前記巻線ノズルを移動させ前記配置部へ渡線を這わせた後、次の前記ティースへ前記巻線ノズルを移動させる渡線工程と、を備え、前記巻線工程と前記渡線工程とを交互に繰り返し、前記巻線工程では、前記バックヨークに対向する前記インシュレータの部分に接する前記巻線を巻回する際に、前記巻線ノズルの先端から導出される前記巻線を前記段差部に這わせつつ、前記巻線ノズルの先端を、前記インシュレータ凹部内を通過させて前記巻線の巻回を行うものである。
また、本開示に係る電動機の固定子は、上記の固定子の製造方法によって製造されたものである。
また、本開示に係る電動機は、上記の電動機の固定子と、前記固定子の内側に設けられた電動機の回転子と、を備えたものである。
また、本開示に係る密閉型圧縮機は、上記の電動機と、前記電動機により駆動し、外部から吸入した流体を圧縮する圧縮機構と、前記電動機および前記圧縮機構を収容する密閉容器と、を備えたものである。
また、本開示に係る冷凍サイクル装置は、上記の密閉型圧縮機、室外側熱交換器、減圧器、および、室内側熱交換器を備えたものである。
本開示に係る固定子の製造方法によれば、巻線工程実施時には、複数つながった分割コアの一箇所を開きC字状にした状態で、複数の巻線ノズルで、複数の隣り合うティースに対して同時に巻回を行うことで巻線時間を短縮でき、かつ、渡線工程実施時には、複数つながった分割コアの一箇所を円環状にした上で、渡線を這わせるため、渡線の弛みを抑制することができる。また、バックヨークに対向するインシュレータの部分に接する巻線を巻回する際に、巻線ノズルの先端から導出される巻線を段差部に這わせつつ、巻線ノズルの先端を、インシュレータ凹部内を通過させて巻線の巻回を行うため、バックヨークに対向するインシュレータの部分に対して弛みなく巻線を当接させることができ、巻線密度の向上につながる。
実施の形態1に係る密閉型圧縮機の断面図である。 図1のA-A’で密閉型圧縮機を切断して上面から見た断面図である。 実施の形態1に係る密閉型圧縮機が接続される空気調和機などの冷凍サイクル装置の概略構成図である。 図1のB-B’で密閉型圧縮機を切断して上面側から見た断面図である。 実施の形態1に係る固定子の円環状平面図である。 実施の形態1に係る固定子の固定子鉄心の平面図である。 実施の形態1に係る固定子の固定子鉄心片(第1コア部材)の平面図である。 実施の形態1に係る固定子の固定子鉄心片(第2コア部材)の平面図である。 実施の形態1に係る固定子の固定子鉄心の断面積層図である。 実施の形態1に係る固定子の固定子鉄心のC字状平面図である。 実施の形態1に係る固定子の巻回前のC字状平面図である。 実施の形態1に係る固定子の巻回前のC字状斜視図である。 実施の形態1に係る固定子の巻回後のC字状斜視図である。 実施の形態1に係る固定子の巻回後のC字状平面図である。 実施の形態1に係る固定子の巻回後の円環状斜視図である。 実施の形態1に係る固定子の製造方法を示すフローチャートである。 実施の形態1に係る固定子のインシュレータの平面図である。 実施の形態1に係る固定子の渡線の配置方法を示す斜視図である。 実施の形態1に係る固定子の巻線工程を示す斜視図である。 比較例の固定子の巻線工程を示す概略説明図である。 実施の形態1に係る固定子のインシュレータの断面図である。 実施の形態1に係る固定子の一部を拡大した斜視図である。 図22に示す固定子をB矢視部で上下方向に切断した固定子の上部の断面図である。 図22に示す固定子のC矢視部で上下方向に切断した固定子の上部の断面図である。 実施の形態1に係る固定子の巻線工程を示す平面図である。 実施の形態1に係る固定子のインシュレータの別の構成の断面図である。
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る密閉型圧縮機100の断面図である。図2は、図1のA-A’で密閉型圧縮機100を切断して上面から見た断面図である。実施の形態1では、密閉型圧縮機100の一例として、1シリンダ型ロータリ圧縮機について説明する。
実施の形態1に係る密閉型圧縮機100は、図1に示すように、筒形状の密閉容器10内に、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構20と、圧縮機構20を駆動する電動機30とが収納されている。密閉容器10は、上部容器11と下部容器12とで構成され、圧縮機構20が密閉容器10の下方に、電動機30が密閉容器10の上方にそれぞれ収納されている。圧縮機構20と電動機30とは、回転軸21で連結されている。回転軸21は、電動機30の回転運動を圧縮機構20に伝達し、圧縮機構20では伝達された回転力によって冷媒ガスが圧縮されて密閉容器10内に吐出される。密閉容器10内は、圧縮された高温高圧の冷媒ガスによって満たされているとともに、密閉容器10の下方すなわち底部には圧縮機構20の潤滑のため冷凍機油が貯留されている。回転軸21の下部にはオイルポンプ(図示せず)が設けられており、オイルポンプは回転軸21の回転とともに密閉容器10の底部に貯留された冷凍機油を汲み上げ、圧縮機構20の各摺動部へ給油される。これにより、圧縮機構20の機械的潤滑作用が確保される。また、密閉容器10の上部には外部電源(図示せず)が接続されるガラス端子48が設けられており、ガラス端子48は電源線47を介して電動機30と電気的に接続されている。
回転軸21は、主軸部21a、偏心軸部21b、および副軸部21cで構成され、上側から軸方向に主軸部21a、偏心軸部21b、副軸部21cの順に形成されている。ここで、軸方向とは、密閉容器10および回転軸21の長手方向である。主軸部21aには電動機30が焼嵌または圧入され固定されており、偏心軸部21bには円筒状のローリングピストン22が摺動自在に嵌合されている。
図1および図2に示すように、圧縮機構20は、ローリングピストン22、シリンダ23、上軸受24、下軸受25、およびベーン26で構成されている。シリンダ23には、軸方向の両端が開口された円筒状の空間すなわちシリンダ室23aが内部に設けられている。シリンダ室23a内には、シリンダ室23a内で偏心運動を行う回転軸21の偏心軸部21bと、偏心軸部21bに嵌合したローリングピストン22と、シリンダ23の内周およびローリングピストン22の外周で形成される空間を仕切るベーン26と、が収納されている。
シリンダ23には、一方はシリンダ室23a内に開口し、もう一方は背圧室23bが設けられたベーン溝23cが形成されており、そのベーン溝23cにはベーン26が収納されている。ベーン26はベーン溝23c内を径方向に往復運動する。ベーン26の形状は、ベーン溝23cに取付けられた状態でシリンダ室23aの径方向およびシリンダ室23aの軸方向の長さよりも小さいほぼ直方体の形状である。ベーン溝23cの背圧室23bにはベーンスプリング(図示せず)が設けられている。通常は、密閉容器10内の高圧の冷媒ガスが背圧室23bに流入し、背圧室23bの冷媒ガスの圧力とシリンダ室23aの冷媒ガスの圧力との差圧によりシリンダ室23aの中心に向って径方向にベーン26を動かす力を作り出す。この背圧室23bとシリンダ室23aとの差圧による力、および、ベーンスプリングが径方向に押圧する力によって、ベーン26はシリンダ室23aの中心に向って径方向に動かされる。ベーン26を径方向に動かす力は、ベーン26の一端すなわちシリンダ室23a側の端部をローリングピストン22の外周に当接させる。これによって、シリンダ23の内周およびローリングピストン22の外周で形成される空間を仕切ることができる。密閉容器10内の冷媒ガスすなわち背圧室23bの冷媒ガスの圧力とシリンダ室23a内の冷媒ガスの圧力との差圧が、ベーン26をローリングピストン22の外周に押圧するが十分な圧力ではない場合でも、ベーンスプリングの力でベーン26の一端をローリングピストン22の外周に押圧することができる。そのため、常にベーン26の一端はローリングピストン22の外周に当接することができる。
図1に示すように、上軸受24は、回転軸21の主軸部21aに嵌合されて主軸部21aを回転自在に支持するとともに、シリンダ室23aの軸方向の一方の開口部を閉塞している。同様に、下軸受25は、回転軸21の副軸部21cに嵌合されて副軸部21cを回転自在に支持するとともに、シリンダ室23aの軸方向の他方の開口部を閉塞している。上軸受24は、側面視でほぼ逆T字形状であり、下軸受25は、側面視でほぼT字形状である。シリンダ23には、密閉容器10の外部から冷媒ガスをシリンダ室23a内に吸入する吸入ポート(図示せず)が設けられており、上軸受24には、圧縮した冷媒ガスをシリンダ室23a外に吐出する吐出ポート(図示せず)が設けられている。
上軸受24の吐出ポートには、吐出弁(図示せず)が設けられており、シリンダ23から吐出ポートを介して吐出される高温高圧の冷媒ガスの吐出タイミングを制御する。すなわち、吐出弁は、シリンダ23のシリンダ室23a内で圧縮される冷媒ガスが所定の圧力になるまで閉塞し、所定の圧力以上となると開口して高温高圧の冷媒ガスをシリンダ室23a外へ吐出させる。
シリンダ室23a内では吸入、圧縮、および吐出の動作を繰り返しているため、吐出ポートから吐出される冷媒ガスは間欠的に吐出され、脈動音などの騒音となる。これを低減するため、上軸受24の外側すなわち電動機30側には、上軸受24を覆うように吐出マフラ27が取付けられている。吐出マフラ27には、吐出マフラ27と上軸受24とで形成される空間と密閉容器10内とを連通する吐出穴(図示せず)が設けられている。シリンダ23から吐出ポートを介して吐出される冷媒ガスは、吐出マフラ27と上軸受24とで形成される空間に一旦吐出され、その後、吐出穴から密閉容器10内へ吐出される。
密閉容器10の横には、液冷媒が直接シリンダ23のシリンダ室23aに吸入されることを抑制する吸入マフラ101が設けられている。一般的に、密閉型圧縮機100は密閉型圧縮機100が接続された冷凍回路から、低圧の冷媒ガスと液冷媒とが混在して送られてくる。液冷媒がシリンダ23に流入して圧縮機構20で圧縮されると圧縮機構20の故障の原因となるため、吸入マフラ101では、液冷媒と冷媒ガスとを分離し、冷媒ガスのみシリンダ室23aに送る。吸入マフラ101は、シリンダ23の吸入ポートと吸入連結管101aにて接続されている。そして、吸入マフラ101から送られる低圧の冷媒ガスは、吸入連結管101aを介してシリンダ室23aに吸入される。
以上のように圧縮機構20は構成されており、回転軸21の回転運動により、シリンダ23のシリンダ室23a内で回転軸21の偏心軸部21bが回転する。シリンダ23の内周と、偏心軸部21bに嵌合されたローリングピストン22の外周と、ベーン26とによって仕切られた作動室は、回転軸21の回転とともに容積が増加あるいは減少する。先ず初めに、この作動室と吸入ポートとが連通し、低圧の冷媒ガスが吸入される。次に、作動室と吸入ポートとの連通が閉鎖され、作動室の容積減少とともに、作動室内の冷媒ガスが圧縮される。最後に、作動室と吐出ポートとが連通し、作動室内の冷媒ガスが所定の圧力に達した後、吐出ポートに設けられた吐出弁が開き、作動室外すなわちシリンダ室23aの外へ圧縮され高圧高温となった冷媒ガスが吐出される。シリンダ室23aから吐出マフラ27を介して密閉容器10内に吐出された高圧高温の冷媒ガスは、電動機30内を通過し、密閉容器10内を上昇し、密閉容器10の上部に設けられた吐出管102から密閉容器10の外部へ吐出される。密閉容器10の外部には冷媒が流れる冷凍回路が構成されており、吐出された冷媒は冷凍回路を循環して、再び吸入マフラ101に戻ってくる。
図3は、密閉型圧縮機100が接続される空気調和機などの冷凍サイクル装置200の概略構成図である。図3に示すように、冷凍サイクル装置200は、密閉型圧縮機100、密閉型圧縮機100の吸入側に接続された吸入マフラ101、密閉型圧縮機100の吐出側に接続され密閉型圧縮機100からの冷媒の流れを切換える四方切換弁103、室外側熱交換器104、電動膨張弁などの減圧器105、および、室内側熱交換器106を備え、それらが配管で順次接続されて冷凍回路が形成されている。なお、一般的に空気調和機では、室内側熱交換器106は屋内の装置に搭載されており、残る密閉型圧縮機100、吸入マフラ101、四方切換弁103、室外側熱交換器104、および減圧器105は屋外の装置に搭載されている。
冷凍サイクル装置200の暖房運転では、四方切換弁103は図3の実線側に接続される。密閉型圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒は、室内側熱交換器106に流れ、凝縮し、液化した後、減圧器105で絞られ、低温低圧の二相状態となる。その後、低温低圧の二相状態となった冷媒は、室外側熱交換器104へ流れ、蒸発し、ガス化して四方切換弁103および吸入マフラ101を通って再び密閉型圧縮機100に戻る。すなわち、図3の実線矢印に示すように冷媒は循環する。この循環によって、蒸発器である室外側熱交換器104では外気と熱交換して、室外側熱交換器104に送られてきた冷媒が吸熱し、吸熱した冷媒は凝縮器である室内側熱交換器106に送られ、室内の空気と熱交換を行い、室内の空気を温める。
また、冷凍サイクル装置200冷房運転の場合では、四方切換弁103は図3の破線側に接続される。密閉型圧縮機100で圧縮された高温高圧の冷媒は、室外側熱交換器104に流れ、凝縮し、液化した後、減圧器105で絞られ、低温低圧の二相状態となる。その後、低温低圧の二相状態となった冷媒は、室内側熱交換器106へ流れ、蒸発し、ガス化して四方切換弁103および吸入マフラ101を通って再び密閉型圧縮機100に戻る。
すなわち、暖房運転から冷房運転に変わると、室内側熱交換器106が凝縮器から蒸発器に変わり、室外側熱交換器104が蒸発器から凝縮器に変わる。よって、図3の破線矢印に示すように冷媒は循環する。この循環によって、蒸発器である室内側熱交換器106では室内の空気と熱交換を行い、室内の空気から吸熱すなわち室内の空気を冷却し、吸熱した冷媒は凝縮器である室外側熱交換器104に送られ、外気と熱交換を行い、外気に放熱する。
このとき、冷凍回路を流れる冷媒には、R407C冷媒、R410A冷媒、あるいはR32冷媒などが使われる。
図4は、図1のB-B’で密閉型圧縮機100を切断して上面側から見た断面図である。次に、圧縮機構20に回転力を伝達する電動機30について説明する。図4に示すように、電動機30は、密閉容器10の内周に固定されるほぼ円筒状の固定子41と、固定子41の内側に配置されたほぼ円柱状の回転子31とを備える。
回転子31は、薄板電磁鋼板を打抜いた鉄心シートを積層して形成された回転子鉄心32で構成されている。回転子31の構成には、ブラシレスDCモータのような永久磁石を用いるものと、誘導電動機のように二次巻線を使用するものとがある。例えば、図4に示すようなブラシレスDCモータの場合は、回転子鉄心32の軸方向に磁石挿入孔33が設けられ、その磁石挿入孔33にはフェライト磁石あるいは希土類磁石などの永久磁石34が挿入されている。その永久磁石34によって回転子31上の磁極を形成する。回転子31上の磁極が作る磁束と固定子41の後述する巻線44が作る磁束との作用によって、回転子31を回転させる。図示しない誘導電動機の場合には、回転子鉄心32に永久磁石の代わりに二次巻線が設けられており、固定子41の巻線44が回転子31側の二次巻線に磁束を誘導して回転力を発生させ、回転子31を回転させる。
回転子鉄心32の中心には、回転軸21を通す軸穴(図示せず)が設けられており、回転軸21の主軸部21aが焼き嵌めなどにより締結されている。これにより、回転子31の回転運動を回転軸21に伝達する。軸穴の周囲には、風穴35が設けられており、電動機30の下方にある圧縮機構20にて圧縮された高圧高温の冷媒が、風穴35を通過する。なお、圧縮機構20にて圧縮された冷媒は、風穴35以外にも、回転子31と固定子41との間のエアギャップおよび巻線44の間隙も通過する。
図5は、実施の形態1に係る固定子41の円環状平面図である。図6は、実施の形態1に係る固定子41の固定子コア40の平面図である。図7は、実施の形態1に係る固定子41の固定子鉄心片(第1コア部材61)の平面図である。図8は、実施の形態1に係る固定子41の固定子鉄心片(第2コア部材62)の平面図である。図9は、実施の形態1に係る固定子41の固定子鉄心42の断面積層図である。図10は、実施の形態1に係る固定子41の固定子コア40のC字状平面図である。図11は、実施の形態1に係る固定子41の固定子コア40の巻回前のC字状平面図である。図12は、実施の形態1に係る固定子41の巻回前のC字状斜視図である。図13は、実施の形態1に係る固定子41の巻回後のC字状斜視図である。図14は、実施の形態1に係る固定子41の巻回後のC字状平面図である。図15は、実施の形態1に係る固定子41の巻回後の円環状斜視図である。図16は、実施の形態1に係る固定子41の製造方法を示すフローチャートである。図17は、実施の形態1に係る固定子41のインシュレータ43aの平面図である。図18は、実施の形態1に係る固定子41の渡線80の配置方法を示す斜視図である。図19は、実施の形態1に係る固定子41の巻線工程を示す斜視図である。図20は、比較例の固定子71の巻線工程を示す概略説明図である。図21は、実施の形態1に係る固定子41のインシュレータ43aの断面図である。図22は、実施の形態1に係る固定子41の一部を拡大した斜視図である。図23は、図22に示す固定子41をB矢視部で上下方向に切断した固定子41の上部の断面図である。図24は、図22に示す固定子41のC矢視部で上下方向に切断した固定子41の上部の断面図である。図25は、実施の形態1に係る固定子41の巻線工程を示す平面図である。図26は、実施の形態1に係る固定子41のインシュレータ43a、43bの別の構成の断面図である。なお、図17、図21、図23~図26では、インシュレータ43aのみを示しているが、インシュレータ43bに関してもインシュレータ43aと同様の構成である。
次に、固定子41の構造について詳述する。図5、図6、および、図17に示すように、固定子鉄心42には、固定子鉄心42と巻線44との間を絶縁するインシュレータ43a、43bが設けられている。ここで、インシュレータ43aは、固定子鉄心42の上側に設けられており、インシュレータ43bは、固定子鉄心42の下側に設けられている。そして、密閉容器10の内周面に固定され、密閉容器10の周方向に延びるバックヨーク45の内周面における周方向中央から径方向内側へ突出したティース46に、インシュレータ43a、43bを介して巻線44が巻回されている。図17、図18、および、図22に示すように、インシュレータ43a、43bは、軸方向における固定子鉄心42の端面を覆う端面絶縁部43a1、43b1と、端面絶縁部43a1、43b1の内周側の端部から、周方向両側に張り出し、かつ軸方向において固定子鉄心42から離れる方向に延びる内鍔部43a2、43b2と、端面絶縁部43a1、43b1の外周側の端部から、周方向両側に張り出し、かつ軸方向において固定子鉄心42から離れる方向に延びる外鍔部43a3、43b3とを備える。また、巻線44は、U、V、Wの相毎に巻回される3本の巻線44からなるとともに、複数個のティース46に連続的に巻回されている。そのため、図18に示すように、ティース46間を結ぶ渡線80が、インシュレータ43a、43bの外鍔部43a3、43b3の外周側側面に沿って配置されている。
外鍔部43a3、43b3は、固定子鉄心42よりも径方向内側へ向けて突出している。また、外鍔部43a3、43b3は、外周面(回転軸21と反対側の面)に巻線44から延びる渡線80を配置する配置部50を有している。さらに、図19に示すように、外鍔部43a3、43b3は、内周面(回転軸21側の面)に周方向両端から周方向中央に向けて次第に深くなる湾曲面であるインシュレータ凹部49を有している。インシュレータ凹部49は、湾曲した形状に形成されているため、角張った凹形状に形成するよりもインシュレータ43a、43bを射出成型する際に、成形性をよくすることができる。図17に示すように、インシュレータ凹部49の周方向幅W1は、端面絶縁部43a1、43b1の周方向幅W2よりも大きく、かつ、外鍔部43a3、43b3の周方向幅W3よりも小さく構成されている。
図21に示すように、インシュレータ凹部49の軸方向における固定子鉄心42から遠い側の端部である第1端部E1は、内鍔部43a2、43b2の軸方向における固定子鉄心42から遠い側の端部である第2端部E2よりも固定子鉄心42から遠くなるように構成されている。インシュレータ凹部49の軸方向における固定子鉄心42に近い側の端部である第3端部E3は、内鍔部43a2、43b2の軸方向における固定子鉄心42から遠い側の第2端部E2よりも固定子鉄心42に近くなるように構成されている。インシュレータ凹部49の軸方向における固定子鉄心42に近い側の第3端部E3と、外鍔部43a3、43b3の内周面との境目には、段差部Gが形成されている。
図6に示すように、固定子コア40は、複数の固定子鉄心42を備えている。分割コアとしての固定子鉄心42は、ティース46とバックヨーク45とを備えている。固定子鉄心42は、磁性材料である板状のコア片で、回転軸21側にティース46が突出して形成されている。そして、複数の固定子鉄心42が円環状に複数つなげられて固定子コア40を構成している。
固定子鉄心42は、図7に示すように複数のコア片が各端面60c、60dを介して連続的に配列された第1コア部材61、および、図8に示すように複数のコア片が各端面60c、60dを介して連続的に配列された第2コア部材62から成る。第1コア部材61のコア片は、一端側縁部表裏面に連結手段(すなわち連結機構)としての固定子鉄心凸部60aおよび固定子鉄心凹部60b(図9参照)が形成されている。また、第2コア部材62のコア片は、他端側縁部表裏面に連結手段(すなわち連結機構)としての固定子鉄心凸部60aおよび固定子鉄心凹部60b(図9参照)が形成されている。ここで、第1コア部材61および第2コア部材62の固定子鉄心凹部60bは、図9に示すように、固定子鉄心凸部60aの裏側に形成されている。また、第1コア部材61および第2コア部材62の一端側には、固定子鉄心凸部60aおよび固定子鉄心凹部60bを中心とした凸円弧状に形成された端面60cが形成されている。また、第1コア部材61および第2コア部材62の他端側には、相隣なるコア片の端面60cと嵌合可能な凹円弧状に形成された端面60dが形成されている。
図9に示すように、第1コア部材61と第2コア部材62とは、交互に積層され、第1コア部材61の各コア片間位置(すなわち固定子鉄心凸部60aと固定子鉄心凹部60bとの間の位置)と第2コア部材62の各コア片間位置(すなわち固定子鉄心凸部60aと固定子鉄心凹部60bとの間の位置)とが長手方向(図9の左右方向)にずれて、各コア片の積層方向に相隣る縁部同士が重なり合うように積層されている。そして積層方向に相隣るコア片の縁部同士において、第1コア部材61のコア片の一端側縁部の固定子鉄心凸部60aおよび固定子鉄心凹部60bと、第2コア部材62のコア片の他端側縁部の固定子鉄心凸部60aおよび固定子鉄心凹部60bとが嵌合されることにより、回動自在に連結されている。
固定子鉄心42は、積層方向に相隣るコア片の縁部同士において、第1コア部材61のコア片の一端側縁部の固定子鉄心凸部60aおよび固定子鉄心凹部60bと、第2コア部材62のコア片の他端側縁部の固定子鉄心凸部60aおよび固定子鉄心凹部60bとが嵌合されることにより、回動自在に連結されている。さらに、固定子鉄心42は、図10に示すように、固定子周方向端部52、53が開放されている。そのため、固定子鉄心42の隣り合うティース46の内周部の間隔であるスロットオープニング54の幅を自在に変えることができる。
次に、固定子41の製造方法について、図16を用いて説明する。
まず始めに、円環状に複数つながった固定子鉄心42の一箇所を開きC字状にすることで、ティース46間同士の間隔を広げ、複数の隣り合うティース46に対して複数の巻線ノズル90で同時に巻回を行う巻線工程を実施する。
具体的には、図10および図11に示すように、巻回前に、巻線44を巻回する複数のティース46(図10および図11では3つのティース46)の内周部とそれに隣り合うティース46の内周部との間隔であるスロットオープニング54が、その他の隣り合うティース46の内周部の間隔であるスロットオープニング54に対して拡大するよう、固定子コア40をC字状に変形させて固定する(図16のステップS1)。
次に、図14に示すように、拡大したスロットオープニング54から巻線ノズル90を通して、複数の隣り合うティース46(図10および図11では3つのティース46)に巻線44を巻回する。ここで、スロットオープニング54の幅は、巻線ノズル90の外径=巻線44の直径×1.5+0.6mm以上である。複数の隣り合うティース46に巻線44を巻回した後は、図13に示す状態となる(図16のステップS2)。
なお、図16のステップS2の巻線工程において、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に接する巻線44を巻回する際に、巻線ノズル90を、インシュレータ凹部49内を通過させて巻回する。そのため、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に弛みなく巻線44を当接させることができ、巻線密度の向上につながる。
これについて詳述すると、図19は、実施の形態1に係るインシュレータ43a、43bおよびバックヨーク45を示したものであり、インシュレータ43a、43bの外鍔部43a3、43b3の内周面にはインシュレータ凹部49が形成されている。一方、図20は、比較例のインシュレータ43aおよびバックヨーク45を示したものであり、インシュレータ43a、43bの外鍔部43a3、43b3にはインシュレータ凹部49が形成されていない。
図19、図22、図23、図24、および、図25に示す固定子41の製造方法、すなわち実施の形態1に係る固定子41の製造方法では、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に接する巻線44を巻回する際に、巻線ノズル90の先端から導出される巻線44を段差部Gに這わせつつ、巻線ノズル90の先端を、インシュレータ凹部49内を通過させて巻線44を巻回するため、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に弛みなく巻線44を当接させることができ、巻線密度の向上につながる。
さらに詳述すると、図24に示すように、巻線ノズル90の先端は、第1端部E1よりも固定子鉄心42に近い位置で、かつ第2端部E2よりも固定子鉄心42から遠い位置となるように、巻線ノズル90の先端から導出される巻線44を段差部Gに這わせつつ、巻線ノズル90の先端を、インシュレータ凹部49内を通過させて巻線44を巻回する。そのため、巻線ノズル90の先端を第1端部E1よりも固定子鉄心42から遠い位置にもっていって巻線44を巻回する場合に比して、巻線ノズル90の先端からインシュレータ43a、43bに巻き付けていない巻線44までの長さが短くなる。その結果、より好適にバックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に弛みなく巻線44を当接させることができる。
なお、図24に示すように、インシュレータ凹部49の凹み深さD(インシュレータ凹部49の径方向長さ)は、巻線44の直径×1.5以上でないと、巻線ノズル90の先端を、インシュレータ凹部49内を通過させても、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に弛みなく巻線44を当接させることができない。そのため、インシュレータ凹部49の凹み深さDは、巻線44の直径×1.5以上に形成されている。なお、説明は省略するが、インシュレータ43bに関しても、上記のインシュレータ43aと同様の構成である。
また、図24に示すように、インシュレータ凹部49の軸方向における固定子鉄心42に近い側の第3端部E3と、端面絶縁部43a1、43b1とがなす距離(すなわち、段差部Gの高さH)は、巻線44の直径以上でないと、巻線ノズル90の先端を、インシュレータ凹部49内に位置させても、巻線44を段差部Gに這わせることができない。すなわち、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に弛みなく巻線44を当接させることができない。そのため、段差部Gの高さHは、巻線44の直径以上に形成されている。なお、図24に示すように、実施の形態1では、段差部Gの高さHが巻線44の直径×3となるように、インシュレータ43a、43bを形成しているが、それに限定されない。図26に示すように、実施の形態1の別の構成として、段差部Gの高さHが巻線44の直径と同じとなるように、インシュレータ43a、43bを形成してもよい。
このように、インシュレータ凹部49の径方向長さDを、巻線44の直径×1.5以上に形成する。そうすることにより、インシュレータ凹部49と巻線44とがなす隙間から、人が目視で巻線44の巻回状態を確認することが容易にできるので、巻線44の品質の確認が容易となる。
また、インシュレータ凹部49の軸方向における固定子鉄心42に近い側の第3端部E3と、端面絶縁部43a1、43b1とがなす距離を、巻線44の直径以上に形成する。そうすることにより、外鍔部43a3、43b3における固定子鉄心42側に近い部分の強度を保ちつつ、インシュレータ凹部49と巻線44とがなす隙間から、人が目視で巻線44の巻回状態を確認することができる。
また、図25に示すように、インシュレータ凹部49は、外鍔部43a3、43b3の内周面において、周方向両端から周方向中央に向けて次第に深くなる湾曲面である。そのため、巻線ノズル90の先端を、インシュレータ凹部49の湾曲に沿ってインシュレータ凹部49内を通過させると、巻線ノズル90の先端から導出される巻線44を段差部Gによりいっそう這わせやすくなる。
また、インシュレータ凹部49を設けることで、インシュレータ凹部49と巻線44とがなす隙間から、人が目視で巻線44の巻回状態を確認することができ、巻線44の品質の確認が容易となる。
一方、図20に示す比較例の製造方法では、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に接する巻線44を巻回する際に、凹んでいないインシュレータ43aの表面に巻線ノズル90を添わせるように巻回する。そのため、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に対して緩んだ状態で巻線44を巻回することになり、巻線密度が図19の場合に比して小さくなってしまう。
次に、巻回を終えたティース46から次のティース46へ巻線ノズル90を移動させる際に、固定子鉄心42の開いていた一箇所を閉じて複数つながった固定子鉄心42を円環状にする。そして、巻線ノズル90を移動させ配置部50へ渡線80を這わせた後、次のティース46へ巻線ノズル90を移動させる渡線工程を実施する。
具体的には、巻線44の巻回後の固定子鉄心42を、図13および図14に示すC字状から、図5および図15に示す円環状に変形させて固定する(図16のステップS3)。その後、巻線ノズル90を、インシュレータ43a、43bの外周側側面に沿わせて、渡線80(図18参照)を配置する(図16のステップS4)。
次に、渡線80の配置後の固定子鉄心42を、図5および図15に示した円環状から図13および図14に示すC字状に再び変形させて固定する。その後、巻回の施されていない複数の隣り合うティース46に巻線44を巻回する。
渡線工程の終了後は、巻線工程と渡線工程とが所定の回数交互に繰り返される(図16のステップS5)。そして、全てのティース46に対して巻線44が巻回され、渡線80が配置されたら(図16のステップS5のYES)、巻線工程および渡線工程が完了する。
このように、実施の形態1に係る電動機30の固定子41にあっては、複数繋がった、固定子鉄心42の一箇所を開き、C字状とすることが可能で、隣り合うティース46の内周部の間隔であるスロットオープニング54の幅を拡大した状態で巻線44を巻回できる。そのため、巻線ノズル90の可動域が増加し、巻線密度が向上する。さらに、複数の巻線ノズル90で複数の隣り合うティース46に対して同時に巻回することで、巻回時間を短縮できる。また、巻線径が大きい場合、それに伴い巻線ノズル90の外径も大となるため、スロットオープニング54の幅も広げる必要ある。しかし、実施の形態1に係る固定子41は、固定子鉄心42の一箇所の開き状態を容易に可変できるため、巻線径が大きくなっても対応可能となる。また、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に接する巻線44を巻回する際に、巻線ノズル90の先端から導出される巻線44を段差部Gに這わせつつ、巻線ノズル90の先端を、インシュレータ凹部49内を通過させて巻線44を巻回できる。そのため、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に弛みなく巻線44を当接させることができ、巻線密度の向上につながる。
一方、渡線80の実施時には、複数繋がった固定子鉄心42の開かれた一箇所を閉じることで、容易に円環状にすることが可能で、円環状で渡線80を這わせるため、渡線80の弛みを抑制することができる。
実施の形態1に係る固定子41の製造方法は、筒形状の容器の内周面に固定され、容器の周方向に延びるバックヨーク45と、バックヨーク45の内周面から径方向内側へ突出したティース46とを有する分割コアが円環状に複数つながった固定子コア40と、分割コアの前記ティース46に巻回された巻線44と、分割コアと前記巻線44との間を絶縁するインシュレータ43a、43bと、を備え、インシュレータ43a、43bは、容器 軸方向における分割コアの端面を覆う端面絶縁部43a1、43b1と、端面絶縁部43a1、43b1の内周側の端部から、周方向に張り出し、かつ軸方向において分割コアから離れる方向に延びる内鍔部43a2、43b2と、端面絶縁部43a1、43b1の外周側の端部から、周方向に張り出し、かつ軸方向において分割コアから離れる方向に延びる外鍔部43a3、43b3と、を有し、外鍔部43a3、43b3は、外周面に巻線44から延びる渡線80を配置する配置部50と、内周面に凹んだインシュレータ凹部49と、を有し、インシュレータ凹部49の周方向幅は、端面絶縁部43a1、43b1の周方向幅よりも大きく、かつ、外鍔部43a3、43b3の周方向幅よりも小さく構成され、インシュレータ凹部49の軸方向における分割コアから遠い側の端部である第1端部E1は、内鍔部43a2、43b2の軸方向における分割コアから遠い側の端部である第2端部E2よりも分割コアから遠く構成され、インシュレータ凹部49の軸方向における分割コアに近い側の端部である第3端部E3は、第2端部E2よりも分割コアに近く構成され、第3端部E3と、外鍔部43a3、43b3の内周面との境目には段差部Gが形成された、固定子41の製造方法であって、円環状に複数つながった分割コアの一箇所を開きC字状にすることで、ティース46間同士の間隔を広げ、複数の隣り合うティース46に対して複数の巻線ノズル90で同時に巻回を行う巻線工程と、巻回を終えたティース46から次のティース46へ巻線ノズル90を移動させる際に、分割コアの開いていた一箇所を閉じて複数つながった分割コアを円環状にした後、巻線ノズル90を移動させ配置部50へ渡線80を這わせた後、次のティース46へ巻線ノズル90を移動させる渡線工程と、を備え、巻線工程と渡線工程とを交互に繰り返し、巻線工程では、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に接する巻線44を巻回する際に、巻線ノズル90の先端から導出される巻線44を段差部Gに這わせつつ、巻線ノズル90の先端を、インシュレータ凹部49内を通過させて巻線44の巻回を行うものである。
実施の形態1に係る固定子41の製造方法によれば、巻線工程実施時には、複数つながった分割コアの一箇所を開きC字状にした状態で、複数の巻線ノズル90で、複数の隣り合うティース46に対して同時に巻回を行うことで巻線時間を短縮でき、かつ、渡線工程実施時には、複数つながった分割コアの一箇所を円環状にした上で、渡線80を這わせるため、渡線80の弛みを抑制することができる。また、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に接する巻線44を巻回する際に、巻線ノズル90の先端から導出される巻線44を段差部Gに這わせつつ、巻線ノズル90の先端を、インシュレータ凹部49内を通過させて巻線44の巻回を行うため、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に対して弛みなく巻線44を当接させることができ、巻線密度の向上につながる。
また、実施の形態1に係る固定子41の製造方法において、インシュレータ凹部49は、外鍔部43a3、43b3の内周面において、周方向両端から周方向中央に向けて次第に深くなる湾曲面である。
実施の形態1に係る固定子41の製造方法によれば、インシュレータ凹部49は、湾曲した形状に形成されているため、角張った凹形状に形成するよりもインシュレータ43a、43bを射出成型する際に、成形性をよくすることができる。
また、実施の形態1に係る固定子41の製造方法において、インシュレータ凹部49の径方向長さDは、巻線44の直径×1.5以上に形成され、第3端部E3と端面絶縁部43a1、43b1とがなす距離は、巻線44の直径以上に形成されている。
実施の形態1に係る固定子41の製造方法によれば、インシュレータ凹部49の径方向長さDを、巻線44の直径×1.5以上に形成する。そうすることにより、インシュレータ凹部49と巻線44とがなす隙間から、人が目視で巻線44の巻回状態を確認することが容易にできるので、巻線44の品質の確認が容易となる。また、第3端部E3と端面絶縁部43a1、43b1とがなす距離を、巻線44の直径以上に形成する。そうすることにより、外鍔部43a3、43b3における固定子鉄心42側に近い部分の強度を保ちつつ、インシュレータ凹部49と巻線44とがなす隙間から、人が目視で巻線44の巻回状態を確認することができる。
実施の形態2.
以下、実施の形態2について説明するが、実施の形態1と重複するものについては説明を省略し、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付す。
実施の形態2に係る固定子41の製造方法について説明する。
実施の形態2に係る固定子41の製造方法は、固定子鉄心42のバックヨーク45とティース46との境目部分が直角をなしている点で、実施の形態1に係る固定子41の製造方法と相違する。
次に、固定子41の構造について詳述する。図5、図6、および、図17に示すように、バックヨーク45から固定子41の内周側に延びるティース46に、インシュレータ43a、43bを介して巻線44が巻回されている。図17、図18、および、図22に示すように、インシュレータ43a、43bは、固定子鉄心42の軸方向の端面を覆う端面絶縁部43a1、43b1と、端面絶縁部43a1、43b1の内周側の端部から、周方向両側に張り出し、かつ軸方向において固定子鉄心42から離れる方向に延びる内鍔部43a2、43b2と、端面絶縁部43a1、43b1の外周側の端部から、周方向に張り出しかつ軸方向において固定子鉄心42から離れる方向に延びる外鍔部43a3、43b3とを備える。また、巻線44は、U、V、Wの相毎に巻回される3本の巻線44からなるとともに、複数個のティース46に連続的に巻回されている。そのため、図18に示すように、ティース46間を結ぶ渡線80が、インシュレータ43a、43bの外鍔部43a3、43b3の外周側側面に沿って配置されている。
外鍔部43a3、43b3は、固定子鉄心42よりも軸方向へ向けて突出している。また、外鍔部43a3、43b3は、外周面(回転軸21と反対側の面)に巻線44から延びる渡線80を配置する配置部50を有している。さらに、図19に示すように、外鍔部43a3、43b3は、内周面(回転軸21側の面)に周方向両端から周方向中央に向けて次第に深くなる湾曲面であるインシュレータ凹部49を有している。インシュレータ凹部49は、湾曲した形状に形成されているため、角張った凹形状に形成するよりもインシュレータ43a、43bを射出成型する際に、成形性をよくすることができる。図17に示すように、インシュレータ凹部49の周方向幅W1は、端面絶縁部43a1、43b1の周方向幅W2よりも大きく、かつ外鍔部43a3、43b3の周方向幅W3よりも小さく構成されている。
実施の形態2に係る電動機30の固定子41にあっては、バックヨーク45とティース46との境目部分が直角をなしている固定子鉄心42は、軸方向において固定子鉄心42から離れる方向に延びる外鍔部43a3、43b3を備える。また、外鍔部43a3、43b3は、外周面(回転軸21と反対側の面)に巻線44から延びる渡線80を配置する配置部50を有している。さらに、外鍔部43a3、43b3は、内周面(回転軸21側の面)に周方向両端から周方向中央に向けて次第に深くなる湾曲面であるインシュレータ凹部49を有している。固定子鉄心42にはインシュレータ43a、43bが設けられている。そして、バックヨーク45から固定子41の内周側に延びるティース46に、インシュレータ43a、43bを介して巻線44が巻回されている。
そのため、バックヨーク45とティース46との境目部分が直角をなしている固定子鉄心42を使用しても、巻線ノズル90の先端から導出される巻線44を段差部Gに這わせつつ、巻線ノズル90の先端を、インシュレータ凹部49内を通過させて巻線44を巻回できる。その結果、バックヨーク45に対向するインシュレータ43a、43b部分に巻線44を当接させることができる。
実施の形態2では、バックヨーク45とティース46との境目部分が直角をなしている固定子鉄心42を使用可能のため、鉄損を低減することができ、高効率な電動機30が実現可能となる。なお、従来例のバックヨーク45とティース46との境目部分は、巻線ノズル90の巻線軌道を確保するため、直角をなしておらず円弧形状である。
以上、実施の形態2に係る固定子41の製造方法において、バックヨーク45とティース46との境目部分は直角をなしている。
実施の形態2に係る固定子41の製造方法によれば、バックヨーク45とティース46との境目部分が直角をなしているため、鉄損を低減することができ、高効率な電動機30が実現可能となる。
なお、実施の形態1~2では、固定子鉄心42のティース46は9個、巻線ノズル90にて3本で隣り合うティース46に対して3本に巻線44を巻回するという構成としたが、それに限定されない。その他のティース46の数および巻線ノズル90の数の組み合わせ(例えば、ティース46の数は3n個(n≧2)、巻線ノズル90の数は3n本(n≧1))という構成にしても、実施の形態1~2と同様の効果が得られる。
10 密閉容器、11 上部容器、12 下部容器、20 圧縮機構、21 回転軸、21a 主軸部、21b 偏心軸部、21c 副軸部、22 ローリングピストン、23
シリンダ、23a シリンダ室、23b 背圧室、23c ベーン溝、24 上軸受、25 下軸受、26 ベーン、27 吐出マフラ、30 電動機、31 回転子、32 回転子鉄心、33 磁石挿入孔、34 永久磁石、35 風穴、40 固定子コア、41
固定子、42 固定子鉄心、43a インシュレータ、43a1 端面絶縁部、43a2 内鍔部、43a3 外鍔部、43b インシュレータ、43b1 端面絶縁部、43b2 内鍔部、43b3 外鍔部、44 巻線、45 バックヨーク、46 ティース、47 電源線、48 ガラス端子、49 インシュレータ凹部、50 配置部、52 固定子周方向端部、53 固定子周方向端部、54 スロットオープニング、60a 固定子鉄心凸部、60b 固定子鉄心凹部、60c 端面、60d 端面、61 第1コア部材、62 第2コア部材、70 固定子、71 固定子、80 渡線、90 巻線ノズル、100 密閉型圧縮機、101 吸入マフラ、101a 吸入連結管、102 吐出管、103 四方切換弁、104 室外側熱交換器、105 減圧器、106 室内側熱交換器、200 冷凍サイクル装置。

Claims (8)

  1. 筒形状の容器の内周面に固定され、前記容器の周方向に延びるバックヨークと、前記バックヨークの内周面から径方向内側へ突出したティースとを有する分割コアが円環状に複数つながった固定子コアと、
    前記分割コアの前記ティースに巻回された巻線と、
    前記分割コアと前記巻線との間を絶縁するインシュレータと、を備え、
    前記インシュレータは、
    前記容器の軸方向における前記分割コアの端面を覆う端面絶縁部と、
    前記端面絶縁部の内周側の端部から、前記周方向に張り出し、かつ前記軸方向において前記分割コアから離れる方向に延びる内鍔部と、
    前記端面絶縁部の外周側の端部から、前記周方向に張り出し、かつ前記軸方向において前記分割コアから離れる方向に延びる外鍔部と、を有し、
    前記外鍔部は、
    外周面に前記巻線から延びる渡線を配置する配置部と、
    内周面に凹んだインシュレータ凹部と、を有し、
    前記インシュレータ凹部の周方向幅は、前記端面絶縁部の周方向幅よりも大きく、かつ、前記外鍔部の周方向幅よりも小さく構成され、
    前記インシュレータ凹部の前記軸方向における前記分割コアから遠い側の端部である第1端部は、前記内鍔部の前記軸方向における前記分割コアから遠い側の端部である第2端部よりも前記分割コアから遠く構成され、
    前記インシュレータ凹部の前記軸方向における前記分割コアに近い側の端部である第3端部は、前記第2端部よりも前記分割コアに近く構成され、
    前記第3端部と、前記外鍔部の内周面との境目には段差部が形成された、固定子の製造方法であって、
    円環状に複数つながった前記分割コアの一箇所を開きC字状にすることで、前記ティース間同士の間隔を広げ、複数の隣り合う前記ティースに対して複数の巻線ノズルで同時に巻回を行う巻線工程と、
    巻回を終えた前記ティースから次の前記ティースへ前記巻線ノズルを移動させる際に、前記分割コアの開いていた前記一箇所を閉じて複数つながった前記分割コアを円環状にした後、前記巻線ノズルを移動させ前記配置部へ渡線を這わせた後、次の前記ティースへ前記巻線ノズルを移動させる渡線工程と、を備え、
    前記巻線工程と前記渡線工程とを交互に繰り返し、
    前記巻線工程では、前記バックヨークに対向する前記インシュレータの部分に接する前記巻線を巻回する際に、前記巻線ノズルの先端から導出される前記巻線を前記段差部に這わせつつ、前記巻線ノズルの先端を、前記インシュレータ凹部内を通過させて前記巻線の巻回を行う
    固定子の製造方法。
  2. 前記インシュレータ凹部は、
    前記外鍔部の内周面において、周方向両端から周方向中央に向けて次第に深くなる湾曲面である
    請求項1に記載の固定子の製造方法。
  3. 前記バックヨークと前記ティースとの境目部分は直角をなしている
    請求項1に記載の固定子の製造方法。
  4. 前記インシュレータ凹部の径方向長さは、前記巻線の直径×1.5以上に形成され、
    前記第3端部と前記端面絶縁部とがなす距離は、前記巻線の直径以上に形成されている
    請求項1に記載の固定子の製造方法。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の固定子の製造方法によって製造された
    電動機の固定子。
  6. 請求項5に記載の電動機の固定子と、
    前記固定子の内側に設けられた電動機の回転子と、を備えた
    電動機。
  7. 請求項6に記載の電動機と
    前記電動機により駆動し、外部から吸入した流体を圧縮する圧縮機構と、
    前記電動機および前記圧縮機構を収容する密閉容器と、を備えた
    密閉型圧縮機。
  8. 請求項7に記載の密閉型圧縮機、室外側熱交換器、減圧器、および、室内側熱交換器を備えた
    冷凍サイクル装置。
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