本発明は、スライドウォークイン機構又はタンブルウォークイン機構を有する車両用シートにおいて、従来左右1対設けていたスライドレールユニットのうちドアに近い側のスライドレールユニットを削除することによりスライド機構を簡素化して、シート全体の軽量化を図るようにしたものである。
また、削除したスライドレールに代えて補助機構を採用することにより、シートに高い剛性を持たせ、シートに偏荷重がかかってもシートに傾きを発生させることのないようにした。
更に、このような構成でシートを前方に移動させた際、又はシートを前方に移動させて跳ね上げた際、搭乗者が乗り降りする側の床面に障害となる突起物をなくして、乗り降りをスムーズに行えるようにしたものである。
本発明は、車両用シートのスライド機構を1本のレールとその左右の比較的簡素な構成の補助機構でシートの傾き発生を抑止する構成を採用してスライド機構を簡素化し、車両用シートを軽量化したものである。
本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
以下に、本発明の実施例を、図を用いて説明する。
本発明の第1の実施例を、図1乃至4を用いて説明する。
図1は、本実施例に係るスライドウォークイン機構を有する車両用シート(シート)1の外観を示す斜視図である。本実施例に係る車両用シート1は、搭乗者が着座するシートクッション2、着座した搭乗者が背をもたれかけるシートバック3、およびヘッドレスト4を備えて構成されている。
図2には、図1に示したスライドウォークイン機構を有する車両用シート(シート)1のクッション部分を取り去った全体フレーム100の構成を示す。全体フレーム100は、シートクッション2の側のシートクッション側フレーム120と、シートバック3の側のシートバック側フレーム110を備えている。
シートバック側フレーム110は、シートバック3の外周を形成するフレーム101と、フレーム101の両側を接続する接続フレーム103を備えており、フレーム101は、両側の端部付近でシートクッション側フレーム120の後側接続フレーム111と回動自在に係合している。
シートクッション側フレーム120は、後端部分が後側接続フレーム111と接続しているサイドフレーム112と、一端をサイドフレーム112の先端部分と接続し他端部分をジョイント116を介して後側接続フレーム111と接続するシートクッションパイプ113と、サイドフレーム112を載置するプレート114、プレート114を支持して前後にスライド可能なスライドレールユニット1150を備えている。
図3には、全体フレーム100の正面図を示す。
スライドレールユニット1150は、車両の床(図示せず)に固定されている固定レール(下側レール)115と、この固定レール115に沿って摺動可能な可動レール117、図示していない駆動源で回転駆動されるボールネジ118、可動レール117に固定されてボールネジと螺合しているナット部119を備えて構成されている。図示していない駆動源でボールネジ118を回転駆動することにより、ナット部119が固定されている可動レール117が固定レール115に沿って前後に移動する。
可動レール117の上面(車両の床と反対側の面)には、サイドフレーム112が固定されたプレート114が取付けられており、可動レール117の前後の動きに伴ってサイドフレーム112が前後に移動する。
図3に示した正面図では、サイドフレーム112が全体フレーム100の左端に近い部分に設けた構成を示したが、サイドフレーム112を後側接続フレーム111とシートクッションパイプ113とに取付ける場所は、全体フレーム100の中央部分よりも左側(隣席の車両用シートに近い側)の部分であれば良い。すなわち、スライドレールユニット1150は、全体フレーム100を、全体フレーム100の中央部分よりも左側(隣席の車両用シートに近い側)の部分で支持する。
図2及び図3に示した構成においては、スライドレールユニット1150が全体フレーム100の左側(シート1に着座した搭乗者の右側)に配置されており、全体フレーム100の右側(シート1に着座した搭乗者の左側)に車両用のドア(図示せず)が有る場合を示している。すなわち、スライドレールユニット1150は、全体フレーム100に対してドアと反対の側(ドアから遠い方の側、隣の座席に近い方の側)に設置されている状態を示している。ただし、スライドレールユニット1150は、全体フレーム100の中央部又はその近傍のドアから遠い方の側(隣の座席に近い方の側、又は車両の中央部分に近い側)に設置しても良い。
スライドレールユニット1150には、可動レール117の前後の動きをロックするロック機構が取付けられているが、図2及び図3に示した構成においては、ロック機構の図示を省略している。
図2及び図3に記載したような構成のスライドウォークイン機構を備えたシート1を、前後2列席の2ドアタイプの乗用車の前列の助手席側のシート又は3列シートの中央の列のドア側のシートに適用した場合、搭乗者が後部座席に乗り込むときに、前列の助手席側のスライドウォークイン機構を備えたシート1を前方に移動させて後部座席に乗り込むためのスペースを確保する。
そのときの状態を図4に示す。図4には、全体フレーム100にクッション部分を装着した図1に示した状態のシート1を示している。シート1をスライドレールユニット1150に沿って前方に移動させることで、シート1の後部のドア側(図4ではシート1の左側)の床面に突起物や凹部がない領域S1が確保され、この領域S1を後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる。
なお、図2乃至4に示した構成では、スライドレールユニット1150の固定レール115を図示していない車両の床の上に固定する場合について説明したが、固定レール115を車両の床の下に固定する構成(固定レール115を車両の床に埋め込む構成)としても良い。
このような構成において、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1(図4でシートバック3の後方でドアに近い側)の付近には、スライドレールユニット1150があるだけである。しかも、スライドレールユニット1150は、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1から離れているために、領域S1には、搭乗者の足元で邪魔になるものがない。これにより、後部座席に乗り込む搭乗者は、足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
従来の2ドアタイプの乗用車の前列の助手席側のシートには、シートを前後に動かすためのガイドとして、左右同じ長さの2本のレールユニットを用いていた。このような従来の構造においては、後部座席に乗り込む搭乗者は、ドアに近い側のレールを踏んだり、足(靴)をレールにぶつけたり、靴の踵(ヒール)部分をレールの溝に挟んだりしながら後部座席側に移動していた。そのために、ドアに近い側のレールは変形したり、異物(ごみ)がレールの中に挟まったりして、シートの前後方向へのスムーズな移動が阻害されしまう可能性があった。
これに対して、本実施例によるシート1は、シート1を前後に移動させるためのスライドレールユニット1150が、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1から離れた場所に設置されている。これにより、スライドレールユニット1150は、後部座席に乗り込む搭乗者に踏まれたり足(靴)をぶつけられたり、靴の踵(ヒール)部分をレールの溝に挟んだりする可能性が少なくなった。その結果、レールが変形したり、異物(ごみ)がレールの中に挟まったりして、シート1の前後方向へのスムーズな移動が阻害される可能性が少なくなった。
さらに、本実施例によるシート1は、搭乗者が後部座席乗り込むためにシート1を前方に移動させた場合、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1には、後部座席に乗り込む搭乗者の足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
本実施例によれば、スライド機構を簡素化してシート全体の軽量化を図ることができるようになった。また、スライド機構を簡素化しても、高い剛性を有してシートに偏荷重がかかってもシートに傾きを発生させることのない車両用シートを提供することができるようになった。
[変形例]
実施例1の変形例として、シートバック3をシートクッション2の側に倒した状態でシート1を前方に移動させ、シート1を跳ね上げる構造のタンブルウォークイン機構を有するシートに本発明を適用した場合について、図5と図6を用いて説明する。
図5は、本変形例における車両用シートの、クッション部分を取り去った全体フレーム400の構成を示す。全体フレーム400は、実施例1で説明した構成と同様に、シートクッション2の側のシートクッション側フレーム120と、シートバック3の側のシートバック側フレーム110を備えている。
図5に示した構成において、実施例1で図2を用いて説明した構成と異なる点は、シート1をスライドレールユニット1150と一緒に跳ね上げるためのレッグブラケット405を備え、スライドレールユニット1150の先端部分(可動レール117の前進端)付近が、レッグブラケット405に取付けられている点である。
図6は、タンブルウォークイン機構を用いて、シートバック3をシートクッション2の側に倒した状態でシート1を前方に移動させてシート1をスライドレールユニット1150と一緒に跳ね上げた状態を示している。
レッグブラケット405は、図6に示すように、車両の床(図示せず)に固定する固定ブラケット402と、固定ブラケットの取付けられたピボットピン403、スライドレールユニット1150の先端部分付近を固定してピボットピン403の周りに回動可能なピボットブラケット401を備えて構成されている。410はロックユニットで、跳ね上げたシート1を元の状態に戻した時に、スライドレールユニット1150を図示していない車両の床側に取付けたロック受け部に固定するロックユニットであり、スライドレールユニット1150に固定されている。
図5及び図6に示した構成においても、スライドレールユニット1150は、全体フレーム400の中央部又はその近傍のドアから遠い方の側(隣の座席に近い方の側)に設置しても良い。
スライドレールユニット1150には、可動レール117の前後の動きをロックするロック機構が取付けられているが、図5及び図6に示した構成においては、ロック機構の図示を省略している。
このような構成において、図6に示したようにタンブルウォークイン機構によりシート1をスライドレールユニット1150と一緒に跳ね上げた状態で、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S2(図4でシートバック3の後方の手前側)の付近には、スライドレールユニット1150があるだけである。しかも、スライドレールユニット1150は、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S2から離れた場所に取り付けられているために、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S2には、搭乗者の足元で邪魔になるものがない。これにより、後部座席に乗り込む搭乗者は、足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
本発明の第2の実施例を、図7及び図8を用いて説明する。
図7には、本実施例における車両用シートの、クッション部分を取り去った全体フレーム600の構成を示す。全体フレーム600は、実施例1で説明した構成と同様に、シートクッション2の側のシートクッション側フレーム130と、シートバック3の側のシートバック側フレーム110を備えている。
図7に示した構成において、実施例1で図2を用いて説明した構成と異なる点は、シートクッション2の側のシートクッション側フレーム130に、斜交いメンバー部材127を設けた点にある。斜交いメンバー部材127の両端部分は、それぞれシートクッションパイプ123と後側接続フレーム121とに溶接で固定されている。サイドフレーム122及び後側接続フレーム121とシートクッションパイプ123とを接続するジョイント126の構成は、実施例1で説明したサイドフレーム112及びジョイント116の構成と同じである。
図8には、図7で説明した全体フレーム600の正面図を示す。図3で説明した実施例1の場合と同様に、サイドフレーム122は、プレート114を介してスライドレールユニット1150の可動レール117に固定され、固定レール115に沿って前後に移動することが可能な構造になっている。
スライドレールユニット1150には、可動レール117の前後の動きをロックするロック機構が取付けられているが、図7及び図8に示した構成においては、ロック機構の図示を省略している。
本実施例においては、シートクッション側フレーム130に斜交いメンバー部材127を設けたことにより、シートクッション側フレーム130の剛性を高めることができる。これにより、実施例1の場合と比べて後側接続フレーム121やシートクッションパイプ123など径を小さくして剛性を弱くしても、搭乗者がシートクッション2に着座したときのシートクッション2の変形(スライドレールユニット1150で支持されていない側への傾き)を抑えることができ、搭乗者の快適性を損なわずに、実施例1の場合と同様な効果を得ることができる。
すなわち、本実施例においても、図7及び図8に記載したような構成のスライドウォークイン機構を備えたシート1を前後2列席の2ドアタイプの乗用車の前列の助手席側のシート又は3列シートの中央の列のドア側のシートに適用した場合、シート1を前後に移動させるためのスライドレールユニット1150が、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1(図4参照)から離れた場所に設置されている。これにより、スライドレールユニット1150は、後部座席に乗り込む搭乗者に踏まれたり足(靴)をぶつけられたり、靴の踵(ヒール)部分をレールの溝に挟んだりする可能性が少なくなった。その結果、レールが変形したり、異物(ごみ)がレールの中に挟まったりして、シート1の前後方向へのスムーズな移動が阻害される可能性が少なくなった。
さらに、本実施例によるシート1は、搭乗者が後部座席に乗り込むためにシート1を前方に移動させた場合、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1には、後部座席に乗り込む搭乗者の足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
また、本実施例においても、実施例1の変形例のように、タンブルウォークイン機構を有するシートにも適用することができる。
本実施例によれば、スライド機構を簡素化してシート全体の軽量化を図ることができるようになった。また、スライド機構を簡素化しても、高い剛性を有してシートに偏荷重がかかってもシートに傾きを発生させることのない車両用シートを提供することができるようになった。
実施例3に係る車両用シートの、クッション部分を取り去った全体フレーム800の構成を図9に、その正面図を図10に示す。
実施例1及び実施例2では、シートクッション側フレーム120又は130をスライドレールユニット1150で支持する片持ち梁的な構造で、シートクッション側フレーム120又は130に剛性を持たせる構造であった。
これに対して本実施例では、図9に示すように、シートクッション側フレーム120のシートクッションパイプ113のスライドレールユニット1150と対向する側にガイドユニット810を設けて、シートクッション側フレーム120に加わる荷重の一部を、ガイドユニット810で支える構成とした。
図9に示した全体フレーム800の構成において、ガイドユニット810を除いたシートクッション側フレーム120とシートバック側フレーム110の基本構成は、実施例1において図2を用いて説明した全体フレーム100の構成と同じである。
ガイドユニット810は、車両の床(図示せず)に固定されている固定ブラケット804と、この固定ブラケット804に固定されたピン803、このピン803が係合する長穴802が掲載されてシートクッションパイプ113に固定されたブラケット801を備えて構成されている。ピン803は、棒状の部材で形成されたものであっても良いし、ブラケット801に形成された長穴802と係合する部分を回転可能なローラで構成した構造であっても良い。
このような構造のガイドユニット810を備えた構成において、シートクッション側フレーム120がスライドレールユニット1150に沿って前後に動くとき、ブラケット801も長穴802がピン803に沿って前後に移動する。このとき、シートクッションパイプ113に固定されたブラケット801は、長穴802と係合しているピン803を介して、固定ブラケット804によりシートクッション側フレーム120に加わる荷重の一部を支えている。
スライドレールユニット1150には、可動レール117の前後の動きをロックするロック機構が取付けられているが、図9及び図10に示した構成においては、ロック機構の図示を省略している。
このような構成とすることにより、搭乗者がシートクッション2に着座することによりシートクッション側フレーム120にかかる負荷を、スライドレールユニット1150の側とガイドユニット810とで分散して負担することができる。すなわち、本実施例によれば、実施例1及び2で図2及び図5に示したような片持ち梁の構造から、両持ち梁の構造にすることができ、実施例1及び2の場合と比べて比較的剛性の小さい構成でもシートクッション側フレーム120の変形を抑えることができる。
本実施例においても、実施例1及び2の場合と同様に、図9及び図10に記載したような構成のスライドウォークイン機構を備えたシート1を前後2列席の2ドアタイプの乗用車の前列の助手席側のシート又は3列シートの中央の列のドア側のシートに適用した場合、シート1を前後に移動させるためのスライドレールユニット1150が、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1(図4参照)から離れた場所に設置されている。
これにより、スライドレールユニット1150は、後部座席に乗り込む搭乗者に踏まれたり足(靴)をぶつけられたり、靴の踵(ヒール)部分をレールの溝に挟んだりする可能性が少なくなる。その結果、レールが変形したり、異物(ごみ)がレールの中に挟まったりして、シート1の前後方向へのスムーズな移動が阻害される可能性が少なくなった。
さらに、本実施例によるシート1は、搭乗者が後部座席に乗り込むためにシート1を前方に移動させた場合、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1には、後部座席に乗り込む搭乗者の足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
また、本実施例においても、実施例1の変形例のように、タンブルウォークイン機構を有するシートにも適用することができる。
本実施例によれば、スライド機構を簡素化してシート全体の軽量化を図ることができるようになった。また、スライド機構を簡素化しても、高い剛性を有してシートに偏荷重がかかってもシートに傾きを発生させることのない車両用シートを提供することができるようになった。
本発明の第4の実施例として、実施例3で説明したガイドユニット810をローラに置き換えた例を、図11と図12を用いて説明する。図11は、実施例4に係る車両用シートの、クッション部分を取り去った全体フレーム1000の構成を示し、図12はその正面図である。
本実施例においては、図11及び図12に示すように、シートクッションパイプ113のスライドレールユニット1150と対向する側にローラ支持部材1010を固定し、このローラ支持部材1010の先端部付近にローラ1011を取り付けた構成とした。
図11に示した全体フレーム1000の構成において、ローラ支持部材1010とローラ1011を除いたシートクッション側フレーム120とシートバック側フレーム110の基本構成は、実施例1において図2を用いて説明した全体フレーム100の構成と同じである。
このような構造のローラ支持部材1010とローラ1011を備えた構成において、シートクッション側フレーム120がスライドレールユニット1150に沿って前後に動くとき、ローラ支持部材1010に支持されたローラ1011も回転しながら前後に移動する。このとき、シートクッションパイプ113に固定されたローラ支持部材1010に支持されたローラ1011は、シートクッション側フレーム120に加わる荷重の一部を支えている。
スライドレールユニット1150には、可動レール117の前後の動きをロックするロック機構が取付けられているが、図11及び図12に示した構成においては、ロック機構の図示を省略している。
このような構成とすることにより、搭乗者がシートクッション2に着座することによりシートクッション側フレーム120にかかる負荷を、スライドレールユニット1150の側とローラ1011とで分散して負担することができる。すなわち、本実施例によれば、実施例3で説明した場合と同様に両持ち梁の構造にすることができ、実施例1及び2の場合と比べて比較的剛性の小さい構成でもシートクッション側フレーム120の変形を抑えることができる。
本実施例においても、実施例1及び2の場合と同様に、図11及び図12に記載したような構成のスライドウォークイン機構を備えたシート1を前後2列席の2ドアタイプの乗用車の前列の助手席側のシート又は3列シートの中央の列のドア側のシートに適用した場合、シート1を前後に移動させるためのスライドレールユニット1150が、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1(図4参照)から離れた場所に設置されている。
これにより、スライドレールユニット1150は、後部座席に乗り込む搭乗者に踏まれたり足(靴)をぶつけられたり、靴の踵(ヒール)部分をレールの溝に挟んだりする可能性が少なくなった。その結果、レールが変形したり、異物(ごみ)がレールの中に挟まったりして、シート1の前後方向へのスムーズな移動が阻害される可能性が少なくなった。
さらに、本実施例によるシート1は、搭乗者が後部座席に乗り込むためにシート1を前方に移動させた場合、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1には、後部座席に乗り込む搭乗者の足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
また、本実施例においても、実施例1の変形例のように、タンブルウォークイン機構を有するシートにも適用することができる。
本実施例によれば、スライド機構を簡素化してシート全体の軽量化を図ることができるようになった。また、スライド機構を簡素化しても、高い剛性を有してシートに偏荷重がかかってもシートに傾きを発生させることのない車両用シートを提供することができるようになった。
本発明の第5の実施例として、実施例4で説明したローラ支持部材1010とローラ1011を備えた構成において、ローラ支持部材1010を折りたためる構造とした例を、図13と図14を用いて説明する。図13は、実施例5に係る車両用シートの、クッション部分を取り去った全体フレーム1200の構成を示し、図14はその正面図である。
本実施例においては、図13及び図14に示すように、シートクッションパイプ113のスライドレールユニット1150と対向する側に、固定部材1201と支持部材1202、固定部材1201と支持部材1202とを開閉可能に接続するヒンジ1203、支持部材1202の先端部付近に固定されたローラ1204とで構成される折りたたみ式ローラユニット1210を取り付けた構成とした。
図13に示した全体フレーム1200の構成において、折りたたみ式ローラユニット1210を除いたシートクッション側フレーム120とシートバック側フレーム110の基本構成は、実施例1において図2を用いて説明した全体フレーム100の構成と同じである。
このような構造の折りたたみ式ローラユニット1210を備えた構成において、シートクッション側フレーム120がスライドレールユニット1150に沿って前後に動くとき、折りたたみ式ローラユニット1210のローラ1204も回転しながら前後に移動する。この特、シートクッションパイプ113に固定された折りたたみ式ローラユニット1210のローラ1204は、シートクッション側フレーム120に加わる荷重の一部を支えている。
スライドレールユニット1150には、可動レール117の前後の動きをロックするロック機構が取付けられているが、図13及び図14に示した構成においては、ロック機構の図示を省略している。
このような構成とすることにより、搭乗者がシートクッション2に着座することによりシートクッション側フレーム120にかかる負荷を、スライドレールユニット1150の側と折りたたみ式ローラユニット1210とで分散して負担することができる。すなわち、本実施例によれば、実施例3で説明した場合と同様に両持ち梁の構造にすることができ、実施例1及び2の場合と比べて比較的剛性の小さい構成でもシートクッション側フレーム120の変形を抑えることができる。
本実施例においても、実施例1及び2の場合と同様に、図13及び図14に記載したような構成のスライドウォークイン機構を備えたシート1を前後2列席の2ドアタイプの乗用車の前列の助手席側のシート又は3列シートの中央の列のドア側のシートに適用した場合、シート1を前後に移動させるためのスライドレールユニット1150が、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1(図4参照)から離れた場所に設置されている。
これにより、スライドレールユニット1150は、後部座席に乗り込む搭乗者に踏まれたり足(靴)をぶつけられたり、靴の踵(ヒール)部分をレールの溝に挟んだりする可能性が少なくなった。その結果、レールが変形したり、異物(ごみ)がレールの中に挟まったりして、シート1の前後方向へのスムーズな移動が阻害される可能性が少なくなった。
さらに、本実施例によるスライドウォークイン機構を備えたシート1は、搭乗者が後部座席に乗り込むためにシート1を前方に移動させた場合、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1には、後部座席に乗り込む搭乗者の足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
また、本実施例においては、図14に示すように、折りたたみ式ローラユニット1210は、ヒンジ1203を回転中心として、支持部材1202とローラ1204とを、シートクッションパイプ113に固定された固定部材1201に対してシートクッションパイプ113の内側に折りたためる構造を有している。
このように折りたたむことが可能な折りたたみ式ローラユニット1210を採用することにより、実施例1の変形例で図6に示したようにタンブルウォークイン機構を用いてシート1を跳ね上げる構成とした場合に、折りたたみ式ローラユニット1210の支持部材1202とローラ1204とを内側に折りたたむことにより、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S2(図6参照)への突出部を小さくすることができ、後部座席に乗り込む搭乗者の邪魔にならないようにすることができる。
これにより、後部座席に乗り込む搭乗者は、足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
本実施例によれば、スライド機構を簡素化してシート全体の軽量化を図ることができるようになった。また、スライド機構を簡素化しても、高い剛性を有してシートに偏荷重がかかってもシートに傾きを発生させることのない車両用シートを提供することができるようになった。
実施例1乃至5においては、スライドレールユニットを1組だけ用いた例について説明したが、本実施例ではスライドレールユニットを2組使用する例について説明する。図15に実施例6に係る車両用シートの、クッション部分を取り去った全体フレーム1400の構成を示し、図16にはその正面図を示す。
図15に示したように、本実施例においては、長さが異なる2組のスライドレールユニット1150と1410とを用いる。図15に示した全体フレーム1400の構成において、シートバック側フレーム110の基本構成は、実施例1において図2を用いて説明した全体フレーム100の構成と同じである。
本実施例におけるシートクッション側フレーム140は、後端部分が後側接続フレーム111と接続し前端部付近が連結パイプ143と接続している1対のサイドフレーム142と1401を有し、サイドフレーム142を載置するプレート114、サイドフレーム1401を載置するプレート1402、プレート114を支持して前後にスライド可能なスライドレールユニット1150、プレート1402を支持して前後にスライド可能なスライドレールユニット1410を備えている。
スライドレールユニット1150は、実施例1で説明したスライドレールユニット1150と同じ構成である。これに対して、スライドレールユニット1410は、スライドレールユニット1150の半分又はそれ以下の長さを有し、図4に示したようなシート1を前進端まで移動させた状態においても、スライドレールユニット1150はシートクッション2からはみ出さない程度の長さになっている。
図16に示すように、スライドレールユニット1410は、スライドレールユニット1150と同様に、車両の床(図示せず)に固定されている固定レール(下側レール)1403と、この固定レール1403に沿って摺動可能な可動レール1404、図示していない駆動源で回転駆動されるボールネジ1405、可動レール1404に固定されてボールネジ1405と螺合しているナット部1406を備えて構成されている。図示していない駆動源でボールネジ1405を回転駆動することにより、ナット部1406を固定している可動レール1404が固定レール1403に沿って前後に移動する。
ここで、図示していない駆動源をスライドレールユニット1410とスライドレールユニット1150とで共有化することにより、可動レール1404と117とを同期させて前後に移動させることができる。これにより、2組のスライドレールユニット1150と1410とを用いた場合であっても、全体フレーム1400の前後動をスムーズに行うことができる。
なお、図15及び図16には、スライドレールユニット1410にボールネジ1405とナット部1406を備えてスライドレールユニット1150と共通の駆動源で駆動する構成を示したが、スライドレールユニット1410にボールネジ1405とナット部1406を備えずに、スライドレールユニット1150の側だけを図示していない駆動源で駆動し、スライドレールユニット1410側はスライドレールユニット1150の動きに追随して動くような構成にしても良い。
スライドレールユニット1150には、可動レール117の前後の動きをロックするロック機構が取付けられているが、図15及び図16に示した構成においては、ロック機構の図示を省略している。
このような構成とすることにより、搭乗者がシートクッション2に着座することによりシートクッション側フレーム140にかかる負荷を、両側のスライドレールユニット1150と1410とで分散して負担することができる。すなわち、本実施例によれば、実施例3乃至5で説明した場合と同様に両持ち梁の構造にすることができ、実施例1及び2の場合と比べて比較的剛性の小さい構成でもシートクッション側フレーム140の変形を抑えることができる。
本実施例においても、実施例1及び2の場合と同様に、図15及び図16に記載したような構成のスライドウォークイン機構を備えたシート1を前後2列席の2ドアタイプの乗用車の前列の助手席側のシート又は3列シートの中央の列のドア側のシートに適用した場合、シート1を前後に移動させるためのスライドレールユニット1150が、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1(図4参照)から離れた場所に設置されているので、スライドレールユニット1150は、後部座席に乗り込む搭乗者に踏まれたり足(靴)をぶつけられたり、靴の踵(ヒール)部分をレールの溝に挟んだりする可能性が少なくなり、レールが変形したり、異物(ごみ)がレールの中に挟まったりして、シート1の前後方向へのスムーズな移動が阻害される可能性が少なくなった。
さらに、本実施例によるスライドウォークイン機構を備えたシート1は、搭乗者が後部座席に乗り込むためにシート1を前方に移動させた場合、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1には、後部座席に乗り込む搭乗者の足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
また、本実施例に実施例1の変形例で図6に示したようにタンブルウォークイン機構のレッグブラケット405を両方のスライドレールユニット1150と1410とに用いてシート1を跳ね上げる構成とすることもできる。これにより、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S2(図6参照)への突出部を小さくすることができ、後部座席に乗り込む搭乗者の邪魔にならないようにすることができる。
これにより、後部座席に乗り込む搭乗者は、足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
本実施例によれば、スライド機構を簡素化してシート全体の軽量化を図ることができるようになった。また、スライド機構を簡素化しても、高い剛性を有してシートに偏荷重がかかってもシートに傾きを発生させることのない車両用シートを提供することができるようになった。
実施例4においては、シートクッションパイプ113のスライドレールユニット1150と対向する側にローラ支持部材1010を固定し、このローラ支持部材1010の先端部付近にローラ1011を取り付けた構成を説明したが、本実施例においては、実施例4のローラ1011に変えて、板材を用いた例について説明する。
図17に本実施例に係る全体フレーム1600の構成を示す。本実施例における全体フレーム1600の構成は、実施例4で説明した図11に示した構成と基本的には同じであり、ローラ支持部材1010とその先端部付近に取付けたローラ1011に替えて、スライド部1610を取付けた。
スライド部1610は、プレート支持部材1601をシートクッションパイプ113のスライドレールユニット1150と対向する側に固定し、このプレート支持部材1601の先端部分にプレート1602が固定された構成を有している。
このような構造のスライド部1610を備えた構成において、シートクッション側フレーム120がスライドレールユニット1150に沿って前後に動くとき、プレート支持部材1601の先端部分に取り付けられたプレート1602は、図示していない車両の床面を滑りながら前後に移動する。プレート1602の先端部分及び後端部分はそれぞれスキー板のように上方に曲がっており、車両の床面を前後に滑るときに滑りやすくしてある。このとき、シートクッションパイプ113に固定されたスライド部1610は、シートクッション側フレーム120に加わる荷重の一部を支えている。
スライドレールユニット1150には、可動レール117の前後の動きをロックするロック機構が取付けられているが、図17に示した構成においては、ロック機構の図示を省略している。
このような構成とすることにより、搭乗者がシートクッション2に着座することによりシートクッション側フレーム120にかかる負荷を、スライドレールユニット1150の側とスライド部1610とで分散して負担することができる。すなわち、本実施例によれば、実施例3で説明した場合と同様に両持ち梁の構造にすることができ、実施例1及び2の場合と比べて比較的剛性の小さい構成でもシートクッション側フレーム120の変形を抑えることができる。
本実施例においても、実施例1及び2の場合と同様に、図17に記載したような構成のスライドウォークイン機構を備えたシート1を前後2列席の2ドアタイプの乗用車の前列の助手席側のシート又は3列シートの中央の列のドア側のシートに適用した場合、シート1を前後に移動させるためのスライドレールユニット1150が、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1(図4参照)から離れた場所に設置されているので、スライドレールユニット1150は、後部座席に乗り込む搭乗者に踏まれたり足(靴)をぶつけられたり、靴の踵(ヒール)部分をレールの溝に挟んだりする可能性が少なくなり、レールが変形したり、異物(ごみ)がレールの中に挟まったりして、シート1の前後方向へのスムーズな移動が阻害される可能性が少なくなった。
さらに、本実施例によるシート1は、搭乗者が後部座に席乗り込むためにシート1を前方に移動させた場合、後部座席に乗り込む搭乗者が通ることができる領域S1には、後部座席に乗り込む搭乗者の足元に障害となるような突起物や凹部がない状態で、乗り降りを安全に、かつ、スムーズに行うことができる。
本実施例によれば、スライド機構を簡素化してシート全体の軽量化を図ることができるようになった。また、スライド機構を簡素化しても、高い剛性を有してシートに偏荷重がかかってもシートに傾きを発生させることのない車両用シートを提供することができるようになった。
本発明の実施例8を、図18と19を用いて説明する。
図18には、図1に示した車両用シート1のクッション部分を取り去った全体フレーム1800の構成を示す。全体フレーム1800は、シートクッション2の側のシートクッション側フレーム2110とシートバック3の側のシートバック側フレーム2150を備えている。
シートクッション側フレーム2110は、1対のサイドフレーム2101と、1対のサイドフレーム2101を前側で接続する前側接続フレーム2102、1対のサイドフレーム2101を後側で接続する後側接続フレーム2103、前側接続フレーム2102と後側接続フレーム2103を接続するプレート2104、1対のサイドフレーム2101にそれぞれ固定されてローラ(補助輪)2106を支持する支持プレート2105を備えている。2210は固定レールである。
シートバック側フレーム2150は、シートバック3の外周を形成するフレーム2151と、フレーム2151の両側を接続する接続フレーム2152を備えており、フレーム2151は、端部付近で後側接続フレーム2103と回動自在に係合している。
図19には、図18のA−A断面の矢視図を示す。
2210は固定レールで、車両の床2230に固定されている。固定レール(下側レール)2210は、シートクッション側フレーム2110のほぼ中央部に配置されている。2220は可動レール(上側レール)で、固定レール2210に沿って摺動可能になっている。
2221はボールネジで、図示していない駆動機構により回転駆動される。2222はナット部で可動レール2220に固定され、ボールネジ2221とかみ合っている。可動レール2220の上面にはシートクッション側フレーム2110の前側接続フレーム2102と後側接続フレーム2103を接続するプレート2104が固定されている。
一対のサイドフレーム2101にそれぞれ固定された支持プレート2105の先端部付近にはローラ2106が回転可能に取付けられている。この左右一対のローラ2106は車両の床2230に接している。また、この左右一対のローラ2106は、可動レール2220が固定レール2210に沿って摺動する方向に対してほぼ直角な方向に対向して配置されている。
このような構造で、図示していない駆動機構によりボールネジ2221を回転駆動すると、ボールネジ2221の回転方向に応じてボールネジと螺合しているナット部2222を固定している可動レール2220が固定レール2210に沿って前後方向に移動する。可動レール2220の前後方向への移動に伴い、可動レール2220にプレート2104を介して接続された全体フレーム1800が前後方向に移動する。
ここで、全体フレーム1800のシートクッション側フレーム2110にかかる荷重に偏りが生じた場合(例えば、図1に示した車両用シート1に着座した搭乗者がシートクッション2の一方の側に偏って体重をかけた場合)であっても、左右一対のローラ2106で、シートクッション側フレーム2110が右側又は左側に傾くのを防ぐことができる。
この様に、本実施例によれば、固定レール2210と可動レール2220で構成されるスライドレール構造をシートクッション側フレーム2110の中央部に1組だけ配置する構成としても、左右一対のローラ2106で、シートクッション側フレーム2110が右側又は左側に傾くのを防ぐことができ、シートクッション側フレーム2110の剛性を確保することができる。これにより、車両用シート1を前後にスムーズに動かすことができる。
本実施例によれば、スライドレールを1組だけ用いる構成としたので、シート全体の軽量化を図ることができるようになった。
また、スライドレールを2組用いる場合と比べて、スライドレールを駆動するメカニズムを簡素化でき、スライドレールを駆動する場合の駆動源からのエネルギ変換効率が向上するので駆動源を小型化でき、更に、スライドレールの動きの同期ずれなどの問題が発生しなくなった。
また、図示はしていないが、スライドロック機構も1組だけでよく、機構を簡素化することができるようになった。
実施例8においては、固定レール2210を車両の床2230に固定する構成について説明したが、本実施例では、固定レールを車両の床2230から浮かせて配置した構成について、図20及び図21を用いて説明する。
図20は、本実施例に係る図1に示した車両用シート1のクッション部分を取り去った全体フレーム2000の構成を示す。全体フレーム2000は、シートクッション2の側のシートクッション側フレーム2120とシートバック3の側のシートバック側フレーム2150を備えている。シートクッション側フレーム2120とシートバック側フレーム2150の基本的な構成は、実施例8で説明した図18の構成と同じであるので、相違する部分について説明する。
本実施例において図18に示した実施例8と異なる構成は、図20に示したように、固定レール(下側レール)2260が車両の床2230から浮いて、前後2箇所に設置された台座部2261に固定されている点である。
図20におけるB−B断面の矢視図を図21に示す。台座部2261が車両の床2230に固定され、この台座部2261に固定レール2260が固定されている状態を示している。固定レール2260には、可動レール(上側レール)2250が固定レール2260に対して摺動可能な状態で取付けられている。また、可動レール2250には、ボールネジ2251と螺合するナット部2252が固定されており、図示していない駆動部により駆動される。
一対のサイドフレーム2101にそれぞれ固定された支持プレート2115の先端部付近にはローラ2116が取付けられている構成は、実施例8の場合と同じである。この左右一対のローラ2116は車両の床2230に接している。
このような構造で、図示していない駆動機構によりボールネジ2251を回転駆動すると、ボールネジ2251の回転方向に応じてボールネジ2251と螺合しているナット部2252を固定している可動レール2250が固定レール2260に沿って前後方向に移動する。可動レール2250の前後方向への移動に伴い、可動レール2250にプレート2104を介して接続された全体フレーム2000が前後方向に移動する。
ここで、全体フレーム2000のシートクッション側フレーム2120にかかる荷重に偏りが生じた場合(例えば、図1に示した車両用シート1に着座した搭乗者がシートクッション2の一方の側に偏って体重をかけた場合)であっても、左右一対のローラ2116で、シートクッション側フレーム2120が右側又は左側に傾くのを防ぐことができる。
この様に、本実施例によれば、固定レール2260と可動レール2250で構成されるスライダーレール構造をシートクッション側フレーム2120の中央部に1組だけ配置する構成としても、左右一対のローラ2116で、シートクッション側フレーム2120が右側又は左側に傾くのを防ぐことができ、シートクッション側フレーム2120の剛性を確保することができる。これにより、車両用シート1を前後にスムーズに動かすことができる。
また、このように固定レール2260を車両の床2230から浮かせた構造とすることにより、シートクッション側フレーム2120と車両の床2230の間に空間が生じ、車両用シート1に係る上記に説明した以外の部品の実装上に余裕ができる。
本実施例によれば、スライドレールを1組だけ用い、それを床から浮かせて支持する構成としたので、シートの下にスペースが生まれ、車両用シート1に係る上記に説明した以外の部品の実装上の制約条件が緩和され、部品実装上の自由度を高くすることができるようになった。
また、スライドレールを1組だけ用いる構成としたので、シート全体の軽量化を図ることができるようになった。
また、スライドレールを2組用いる場合と比べて、スライドレールを駆動するメカニズムを簡素化でき、スライドレールを駆動する場合の駆動源からのエネルギ変換効率が向上するので駆動源を小型化でき、更に、スライドレールの動きの同期ずれなどの問題が発生しなくなった。
また、図示はしていないが、スライドロック機構も1組だけでよく、機構を簡素化することができるようになった。
次に、本発明を複数の搭乗者が同時に着座することが可能なベンチシートに適用して例を説明する。
図22は、本実施例に係るベンチシートのクッション部分を取り外したベンチシートフレーム構造2200を示す。ベンチシートフレーム構造2200は、搭乗者が着座するシートクッション側フレーム2340と、着座した搭乗者が背をもたれかける側のシートバック側フレーム2310,2320を備え、シートクッション側フレーム2340の端部2341とシートバック側フレーム2310,2320の端部2311、2321とは、接続フレーム2330で接続されている。
シートバック側フレーム2310と2320とは、ベースプレート2350の両側に一対の支持プレート2351が形成された支持部材を間に介して接続されている。そして、ベースプレート2350とシートクッション側フレーム2340とは、プレート2352に固定されている。プレート2352は、シートバック側フレーム2310と2320との中間部分でシートクッション側フレーム2340の幅方向の中間部分に位置している。
更に、シートクッション側フレーム2340には、左右の部分にそれぞれ支持プレート2242が固定され、支持プレート2242の先端部付近にはローラ2243が取付けられている。この左右一対のローラ(補助輪)2243は車両の床2230に接している。
図22のC−C断面の矢視図を図23に示す。ベースプレート2350とシートクッション側フレーム2340とを固定したプレート2352は、可動レール(上側レール)2363に固定されている。可動レール2363は、車両の床2230に固定された固定レール(下側レール)2360にガイドされて、固定レールに沿って摺動可能な構成になっている。
2361はボールネジで、図示していない駆動機構により回転駆動される。2362はナット部で可動レール2363に固定され、ボールネジ2361とかみ合っている。
このような構造で、図示していない駆動機構によりボールネジ2361を回転駆動すると、ボールネジ2361の回転方向に応じてボールネジ2361と螺合しているナット部2362を固定している可動レール2363が固定レール2360に沿って前後方向に移動する。可動レール2363の前後方向への移動に伴い、可動レール2363にプレート2352を介して接続されたベンチシートフレーム構造2200が前後方向に移動する。
ここで、ベンチシートフレーム構造2200のシートクッション側フレーム2340にかかる荷重に偏りが生じた場合(例えば、図1に示した車両用シート1に着座した搭乗者がシートクッション2の一方の側に偏って体重をかけた場合)であっても、左右一対のローラ2243で、シートクッション側フレーム2340が右側又は左側に傾くのを防ぐことができる。
この様に、本実施例によれば、固定レール2360と可動レール2363で構成されるスライダーレール構造をシートクッション側フレーム2340の中央部に1組だけ配置する構成としても、左右一対のローラ2243で、シートクッション側フレーム2340が右側又は左側に傾くのを防ぐことができ、ベンチシートフレーム構造2200の剛性を確保することができる。これにより、ベンチシートを前後にスムーズに動かすことができる。
本実施例によれば、スライドレールを1組だけ用いる構成としたので、ベンチシート全体の軽量化を図ることができるようになった。
また、スライドレールを2組用いる場合と比べて、スライドレールを駆動するメカニズムを簡素化でき、スライドレールを駆動する場合の駆動源からのエネルギ変換効率が向上するので駆動源を小型化でき、更に、スライドレールの動きの同期ずれなどの問題が発生しなくなった。
また、図示はしていないが、スライドロック機構も1組だけでよく、機構を簡素化することができるようになった。
実施例10においては、固定レール2360を車両の床2230に固定する構成について説明したが、本実施例では、固定レールを車両の床2230から浮かせて配置した構成について、図24及び図25を用いて説明する。
図24は、本実施例に係るベンチシートのクッション部分を取り外したベンチシートフレーム構造2400を示す。ベンチシートフレーム構造2400は、搭乗者が着座するシートクッション側フレーム2440と、着座した搭乗者が背をもたれかける側のシートバック側フレーム2410,2420を備えている。
シートクッション側フレーム2440とシートバック側フレーム2410,2420の基本的な構成は、実施例10で説明した図22の構成と同じであるので、相違する部分についてだけ説明する。シートクッション側フレーム2440の端部2441とシートバック側フレーム2410,2420の端部2411、2421とは、接続フレーム2430で接続されている。
本実施例において図22に示した実施例10と異なる構成は、図24に示したように、固定レール2460が車両の床2230から浮いて、左右2箇所に設置された台座部2471と2474に支持されたパイプフレーム2470に固定されている点である。
図24に示したベンチシートフレーム構造2400のスライドレールとその周辺の正面図を図25に示す。左右の台座部2471と2474が車両の床2230に固定され、この台座部2471と2474にパイプフレーム2470が固定され、このパイプフレーム2470の上に固定レール(下側レール)2460が固定されている状態を示している。固定レール2460には、可動レール(上側レール)2453が固定レール2460に対して摺動可能な状態で取付けられている。また、可動レール2453には、ボールネジ2461と螺合するナット部2462が固定されており、図示していない駆動部により駆動される。
また、接続フレーム2430のシートバック側フレーム2410,2420に対応する部分とシートクッション側フレーム2440との間にはガイドパイプ2472と2475が接続されている。また、台座部2471と2474にはガイドプレート2473と2476が取付けられており、ガイドプレート2473と2476のそれぞれの先端部分の折曲がった部分がガイドパイプ2472と2475と接触してガイドパイプ2472又は2475が浮き上がるのを防止する構造となっている。
このような構造で、図示していない駆動機構によりボールネジ2461を回転駆動すると、ボールネジ2461の回転方向に応じてボールネジ2461と螺合しているナット部2462を固定している可動レール2453が固定レール2460に沿って前後方向に移動する。可動レール2453の前後方向への移動に伴い、可動レール2453にプレート2452を介して接続されたベンチシートフレーム構造2400が前後方向に移動する。
ここで、ベンチシートフレーム構造2400のシートクッション側フレーム2440にかかる荷重に偏りが生じた場合であっても、ガイドプレート2473と2476のそれぞれの先端部分の折曲がった部分がガイドパイプ2472と2475と接触してガイドパイプ2472と2475とのガイドプレート2473と2476に対する相対的な動きが規制される。その結果、ガイドパイプ2472又は2475が浮き上がるのを阻止される。このように、ガイドプレート2473と2476に対するガイドパイプ2472と2475との相対的な動きを防止する構造とすることにより、シートクッション側フレーム2440が右側又は左側に傾くのを防ぐことができる。
この様に、本実施例によれば、固定レール2460と可動レール2453で構成されるスライダーレール構造をシートクッション側フレーム2440の中央部に1組だけ配置する構成としても、シートクッション側フレーム2440が右側又は左側に傾くのを防ぐことができ、ベンチシートフレーム構造2400の剛性を確保することができる。これにより、ベンチタイプの車両用シートを前後にスムーズに動かすことができる。
また、このように固定レール2460を車両の床2230から浮かせた構造とすることにより、シートクッション側フレーム2440と車両の床2230の間に空間が生じ、車両用シート1に係る上記に説明した以外の部品の実装上に余裕ができる。
なお、本実施例では、ガイドプレート2473と2476のそれぞれの先端部分の折曲がった部分がガイドパイプ2472と2475と接触してガイドパイプ2472又は2475が浮き上がるのを防止する構造により、シートクッション側フレーム2440が右側又は左側に傾くのを防止するようにしたが、これに変えて、実施例10で説明したような、支持プレート2242の先端部付近にローラ2243を取り付けた構造にすることによっても、シートクッション側フレーム2440が右側又は左側に傾くのを防止することができる。
また、台座部2471と2474の床2230からの高さについては特に制限はなく、台座部2471と2474の前方と後方とで床2230の高さが異なっている場合であっても、それに合わせて台座を設計すればよく、床2230の高さが場所によって異なる場合(例えば、車輪の上部とそれ以外の部分など)であっても柔軟に対応することができる。
本実施例によれば、スライドレールを1組だけ用い、それを床から浮かせて支持する構成としたので、シートの下にスペースが生まれ、ベンチシートに係る上記に説明した以外の部品の実装上の制約条件がゆるくなり、部品実装に余裕ができるようになった。
また、スライドレールを1組だけ用いる構成としたので、ベンチシート全体の軽量化を図ることができるようになった。
また、スライドレールを2組用いる場合と比べて、スライドレールを駆動するメカニズムを簡素化でき、スライドレールを駆動する場合の駆動源からのエネルギ変換効率が向上するので駆動源を小型化でき、更に、スライドレールの動きの同期ずれなどの問題が発生しなくなった。
また、図示はしていないが、スライドロック機構も1組だけでよく、機構を簡素化することができるようになった。
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、その要旨を逸脱しない範囲である実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の公知の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。