JP6762009B2 - 体液粘性測定装置 - Google Patents
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Description
体液の粘性の計測には様々な方法があり、その具体例が例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、基準粘度を有する基準流体と粘度を測定しようとする測定対象流体とを管の両側からそれぞれ注入し、管に一定間隔で連結された複数のカウンティングチャンネルのうち、測定対象流体が流れ込んだ数によって、測定対象流体の粘性を計測する方法が開示されている。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、計測精度が構造に依存するのを抑制した上で体液の粘性を計測可能な体液粘性測定装置を提供することを目的とする。
図1、図2、図3(A)に示すように、本発明の一実施の形態に係る体液粘性測定装置10は、流路11を流れる体液Fの粘性を計測する装置であって、流路11に設けられ、外部の交流電源(外部の電源の一例)Vに入力端子40を介して接続される第1の導電部12、13、14、流路11に設けられた第2の導電部15、16、17、18、及び、第2の導電部15、16、17、18に接続された出力端子19から出力されている電気信号が単位時間当たりに予め定められた値以上上昇するタイミングの間隔から、体液Fの粘性を算出する演算手段44を有している。以下、詳細に説明する。
体液粘性測定装置10は、図1、図2に示すように、交流電源Vにスイッチ20を介して接続される電極ユニット21を備えている。電極ユニット21は、図1、図2、図3(A)に示すように、流路11が設けられ、第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18を具備するチップ22と、チップ22が装着される被装着体23を有している。
板材24には、底面側に板材24の長手方向に沿って凹部26が形成され、板材24の上面から凹部26の一側にかけて形成された開口部27及び板材24の上面から凹部26の他側にかけて形成された開口部28が設けられている。本実施の形態では、開口部27が体液Fの導入口、開口部28が体液Fの排出口であるが、開口部28を体液Fの導入口、開口部27を体液Fの排出口として利用してもよい。
例えば、図3(B)に示すように、第2の導電部15を流路11の上側に固定して、ベース部材25から離れるように導線35を配線してもよいし、図3(C)に示すように、一端が流路11内に配されるように導線35を配線してもよい。これらは、導線32〜34、36〜38についても同じである。
従って、開口部27に導入された体液Fは、流路11内を進みながら、第2の導電部15、第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14及び第2の導電部18に順に接触し、第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18は、体液Fの流れに沿って流路11の異なる位置で体液Fに接触する。
枠部39の内側にチップ22が嵌め込まれる(即ち、被装着体23に、チップ22が装着される)ことによって、チップ22は、第1の導電部12、13、14が回路41を介して入力端子40に接続され、第2の導電部15、16、17、18が回路42を介して出力端子19に接続される。
出力端子19には、図1に示すように、スイッチ43を介して、演算手段44が接続されている。スイッチ43は、図1に示すように、演算手段44の接続先を、電極ユニット21の出力端子19から、較正(校正)用の基準抵抗44aに切り替えることができる。
開口部27に導入され流路11を進む体液Fの先頭部が開口部28に向かって進むのに従って、体液Fの先頭部は、第2の導電部15、第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14及び第2の導電部18を順に通過し、出力端子19から出力されている電流値(以下、単に「出力電流値」とも言う)は段階的に上昇する。出力電流値の段階的な上昇は、体液Fの先頭部が第1の導電部12に到達してから開始する。
演算手段44は、体液Fの先頭部が、第1の導電部12、第2の導電部16、第1の導電部13、第2の導電部17、第1の導電部14及び第2の導電部18を通過するごとに変化する出力電流値の大きさから、入力端子40、出力端子19間のインピーダンス(本実施の形態では、合成抵抗値)を求める。
演算手段44による体液Fの粘性の導出には、出力電流値が段階的に上昇するタイミングからなされるもの(流体力学的観点による計測)と、出力電流値の大きさからなされるもの(電気伝導率を基にした計測)があり、状況に応じて、正確な値を選択可能である。
例えば、血液の凝固を抑制する抗凝固剤を血液に混合した場合には、電気伝導率に影響が出るため、流体力学的観点による計測値を選択することが考えられる。
本実施の形態では、図1に示すように、演算手段44が主として2つの電気回路45、46によって構成されているが、電気回路の数は2つである必要はない。
また、本実施の形態では、第1の導電部12、13、14及び第2の導電部15、16、17、18が合わせて7つであるが、第1、第2導電部は合わせて少なくとも3つあればよい。
図5に示す例では、電極ユニット49の下流側に、電極ユニット49の流路11の出側に流路11の入り側が接続された電極ユニット51が設けられ、電極ユニット49の流路11と電極ユニット51の流路11の接続領域に、液供給機構52が管を介して連結されている。
液供給機構52は、例えば、体積比で体液Fの略20倍の蒸留水(試薬液の一例、以下、単に「水」とも言う)を、電極ユニット49、51の間で、体液Fに合流させて、体液F及び水の混合液の粘性率を水と同レベルにする。電極ユニット51の出力端子19には、出力端子19からの出力電流値を基に電極ユニット51の流路11を流れる混合液の電気伝導率及び混合液の電解質濃度を計測する図示しない濃度導出手段が接続されている。濃度導出手段は、例えば、ソフトウェアプログラムがインストールされた電子計算機によって構成可能である。
ここで、インピーダンスを基に体液の粘性を算出する計算式には、その体液の電解質濃度が必要である。この点、体液の電解質濃度の値は体液の種類ごとに一定範囲であり、ばらつきが小さい。よって、計算式に電解質濃度の予め定められた値を代入すれば、電解質濃度を計測せずとも、対象とする体液の粘性を算出することができる。但し、電解質濃度をより正確に算出する観点においては、計測した電解質濃度を計算式に代入して粘性を算出するのが好ましい。
演算手段は、電極ユニット54の流路11に流した標準サンプル液の粘性及び電極ユニット53の流路11に流した体液Fの粘性をそれぞれ算出し、算出した標準サンプル液の粘性(具体的には、算出した標準サンプル液の粘性と、粘性が判明していた標準サンプル液の粘性の差)を基に、算出した体液Fの粘性を補正する。計測時の温度など環境の違いにより、算出される体液Fの粘性には多少の誤差が生じることが考えられるため、標準サンプル液の粘性を基に、算出した体液Fの粘性を補正するのは、より正確な粘性を得る上で好適である。更に、例えばサーミスター素子などの温度測定手段を電極ユニット上に設置して計測時の温度を記録し、より正確を期すこともできる。
本実験においては、合わせて7つの第1、第2の導電部を有する電極ユニットを採用し、流路にショ糖を加えて粘度を上げた食塩水(以下、単に「食塩水」とも言う)を流した。図9、図10に、計測された出力電流の時間軸に対する推移を示す。なお、図10のグラフは、図9のグラフの一部を拡大したものであり、図10には、段階的に上昇する出力電流それぞれに対応する合成抵抗の値を記している。
図9、図10より、段階的に上昇する出力電流の各上昇値が略同じであること、並びに、出力電流が5〜6秒間隔で段階的に上昇したことが確認できた。その結果、段階的に上昇する出力電流それぞれから電気伝導率及び粘性を算出できることが分かる。
なお、図9において、Dは食塩水を導入した時点を示し、Wは流路に水を流して食塩水を洗い流した時点を示す。
例えば、体液の粘性の計測は流体力学的観点からのみでもよい。その場合、電流の大きさを定量的に記録する必要はなく、体液が第2の導電部に到達した時刻(体液が第2の導電部に接触した瞬間の時刻)のみを正確に記録すればよい。つまり、電流値をアナログ値として記録する必要はなく、デジタル値として記録すればよいこととなるので、図11に示すように、シングルチップマイコン61を用いた簡素な構成にすることができる。
そして、第1の導電部に交流電源を接続する代わりに、図11に示すように、直流電源Eを接続するようにしてもよい。
そして、本実施の形態では交流電源から入力端子に与えられる交流電圧の周波数が単一で一定であるが、入力端子に周波数が異なる複数の交流電圧を与えることもできる。入力端子に周波数が異なる交流電圧を与える場合、演算手段は、電気伝導率から粘性を算出するのに当たり、各周波数のインピーダンスを求めて体液の粘性を算出することとなる。
更に、第2の導電部が複数個ある場合、複数の第2の導電部を、一つの出力端子に接続する必要はなく、それぞれ別個の出力端子に接続してもよい。
Claims (13)
- 流路を流れる体液の粘性を計測する体液粘性測定装置であって、
前記流路に設けられ、外部の電源に接続される第1の導電部と、
前記流路に設けられ、該流路内の前記体液を介して前記第1の導電部に電気的に接続される第2の導電部と、
前記第2の導電部に接続された出力端子から出力される電気信号が所定の時間長当たりに予め定められた値以上上昇するタイミングの間隔から前記体液の粘性を算出する演算手段とを備え、
前記第1、第2の導電部は、合わせて少なくとも3つあって、それぞれ前記体液の流れに沿って前記流路の異なる位置に配されていることを特徴とする体液粘性測定装置。 - 請求項1記載の体液粘性測定装置において、前記演算手段は、更に前記出力端子から出力される電気信号の大きさから前記体液の電気伝導性及び粘性を算出することを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1又は2記載の体液粘性測定装置において、前記第1、第2の導電部は、前記体液の流れに沿って交互に配置されていることを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記第1、第2の導電部の配置ピッチは一定であることを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路の幅は、前記体液が毛細管現象によって流れる大きさであることを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記第2の導電部は複数あって、該複数の第2の導電部は一つの前記出力端子に接続されることを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記第2の導電部は複数あって、該複数の第2の導電部はその電気的状態がそれぞれ独立に監視され、各該第2の導電部に前記体液が接触した瞬間の時刻が記録されることを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路の前記第1、第2の導電部の配置領域の下流側で、前記体液に試薬液を合流させて、該体液及び該試薬液の混合液の粘性を所定の値に調整する液供給機構と、前記混合液の電気伝導率及び電解質濃度を計測する濃度導出手段とを更に備えることを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項8記載の体液粘性測定装置において、前記演算手段は、前記濃度導出手段が計測した前記混合液の電解質濃度を用いて前記体液の粘性を算出することを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、それぞれ、前記流路、合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部及び前記出力端子を有する電極ユニットP、Qが設けられ、該電極ユニットPの該流路の出側は、該電極ユニットQの該流路の入り側に、前記体液から特定の物質を取り除くトラップを介して接続され、前記演算手段は、前記電極ユニットP、Qを流れる前記体液の粘性をそれぞれ算出することを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路及び合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部を有するチップと、前記チップが装着される被装着体とが設けられ、前記被装着体には、装着された前記チップの前記第1の導電部を前記電源に接続する第1の回路と、装着された該チップの前記第2の導電部を前記出力端子に接続する第2の回路とが設けられていることを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路、合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部及び前記出力端子を有する電極ユニットRと、前記電極ユニットRと同じ構造の電極ユニットSとが設けられ、前記演算手段は、粘性が判明している標準サンプル液を前記電極ユニットSの流路に流して算出した前記標準サンプル液の粘性を基に、前記体液を前記電極ユニットRの前記流路に流して算出した前記体液の粘性を補正することを特徴とする体液粘性測定装置。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の体液粘性測定装置において、前記流路、合わせて少なくとも3つの前記第1、第2の導電部及び前記出力端子を有する電極ユニットR’と、前記電極ユニットR’と同じ構造の電極ユニットS’と、前記電極ユニットS’の流路に、前記体液の粘性を変化させる粘性調整液を供給する液供給手段とが設けられ、前記演算手段は、前記電極ユニットR’の流路を流れる前記体液の粘性及び前記電極ユニットS’の流路を流れる前記粘性調整液及び前記体液の混合液の粘性をそれぞれ算出することを特徴とする体液粘性測定装置。
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