JP6784355B2 - せん断補強pc杭 - Google Patents

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Description

本発明は、構造物の基礎等に使用されるせん断補強PC杭に関する。
従来、構造物の基礎施工等では、プレストレストコンクリート杭(以下、PC杭という)、プレストレスト鉄筋コンクリート杭(以下、PRC杭という)、プレストレスト高強度コンクリート杭(以下、PHC杭という)等が用途に応じて広く用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
PC杭は、円筒状のコンクリート体と、周方向に間隔を置いてコンクリート体に埋設された複数のPC鋼材と、この複数のPC鋼材の外側に配置された螺旋状又は環状のせん断補強筋とを備え、コンクリート体にプレストレスによる圧縮応力が作用することにより高い曲げ耐力を有するとともに、せん断補強筋の拘束力によってせん断強度が補強されている。
このPC杭は、複数のPC鋼材とせん断補強筋とからなる鉄筋籠を型枠内に設置し、PC鋼材を緊張した状態で型枠内にコンクリートを打設し、遠心締固めによってコンクリート体を形成した後、脱型することによってコンクリート体にPC鋼材によるプレテンション方式のプレストレスが付与される。
PHC杭は、PC杭において設計基準強度80N/mm以上の高強度コンクリートを用いたものであり、高強度でひび割れし難くなっている。また、PHC杭には、せん断補強筋のピッチも密にして高いせん断耐力を備えた所謂JIS強化杭も知られている。
PRC杭は、PC杭又はPHC杭において、コンクリート体内のPC鋼材間に異形鉄筋や平鋼を配置したものであり、高い靭性を有している。
また、その他の既製杭としては、外殻鋼管内に遠心締固めによって筒状のコンクリート体を形成してなる外殻鋼管コンクリート杭(以下、SC杭という)も知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平6−299549号公報 特開平6−220842号公報
しかしながら、上述の如き従来のPC杭、PHC杭及びPRC杭では、コンクリート体内にせん断補強筋を備える構造であり、せん断補強筋より外側に一定の厚みのコンクリートかぶりを必要とするため、当該コンクリートかぶり部分には、せん断補強筋が有効に作用し難いという問題があった。
また、JIS強化杭のように、せん断補強筋のピッチを密にする場合には、せん断補強筋の形成に手間を要するとともに、使用する材料が増加し、製造コストが嵩むという問題があった。
一方、従来のSC杭では、コンクリート体の外側に配置された外殻鋼管によって曲げ補強及びせん断補強を行うため、外殻鋼管の厚みは曲げ耐力によって決定され、せん断応力に対しては過剰な厚みとならざるを得なかった。
また、SC杭に使用する外殻鋼管は、所定の曲げ耐力を得るために一定の厚みを有し、その製造に特殊な設備を必要とするために外部生産となる場合が多く、工場での一貫生産が困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の問題に鑑み、生産性に優れ、且つ、簡易な構造で高いせん断耐力を有するせん断補強PC杭の提供を目的としてなされたものである。
上述の如き従来の問題を解決するための請求項1に記載の発明の特徴は、筒状のコンクリート体と、周方向に間隔を置いて前記コンクリート体に埋設された複数のPC鋼材とを備え、前記PC鋼材によってプレストレスが導入されてなるせん断補強PC杭において、前記PC鋼材間に杭軸方向の異形鉄筋又は平鋼と、前記コンクリート体の外周を拘束する1又は複数のせん断補強鋼管とを備え、該せん断補強鋼管は、薄肉鋼板からなることにある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記薄肉鋼板は、{(0.5〜1.6)×杭外径/前記薄肉鋼板の降伏強度}の平方根に腐食代を加えた板厚としたことにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の構成に加え、杭軸方向で隣り合うせん断補強鋼管間又は前記コンクリート体の端部に配置された端部金具と前記せん断補強鋼管との間に緊張代が設けられていることにある。
本発明に係るせん断補強PC杭は、請求項1に記載の構成を具備することによって、従来のPC杭、PHC杭及びPRC杭と同様に、PC鋼材によるプレストレス導入によって杭に作用する曲げ応力に抵抗することができるとともに、せん断補強鋼管によってコンクリート体を拘束することによって、簡易な構造で杭に作用するせん断応力に対抗できるようになっている。また、せん断補強鋼管は、コンクリート体の外側に配置されているので、靭性改善効果も高い。さらに、せん断補強鋼管を構成する薄肉鋼板は、薄く加工性に優れているので、せん断補強鋼管を特殊な設備に依らずに製造でき、杭製造工場においてせん断補強鋼管製造から杭完成までの作業を一貫して行うことができ、製造コストの低減を図ることができる。また、従来のPRC杭に対応する構造とすることができ、高い靭性を確保することができる。
また、本発明において、請求項2に記載の構成を具備することによって、薄肉鋼板からなるせん断補強鋼管によって、好適にせん断応力に対抗することができる。
さらに、本発明において、請求項3に記載の構成を具備することによって、せん断補強鋼管がコンクリート体の圧縮を阻害せず、好適にプレストレスを導入することができる。
本発明に係るせん断補強PC杭の一例を示す部分破断正面図である。 同上のA−A線矢視断面図である。 本発明に係るせん断補強PC杭の他の一例を示す部分破断正面図である。
次に、本発明に係るせん断補強PC杭の実施態様を図1〜図3に示した実施例に基づいて説明する。尚、図中符号1はせん断補強PC杭である。
せん断補強PC杭1は、図1、図2に示すように、筒状のコンクリート体2と、周方向に間隔を置いてコンクリート体2に埋設された複数のPC鋼材3,3…と、コンクリート体2の外周を拘束するせん断補強鋼管4とを備え、PC鋼材3,3…によってコンクリート体2にプレストレスが導入されている。
コンクリート体2は、圧縮強度が80N/mm以上の高強度コンクリートによって中央に中空部21を有する円筒状に形成され、その肉厚部に緊張した状態で各PC鋼材3,3…が埋設されている。
また、コンクリート体2には、軸方向両端に端部金具5,5が固定され、端部金具5,5にPC鋼材3,3…の端部が定着されている。
端部金具5,5は、コンクリート体2の端部に嵌合される筒状の補強筒部51と、補強筒部51の一方の開口部に固定された円環板状の端板52とを備え、この端板52に各PC鋼材3,3…の端部が定着されるようになっている。
PC鋼材3,3…は、例えば、丸鋼状に形成され、緊張した状態でその両端がそれぞれ端板52に定着され、コンクリート体2に圧縮方向のプレストレスを付与している。尚、PC鋼材3,3…は、丸鋼状に限定されず、例えば、PC鋼撚り線や異形鋼棒等であってもよい。
せん断補強鋼管4は、溶接用圧延鋼材(SM400鋼板)等からなる薄肉鋼板をもって円筒状に形成され、コンクリート体2の外周面と付着し、コンクリート体2を径方向に拘束するようになっている。
薄肉鋼板の厚みTは、杭に作用するせん断力に応じて決定し、以下のような範囲で設定することが好ましい。
T={√(0.5d/σ)〜√(1.6d/σ)}+(鋼管の腐食代)
尚、Tはせん断補強鋼管4の必要厚さ(mm)、dは杭外径(mm)、σは薄肉鋼管の降伏強度(N/mm)である。
よって、せん断補強鋼管4に使用する薄肉鋼板の厚みは、例えば、腐食代を1.0mmとすると、JIS強化杭(ρs・σ≧2.45)と同程度以上のせん断耐力を確保した場合であっても、外径300mmの杭で1.6mm程度、外径1000mmの杭で3.5mm程度とすることができる。
一方、SC杭を構成する外殻鋼管の厚みは、外径300mmの杭で4.5mm〜9mm程度、外径1000mmの杭で6〜19mm程度であり、せん断補強鋼管4は、SC杭の外殻鋼管と比べて大幅に薄い肉厚となっている。
また、せん断補強鋼管4は、全長がコンクリート体2よりも短く形成され、端部金具5,5とせん断補強鋼管4との間に緊張代6が設けられ、せん断補強鋼管4がプレストレスの導入を妨げないようになっている。
このせん断補強PC杭1は、先ず、事前の準備として、矩形板状の薄肉鋼板の両端縁を溶接し、形を整えて円筒状に成形し、せん断補強鋼管4を形成する。
その際、せん断補強鋼管4は、SC杭に使用される外殻鋼管とは異なり、板厚が薄い薄肉鋼板を用いるので、加工性に優れ、加工に特殊な設備を必要としないので、外部生産に依存せずに杭製造工場での一貫生産が可能となっている。
次に、せん断補強鋼管4内に各PC鋼材3,3…を通した状態で型枠内にせん断補強鋼管4、PC鋼材3,3…及び端部部材を収容した後、PC鋼材3,3…を定着した端板52をジャッキ等によって引張ることでPC鋼材3,3…を緊張する。
その状態で、PC鋼材3,3…の両端を各型枠に支持させた状態で型枠内に所定量のコンクリートを投入し、遠心成形機による遠心締固めによって円筒状のコンクリート体2を成形する。
そして、必要な養生処理を行い、コンクリート体2を固化させた後脱型し、PC鋼材3,3…の緊張力をコンクリート体2に作用させる。
その際、端部金具5,5とせん断補強鋼管4との間に緊張代6を設けたことにより、せん断補強鋼管4がプレストレス導入に伴うコンクリート体2の圧縮を阻害せず、好適にコンクリート体2に軸方向のプレストレスが導入されるようになっている。
このように構成されたせん断補強PC杭1は、従来のPC杭、PHC杭及びPRC杭と同様に、PC鋼材3,3…によるプレストレス導入によって杭に作用する曲げ応力に抵抗することができる。
一方、このせん断補強PC杭1は、コンクリート体2の外周に薄肉鋼板からなるせん断補強鋼管4を備え、コンクリート体2を拘束することによって、簡易な構造で杭に作用するせん断応力に対抗できるようになっている。
その際、せん断補強鋼管4は、コンクリート体2の外側に配置されているので、その効果がコンクリート体2全体に作用し、靭性改善効果も高くなっている。
また、本発明に係るせん断補強PC杭1は、せん断補強鋼管4を構成する薄肉鋼板が薄く、加工性に優れているので、せん断補強鋼管4を特殊な設備に依らずに製造でき、杭製造工場においてせん断補強鋼管4製造から杭完成までの作業を一貫して行うことができ、製造コストの低減を図ることができる。
尚、せん断補PC杭は、図3に示すように、杭軸方向に複数のせん断補強鋼管7,7…を備えたものであってもよい。上述の実施例と同様の構成には同一符号を付して説明を省略する。
この場合、せん断補強鋼管7,7間の間隔Lは、杭外径の1/2以下であればよいが、コンクリート体2の肉厚以下で50〜100mm程度とすることが望ましい。
また、上述の実施例では、従来のPC杭又はPHC杭に対応した構造のものについて説明したが、本発明に係るせん断補強PC杭1は、PC鋼材3,3…間に杭軸方向の異形鉄筋又は平鋼を備えていてもよい。
T 薄肉鋼板厚さ
d 杭外径
L せん断補強管間隔
1 せん断補強PC杭
2 コンクリート体
21 中空部
3 PC鋼材
4 せん断補強鋼管
5 端部金具
51 補強筒部
52 端板
6 緊張代
7 せん断補強鋼管

Claims (3)

  1. 筒状のコンクリート体と、周方向に間隔を置いて前記コンクリート体に埋設された複数のPC鋼材とを備え、前記PC鋼材によってプレストレスが導入されてなるせん断補強PC杭において、
    前記PC鋼材間に杭軸方向の異形鉄筋又は平鋼と、前記コンクリート体の外周を拘束する1又は複数のせん断補強鋼管とを備え、該せん断補強鋼管は、薄肉鋼板からなることを特徴とするせん断補強PC杭。
  2. 前記薄肉鋼板は、{(0.5〜1.6)×杭外径/前記薄肉鋼板の降伏強度}の平方根に腐食代を加えた板厚とした請求項1に記載のせん断補強PC杭。
  3. 杭軸方向で隣り合うせん断補強鋼管間又は前記コンクリート体の端部に配置された端部金具と前記せん断補強鋼管との間に緊張代が設けられている請求項1又は2に記載のせん断補強PC杭。
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