JP6803317B2 - 血液指紋転写方法 - Google Patents

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Description

本発明は、傷害事件や殺人事件等の流血事件が発生した際に、鑑識が現場に残された血液指紋を転写するための血液指紋転写方法に関するものである。
従来より、傷害事件や殺人事件等の現場に残された血液指紋を採取するための鑑識用の指紋採取シートが種々開発されている。そして血液指紋は一般的に、写真撮影が行われた後、転写シートにて転写され保存されている。このような血液指紋の転写シートは現在、特許文献1に示す如く湿布剤を基にして開発された転写シートや、インクジェットプリンター用紙を基にして開発された転写シート等が広く用いられている。
特許第4219667号公報
しかしながら、このような従来の転写シートのうち、硬いフィルムなどの弾力性や柔軟性の乏しい素材で形成されたものを使用した場合には、血液指紋が付着した被転写物に段差がある場合に、その段差部分に付着した血液指紋の全体を確実に転写することが困難なものとなっていた。また、これら従来の転写シートに血液指紋を転写した場合には、一旦転写シートにしみこんだ血液を再び取り出すことは非常に困難であった。そのため、これら従来の転写シートから血液を取り出してDNA検査を行うことが困難となっていた。
そこで、本発明は上述の如き課題を解決しようとするものであって、被転写物に付着した血液指紋を、段差がある場合でも容易且つ確実に転写可能とするとともに、転写した血液指紋からDNA検査を行うことができるようにしようとするものである。
本発明は上述の如き課題を解決するものであって、発泡ポリウレタン製のシートに界面活性剤を含浸させた後、該シートの表面を、対象となる血液指紋が付着した被転写物に密着させることにより、該血液指紋を上記シートに転写するとともに、転写した血液指紋の血液を、上記シートに取り出し可能に吸収保持するものである。このように界面活性剤をシートに含浸させることにより、血液指紋を良好な状態でシートに転写することができる。
また、シートは、界面活性剤を含浸させた後、間隔を介して設けた一対のローラー間を通過させることにより余分な界面活性剤を除去した後、対象となる血液指紋を転写するものであってもよい。このように余分な界面活性剤を除去することにより、シートに転写した血液指紋のにじみを防ぐことができる。
本発明は、界面活性剤を含浸させた発泡ポリウレタン製のシートに血液指紋を転写するものであるから、被転写物に複雑な凹凸がある場合でも、発泡ポリウレタンの良好な弾力性と伸縮性によって該シートの表面を被転写物に密着させることが出来るものである。そのため、被転写物に付着していた血液指紋全体を確実に転写することができる。また、本発明のシートは発泡ポリウレタン製であることからその構造は連続多孔質体であり、高い吸水性及び保水性を備えたものである。そのため転写した血液指紋の血液を確実に吸収するとともに吸収した血液を、時間経過後も良好に保持することができる。そのため、転写した血液を時間経過後に取り出してDNA検査を容易に行うことができる。
本発明の実施例1を示す側面図。 実施例1の平面図。
本発明の実施例1について以下に説明する。まず、本実施例の発泡ポリウレタン製シート(1)はその寸法を、縦100mm×横100mm×厚さ2mmとしている。尚、本実施例のシートの寸法は、縦50mm×横50mm×厚さ2mm〜縦160mm×横300mm×厚さ2mmの範囲で製造することができる。またこのシート(1)は親水性であるとともに連続多孔質体である。そしてこのシート(1)の物性は以下の通りである。
気孔径(μm) 25
見掛け密度(g/cm3) 0.21
気孔率(%) 83
C硬度 7
保水率(%) 400
耐熱性(空気)(℃) 130
耐熱性(水)(℃) 100
まず上記のシート(1)全体を界面活性剤の浴液(図示せず。)に浸して、シート(1)全体にこの界面活性剤を十分含浸させる。その後、このシート(1)に含浸させた余分な界面活性剤を除去するために、このシート(1)を、一対のローラー(2)(3)を設けたシート絞り装置(4)にセットする。このシート絞り装置(4)は図1に示す如く、台座(5)から垂直に延びた支柱(6)の上端には、一対の平板状のローラーホルダー(7)を図2に示す如くローラーの配置間隔(12)を介して水平方向に設けている。そしてこのローラーホルダー(7)間には、図2に示す如く、一対のローラー(2)(3)を、間隔(8)を介して水平方向且つ並列に回動可能に架設している。
そして、この一対のローラー(2)(3)のうちの一方のローラー(2)の一端には、この一方のローラー(2)と一体に回動可能な回動レバー(10)を接続している。そのためこの回動レバー(10)を手動にて回動させることにより、一方のローラー(2)を回動させることができる。
上記構成のシート絞り装置(4)を用いてシート(1)の余分な界面活性剤を除去する方法について説明すると、図1の一点鎖線に示す如く、まず上記の如く界面活性剤を全体的に含浸させたシート(1)の一端(11)側を、一対のローラー(2)(3)の下側からこの一対のローラー(2)(3)の間隔(8)に挿通配置する。
そして回動レバー(10)を回動させて一方のローラー(2)を回動させることにより、シート(1)を介して他方のローラー(3)が一方のローラー(2)とは反対方向に回動する。これにより、シート(1)が一対のローラー(2)(3)間を通過して下方から上方に送られるとともに、この間隔(8)を通過する際にシート(1)が圧縮されて絞られ、このシート(1)に含浸された余分な界面活性剤が除去されるものとなる。
上記の如く一対のローラー(2)(3)の間隔(8)にシート(1)を通過させることにより、一定の圧力でシート(1)を圧縮させることができる。そのためシート(1)に含浸させた界面活性剤の含浸率を、ばらつきを少なくしてほぼ一定とすることが可能となる。従って、作業者が異なった場合でもシート(1)中の界面活性剤の含浸率のばらつきが少なくなり、常に一定の圧力でシート(1)を絞って界面活性剤の含浸率を一定とすることができるため、転写時ににじみの少ない血液指紋を容易且つ確実に採取することができる。
そして、上記の如く界面活性剤を含浸させたシート(1)の表面を、転写の対象となる血液指紋が付着した被転写物(図示せず。)に密着させる。これにより、被転写物の血液指紋がシート(1)側に転写されるものとなる。この時、シート(1)は発泡ポリウレタンで軟弾性素材であることから、被転写物の表面全体に確実に密着させることができる。そのため、被転写物の表面にたくさんの凹凸がある場合でも、血液指紋の全体を、途切れることなく良好な状態で容易且つ確実に転写することができる。
またシート(1)は連続多孔質体の発泡ポリウレタン製であって、高い吸水率及び保水率を備えたものであるから、転写した血液指紋の血液を吸収して良好に保持することができるとともに、シート(1)内で吸収した血液が拡散する事態が生じにくいものとなる。そのため、転写して時間が経過した後でも血液指紋の形状を保つことができるとともに、時間経過後もシート(1)に転写して吸収させた血液を取り出してDNA検査を行うことが可能となる。
1 シート
2、3 ローラー
8 間隔

Claims (2)

  1. 発泡ポリウレタン製のシートに界面活性剤を含浸させた後、該シートの表面を、対象となる血液指紋が付着した被転写物に密着させることにより、該血液指紋を上記シートに転写するとともに、転写した血液指紋の血液を、上記シートに取り出し可能に吸収保持することを特徴とする血液指紋転写方法。
  2. シートは、界面活性剤を含浸させた後、間隔を介して配置した一対のローラー間を通過させることにより余分な界面活性剤を除去した後、対象となる血液指紋の転写を行うことを特徴とする請求項1の血液指紋転写方法。
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