JP6812562B2 - 観察装置および方法並びに観察装置制御プログラム - Google Patents

観察装置および方法並びに観察装置制御プログラム Download PDF

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Description

本発明は、観察対象が収容された収容体と観察対象の像を結像させる結像光学系とを相対的に移動させることによって、観察対象全体の像を観察する観察装置および方法並びに観察装置制御プログラムに関する。
従来、ES(Embryonic Stem)細胞およびiPS(Induced Pluripotent Stem)細胞等の多能性幹細胞および分化誘導された細胞等を顕微鏡等を用いて撮像し、その画像の特徴を捉えることにより細胞の分化状態等を判定する方法が提案されている。
ES細胞およびiPS細胞等の多能性幹細胞は、種々の組織の細胞に分化する能力を備え、再生医療、薬の開発、および病気の解明等において応用が可能なものとして注目されている。
一方、上述したように細胞を顕微鏡を用いて撮像する際、高倍率な広視野画像を取得するため、例えばウェルプレート等の培養容器の範囲内を結像光学系の観察域によって走査し、観察域毎の画像を撮像した後、その観察域毎の画像を結合する、いわゆるタイリング撮影を行うことが提案されている。
特開2011−81211号公報
ここで、上述したような観察域毎の画像を撮像する際、培養容器の底面に結像光学系の焦点位置を合わせることが多い。しかしながら、培養容器の底部の厚さには、ミリオーダーの製造公差があるため、高倍率な撮影を行う場合には、観察域毎に焦点位置を合わせる必要がある。一方、細胞の撮影時間は短い方が望ましく、高速撮影可能な装置が望まれている。
しかしながら、従来のオートフォーカス制御方法では、観察域毎に2秒程度の時間を要し、例えば観察域の数が300である場合には、オートフォーカス制御に要する時間だけで10分かかることになり、高速に撮影することが困難であった。
特許文献1においては、撮影時間を短縮するため、ある観察域の画像を撮像している時点において、その観察域に隣接する領域において焦点位置を先行して計測しておき、その前もって計測された焦点位置を用いてフォーカス制御を行って画像の撮像を行う方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1においては、焦点位置を計測する際、やはり従来のオートフォーカス制御の場合と同様に、上記観察域に隣接する領域の画像を撮像し、その画像のコントラストに基づいて焦点位置を計測しているため、演算処理に時間がかかってしまう。したがって、ステージを高速に移動させた場合には、観察域が計測位置に到達した時点において演算処理およびその演算処理結果に基づくオートフォーカス制御が間に合わない可能性がある。
また、特許文献1では、観察域を一方向のみに移動する方法しか提案されておらず、このように一方向のみの移動では、観察域による走査時間が非常に長くなってしまう。
本発明は、上記の問題に鑑み、観察域毎のオートフォーカス制御を高速化することができ、これにより全ての範囲の観察域による走査時間を短縮することができる観察装置および方法並びに観察制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明による第1の観察装置は、観察対象が収容された収容体内の観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系と、
結像光学系により結像された観察対象の画像を撮像する撮像素子を有する撮像系と、
結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、撮像素子を光軸方向に移動させる第3の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行う動作部と、
収容体の鉛直方向の位置を検出する少なくとも1つの変位センサを有する検出部と、
検出部によって検出された収容体の鉛直方向の位置に基づいて、動作部を制御する動作制御部と、
収容体および結像光学系の少なくとも一方を、水平面内において移動させる水平方向駆動部と、
水平方向駆動部を制御して、結像光学系の観察域を移動することにより収容体を走査する走査制御部とを備え、
検出部が、収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置において収容体の鉛直方向の位置を検出し、かつ観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置または使用する変位センサを切り替える。
なお、本発明による第1の観察装置においては、動作部は、第1の動作、第2の動作、第3の動作および第4の動作のうちの複数の動作を行ってもよい。
本発明による第2の観察装置は、観察対象が収容された収容体内の観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系と、
結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行う動作部と、
収容体の鉛直方向の位置を検出する少なくとも1つの変位センサを有する検出部と、
検出部によって検出された収容体の鉛直方向の位置に基づいて、動作部を制御する動作制御部と、
収容体および結像光学系の少なくとも一方を、水平面内において移動させる水平方向駆動部と、
水平方向駆動部を制御して、結像光学系の観察域を移動することにより収容体を走査する走査制御部とを備え、
検出部が、収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置において収容体の鉛直方向の位置を検出し、かつ観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置または使用する変位センサを切り替える。
なお、本発明による第2の観察装置においては、動作部は、第1の動作、第2の動作および第4の動作のうちの複数の動作を行ってもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、結像光学系は、収容体内の観察対象の像を結像させる対物レンズをさらに有し、
第1の動作は、結像レンズの焦点距離を変更する動作および対物レンズの焦点距離を変更する動作の少なくとも一方を含んでもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、結像光学系の焦点距離を変更する焦点距離変更光学系をさらに備え、
結像光学系は、収容体内の観察対象の像を結像させる対物レンズをさらに有し、
第1の動作は、結像レンズの焦点距離を変更する動作、対物レンズの焦点距離を変更する動作、および焦点距離変更光学系により、結像光学系の焦点距離を変更する動作の少なくとも1つを含んでもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、動作部は、さらに対物レンズを光軸方向に移動させる第5の動作を行ってもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、結像光学系の焦点距離を変更する焦点距離変更光学系をさらに備え、
第1の動作は、焦点距離変更光学系により、結像光学系の焦点距離を変更する動作を含んでもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、結像光学系は、収容体内の観察対象の像を結像させる対物レンズをさらに有し、
動作部は、さらに対物レンズを光軸方向に移動させる第5の動作を行ってもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、検出部が、結像光学系を挟んで観察域の移動方向について並べて設けられた少なくとも2つの変位センサを有し、観察域の移動方向の変更に応じて、使用する変位センサを切り替えてもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、検出部が、結像光学系を挟んで観察域の移動方向について一方の側と他方の側とに変位センサを移動可能な変位センサ移動機構を有し、観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置を一方の側から他方の側に移動してもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、変位センサ移動機構が、変位センサを一方の側から他方の側まで案内するガイド機構を備えてもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、動作制御部が、検出部によって収容体の鉛直方向の位置が検出された後、予め設定された時間が経過した時点において動作部を制御してもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、動作制御部が、検出部によって収容体の鉛直方向の位置が検出された後、検出された位置に結像光学系の観察域が到達した時点または検出された位置に結像光学系の観察域が到達する直前において動作部を制御してもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、動作制御部が、走査制御部によって収容体および結像光学系の少なくとも一方の移動速度が変更された場合、変更された後の移動速度に応じて、予め設定された時間を変更してもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、水平方向駆動部が、収容体および結像光学系の少なくとも一方を往復移動させる場合において、収容体の範囲の往復移動の方向の両側に、収容体および結像光学系の少なくとも一方の往復移動の加減速域が設定されており、加減速域の往復移動の方向の幅が、結像光学系および変位センサの往復移動の方向の間隔と同じであってもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、変位センサが、レーザ変位センサであってもよい。
また、本発明による第1および第2の観察装置においては、結像光学系、動作部および変位センサを一体的に鉛直方向に移動させる鉛直方向移動機構を備えてもよい。
本発明による第1の観察方法は、観察対象が収容された収容体および収容体内の観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において移動させ、結像光学系により結像された観察対象の画像を撮像素子により撮像する観察方法であって、
収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置における収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出するステップと、
検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、撮像素子を光軸方向に移動させる第3の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行うステップと、
観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置または使用する変位センサを切り替えるステップとを有する。
本発明による第2の観察方法は、観察対象が収容された収容体および収容体内の観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において移動させる観察方法であって、
収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置における収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出するステップと、
検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行うステップと、
観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置または使用する変位センサを切り替えるステップとを有する。
本発明による第1の観察装置制御プログラムは、観察対象が収容された収容体および収容体内の観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において移動させ、結像光学系により結像された観察対象の画像を撮像素子により撮像する手順をコンピュータに実行させる観察装置制御プログラムであって、
収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置における収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出する手順と、
検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、撮像素子を光軸方向に移動させる第3の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行う手順と、
観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置または使用する変位センサを切り替える手順とをコンピュータに実行させる。
本発明による第2の観察装置制御プログラムは、観察対象が収容された収容体および収容体内の観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において移動させる手順をコンピュータに実行させる観察装置制御プログラムであって、
収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置における収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出する手順と、
検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行う手順と、
観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置または使用する変位センサを切り替える手順とをコンピュータに実行させる。
本発明による第3の観察装置は、コンピュータに実行させるための命令を記憶するメモリ、および
記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサを備え、プロセッサは、
観察対象が収容された収容体および収容体内の観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において移動させ、結像光学系により結像された観察対象の画像を撮像素子により撮像する処理であって、
収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置における収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出し、
検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、撮像素子を光軸方向に移動させる第3の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行い、
観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置または使用する変位センサを切り替える処理を実行する。
本発明による第4の観察装置は、コンピュータに実行させるための命令を記憶するメモリ、および
記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサを備え、プロセッサは、
観察対象が収容された収容体および収容体内の観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において移動させる処理であって、
収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置における収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出し、
検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行い、
観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置または使用する変位センサを切り替える処理を実行する。
本発明の観察装置および方法並びに観察装置制御プログラムによれば、収容体および収容体内の観察対象の像を結像させる結像光学系の少なくとも一方を水平面内において移動させる。このように、収容体または結像光学系を水平面内において移動させて結像光学系の観察域を移動することにより、上述した特許文献1のような一方向にのみ収容体を移動させて観察域を移動する場合と比較すると、観察域による走査時間を短縮することができる。
さらに、本発明の第1の観察装置および方法並びに観察装置制御プログラムでは、収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置における収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出し、その検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、撮像素子を光軸方向に移動させる第3の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行うことによってオートフォーカス制御を行うようにした。また、本発明の第2の観察装置および方法並びに観察装置制御プログラムでは、収容体に対する結像光学系の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置における収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出し、その検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、および収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行うことによってオートフォーカス制御を行うようにした。このため、特許文献1のように撮像された画像のコントラストに基づいてオートフォーカス制御を行う場合と比較すると、高速にオートフォーカス制御を行うことができる。
さらに、本発明では、観察域の移動方向の変更に応じて、変位センサの位置または使用する変位センサを切り替えるようにしたので、常に、画像の撮像に先行して収容体の位置の検出を行うことができる。
本発明の観察装置の第1の実施形態を用いた顕微鏡観察システムの概略構成を示す図 結像光学系の構成を示す模式図 ステージの構成を示す斜視図 焦点距離変更光学系の構成を示す模式図 本発明の観察装置の第1の実施形態を用いた顕微鏡観察システムの概略構成を示すブロック図 培養容器内における観察域の走査位置を示す図 培養容器内の任意の位置に観察域がある場合における結像光学系、第1の変位センサおよび第2の変位センサと、培養容器との位置関係を示す図 第1の変位センサと第2の変位センサとの切り替えを説明するための図 オートフォーカス制御のタイミングの一例を説明するための図 本発明の観察装置の第1の実施形態を用いた顕微鏡観察システムの作用を説明するためのフローチャート 本発明の観察装置の第2の実施形態を用いた顕微鏡観察システムの概略構成を示すブロック図 本発明の観察装置の第2の実施形態の検出部の構成を示す図 本発明の観察装置の第2の実施形態の検出部における変位センサの位置の切り替えを説明するための図 本発明の観察装置の第1の実施形態を用いた顕微鏡観察システムの変形例の概略構成を示す図 本発明の観察装置の第1の実施形態を用いた顕微鏡観察システムに対して鉛直方向移動機構を設けた例を示す図 本発明の観察装置の第2の実施形態を用いた顕微鏡観察システムに対して鉛直方向移動機構を設けた例を示す図 本発明の観察装置の第1の実施形態において、4つの変位センサを設けた変形例を示す図 培養容器内における観察域による走査位置の他の例を示す図 本発明の観察装置の第2の実施形態の変形例における変位センサの位置の切り替えを説明するための図
以下、本発明の観察装置および方法並びに観察装置制御プログラムの第1の実施形態を用いた顕微鏡観察システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の顕微鏡観察システムにおける顕微鏡装置10の概略構成を示すブロック図である。
顕微鏡装置10は、観察対象である培養された細胞の位相差画像を撮像する。具体的には、顕微鏡装置10は、図1に示すように、白色光を出射する白色光源11、コンデンサレンズ12、スリット板13、結像光学系14、動作部15、撮像素子16、および検出部18を備える。また、顕微鏡装置10は、焦点距離変更光学系70を備える。
動作部15は、第1の動作部15A、第2の動作部15B、第3の動作部15C、第4の動作部15D、第5の動作部15E、第6の動作部15Fおよび第7の動作部15Gを備える。第1〜第7の動作部15A〜15Gの動作は後述する。
スリット板13には、白色光源11から出射された白色光を遮光する遮光板に対して白色光を透過するリング形状のスリットが設けられる。白色光がスリットを通過することによってリング状の照明光Lが形成される。
図2は、結像光学系14の詳細な構成を示す図である。結像光学系14は、図2に示すように、位相差レンズ14aおよび結像レンズ14dを備える。そして、位相差レンズ14aは、対物レンズ14bおよび位相板14cを備える。位相板14cには、照明光Lの波長に対して透明な透明板に対して位相リングが形成される。なお、上述したスリット板13のスリットの大きさは、位相板14cの位相リングと共役な関係にある。
位相リングには、入射された光の位相を1/4波長ずらす位相膜と、入射された光を減光する減光フィルタとがリング状に形成される。位相リングに入射された直接光は、位相リングを通過することによって位相が1/4波長ずれ、かつその明るさが弱められる。一方、観察対象によって回折された回折光は大部分が位相板14cの透明板を通過し、その位相および明るさは変化しない。
対物レンズ14bを有する位相差レンズ14aは、図1に示す動作部15の第5の動作部15Eによって、対物レンズ14bの光軸方向に移動される。本実施形態においては、対物レンズ14bの光軸方向とZ方向(鉛直方向)とは同じ方向である。対物レンズ14bのZ方向への移動によってオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される位相差画像のコントラストが調整される。
また、位相差レンズ14aの倍率を変更可能な構成としてもよい。具体的には、異なる倍率を有する位相差レンズ14aまたは結像光学系14を交換可能に構成するようにしてもよい。位相差レンズ14aまたは結像光学系14の交換は、自動的に行うようにしてもよいし、ユーザが手動で行うようにしてもよい。
また、対物レンズ14bは、焦点距離を変更可能な液体レンズからなる。なお、焦点距離を変更可能であれば、液体レンズに限定されず、液晶レンズおよび形状変形レンズ等、任意のレンズを用いることができる。対物レンズ14bは、図1に示す動作部15における第6の動作部15Fによって、印加される電圧が変更されて、焦点距離が変更される。これにより、結像光学系14の焦点距離が変更される。対物レンズ14bの焦点距離の変更によってもオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される位相差画像のコントラストが調整される。
結像レンズ14dは、位相差レンズ14aを通過した位相差画像が入射され、これを撮像素子16に結像する。本実施形態において、結像レンズ14dは、焦点距離を変更可能な液体レンズからなる。なお、焦点距離を変更可能であれば、液体レンズに限定されず、液晶レンズおよび形状変形レンズ等、任意のレンズを用いることができる。結像レンズ14dは、図1に示す動作部15における第1の動作部15Aによって、印加する電圧が変更されて、焦点距離が変更される。これにより、結像光学系14の焦点距離が変更される。結像レンズ14dの焦点距離の変更によってオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される位相差画像のコントラストが調整される。
また、結像レンズ14dは、図1に示す動作部15における第2の動作部15Bによって結像レンズ14dの光軸方向に移動される。なお、本実施形態においては、結像レンズ14dの光軸方向とZ方向(鉛直方向)とは同じ方向である。結像レンズ14dのZ方向への移動によってオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される位相差画像のコントラストが調整される。
撮像素子16は、結像レンズ14dによって結像された位相差画像を撮像する。撮像素子16としては、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が用いられる。撮像素子としては、RGB(Red Green Blue)のカラーフィルタが設けられた撮像素子を用いてもよいし、モノクロの撮像素子を用いるようにしてもよい。
また、撮像素子16は、図1に示す動作部15における第3の動作部15CによってZ方向に移動される。なお、本実施形態においては、撮像素子16の撮像面に垂直な方向とZ方向とは同じ方向である。撮像素子16のZ方向への移動によってオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される位相差画像のコントラストが調整される。
検出部18は、ステージ51に設置された培養容器50のZ方向(鉛直方向)の位置を検出する。検出部18は、具体的には、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bを備える。第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bは、位相差レンズ14aを挟んで、図1に示すX方向に並べて設けられている。本実施形態における第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bはレーザ変位計であり、培養容器50にレーザ光を照射し、その反射光を検出することによって、培養容器50の底面のZ方向の位置を検出する。なお、培養容器50の底面とは、培養容器50の底部と観察対象である細胞との境界面、すなわち観察対象設置面である。
検出部18によって検出された培養容器50のZ方向の位置情報は、動作制御部21に出力される。動作制御部21は、入力された位置情報に基づいて動作部15を制御し、オートフォーカス制御を行う。なお、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bによる培養容器50の位置の検出および動作制御部21によるオートフォーカス制御については、後で詳述する。
スリット板13と位相差レンズ14aおよび検出部18との間には、ステージ51が設けられている。ステージ51上には、観察対象である細胞が収容された培養容器50が設置される。
培養容器50は本発明の収容体に対応する。培養容器50としては、シャーレ、ディッシュ、フラスコまたはウェルプレート等を用いることができる。また、これらの他、収容体としては、スライドガラスまたは微細な流路が加工されてなるマイクロ流路デバイス等を用いることができる。また、培養容器50に収容される細胞としては、iPS細胞およびES細胞といった多能性幹細胞、幹細胞から分化誘導された神経、皮膚、心筋および肝臓の細胞、並びに人体から取り出された皮膚、網膜、心筋、血球、神経および臓器の細胞等がある。
ステージ51は、後述する水平方向駆動部17(図5参照)によって互いに直交するX方向およびY方向に移動する。X方向およびY方向は、Z方向に直交する方向であり、水平面内において互いに直交する方向である。本実施形態においては、X方向を主走査方向とし、Y方向を副走査方向とする。
図3は、ステージ51の一例を示す図である。ステージ51の中央には、矩形の開口51aが形成されている。この開口51aを形成する部材の上に培養容器50が設置され、培養容器50内の細胞を透過した光および細胞により回折した光が開口51aを通過するように構成されている。
また、ステージ51は、第4の動作部15DによってZ方向に移動され、これにより、培養容器50がZ方向に移動される。第4の動作部15Dは、例えば圧電素子等のアクチュエータを備える。本実施形態においては、ステージ51における培養容器50が設置される面に垂直な方向とZ方向とは同じ方向である。ステージ51のZ方向への移動によってもオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される位相差画像のコントラストが調整される。
第1の動作部15Aおよび第6の動作部15Fは、例えば電圧可変回路を備える。第1の動作部15Aは、後述する動作制御部21から出力された制御信号に基づいて、結像レンズ14dに印加する電圧を変更する。第6の動作部15Fは、後述する動作制御部21から出力された制御信号に基づいて、対物レンズ14bに印加する電圧を変更する。
第2の動作部15B、第3の動作部15C、第4の動作部15Dおよび第5の動作部15Eは、例えば圧電素子のようなアクチュエータを備え、後述する動作制御部21から出力された制御信号に基づいて駆動する。なお、動作部15は、位相差レンズ14aおよび結像レンズ14dを通過した位相差画像をそのまま通過させる構成となっている。また、第2の動作部15B、第3の動作部15C、第4の動作部15Dおよび第5の動作部15Eの構成は圧電素子に限らず、結像レンズ14d、撮像素子16、ステージ51および対物レンズ14b(位相差レンズ14a)をZ方向に移動可能であればよく、その他の公知な構成を用いることができる。
図4は焦点距離変更光学系70の構成を示す概略図である。図4に示すように、焦点距離変更光学系70は、円形の第1のウェッジプリズム71および円形の第2のウェッジプリズム72を備える。第7の動作部15Gは、第1のウェッジプリズム71および第2のウェッジプリズム72を、互いに反対方向に同期させて移動させる。これにより、結像光学系14の焦点位置が変更される。焦点位置が変更されることは、焦点距離が長くなったり短くなったりすることと同義である。このため、結像光学系14の焦点位置が変更されることにより、結像光学系14の焦点距離が変更される。本実施形態においては、結像光学系14の焦点距離を変更することは、第1の動作部15Aにより結像レンズ14dの焦点距離を変更すること、および第6の動作部15Fにより対物レンズ14bの焦点距離を変更することのみならず、第7の動作部15Gにより結像光学系14の焦点位置を変更することにより、結像光学系14の焦点距離を変更することも含む。
第1および第2のウェッジプリズム71および72は、光の入射面および出射面となり得る2つの面が平行でない、すなわち一方の面に対して他方の面が傾斜しているプリズムである。なお、以降の説明においては、光軸に対して垂直に配置される面を直角面、光軸に対して傾斜して配置される面をウェッジ面と称する。ウェッジプリズム71および72は、直角面に垂直に入射した光を偏向させるプリズムである。第7の動作部15Gは、例えば圧電素子等のアクチュエータを備え、後述する動作制御部21から出力された制御信号に基づいて、第1のウェッジプリズム71および第2のウェッジプリズム72を、直角面を平行に維持しつつ、互いに反対方向に同期させて移動させる。すなわち、第1のウェッジプリズム71を図4における右方向に移動させる場合には、第2のウェッジプリズム72を左方向に移動させる。逆に、第1のウェッジプリズム71を図4における左方向に移動させる場合には、第2のウェッジプリズム72を右方向に移動させる。このように、第1および第2のウェッジプリズム71および72を移動させることにより、結像光学系14から出射された光の光路長が変更され、これにより、結像光学系14の焦点位置を変更して焦点距離を変更することができる。これにより、オートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される位相差画像のコントラストが調整される。
次に、顕微鏡装置10を制御する顕微鏡制御装置20の構成について説明する。図5は、本実施形態の顕微鏡観察システムの構成を示すブロック図である。なお、顕微鏡装置10については、顕微鏡制御装置20の各部により制御される一部の構成のブロック図を示している。
顕微鏡制御装置20は、顕微鏡装置10全体を制御し、特に、動作制御部21、走査制御部22および表示制御部23を備える。
顕微鏡制御装置20は、中央処理装置、半導体メモリおよびハードディスク等を備えたコンピュータから構成され、ハードディスクに本発明の観察装置制御プログラムの一実施形態がインストールされている。そして、この観察装置制御プログラムが中央処理装置によって実行されることによって、図5に示す動作制御部21、走査制御部22および表示制御部23が機能する。
動作制御部21は、上述したように検出部18によって検出された培養容器50のZ方向の位置情報に基づいて、動作部15を動作させてオートフォーカス制御を行う。具体的には、位置情報に基づいて、第1の動作部15A〜第7の動作部15Gのそれぞれに対して制御信号を出力する。これにより、第1の動作部15Aにより結像レンズ14dの焦点距離が変更されて結像光学系14の焦点距離が変更される。また、第2の動作部15Bにより結像レンズ14dが光軸方向に移動する。また、第3の動作部15Cにより撮像素子16が光軸方向に移動する。また、第4の動作部15Dによりステージ51が光軸方向に移動する。また、第5の動作部15Eにより対物レンズ14bが光軸方向に移動する。第6の動作部15Fにより対物レンズ14bの焦点距離が変更されて結像光学系14の焦点距離が変更される。さらに、第7の動作部15Gにより結像光学系14の焦点位置が変更されて、結像光学系14の焦点距離が変更される。これらの7つの動作により、オートフォーカス制御が行われる。
なお、第1の動作部15Aによる結像レンズ14dの焦点距離の変更、第6の動作部15Fによる対物レンズ14bの焦点距離の変更、および第7の動作部15Gによる焦点距離変更光学系70による焦点距離の変更が、第1の動作に対応する。また、第2の動作部15Bによる結像レンズ14dの光軸方向への移動が第2の動作に対応する。また、第3の動作部15Cによる撮像素子16の光軸方向への移動が第3の動作に対応する。また、第4の動作部15Dによるステージ51の光軸方向への移動が第4の動作に対応する。また、第5の動作部15Eによる対物レンズ14bの光軸方向への移動が第5の動作に対応する。
走査制御部22は、水平方向駆動部17を駆動制御し、これによりステージ51をX方向およびY方向に移動させて、培養容器50をX方向およびY方向に移動させる。水平方向駆動部17は、圧電素子等のアクチュエータから構成される。
以下、走査制御部22によるステージ51の移動制御および動作制御部21によるオートフォーカス制御について、詳細に説明する。
本実施形態においては、走査制御部22による制御によってステージ51をX方向およびY方向に移動させ、結像光学系14の観察域を培養容器50内において2次元状に移動して培養容器50を走査し、各観察域の位相差画像を撮像する。図6は、培養容器50内における観察域による走査位置を実線Mにより示した図である。なお、本実施形態においては、培養容器50として6つのウェルWを有するウェルプレートを用いる。
図6に示すように、結像光学系14の観察域は、走査開始点Sから走査終了点Eまで実線Mに沿って移動する。すなわち、観察域は、X方向の正方向(図6の右方向)に移動された後、Y方向(図6の下方向)に移動し、逆の負方向(図6の左方向)に移動される。次いで、観察域は、再びY方向に移動し、再び正方向に移動される。このように、観察域のX方向についての往復移動とY方向への移動を繰り返し行うことによって、培養容器50は2次元状に走査される。
図7および図8は、培養容器50内の任意の位置に観察域Rがある場合における結像光学系14、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bと、培養容器50との位置関係を示した図である。
本実施形態においては、図7および図8に示すように、第1の変位センサ18aと第2の変位センサ18bとが結像光学系14を挟んでX方向に並べて設けられている。そして、結像光学系14の観察域Rは、上述したように培養容器50内を2次元状に移動されるが、この際、培養容器50に対する結像光学系14の観察域Rの位置よりも観察域Rの移動方向前側の位置において培養容器50のZ方向の位置が検出される。具体的には、観察域Rが、図7に示す矢印方向(図7の右方向)に移動している場合には、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bのうち、観察域Rの移動方向前側の第1の変位センサ18aによって培養容器50のZ方向の位置が検出される。そして、観察域Rが、図7に示す位置から第1の変位センサ18aによって培養容器50のZ方向の位置が検出された位置まで移動した場合に、前もって検出された培養容器50のZ方向の位置情報が用いられてオートフォーカス制御が行われ、位相差画像の撮像が行われる。
一方、観察域Rが、図8の矢印方向(図8の左方向)に移動している場合には、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bのうち、観察域Rの移動方向前側の第2の変位センサ18bによって培養容器50のZ方向の位置が検出される。そして、観察域Rが、図8に示す位置から第2の変位センサ18bによって培養容器50のZ方向の位置が検出された位置まで移動した場合に、前もって検出された培養容器50のZ方向の位置情報が用いられてオートフォーカス制御が行われ、位相差画像の撮像が行われる。
このように第1の変位センサ18aを用いた培養容器50の検出と第2の変位センサ18bを用いた培養容器50の検出とを観察域Rの移動方向に応じて切り替えることによって、常に、観察域Rの位相差画像の撮像に先行して、その観察域Rの位置における培養容器50のZ方向の位置情報を取得することができる。
そして、動作制御部21は、上述したように先行して検出された培養容器50のZ方向の位置情報に基づいて、動作部15を駆動制御することによって、オートフォーカス制御を行う。具体的には、動作制御部21には、培養容器50のZ方向の位置情報と、結像レンズ14dの焦点距離を変更するための結像レンズ14dへの印加電圧、結像レンズ14dの光軸方向の移動量、撮像素子16の光軸方向の移動量、ステージ51の光軸方向の移動量、対物レンズ14bの光軸方向の移動量、対物レンズ14bの焦点距離を変更するための対物レンズ14bへの印加電圧、および焦点距離変更光学系70の移動量との関係が、予めテーブルとして記憶されている。このテーブルを第1のテーブルと称する。
動作制御部21は、入力された培養容器50のZ方向の位置情報に基づいて、第1のテーブルを参照して、結像レンズ14dの焦点距離を変更するための結像レンズ14dへの印加電圧、結像レンズ14dの光軸方向の移動量、撮像素子16の光軸方向の移動量、ステージ51の光軸方向の移動量、対物レンズ14bの光軸方向の移動量、対物レンズ14bの焦点距離を変更するための対物レンズ14bへの印加電圧、および焦点距離変更光学系70の移動量をそれぞれ求める。なお、以降の説明においては、結像レンズ14dの焦点距離を変更するための結像レンズ14dへの印加電圧、結像レンズ14dの光軸方向の移動量、撮像素子16の光軸方向の移動量、ステージ51の光軸方向の移動量、対物レンズ14bの光軸方向の移動量、対物レンズ14bの焦点距離を変更するための対物レンズ14bへの印加電圧、および焦点距離変更光学系70の移動量をフォーカス制御量と称する。
そして、動作制御部21は、動作部15を制御するために、フォーカス制御量に応じた制御信号を、第1の動作部15A〜第7の動作部15Gに出力する。具体的には、ステージ51の位置情報に基づいて第1のテーブルが参照されて、フォーカス制御量が取得され、第1の動作部15A〜第7の動作部15Gに出力される。
動作部15、すなわち第1の動作部15A〜第7の動作部15Gは、入力された制御信号に基づいて駆動する。これにより、培養容器50のZ方向の位置に応じたフォーカス制御が行われる。
本実施形態においては、上述したように各観察域Rについてそれぞれ前もって培養容器50のZ方向の位置が検出されるため、各観察域Rの培養容器50の位置の検出タイミングと、位相差画像の撮像タイミングとが時間的にずれる。したがって、オートフォーカス制御は、第1の変位センサ18aまたは第2の変位センサ18bによって培養容器50の位置の検出が行われた後、その検出位置に観察域Rが到達するまでの間に行われる。
ここで、オートフォーカス制御のタイミングが早すぎる場合には、オートフォーカス制御の後、観察域Rが検出位置に到達するまでの間に、何らかの要因によって、培養容器50のZ方向の位置がずれてフォーカス位置がずれる可能性がある。
したがって、オートフォーカス制御のタイミングは、観察域Rが検出位置に到達する直前であって、かつその検出位置における位相差画像の撮像が間に合うタイミングであることが望ましい。なお、観察域Rが検出位置に到達する直前とは、例えば図9に示すように、観察域RがX方向に順次移動し、検出部18による検出位置が、斜線で示すPdの位置である場合には、観察域Rが、検出位置Pdに隣接する観察域Rの位置Prを通過した時点から検出位置Pdに到達するまでの間であることが望ましい。なお、観察域Rが検出位置Pdに到達した時点においてオートフォーカス制御を行うようにしてもよい。
本実施形態においては、オートフォーカス制御のタイミングが、上述した望ましいタイミングとなるように、第1の変位センサ18aまたは第2の変位センサ18bによる検出タイミングからその検出位置の位置情報を用いたオートフォーカス制御のタイミングまでの時間が予め設定されている。
なお、例えば位相差レンズ14aの倍率の変更等によってステージ51の移動速度が変更された場合には、そのステージ51の移動速度の変更に応じて上記の予め設定された時間を変更してもよい。または、上記時間を変更する代わりに、ステージ51の移動速度が変更された場合に、第1の変位センサ18aまたは第2の変位センサ18bをX方向に移動させることによって、第1の変位センサ18aまたは第2の変位センサ18bと結像光学系14との距離を変更してもよい。
また、本実施形態のように、結像光学系14を挟んで第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bをX方向に並べて設け、位相差画像の撮像に先行して培養容器50の位置を検出する場合、培養容器50の範囲の全域において培養容器50の位置検出および位相差画像の撮像を行うには、図6に示すように、培養容器50の範囲よりもX方向について外側の範囲R1およびR2まで結像光学系14、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bを相対的に移動させる必要がある。そして、範囲R1のX方向の幅として、少なくとも第1の変位センサ18aと結像光学系14とのX方向の間隔を確保する必要があり、範囲R2のX方向の幅として、少なくとも第2の変位センサ18bと結像光学系14とのX方向の間隔を確保する必要がある。そして、観察域Rの移動時間をできるだけ短縮するには、観察域Rの移動範囲をできるだけ狭くすることが望ましい。したがって、範囲R1のX方向の幅は、第1の変位センサ18aと結像光学系14とのX方向の間隔とすることが望ましく、範囲R2のX方向の幅は、第2の変位センサ18bと結像光学系14とのX方向の間隔とすることが望ましい。
一方、ステージ51をX方向に移動させることによって観察域Rを培養容器50の範囲内において移動する場合、培養容器50の範囲における観察域Rの移動速度は一定であることが望ましい。したがって、ステージ51のX方向への移動開始時にはステージ51が一定の速度になるまで加速する必要があり、ステージ51のX方向への移動終了時には、ステージ51を一定の速度から減速して停止させる必要がある。
また、ステージ51のX方向への移動速度を一定の速度にする場合、加速域をほとんど持たせることなく急速に一定の速度に制御することは可能であるが、このような制御を行った場合、培養容器50に細胞とともに収容された培養液等の液面が揺れてしまい、位相差画像の画質の低下を招く可能性がある。また、ステージ51を停止する際にも同様の問題が発生する可能性がある。
そこで、本実施形態においては、図6に示す範囲R1および範囲R2をステージ51のX方向への移動の加減速域に設定する。このように培養容器50の範囲のX方向の両側に加減速域を設定することによって、観察域Rによる走査範囲を無駄に広げることなく、かつ培養容器50の範囲において観察域Rを一定の速度で移動することができる。さらに、上述したような培養液の液面の揺れも抑制することができる。
次に、図5に戻り、表示制御部23は、顕微鏡装置10によって撮像された各観察域Rの位相差画像を結合することによって、1枚の合成位相差画像を生成し、その合成位相差画像を表示装置30に表示させる。
表示装置30は、上述したように表示制御部23によって生成された合成位相差画像を表示し、例えば液晶ディスプレイ等を備える。また、表示装置30をタッチパネルによって構成し、入力装置40と兼用するようにしてもよい。
入力装置40は、マウスおよびキーボード等を備え、ユーザによる種々の設定入力を受け付ける。本実施形態の入力装置40は、例えば位相差レンズ14aの倍率の変更指示およびステージ51の移動速度の変更指示等の設定入力を受け付ける。
次に、本実施形態の顕微鏡観察システムの作用について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。まず、観察対象である細胞が収容された培養容器50が、ステージ51上に設置される(ステップST10)。次に、ステージ51が移動して結像光学系14の観察域Rが、図6に示す走査開始点Sの位置に設定され、観察域Rによる走査が開始される(ステップST12)。
ここで、本実施形態においては、上述したように各観察域Rについて、先行して培養容器50の位置検出が行われ、その検出位置まで観察域Rが到達した時点において、位相差画像の撮像が行われる。そして、この培養容器50の位置検出と位相差画像の撮像は、観察域Rを移動しながら行われ、ある位置の観察域Rの位相差画像の撮像と、その位置よりも移動方向について前側の位置における培養容器50の位置検出とが並行して行われる。
具体的には、図7の矢印方向に観察域Rが移動している場合には、第1の変位センサ18aによって培養容器50のZ方向の位置が検出され(ステップST14)、その検出された位置情報が、動作制御部21によって取得される。動作制御部21は、取得した培養容器50のZ方向の位置情報に基づいて、フォーカス制御量を算出し(ステップST16)、フォーカス制御量を培養容器50の検出位置のX−Y座標上の位置と対応づけて記憶する(ステップST18)。
次いで、ステップST14において第1の変位センサ18aによって培養容器50の位置検出が行われた位置に向かって観察域Rが移動する(ステップST20)。そして、動作制御部21は、培養容器50の位置検出が行われた位置に観察域Rが到達する直前においてフォーカス制御量を取得し(ステップST22)、フォーカス制御量に基づいてオートフォーカス制御を行う(ステップST24)。すなわち、動作制御部21は、予め記憶された移動量に基づいて動作部15を駆動制御し、結像レンズ14dの焦点距離を変更し、結像レンズ14d、撮像素子16および対物レンズ14bをZ方向に移動させる。そして、オートフォーカス制御後、培養容器50の位置検出が行われた位置に観察域Rが到達した時点において、位相差画像の撮像を行う(ステップST26)。観察域Rの位相差画像は、撮像素子16から表示制御部23に出力されて記憶される。なお、上述したように、ステップST26における観察域Rの位相差画像の撮像が行われている間、上記観察域Rよりも移動方向について前側の位置において培養容器50の位置検出が並行して行われる。
そして、観察域Rが、図6に示す加減速域の範囲R2まで移動し、Y方向に移動した後、X方向について逆方向に移動される場合には(ステップST28;YES)、すなわち、観察域Rの移動方向が、図7の矢印方向から図8の矢印方向に変更された場合には、使用する変位センサを第1の変位センサ18aから第2の変位センサ18bに切り替える(ステップST30)。
そして、全ての走査が終了していない場合には(ステップST32;NO)、再び、観察域RがX方向に移動し、上述した培養容器50の位置検出と位相差画像の撮像が順次行われる(ステップST14〜ステップST30)。
観察域Rが、加減速域の範囲R1またはR2まで移動する度に使用する変位センサが切り替えられ、全ての走査が終了するまでステップST14〜ステップST30までの処理が繰り返して行われる。そして、観察域Rが、図6に示す走査終了点Eの位置に到達した時点において全ての走査が終了する(ステップST32;YES)。
全ての走査が終了した後、表示制御部23は、各観察域Rの位相差画像を結合して合成位相差画像を生成し(ステップST34)、その生成した合成位相差画像を表示装置30に表示させる(ステップST36)。
このように、本実施形態においては、培養容器50が設置されるステージ51および結像光学系14の少なくとも一方を主走査方向および副走査方向に移動させ、かつ上記少なくとも一方を主走査方向について往復移動させる。これにより、上述した特許文献1のような一方向にのみステージ51を移動させて観察域Rによる走査を行う場合と比較すると、観察域Rによる走査時間を短縮することができる。
さらに、本実施形態においては、培養容器50に対する結像光学系14の観察域の位置よりも観察域の移動方向前側の位置における培養容器50の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサ18aおよび18bを用いて検出し、検出した培養容器50の鉛直方向の位置に基づいて、第1から第7の動作部15A〜15Gによりオートフォーカス制御を行うようにした。このため、特許文献1のように撮像された画像のコントラストに基づいてオートフォーカス制御を行う場合と比較すると、高速にオートフォーカス制御を行うことができる。
さらに、本実施形態においては、観察域Rの移動方向の変更に応じて、使用する変位センサを切り替えるようにしたので、観察域を往復移動させる場合においても、常に、画像の撮像に先行して培養容器50の位置の検出を行うことができる。
また、第1の動作、第2の動作、第3の動作および第4の動作のうちの複数の動作を行うことにより、1つの動作のみでオートフォーカス制御を行う場合よりも、高速にオートフォーカスを行うことができる。
さらに、本実施形態においては、対物レンズ14bを光軸方向に移動させる第5の動作を行っているため、1つの動作のみでオートフォーカス制御を行う場合よりも、高速にオートフォーカスを行うことができる。
次に、本発明の第2の実施形態を用いた顕微鏡観察システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図11は、第2の実施形態の顕微鏡観察システムの概略構成を示す図である。第2の実施形態の顕微鏡観察システムは、第1の実施形態の顕微鏡観察システムとは、検出部の構成が異なる。第2の実施形態の顕微鏡観察システムは、その他の構成は、第1の実施形態と同様であるので、以下、第2の実施形態の顕微鏡観察システムの検出部の構成を中心に説明する。
第1の実施形態の検出部18は、2つの変位センサ18aおよび18bを備え、観察域Rの移動方向の変更に応じて使用する変位センサ18aおよび18bを切り替えるようにしたが、第2の実施形態の検出部19は、1つの変位センサ19aを有し、観察域Rの移動方向の変更に応じて、その変位センサ19aの位置を切り替える。
図12および図13は、検出部19の具体的な構成を示す図である。検出部19は、図12および図13に示すように、変位センサ19a、および変位センサ19aを案内してその位置を移動させるガイド機構19bを備えている。
変位センサ19aは、第1の実施形態の第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bと同様に、レーザ変位センサから構成される。
ガイド機構19bは、半円弧状のガイド部材を備え、このガイド部材に沿って変位センサ19aを移動させる。ガイド部材は、結像光学系14を挟んでX方向について一方の側から他方の側に変位センサ19aを移動させる。
図12は、観察域Rの移動方向が、図12の矢印方向(図12の右方向)である場合における変位センサ19aの位置を示す図である。一方、図13は、観察域Rの移動方向が、図13の矢印方向(図13の左方向)である場合における変位センサ19aの位置を示す図である。観察域Rの移動方向が図12の矢印方向から図13に矢印方向に変更された場合には、変位センサ19aは図12に示す位置からガイド機構19bのガイド部材に沿って移動し、図13に示す位置に切り替えられる。
なお、本実施形態においては、変位センサ19aの位置を移動させる変位センサ移動機構として上述したガイド機構19bを設けるようにしたが、変位センサ移動機構の構成としてはこれに限らず、変位センサ19aの位置を同様に変更可能な構成であれば、その他の構成を用いてもよい。
第2の実施形態の顕微鏡観察システムのその他の構成および作用については、第1の実施形態の顕微鏡観察システムと同様である。
なお、上記第1および第2の実施形態においては、動作部15が第1〜第7の動作部15A〜15Gによりオートフォーカス制御を行っているが、第1〜第4の動作部15A〜15Dおよび第6〜第7の動作部15F〜15Gのみを備えてもよい。また、第1〜第4の動作部15A〜15Dおよび第6〜第7の動作部15F〜15Gのうちのいずれか1つのみを用いてオートフォーカス制御を行うようにしてもよい。この場合、さらに第5の動作部15Eを用いてオートフォーカス制御を行うようにしてもよい。また、第1〜第4の動作部15A〜15Dおよび第6〜第7の動作部15F〜15Gのうちのいずれか1つのみを備えてもよい。この場合においても、さらに第5の動作部15Eを備え、第5の動作部15Eをさらに用いてオートフォーカス制御を行うようにしてもよい。また、第1〜第4の動作部15A〜15Dおよび第6〜第7の動作部15F〜15Gのうちの、複数の動作部を用いてオートフォーカス制御を行うようにしてもよい。この場合も、さらに第5の動作部15Eを用いてオートフォーカス制御を行うようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態においては、焦点距離変更光学系70を、結像光学系14と撮像素子16との間に配置しているが、結像光学系14とステージ51との間に配置してもよい。
また、上記第1および第2の実施形態においては、第1の動作部15A、第6の動作部15Fおよび第7の動作部15Gにより、結像光学系14の焦点距離を変更しているが、第1の動作部15A、第6の動作部15Fおよび第7の動作部15Gのうちのいずれか1つまたはいずれか2つのみにより、結像光学系14の焦点距離を変更してもよい。
また、上記第1および第2の実施形態においては、第4の動作部15Dによりステージ51を光軸方向に移動させることにより、培養容器50を光軸方向に移動させている。しかしながら、ステージ51を光軸方向に移動させることに代えて、培養容器50を光軸方向に移動させる機構を設け、培養容器50のみを光軸方向に移動させるようにしてもよい。
また、上記第1および第2の実施形態においては、結像光学系14の焦点距離を変更するための焦点距離変更光学系70として、第1および第2のウェッジプリズム71および72を移動させる光学系を用いている。しかしながら、液体レンズ、液晶レンズおよび形状変形レンズ等の焦点距離を変更可能な光学素子を、焦点距離変更光学系として用いてもよい。例えば、第1および第2のウェッジプリズム71および72を移動させる焦点距離変更光学系70に代えて、図14に示すように、結像光学系14と撮像素子16との間に、焦点距離を変更可能な光学素子からなる焦点距離変更光学系75を配置してもよい。この場合、焦点距離変更光学系75は、第8の動作部15Hにより、印加される電圧が変更されて、焦点距離が変更されることとなる。なお、焦点距離変更光学系75は、結像光学系14とステージ51との間に配置してもよい。また、焦点距離変更光学系75は、焦点距離変更光学系70に加えて配置してもよい。
次に、上述した第1および第2の実施形態の顕微鏡観察システムの変形例について説明する。上記第1および第2の実施形態の顕微鏡観察システムにおいては、検出部18または19によって培養容器50のZ方向の位置を検出し、その検出情報を用いてオートフォーカス制御を行うようにしたが、例えば培養容器50の底部がステージ51の設置面から浮いて設置されている場合または培養容器50の底部が厚い場合等には、結像光学系14と培養容器50の底面との距離が大きくなる。このため、動作部15により対物レンズ14bおよび結像レンズ14dの焦点距離を最大限に調整し、結像レンズ14d、撮像素子16、ステージ51および対物レンズ14bをZ方向に最大限に移動させたとしても、結像光学系14の被写界深度の範囲内に培養容器50の底面の位置が収まらない場合がある。
そこで、上述したオートフォーカス制御によって培養容器50の底面の位置が、結像光学系14の被写界深度の範囲内に必ず収まるように、予めキャリブレーションを行うことが望ましい。
具体的には、例えば第1の実施形態の顕微鏡観察システムにおいて、結像光学系14、動作部15(すなわち、第1〜第7の動作部15A〜15G)、撮像素子16、ステージ51、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bを一体的にZ方向に移動させる鉛直方向移動機構を設けることが望ましい。図15は、第1の実施形態の顕微鏡観察システムに対して鉛直方向移動機構を設けた例を示す図である。図15に示すように、鉛直方向移動機構60は、結像光学系14、動作部15、撮像素子16、ステージ51、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bを一体的に保持する保持部60aと、保持部60aをZ方向に移動させるZ方向駆動部60bとを備える。
保持部60aは、結像光学系14、動作部15、撮像素子16、ステージ51、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bの相対的な位置関係を維持した状態でこれらを保持する。Z方向駆動部60bは、例えば圧電素子等のアクチュエータを備える。なお、鉛直方向移動機構60は、結像光学系14によって結像された位相差画像をそのまま通過させる構成となっている。
そして、上述した位相差画像の撮像の前に、鉛直方向移動機構60を用いて、結像光学系14、動作部15、撮像素子16、ステージ51、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bを一体的にZ方向に移動させることによって、オートフォーカス制御のキャリブレーションが行われる。
キャリブレーションは、具体的には、まず、動作部15を駆動することによって、対物レンズ14bおよび結像レンズ14dの焦点距離を基準焦点距離に設定し、結像レンズ14d、撮像素子16、ステージ51および対物レンズ14bのZ方向の位置を基準位置に設定する。基準焦点距離とは、上述したオートフォーカス制御において基準となる焦点距離であり、対物レンズ14bおよび結像レンズ14dの最大焦点距離と最小焦点距離との中央値となる焦点距離である。また、Z方向の基準位置とは、上述したオートフォーカス制御において基準となる位置であり、結像レンズ14d、撮像素子16、ステージ51および対物レンズ14bのZ方向の移動範囲の中心位置である。なお、キャリブレーションに際しては、焦点距離変更光学系70のZ方向に直交する方向の位置を基準位置に設定しておく。Z方向に直交する方向の基準位置とは、焦点距離変更光学系70を構成する第1および第2のウェッジプリズム71および72のZ方向に直交する方向の移動範囲の中心位置である。
次いで、Z方向駆動部60bにより保持部60aをZ方向に段階的に予め定められた間隔で移動させながら、移動の各位置において結像光学系14によって結像された像を撮像素子16により検出し、各位置の位相差画像を取得する。そして、位相差画像のコントラストが最大となる位置を検出する。位相差画像のコントラストが最大となる位置については、例えば保持部60aを鉛直方向上方に順次移動させた場合に位相差画像のピントが合わなくなった位置と、保持部60aを鉛直方向下方に順次移動させた場合に位相差画像のピントが合わなくなった位置とを検出し、これらの検出位置の中心位置を位相差画像のコントラストが最大となる位置として検出するようにすればよい。なお、この際、対物レンズ14bおよび結像レンズ14dの焦点距離を変更してもよいが、本実施形態においては、対物レンズ14bおよび結像レンズ14dの焦点距離は基準焦点距離に固定した状態でキャリブレーションを行う。
そして、位相差画像のコントラストが最大となる位置を鉛直方向移動機構60の基準位置として設定してキャリブレーションを終了する。キャリブレーションは、例えば培養容器50の底部の重心位置において行うようにすればよいが、培養容器50の底部の複数箇所において行うようにしてもよい。その場合、その複数箇所においてそれぞれ検出された基準位置の平均を最終的な基準位置として設定すればよい。
図16は、第2の実施形態の顕微鏡観察システムに対して鉛直方向移動機構を設けた例を示す図である。図16に示すように、鉛直方向移動機構61は、結像光学系14、動作部15、撮像素子16、ステージ51および検出部19を一体的に保持する保持部61aと、保持部61aをZ方向に移動させるZ方向駆動部61bとを備える。
保持部61aは、結像光学系14、動作部15、撮像素子16、ステージ51および検出部19の変位センサ19aの相対的な位置関係を維持した状態でこれらを保持する。Z方向駆動部61bは、上述したZ方向駆動部60bと同様に、例えば圧電素子等のアクチュエータを備える。
第2の実施形態の顕微鏡観察システムにおけるキャリブレーションの方法については、上述した第1の実施形態の顕微鏡観察システムの場合と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
また、上記第1の実施形態においては、第1の変位センサ18aおよび第2の変位センサ18bを位相差レンズ14aを挟んでX方向に並べて設けているが、さらに図17に示すように、第3の変位センサ18cおよび第4の変位センサ18dを、位相差レンズ14aを挟んでY方向に並べて設けるようにしてもよい。
これにより、観察域Rを往復移動するのみならず、図18に示すように移動することができる。すなわち、図18においては、観察域Rは走査開始点SからX方向の正方向(図18の右方向)に移動された後、Y方向の正方向(図18の下方向)に移動され、次いで、X方向の負方向(図18の左方向)に移動され、さらにY方向の負方向(図18の上方向)に移動される。このように、観察域RのX方向およびY方向の移動を繰り返し行うことによっても、培養容器50内を2次元状に走査することができる。
また、図19に示すように、第2の実施形態における検出部19のガイド機構19bを円形状に形成し、円形状のガイド機構19bに沿って変位センサ19aを移動させるようにしてもよい。これにより、第2の実施形態においても、図18に示すように、観察域Rを2次元状に移動することができる。この場合において、観察域RがX方向の正方向に移動される場合は、変位センサ19aは図12に示す位置に移動され、観察域RがY方向の正方向に移動される場合は、変位センサ19aは図19の実線で示す位置に移動される。また、観察域RがX方向の負方向に移動される場合は、変位センサ19aは図13に示す位置に移動され、観察域RがY方向の負方向に移動される場合は、変位センサ19aは図19の破線で示す位置に移動される。
なお、第2の実施形態においては、検出部19は、1つの変位センサ19aを備えるとしたが、これに限らず、2つ以上の変位センサ19aを備えてもよい。例えば、検出部19が図19に示すような円形状のガイド機構19bと、2つの変位センサ19aを備えており、観察域Rの移動方向に応じて、一方の変位センサ19aが図12に示す位置と図19の実線で示す位置とを移動し、他方の変位センサ19aが図13に示す位置と図19の破線で示す位置とを移動するようにしてもよい。
なお、上記各実施形態においては、ステージ51を移動させることによって観察域Rを移動するようにしたが、これに限らず、ステージ51を固定とし、結像光学系14およびその他の位相差画像の撮像に係る構成を移動させることによって観察域Rを移動して、培養容器50の観察域Rによる走査を行うようにしてもよいし、ステージ51と結像光学系14およびその他の位相差画像の撮像に係る構成との双方を移動させることによって観察域Rによる走査を行うようにしてもよい。
また、上記各実施形態は、本発明を位相差顕微鏡に適用したが、本発明は、位相差顕微鏡に限らず、微分干渉顕微鏡および明視野顕微鏡等のその他の顕微鏡に適用してもよい。
また、上記各実施形態においては、結像光学系14によって結像された位相差画像を撮像素子16によって撮像するようにしたが、撮像素子を設けることなく、結像光学系14によって結像された観察対象の位相差像をユーザが直接観察できるように観察光学系等を設けるようにしてもよい。この場合、観察装置には、第1の動作部15A、第2の動作部15B、第4の動作部15D、および第6〜第7の動作部15F〜15Gのうちの少なくとも1つを設けてオートフォーカス制御を行えばよい。また、この場合、さらに第5の動作部15Eを設けてオートフォーカス制御を行うようにしてもよい。また、焦点距離変更光学系70および第7の動作部15Gに代えて、焦点距離変更光学系75および第8の動作部15Hを設けてオートフォーカス制御を行うようにしてもよい。
以下、本実施形態の作用効果について説明する。
第1の動作、第2の動作、第3の動作および第4の動作のうちの複数の動作を行うことにより、1つの動作のみでオートフォーカス制御を行う場合よりも、高速にオートフォーカスを行うことができる。
対物レンズを光軸方向に移動させる第5の動作を行うことにより、1つの動作のみでオートフォーカス制御を行う場合よりも、高速にオートフォーカスを行うことができる。
10 顕微鏡装置
11 白色光源
12 コンデンサレンズ
13 スリット板
14 結像光学系
14a 位相差レンズ
14b 対物レンズ
14c 位相板
14d 結像レンズ
15 動作部
15A 第1の動作部
15B 第2の動作部
15C 第3の動作部
15D 第4の動作部
15E 第5の動作部
15F 第6の動作部
15G 第7の動作部
15H 第8の動作部
16 撮像素子
17 水平方向駆動部
18 検出部
18a 第1の変位センサ
18b 第2の変位センサ
18c 第3の変位センサ
18d 第4の変位センサ
19 検出部
19a 変位センサ
19b ガイド機構
20 顕微鏡制御装置
21 動作制御部
22 走査制御部
23 表示制御部
30 表示装置
40 入力装置
50 培養容器
51 ステージ
51a 開口
60,61 鉛直方向移動機構
60a,61a 保持部
60b,61b Z方向駆動部
70,75 焦点距離変更光学系
71 第1のウェッジプリズム
72 第2のウェッジプリズム
S 走査開始点
E 走査終了点
L 照明光
M 観察域による走査位置を示す実線
Pd 検出位置
Pr 検出位置Pdに隣接する観察域Rの位置
R 観察域
R1,R2 加減速の範囲
W ウェル

Claims (21)

  1. 観察対象が収容された収容体内の前記観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系と、
    前記結像光学系により結像された前記観察対象の画像を撮像する撮像素子を有する撮像系と、
    前記結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、前記結像レンズを前記結像レンズの光軸方向に移動させる第2の動作、前記撮像素子を前記光軸方向に移動させる第3の動作、および前記収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行う動作部と、
    前記収容体の鉛直方向の位置を検出する少なくとも1つの変位センサを有する検出部と、
    該検出部によって検出された前記収容体の鉛直方向の位置に基づいて、前記動作部を制御する動作制御部と、
    前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方を、水平面内において移動させる水平方向駆動部と、
    該水平方向駆動部を制御して、前記結像光学系の観察域を移動することにより前記収容体を走査する走査制御部とを備え、
    前記検出部が、前記収容体に対する前記結像光学系の観察域の位置よりも該観察域の移動方向前側の位置において前記収容体の鉛直方向の位置を検出し、かつ前記観察域の移動方向の変更に応じて、前記変位センサの位置または使用する前記変位センサを切り替え
    前記水平方向駆動部が、前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方を往復移動させる場合において、前記収容体の範囲の前記往復移動の方向の両側に、前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方の前記往復移動の加減速域が設定されており、該加減速域の前記往復移動の方向の幅が、前記結像光学系および前記変位センサの前記往復移動の方向の間隔と同じである観察装置。
  2. 前記動作部は、前記第1の動作、前記第2の動作、前記第3の動作および前記第4の動作のうちの複数の動作を行う請求項1に記載の観察装置。
  3. 観察対象が収容された収容体内の前記観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系と、
    前記結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、前記結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、および前記収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行う動作部と、
    前記収容体の鉛直方向の位置を検出する少なくとも1つの変位センサを有する検出部と、
    該検出部によって検出された前記収容体の鉛直方向の位置に基づいて、前記動作部を制御する動作制御部と、
    前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方を、水平面内において移動させる水平方向駆動部と、
    該水平方向駆動部を制御して、前記結像光学系の観察域を移動することにより前記収容体を走査する走査制御部とを備え、
    前記検出部が、前記収容体に対する前記結像光学系の観察域の位置よりも該観察域の移動方向前側の位置において前記収容体の鉛直方向の位置を検出し、かつ前記観察域の移動方向の変更に応じて、前記変位センサの位置または使用する前記変位センサを切り替え
    前記水平方向駆動部が、前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方を往復移動させる場合において、前記収容体の範囲の前記往復移動の方向の両側に、前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方の前記往復移動の加減速域が設定されており、該加減速域の前記往復移動の方向の幅が、前記結像光学系および前記変位センサの前記往復移動の方向の間隔と同じである観察装置。
  4. 前記動作部は、前記第1の動作、前記第2の動作および前記第4の動作のうちの複数の動作を行う請求項3に記載の観察装置。
  5. 前記結像光学系は、前記収容体内の前記観察対象の像を結像させる対物レンズをさらに有し、
    前記第1の動作は、前記結像レンズの焦点距離を変更する動作および前記対物レンズの
    焦点距離を変更する動作の少なくとも一方を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の観察装置。
  6. 前記結像光学系の焦点距離を変更する焦点距離変更光学系をさらに備え、
    前記結像光学系は、前記収容体内の前記観察対象の像を結像させる対物レンズをさらに有し、
    前記第1の動作は、前記結像レンズの焦点距離を変更する動作、前記対物レンズの焦点距離を変更する動作、および前記焦点距離変更光学系により、前記結像光学系の焦点距離を変更する動作の少なくとも1つを含む請求項1から4のいずれか1項に記載の観察装置。
  7. 前記動作部は、さらに前記対物レンズを前記光軸方向に移動させる第5の動作を行う請求項5または6に記載の観察装置。
  8. 前記結像光学系の焦点距離を変更する焦点距離変更光学系をさらに備え、
    前記第1の動作は、前記焦点距離変更光学系により、前記結像光学系の焦点距離を変更する動作を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の観察装置。
  9. 前記結像光学系は、前記収容体内の前記観察対象の像を結像させる対物レンズをさらに有し、
    前記動作部は、さらに前記対物レンズを前記光軸方向に移動させる第5の動作を行う請求項1から4および8のいずれか1項に記載の観察装置。
  10. 前記検出部が、前記結像光学系を挟んで前記観察域の移動方向について並べて設けられた少なくとも2つの前記変位センサを有し、前記観察域の移動方向の変更に応じて、使用する前記変位センサを切り替える請求項1から9のいずれか1項に記載の観察装置。
  11. 前記検出部が、前記結像光学系を挟んで前記観察域の移動方向について一方の側と他方の側とに前記変位センサを移動可能な変位センサ移動機構を有し、前記観察域の移動方向の変更に応じて、前記変位センサの位置を前記一方の側から前記他方の側に移動する請求項1から10のいずれか1項に記載の観察装置。
  12. 前記変位センサ移動機構が、前記変位センサを前記一方の側から前記他方の側まで案内するガイド機構を備えた請求項11に記載の観察装置。
  13. 前記動作制御部が、前記検出部によって前記収容体の鉛直方向の位置が検出された後、予め設定された時間が経過した時点において前記動作部を制御する請求項1から12のいずれか1項に記載の観察装置。
  14. 前記動作制御部が、前記検出部によって前記収容体の鉛直方向の位置が検出された後、該検出された位置に前記結像光学系の観察域が到達した時点または前記検出された位置に前記結像光学系の観察域が到達する直前において前記動作部を制御する請求項13に記載の観察装置。
  15. 前記動作制御部が、前記走査制御部によって前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方の移動速度が変更された場合、該変更された後の移動速度に応じて、前記予め設定された時間を変更する請求項13または14に記載の観察装置。
  16. 前記変位センサが、レーザ変位センサである請求項1から15のいずれか1項に記載の観察装置。
  17. 前記結像光学系、前記動作部および前記変位センサを一体的に鉛直方向に移動させる鉛直方向移動機構を備えた請求項1から16いずれか1項に記載の観察装置。
  18. 観察対象が収容された収容体および前記収容体内の前記観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において往復移動させ、前記結像光学系により結像された前記観察対象の画像を撮像素子により撮像する観察方法であって、
    前記収容体に対する前記結像光学系の観察域の位置よりも該観察域の移動方向前側の位置における前記収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出するステップと、
    該検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、前記結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、前記結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、前記撮像素子を前記光軸方向に移動させる第3の動作、および前記収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行うステップと、
    前記観察域の移動方向の変更に応じて、前記変位センサの位置または使用する前記変位センサを切り替えるステップとを有し、
    前記収容体の範囲の前記往復移動の方向の両側に、前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方の前記往復移動の加減速域が設定されており、該加減速域の前記往復移動の方向の幅が、前記結像光学系および前記変位センサの前記往復移動の方向の間隔と同じである観察方法。
  19. 観察対象が収容された収容体および前記収容体内の前記観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において往復移動させ、前記結像光学系により結像された前記観察対象の画像を撮像素子により撮像する手順をコンピュータに実行させる観察装置制御プログラムであって、
    前記収容体に対する前記結像光学系の観察域の位置よりも該観察域の移動方向前側の位置における前記収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出する手順と、
    該検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、前記結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、前記結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、前記撮像素子を前記光軸方向に移動させる第3の動作、および前記収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行う手順と、
    前記観察域の移動方向の変更に応じて、前記変位センサの位置または使用する前記変位センサを切り替える手順とをコンピュータに実行させ
    前記収容体の範囲の前記往復移動の方向の両側に、前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方の前記往復移動の加減速域が設定されており、該加減速域の前記往復移動の方向の幅が、前記結像光学系および前記変位センサの前記往復移動の方向の間隔と同じである観察装置制御プログラム。
  20. 観察対象が収容された収容体および前記収容体内の前記観察対象の像を結像させる結像レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において往復移動させる観察方法であって、
    前記収容体に対する前記結像光学系の観察域の位置よりも該観察域の移動方向前側の位置における前記収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出するステップと、
    該検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、前記結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、前記結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、および前記収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行うステップと、
    前記観察域の移動方向の変更に応じて、前記変位センサの位置または使用する前記変位センサを切り替えるステップとを有し、
    前記収容体の範囲の前記往復移動の方向の両側に、前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方の前記往復移動の加減速域が設定されており、該加減速域の前記往復移動の方向の幅が、前記結像光学系および前記変位センサの前記往復移動の方向の間隔と同じである観察方法。
  21. 観察対象が収容された収容体および前記収容体内の前記観察対象の像を結像させる結像
    レンズを有する結像光学系の少なくとも一方を水平面内において往復移動させる手順をコンピュータに実行させる観察装置制御プログラムであって、
    前記収容体に対する前記結像光学系の観察域の位置よりも該観察域の移動方向前側の位置における前記収容体の鉛直方向の位置を、少なくとも1つの変位センサを用いて検出する手順と、
    該検出した収容体の鉛直方向の位置に基づいて、前記結像光学系の焦点距離を変更する第1の動作、前記結像レンズを光軸方向に移動させる第2の動作、および前記収容体を光軸方向に移動させる第4の動作の少なくとも1つを行う手順と、
    前記観察域の移動方向の変更に応じて、前記変位センサの位置または使用する前記変位センサを切り替える手順とをコンピュータに実行させ
    前記収容体の範囲の前記往復移動の方向の両側に、前記収容体および前記結像光学系の少なくとも一方の前記往復移動の加減速域が設定されており、該加減速域の前記往復移動の方向の幅が、前記結像光学系および前記変位センサの前記往復移動の方向の間隔と同じである観察装置制御プログラム。
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