以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。実施形態としては、1台の室外機に3台の室内機が冷媒配管で並列に接続され、全ての室内機で同時に冷房運転あるいは暖房運転が行える空気調和装置を例に挙げて説明する。尚、本発明は以下の実施形態に限定されることはなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
図1(A)に示すように、本実施形態における空気調和装置1は、1台の室外機2と、室外機2に第1液管8a、第2液管8b、第3液管8c、およびガス管9で並列に接続された3台の室内機5a〜5cを備えている。
上記各構成要素は次のように接続されている。第1液管8aの一端が室外機2の第1液側閉鎖弁27aに接続され、第1液管8aの他端が室内機5aの液管接続部53aに接続されている。第2液管8bの一端が室外機2の第2液側閉鎖弁27bに接続され、第2液管8bの他端が室内機5bの液管接続部53bに接続されている。第3液管8cの一端が室外機2の第3液側閉鎖弁27cに接続され、第3液管8cの他端が室内機5cの液管接続部53cに接続されている。ガス管9の一端は室外機2のガス側閉鎖弁28に接続され、ガス管9の他端は分岐して室内機5a〜5cの各ガス管接続部54a〜54cにそれぞれ接続されている。このように、室外機2と室内機5a〜5cとが第1液管8a、第2液管8b、第3液管8c、およびガス管9で接続されて、空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。
室外機2は、圧縮機21と、四方弁22と、室外熱交換器23と、第1膨張弁24aと、第2膨張弁24bと、第3膨張弁24cと、アキュムレータ25と、室外ファン26と、上述した第1液側閉鎖弁27a、第2液側閉鎖弁27b、第3液側閉鎖弁27c、およびガス側閉鎖弁28と、室外機制御手段200を備えている。そして、室外ファン26および室外機制御手段200を除くこれら各装置が、以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室外機冷媒回路20を構成している。
圧縮機21は、インバータにより回転数が制御される図示しないモータによって駆動されることで運転容量を可変できる能力可変型圧縮機である。圧縮機21の冷媒吐出口と四方弁22のポートaが吐出管41で接続されており、また、圧縮機21の冷媒吸入側とアキュムレータ25の冷媒流出側が吸入管42で接続されている。
四方弁22は、冷媒の流れる方向を切り換えるための弁であり、a、b、c、dの4つのポートを備えている。上述したように、ポートaと圧縮機21の冷媒吐出口が吐出管41で接続されている。ポートbと室外熱交換器23の一方の冷媒出入口が冷媒配管43で接続されている。ポートcとアキュムレータ25の冷媒流入側が冷媒配管46で接続されている。そして、ポートdとガス側閉鎖弁28が室外機ガス管45で接続されている。
室外熱交換器23は、室外ファン26の回転により図示しない吸込口から室外機2の内部に取り込まれた外気と冷媒を熱交換させるものである。上述したように、室外熱交換器23の一方の冷媒出入口と四方弁22のポートbが冷媒配管43で接続されている。また、室外熱交換器23の他方の冷媒出入口と第1液分管44a〜第3液分管44cの各々の一端が室外機液管44で接続されている。室外熱交換器23は、冷媒回路10が冷房サイクルとなる場合は凝縮器として機能し、冷媒回路10が暖房サイクルとなる場合は蒸発器として機能する。
第1膨張弁24aは第1液分管44aに設けられている。第1液分管44aの一端は室外機液管44に接続され、他端は第1液側閉鎖弁27aに接続されている。第2膨張弁24bは第2液分管44bに設けられている。第2液分管44bの一端は室外機液管44に接続され、他端は第2液側閉鎖弁27bに接続されている。第3膨張弁24cは第3液分管44cに設けられている。第3液分管44cの一端は室外機液管44に接続され、他端は第3液側閉鎖弁27cに接続されている。
第1膨張弁24a、第2膨張弁24b、および第3膨張弁24cは、全て室外機制御手段200によりその開度が制御される。第1膨張弁24aの開度を制御することによって、室内機5aに流れる冷媒量が調整される。第2膨張弁24bの開度を制御することによって、室内機5bに流れる冷媒量が調整される。第3膨張弁24cの開度を制御することによって、室内機5cに流れる冷媒量が調整される。第1膨張弁24a、第2膨張弁24b、および第3膨張弁24cは、図示しないパルスモータにより駆動される電子膨張弁であり、パルスモータに与えられるパルス数によって開度が調整される。
アキュムレータ25は、上述したように、冷媒流入側と四方弁22のポートcが冷媒配管46で接続され、冷媒流出側と圧縮機21の冷媒吸入口が吸入管42で接続されている。アキュムレータ25は、流入した冷媒をガス冷媒と液冷媒とに分離し、ガス冷媒のみを吸入管42を介して圧縮機21に吸入させる。
室外ファン26は、室外熱交換器23の近傍に配置される樹脂材で形成されたプロペラファンであり、図示しないファンモータによって室外ファン26が回転することで、室外機2に設けられた図示しない吸込口から室外機2の内部に外気を取り込み、室外熱交換器23を流れる冷媒と熱交換した外気を室外機2に設けられた図示しない吹出口から室外機2の外部へ放出する。
以上説明した構成の他に、室外機2には各種のセンサが設けられている。図1(A)に示すように、吐出管41には、圧縮機21から吐出される冷媒の圧力を検出する高圧センサ31と、圧縮機21から吐出される冷媒の温度を検出する吐出温度センサ33が設けられている。冷媒配管46におけるアキュムレータ25の冷媒流入側近傍には、圧縮機21に吸入される冷媒の圧力を検出する低圧センサ32と、圧縮機21に吸入される冷媒の温度を検出する吸入温度センサ34とが設けられている。
冷媒配管43における室外熱交換器23の近傍には、室外熱交換器23が蒸発器として機能する際に室外熱交換器23から流出する冷媒の温度を検出する熱交出口温度検出手段である冷媒温度センサ35が設けられている。室外機液管44には、室外熱交換器23が蒸発器として機能する際に室外熱交換器23に流入する冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ36が設けられている。そして、室外機2の図示しない吸込口付近には、室外機2の内部に流入する外気の温度、すなわち外気温度を検出する外気温度検出手段である外気温度センサ37が備えられている。
また、室外機2には、室外機制御手段200が備えられている。室外機制御手段200は、室外機2の図示しない電装品箱に格納された制御基板に搭載されており、図1(B)に示すように、CPU210と、記憶部220と、通信部230と、センサ入力部240とを備えている。
記憶部220は、ROMやRAMで構成されており、室外機2の制御プログラムや各種センサからの検出信号に対応した検出値、圧縮機21や室外ファン26の駆動状態、室内機5a〜5cから送信される室内機5a〜5cの運転情報(運転/停止情報や設定温度情報等を含む)等を記憶する。通信部230は、室内機5a〜5cとの通信を行うインターフェイスである。センサ入力部240は、室外機2の各種センサでの検出結果を取り込んでCPU210に出力する。CPU210は、センサ入力部240を介して各種センサでの検出値を定期的(例えば、5分毎)に取り込むとともに、室内機5a〜5cから送信される運転開始/停止信号や運転情報(設定温度や室内温度等)を含んだ運転情報信号が通信部230を介して入力される。CPU210は、これら入力された各種情報に基づいて、第1膨張弁24a〜第3膨張弁24cの開度制御、圧縮機21や室外ファン26の駆動制御を行う。また、図示は省略するが、CPU210は、タイマー計測機能を有している。
次に、3台の室内機5a〜5cについて説明する。3台の室内機5a〜5cは、室内熱交換器51a〜51cと、液管接続部53a〜53cと、ガス管接続部54a〜54cと、室内ファン55a〜55cを備えている。そして、室内ファン55a〜55cを除くこれら各装置が以下で詳述する各冷媒配管で相互に接続されて、冷媒回路10の一部をなす室内機冷媒回路50a〜50cを構成している。
尚、室内機5a〜5cの構成は全て同じであるため、以下の説明では、室内機5aの構成についてのみ説明を行い、その他の室内機5b、5cについては説明を省略する。また、図1(A)では、室内機5aの構成に付与した番号の末尾をaからbおよびcにそれぞれ変更したものが、室外機5aの構成と対応する室内機5b、5cの構成となる。
室内熱交換器51aは、冷媒と、室内ファン55aの回転により室内機5aに備えられた図示しない吸込口から室内機5aの内部に取り込まれた室内空気を熱交換させるものである。室内熱交換器51aの一方の冷媒出入口と液管接続部53aが室内機液管71aで接続されている。室内熱交換器51aの他方の冷媒出入口とガス管接続部54aが室内機ガス管72aで接続されている。尚、液管接続部53aやガス管接続部54aには、各冷媒配管が溶接やフレアナット等によって接続されている。
室内熱交換器51aは、室内機5aが冷房運転を行う場合は蒸発器として機能し、室内機5aが暖房運転を行う場合は凝縮器として機能する。
室内ファン55aは、室内熱交換器51aの近傍に配置される樹脂材で形成されたクロスフローファンであり、図示しないファンモータによって回転することで、図示しない吸込口から室内機5aの内部に室内空気を取り込み、室内熱交換器51aにおいて冷媒と熱交換した室内空気を室内機5aに備えられた図示しない吹出口から室内へ供給する。
以上説明した構成の他に、室内機5aには各種のセンサが設けられている。室内機液管71aには、室内熱交換器51aに流入あるいは室内熱交換器51aから流出する冷媒の温度を検出する液側温度センサ61aが設けられている。室内機ガス管72aには、室内熱交換器51aから流出あるいは室内熱交換器51aに流入する冷媒の温度を検出するガス側温度センサ62aが設けられている。そして、室内機5aの図示しない吸込口付近には、室内機5aの内部に流入する室内空気の温度、すなわち室内温度を検出する室内温度センサ63aが備えられている。
次に、本実施形態の空気調和装置1が暖房運転を行うとき、および、暖房運転中に後述する第1着霜条件あるいは第2着霜条件あるいは第3着霜条件のうちいずれか一つが成立して除霜運転を行うときの各々について、冷媒回路10における冷媒の流れや各部の動作を図1(A)を用いて説明する。以下の説明では、まず、暖房運転時の冷媒回路10における冷媒の流れや各部の動作について説明し、次に第1着霜条件および第2着霜条件および第3着霜条件について詳細に説明した後、除霜運転時の冷媒回路10における冷媒の流れや各部の動作について説明する。
尚、図1(A)において、実線矢印は暖房運転時の冷媒の流れを示し、破線矢印は除霜運転時の冷媒の流れを示している。但し、圧縮機21から四方弁22のポートaまでの冷媒の流れと、四方弁22のポートcから圧縮機21までの冷媒の流れは、暖房運転時と除霜運転時で同じであるため実線矢印のみで示している。また、四方弁22については、暖房運転時の各ポート間の連通状態を実線で示し、除霜運転時の各ポート間の連通状態を破線で示している。
<暖房運転>
室内機5a〜5cが暖房運転を行う場合、つまり、冷媒回路10が暖房サイクルとなる場合は、室外機制御手段200のCPU210は、図1(A)に示すように四方弁22を実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdが連通するように、また、ポートbとポートcが連通するように切り換える。これにより、室外熱交換器23が蒸発器として機能するとともに、室内熱交換器51a〜51cが凝縮器として機能する。そして、CPU210は、圧縮機21および室外ファン26を起動する。
圧縮機21が起動すると、図1(A)に示す実線矢印のように冷媒回路10を冷媒が循環する。すなわち、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管41から四方弁22に流入し、四方弁22から室外機ガス管45を流れガス側閉鎖弁28を介してガス管9に流入する。ガス管9に流入した冷媒は分流し、ガス管接続部54a〜54cを介して室内機5a〜5cに流入する。室内機5a〜5cに流入した冷媒は、室内機ガス管72a〜72cを流れて室内熱交換器51a〜51cに流入し、室内ファン55a〜55cの回転により室内機5a〜5cの内部に取り込まれた室内空気と熱交換を行って凝縮する。このように、室内熱交換器51a〜51cが凝縮器として機能し、室内熱交換器51a〜51cで冷媒と熱交換を行った室内空気が図示しない吹出口から室内に吹き出されることによって、室内機5a〜5cが設置された室内の暖房が行われる。
室内熱交換器51a〜51cから流出した冷媒は室内機液管71a〜71cを流れ、液管接続部53a〜53cを介して第1液管8a〜第3液管8cに流入する。第1液管8a〜第3液管8cに流入した冷媒は、第1液側閉鎖弁27a〜第3液側閉鎖弁27cを介して室外機2に流入し、第1液分管44a〜第3液分管44cを流れる際に第1膨張弁24a〜第3膨張弁24cを通過して減圧される。
各膨張弁で減圧された冷媒は、第1液分管44a〜第3液分管44cから室外機液管44に流入して合流した後、室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外ファン26の回転により室外機2の内部に取り込まれた外気と熱交換を行って蒸発する。室外熱交換器23から冷媒配管43に流出した冷媒は、四方弁22を介して冷媒配管46を流れてアキュムレータ25に流入し、アキュムレータ25でガス冷媒と液冷媒とに分離される。アキュムレータ25から流出したガス冷媒は、吸入管42を流れて圧縮機21に吸入され、再び圧縮される。
<除霜運転>
上記のように空気調和装置1が暖房運転を行っているときに、以下に説明する第1着霜条件あるいは第2着霜条件あるいは第3着霜条件のうちいずれか一方が成立していれば、CPU210は暖房運転を中断して室外熱交換器23を除霜する除霜運転を実行する。
ここで、第1着霜条件とは、室外熱交換器23での着霜量が暖房能力に支障をきたすレベルとなっている恐れがあることを示す条件である。具体的には、暖房運転中に冷媒温度センサ35で検出する温度であり蒸発器として機能している室外熱交換器23の温度を示す熱交出口温度が予め定められた第1閾温度(例えば、−14℃)より低いか否か、あるいは、外気温度センサ37で検出した外気温度と熱交出口温度の温度差が予め定められた所定温度差(例えば、5℃)より大きいか否か、あるいは、暖房運転の継続時間が予め定められた所定継続維持間(例えば、3時間)より長いか否か、のうち少なくとも1つを含む。尚、CPU210は、冷媒温度センサ35で検出した熱交出口温度や外気温度センサ37で検出した外気温度を定期的(例えば、5分毎)にセンサ入力部240を介して取り込み、取り込んだ熱交出口温度や外気温度を時系列で記憶部220に記憶している。
一方、第2着霜条件とは、第1着霜条件や後述する第3着霜条件には含まれないが、室外熱交換器23で部分的に着霜が進行していることを示す条件である。具体的には、外気温度が所定温度(例えば、5℃)より低いか否か、および、空気調和装置1が暖房運転を開始してから、若しくは前回除霜運転が終了してから運転している室内機5a〜5cの台数が増加した回数が所定回数(例えば、30回)以上となったかである。尚、CPU210は、運転している室内機5a〜5cの台数が増加したら記憶部220に回数を記憶している。
一方、第3着霜条件とは、室外熱交換器23での着霜量が暖房能力に支障をきたすレベルまで急速に到達する恐れがあることを示す条件である。具体的には、暖房運転中に熱交出口温度が第1閾温度よりも高い温度であり予め定められた第2閾温度(例えば、−6℃)よりも低いか否か、および、現在の熱交出口温度を前回(5分前)に検出した熱交出口温度から減じて求めた熱交出口温度の低下率が所定低下率(例えば、2℃/5分)より大きいか否か、および、連続する2つの熱交出口温度を記憶する間に運転している室内機5a〜5cの台数が増加したか否かを含む。尚、室内機5a〜5cの運転台数は、前述した記憶部220に記憶されている室内機5a〜5cから送信される室内機5a〜5cの運転情報に含まれる運転/停止情報を、CPU210が参照して把握する。この運転/停止情報は、室内機5a〜5cが運転を開始あるいは停止する度に送信され、これを受信する度にCPU210は記憶部220に記憶している運転/停止情報を更新している。
暖房運転中の外気温度が低くかつ湿度が高い場合は、室外熱交換器23で急激に着霜が進む(短時間で多量の霜が室外熱交換器23に付着する)ことがある。このような場合、上述した第1着霜条件による判断では、室外熱交換器23の温度が急激に低下しているか否かを判断できないため、室外熱交換器23での急激な着霜の進行を検出できない。そこで、定期的に検出した熱交出口温度を用いて熱交出口温度の低下率を算出し、熱交出口温度が第2閾温度よりも低いか否かおよび熱交出口温度の低下率が所定低下率より大きいか否かを見て室外熱交換器23の温度が急激に低下しているか否かを判断すれば、室外熱交換器23で急激に着霜が進行しているか否かを判断することができる。
また、空気調和装置1の暖房運転中に室内機の運転台数が増加すれば、これに応じて圧縮機21の回転数が上昇する。このときの圧縮機の回転数の上昇値は、運転する室内機が1台だけ増加した場合であっても通常の要求能力の変更時(例えば、室内機5a〜5cで設定温度が1℃上げられたとき)と比べて大きくなる。圧縮機21の回転数の上昇値が大きいと圧縮機21の吸入圧力が大きく低下し、これに応じて室外熱交換器23における熱交出口温度も大きく低下する。従って、熱交出口温度の低下率を用いて急激な着霜の進行を検出するときに上述した室内機の運転台数が増加した場合は、本来であれば室外熱交換器23の温度が急激に低下していないにも関わらず熱交出口温度の低下率が大きくなるため、誤って急激に室外熱交換器23で着霜が進行していると判断する恐れがある。
そのため、上述した第3着霜条件として、熱交出口温度が第2閾温度よりも低いか否かおよび熱交出口温度の低下率が所定低下率より大きいか否かに加えて、連続する2つの熱交出口温度を記憶する間に運転している室内機5a〜5cの台数が増加したか否かも見ている。これにより、たとえ熱交出口温度が急激に低下していても、室内機5a〜5cの運転台数が増加、例えば1台増加していれば、運転台数の増加によって圧縮機21の回転数が上昇しこれに起因して熱交出口温度の低下率が所定低下率より大きくなっていても、誤って室外熱交換器23で急激に着霜が進行していると判断して除霜運転を開始することを防いでいる。
ところで、室内機5a〜5cの運転台数の増加が繰り返された場合、室外熱交換器23の入口付近だけ部分的に着霜が進行する恐れがある。すなわち、室内機5a〜5cの運転台数が増えた直後は停止していた室内機およびそれに接続されている配管に分布する冷媒は流れずその場に滞留しており、冷媒がすぐには循環しないため、圧縮機の回転数が上がってから停止していた室内機に滞留していた冷媒が圧縮機に吸入されるまでに時間差が生じる。その結果、圧縮機21の吸入側の圧力(低圧圧力)が一時的に急降下する。この時、蒸発温度も低下する。室外熱交換器温度と外気温度との温度差が大きくなるため、冷媒は室外熱交換器23の流路の中間あたりから過熱され、室外熱交換器23の入口から中間あたりまでが部分的に温度が低下する。これが繰り返されると、室外熱交換器23の入口付近だけ部分的に着霜が進行してしまう。このように着霜が進行する状況となっても、室内機5a〜5cの運転台数が増加しているので上述の第3着霜条件では除霜運転を開始できない。
そこで本発明では、上述した第2着霜条件として、外気温度が所定温度より低いか否か、および、空気調和装置1が暖房運転を開始してから、若しくは前回除霜運転が終了してから運転している室内機5a〜5cの台数が増加した回数が所定回数以上となったかを見ている。これにより、室内機5a〜5cの運転台数が増加した回数が所定回数、例えば30回以上となったら、室内機5a〜5cの運転台数の増加が繰り返されて部分的に着霜が進行していると判断して除霜運転を開始することができる。所定回数は、予め実験等により着霜の進行が確認された回数が設定されるが、外気温度センサ37の検出値および外気湿度センサ38の検出値に応じて変動させてもよい。この場合、室外熱交換器23に着霜し易い条件である高外気温・高外気湿度(絶対湿度が高くなる条件)では回数を少なく、低外気温・低外気湿度では回数を多く設定する。
第1着霜条件あるいは第2着霜条件あるいは第3着霜条件が成立すれば、CPU210は暖房運転を中断して除霜運転を行う。CPU210は、圧縮機21および室外ファン26を停止し、図1(A)に示すように四方弁22を破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbが連通するように、また、ポートcとポートdが連通するように切り換える。これにより、室外熱交換器23が凝縮器として機能するとともに、室内熱交換器51a〜51cが蒸発器として機能する。そして、CPU210は、室外ファン26は停止したままとして圧縮機21を再起動する。
圧縮機21が再起動すると、図1(A)に示す破線矢印のように冷媒回路10を冷媒が循環する。すなわち、圧縮機21から吐出された高圧の冷媒は、吐出管41から四方弁22に流入し、四方弁22から冷媒配管43を流れて室外熱交換器23に流入する。室外熱交換器23に流入した冷媒は、室外熱交換器23に付着した霜を融解し、室外熱交換器23から室外機液管44に流出する。室外機液管44に流入した冷媒は、第1液分管44a〜第3液分管44cに分流し全開とされている第1膨張弁24a〜第3膨張弁24cを通過し、第1液側閉鎖弁27a〜第3液側閉鎖弁27cを介して第1液管8a〜第3液管8cに流入する。
第1液管8a〜第3液管8cから液管接続部53a〜53cを介して室内機5a〜5cに流入した冷媒は、室内機液管71a〜71cを流れて室内熱交換器51a〜51cに流入し室内空気と熱交換を行って蒸発する。尚、除霜運転中は室内ファン55a〜55cは停止している。室内熱交換器51a〜51cから室内機ガス管72a〜72cに流出した冷媒は、ガス管接続部54a〜54cを介してガス管9に流入し、ガス管9を流れてガス側閉鎖弁28を介して室外機2に流入する。室外機2に流入した冷媒は、室外機ガス管45、四方弁22、冷媒配管46を流れてアキュムレータ25に流入し、アキュムレータ25でガス冷媒と液冷媒とに分離される。アキュムレータ25から流出したガス冷媒は、吸入管42を流れて圧縮機21に吸入され、再び圧縮される。
次に、図2に示すフローチャートを用いて、本発明の空気調和装置1が暖房運転を行うときに、CPU210が実行する処理について説明する。図2に示すフローチャートでは、STは処理のステップを表し、これに続く数字はステップ番号を表している。尚、図2では、本発明に関わる処理を中心に説明しており、これ以外の処理、例えば、暖房運転時に使用者が指示した運転条件に応じた制御といった、空気調和装置1に関わる一般的な処理については説明を省略する。また、以下の説明では、外気温度センサ37で検出する外気温度をTo、冷媒温度センサ35で検出する熱交出口温度をTeo、室内機5a〜5cのうち運転している室内機の台数である運転台数をNiとする。さらには、第1着霜条件として、冷媒温度センサ35で検出した熱交出口温度が第1閾温度である−14℃以下であるか否かを判断し、また、第3着霜条件の第2閾温度として−6℃、所定低下率として2℃/5分とする。
CPU210は暖房運転を開始すると、タイマー計測を開始する(ST1)。次に、CPU210は、ST1でタイマー計測を開始してから第1所定時間が経過したか否かを判断する(ST2)。ここで、第1所定時間とは、予め試験等を行って求められ記憶部220に記憶されているものであり、暖房運転を開始してから冷媒回路10における冷媒の温度や圧力が安定するまでに必要な時間(例えば、10分間)である。
第1所定時間が経過していなければ(ST2−No)、CPU210は、ST2に処理を戻す。第1所定時間が経過していれば(ST2−Yes)、CPU210は、タイマーをリセットし(ST3)、外気温度センサ37で検出した外気温度Toと冷媒温度センサ35で検出した熱交出口温度Teoをセンサ入力部240を介して取り込むとともに、記憶部220から現在の室内機5a〜5cの運転台数Niを読み込む(ST4)。CPU210は、ST4の処理を行ったときに、取り込んだ外気温度Toと熱交出口温度Teo、および室内機5a〜5cの運転台数Niを併せて記憶部220に記憶する。
次に、CPU210は、第1着霜条件が成立しているか否かを判断する(ST5)。具体的には、CPU210は、ST4で取り込んで記憶部220に記憶している熱交出口温度Teoを読み出し、熱交出口温度Teoが−14℃以下であるか否かを判断する。
第1着霜条件が成立していれば(ST5−Yes)、つまり、熱交出口温度Teoが外気温度Toより5℃以上低ければ、CPU210は、ST12に処理を進める。第1着霜条件が成立していなければ(ST5−No)、つまり、熱交出口温度Teoが−14℃以下でなければ、CPU210は、タイマー計測を開始し(ST6)、ST6でタイマー計測を開始してから第2所定時間が経過したか否かを判断する(ST7)。ここで、第2所定時間とは、外気温度センサ37で検出した外気温度Toや冷媒温度センサ35で検出した熱交出口温度Teoを取り込む間隔時間であり、ここでは5分間である。
第2所定時間が経過していなければ(ST7−No)、CPU210は、ST7に処理を戻す。第2所定時間が経過していれば(ST7−Yes)、CPU210は、タイマーをリセットし(ST8)、外気温度センサ37で検出した外気温度Toと冷媒温度センサ35で検出した熱交出口温度Teoをセンサ入力部240を介して取り込むとともに、記憶部220から現在の室内機5a〜5cの運転台数Niを読み込む(ST9)。ここでも、CPU210は、取り込んだ外気温度Toと熱交出口温度Teo、および室内機5a〜5cの運転台数Niを併せて記憶部220に記憶する。
次に、CPU210は、第3着霜条件が成立しているか否かを判断する(ST10)。具体的には、CPU210は、ST4およびST9で記憶部220に記憶した熱交出口温度Teoを読み出し、ST9で記憶した熱交出口温度Teoが−6℃以下か否か、かつ、ST9で記憶した熱交出口温度TeoとST4で記憶した熱交出口温度Teoを用いて算出した熱交出口温度の低下率が2℃/5分以上か否か、かつ、ST4およびST9で記憶部220に記憶した室内機5a〜5cの運転台数を比較して室内機5a〜5cの運転台数が増加したか否かを判断している。すなわち、連続する2つの熱交出口温度Teoを記憶する間に室内機5a〜cの運転台数が増加したか否かを判断している。
第3着霜条件が成立していなければ(ST10−No)、つまり、熱交出口温度Teoが−6℃より高いあるいは熱交出口温度の低下率が2℃/5分未満あるいは室内機5a〜5cの運転台数が増加していれば、CPU210は、第2着霜条件が成立しているか否かを判断する(ST11)。具体的には、CPU210は、ST11において、ST9で記憶部220に記憶した外気温度Toが所定値が5℃より低いか否か、かつ、ST4およびST9で記憶部220に記憶した室内機5a〜5cの運転台数を比較して室内機5a〜5cの運転台数が増加した回数が30回以上となったか否かを判断している。尚、室内機5a〜5cの運転台数が増加した回数は、空気調和装置1が暖房運転を開始してから、若しくは前回除霜運転を終了したときを起点として積算され、記憶部220に記憶される。第2着霜条件が成立していなければ(ST11−No)、つまり、室内機5a〜5cの運転台数が増加した回数が30回以上となっていなければ、CPU210は、ST5に処理を戻す。第3着霜条件が成立していれば(ST10−Yes)、つまり、熱交出口温度Teoが−6℃以下および熱交出口温度の低下率が2℃/5分以上および室内機5a〜5cの運転台数が増加していなければ、CPU210は、除霜運転準備処理を実行する(ST12)。同様に、第2着霜条件が成立していれば(ST11−Yes)、つまり、室内機5a〜5cの運転台数が増加した回数が30回以上であれば、室内機5a〜5cの運転台数の増加が繰り返されて部分的に着霜が進行していると判断し、CPU210は、除霜運転準備処理を実行する(ST12)。除霜運転準備処理とは、除霜運転を行うために冷媒回路10を切り替えるときにCPU210が行う処理であり、前述したように、CPU210は、圧縮機21および室外ファン26を停止し、図1(A)に示すように四方弁22を破線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートbが連通するよう、また、ポートcとポートdが連通するよう、切り換える。そして、ST12の処理を終えたCPU210は、圧縮機21を再起動して除霜運転を開始する(ST13)。
次に、CPU210は、除霜運転終了条件が成立したか否かを判断する(ST14)。除霜運転終了条件とは、例えば、除霜運転中に取り込んだ熱交出口温度Teoが10℃以上となった場合や、ST12で除霜運転を開始してから10分以上が経過した場合のように、室外熱交換器23に付着していた霜が全て融解したと考えられる条件である。
除霜運転終了条件が成立していなければ(ST14−No)、CPU210は、ST13に処理を戻して除霜運転を継続する。除霜運転終了条件が成立していれば(ST14−Yes)、CPU210は、暖房運転再開処理を実行する(ST15)。暖房運転再開処理とは、除霜運転から暖房運転に復帰するために冷媒回路10を切り替えるときにCPU210が行う処理であり、CPU210は、圧縮機21を停止した後、図1(A)に示すように四方弁22を実線で示す状態、すなわち、四方弁22のポートaとポートdが連通するよう、また、ポートbとポートcが連通するよう、切り換える。そして、ST14の処理を終えたCPU210は、圧縮機21および室外ファン26を再起動して暖房運転を再開し(ST16)、ST1に処理を戻す。