JP6822019B2 - 魚肉改質剤 - Google Patents
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Description
すなわち、本発明は以下の通りである。
[2]さらにクエン酸三ナトリウム及び/又は酸化カルシウムを含む、[1]記載の剤。
[3]魚肉改質が、魚肉のカード抑制である、[1]又は[2]記載の剤。
[4]トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを含有する、魚肉改質用液体組成物。
[5]さらにクエン酸三ナトリウム及び/又は酸化カルシウムを含有する、[4]記載の液体組成物。
[6]トランスグルタミナーゼの含有量が、液体組成物1gあたり0.0001〜1000Uである、[4]又は[5]記載の液体組成物。
[7]炭酸ナトリウムの含有量が、液体組成物に対し、0.1〜10重量%である、[4]〜[6]のいずれか一つに記載の液体組成物。
[8]魚肉改質が、魚肉のカード抑制である、[4]〜[7]のいずれか一つに記載の液体組成物。
[9]魚肉に、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを接触させることを含む、魚肉改質方法。
[10]魚肉とトランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムとの接触を、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを含む液体組成物に魚肉を浸漬させることによって行う、[9]記載の方法。
[11]魚肉に、クエン酸三ナトリウム及び/又は酸化カルシウムを接触させることをさらに含む、[9]又は[10]記載の方法。
[12]魚肉改質が、魚肉のカード抑制である、[9]〜[11]のいずれか一つに記載の方法。
[13]魚肉に、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを接触させることを含む、魚肉加工食品の製造方法。
[14]魚肉とトランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムとの接触を、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを含む液体組成物に魚肉を浸漬させることによって行う、[13]記載の製造方法。
[15]魚肉に、クエン酸三ナトリウム及び/又は酸化カルシウムを接触させることをさらに含む、[13]又は[14]記載の製造方法。
また本発明によれば、魚肉を改質すること、例えば、魚肉のカードを抑制すること、好ましくは、加熱調理された魚肉の食感を低下させることなくカードを抑制すること、より好ましくは、加熱調理された魚肉の食感を向上させ且つカードを抑制すること等ができる、魚肉改質剤、魚肉改質用液体組成物及び魚肉改質方法を提供できる。
本発明の魚肉改質剤(以下、単に「本発明の剤」と称する場合がある)は、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを含むことを主たる特徴とする。
すなわち、温度37℃、pH6.0のトリス緩衝液中、ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミルグリシン及びヒドロキシルアミンを基質とする反応系で、トランスグルタミナーゼを作用せしめ、生成したヒドロキサム酸をトリクロロ酢酸存在下で鉄錯体を形成させた後、525nmにおける吸光度を測定し、ヒドロキサム酸量を検量線により求め、1分間に1μモルのヒドロキサム酸を生成せしめる酵素量を1ユニット(1U)とする(特開昭64−27471号公報参照)。
本発明の剤に含まれるトランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムが、単独で二つ以上の製剤に含有される場合、本発明の剤に含まれるトランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムの量は、各製剤における含有量を合計して算出される。
本発明の剤に含まれるトランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム及び/又は酸化カルシウムが、単独で又は任意の組み合わせで二つ以上の製剤に含有される場合、本発明の剤に含まれるトランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム及び酸化カルシウムの量は、各製剤における含有量を合計して算出される。
本発明において、魚肉の「カード」とは、魚肉より流出した肉汁が加熱されて生じる白色の凝固物をいう。魚肉のカードは、それ自体見た目が良いものでなく、また魚肉本来の色調を変化させる場合があるため、魚肉の商品価値を低下させる一因となり得る。本発明の剤は、魚肉のカードを抑制し得るため、加熱調理後の魚肉の外観を、カードを抑えて改善することができ、また魚肉本来の好ましい色調にすることができる。魚肉のカードの有無及び程度、並びに、加熱調理後の魚肉の色調は、専門パネルによる官能評価によって評価できる。
また、本発明の剤は、カードを抑制しても、加熱調理された魚肉の食感を低下させることがなく、好ましくは、カードを抑制し且つ加熱調理された魚肉の食感を向上し得る。魚肉は、短い筋繊維が集合した層状構造(筋節)を有するが、本発明によれば、加熱調理された魚肉の筋繊維がばらけやすくなることなく、筋節はほぐれやすくなり得る。筋繊維がばらけることが抑えられることで、加熱調理された魚肉はふっくらとした好ましい食感を有し得、また加熱調理後に冷めてもしっとりとした食感を保持し得る。尚、加熱調理された魚肉は、筋繊維が細かくばらけると、パサついた食感となる傾向がある。加熱調理された魚肉の食感は、専門パネルによる官能評価によって評価できる。本発明において、魚肉の加熱調理方法は特に制限されず、自体公知の方法(例えば、焼成、油ちょう、ボイル、蒸し、過熱水蒸気加熱等)又はこれに準ずる方法で加熱調理すればよい。
本発明の魚肉改質用液体組成物(以下、単に「本発明の液体組成物」と称する場合がある)は、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを含有することを主たる特徴とする。
例えば、本発明の液体組成物は、水に、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウム、あるいは、トランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム及び/又は酸化カルシウムを添加し、適宜撹拌すること等により製造できる。また、本発明の剤を水に添加し、適宜撹拌すること等によっても製造できる。本発明の剤が液状である場合は、これを水で希釈して又はそのまま、本発明の液体組成物として用いることができる。
本発明の魚肉改質方法(以下、単に「本発明の方法」と称する場合がある)は、魚肉に、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを接触させることを含むことを主たる特徴とする。
本発明の魚肉加工食品の製造方法は(以下、単に「本発明の製造方法」と称する場合がある)は、魚肉に、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを接触させることを含むことを主たる特徴とする。
本発明の製造方法において、魚肉とトランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムとの接触は、本発明の方法と同様に実施し得、好ましい態様も同様である。
3%食塩水50重量部に、トランスグルタミナーゼ0.25重量部及び炭酸ナトリウム1重量部を混合及び溶解させた後、そこに厚さ1.5cmにカットした鮭の切り身100重量部を浸漬させ、真空パウチして一晩静置した。一晩静置した鮭の切り身を、5分間の液切りの後、スチームコンベクションオーブンを用いて、180℃で13分間加熱して焼成し、焼き鮭を作製した。原料の一つであるトランスグルタミナーゼには、味の素株式会社製のトランスグルタミナーゼ(商品名:「アクティバ」TG、100U/g)を用いた。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、トランスグルタミナーゼ0.25重量部、炭酸ナトリウム1重量部及び酸化カルシウム0.15重量部を混合及び溶解させたこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、トランスグルタミナーゼ0.25重量部、炭酸ナトリウム1重量部及びクエン酸三ナトリウム2.3重量部を混合及び溶解させたこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、トランスグルタミナーゼ0.25重量部を混合及び溶解させたこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、炭酸ナトリウム1重量部を混合及び溶解させたこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、酸化カルシウム0.15重量部を混合及び溶解させたこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、クエン酸三ナトリウム2.3重量部を混合及び溶解させたこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、トランスグルタミナーゼ0.25重量部及び酸化カルシウム0.15重量部を混合及び溶解させたこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、トランスグルタミナーゼ0.25重量部及びクエン酸三ナトリウム2.3重量部を混合及び溶解させたこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、トランスグルタミナーゼ0.25重量部、酸化カルシウム0.15重量部及びクエン酸三ナトリウム2.3重量部を混合及び溶解させたこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
3%食塩水50重量部に、下表1に示されるように、トランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム及びクエン酸三ナトリウムをいずれも添加しなかったこと以外は実施例1と同様の手順で、焼き鮭を作製した。
<食感>
食感の評価は、実施例1〜3及び比較例1〜7の各焼き鮭を常温(20℃)で5時間静置して放冷した後、4名の専門パネルが各焼き鮭を食して、下記の評価基準に基づいて評点付けし、その平均点を算出することにより行った。
3点:コントロールに比べ、より好ましい
2点:コントロールに比べ、好ましい
1点:コントロールに比べ、やや好ましい
0点:コントロールと同等
−1点:コントロールに比べ、やや好ましくない
−2点:コントロールに比べ、好ましくない
−3点:コントロールに比べ、より好ましくない
外観の評価は、実施例1〜3及び比較例1〜7の各焼き鮭の色調(赤みの強さ)及びカードの量について、4名の専門パネルが目視で、下記の評価基準に基づいて評点付けし、その平均点を算出することにより行った。
[色調(赤み)の評価基準]
3点:コントロールに比べ、より強い
2点:コントロールに比べ、強い
1点:コントロールに比べ、やや強い
0点:コントロールと同等
−1点:コントロールに比べ、やや弱い
−2点:コントロールに比べ、弱い
−3点:コントロールに比べ、より弱い
3点:コントロールに比べ、より少ない
2点:コントロールに比べ、少ない
1点:コントロールに比べ、やや少ない
0点:コントロールと同等
−1点:コントロールに比べ、やや多い
−2点:コントロールに比べ、多い
−3点:コントロールに比べ、より多い
実施例1〜3及び比較例1〜7の各焼き鮭の浸漬歩留り及び焼成歩留りを、それぞれ下記式より算出した。
浸漬歩留り(%)=[液切り後に測定した鮭の切り身の重量]÷[浸漬前に測定した鮭の切り身の重量]×100
焼成歩留り(%)=[焼成後に測定した鮭の切り身の重量]÷[液切り後に測定した鮭の切り身の重量]×100
一方、比較例1及び3〜7の魚肉加工食品は、いずれも外観が改善されず、また比較例2の魚肉加工食品は、外観は改善したが、食感が低下した。
従って、魚肉に、トランスグルタミナーゼ及び炭酸ナトリウムを接触させることや、これらと併せてクエン酸三ナトリウム及び/又は酸化カルシウムを接触させることにより得られる本発明の効果は、トランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム及び酸化カルシウムをそれぞれ単独で用いることや、トランスグルタミナーゼとクエン酸三ナトリウム又は酸化カルシウムとを併用することによっては得られない優れた効果であることが確認された。
また本発明によれば、魚肉を改質すること、例えば、魚肉のカードを抑制すること、好ましくは、加熱調理された魚肉の食感を低下させることなくカードを抑制すること、より好ましくは、加熱調理された魚肉の食感を向上させ且つカードを抑制すること等ができる、魚肉改質剤、魚肉改質用液体組成物及び魚肉改質方法を提供できる。
Claims (15)
- トランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム及び酸化カルシウムを含む、魚肉改質剤。
- さらにクエン酸三ナトリウムを含む、請求項1記載の剤。
- 魚肉改質が、魚肉のカード抑制である、請求項1又は2記載の剤。
- トランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム及び酸化カルシウムを含有する、魚肉改質用液体組成物。
- さらにクエン酸三ナトリウムを含有する、請求項4記載の液体組成物。
- トランスグルタミナーゼの含有量が、液体組成物1gあたり0.0001〜1000Uである、請求項4又は5記載の液体組成物。
- 炭酸ナトリウムの含有量が、液体組成物に対し、0.1〜10重量%である、請求項4〜6のいずれか一項に記載の液体組成物。
- 魚肉改質が、魚肉のカード抑制である、請求項4〜7のいずれか一項に記載の液体組成物。
- 魚肉に、トランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム及び酸化カルシウムを接触させることを含む、魚肉改質方法。
- 魚肉とトランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム及び酸化カルシウムとの接触を、トランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム及び酸化カルシウムを含む液体組成物に魚肉を浸漬させることによって行う、請求項9記載の方法。
- 魚肉に、クエン酸三ナトリウムを接触させることをさらに含む、請求項9又は10記載の方法。
- 魚肉改質が、魚肉のカード抑制である、請求項9〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 魚肉に、トランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム及び酸化カルシウムを接触させることを含む、魚肉加工食品の製造方法。
- 魚肉とトランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム及び酸化カルシウムとの接触を、トランスグルタミナーゼ、炭酸ナトリウム及び酸化カルシウムを含む液体組成物に魚肉を浸漬させることによって行う、請求項13記載の製造方法。
- 魚肉に、クエン酸三ナトリウムを接触させることをさらに含む、請求項13又は14記載の製造方法。
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