JP6831976B2 - ジオポリマー用収縮低減剤及びジオポリマー硬化体 - Google Patents
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Description
GPを構成する上記活性フィラーは、GPの硬化に必要な陽イオンの供給源となるため、構成元素としてSiとAlを多く含むものであることが望ましく、天然物であればメタカオリンなどが使用される。また、活性フィラーとしてフライアッシュ(以下、FAとも称する)や高炉スラグ微粉末(以下、BFSとも称する)、都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末、下水汚泥溶融スラグ微粉末といった廃棄物や副産物も使用することができる。このため、GPは、廃棄物のリサイクルの観点からも、重要な技術と位置づけられる。
またGPは、ポルトランドセメントを用いた従来のコンクリートと比較して、強度発現性、耐火性、アルカリ骨材反応抵抗性、耐硫酸塩抵抗性に優れ、重金属を固定できる等の特徴を有する。
さらに、ショ糖またはクエン酸を添加したフライアッシュベースを用いたジオポリマーモルタルの凝結時間と圧縮強度の変化についての実験的考察が報告されている(非特許文献5)。また、アルカリシリカ溶液に用いる金属水酸化物として水酸化カリウムを使用し、水酸化カリウムの濃度とアルカリシリカ溶液のSiO2/K2Oのモル比等を調整することで、BFSを用いたGPの凝結時間を延長できることが指摘されている(非特許文献6)。
そして現状では、酸化カルシウムの含有量が比較的多い活性フィラーを用いる場合には凝結と強度の発現が非常に早いという特徴、またポルトランドセメントに替わる新たな無機材料として実用化を図るという観点から、上述の文献に示すように、GP研究は圧縮強度(強度発現性)と凝結時間(作業性)の制御(両立)に関してまずは大きな主眼が置かれているといえる。
こうした中、本発明者らの検討において、上述の強度発現性や作業性の観点に加え、GPの収縮特性が従来のセメントコンクリートのそれとは大きく異なることに着目した。例えばGPは、後述するように硬化反応の一態様として考えられているアルミノシリケート源とアルカリ源による縮重合反応の進行に伴い、アルカリシリカ溶液中の水分が系外に排出され、硬化体に大きな体積変化(乾燥収縮)が発生する。一方、GPはアルカリ源の濃度低下や滲出が生じる虞があるため空気中で養生させる必要があるが、7日間の気中(常温)養生後に脱型したGPコンクリートの乾燥収縮によるひずみは(以下、乾燥収縮ひずみという)、従来のセメントコンクリートと比べて遥かに大きく(およそ3〜4倍)、GPの実用化を目指す上で看過できない課題となることを見出した。この乾燥収縮ひずみは、通常、800(μm/m)以上と大きくなると、硬化体にひび割れを発生させる虞があるものの、現状では、GPの乾燥収縮を抑制する手段に関する検証例や報告例は極めて少ない。
また、GPに使用するアルカリシリカ溶液は、収縮低減剤に代表される有機化合物と1液化して保管された状態が続くと、アルカリ溶液の刺激性により収縮低減剤と反応してゲル化が起こることが判明した。その結果、アルカリ溶液と1液化した収縮低減剤を使用することで、GPの硬化反応に悪影響を及ぼし、流動性の低下や圧縮強度の低下などGP硬化体の品質に悪影響を及ぼすことが判明した。
こうした種々の課題を踏まえ、本発明は、アルカリ溶液に対する安定性に優れ、ジオポリマー硬化体の乾燥収縮を抑制できる、新たなジオポリマー用添加剤の提供を課題とするものである。
下記一般式(1)
R1O−(C2H4O)n−R2 (1)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、
nは1乃至20の数を表し、但し、R1及びR2が何れも水素原子を表す場合、nは2乃至20の数を表す。]
で表される構造を有するエーテル系化合物を含むジオポリマー用収縮低減剤に関する。
本発明のジオポリマー用収縮低減剤は、少なくとも一種のアルミノシリケート源、並びに、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源を含む混合物より形成されるジオポリマーに適用される添加剤であることが好ましい。
さらには、前記ジオポリマー形成組成物の硬化体、すなわち前記ジオポリマー用収縮低減剤、少なくとも一種のアルミノシリケート源、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源、及び骨材を含む、ジオポリマー硬化体に関する。
このように乾燥収縮ひずみを抑制することは、GPの実用化を図る上で重要な課題の一つといえるものの、GPの乾燥収縮に関する数少ない報告例(例えば非特許文献7及び非特許文献8)においても、収縮低減のための具体的な手段、例えば収縮低減効果を発揮する成分や構成に関する十分な検討はなされていない。なお、水ガラスとスラグを配合したコンクリート(水スラグコンクリート)において、従来のコンクリート用収縮低減剤を配合した報告例(特許文献3)はあるが、本報告例は初期材齢の乾燥収縮が大きいことに着目したにすぎない。またアルカリ活性剤を添加したアルミノケイ酸塩結合材(アルカリ活性化アルミノケイ酸塩結合材)において、アミン化合物が収縮低減に効果があるとの報告例もあるが(特許文献4及び特許文献5)、グリコールエーテル系化合物についての言及はない。
本発明は、特定のグリコールエーテル系化合物からなる収縮低減剤という構成を採用することにより、GPの凝結段階から発生すると考えられる乾燥収縮を抑制できることを見出しなされたものである。
以下、本発明について詳述する。
本発明のジオポリマー用収縮低減剤は、下記一般式(1)で表される構造を有するエーテル系化合物を含む。
R1O−(C2H4O)n−R2 (1)
上記式(1)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表す。
nは1乃至20の数を表し、但し、R1及びR2がいずれも水素原子である場合にはnは2乃至20の数を表す。
ル基、プロピル基、ブチル基が挙げられ、炭素原子数3以上を有するアルキル基(プロピル基、ブチル基)にあっては、分岐鎖、環状鎖を含んでいてもよい。
中でもR1及びR2は、水素原子又はメチル基であることが好ましい。
またnは、1乃至15の数を表すことが好ましく、1乃至10の数を表すことがより好ましい。R1及びR2が水素原子を表す場合には、nは2乃至15の数を表すことが好ましく、2乃至10の数を表すことがより好ましい。
本発明の上記収縮低減剤を適用するジオポリマーは、前述したように、活性フィラー等のアルミノシリケート源、アルカリシリカ溶液等のアルカリ源、及び骨材などを含む混合物より構成される。
なお、本発明は、前記ジオポリマー用収縮低減剤と、ジオポリマーを構成する前記活性フィラー等のアルミノシリケート源及びアルカリシリカ溶液等のアルカリ源、並びに後述する骨材を含むジオポリマー形成組成物、並びに該ジオポリマー形成組成物の硬化体であるジオポリマー硬化体も対象とする。
本発明の収縮低減剤が対象とするジオポリマーは、例えばアミノシリケート源として、フライアッシュを0乃至100質量%及び高炉スラグ微粉末を100乃至0質量%の割合(合計で100質量%)にて含むものを対象とすることができ、好ましくは少なくとも一種のアルミノシリケート源と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源を含みて構成されるものを対象とすることができる。
上記アルミノシリケート源とは、アルミノシリケート(xM2O・yAl2O3・zSiO2・nH2O、Mはアルカリ金属)を成分として含有する成分を指し、高アルカリ性溶液(アルカリシリカ溶液)との接触により、アルミニウムやケイ素等の陽イオンを溶出し、それらの供給源となる作用を有する。
アルミノシリケート源の好適な例として、1)フライアッシュ、クリンカアッシュ、流動床石炭灰、高炉スラグ微粉末、都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末、赤泥、および下水汚泥焼却灰溶融スラグ微粉末などの産業廃棄物・副産物、2)メタカオリンなどの天然アルミノシリケート鉱物および粘土とその焼物、3)火山灰などを挙げることが出来る。
これらのうち、上記1)の産業廃棄物は、他のアルミノシリケート源と比較して、産地制限がなく、かつ産業廃棄物資源の有効利用にもつながり、特に好適である。
上記アルミノシリケート源には、通常0.01〜60質量%程度のCaOが含まれる。例えばCaO含有量が1〜10質量%程度のアルミノシリケート源としてはフライアッシュやクリンカアッシュが挙げられる。またCaO含有量が10〜60質量%と比較的高いアルミノシリケート源としては、例えば、高炉スラグ微粉末、都市ごみ焼却灰スラグ微粉末、下水汚泥焼却灰スラグ微粉末、CaOに富む流動床石炭灰等が挙げられる。
また都市ごみ焼却灰スラグは、都市ごみを焼却処理する際に生じた灰を高温で溶融・冷却して得られるものであり、高炉スラグ同様、ケイ素、アルミニウムおよびカルシウムなどの酸化物が主成分である。CaOの含有率が15〜45質量%の範囲にあるものが好ましく用いられる。
流動床石炭灰は、加圧流動床石炭ボイラーから発生した灰である。炉内で脱硫する目的で石灰石微粉末を混和して石炭を燃焼させるため、後述するフライアッシュとクリンカアッシュに比べCaOを多く含有することが特徴である。流動床石炭灰は現在のコンクリート混和材用フライアッシュのJIS規格(JIS A 6201)を満足するものではないが、アルカリシリケート源として用いることが可能である。CaOの含有率は、灰の発生場所によって異なるが、20〜55質量%である。
なお、下水汚泥焼却灰溶融スラグは、下水の処理によって発生する汚泥を濃縮・脱水した後、800℃程度で焼却した灰をさらに高温で溶融・冷却して得られるものである。脱水時に添加する凝集剤の種類によって下水汚泥焼却灰は分類され、すなわち、消石灰、塩化第二鉄を添加した石灰系焼却灰と、高分子凝集剤を添加した高分子系焼却灰に分類される。石灰系焼却灰のCaOの含有率は、脱水時の消石灰の添加率により異なるが、一般的に30〜50質量%程度である。一方、高分子系焼却灰のCaOの含有率は10質量%程度以下である。従って、本発明に使用するアルミノシリケート源としては、石灰系焼却灰によるスラグを用いることが好ましい。
またクリンカアッシュは石炭燃焼ボイラー底部で回収される溶結状の石炭灰を粉砕処理したものである。クリンカアッシュ中のCaOの含有率は2〜9質量%程度とされる。
フライアッシュ、クリンカアッシュともに、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)成分が全質量中の70〜90%を占めているため、アルカリシリケート源として有用である。
本発明において、アルカリ源とは、高アルカリ性を示す化合物の水溶液を指し、前記アルミノシリケート源と接触することにより、それらを活性化させ、アルミニウム及びケイ素等の陽イオンを溶出させる作用を有する。
アルカリ源に使用する化合物としては、1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ水酸化物、2)炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ塩、3)ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムなどのアルカリケイ酸塩のほか、これら1)〜3)の組み合わせを好適に用いることが出来る。
また3)アルカリケイ酸塩を用いる場合には、それ自身がジオポリマー形成に預かるケイ酸モノマー(Si(OH)4)の供給源となるため、一層好適である。
これらの観点から、アルカリ供給源の化合物の好ましい例としては、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの併用を挙げることができる。また、工業実施上の経済性(コスト)を損なわない範囲で上記ナトリウム化合物の一部を対応するカリウム化合物にて置き換えることも可能である。
したがって、上記アルカリ源としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムの水溶液が好適に用いられ、特に好ましくはケイ酸ナトリウム水溶液が用いられる。
上記ケイ酸ナトリウム水溶液は、通称“水ガラス”と呼ばれるものであり、市販品が使用できる。化学組成として、SiO2=20〜40%、Na2O=5〜20%を含むものが好ましい。
ジオポリマー形成組成物の製造において、前記活性フィラーとして複数のものを使用する場合には、これらを混合し、アルミノシリケート源を用意する。別途用意したアルカリ源を、アルミノシリケート源に添加して混合し、さらに骨材を添加して混合し、また後述するように本発明の収縮低減剤を加えて、ジオポリマー形成組成物を製造する。
なお本発明は、上記ジオポリマー用収縮低減剤、少なくとも一種のアルミノシリケート源、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源、及び骨材を含む、ジオポリマー硬化体も対象とする。
このようにジオポリマー用収縮低減剤は、アルミノシリケート源とアルカリ源のいずれかと混合して、さらに残りのジオポリマーの使用材料と混合してもよいし、予め混合したアルミノシリケート源とアルカリ源の混合物に添加してもよいが、後者(混合物への添加)のほうが好ましい。また、添加方法として、所要の添加量を一括して添加してもよいし、所要の添加量を分割して加えることもできる。
ジオポリマーの配合設計に関して、アルカリ溶液(アルカリ源:例えば水ガラス+水酸化ナトウリム+水)の総質量とアルミノシリケート源(活性フィラー粉体(B))の総質量の比([アルカリ溶液/B]×100(%))は、構造体や製品に必要とされる強度によって適宜設定可能であるが、作業性を考慮すると、好ましくは40〜65質量%である。
また、アルカリ溶液の構成成分やその割合はジオポリマー(硬化体)の目標凝結時間および強度によって適宜設定可能であるが、例えば水ガラス(WG)の単独使用や水酸化ナトリウムの単独使用、そして水ガラスと水酸化ナトリウムの併用が挙げられ、後者の併用する場合において、[水ガラス(WG)の総質量]/[水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化ナトリウム水溶液(NaOHaq)の総質量]で表される質量比は適宜選択できるが、例えば6/1程度の範囲とすることが好ましい。後者の比率は、水ガラスと水酸化ナトリウム水溶液の体積比で設定することも可能である。
なおジオポリマー用収縮低減剤の配合割合は、収縮低減剤の構成に加え、ジオポリマー形成組成物(ジオポリマーの使用材料)の構成(例えばアルミノシリケート源の構成など)によって種々変化し得るが、一例としてアルミノシリケート源の質量に対して1乃至30質量%、例えば5乃至20質量%にて配合することができる。
また本発明のジオポリマー用収縮低減剤は、特に常温養生硬化体の製造に好適に使用できる。
表1に実施例で使用したジオポリマー用収縮低減剤X1〜X11及び比較用の収縮低減剤Y2〜Y7を示す。
なお、比較例に用いた収縮低減剤のうち、Y2及びY3は特許第4677181号明細書の実施例(実施例24及び比較例13)に開示された収縮低減剤である。
48質量%水酸化ナトリウム水溶液((株)カネカ製、製品名「苛性ソーダ」、35℃での比重:1.504、純分:48%、モル濃度:18.1mol/L)100質量部に対し、イオン交換水60質量部を加えて混合し、30質量%水酸化ナトリウム水溶液(比重:1.33、モル濃度10.0mol/L)を調製した。
なお、上記アルカリ溶液には、ジオポリマー用収縮低減剤は含まれない。
表1のX1〜X11、Y2〜Y7に示す収縮低減剤を、表2に示すGP溶液に対して9質量%(固形分換算)の割合にて混合した。混合後、2時間後に混合物を上方より外観を観察し、以下の基準にて溶液中のゲル化状態を評価した。
・ゲル化状態 評価基準
×:上部外観において完全にゲル化している
△:上部外観において混合物中にゲルが目立って観察される
(混合物の上部表面積におけるゲル化面積の割合が5%以上20%未満)
○:上部外観において混合物中にゲルがわずかに観察される
(混合物の上部表面積におけるゲル化面積の割合が5%未満)
◎:上部外観において混合物中にゲルが全く観察されない
表1に示すジオポリマー用収縮低減剤を、表3及び表9(モルタル)のNo.1〜5の配合に示す、活性フィラーBの質量(g)または都市ゴミ焼却灰溶融スラグ微粉末WSの質量(g)に対して、それぞれ5質量%(固形分換算)の割合となるように計量し、表3及び表9の各配合に示すアルカリ溶液に対して添加し、収縮低減剤含有アルカリ溶液(GP溶液)を調製した(なお、この時各アルカリ溶液に対するジオポリマー用収縮低減剤の割合は9質量%(固形分換算)である)。得られた各配合における収縮低減剤含有アルカリ溶液を、活性フィラーBまたは都市ゴミ焼却灰溶融スラグ微粉末WSに添加し、モルタルを調製した。また各配合において、収縮低減剤を配合しないモルタルも調製した。
なお表3及び表9(モルタル)に示すアルカリ溶液/B(フライアッシュ(FA)または高炉スラグ微粉末(BFS))、アルカリ溶液/WS(都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末)(いずれも質量比、%)は各成分の使用量より算出した値である。
<流動性の測定(モルタルフロー値)>
ジオポリマーモルタルの練り混ぜにはハイパワーミキサー((株)丸東製作所製:CB−34)を用いた。表3及び表9に示す配合No.1〜5において、使用した活性フィラーは、JIS II種のフライアッシュ(FA)と高炉スラグ微粉末4000(BFS)、あるいは都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末(WS)であった。配合No.1〜5に基づき、前記の手順で調製したジオポリマー用収縮低減剤含有アルカリ溶液(あるいは収縮低減剤を含有しないアルカリ溶液)を、所定の活性フィラーに加え、低速(公転62rpm、自転141rpm)で120秒間撹拌した。
低速撹拌終了後、上記ミキサーの運転を停止し、停止してから30秒の間に、細骨材(S)として表3及び表9に示す配合No.1〜5(単位量(g))にてセメント強さ試験用標準砂をミキサーに加え、再度低速で30秒間撹拌し、次いで速やかに60秒間高速(公転125rpm、自転284rpm)で撹拌した。高速撹拌終了後、作製したジオポリマーモルタルをJISフローコーンに充填し、JIS A 1171に準拠し、モルタルの流動性(モルタルフロー)を測定した。
表3及び表9に示す配合No.1〜5で調製したジオポリマーモルタルを、サイズ:φ5cm、高さ10cmのプラスチック製モールドに充填して供試体とし、この供試体の中心に(株)共和電業製埋込型ひずみゲージ(KMC−70−120−H4)を挿入し、上面を食品用ラップフィルム(旭化成ホームプロダクツ(株)製)で覆い、封緘した。供試体封緘後、20℃で1日間養生した後、供試体を脱型した。なお脱型時の材齢を1日とした。以後供試体を、温度20℃、相対湿度60%の条件下にて28日間常温養生を行い(材齢28日)、埋込型ひずみゲージに接続するデータロガー(NTB−100A−120)を用いて、長さ変化の測定を行い、収縮ひずみ(μm/m)を求めた。
また、No.1〜4に示す配合においては、モールドへの充填時の全質量と28日間の常温養生後の上記長さ変化の測定終了時の全質量を測定し、収縮低減剤を添加した場合と未添加の場合の測定値を用いて、下記式により、収縮低減剤を使用したことによる質量減少率を算出した。
ジオポリマーモルタル硬化体の圧縮強度の測定にあたり、上述の<収縮ひずみ、質量減少率測定>で使用したものと同じプラスチック製モールド(φ5cm、高さ10cm)に、上述にて作製したジオポリマーモルタルを充填し、上面を食品用ラップフィルム(旭化成ホームプロダクツ(株)製)で覆い、供試体を封緘した。供試体封緘後、20℃にて1日間養生した後、供試体を脱型した。なお脱型時の材齢を1日とした。その後供試体を、温度20℃、湿度60%にて、28日間常温養生を実施した(材齢28日)。
材齢28日の各供試体について、JIS A 1108の手順に従って圧縮強度を測定した。各実施例または比較例に対し、材齢28日にて各3本の供試体の平均値を圧縮強度(N/mm2)とした。
また、活性フィラーとしてフライアッシュ及び高炉スラグ微粉末を用いて作製したGPモルタルについて実施した、GPモルタルの流動性(モルタルフロー値)、圧縮強度、収縮ひずみおよび質量減少率の試験結果を表5〜表8に示す。さらに、活性フィラーとして都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末を用いて作製したGPモルタルについて実施した流動性(モルタルフロー値)、圧縮強度、並びに収縮ひずみの試験結果を表9に示す。
表4に示すジオポリマー用添加剤を配合したアルカリ溶液のゲル化観察の試験結果(実施例1〜実施例11)に示すように、本発明のジオポリマー用収縮低減剤(X1〜X11)は、比較例の収縮低減剤(Y2〜Y4)を添加した場合(比較例1〜3)と比べ、ゲル化の発生が少なく、アルカリ溶液との相溶性に優れる結果が得られた。
表5〜表8及び表10に示すジオポリマーモルタルの試験結果(実施例12〜実施例57)より、本発明のジオポリマー用収縮低減剤の使用により、収縮低減剤を一切使用しない比較例(比較例7、14、21、28及び36)と比べ、ジオポリマー(硬化体)の収縮ひずみが50%以上低減され、配合によっては収縮ひずみが±100(μm/m)以下と極めて小さな値となる結果が得られた。なお、本発明の収縮低減剤において、使用した化合物におけるエチレンオキシ基の全付加モル数が少なくなるほど、収縮低減効果が高く
なる傾向がみられた。
一方、収縮低減剤Y2〜Y7を使用した比較例は、収縮低減効果が殆ど得られず、配合によっては収縮低減剤を使用しない比較例よりも収縮ひずみが悪化するという結果が得られた。
Claims (4)
- 下記一般式(1)
R1O−(C2H4O)n−R2 (1)
[式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、又は炭素原子数1乃至4のアルキル基を表し、
nは1乃至20の数を表し、但し、R1及びR2が何れも水素原子を表す場合、nは2乃至20の数を表す。]
で表される構造を有するエーテル系化合物を含むジオポリマー用収縮低減剤。 - 少なくとも一種のアルミノシリケート源、並びに、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源を含む混合物より形成されるジオポリマーの添加剤である、請求項1に記載のジオポリマー用収縮低減剤。
- 請求項1又は請求項2に記載のジオポリマー用収縮低減剤、
少なくとも一種のアルミノシリケート源、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源、及び
骨材
を含む、ジオポリマー形成組成物。 - 請求項1又は請求項2に記載のジオポリマー用収縮低減剤、
少なくとも一種のアルミノシリケート源、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源、及び
骨材
を含む、ジオポリマー硬化体。
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