JP6695548B2 - ジオポリマー用収縮低減剤及びジオポリマー硬化体 - Google Patents
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Description
GPを構成する上記活性フィラーは、GPの硬化に必要な陽イオンの供給源となるため、構成元素としてSiとAlを多く含むものであることが望ましく、天然物であればメタカオリンなどが使用される。また、活性フィラーとしてフライアッシュ(以下、FAとも称する)や高炉スラグ微粉末(以下、BFSとも称する)、都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末、下水汚泥溶融スラグ微粉末といった廃棄物や副産物も使用することができる。このため、GPは、廃棄物のリサイクルの観点からも、重要な技術と位置づけられる。
またGPは、ポルトランドセメントを用いた従来のコンクリートと比較して、強度発現性、耐火性、アルカリ骨材反応抵抗性、耐硫酸塩抵抗性に優れ、重金属を固定できる等の特徴を有する。
さらに、ショ糖またはクエン酸を添加したフライアッシュベースを用いたジオポリマーモルタルの凝結時間と圧縮強度の変化についての実験的考察が報告されている(非特許文献5)。また、アルカリシリカ溶液に用いる金属水酸化物として水酸化カリウムを使用し、水酸化カリウムの濃度とアルカリシリカ溶液のSiO2/K2Oのモル比等を調整することで、BFSを用いたGPの凝結時間を延長できることが指摘されている(非特許文献6)。
そして現状では、酸化カルシウムの含有量が比較的多い活性フィラーを用いる場合には凝結と強度の発現が非常に早いという特徴、またポルトランドセメントに替わる新たな無機材料として実用化を図るという観点から、上述の文献に示すように、GP研究は圧縮強度(強度発現性)と凝結時間(作業性)の制御(両立)に関してまずは大きな主眼が置かれているといえる。
こうした中、本発明者らの検討において、上述の強度発現性や作業性の観点に加え、GPの収縮特性が従来のセメントコンクリートのそれとは大きく異なることに着目した。例えばGPは、後述するように硬化反応の一態様として考えられているアルミノシリケート源とアルカリ源による縮重合反応の進行に伴い、アルカリシリカ溶液中の水分が系外に排出され、硬化体に大きな体積変化(乾燥収縮)が発生する。一方、GPはアルカリ源の濃度低下や滲出が生じる虞があるため空気中で養生させる必要があるが、7日間の気中(常温)養生後に脱型したGPコンクリートの乾燥収縮によるひずみ(以下、乾燥収縮ひずみという)は、従来のセメントコンクリートと比べて遥かに大きく(およそ3〜4倍)、GPの実用化を目指す上で看過できない課題となることを見出した。この乾燥収縮ひずみは、通常、800(μm/m)以上と大きくなると、硬化体にひび割れを発生させる虞があるものの、現状では、GPの乾燥収縮を抑制する手段に関する検証例や報告例は極めて少ない。
こうした種々の課題を踏まえ、本発明は、これまで課題とされたジオポリマーの硬化前の流動性保持時間の延長と硬化体の強度発現性の確保のみならず、乾燥収縮を抑制できる硬化体を得られる、新たなジオポリマー用添加剤の提供を課題とするものである。
・化合物(I)
R1−C(=O)−O−(A1O)n1−R2 (1)
(式中、
R1は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
A1Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、
n1はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R2は水素原子、炭素原子数1乃至30のアルキル基、炭素原子数2乃至30のアルケニル基又は−C(=O)−R3基を表し、
R3は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表す。)
・化合物(II)
[HO−C(=O)−]kR4[−C(=O)−O−(A2O)n2−R5]m
(2)
(式中、
R4は炭素原子数1乃至30の(k+m)価の多価カルボン酸から(k+m)個のカルボキシル基を除いた残基、又は単結合を表し、
k及びmは、0≦k≦5、1≦m≦6、2≦k+m≦6の関係を満たす整数を表し
A2Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、
n2はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R5は水素原子、炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表す。)
・化合物(III)
[R7−(OA3)n3−O−]pR6[−O−C(=O)−R8]q (3)
(式中、
R6は炭素原子数2乃至30の(p+q)価の多価アルコールから(p+q)個のヒドロキシ基を除いた残基を表し、
R7は水素原子又は−O−C(=O)−R9基を表し、
OA3は炭素原子数2乃至4の二価のオキシアルキレン基を表し、
n3はオキシアルキレンの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R8は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
R9は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
p及びqは、1≦p≦7、1≦q≦7、2≦p+q≦8の関係を満たす整数を表す。)
・化合物(IV)
[H−(OA4)n4−O−]rR10[−O−(A5O)n5−C(=O)−R11]s (4)
(式中、
R10は炭素原子数2乃至30の(r+s)価の多価アルコールから(r+s)個のヒドロキシ基を除いた残基を表し、
OA4は炭素原子数2乃至4の二価のオキシアルキレン基を表し、
n4はオキシアルキレンの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R11は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
A5Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、
n5はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
r及びsは、0≦r≦7、1≦s≦8、2≦r+s≦8の関係を満たす整数を表す。)
及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源、及び骨材を含む、ジオポリマー形成組成物に関する。
さらには、前記ジオポリマー用混和剤、CaO含有量が1〜60質量%である少なくとも一種のアルミノシリケート源、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源、及び骨材を含む、ジオポリマー硬化体に関する。
このように乾燥収縮ひずみを抑制することは、GPの実用化を図る上で重要な課題の一つといえるものの、GPの乾燥収縮に関する数少ない報告例(例えば非特許文献7及び非特許文献8)においても、収縮低減のための具体的な手段、例えば収縮低減効果を発揮する成分や構成に関する十分な検討はなされていない。なお、水ガラスとスラグを配合したコンクリート(水スラグコンクリート)において、従来のコンクリート用収縮低減剤を配合した報告例(特許文献3)はあるが、本報告例は初期材齢の乾燥収縮が大きいことに着目したにすぎない。またアルカリ活性剤を添加したアルミノケイ酸塩結合材(アルカリ活性化アルミノケイ酸塩結合材)において、アミン化合物が収縮低減に効果があるとの報告例もあるが(特許文献4及び特許文献5)、オキシアルキレン基が付加したエステル系化合物についての言及はない。
本発明は、特定のエステル系化合物を含む収縮低減剤が、特に好ましい態様において更に特定の脂肪族オキシカルボン酸系化合物からなる収縮低減助剤を含む態様である混和剤が、GPの凝結段階から発生すると考えられる乾燥収縮を抑制するとともに、硬化前の作業性確保と硬化体の強度発現性の両立を実現し、さらには硬化体の外観が良好なものとなることを見出しなされたものである。
以下、本発明について詳述する。
本発明のジオポリマー用収縮低減剤は、オキシアルキレン基(アルキレンオキサイド基)を含む特定構造のエステル系化合物からなり、具体的には、下記一般式(1)〜一般式(4)で表される化合物(I)〜化合物(IV)のうち、1種以上を含むものである。
なお、本発明のジオポリマー用収縮低減剤として用いる下記化合物(I)〜化合物(IV)の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、例えばMwが100〜10,000である化合物が好ましく、さらにはMwが100〜5,000である化合物が好適である。なお本明細書において重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算で測定される値をいう。
R1−C(=O)−O−(A1O)n1−R2 (1)
上記一般式(1)中、
R1は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
A1Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、
n1はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R2は水素原子、炭素原子数1乃至30のアルキル基、炭素原子数2乃至30のアルケニル基又は−C(=O)−R3基を表し、
R3は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表す。
[HO−C(=O)−]kR4[−C(=O)−O−(A2O)n2−R5]m
(2)
上記一般式(2)中、
R4は炭素原子数1乃至30の(k+m)価の多価カルボン酸から(k+m)個のカルボキシル基を除いた残基、又は単結合を表し、
k及びmは、0≦k≦5、1≦m≦6、2≦k+m≦6の関係を満たす整数を表し
A2Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、
n2はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R5は水素原子、炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表す。
[R7−(OA3)n3−O−]pR6[−O−C(=O)−R8]q (3)
上記一般式(3)中、
R6は炭素原子数2乃至30の(p+q)価の多価アルコールから(p+q)個のヒドロキシ基を除いた残基を表し、
R7は水素原子又は−O−C(=O)−R9基を表し、
OA3は炭素原子数2乃至4の二価のオキシアルキレン基を表し、
n3はオキシアルキレンの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R8は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
R9は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
p及びqは、1≦p≦7、1≦q≦7、2≦p+q≦8の関係を満たす整数を表す。
[H−(OA4)n4−O−]rR10[−O−(A5O)n5−C(=O)−R11]s (4)
上記一般式(4)中、
R10は炭素原子数2乃至30の(r+s)価の多価アルコールから(r+s)個のヒドロキシ基を除いた残基を表し、
OA4は炭素原子数2乃至4の二価のオキシアルキレン基を表し、
n4はオキシアルキレンの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R11は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
A5Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、
n5はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
r及びsは、0≦r≦7、1≦s≦8、2≦r+s≦8の関係を満たす整数を表す。
またR1、R2、R3、R5、R8、R9、R11における炭素原子数2乃至30のアルケニル基としては、エタニル基、プロパニル基、ブタニル基、ペンタニル基、ヘキサニル基、ヘプタニル基、オクタニル基、ノナニル基、デカニル基、ウンデカニル基、ドデカニル基、トリデカニル基、テトラデカニル基、ペンタデカニル基、ヘキサデカニル基、ヘプタデカニル基、オクタデカニル基、ノナデカニル基、エイコサニル基、ヘンエイコサニル基、ドコサニル基、トリコサニル基、テトラコサニル基、ペンタコサニル基、ヘキサコサニル基、ヘプタコサニル基、オクタコサニル基、ノナコサニル基、トリアコンタニル基が挙げられ、炭素原子数3以上を有するアルケニル基(すなわち上記したエタニル基を除き、プロパニル基以降に記載した基)にあっては、分岐鎖、環状鎖を含んでいてもよい。
OA3、OA4における炭素原子数2乃至4の二価のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が挙げられる。
なお、n1、n2、n5が2以上の場合、A1O、A2O、A5Oはそれぞれ同一種のアルキレンオキサイド基から構成されていても、2種以上のアルキレンオキサイド基から構成されていてもよく、後者の場合、種類の異なるアルキレンオキシド基はブロック付加であってもランダム付加であってもよい。
またn3、n4が2以上の場合、OA3、OA4はそれぞれ同一種のオキシアルキレン基から構成されていても、2種以上のオキシアルキレン基から構成されていてもよく、後者の場合、種類の異なるオキシアルキレン基はブロック付加であってもランダム付加であってもよい。
上記(k+m)価の多価カルボン酸とは、具体的には2乃至6個のカルボキシル基を有する化合物であり、脂肪族ポリカルボン酸(マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、グルタル酸、アゼライン酸);芳香族ポリカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸);脂環式ポリカルボン酸(シクロヘキサン1,4−ジカルボン酸等)が挙げられる。またR4が単結合の場合、シュウ酸が挙げられる。これらのうちより好ましくは、炭素原子数2乃至12の脂肪族ポリカルボン酸であり、より好ましくはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸である。
またR4において、炭素原子数1乃至30の多価カルボン酸から(k+m)個のカルボ
キシル基を除いた残基としては、例えば炭素原子数1乃至30の(k+m)価の炭化水素基が挙げられる。
上記(p+q)価の多価アルコール、(r+s)価の多価アルコールとは、具体的には2乃至8個のヒドロキシ基を有する化合物であり、例えば2価アルコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールおよびヘキサンジオール);3〜5価の多価アルコール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビタンおよびジグリセリン);糖類及びその誘導体(ショ糖、グルコース、フルクトースおよびメチルグリコシド等)が挙げられる。このうち、好ましくは3〜5価の多価アルコールと糖類が用いられ、より好ましくはソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びショ糖である。
またR7において炭素原子数2乃至30の多価アルコールから(p+q)個のヒドロキシ基を除いた残基、R10において炭素原子数2乃至30の多価アルコールから(r+s)個のヒドロキシ基を除いた残基としては、例えば炭素原子数2乃至30の(p+q)価の炭化水素基、炭素原子数2乃至30の(r+s)価の炭化水素基が挙げられ、これら炭化水素基はエーテル結合を含んでいてもよい。
上記炭素原子数1乃至30のアルカンとしては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘンエイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘプタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコンタン等であり、これらは直鎖状、分岐状、環状、それらの組み合わせであってもよい。
また上記炭素原子数2乃至30のアルケンとしては、エテン、プロペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセン、ウンデセン、ドデセン、トリデセン、テトラデセン、ペンタデセン、ヘキサデセン、オクタデセン、ノナデセン、エイコセン、ヘンエイコセン、ドコセン、トリコセン、テトラコセン、ペンタコセン、ヘキサコセン、ヘプタコセン、オクタコセン、ノナコセン、トリアコンテン等であり、これらは直鎖状、分岐状、環状、それらの組み合わせであってもよい。
また好ましい態様において、A1Oはエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基が挙げられる。
n1は、好ましい態様において1乃至100の数を表し、より好ましい態様において1乃至50の数を表す。
化合物(II)における好ましい態様において、R4は炭素原子数2乃至10の(k+m)価の多価カルボン酸から(k+m)個のカルボキシル基を除いた残基が挙げられ、すなわち前記残基としては、炭素原子数2乃至10の(k+m)価の炭化水素基(これらは直鎖、分岐鎖、又は環状鎖、或いはそれらの組み合わせを含んでいてもよい)が挙げられる。
またR5は、好ましい態様において、炭素原子数1乃至10のアルキル基(直鎖、分岐鎖、又は環状鎖、或いはそれらの組み合わせを含んでいてもよい)を表す。
また好ましい態様において、A2Oはエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基が挙げられる。
n2は、好ましい態様において1乃至100の数を表し、より好ましい態様において1乃至50の数を表す。
そしてkは好ましい態様において0又は1を表し、mは、好ましい態様において1又は2を表す。
そしてp及びqは、好ましい態様において、1≦p≦4、1≦q≦4、2≦p+q≦6の関係を満たす整数を表す。
R7は好ましい態様において水素原子を表す。
R8は、好ましい態様において、炭素原子数1乃至18のアルキル基及び炭素原子数2乃至18のアルケニル基(これらは直鎖、分岐鎖、又は環状鎖、或いはそれらの組み合わせを含んでいてもよい)が挙げられ、特に好ましい態様において、炭素原子数10乃至18のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。
また、好ましい態様において、OA3はオキシエチレン基、オキシプロピレン基が挙げられる。
n3は、好ましい態様において1乃至100の数を表し、より好ましい態様において1乃至80、例えば5乃至80の数を表す。
そしてr及びsは、好ましい態様において、1≦r≦4、1≦s≦4、2≦r+s≦6の関係を満たす整数を表す。
R11は、好ましい態様において、炭素原子数1乃至18のアルキル基及び炭素原子数2乃至18のアルケニル基(これらは直鎖、分岐鎖、又は環状鎖、或いはそれらの組み合わせを含んでいてもよい)が挙げられ、特に好ましい態様において、炭素原子数10乃至18のアルキル基又はアルケニル基が挙げられる。
また、好ましい態様において、OA4はオキシエチレン基、オキシプロピレン基が挙げられ、n4は、好ましい態様において1乃至100の数を表し、より好ましい態様において1乃至80の数を表す。
そして好ましい態様において、A5Oはエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基が挙げられ、n5は、好ましい態様において1乃至100の数を表し、より好ましい態様において1乃至80の数を表す。
なお例えば、好ましい態様において、n4+n5は20乃至80の数を表す。
なお、一般式(3)で表される化合物(III)は、多価アルコールにおける一部のヒドロキシ基を、式R8−COOHで表されるカルボン酸(R8は前述に定義した通りの意味を表す)でエステル化した後、更に炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドを付加させることにより製造可能である(例えば特許第3840654号公報を参照)。
また一般式(4)で表される化合物(IV)は、多価アルコールに対し、炭素原子数2乃至4のアルキレンオキサイドを付加させた後、得られた化合物の活性水素原子に対して、式R11−COOHで表されるカルボン酸(R11は前述に定義した通りの意味を表す)を反応させ、エステル化することにより製造可能である(例えば特開平4−240266号公報を参照)。
《エーテル系化合物》
R12−O−(A6O)n6−R13 (6)
上記一般式(6)中、R12及びR13は、それぞれ独立して、水素原子、炭素原子数1乃至30のアルキル基、炭素原子数2乃至30のアルケニル基、(メタ)アクリロイル基、又は炭素原子数6乃至22の一価の芳香族炭化水素基を表す。
A6Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、n6はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表す。
上記(メタ)アクリロイル基は、メタクリロイル基、アクリロイル基が挙げられる。
上記炭素原子数6乃至22の一価の芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、クリセン、ピレン、ペリレン等の芳香環を有する一価の基が挙げられる。該一価の芳香族炭化水素基は、置換基を含んでいてもよく、該置換基としてはハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、前記ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素原子数1乃至22の一価の炭化水素基(前記R1等において例示するアルキル基及びアルケニル基のうち炭素原子数が1乃至22の基等)を挙げることができる。
またA6Oにおける炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基としては、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基が挙げられる(なお、結合の構造上OA(オキシアルキレン基)となっている場合も含め、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基ともいう場合がある)。なおn6が2以上の場合、A6Oは同一種のアルキレンオキサイド基から構成されていても、2種以上のアルキレンオキサイド基から構成されていてもよく、後者の場合、種類の異なるアルキレンオキシド基はブロック付加であってもランダム付加であってもよい。
また好ましい態様において、A6Oはエチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基を表し、n6は1乃至20の数を表す。
本発明のジオポリマー用収縮低減剤は、さらにジオポリマー用収縮低減助剤を組み合わせ、ジオポリマー用混和剤の態様とすることができる。
本発明のジオポリマー用混和剤に使用する上記収縮低減助剤は、本発明の収縮低減剤による収縮低減効果をより一層高める働きを有するものであれば特に限定されずに使用され得、一例として凝結遅延効果を発揮する添加剤を用いることができる。
本発明のジオポリマー用混和剤は、本発明の収縮低減剤と収縮低減助剤を含む形態、本発明の収縮低減剤と収縮低減助剤以外に公知の混和剤を配合した形態、ジオポリマー(硬化体)製造時に、本発明のジオポリマー用混和剤における収縮低減剤と収縮低減助剤、所望により公知の混和剤を別々に(或いは少なくとも二種を組み合わせて)添加し、最終的にジオポリマー中で混合される形態の何れをも含む。
本発明のジオポリマー用混和剤に配合される収縮低減助剤としては、上述の通り特に限定されないが、本発明においては、前記収縮低減効果をより一層高め得る観点から、好ましい収縮低減助剤として、特定の水酸基価及び酸価、並びに特定の水酸基価/酸価を有する1種以上の脂肪族オキシカルボン酸の塩を用いることが好ましい。
上記収縮低減助剤において、上記脂肪族オキシカルボン酸としては、水酸基価が250〜1500mgKOH/g、かつ酸価が250〜950mgKOH/gであり、またその水酸基価と酸価の比である水酸基価/酸価が0.40以上5.00未満であるものを使用する。上記水酸基価/酸価は、好ましくは0.50以上4.00以下であり、より好ましくは1.00以上4.00以下であることが望ましい。
なお、脂肪族オキシカルボン酸を2種以上使用する場合、上記水酸基価と酸価の比は、使用する複数の脂肪族オキシカルボン酸の質量荷重平均した水酸基価/同質量荷重平均した酸価として算出される。また、複数種を組み合わせて使用した場合に質量荷重平均した水酸基価/酸価の値が上記数値範囲内(0.40以上5.00未満)にあるものであれば、脂肪族オキシカルボン酸1種のみでは上記水酸基価と酸価の比が上記数値範囲を外れるものであっても使用することができる。
また二種以上を組み合わせて使用する場合には、少なくとも一方を酒石酸とすることにより、硬化体の外観における白華の発生を抑制でき、好ましい表面外観を得られるために好ましい。二種以上を組み合わせて使用する場合の好ましい組み合わせとしては、例えば酒石酸とリンゴ酸、酒石酸とグルコン酸等が挙げられる。
本発明の上記収縮低減剤、並びに上記収縮低減剤と収縮低減助剤を含む混和剤を適用するジオポリマーは、前述したように、活性フィラー等のアルミノシリケート源、アルカリシリカ溶液等のアルカリ源、及び骨材などを含む混合物より構成される。
なお、本発明は、前記ジオポリマー用収縮低減剤(又はジオポリマー用混和剤)と、ジオポリマーを構成する前記活性フィラー等のアルミノシリケート源及びアルカリシリカ溶液等のアルカリ源、並びに後述する骨材を含むジオポリマー形成組成物、並びに該ジオポリマー形成組成物の硬化体であるジオポリマー硬化体も対象とする。
本発明の収縮低減剤(又はジオポリマー用混和剤)が対象とするジオポリマーは、例えばアミノシリケート源として、フライアッシュを0乃至100質量%及び高炉スラグ微粉末を100乃至0質量%の割合(合計で100質量%)にて含むものを対象とすることができ、好ましくはCaO含有量が1〜60質量%である少なくとも一種のアルミノシリケート源と、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源を含みて構成されるものを対象とすることができる。
上記アルミノシリケート源とは、アルミノシリケート(xM2O・yAl2O3・zSiO2・nH2O、Mはアルカリ金属)を成分として含有する成分を指し、高アルカリ性溶液(アルカリシリカ溶液)との接触により、アルミニウムやケイ素等の陽イオンを溶出し、それらの供給源となる作用を有する。
アルミノシリケート源の好適な例として、1)フライアッシュ、クリンカアッシュ、流動床石炭灰、高炉スラグ微粉末、都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末、赤泥、および下水汚泥焼却灰溶融スラグ微粉末などの産業廃棄物・副産物、2)メタカオリンなどの天然アルミノシリケート鉱物および粘土とその焼物、3)火山灰などを挙げることが出来る。
これらのうち、上記1)の産業廃棄物は、他のアルミノシリケート源と比較して、産地制限がなく、かつ産業廃棄物資源の有効利用にもつながり、特に好適である。
本発明では、上記アルミノシリケート源として、CaO含有量が1〜60質量%であるものを少なくとも一種用いることが好ましい。例えばCaO含有量が1〜10質量%程度のアルミノシリケート源としてはフライアッシュやクリンカアッシュが挙げられる。またCaO含有量が10〜60質量%と比較的高いアルミノシリケート源としては、例えば、高炉スラグ微粉末、都市ごみ焼却灰スラグ微粉末、下水汚泥焼却灰スラグ微粉末、CaOに富む流動床石炭灰等が挙げられる。本発明の好ましい態様の一つとして、上記CaO含
有量の比較的高いアルミノシリケート源の少なくとも一種とフライアッシュを混合使用すること、特に高炉スラグ微粉末とフライアッシュを混合使用する態様が挙げられる。
また都市ごみ焼却灰スラグは、都市ごみを焼却処理する際に生じた灰を高温で溶融・冷却して得られるものであり、高炉スラグ同様、ケイ素、アルミニウムおよびカルシウムなどの酸化物が主成分である。CaOの含有率が15〜45質量%の範囲にあるものが好ましく用いられる。
流動床石炭灰は、加圧流動床石炭ボイラーから発生した灰である。炉内で脱硫する目的で石灰石微粉末を混和して石炭を燃焼させるため、後述するフライアッシュとクリンカアッシュに比べCaOを多く含有することが特徴である。流動床石炭灰は現在のコンクリート混和剤用フライアッシュのJIS規格(JIS A 6201)を満足するものではないが、アルカリシリケート源として用いることが可能である。CaOの含有率は、灰の発生場所によって異なるが、20〜55質量%である。
なお、下水汚泥焼却灰溶融スラグは、下水の処理によって発生する汚泥を濃縮・脱水した後、800℃程度で焼却した灰をさらに高温で溶融・冷却して得られるものである。脱水時に添加する凝集剤の種類によって下水汚泥焼却灰は分類され、すなわち、消石灰、塩化第二鉄を添加した石灰系焼却灰と、高分子凝集剤を添加した高分子系焼却灰に分類される。石灰系焼却灰のCaOの含有率は、脱水時の消石灰の添加率により異なるが、一般的に30〜50質量%程度である。一方、高分子系焼却灰のCaOの含有率は10質量%程度以下である。従って、本発明に使用するアルミノシリケート源としては、石灰系焼却灰によるスラグを用いることが好ましい。
またクリンカアッシュは石炭燃焼ボイラー底部で回収される溶結状の石炭灰を粉砕処理したものである。クリンカアッシュ中のCaOの含有率は2〜9質量%程度とされる。
フライアッシュ、クリンカアッシュともに、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)成分が全質量中の70〜90%を占めているため、アルカリシリケート源として有用である。
当該活性フィラー中における上記のCaO含有量の高いアルミノシリケート源の配合割合は活性フィラーの全質量に対して1質量%から100質量%であり、好ましくは10質量%から100質量%であり、さらに好ましくは20質量%以上である。
2種以上の活性フィラーを用いる場合、活性フィラー全体のうち、CaOが占める割合は1〜60質量%、好ましくは10質量%〜60質量%である。上記のCaO含有量が高い微粉末や灰の割合を変更することによってCaOの含有量を調整することができる。
本発明において、アルカリ源とは、高アルカリ性を示す化合物の水溶液を指し、前記アルミノシリケート源と接触することにより、それらを活性化させ、アルミニウム及びケイ素等の陽イオンを溶出させる作用を有する。
アルカリ源に使用する化合物としては、1)水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ水酸化物、2)炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸アルカリ塩、3)ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸リチウムなどのアルカリケイ酸塩のほか、これら1)〜3)の組み合わせを好適に用いることが出来る。
また3)アルカリケイ酸塩を用いる場合には、それ自身がジオポリマー形成に預かるケイ酸モノマー(Si(OH)4)の供給源となるため、一層好適である。
これらの観点から、アルカリ供給源の化合物の好ましい例としては、ケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウムと水酸化ナトリウムの併用を挙げることができる。また、工業実施上の経済性(コスト)を損なわない範囲で上記ナトリウム化合物の一部を対応するカリウム化合物にて置き換えることも可能である。
したがって、上記アルカリ源としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムの水溶液が好適に用いられ、特に好ましくはケイ酸ナトリウム水溶液が用いられる。
上記ケイ酸ナトリウム水溶液は、通称“水ガラス”と呼ばれるものであり、市販品が使用できる。化学組成として、SiO2=20〜40%、Na2O=5〜20%を含むものが好ましい。
なお、本発明において、アルカリ源として水ガラスを使用する場合、好ましい態様においてSiO2とNa2Oのモル比:SiO2/Na2Oが2.1以上である場合には、廃棄物の大量利用の観点から、前記活性フィラーにおける高炉スラグ微粉末の割合(質量)を50%未満とすることが好ましい。
使用するアルカリ水溶液の濃度は、好ましくは20〜50質量%の範囲である。
ジオポリマー形成組成物の製造において、前記活性フィラーとして複数のものを使用する場合には、これらを混合し、アルミノシリケート源を用意する。別途用意したアルカリ源を、アルミノシリケート源に添加して混合し、さらに骨材を添加して混合し、また後述するように本発明の収縮低減剤(又はジオポリマー用混和剤)を加えて、ジオポリマー形成組成物を製造する。
なお本発明は、上記収縮低減剤及び収縮低減助剤を含む前述のジオポリマー用混和剤、CaO含有量が1〜60質量%である少なくとも一種のアルミノシリケート源、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源、及び骨材を含む、ジオポリマー硬化体も対象とする。
意する際に一緒に添加してもよく、また、アルカリ源、アルミノシリケート源及び骨材を練り混ぜた後に添加し、均一に混合してもよい。またジオポリマー用収縮低減剤(又はジオポリマー用混和剤)を水溶液として使用することも、固体として使用することも可能である。アルミノシリケート源と、ジオポリマー用収縮低減剤(又はジオポリマー用混和剤)および/または収縮低減剤(又は混和剤)の水溶液を予め混合したものを用いてジオポリマー形成組成物を製造することも可能である。
このようにジオポリマー用収縮低減剤(又はジオポリマー用混和剤)は、アルミノシリケート源とアルカリ源のいずれかと混合して、さらに残りのジオポリマーの使用材料と混合しても、予め混合したアルミノシリケート源とアルカリ源の混合物に添加してもよいが、後者(混合物への添加)のほうが好ましい。また、添加方法として、所要の添加量を一括でして添加してもよいし、所要の添加量を分割して加えることもできる。また例えば、収縮低減助剤を含む場合(混和剤の場合)には、収縮低減剤を先に添加して練り混ぜ、後に収縮低減助剤やその他の混和剤成分を加えてもよい。
ジオポリマーの配合設計について、アルカリ溶液(アルカリ源:例えば水ガラス+水酸化ナトウリム+水)の総質量とアルミノシリケート源(活性フィラー粉体(B))の総質量の比([アルカリ溶液/B]×100(%))は、構造体や製品に必要とされる強度によって適宜設定可能であるが、作業性を考慮すると、好ましくは40〜65質量%である。
また、アルカリ溶液の構成成分の割合、例えば[水ガラス(WG)の総質量]/[水酸化ナトリウム(NaOH)又は水酸化ナトリウム水溶液(NaOHaq)の総質量]で表される質量比は、ジオポリマー(硬化体)の目標凝結時間および強度によって適宜設定可能であるが、好ましくは1.0〜4.0の範囲である。この比率は、水ガラスと水酸化ナトリウム水溶液の体積比で設定することも可能である。
なおジオポリマー用収縮低減剤の配合割合は収縮低減剤の構成に加え、ジオポリマー形成組成物(ジオポリマーの使用材料)の構成(例えばアルミノシリケート源の構成など)によって種々変化し得るが、一例としてアルミノシリケート源の質量に対して1乃至30質量%、例えば5乃至20質量%にて配合することができる。またジオポリマー用混和剤とした場合の配合割合も、同様に上記数値範囲内で適宜設定できる。
表1及び表2に実施例で収縮低減剤として使用した化合物(エステル系化合物及びエーテル系化合物)X1〜X13及び比較用の収縮低減剤Y2〜Y4を示す。
なお、比較例に用いた収縮低減剤のうち、Y4は特許第4677181号明細書の実施例(実施例)に開示された収縮低減剤である。
なお、後述の実施例及び比較例においては、下記X1〜X13、Y2〜Y4に対して、後述に示す収縮低減助剤A1を質量割合で1:1の割合で混合し、この混合物を混和剤として使用した。
オキシカルボン酸系化合物としてL−酒石酸(分子式:C4H6O6、酸価:748、水酸基価:748、水酸基価/酸価:1.00)、48質量%水酸化ナトリウム水溶液((株)カネカ製、製品名「苛性ソーダ」、35℃での比重:1.504、純分:48%、モル濃度:18.1mol/L)及びイオン交換水を用い、中和反応によりジオポリマー用収縮低減助剤である酒石酸ナトリウム(30%水溶液)を調製した。L−酒石酸(酸)と水酸化ナトリウム(アルカリ)のモル比率は1:1であった。次いで、ジオポリマー用収縮低減助剤の水溶液を加熱濃縮・再結晶し分別することで、固形のジオポリマー用収縮低減助剤(酒石酸ナトリウム)(A1)を得た。以下のジオポリマーモルタル実施例においては、モルタル配合に必要な水量を有させるため、水溶液形態のジオポリマー用収縮低減助剤と固体形態のジオポリマー用収縮低減助剤を併用した。
48質量%水酸化ナトリウム水溶液((株)カネカ製、製品名「苛性ソーダ」、35℃での比重:1.504、純分:48%、モル濃度:18.1mol/L)100質量部に対し、イオン交換水20質量部を加えて混合し、40質量%水酸化ナトリウム水溶液(比重:1.43、モル濃度:14.3mol/L)を調製した。
同様に、上記48質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部に対し、イオン交換水60質量部を加えて混合し、30質量%水酸化ナトリウム水溶液(比重:1.33、モル濃度10.0mol/L)を調製した。
なお、上記アルカリ溶液にはジオポリマー用収縮低減剤及びジオポリマー用収縮低減助剤は含まれない。
表1及び表2のX1〜X12、Y2〜Y4に示す収縮低減剤と、前記収縮低減助剤A1(酒石酸ナトリウム)の1:1混合物(質量比)を、表3及びに表6に示す活性フィラーBの質量(g)または都市ゴミ焼却灰溶融スラグ微粉末WSの質量(g)に対してそれぞれ3質量%、5質量%又は7質量%(固形分換算)の割合で添加した。なお、表3及び表6に示すアルカリ溶液/B(フライアッシュ+高炉スラグ微粉末)またはアルカリ溶液/WS(都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末)(いずれも質量比、%)は各成分の使用量より算出した値である。
<流動性の測定(モルタルフロー値)>
ジオポリマーモルタルの練り混ぜにはハイパワーミキサー((株)丸東製作所製:CB−34)を用いた。表3及び表6に示す配合No.1〜3において、使用した活性フィラーは、JIS II種のフライアッシュ(FA)と高炉スラグ微粉末4000(BFS)、あるいは都市ごみ焼却灰溶融スラグ微粉末(WS)であった。前記の手順で調製したアルカリ溶液とジオポリマー用収縮低減剤を、それぞれ所定の活性フィラーに対する割合で計量して、混合した後、活性フィラーに加え、低速(公転62rpm、自転141rpm)で120秒間撹拌した。
低速撹拌終了後、上記ミキサーの運転を停止し、停止してから30秒の間に、ミキサーに細骨材(S)として表3及び表6に示す配合No.1〜3(単位量(g))にてセメント強さ試験用標準砂を加え、再度低速で30秒間撹拌し、次いで速やかに60秒間高速(公転125rpm、自転284rpm)で撹拌した。高速撹拌終了後、作製したジオポリマーモルタルをJISフローコーンに充填し、JIS A 1171に準拠し、モルタルの流動性(モルタルフロー)を測定した。
表3及び表6に示す配合No.1〜3で調製したジオポリマーモルタルを、サイズ:φ5cm、高さ10cmのプラスチック製モールドに充填して供試体とし、この供試体の中心に(株)共和電業製埋込型ひずみゲージ(KMC−70−120−H4)を挿入し、上面を食品用ラップフィルム(旭化成ホームプロダクツ(株)製)で覆い、封緘した。供試体封緘後、20℃で1日間養生した後、供試体を脱型した。なお脱型時の材齢を1日とした。以後供試体を、温度20℃、相対湿度60%の条件下にて28日間気中養生を行い(材齢28日)、埋込型ひずみゲージに接続するデータロガー(NTB−100A−120)を用いて、長さ変化の測定を行い、収縮ひずみ(μm/m)を求めた。
また、No.1及び2に示す配合においては、モールドへの充填時の全質量と28日間の気中養生後の上記長さ変化の測定終了時の全質量を測定し、収縮低減剤を添加した場合と未添加の場合の測定値を用いて、下記式により、収縮低減剤を使用したことによる質量減少率を算出した。
ジオポリマーモルタル硬化体の圧縮強度の測定にあたり、上述の<収縮ひずみ、質量減少率測定>で使用したものと同じプラスチック製モールド(φ5cm、高さ10cm)に、上述にて作製したジオポリマーモルタルを充填し、上面を食品用ラップフィルム(旭化
成ホームプロダクツ(株)製)で覆い、供試体を封緘した。供試体封緘後、20℃にて1日間養生した後、供試体を脱型した。なお脱型時の材齢を1日とした。その後供試体を、温度20℃、湿度60%にて、28日間気中養生を実施した(材齢28日)。
材齢28日の各供試体について、JIS A 1108の手順に従って圧縮強度を測定した。各実施例または比較例に対し、材齢28日にて各3本の供試体の平均値を圧縮強度(N/mm2)とした。
また、上記手順にて得られたジオポリマーモルタル硬化体について、以下の基準にて外観(黒ずみ)を評価した。なお、気中養生終了後(材齢28日)の外観は、いずれの試供体においても材齢1日と比較して変化は確認されなかった。
・外観 黒ずみ 評価基準
×:供試体表面に黒ずみが目立って観察される(およそ表面積2%以上)
△:供試体表面に黒ずみがわずかに観察される(およそ表面積2%未満)
○:供試体表面に黒ずみが全く観察されない
表4及び表5、表7に示すジオポリマーモルタルの試験結果(実施例1〜実施例27)より、本発明のジオポリマー用収縮低減剤の使用により、収縮低減剤を一切使用しない比較例(比較例1、5、10)と比べ、ジオポリマー(硬化体)の収縮ひずみがおよそ50%以上低減されるという結果が得られた。なお、本発明の収縮低減剤において、使用した化合物におけるアルキレンオキシ基の全付加モル数が少なくなると、収縮低減効果が高くなる傾向がみられた。
一方、オキシアルキレン基が付加していないエステル系化合物を用いた収縮低減剤Y2〜Y4を使用した比較例(比較例2、3、4、6、7、8、9)は、収縮低減効果が一切得られないという結果が得られた。
Claims (7)
- 下記一般式(1)〜一般式(4)で表される化合物(I)〜化合物(IV)のうち、1種以上を含む、ジオポリマー用収縮低減剤。
R1−C(=O)−O−(A1O)n1−R2 (1)
(式中、
R1は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
A1Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、
n1はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R2は水素原子、炭素原子数1乃至30のアルキル基、炭素原子数2乃至30のアルケニル基又は−C(=O)−R3基を表し、
R3は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表す。)
[HO−C(=O)−]kR4[−C(=O)−O−(A2O)n2−R5]m
(2)
(式中、
R4は炭素原子数1乃至30の(k+m)価の多価カルボン酸から(k+m)個のカルボキシル基を除いた残基、又は単結合を表し、
k及びmは、0≦k≦5、1≦m≦6、2≦k+m≦6の関係を満たす整数を表し
A2Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、
n2はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R5は水素原子、炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表す。)
[R7−(OA3)n3−O−]pR6[−O−C(=O)−R8]q (3)
(式中、
R6は炭素原子数2乃至30の(p+q)価の多価アルコールから(p+q)個のヒドロキシ基を除いた残基を表し、
R7は水素原子又は−O−C(=O)−R9基を表し、
OA3は炭素原子数2乃至4の二価のオキシアルキレン基を表し、
n3はオキシアルキレンの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R8は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
R9は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
p及びqは、1≦p≦7、1≦q≦7、2≦p+q≦8の関係を満たす整数を表す。)
[H−(OA4)n4−O−]rR10[−O−(A5O)n5−C(=O)−R11]s (4)
(式中、
R10は炭素原子数2乃至30の(r+s)価の多価アルコールから(r+s)個のヒドロキシ基を除いた残基を表し、
OA4は炭素原子数2乃至4の二価のオキシアルキレン基を表し、
n4はオキシアルキレンの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
R11は炭素原子数1乃至30のアルキル基又は炭素原子数2乃至30のアルケニル基を表し、
A5Oは炭素原子数2乃至4の二価のアルキレンオキサイド基を表し、
n5はアルキレンオキサイドの平均付加モル数であって1乃至200の数を表し、
r及びsは、0≦r≦7、1≦s≦8、2≦r+s≦8の関係を満たす整数を表す。) - CaO含有量が1〜60質量%である少なくとも一種のアルミノシリケート源、並びに、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源を含む混合物より形成されるジオポリマーの添加剤である、請求項1に記載のジオポリマー用収縮低減剤。
- 請求項1又は請求項2に記載のジオポリマー用収縮低減剤と、
水酸基価が250〜1500mgKOH/g、かつ酸価が250〜950mgKOH/gである1種以上の脂肪族オキシカルボン酸の塩を含み、前記脂肪族オキシカルボン酸の水酸基価/酸価の質量加重平均値が0.40以上5.00未満であるジオポリマー用収縮低減助剤とを含む、
ジオポリマー用混和剤。 - 前記収縮低減助剤が、乳酸塩、リンゴ酸塩、及び酒石酸塩からなる群から選択される少なくとも一種の脂肪族オキシカルボン酸の塩を含むものである、請求項3に記載のジオポリマー用混和剤。
- 前記収縮低減助剤が、酒石酸塩を含むものである、請求項4に記載のジオポリマー用混和剤。
- 請求項1又は請求項2に記載のジオポリマー用収縮低減剤、
CaO含有量が1〜60質量%である少なくとも一種のアルミノシリケート源、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源、及び
骨材
を含む、ジオポリマー形成組成物。 - 請求項3乃至請求項5のうち何れか一項に記載のジオポリマー用混和剤、
CaO含有量が1〜60質量%である少なくとも一種のアルミノシリケート源、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属ケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも一種のアルカリ源、及び
骨材
を含む、ジオポリマー硬化体。
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