JP6848376B2 - 表示装置 - Google Patents
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Description
このような表示装置に用いられる映像源は、映像を構成する複数の画素領域と、各画素領域間に設けられ、映像の表示に寄与しない非画素領域とが設けられている。このような映像源から出射された映像光をレンズにより拡大した場合、画素領域により構成される映像だけでなく、非画素領域が起因となる非映像領域も拡大されてしまうこととなり、映像だけでなく非映像領域も観察者に視認されてしまう場合があり、鮮明な映像の表示の妨げとなる場合があった。
本明細書中において、記載する各部材の寸法等の数値及び材料名等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用してよい。
本明細書中において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書中において、シート面とは、シート状の部材において、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。
図1は、本実施形態の頭部装着型の表示装置1を説明する図である。図1は、表示装置1を鉛直方向上側から見た図である。
図2は、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の詳細を説明する図である。図2(a)は、光学シート20の水平面(XY面)に平行な断面における断面図であり、図2(b)は、図2(a)のb部断面図である。図2(c)は、図2(a)のc部詳細を示す図であり、図2(d)は、図2(b)のd部詳細を示す図である。
図3は、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の輝度と拡散角との関係を示す図である。
図4は、本実施形態の表示装置1によって表示された画像の例を示す図である。
図5は、比較例の表示装置5を説明する図である。図5(a)は、比較例の表示装置5の構成を説明する図であり、図1に対応する図である。図5(a)では、理解を容易にするために、表示装置5として、映像源51とレンズ52のみを示している。図5(b)は、比較例の表示装置5によって表示された画像の例を示す図である。
なお、図1において、表示装置1は、観察者の両眼E1,E2に対して映像を表示する例を挙げて説明するが、これに限定されるものでなく、例えば、観察者の片側の眼E1に対して配置され、その眼E1に対して映像を表示する形態としてもよい。
保持部31は、映像源11を保持する部材であり、その映像源11の表示面11a側の面に、観察者の眼E(E1,E2)及びレンズ12(12A,12B)に対応する位置に開口部311(311A,311B)を有している。本実施形態では、映像源11は、この保持部31(すなわち、表示装置1)に着脱可能に保持される。映像源11から出射した映像光Lは、この開口部311(311A,311B)を通ってレンズ12(12A,12B)へ入射する。
この保持部32と前述の保持部31とは、一体となってY方向に移動可能であり、Y方向において所望の位置で固定可能である。したがって、観察者の視力等に応じて、映像源11及び光学シート20とレンズ12との間の距離(レンズ12に対するY方向における位置)を調整可能(ピント調整可能)である。なお、これに限らず、保持部31及び保持部32は、Y方向の位置が固定された形態としてもよい。
保持部33は、保持部32及び光学シート20よりも観察者側(−Y側)に位置し、レンズ12(12A,12B)を保持する部材である。この保持部33は、光学シート20(20A,20B)に対応する位置に開口部331(331A,331B)を有し、その開口部331(331A,331B)内にレンズ12(12A,12B)が嵌めこまれ、保持されている。
映像源11は、その表示面11aが観察者側(−Y側)となるようにして、保持部31に保持されている。
なお、本実施形態では、この表示装置1は、映像源11を1つ備える例を示したが、これに限らず、例えば、後述するレンズ12A,12B及び観察者の眼E1,E2にそれぞれ対応する2台の映像源を備える形態としてもよい。
レンズ12の映像源側(背面側、+Y側)の表面には、反射抑制層12aが形成されている。この反射抑制層12aは、例えば、汎用の反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ素系光学用コーティング剤等)を所定の膜厚でコーティングする等により設けてもよいし、光の波長より小さなピッチで形成された微小な凹凸形状を有するモスアイ構造を光の入射側の面に有することにより反射抑制機能を奏する層をレンズ12の映像源側に一体に積層して設けてもよい。
また、反射抑制層12aは、さらに、レンズ12の観察者側(−Y側)の面に設けてもよい。この位置にさらに反射抑制層12aを設けることにより、レンズ12から映像光が出射する際に、レンズ12と空気との界面で反射し、レンズ12内で迷光となることを抑制でき、映像のコントラスト等を向上できる。
本実施形態では、観察者の両眼E1,E2に対応して、それぞれ、レンズ12A,12B及び光学シート20A,20Bが設けられている。しかし、これに限らず、例えば、レンズ12A,12Bの領域をカバーできる程度に大きい1枚の光学シート20を、レンズ12よりも映像源側(背面側、−Y側)に配置する形態としてもよい。
映像源51及び映像源11に用いられる有機EL等のディスプレイは、その表示部に映像を形成する画素領域G1が複数配列されており、また、各画素領域G1間には映像の形成に寄与しない非画素領域G2が設けられている。そのため、比較例の表示装置5では、映像源51から出射する映像光Lにより表示される映像は、レンズ52を介して拡大された場合に、図5(b)に示すように、画素領域G1による映像F1だけでなく、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2も拡大されてしまう。そして、非映像領域F2も明瞭に観察者に視認され、鮮明な映像表示の妨げとなってしまう場合があった。
第1光学層21は、光学シート20の厚み方向(Y方向)において、第2光学層22及び第3光学層23よりも映像源側(+Y側)に位置し、光透過性を有する層である。第1光学層21の映像源側の面は、略平坦に形成されている。第1光学層21の観察者側(−Y側)の面には、図2(a)に示すように、凸状の単位形状21aが複数形成されている。単位形状21aは、観察者側(−Y側)に凸となっている。
この単位形状21aは、第1光学層21の観察者側の面に沿うようにして、上下方向(Z方向)に延在し、延在方向に直交する左右方向(X方向)に複数配列されている。また、単位形状21aは、左右方向及び厚み方向に平行な面(XY面)における断面形状が略円弧状に形成されたレンチキュラーレンズ形状である。ここで、略円弧状とは、真円の円弧だけでなく、楕円や長円等の一部を含む曲線状の形状を含むものをいう。
この単位形状23aは、第3光学層23の映像源側の面に沿うようにして、左右方向(X方向)に延在し、延在方向に直交する鉛直方向(Z方向)に複数配列されており、鉛直方向及び厚み方向に平行な面(YZ面)における断面形状が略円弧状に形成されたレンチキュラーレンズ形状である。
また、光学シート20の厚み方向(シート面の法線方向、Y方向)から見て、単位形状21aの配列方向(X方向)と単位形状23aの配列方向(Z方向)とは、交差(直交)している。
ここで、光学シート20の半値角αとは、図3に示すように、光の輝度が最大値となる光学シート20のシート面を観察する位置を基準(観察角度0度)として、画面左右方向及び画面上下方向において、光の輝度が最大値の半分の値になる観察角度のうち絶対値が最も大きい角度をいう。また、拡散角βは、光の輝度が最大値となる光学シート20のシート面を観察する位置を基準(観察角度0度)として、画面左右方向及び画面上下方向において、光の輝度が最大値の1/20の値になる観察角度のうち絶対値が最も大きい角度をいう。
また、本実施形態の光学シート20は、互いに隣接する光学層の屈折率差、すなわち、第1光学層21及び第2光学層22の屈折率差Δn1と、第2光学層22及び第3光学層23の屈折率差Δn2とが、それぞれ0.005≦Δn1≦0.1、0.005≦Δn2≦0.1を満たすようにして形成されている。
上述の効果をより効果的に奏する観点から、光学シート20の拡散角βは、半値角αに略等しいか、それに近い値であることがより望ましい。
また、仮に、拡散角βが5×αよりも大きい場合、輝度の低い映像光の拡散される範囲が広くなりすぎてしまい、映像の鮮明さが低下してしまうので望ましくない。
さらに、屈折率差Δn1,Δn2が0.005未満である場合、光学層間の屈折率差が小さくなりすぎ、光学層間における映像光の屈折が生じ難くなってしまい、十分な拡散作用が発揮されなくなるため望ましくない。また、屈折率差Δn1,Δn2が0.1よりも大きい場合、光学層間における光の屈折が大きくなりすぎてしまい、光学シートを透過する映像光が不鮮明になってしまうので望ましくない。
また、第2光学層22は、光透過性の高いウレタンアクリレート樹脂や、エポキシアクリレート樹脂等の紫外線硬化型樹脂等から形成されており、本実施形態では、第1光学層21及び第3光学層23の屈折率よりも低い屈折率となっている。
ここで、以下に示すΔνdを色にじみを管理するための指標として定義する。
高屈折率光学層のF線に対する屈折率をn1Fとする。
高屈折率光学層のd線に対する屈折率をn1dとする。
高屈折率光学層のC線に対する屈折率をn1Cとする。
低屈折率光学層のF線に対する屈折率をn2Fとする。
低屈折率光学層のd線に対する屈折率をn2dとする。
低屈折率光学層のC線に対する屈折率をn2Cとする。
F線における屈折率比をΔnF=n1F/n2Fとする。
d線における屈折率比をΔnd=n1d/n2dとする。
C線における屈折率比をΔnC=n1C/n2Cとする。
これらの各屈折率から、以下の指標Δνdを定義する。
Δνd=(Δnd−1)/(ΔnF−ΔnC)
図6は、第1光学層21と第2光学層22と第3光学層23とに用いる樹脂の屈折率とアッベ数とを示す図である。
ここでは、樹脂A,B,C,D,Eの5種類の樹脂を用意した。それぞれについて、F線(波長486nm)に対する屈折率nF、d線(波長589nm)に対する屈折率n1d、C線(波長656nm)に対する屈折率n1Cと、参考のためアッベ数とを図示した。
図7は、4種類の構成の光学シート20の観察結果と指標Δνdの計算値とを示す図である。
構成1のΔνd=8.1505の構成では、色にじみがわずかではあるが残っていた。
よって、Δνd≧10を満たせば、色にじみを抑えることができる。本実施形態の光学シート20では、図7中の構成2から構成4の樹脂構成を採用しており、色にじみを抑えた映像を観察可能である。
ここで提案している指標Δνdは、本発明独自の指標であるが、アッベ数の考え方に似た値である。アッベ数は、以下の式により表すことができる。
アッベ数νd=(nd−1)/(nF−nC)
本発明では、このアッベ数の概念をさらに発展させて、高屈折率光学層と低屈折率光学層との間の屈折率比に着目し、この屈折率比を用いてアッベ数に近い計算式によって指標Δνdを求めている。
アッベ数が大きいと分散が小さいことを示し、分散は小さければ小さいほどよく、よって、単一素材の光学部材において色にじみを抑制する場合には、アッベ数の上限については規定する必要はない。
これと同様に、本発明の指標Δνdについても、その数値が大きくなるほど、光学シート20全体としての色分散が小さいことを表すこととなるので、この指標Δνdの値が大きければ大きいほど望ましい。よって、色にじみを低減するためには、下限のみ規定すればよい。
また同様に、単位形状23aのYZ断面における断面形状が円弧状に形成されている場合、図2(d)に示すように、第3光学層23に形成される単位形状23aの鉛直方向(Z方向)における配列ピッチをP2とし、単位形状23aのYZ断面における円弧状の断面形状の曲率半径をR2としたときに、単位形状23aは、0.05≦P2/R2≦1.0の範囲で形成されるのが望ましい。
なお、本実施形態の光学シート20は、単位形状21aと単位形状23aとは、その断面形状が同じ形状であり、P1=P2、R1=R2となるように形成されている。
この反射抑制層24は、レンズ12の映像源側に設けられた反射抑制層12aと同様に、例えば、汎用の反射防止機能を有する材料(例えば、フッ化マグネシウム(MgF2)、二酸化ケイ素(SiO2)、フッ素系光学用コーティング剤等)を所定の膜厚でコーティングする等により設けてもよい。また、映像源11が表示装置に固定され、着脱不可能である場合等には、光の波長より小さなピッチで形成された微小な凹凸形状を有するモスアイ構造を光の入射側の面に有することにより反射抑制機能を奏する層を光学シート20の映像源側に一体に積層して設けてもよい。
また、反射抑制層24を光学シート20の映像源側に設けることにより、光学シート20に入射する光が光学シート20の映像源側の面で反射して映像源11側へ向かい、映像源11の表示面11aで再度反射する等により迷光となることを抑制し、映像のコントラスト向上を図ることができる。
また、光学シート20の映像源側(+Y側)の面に、ハードコート機能や、防汚機能等を有する層を設けてもよい。このような層を設けることにより、映像源11が筐体30に着脱可能である場合に、映像源11を筐体30から外したときに、光学シート20が傷ついたり、汚れが付着したりして、映像の視認の妨げになることを抑制できる。
一般的に、表示装置1に用いられる映像源11の画素領域G1の配列ピッチdは、400〜500ppi(pixel per inch)である。本実施形態では、例えば、映像源11の画素領域G1の配列ピッチdは、d=0.0508mm(500ppi)であり、映像源11の表示面11aから光学シート20の映像源側(−Y側)の面までのY方向における距離D1は、5.08mmである。
また、特に、モスアイ構造を有する反射抑制層に関しては、高い反射抑制効果を有しているが、破損しやすいために観察者の指等が触れない位置に設けることが重要となる。本実施形態の表示装置1では、レンズ12よりも映像源側(+Y側)に光学シート20が位置するので、そのような反射抑制層を光学シート20の観察者側やレンズ12の映像源側等に設けることができ、より高い反射抑制効果が得られ、映像のコントラストや明るさの向上を図ることができる。
図1に示すように、映像源11から出射した映像光Lは、光学シート20(20A,20B)の映像源側(+Y側)の面に入射する。そして、光学シート20に入射した映像光Lは、第1光学層21を透過して、第1光学層21及び第2光学層22との界面の単位形状21aによって、左右方向(X方向)に微少に拡散して第2光学層22内を透過する。
第2光学層22を透過した映像光Lは、第2光学層22及び第3光学層23との界面に形成された単位形状23aによって、鉛直方向(Z方向)に微少に拡散し、第3光学層23を透過して光学シート20の観察者側(−Y側)の面から出射する。
光学シート20を透過した映像光Lは、レンズ12(12A,12B)へ入射する。そして、レンズ12により、映像光Lが拡大され、観察者側(−Y側)へ出射する。
しかも、上述のように、映像源11と光学シート20との間には、十分な距離D1が設けられているので、映像光を適度に拡散させて非映像領域F2が目立って観察されることを抑制でき、かつ、画素領域G1及び非画素領域G2によるモアレ等の発生も十分抑制できる。
上述したように、光学シート20の第1光学層21及び第3光学層23に設けられた各単位形状21a、単位形状23aは、互いに同じ形状に形成されているため、まず、この凸状の単位形状に対応する凹形状が設けられた金型を使用して、単位形状が形成されたシート状部材を押出成形法や、射出成形法等により形成する。
それから、単位形状が形成されたシート状部材を、所定の寸法に裁断して、第1光学層21及び第3光学層23を得る。
このように、単位形状21a及び単位形状23aが同形状に形成されている場合、1枚のシート状部材から第1光学層21及び第3光学層23を同時に切り出すことができ、光学シート20の製造効率を向上させることができる。
これにより、第1光学層21、第2光学層22、第3光学層23が順次積層された状態となる。さらに、第1光学層21の表面(第2光学層22側とは反対側の面)に、反射抑制層24を設けることにより、光学シート20が完成する。
また、本実施形態の表示装置1は、映像源11と光学シート20とがY方向において一体となって移動可能であり、Y方向においてピント調整の等のために映像源11を動かした場合にも、映像源11と光学シート20との間の距離D1を一定としたままY方向に移動可能である。したがって、非画素領域G2に起因する非映像領域F2が観察者に視認されることを抑制する光学シート20の拡散効果を維持したままピント調整作業を行うことができる。
また、本実施形態の表示装置1は、光学シート20の映像源側(入光側、+Y側)の面に反射抑制層24を備え、レンズ12の映像源側の面に反射抑制層12aを備えているので、迷光を抑制し、映像の明るさやコントラストを向上できる。
以下に、本実施形態の表示装置1に用いられる光学シート20の他の形態について説明する。
また、一方の単位形状の延在方向が、他方の単位形状の延在方向と直交以外の角度で交差するようにしてもよい。このような形態としても、非画素領域G2に起因する非映像領域F2を目立たせなくする効果をさらに高めることができる。
図8(a)は、他の形態の光学シート20の斜視図である。図8(b)は、図8(a)のb−b断面図である。図8(c)は、図8(a)のc−c断面図である。図9(a)は、図8(b)のa部詳細を示す図であり、図9(b)は、図8(c)のb部詳細を示す図である。
図8,図9に示す他の形態の光学シート20を含め以下に示す光学シート20の他の形態に関して、上述の実施形態と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して、適宜重複する説明を省略する。また、図8及び図9を含め以下に示す光学シート20の他の形態を示す図面について、理解を容易にするために、反射抑制層24を備えない形態を示しているが、適宜、第1光学層21の映像源側(背面側、+Y側)に前述のような反射抑制層24を設けてもよい。
図8及び図9に示すx方向、y方向、z方向は互いに直交し、y方向は、Y方向と平行である。また、x方向は、X方向に対して45°をなし、z方向は、Z方向に対して45°をなしている。
単位形状21aの延在方向(x方向)と単位形状23aの延在方向(z方向)とは、交差(直交)しており、単位形状21aの配列方向(z方向)と単位形状23aの配列方向(x方向)とは、交差(直交)している。
ここで、略三角形状とは、二等辺三角形や、正三角形等を含む三角形状だけでなく、三角形状の頂部が曲面や平面に面取りされた形状や、三角形状の斜面が微小に湾曲された形状等も含むものをいう。
図9(a)に示すように、単位形状21aのz方向における配列ピッチをP1とし、単位形状21aの頂角をθ1とし、図9(b)に示すように、単位形状23aのx方向における配列ピッチをP2とし、単位形状23aの頂角をθ2とする。配列ピッチP1,P2、頂角θ1,θ2は、例えば、P1=P2=0.2mm、θ1=θ2=175°である。
そのため、上述のように、各単位形状の延在する方向を左右方向に対して傾斜させることによって、本実施形態の表示装置1は、単位形状が起因となるラインを観察者に対して視認され難くすることができ、表示される映像をより鮮明に観察者に視認させることができる。
図8及び図9に示す光学シート20は、映像源11の画素領域G1の配列ピッチをdとし、映像源11の表示面11aから表示装置1を装着する観察者の眼E(この表示装置1において想定される観察者の眼Eの位置)がまでの距離をD2(図1参照)としたときに、入射角度0°で映像源側から入射して観察者側から出射した透過光の最大輝度が1/10となる拡散角γが、以下の式(1)を満たすように形成されている。また、入射角度0°で映像源側から入射して観察者側から出射した透過光の半値角αが、以下の式(2)を満たすようにして形成されていることがより好ましい。
式(1) arctan(d/D2)≦γ≦3×arctan(d/D2)
式(2) arctan(d/D2)≦α≦3×arctan(d/D2)
図8及び図9に示す光学シート20の輝度と拡散角との関係は、図10(a)に示すように、略三角形状に形成された単位形状の斜面に対応して2つのピークを有した波形や、図10(b)に示すように、ピークの幅が広い波形となる。拡散角γとは、図10(a)に示すように、2つのピークの中心となる位置(図10(a)中の輝度の軸線、図10(b)においては幅の広いピークの中心位置(図10(b)中の輝度の軸線))から、画面左右方向及び画面上下方向において、透過光の輝度が最大値の1/10の値になる観察角度のうち絶対値が最も大きい角度をいう。
また、この光学シート20の半値角αは、2つのピークの中心となる位置(図10(a)中の輝度の軸線、図10(b)においては幅の広いピークの中心位置(図10(b)中の輝度の軸線))から、画面左右方向及び画面上下方向において、光の輝度が最大値の半分の値になる観察角度のうち絶対値が最も大きい角度をいう。
また、仮に、半値角αがarctan(d/D2)未満である場合も、拡散角γの場合と同様に、光学シートによる光の拡散される範囲が狭くなりすぎてしまい、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立って視認されやすくなるので望ましくない。また、半値角αが3×arctan(d/D2)よりも大きい場合も、拡散角γの場合と同様に、映像光の拡散される範囲が広くなりすぎてしまい、映像がぼやけてしまい、映像の鮮明さが低下してしまうので望ましくない。
なお、この図8及び図9に示す他の形態の光学シート20においては、製造をより容易にするとともに、非映像領域F2を目立たなくするのに十分な程度に光を屈折させる観点から、屈折率差Δn1,Δn2は、0.05であることがより望ましい。
例えば、図11(a)に示すように、同断面における三角形状の頂部が曲面S1により形成される形態としてもよいし、図11(b)に示すように、三角形状の頂部が平坦面S2により形成される形態としてもよい。
また、図11(c)に示すように、同断面における三角形状の斜面が平坦な面ではなく微少に湾曲した曲面S3、S4により形成されるようにしてもよい。
各単位形状を上述のような形態とした光学シートは、図2に示す光学シートと同様の効果を奏することができる。
前述の図8及び図9では、単位形状21a,23aは、その断面形状が略三角形状(プリズム形状)であり、単位形状21aが、左右方向(X方向)に対して45°傾斜したx方向に延在し、鉛直方向(Z方向)に対して45°傾斜したz方向に複数配列され、単位形状23aが、鉛直方向(Z方向)に対して45°傾斜したz方向に延在し、左右方向(X方向)に対して45°傾斜したx方向に複数配列される光学シートを示したが、これに限定されるものでない。
この図12に示す光学シート20において、第1光学層21と第2光学層22との屈折率差Δn1、第2光学層22と第3光学層23との屈折率差Δn2は、前述の実施形態と同じ範囲であることが好ましい。
光学シート20をこのような形態としても、上述の実施形態と同様に、映像源11から出射した映像光を微少に拡散させ、図4に示すように、その拡散された映像光によって、非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。
光学シート20は、図13に示すように、第1光学層21及び第2光学層22の2層から構成される形態とし、第1光学層21の観察者側(−Y側)の面に略四角錐形状の単位形状21aが、鉛直方向及び左右方向に複数隙間なく配列されるようにしてもよい。ここで、略四角錐形状とは、完全な四角錐の形状だけでなく、四角錐の頂部が曲面や平面に面取りされた形状や、四角錐の各三角形状の斜面が微小に湾曲された形状等も含むものをいう。なお、図13に示す略四角錐形状の単位形状21aは、鉛直方向(Z方向)及び左右方向(X方向)に対して傾斜(例えば、45°傾斜)した方向に配列される形態としてもよい。
図14に示す光学シート20は、第1光学層21及び第2光学層22の界面に凸状の単位形状21aが複数形成され、第2光学層22及び第3光学層23の界面に凸状の単位形状23aが複数形成されている。
また、第3光学層23の映像源側(+Y側)の面は、図14(b)に示すように、単位形状23aと平坦部23bとが交互に複数形成されている。この単位形状23a及び平坦部23bは、第3光学層23の映像源側の面に沿うようにして、左右方向(X方向)に延在し、鉛直方向(Z方向)に複数配列されている。
第3光学層23に設けられた単位形状23a及び平坦部23bは、その延在方向(X方向)が、上述の第1光学層21に設けられた単位形状21a及び平坦部21bの延在方向(Z方向)と交差(直交)している。
図14に示す光学シート20では、単位形状21aは、円弧状に形成されており、その曲率半径がR1であり、左右方向(X方向)における幅寸法がW1である。単位形状21a(平坦部21b)の左右方向における配列ピッチはP1である。
さらに、第1光学層21及び第3光学層23に設けられた各単位形状及び各平坦部は、それぞれ同等の寸法に形成されており、例えば、W1=W2=0.1mm、P1=P2=0.24mm、R1=R2=0.5mmである。
仮に、配列ピッチP1,P2が0.1mm未満である場合、単位形状の配置間隔が細かくなりすぎてしまい、回折光の影響が大きくなり、映像が不鮮明になるので望ましくない。また、単位形状の製造も困難となる。
また、仮に、P1、P2が0.5mmよりも大きい場合、単位形状21a,23aの配置間隔が粗くなりすぎてしまい、観察者に非映像領域F2が視認されやすくなるため望ましくない。
また、図14に示す光学シート20において、第1光学層21と第2光学層22との屈折率差Δn1、第2光学層22と第3光学層23との屈折率差Δn2は、前述の実施形態と同じ範囲であることが好ましい。
これにより、表示装置1は、観察者に鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立ってしまうことを抑制することができる。特に、平坦部21b、平坦部23bを透過した光は、ほとんど拡散されないため、このような形態とすることにより、観察者に届く映像光をより鮮明に表示することができる。
上述の効果を効果的に奏するために、図14に示す光学シート20は、図15(a)に示すように、映像源側から入射角度0°で入射して観察者側から出射した透過光の左右方向及び鉛直方向における拡散角が−0.1°以上0.1°以下の範囲において、光の輝度が最大輝度に近い状態であるとともに、同拡散角が0.1°以上0.3°以下と、−0.3°以上−0.1°以下との範囲においても所定の輝度を維持するようにして形成される。
具体的には、左右方向及び鉛直方向における拡散角が−0.1°以上0.1°以下の範囲の透過光量が、それぞれ光学シート20を透過する全透過光量の30%以上となり、また、左右方向及び鉛直方向における拡散角が−0.3°以上0.3°以下の範囲の透過光量が、それぞれ光学シート20を透過する全透過光量の95%以上となるように形成されている。
ここで、光学シート20の拡散角とは、光の輝度が最大値となる光学シート20のシート面の観察位置から、画面左右方向及び画面上下方向における観察角度をいう。
これにより、表示装置1は、観察者に鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立ってしまうことを抑制することができる。特に、平坦部21b,23bを透過した光はほとんど拡散されないため、このような光学シート20を用いることにより、より鮮明な映像を観察者に届けることができ、映像のぼやけが生じてしまうことを極力抑制することができる。
また、拡散角が−0.3°以上0.3°以下における透過光量が、図14に示す光学シート20を透過する全透過光量の95%未満となる場合、観察者側に届く映像の光量が少なくなりすぎてしまい、映像が暗くなってしまうので望ましくない。
さらに、拡散角が0.1°以上0.3°以下における透過光量と、拡散角が−0.3°以上−0.1°以下における透過光量とが、それぞれ図14に示す光学シート20を透過する全透過光量の20%未満となる場合、単位形状21a,23aによる映像光の微少な拡散が少なくなりすぎてしまい、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が目立ちやすくなってしまうので望ましくない。
すなわち、表示装置1は、映像源11から出射した映像光を鉛直方向や左右方向に微少に拡散することができ、観察者にぼやけの少ない鮮明な映像を表示するとともに、映像源11の非画素領域G2が起因となる非映像領域F2が観察者に視認されてしまうことを抑制することができる。また、表示装置1の仕様(画素の配列ピッチdや、観察者の眼Eと表示面11aとの距離D2)に合わせて、適宜、特定の拡散角の範囲を規定することができるので、より効率よく鮮明な映像の表示と、非映像領域F2の視認の抑制とを実現することができる。
図14に示す他の形態の光学シート20において、単位形状21aは、例えば、図16に示すように、第1光学層21の観察者側(−Y側)の面から凸となり、XY断面における断面形状が三角形状に形成され、単位形状23aが、第3光学層23の映像源側(+Y側)の面から凸となり、YZ断面における断面形状が三角形状である形態としてもよい。
例えば、図17に示すように、単位形状21aは、第1光学層21の観察者側(−Y側)の面から窪んだ凹状であり、そのXY断面における断面形状は、円弧状に形成された2つの凸面が左右方向において互いに対向する形態としてもよい。
同様に、単位形状23aは、第3光学層23の映像源側(+Y側)の面から窪んだ凹状であり、そのXY断面における断面形状は、円弧状に形成された2つの凸面が鉛直方向において互いに対向する形態としてもよい。
上述のような凸状又は凹状の形態としても、表示装置1は、映像源11から出射された光のうち、平坦部21b、平坦部23bを透過した光をほとんど拡散させることなく観察者側に出射させるとともに、単位形状21aに入射した光を左右方向へ微少に拡散させ、また、単位形状23aに入射した光を鉛直方向に微少に拡散させて観察者側へ出射させることができる。
これにより、表示装置1は、観察者にぼやけの少ない鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって映像源11の非画素領域G2に起因する非映像領域F2が目立って観察されることを抑制することができる。
図19に示すように、光学シート20をレンズ12よりも観察者側(−Y側)に配置してもよい。このような配置を採用しても、表示装置1は、観察者にぼやけの少ない鮮明な映像を表示するとともに、映像光の微少な拡散によって映像源11の非画素領域G2に起因する非映像領域F2が目立って観察されることを抑制することができる。
光学シート20を、図19に示すように、レンズ12よりも観察者側(−Y側)に配置した場合であっても、指標Δνd≧10を満たすように樹脂を組み合わせることにより、色にじみ(色斑)を抑えた良好な画像を観察可能である。
以上説明した実施形態等に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
例えば、光学シート20は、所望する光学性能等に応じて、第1光学層21及び第2光学層22の2層が積層された形態としてもよく、また、4層以上の光学層を備える形態としてもよい。その場合においても、指標Δνd≧10を満たすように樹脂を組み合わせることにより、色にじみ(色斑)を抑えた良好な画像を観察可能である。
図20は、変形形態の光学シート120を説明する図である。
例えば、図20に示すように、光学シート120を第1光学層121及び第2光学層122の2層構造とし、第1光学層121及び第2光学層122間に微細な単位形状がランダムに設けられ、界面が粗面状となり単位形状121aを形成する形態としてもよい。
このような形態としても、映像源11から出射した映像光を光学シート120により微少に拡散することができ、表示装置1において、映像源11の非画素領域G2に起因する非映像領域F2を目立たなくすることができる。また、この場合、上述の実施形態の表示装置1に用いられる図2等に示す光学シート20に比して、層構成を減らすことができ、光学シートを薄型化したり、軽量化したりすることが可能となる。さらに、指標Δνd≧10を満たすように樹脂を組み合わせることにより、色にじみ(色斑)を抑えた良好な画像を観察可能である。
5 表示装置(従来)
11 映像源
11a 表示面
12 レンズ
12A レンズ
12B レンズ
12a 反射抑制層
20 光学シート
20A 光学シート
20B 光学シート
21 第1光学層
21a 単位形状
21b 平坦部
22 第2光学層
23 第3光学層
23a 単位形状
23b 平坦部
24 反射抑制層
30 筐体
31 保持部
32 保持部
33 保持部
51 映像源(従来)
52 レンズ(従来)
120 光学シート
121 第1光学層
121a 単位形状
122 第2光学層
311 開口部
321 開口部
331 開口部
Claims (7)
- 頭部装着型の表示装置であって、
複数の画素領域が配列され映像光を出射する映像源と、
前記映像光を拡大して観察者側へ出射するレンズと、
前記映像源と前記レンズとの間、又は、前記レンズの観察者側に配置される光学シートと、
を備え、
前記光学シートは、少なくとも2層以上の光学層が積層され、隣接する前記光学層の間の界面に凸状又は凹状の単位形状が複数形成されており、
前記単位形状は、前記光学層の間において前記映像光を屈折させて拡散させる形状であり、
前記光学層は、屈折率が隣接する光学層よりも高い高屈折率光学層と、前記高屈折率光学層よりも屈折率の低い低屈折率光学層とにより構成されており、
前記高屈折率光学層のF線に対する屈折率をn1Fとし、
前記高屈折率光学層のd線に対する屈折率をn1dとし、
前記高屈折率光学層のC線に対する屈折率をn1Cとし、
前記低屈折率光学層のF線に対する屈折率をn2Fとし、
前記低屈折率光学層のd線に対する屈折率をn2dとし、
前記低屈折率光学層のC線に対する屈折率をn2Cとし、
F線における屈折率比をΔnF=n1F/n2Fとし、
d線における屈折率比をΔnd=n1d/n2dとし、
C線における屈折率比をΔnC=n1C/n2Cとし、
Δνd=(Δnd−1)/(ΔnF−ΔnC)と定義したとき、
Δνd≧10を満たす表示装置。 - 請求項1に記載の表示装置において、
前記単位形状が形成された界面を介して互いに隣接する前記光学層の屈折率の差Δnが、0.005≦Δn≦0.1を満たすこと、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の表示装置において、
前記光学シートと前記映像源との間の距離は、前記画素領域の配列ピッチの100倍以上であること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の表示装置において、
前記単位形状は、凸状であって、前記光学シートの厚み方向に直交するシート面内の第1の方向に延在し、前記シート面内の前記第1の方向に直交する第2の方向に配列され、前記光学シートの厚み方向に平行であって前記第2の方向に平行な断面における断面形状が略円弧状に形成されていること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の表示装置において、
前記単位形状は、凸状であって、前記光学シートの厚み方向に直交するシート面内の第1の方向に延在し、前記シート面内の前記第1の方向に直交する第2の方向に配列され、前記光学シートの厚み方向に平行であって前記第2の方向に平行な断面における断面形状が略三角形状に形成されていること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の表示装置において、
前記単位形状は、凸状であって、前記光学シートの厚み方向に直交するシート面に沿って配列された略四角錐形状に形成されていること、
を特徴とする表示装置。 - 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の表示装置において、
前記光学シートは、3層以上の前記光学層を有し、隣接する前記光学層の間の各界面に設けられた前記単位形状のシート面方向における延在方向は、前記光学シートの厚み方向から見て交差していること、
を特徴とする表示装置。
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