JP6849899B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリチオール化合物を硬化剤とするエポキシ樹脂に関するものである。
従来、特許文献1などの文献に記載される様に、CMOSセンサーなどのカメラモジュールの組み立てには加熱硬化型エポキシ樹脂組成物、または室温硬化型の二液型エポキシ樹脂組成物が汎用されている。しかしながら、組み立てに際しては、エポキシ樹脂組成物の塗布量等を高い精度で制御することが必要とされる。さらには、カメラモジュールなどの電子部品においては、加熱時の部品のズレや電子部品そのものに与える悪影響から、エポキシ樹脂組成物を低温(80℃以下など)で、短時間(10分以内など)により硬化させることが最適とされる。また、原料由来の低分子量環状シロキサン((SiO(CH、n=3〜20)がエポキシ樹脂組成物に含まれていると硬化時に揮発して、センサー等に付着し不具合が発生する。
特許文献2の様なエポキシ基を有する樹脂とポリチオール化合物の組成物は知られていたが、当該硬化物は軟質であることから電気電子部品の精密な組み立てには不向きである。さらに、エポキシ樹脂(主剤)がフレキシブルな構造を有すると硬化速度が遅く、加熱中に組成物が流動しやすい。また、当該文献には塗布形状を制御する様な技術は開示されていない。
特開2009−213146号公報 特開2013−224373号公報
従来のエポキシ樹脂組成物では、保存安定性と低温短時間硬化とを両立し、加熱時の熱または反応時の発熱により塗布後の形状が変わることや流動性が発生して流れてしまうなどして塗布形状を維持することが困難であった。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討した結果、エポキシ樹脂組成物において塗布後の形状が変わることや流動性が発生して流れることが無く、塗布形状を維持する手法を見いだし、本発明を完成するに至った。
本発明の要旨を次に説明する。本発明の第一の実施態様は、(A)〜(E)成分を含み、(A)成分100質量部に対して(B)成分を25〜95質量部、(C)成分を1〜20質量部、(D)成分を5〜25質量部、および(E)成分を0.01〜5質量部、含むエポキシ樹脂組成物に関する;
(A)成分:エポキシ樹脂
(B)成分:ポリチオール化合物
(C)成分:硬化促進剤
(D)成分:ポリジオルガノシロキサンを除いた、後記の一般式3〜5のいずれか一つで表される基で化学修飾がなされているアモルファスシリカ
ただし、Rはそれぞれ独立して炭化水素基を指し、一般式3〜5それぞれにおいてRの炭素数の合計が3以上である;
(E)成分:反応抑制剤。
本発明の第二の実施態様は、チクソ比が4.0以上である第一の実施態様に記載のエポキシ樹脂組成物である。
本発明の第三の実施態様は、前記(C)成分がエポキシアダクト化合物である第一または第二の実施態様に記載のエポキシ樹脂組成物である。
本発明の第四の実施態様は、前記(E)成分が、燐酸、ホウ酸トリブチル、トリメトキシボロキシンおよびp−トルエンスルホン酸メチルからなる群から選択される少なくとも一つである、第一から第三の実施態様のいずれか1つに記載されるエポキシ樹脂組成物である。
本発明の第五の実施態様は、前記(D)成分が、ポリジオルガノシロキサンを除いた、下記の式6または式7により表される基で化学修飾がされているアモルファスシリカである第一から第四の実施態様のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
本発明の第六の実施態様は、前記(A)成分がビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂である第一から第五の実施態様のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
本発明の第七の実施態様は、前記(B)成分が、分子中に下記の式2の官能基を2つ以上有するポリチオール化合物である第一から第六の実施態様のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
本発明の第八の実施態様は、カメラモジュールの組み立てに使用される第一から第七の実施態様のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、低分子量環状シロキサンの発生が抑えられ、保存安定性と低温短時間での硬化を両立し、加熱時の熱または反応時の発熱により塗布後の形状が変わることや流動性が発生して流れることが抑えられ、塗布形状を維持することが可能である。本発明のエポキシ樹脂組成物は、特に、カメラモジュールなどの電子部品に好適に使用される。
本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
本発明の詳細を次に説明する。本発明に使用することができる組成物の主成分としての(A)成分は、エポキシ樹脂である。架橋時に分子量が大きくなりやすい観点から、好ましくは、1分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物である。(A)成分は、1種類だけ使用しても2種類以上を混合して使用しても良く、(A)成分全体が25℃で液状であれば、25℃で固形のエポキシ樹脂を25℃で液状のエポキシ樹脂に溶解させて使用しても良い。(A)成分に含まれ得る塩素イオン濃度は、保存安定性の観点から、全塩素量が1000ppm(体積ppm)以下であることが好ましく、さらに好ましくは、700ppm以下である。1000ppm以下であると保存安定性を維持することができる。
(A)成分の具体例としては、エピクロルヒドリンとビスフェノール類などの多価フェノール類や多価アルコールとの縮合によって得られるものが例示でき、例えばビスフェノールA型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、ノボラック型、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型、テトラフェニロールエタン型などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を例示することができる。その他にも、エピクロルヒドリンとフタル酸誘導体や脂肪酸などのカルボン酸との縮合によって得られるグリシジルエステル型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとアミン類、シアヌル酸類、ヒダントイン類との反応によって得られるグリシジルアミン型エポキシ樹脂、さらには高分子量化、官能基付与等の様々な方法で変性したエポキシ樹脂を挙げられるが、これらに限定されるものではない。特に好ましくは、低温短時間硬化性の発現と粘度を考慮すると、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂等の、ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂が好ましい。
市販されているエポキシ樹脂としては、三菱化学株式会社製のjER827、828EL等、大日本インキ工業株式会社製のEPICLON(登録商標)830、EXA−835LV等、新日鉄住金化学株式会社製のエポトート(登録商標)YD−128、YDF−170等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で硬化剤として使用することができる(B)成分は、ポリチオール化合物である。本願のポリチオールは、多価チオールを意味する。(B)成分は式1や式2の様な1級チオール基または2級チオール基を分子内に複数有するものが好ましい。チオール基を複数有する場合、多官能であることで架橋が進み、組成物を硬化する際に分子量が大きくなる。特に、下記の(E)成分を含まない場合、1級チオール基と2級チオール基とで保存安定性に与える影響が異なり、保存安定性の安定化を考慮すると2級チオール基であることが好ましい。
Figure 0006849899
(B)成分の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。商品としては、SC有機化学株式会社製のPEMPなどが、昭和電工株式会社製のカレンズMT(商標登録)シリーズのPE1、BD1、NR1などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。上記の(B)成分を1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
(A)成分100質量部に対して、(B)成分は25〜95質量部含まれる。(B)成分が25質量部以上である場合は、組成物の粘度を低くして希釈効果が出せると共に、速硬化性を維持することができる。一方、(B)成分が95質量部以下である場合は保存安定性が維持される。より好ましくは、(B)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して30〜80質量部である。
本発明で使用することができる(C)成分としては、(A)成分と(B)成分の反応を促進させる硬化促進剤である。硬化促進剤は25℃において固体のものであり、イミダゾール骨格を有する化合物やエポキシ樹脂に三級アミンを付加させて反応を途中で止めているエポキシアダクト化合物を粉砕した微粉末などを使用することが、保存安定性と硬化性を考慮すると最も好ましい。特に好ましくは、保存安定性と反応性を考慮すると、エポキシアダクト化合物である。
市販されているエポキシアダクト系化合物としては、味の素ファインテクノ株式会社製のアミキュア(登録商標)シリーズや、株式会社T&K TOKA製のフジキュア(登録商標)シリーズや、旭化成ケミカルズ株式会社製のノバキュア(登録商標)シリーズなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、硬化促進剤を複数組み合わせて使用することもできる。上記の(C)成分を1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
(A)成分100質量部に対して、(C)成分の添加量は1〜20質量部が好ましい。(C)成分が1質量部以上の場合は硬化性を発現し、20質量部以下の場合は保存安定性を維持することができる。より好ましくは、(C)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して2〜10質量部である。
本発明で使用することができる(D)成分としては、ポリジオルガノシロキサンを除いた、下記の一般式3〜式5で表される基のいずれかにより化学修飾がされているアモルファスシリカである。式3〜式5において、Rはそれぞれ独立して炭化水素基、好ましくはアルキル基を指す。式3〜式5それぞれにおいて、Rの炭素数の合計が3以上であり、さらに好ましくは3〜15である。Rの炭素数の合計が3より少ないと、組成物は十分な形状保持性を示すことができない。本発明の好ましい一実施形態では、式3〜式5において、Rは、それぞれ独立して炭素数3〜15の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基である。炭素数3〜15のアルキル基としては、例えば、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等が例示できる。製造後のアモルファスシリカはシラノール(≡SiOH)が剥き出しの状態であるが、シラノールと反応する化合物をアモルファスシリカ表面で反応させること(化学修飾)で表面処理を行う。例えば、式6で表される基で化学修飾されたアモルファスシリカはシラノールと反応する化合物として、オクチルシランを用いて表面修飾すればよい。(D)成分を添加することで、粘度やチクソ性を制御することができる。平均粒径や形状などの粉体特性については特に限定はないが、エポキシ樹脂への分散のし易さとノズル詰まりを考慮すると、平均粒径は0.001〜50μmが好ましい。特に、下記の式6または式7で表される基で化学修飾がなされているアモルファスシリカが最も好ましい。(D)成分の具体的な例としては、日本アエロジル株式会社製のAEROSIL(登録商標) R805、RX200が挙げられる。上記の(D)成分を1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
Figure 0006849899
Figure 0006849899
(A)成分100質量部に対して、(D)成分の添加量は5〜25質量部含まれる。(D)成分が5質量部より多い場合は流動性を安定化すると共に作業性を向上することができ、25質量部より少ない場合は保存安定性を維持することができる。(D)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して6〜22質量部であることが好ましく、10〜20質量部であることがより好ましい。
本発明で使用することができる(E)成分は、(C)成分の反応性を抑制する抑制剤である。(E)成分としては、ホウ酸エステル、リン酸、アルキルリン酸エステル、p−トルエンスルホン酸を使用することができる。ホウ酸エステルとしては、トリブチルボレ−ト、トリメトキシボロキシン、ホウ酸エチル、エポキシ−フェノール−ホウ酸エステル配合物(四国化成工業株式会社製 キュアダクト L−07N)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。アルキルリン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリブチルなどを使用することができるが、これらに限定されるものではない。(E)成分は単独でも複数を混合して使用しても良い。保存安定性を考慮すると、リン酸、ホウ酸トリブチル、トリメトキシボロキシン、およびp−トルエンスルホン酸メチルからなる群から選択される1つ以上であることが好ましい。
(A)成分100質量部に対して、(E)成分の添加量は0.01〜5.0質量部が好ましい。(E)成分が0.01質量部より多い場合は保存安定性を発現し、5.0質量部より少ない場合は硬化性を維持することができる。より好ましくは、(E)成分の添加量は、(A)成分100質量部に対して2〜10質量部である。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、本発明の所期の効果を損なわない範囲において、顔料、染料などの着色剤、難燃剤、可塑剤、酸化防止剤、消泡剤、シラン系カップリング剤、レベリング剤、レオロジーコントロール剤等の添加剤を適量配合しても良い。これらの添加により、樹脂強度・接着強さ・作業性・保存性等に優れた組成物およびその硬化物が得られる。
塗布後の形状を維持するためには、エポキシ樹脂組成物のチクソ比(低回転数のときの粘度/高回転数のときの粘度)が4〜20であることが好ましく、さらに好ましくは4〜15である。これにより、本発明を塗布後の形状と広がりを抑制し、硬化後も塗布時の端部が広がらず、塗布形状も変化しない。本発明のエポキシ樹脂組成物は塗布形状を加熱硬化時に維持できるため、精密な塗布特性が要求される電子部品の組み立て用途、特にカメラモジュールの組み立てに適している。一般的に、充填剤としてのD成分の添加量を増やすことにより、粘度が上がり、チクソ比も上がる傾向がある。なお、本明細書において「チクソ比」は、実施例に記載の方法で測定された値である。
実施例
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。(以下、エポキシ樹脂組成物を単に組成物とも呼ぶ。)
[実施例1〜10、比較例1〜10]
組成物を調製するために下記の成分を準備した。
(A)成分:エポキシ樹脂
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂(EPICLON(登録商標) EXA−835LV DIC株式会社製、含有塩素イオン濃度300ppm以下)
(B)成分:ポリチオール化合物
・ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP−20P SC有機化学株式会社製)
・ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT(登録商標)PE1 昭和電工株式会社製)
(C)成分:硬化促進剤
・エポキシアダクト型硬化促進剤(フジキュア(登録商標)FXR−1081 株式会社T&K TOKA製)
(D)成分:ポリジオルガノシロキサンを除いた、特定の化学修飾がされているアモルファスシリカ
・粉体表面が式6の基で修飾されたアモルファスシリカ(AEROSIL(登録商標) R805 日本アエロジル株式会社製、平均一次粒径200nm)
・粉体表面が式7の基で修飾されたアモルファスシリカ(AEROSIL(登録商標) RX200 日本アエロジル株式会社製、平均一次粒径200nm)
(D’)成分:(D)成分以外のアモルファスシリカ
・粉体表面が化学修飾されていないアモルファスシリカ(AEROSIL(登録商標) #200 日本アエロジル株式会社製)
・粉体表面が式4のRが共にメチル基のアモルファスシリカ(AEROSIL(登録商標) R972 日本アエロジル株式会社製)
・粉体表面がポリジメチルシロキサンで化学修飾されているアモルファスシリカ(AEROSIL(登録商標) RY200 日本アエロジル株式会社製)
・粉体表面が式3のRがメタクリロキシ基のアモルファスシリカ(AEROSIL(登録商標) R7200 日本アエロジル株式会社製)
(E):反応抑制剤
・リン酸(試薬)
・ホウ酸トリブチル(試薬)
・トリメトキシボロキシン(試薬)
・p−トルエンスルホン酸メチル(試薬)。
実施例1〜10および比較例1〜10を調製する。(A)成分、(B)成分、(D)成分を攪拌釜に秤量し、攪拌器で30分間攪拌を行う。その後、(C)成分を秤量して、さらに30分間攪拌を行った。最後に(E)成分を秤量して15分間真空脱泡を行いながら攪拌した。詳細な調製量は表1と表3に従い、数値は全て質量部で表記する。
Figure 0006849899
実施例1〜6、比較例1〜8について、粘度測定(初期)、形状保持性確認、保存安定性確認、硬化性確認、シロキサン含有確認を行い、その結果を表2にまとめた。
[粘度測定(初期)]
以下の測定条件に従い、循環恒温槽を用いてカップを25℃に調整したコーンプレート型回転粘度計(E型粘度計)を用いる。コーンは3°×R12タイプを使用する。組成物を0.5cc採取して、サンプルカップの中心部に吐出する。サンプルカップを本体に取り付け、3分間測定を行う。2.5rpmの回転速度と25.0rpmの回転速度を測定し、それぞれ「初期粘度1(mPa・s)」、「初期粘度2(mPa・s)」とする。また、粘度1/粘度2の計算値を「チクソ比」とする。粘度型の測定範囲を超えて粘度が高い場合は「−」と記載し、チクソ比が計算できない場合も「−」と記載する。吐出時に糸引きなど不具合が発生を考慮すると、粘度1は10〜200mPa・sで、粘度2は1〜30mPa・sであることが好ましい。また、流れ性を考慮すると、チクソ比が4〜20であることが好ましい。
[形状保持性確認]
組成物を0.1gをガラス板に吐出して、吐出時の形状を写真に撮ると共に組成物を塗布した側とは反対側から塗布時の端部に目印を付ける。その後、ガラス板を45°に傾けた状態で、80℃雰囲気下で10分放置する。放置後の形状を写真と比較すると共に放置後の端部の位置を確認して、下記の評価基準から「形状保持性」を確認する。精密塗布ができるためには「○」であることが好ましい。
評価基準
○:塗布時の端部の広がりはなく、形状も変化しない
△:塗布時の端部の広がりはないが、形状が変化している
×:塗布時の端部が広がっている。
[保存安定性確認]
組成物調製後に容器に保管し、25℃雰囲気下で7日間放置する。その後、容器を開封し、下記の評価基準に従って「保存安定性」を評価する。本発明の保存安定性としては、「○」であることが好ましい。
評価基準
○:ゲル化せず流動性がある
×:ゲル化して流動性がない。
[硬化性確認]
80℃に設定したホットプレート上に組成物を0.1g滴下して、先端が尖った棒を組成物に接触させてタックが無くなる状態、つまり硬化するまでの時間をタイマーで測定する。下記の評価基準に従い「硬化性」を評価する。本発明の硬化性は6分以内であることが好ましい。
評価基準
○:6分以内
×:6分より長い。
[シロキサン確認]
ガスクロマトグラフ質量分析計(一般的にGC−MSと呼ばれる。)を用いて低分子量環状シロキサン((SiO(CH、n=3〜20)の定性分析を行った。(D)成分または(D’)成分をアルミカップ入れて、GC−MSのヘッドスペース内にて設置して、85℃にて3時間加熱してアウトガスを抽出して、ガスクロマトグラフにより各種アウトガス成分を分離する。低分子量環状シロキサンのフラグメントが確認されたか否かを下記の評価基準により評価して、「シロキサン」として表記する。本発明においては低分子量環状シロキサンが発生しないこと好ましい。
評価基準
○:低分子量環状シロキサンが発生しない
×:低分子量環状シロキサンが発生する。
Figure 0006849899
実施例1〜6と比較例1、2および4を比較すると、(D)成分が特定のものしか形状保持性を発現することができない。また、実施例1〜6と比較例5〜7を比較すると、(A)成分100質量部に対して(B)成分が25〜95質量部の範囲で形状保持性および硬化性を両立させることができる。比較例5においては、(B)成分の添加量が少なすぎて、組成物の希釈効果が低く粘度が非常に高くなり加工する際に吐出することが困難である。また、比較例6と7では(B)成分が多すぎて、逆に硬化が進まず形状保持性または硬化性が低下している。実施例1〜6と比較例8との比較で、(A)成分100質量部に対して(D)成分が5〜25質量部で形状保持性が維持されることが分かる。比較例3では、チクソ比が高いが、(D’)成分から低分子量環状シロキサンが発生するため電子部品には適していない。
Figure 0006849899
実施例7〜10、比較例9、10について粘度測定(保管後)、形状保持性確認、硬化性確認、シロキサン確認を行い、その結果を表4にまとめた。
[粘度測定(保管後)]
組成物調製後に前記の粘度測定を行い、その後、25℃雰囲気下で7日間放置して、初期粘度の測定と同じ方法で再度粘度測定を行った。その際の結果を「保管後粘度1(mPa・s)」、「保管後粘度2(mPa・s)」、「保管後チクソ比」とする。変化率が(保管後−初期)/初期×100で計算値を「変化率(%)」とする。変化率は−50%〜+50%である事が好ましく、さらに好ましくは−10%〜+10%である。変化率が±50%の範囲内であると、例えばシリンジで一定の圧力で加圧した時に、粘度が変化しにくく塗布量が安定する。また、塗布時に糸曳しにくくなる等の利点が挙げられる。粘度の測定範囲が超えるものは「−」と記載する。また、その際の変化率も「−」と記載する。
Figure 0006849899
実施例1、7〜10と比較例9、10を比較すると、(E)成分を使用することで変化率を低くすることができる。また、実施例7〜10でも形状保持性、硬化性を維持し、低分子量環状シロキサンの発生も無い。
産業上の利用可能性
本発明のエポキシ樹脂組成物は塗布時の形状を加熱硬化時に維持できるため、精密な塗布特性が可能であり、低温硬化できるので電子部品への悪影響も少なく、電子部品の組み立て用途全般に使用することが可能である。

Claims (7)

  1. (A)〜(E)成分を含み、(A)成分100質量部に対して(B)成分を25〜95質量部、(C)成分を1〜20質量部、(D)成分を5〜25質量部、および(E)成分を0.01〜5質量部、含むエポキシ樹脂組成物;
    (A)成分:ビスフェノール骨格を有するエポキシ樹脂
    (B)成分:ポリチオール化合物
    (C)成分:硬化促進剤
    (D)成分:ポリジオルガノシロキサンを除いた、下記の一般式3〜5のいずれか一つで表される基で化学修飾がなされている平均粒径が0.001〜0.2μmであるアモルファスシリカ
    Figure 0006849899

    ただし、Rはそれぞれ独立して炭化水素基を指し、一般式3〜5それぞれにおいてRの炭素数の合計が3以上である;
    (E)成分:反応抑制剤。
  2. チクソ比が4.0以上である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 前記(C)成分がエポキシアダクト化合物である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 前記(E)成分が、リン酸、ホウ酸トリブチル、トリメトキシボロキシンおよびp−トルエンスルホン酸メチルからなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1〜3のいずれか1項に記載されるエポキシ樹脂組成物。
  5. 前記(D)成分が、ポリジオルガノシロキサンを除いた、下記の式6または式7により表される基で化学修飾がされているアモルファスシリカである請求項1〜4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0006849899
  6. 前記(B)成分が、分子中に下記の式2の官能基を2以上有するポリチオール化合物である請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 0006849899
  7. カメラモジュールの組み立てに使用される請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
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