JP6855202B2 - 研磨パッド - Google Patents
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Description
[1]
ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物、及び硬化剤を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
前記硬化剤は、アミン系硬化剤及び下記式(I)に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を含み、
前記アミン系硬化剤と前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が、90:10〜70:30であり、
前記ポリイソシアネート化合物のNCOのモル数に対する、前記アミン系硬化剤のNHのモル数と前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.7〜1.1である、研磨パッド。
[2]
前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の数平均分子量が350〜600である、[1]に記載の研磨パッド。
前記アミン系硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
下記式(II)
{(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)−(50℃の温水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)}/(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度) (II)
の値が、0.2以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の研磨パッド。
前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物が微小中空球体を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の研磨パッド。
前記研磨層の連続1000回のテーバー摩耗試験による摩耗質量が100mg以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の研磨パッド。
硬化剤は、プレポリマー中のイソシアネート基と反応させて、ポリウレタン樹脂を完成させる化合物である。本発明では、硬化剤としてアミン系硬化剤に下記式に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を組み合わせて使用する。
理論に縛られるものではないが、本発明の研磨パッドにおいては、複数のビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の間でビスフェノールAの芳香環同士のスタッキング(積み重ね)相互作用が働くために、耐熱性及びドレス性に優れているものと推察される。
(ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤)
式(I)で表される特定のビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を使用することにより、予想外にも得られる研磨パッドの耐熱性及びドレス性を適度に向上させることができた。上記式(I)において、Rは炭素数2又は3のアルキレン基であり、具体的には、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレンであり、好ましくは、エチレン、n−プロピレンである。nは1〜7の整数であり、2〜6の整数がより好ましく、3〜5の整数が特に好ましい。mは1〜7の整数であり、2〜6の整数がより好ましく、3〜5の整数が特に好ましい。
(アミン系硬化剤)
本発明では、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤を例示できる。
研磨パッドの耐熱性は、ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の化学構造によって調節できるが、アミン系硬化剤とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤との配合比によっても調節できる。この配合比は、好ましくは、アミン系硬化剤:ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の重量比で、60:40〜80:20であり、より好ましくは、65:35〜75:25である。
さらに、ポリイソシアネート化合物のNCOのモル数に対する、アミン系硬化剤のNHのモル数とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.7〜1.1であり、好ましくは0.8〜1.0である。
(耐熱性)
本発明の研磨パッドは、下記式(II)
{(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)−(50℃の温水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)}/(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度) (II)
の値が、0.2以下であることが好ましく、0.18以下であることがより好ましい。式(II)の値が0.2より大きいと、研磨パッドの耐熱性が不足し、研磨時の摩擦熱により研磨パッドが十分な硬度を保持することができず研磨性能を発揮できなくなる。
(ドレス性)
本発明の研磨パッドにおける研磨層は、連続1000回のテーバー摩耗試験による摩耗質量が100mg以上であることが好ましく、120mg以上であることがより好ましい。連続1000回のテーバー摩耗試験による摩耗質量の値が100mgより小さいと、研磨パッドのドレス性が不足し、ドレス時間が増大し研磨パッドの生産性が低下する。
(研磨パッド)
本発明の研磨パッドは、発泡ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨パッド全体を1つの研磨層とすることができる。
(研磨パッドの製造方法)
本発明の研磨パッドは、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
研磨層は発泡ポリウレタン樹脂から構成されるが、発泡は微小中空球体を含む発泡剤をポリウレタン樹脂中に分散させて行うことができ、この場合、ポリイソシアネート化合物、及び発泡剤を含むポリウレタン樹脂発泡硬化性組成物を調製し、ポリウレタン樹脂発泡硬化性組成物を発泡硬化させることによって成形される。
(ポリイソシアネート成分)
ポリイソシアネート成分としては、例えば、
m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、
2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、
4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート
等が挙げられる。
(ポリオール成分)
ポリオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;
ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;
等が挙げられる。
(硬化剤)
硬化剤は、前述したとおり、アミン系硬化剤と式(I)に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を組み合わせて使用する。アミン系硬化剤と式(I)に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を組み合わせて使用すると、アミン系硬化剤のみを使用する場合に比べて、ポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成する際に生じる発熱を抑制することができる。発熱を抑制することで、ポリウレタン樹脂硬化性組成物に含まれる微小中空球体が過度に膨張することを抑制でき、研磨層の発泡形状、開孔径のバラつきを抑えることができる。
(発泡剤)
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体を、加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル等を用いることができる。
(その他の成分)
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを発泡硬化性組成物に添加してもよい。
(材料)
以下の例で使用した材料を列挙する。
・ウレタンプレポリマーの商品名:
三菱樹脂社製 ノバレタンUP−161
・硬化剤の商品名:
MOCA(アミン系硬化剤)
DIC社製 パンデックスE
ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤
三洋化成社製 ニューポール BPE−40
三洋化成社製 ニューポール BP−3P
エーテル系ポリオール硬化剤
三菱化学社製 PTMG1000
・微小中空球体の商品名:
日本フィライト社製 EXPANCEL 551DE40d42
(実施例1)
A成分にトリレンジイソシアネートを主成分とするNCO当量460のウレタンプレポリマー(ノバレタンUP−161)を100g、B成分に硬化剤であるパンデックスE(NH当量=133.5)とニューポール BPE−40(数平均分子量=410、OH当量=205)を重量比70:30で混合したものを30g、C成分に微小中空球体(EXPANCEL 551DE40d42)1gをそれぞれ準備した。なお、B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が80:20である。また、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のアミン系硬化剤のNHのモル数とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。
得られた混合液を80℃に加熱した型枠(200mm×300mmの正方形)に注型し、1時間加熱し硬化させた後、形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出し、その後120℃で5時間キュアリングした。この発泡体を1.3mm厚にスライスしてウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、パンデックスE(NH当量=133.5)とニューポール BP−3P(数平均分子量=530、OH当量=265)を重量比70:30で混合したものを30g準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が80:20である。また、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のアミン系硬化剤のNHのモル数とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
(比較例1)
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、パンデックスE(NH当量=133.5)を30g準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が100:0である。A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のアミン系硬化剤のNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
(比較例2)
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、パンデックスE(NH当量=133.5)とPTMG1000(数平均分子量=1000、OH当量=500)を重量比50:50で混合したものを42g準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエーテル系ポリオール硬化剤とのモル比が80:20であり、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のアミン系硬化剤のNHのモル数とエーテル系ポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
(試験方法)
(D硬度)
D硬度はJISK6253−1997/ISO7619に準じて測定した。20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッド及び50℃の温水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度を測定した。
日本工業規格(JIS K 6902)のテーバー摩耗試験に準じた方法に従い測定した。
研磨パッドについて、ドレス処理を10分間施し、ドレス処理前後の研磨面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JMS−5500LV)によって、100倍に拡大して観察した。得られた画像を画像処理ソフト(ニコン社製、ImageAnalyzerV20LABVer.1.3)により二値化処理をした。評価基準は、研磨面の開孔が閉塞していなかったものを○、研磨面の開孔に閉塞が見られたものを×とした。
研磨パッドの断面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JMS−5500LV)によって、100倍に拡大して観察した。得られた画像を画像処理ソフト(ニコン社製、ImageAnalyzerV20LABVer.1.3)により二値化処理をした。開孔が均一であるものを○、変形した開孔が見られたものを×とした。
研磨試験の条件は下記の通りである。
・使用研磨機:荏原製作所社製 F−REX300
・Disk:3MA188(#100)
・回転数:(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
・研磨圧力:3.5psi
・研磨剤:キャボット社製、品番:SS25(SS25原液:純水=1:1の混合液を使
用)
・研磨剤温度:20℃
・研磨剤吐出量:200ml/min
・使用ワーク(被研磨物):12インチのシリコンウエハ上にテトラエトキシシラン(TEOS)をPE−CVDで絶縁膜1μmの厚さになるように形成した基板研磨の初期温度が20℃から研磨中にパッド表面温度が上昇し、40〜50℃になる。
・研磨レートは、ドレス処理を10分間施した後、25枚のウエハをダミー研磨したときに測定した値である。
Claims (7)
- ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物、及び硬化剤を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
前記硬化剤は、アミン系硬化剤及び下記式(I)に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を含み、
前記アミン系硬化剤と前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が、90:10〜70:30であり、
前記ポリイソシアネート化合物のNCOのモル数に対する、前記アミン系硬化剤のNHのモル数と前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.7〜1.1である、研磨パッド。
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基であり、n及びmはそれぞれ独立して1〜7の整数である) - 前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の数平均分子量が350〜600である、請求項1に記載の研磨パッド。
- 前記アミン系硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
- 下記式(II)
{(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)−(50℃の温水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)}/(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度) (II)
の値が、0.2以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。 - 前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物が微小中空球体を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記研磨層の連続1000回のテーバー摩耗試験による摩耗質量が100mg以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド。
- 前記硬化剤が前記アミン系硬化剤及び前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤からなる、請求項1〜6のいずれかに記載の研磨パッド。
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