JP6855202B2 - 研磨パッド - Google Patents

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Description

本発明は、光学材料、半導体用基板、半導体ウエハ、ハードディスク基板、液晶用ガラス基板、半導体デバイスなどの高度の表面平坦性を要求される材料の研磨を行うための研磨シート乃至研磨パッドに関する。本発明は、特に半導体ウエハの上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを研磨するのに好適に用いられる。
光学材料、半導体基板、半導体ウエハ、ハードディスク基板、液晶用ガラス基板、半導体デバイスは非常に精密な平坦性が要求される。また半導体材料の表面は、金属、有機及び無機の絶縁材料など硬度の異なる様々な材料が露出している。このような材料の表面を平坦に研磨するためには、研磨パッドの表面も均一な剛性を維持していることが必要である。研磨パッドの表面の剛性が研磨作業の間に変化する場合には、所望の平坦性は達成できない。
例えば、研磨開始から研磨パッド及び砥液を交換するまでの1回の研磨作業の終期には相当の研磨屑が発生している。研磨屑の蓄積が原因で開口部に目詰まりして、スラリーの保持が悪化し、摩擦熱が発生するので、1回の研磨作業の間に、研磨される材料の表面の温度は初期から終期にかけて上昇し、20℃〜70℃を含む幅広い温度範囲で変化する。また、化学機械研磨に使用される研磨液は温度上昇とともに化学的作用(非研磨物の表面の腐食)が強くなる。したがって、被研磨物や研磨液の温度変化により、局部的に剛性が低下した研磨パッドの表面により、精密な平坦性は達成できず、また金属部分のみが優先的に研磨される現象(ディッシング)などが起こやすい傾向となる。
また、研磨屑の蓄積は、通常、ドレッサーを用いて研磨パッドの表面を粗面化(ドレス)することにより解消する。このドレスに要する時間がかかり過ぎると、即ちドレス速度が低いと、研磨効率が悪くなる。
多くの硬質研磨パッドは、ポリオール成分とイソシアネート成分との反応物であるウレタンプレポリマーを用い、ジアミン類又はジオール類等の硬化剤(鎖延長剤)、発泡剤、触媒等を添加混合して得られるポリウレタン組成物を硬化させるプレポリマー法により製造されている。プレポリマー法において、ポリウレタン組成物の改質を行う場合、例えば、研磨時の摩擦熱による研磨パッドの硬度の低下を防止するため、ウレタンプレポリマーのポリオール成分やイソシアネート成分や硬化剤のジアミン類やジオール類等、配合する材料の検討が進められている。
特許文献1には、アミン系硬化剤に水酸基を1つ有する芳香族化合物及び/又はアミノ基を一つ有する芳香族化合物組み合わせて使用して、ポリウレタン樹脂中に比較的低分子量のポリマーを分散させて、ポリウレタン樹脂の硬度を維持したままポリウレタン樹脂自体の「ねばり」を低減し、ドレス性を向上させることが開示されている。
特許文献2には、特定の硬化剤を複数使用することにより、硬度を大きく低下させることなく、適度な剛性及び靱性を備えた研磨パッドが得られることが開示されている。
特開2013−066977号公報 特許5725300号公報
本発明者らは、従来の研磨パッドは耐熱性及びドレス性が十分でなく、このため、研磨時の摩擦熱によって研磨パッドの硬度が低下し、また、ドレス時間が増大すると考えた。この課題を解決するために、研磨パッドの耐熱性及びドレス性を向上させるべく、プレポリマーに添加混合する硬化剤について鋭意検討を行った。
即ち、本発明は以下のものを提供する。
[1]
ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物、及び硬化剤を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
前記硬化剤は、アミン系硬化剤及び下記式(I)に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を含み、
前記アミン系硬化剤と前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が、90:10〜70:30であり、
前記ポリイソシアネート化合物のNCOのモル数に対する、前記アミン系硬化剤のNHのモル数と前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.7〜1.1である、研磨パッド。
Figure 0006855202
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基であり、n及びmはそれぞれ独立して1〜7の整数である)
[2]
前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の数平均分子量が350〜600である、[1]に記載の研磨パッド。
[3]
前記アミン系硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、[1]又は[2]に記載の研磨パッド。
[4]
下記式(II)
{(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)−(50℃の温水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)}/(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度) (II)
の値が、0.2以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の研磨パッド。
[5]
前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物が微小中空球体を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載の研磨パッド。
[6]
前記研磨層の連続1000回のテーバー摩耗試験による摩耗質量が100mg以上である、[1]〜[5]のいずれかに記載の研磨パッド。
本発明によれば、耐熱性に優れ、研磨時の摩擦熱による硬度の低下が抑制され、ドレス性に優れた研磨パッドを得ることができる。
(作用)
硬化剤は、プレポリマー中のイソシアネート基と反応させて、ポリウレタン樹脂を完成させる化合物である。本発明では、硬化剤としてアミン系硬化剤に下記式に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を組み合わせて使用する。
Figure 0006855202
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基であり、n及びmはそれぞれ独立して1〜7の整数である)
理論に縛られるものではないが、本発明の研磨パッドにおいては、複数のビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の間でビスフェノールAの芳香環同士のスタッキング(積み重ね)相互作用が働くために、耐熱性及びドレス性に優れているものと推察される。
アルキレン基はスペーサーとして利用するために炭素数2以上であることが望ましいが、アルキレン基の炭素数が大きすぎると、式(I)のビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を用いた研磨層の耐熱性が低くなってしまう。このため、Rの炭素数は2又は3の範囲であることが本発明において重要である。
また、アルキレン基をスペーサーとして利用するために、n及び/又はmの値が一定数以上であることが望ましいが、n及び/又はmの値が大きすぎると、式(I)のビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を用いた研磨層の耐熱性が低くなってしまう。また、n及び/又はmの値が大きくなりすぎると、硬化後に得られるポリウレタンの分子量が大きくなりすぎ、ドレス性が低下する。このため、n及びmはそれぞれ独立して1〜7の整数であることが本発明において重要である。
(ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤)
式(I)で表される特定のビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を使用することにより、予想外にも得られる研磨パッドの耐熱性及びドレス性を適度に向上させることができた。上記式(I)において、Rは炭素数2又は3のアルキレン基であり、具体的には、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレンであり、好ましくは、エチレン、n−プロピレンである。nは1〜7の整数であり、2〜6の整数がより好ましく、3〜5の整数が特に好ましい。mは1〜7の整数であり、2〜6の整数がより好ましく、3〜5の整数が特に好ましい。
式(I)で表される特定のビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の数平均分子量は、350〜600が好ましく、370〜580がより好ましく、400〜550が特に好ましい。式(I)で表される特定のビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の数平均分子量が後述するポリイソシアネート化合物中におけるポリオール成分の数平均分子量よりも小さいことで、相分離が起こりやすくなり、弾性に優れた研磨パッドを得ることができる。
(アミン系硬化剤)
本発明では、例えば、以下に説明するアミン系硬化剤を例示できる。
ポリアミンとしては、例えば、ジアミンが挙げられ、これには、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアルキレンジアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミンなどの脂肪族環を有するジアミン;3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(別名:メチレンビス−o−クロロアニリン)(以下、MOCAと略記する。)などの芳香族環を有するジアミン;2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン等の水酸基を有するジアミン、特にヒドロキシアルキルアルキレンジアミン;等が挙げられる。また、3官能のトリアミン化合物、4官能以上のポリアミン化合物も使用可能である。
特に好ましい硬化剤は、前述したMOCAであり、このMOCAの化学構造は、以下のとおりである。
Figure 0006855202
(硬化剤の使用量)
研磨パッドの耐熱性は、ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の化学構造によって調節できるが、アミン系硬化剤とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤との配合比によっても調節できる。この配合比は、好ましくは、アミン系硬化剤:ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の重量比で、60:40〜80:20であり、より好ましくは、65:35〜75:25である。
また、アミン系硬化剤とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比は、90:10〜70:30であり、より好ましくは85:15〜75:25である。
さらに、ポリイソシアネート化合物のNCOのモル数に対する、アミン系硬化剤のNHのモル数とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.7〜1.1であり、好ましくは0.8〜1.0である。
硬化剤全体の量は、ポリイソシアネート化合物の量(プレポリマーの量)を100重量部として、好ましくは10〜50重量部、より好ましくは20〜40重量部である。
(耐熱性)
本発明の研磨パッドは、下記式(II)
{(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)−(50℃の温水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)}/(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度) (II)
の値が、0.2以下であることが好ましく、0.18以下であることがより好ましい。式(II)の値が0.2より大きいと、研磨パッドの耐熱性が不足し、研磨時の摩擦熱により研磨パッドが十分な硬度を保持することができず研磨性能を発揮できなくなる。
(ドレス性)
本発明の研磨パッドにおける研磨層は、連続1000回のテーバー摩耗試験による摩耗質量が100mg以上であることが好ましく、120mg以上であることがより好ましい。連続1000回のテーバー摩耗試験による摩耗質量の値が100mgより小さいと、研磨パッドのドレス性が不足し、ドレス時間が増大し研磨パッドの生産性が低下する。
(研磨パッド)
本発明の研磨パッドは、発泡ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する。研磨層は被研磨材料に直接接する位置に配置され、研磨パッドのその他の部分は、研磨パッドを支持するための材料、例えば、ゴムなどの弾性に富む材料で構成されてもよい。研磨パッドの剛性によっては、研磨パッド全体を1つの研磨層とすることができる。
本発明の研磨パッドは、研磨屑の蓄積時に被研磨材料にスクラッチ等のディフェクトが生じにくいことを除けば、一般的な研磨パッドと形状に大きな差異は無く、一般的な研磨パッドと同様に使用することができ、例えば、研磨パッドを回転させながら研磨層を被研磨材料に押し当てて研磨することもできるし、被研磨材料を回転させながら研磨層に押し当てて研磨することもできる。
(研磨パッドの製造方法)
本発明の研磨パッドは、一般に知られたモールド成形、スラブ成形等の製造法より作成できる。まずは、それら製造法によりポリウレタンのブロックを形成し、ブロックをスライス等によりシート状とし、ポリウレタン樹脂から形成される研磨層を成形し、支持体などに貼り合わせることによって製造される。あるいは支持体上に直接研磨層を成形することもできる。
より具体的には、研磨層は、研磨層の研磨面とは反対の面側に両面テープが貼り付けられ、所定形状にカットされて、本発明の研磨パッドとなる。両面テープに特に制限はなく、当技術分野において公知の両面テープの中から任意に選択して使用することが出来る。また、本発明の研磨パッドは、研磨層のみからなる単層構造であってもよく、研磨層の研磨面とは反対の面側に他の層(下層、支持層)を貼り合わせた複層からなっていてもよい。
研磨層は、ポリイソシアネート化合物を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を調製し、前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させることによって成形される。
研磨層は発泡ポリウレタン樹脂から構成されるが、発泡は微小中空球体を含む発泡剤をポリウレタン樹脂中に分散させて行うことができ、この場合、ポリイソシアネート化合物、及び発泡剤を含むポリウレタン樹脂発泡硬化性組成物を調製し、ポリウレタン樹脂発泡硬化性組成物を発泡硬化させることによって成形される。
ポリウレタン樹脂硬化性組成物は、例えば、ポリイソシアネート化合物を含むA液と、それ以外の成分を含むB液とを混合して調製する2液型の組成物とすることもできる。それ以外の成分を含むB液はさらに複数の液に分割して3液以上の液を混合して構成される組成物とすることができる。
ここで、ポリイソシアネート化合物は、当業界でよく用いられるような、以下のポリイソシアネート成分とポリオール成分との反応により調製されるプレポリマーをいう。プレポリマーは未反応のイソシアネート基を含む当業界で一般に使用されているものが本発明においても使用できる。
(ポリイソシアネート成分)
ポリイソシアネート成分としては、例えば、
m−フェニレンジイソシアネート、
p−フェニレンジイソシアネート、
2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、
2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、
ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、
ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、
4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)、
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソシアネート、
4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、
トリメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
プロピレン−1,2−ジイソシアネート、
ブチレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、
シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、
p−フェニレンジイソチオシアネート、
キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、
エチリジンジイソチオシアネート
等が挙げられる。
(ポリオール成分)
ポリオール成分としては、例えば、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどのジオール;
ポリテトラメチレングリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリエーテルポリオール;
エチレングリコールとアジピン酸との反応物やブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール;
ポリカーボネートポリオール;
ポリカプロラクトンポリオール;
等が挙げられる。
ポリオール成分の数平均分子量は、1500〜5000であることが好ましい。ポリオール成分の数平均分子量がビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の数平均分子量よりも大きいことで、相分離が起こりやすくなり、弾性に優れた研磨パッドを得ることができる。
(硬化剤)
硬化剤は、前述したとおり、アミン系硬化剤と式(I)に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を組み合わせて使用する。アミン系硬化剤と式(I)に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を組み合わせて使用すると、アミン系硬化剤のみを使用する場合に比べて、ポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成する際に生じる発熱を抑制することができる。発熱を抑制することで、ポリウレタン樹脂硬化性組成物に含まれる微小中空球体が過度に膨張することを抑制でき、研磨層の発泡形状、開孔径のバラつきを抑えることができる。
(発泡剤)
微小中空球体をポリウレタン樹脂に混合することによって発泡体を形成することができる。微小中空球体とは、熱可塑性樹脂からなる外殻(ポリマー殻)と、外殻に内包される低沸点炭化水素とからなる未発泡の加熱膨張性微小球状体を、加熱膨張させたものをいう。前記ポリマー殻としては、例えば、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体などの熱可塑性樹脂を用いることができる。同様に、ポリマー殻に内包される低沸点炭化水素としては、例えば、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、石油エーテル等を用いることができる。
(その他の成分)
その他に当業界で一般的に使用される触媒などを発泡硬化性組成物に添加してもよい。
本発明を以下の例により実験的に説明するが、以下の説明は、本発明の範囲が以下の例に限定して解釈されることを意図するものではない。
(材料)
以下の例で使用した材料を列挙する。
・ウレタンプレポリマーの商品名:
三菱樹脂社製 ノバレタンUP−161
・硬化剤の商品名:
MOCA(アミン系硬化剤)
DIC社製 パンデックスE
ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤
三洋化成社製 ニューポール BPE−40
三洋化成社製 ニューポール BP−3P
エーテル系ポリオール硬化剤
三菱化学社製 PTMG1000
・微小中空球体の商品名:
日本フィライト社製 EXPANCEL 551DE40d42
(実施例1)
A成分にトリレンジイソシアネートを主成分とするNCO当量460のウレタンプレポリマー(ノバレタンUP−161)を100g、B成分に硬化剤であるパンデックスE(NH当量=133.5)とニューポール BPE−40(数平均分子量=410、OH当量=205)を重量比70:30で混合したものを30g、C成分に微小中空球体(EXPANCEL 551DE40d42)1gをそれぞれ準備した。なお、B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が80:20である。また、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のアミン系硬化剤のNHのモル数とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。
A成分及びB成分をそれぞれ予め減圧脱泡した後、A成分、B成分及びC成分を混合機に供給した。
得られた混合液を80℃に加熱した型枠(200mm×300mmの正方形)に注型し、1時間加熱し硬化させた後、形成された樹脂発泡体を型枠から抜き出し、その後120℃で5時間キュアリングした。この発泡体を1.3mm厚にスライスしてウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
(実施例2)
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、パンデックスE(NH当量=133.5)とニューポール BP−3P(数平均分子量=530、OH当量=265)を重量比70:30で混合したものを30g準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が80:20である。また、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のアミン系硬化剤のNHのモル数とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
(比較例1)
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、パンデックスE(NH当量=133.5)を30g準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が100:0である。A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のアミン系硬化剤のNHのモル数の比率(NHのモル数/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
(比較例2)
実施例1のB成分で用いた硬化剤に代えて、パンデックスE(NH当量=133.5)とPTMG1000(数平均分子量=1000、OH当量=500)を重量比50:50で混合したものを42g準備した。B成分の硬化剤は、アミン系硬化剤とエーテル系ポリオール硬化剤とのモル比が80:20であり、A成分のプレポリマーのNCOのモル数に対する、B成分のアミン系硬化剤のNHのモル数とエーテル系ポリオール硬化剤のOHのモル数の合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.9である。A成分及びC成分は実施例1と同様とした。
以降、実施例1と同様にしてウレタンシートを作成し、研磨パッドを得た。
(試験方法)
(D硬度)
D硬度はJISK6253−1997/ISO7619に準じて測定した。20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッド及び50℃の温水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度を測定した。
(テーバー摩耗)
日本工業規格(JIS K 6902)のテーバー摩耗試験に準じた方法に従い測定した。
(ドレス性)
研磨パッドについて、ドレス処理を10分間施し、ドレス処理前後の研磨面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JMS−5500LV)によって、100倍に拡大して観察した。得られた画像を画像処理ソフト(ニコン社製、ImageAnalyzerV20LABVer.1.3)により二値化処理をした。評価基準は、研磨面の開孔が閉塞していなかったものを○、研磨面の開孔に閉塞が見られたものを×とした。
(開孔径のバラつき)
研磨パッドの断面を走査型電子顕微鏡(日本電子社製、JMS−5500LV)によって、100倍に拡大して観察した。得られた画像を画像処理ソフト(ニコン社製、ImageAnalyzerV20LABVer.1.3)により二値化処理をした。開孔が均一であるものを○、変形した開孔が見られたものを×とした。
(研磨レート)
研磨試験の条件は下記の通りである。
・使用研磨機:荏原製作所社製 F−REX300
・Disk:3MA188(#100)
・回転数:(定盤)70rpm、(トップリング)71rpm
・研磨圧力:3.5psi
・研磨剤:キャボット社製、品番:SS25(SS25原液:純水=1:1の混合液を使
用)
・研磨剤温度:20℃
・研磨剤吐出量:200ml/min
・使用ワーク(被研磨物):12インチのシリコンウエハ上にテトラエトキシシラン(TEOS)をPE−CVDで絶縁膜1μmの厚さになるように形成した基板研磨の初期温度が20℃から研磨中にパッド表面温度が上昇し、40〜50℃になる。
・研磨レートは、ドレス処理を10分間施した後、25枚のウエハをダミー研磨したときに測定した値である。
以上の結果を表1に示す。
Figure 0006855202
表1に示すように、比較例1及び比較例2の場合、耐熱性が悪く、式IIから得られた値が0.2を超えたため、研磨パッドが軟質化し、ドレス性が低下し、研磨レートが低くなった。また、比較例1は、開孔径のバラつきが大きかった。さらに、比較例2は、テーバー摩耗量が多すぎることで、研磨に適切な研磨面を得ることができず、研磨レートが安定しなかった。
一方、式(I)に示すビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤をアミン系硬化剤に混合させた硬化剤を用いた実施例1及び2の場合、耐熱性が向上し、式IIから得られた値を0.2以下に抑制することができ、研磨パッドの硬度を維持することができた。また、テーバー摩耗量も多く、研磨加工に好適な研磨面を得ることができた。そのため、高い研磨レートを得ることができた。
したがって、式(I)に示す特定のビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤をアミン系硬化剤に混合させた硬化剤を使用することにより、本発明の研磨パッドはスラリーを使用した研磨作業中に発生する摩擦熱等による研磨パッドの極端な軟質化が抑制され、研磨加工に好適な硬度を維持しており、この硬度維持が研磨性能の安定化に大きく寄与することがわかった。また、テーバー摩耗量が適切な量となり、容易に研磨に適切な研磨面を得ることができたことから、ドレス性能の向上に大きく寄与することがわかった。

Claims (7)

  1. ポリウレタン樹脂からなる研磨層を有する研磨パッドであって、
    前記研磨層が、ポリイソシアネート化合物、及び硬化剤を含むポリウレタン樹脂硬化性組成物を硬化させて形成され、
    前記硬化剤は、アミン系硬化剤及び下記式(I)に示されるビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤を含み、
    前記アミン系硬化剤と前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤とのモル比が、90:10〜70:30であり、
    前記ポリイソシアネート化合物のNCOのモル数に対する、前記アミン系硬化剤のNHのモル数と前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤のOHのモル数との合計の比率((NHのモル数+OHのモル数)/NCOのモル数)が0.7〜1.1である、研磨パッド。
    Figure 0006855202
    (式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基であり、n及びmはそれぞれ独立して1〜7の整数である)
  2. 前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤の数平均分子量が350〜600である、請求項1に記載の研磨パッド。
  3. 前記アミン系硬化剤が3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタンを含む、請求項1又は2に記載の研磨パッド。
  4. 下記式(II)
    {(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)−(50℃の温水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度)}/(20℃の水で飽和膨潤させた研磨パッドのD硬度) (II)
    の値が、0.2以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
  5. 前記ポリウレタン樹脂硬化性組成物が微小中空球体を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
  6. 前記研磨層の連続1000回のテーバー摩耗試験による摩耗質量が100mg以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッド。
  7. 前記硬化剤が前記アミン系硬化剤及び前記ビスフェノールA構造を有するポリオール硬化剤からなる、請求項1〜6のいずれかに記載の研磨パッド
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