JP6865656B2 - 感熱記録材料 - Google Patents

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Description

本発明は感熱記録材料に関し、詳しくは、顕色剤としてN−置換アミノ酸誘導体を用い、当該顕色剤と共にN、N’−ジアリール尿素誘導体を用いた感熱記録材料に関する。
一般に、感熱記録材料は常温で無色ないし淡色の塩基性染料と有機顕色剤と、に感熱ヘッド、熱ペン等の熱エネルギー(ジュール熱)を加えることにより発色記録が得られるようにした感熱記録材料はすでに広く実用化されている。
その感熱記録材料に求められる性能として、未印字部の白色度と種々の環境条件における未印字部の白色度、印字部の発色濃度とその印字部の保存安定性などが挙げられる。印字部の保存安定性とは、印字画像が高湿度の環境下に置かれた場合、水が付着した場合、油類が付着した場合又は可塑剤が付着した場合等にも消失しない性能を意味する。
一方、感熱記録材料によって形成される印字の前記要求性能は、感熱記録材料の主成分である染料、顕色剤、増感剤に拠るところが大きく、とりわけ、顕色剤の影響が大きい。この為、上記の要求性能を満足する顕色剤として、フェノール系化合物、スルホニル尿素化合物など石油化学由来の合成化合物が提案されてきた。その中でもフェノール系化合物が数多く開発され、実用化されている。
しかしながら、フェノール系化合物の一部には内分泌攪乱物質の疑義があり、その使用が抑制される傾向がある。例えば、ビスフェノールA(2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン)はポリエステル用原料として又感熱紙用顕色剤などで多量に使用されていたが、改正前の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律では、第二および第三監視化学物質として、改正後の同法律では優先評価化学物質として認定されており、更に内分泌攪乱物質の疑いからその使用がEU、米国、カナダ国、日本国等では既に自粛されている。
ビスフェノールS(4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン)は染色体異常などの疑義から改正前の化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律では、指定化学物質に登録され、第二監視化学物質として、規制されていた。
スルホニルウレア化合物等の非フェノール系顕色剤として、4,4’−ジアミノジフェニルアルカンなどの合成化合物を原料として用いるなどの提案がある(特許文献1)。天然アミノ酸を主原料としたアシル化アミノ酸を用いる非フェノール系顕色剤の使用も提案されている(特許文献2)。また、アミノ酸と糖類の加熱による褐変反応(メイラード反応)を応用して画像を得る感熱記録材料の提案もなされている(特許文献3)。
特開平05−147357号公報 特開平07−109423号公報 特開2005−254764号公報 国際公開第2017/047572号
しかしながら、特許文献1に提案のスルホニルウレア化合物は、その構成成分として、ビスフェノールAと類似の分子構造である合成化合物を原料として用いるなどの課題があり、また、感熱記録材料の顕色剤としての要求性能に対して充分といえるものではなかった。
特許文献2の、天然アミノ酸を主原料としたアシル化アミノ酸を用いる顕色剤の使用については、先に記述した内分泌攪乱の原因物質の範疇ではないが、アシル化物は発色濃度、白色度や未印字部・印字部等の各種保存安定性などにおいて、その品質性能は感熱記録材料の顕色剤としての要求性能に達していない。
特許文献3のアミノ酸と糖類の加熱による褐変反応(メイラード反応)を応用して画像を得る提案も、顕色剤としての要求性能を満足するものではない。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、発色濃度、白色度、および内分泌攪乱作用の懸念がないN−置換アミノ酸誘導体に、印字部の耐水性を向上させるためにN、N’−ジアリール尿素誘導体を用いた感熱記録材料を提供するものである。
本発明者等は、食品でもあるアミノ酸を感熱記録材料の顕色剤に使用できないか、との観点から検討してきた。その結果、アミノ酸は、塩基性のアミノ基と酸性のカルボキシル基が同一分子内に共存し分子内中和している為、アミノ酸は塩基性染料と接触しても呈色しないことが判った。本発明者等は、感熱記録材料の顕色剤としての要求性能や顕色能に寄与する官能基をアミノ酸のアミノ基の保護基として導入することにより、分子内中和が解消し、更にアミノ酸の顕色能が強く発現し、特に天然アミノ酸を原料とするN−置換アミノ酸誘導体を顕色剤とする感熱記録材料に関する発明を提案している(特許文献4)。
本発明者等は、更に前記N−置換アミノ酸誘導体を顕色剤とした感熱記録材料の発色濃度、白色度、耐熱性を低下させずに印字部の保存安定性、特に耐水性を更に向上させた感熱記録材料を提供することを検討した。その結果、顕色剤に前記N−置換アミノ酸誘導体を使用した際に、保存安定剤としてN、N’−ジアリール尿素誘導体を併用することにより、前記N−置換アミノ酸誘導体を顕色剤とした感熱記録材料の発色濃度、白色度、耐熱性を低下させずに印字部の保存安定性、特に耐水性を更に向上させることが判明し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、常温で無色ないし淡色の塩基性染料と、加熱により該染料と接触して呈色し得る顕色剤とを含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料であって、前記顕色剤が、下記一般式(1)で表されるN−置換アミノ酸誘導体を含み、且つ、保存安定剤として、下記一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体を含む感熱記録材料が提供される。
(R−X)−Y−(Z) ・・・(1)
(式(1)中、RはC6〜C10のアリール基を有するアルキル基、又は、C1〜C8のアルキル基、C7〜C11のアラルキル基、C6〜C10のアリール基、若しくはC1〜C8のアルコキシ基の置換基を有していてもよいアリール基を表す。
Xは、YのN末端に結合する基であって、−OCO−、−SONHCO−、−NHCO−、−NHCS−、又は−SO−を表わす。
Yは、アミノ酸残基又はペプチド残基を表わし、Y基中の、セリン残基、スレオニン残基、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、又はチロシン残基のOH基は、OR基又はOR”基に置換していてもよく、システイン残基のSH基は、SR基又はSR”基に置換していてもよく、ヒスチジン残基のNH基は、NR基又はNR’基に置換していてもよく、リシン残基又はオルニチン残基のNH基は、NHR基又はNHR’基に置換していてもよく、R’はアミノ保護基を表し、R”はカルボキシ保護基を表す。
Zは、YのC末端に結合する基であって、OH基又はOR”基を表す。
複数のR、R’、R”は同じであっても、異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
ただし、Yは、シスチン残基以外のアミノ酸残基又はシスチン残基を有さないペプチド残基であり、m=1である。)
Figure 0006865656
(式中、Rはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
前記N、N’−ジアリール尿素誘導体が、下記式(3)又は(4)で表されるものであってもよい。
Figure 0006865656
前記顕色剤がN−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(フェニルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルグリシンおよびN−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシンからなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
前記一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体の含有量が、顕色剤100質量部に対して10〜400質量部であってもよい。
本発明を構成する前記のN−置換アミノ酸を原料とした誘導体の顕色剤は、従来の顕色剤と同等の感熱記録材料の要求性能を満足し、かつ内分泌攪乱作用等のない安全な感熱記録材料であって、更に、感熱記録材料の発色濃度、白色度、耐熱性を低下させずに印字部の保存安定性、特に耐水性が高い感熱記録材料を提供することができる。
N,N’−ジ−[3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素のIRチャートを示す。 N,N’−ジ−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]尿素のIRチャートを示す。
本発明の感熱記録材料は、常温で無色ないし淡色の塩基性染料と、加熱により該染料と接触して呈色し得る顕色剤とを含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料であって、前記顕色剤が、一般式(1)で表されるN−置換アミノ酸誘導体を含み、且つ、保存安定剤として、一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体を含むことを特徴とする。
本発明の感熱記録材料において、前記顕色剤が下記一般式(1)で表されるN−置換アミノ酸誘導体の少なくとも一種である。
(R−X)−Y−(Z) ・・・(1)
式(1)中、RはC6〜C10のアリール基を有するアルキル基、又は、C1〜C8のアルキル基、C7〜C11のアラルキル基、C6〜C10のアリール基、若しくはC1〜C8のアルコキシ基の置換基を有していてもよいアリール基を表す。C6〜C10のアリール基を有するアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、o−トリルメチル基、m−トリルメチル基、p−トリルメチル基、o−トリルエチル基、m−トリルエチル基、p−トリルエチル基等が挙げられる。C1〜C8のアルキル基の置換基を有してもよいアリール基としては、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、1−エチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、1−プロピルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、1−ブチルフェニル基、2−ブチルフェニル基、3−ブチルフェニル基、1−ペンチルフェニル基、2−ペンチルフェニル基、3−ペンチルフェニル基などが挙げられる。C7〜C11のアラルキル基の置換基を有していてもよいアリール基としては、p−ベンジルビフェニル基などが挙げられる。C6〜C10のアリール基の置換基を有していてもよいアリール基としては、ビフェニル基、3,3’−ジメチルビフェニル基などが挙げられる。C1〜C8のアルコキシ基の置換基を有していてもよいアリール基としては、6−メトキシフェニル基などが挙げられる。
Xは、YのN末端に結合する基であって、−OCO−、−SONHCO−、−NHCO−、−NHCS−、又は−SO−(スルホニル基)を表わす。
Yは、アミノ酸残基又はペプチド残基を表わし、Y基中の、セリン残基、スレオニン残基、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、又はチロシン残基のOH基は、OR基又はOR”基に置換していてもよく、システイン残基のSH基は、SR基又はSR”基に置換していてもよく、ヒスチジン残基のNH基は、NR基又はNR’基に置換していてもよく、リシン残基又はオルニチン残基のNH基は、NHR基又はNHR’基に置換していてもよく、R’はアミノ保護基を表し、R”はカルボキシ保護基を表す。Y基中のヒスチジン残基のNH基、又は、リシン残基若しくはオルニチン残基のNH基を保護するアミノ保護基(R’基)として、RX基が挙げられ、この他に、アシル基、アルキル基が挙げられる。Y基中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基を保護するカルボキシ保護基(R”基)として、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基などが挙げられる。また、Y基中のセリン残基、スレオニン残基、若しくはチロシン残基のOH基、又はシステイン残基のSH基の保護基として、前記カルボキシ保護基(R”基)が挙げられる。
Yは、アミノ酸残基又はペプチド残基を表わし、Y基中の、セリン残基、スレオニン残基、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、又はチロシン残基のOH基は、OR基又はOR”基に置換していてもよく、システイン残基のSH基は、SR基又はSR”基に置換していてもよく、ヒスチジン残基のNH基は、NR基又はNR’基に置換していてもよく、リシン残基又はオルニチン残基のNH基は、NHR基又はNHR’基に置換していてもよく、R’はアミノ保護基を表し、R”はカルボキシ保護基を表す。Y基中のヒスチジン残基のNH基、又は、リシン残基若しくはオルニチン残基のNH基を保護するアミノ保護基(R’基)として、RX基が挙げられ、この他に、アシル基、アルキル基が挙げられる。Y基中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基を保護するカルボキシ保護基(R”基)として、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基などが挙げられる。また、Y基中のセリン残基、スレオニン残基、若しくはチロシン残基のOH基、又はシステイン残基のSH基の保護基として、前記カルボキシ保護基(R”基)が挙げられる。
Zは、YのC末端に結合する基であって、OH基又はOR”基を表す。
複数のR、R’、R”は同じであっても、異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
ただし、Yは、シスチン残基以外のアミノ酸残基であるとき又はシスチン残基を有さないペプチド残基であり、m=1である。
前記一般式で表されるN−置換アミノ酸誘導体は、ショッテンバウマン反応などの公知の方法を適用することによりアミノ酸またはアミノ酸誘導体とスルホン酸塩化物やイソシアネート化合物などから容易に製造することができる。
前記一般式で表される化合物の構成成分として利用されるアミノ酸、ペプチドおよびこれらのエステル、アミドは、L−体あるいはD−体あるいはDL−体であってもよい。天然アミノ酸であってもよく、非天然アミノ酸であってもよく、α−アミノ酸であってもよく、β−アミノ酸であってもよい。エステルはC1〜C4のアルキルエステル、アリールエステル、アラルキルエステルであり、アミドはアミド、アルキル置換アミド、アリール置換アミドなどである。
具体的には、グリシン、グリシンメチルエステル、グリシンエチルエステル、グリシン−t−ブチルエステル、グリシンフェニルエステル、グリシンp−クレジルエステル、グリシンm−クレジルエステル、グリシンベンジルエステルなどのエステル誘導体、グリシンアミド、N’−メチルグリシンアミド、グリシルアニリドなどのアミド誘導体、フェニルグリシン、フェニルグリシンメチルエステル、フェニルグリシンエチルエステル、フェニルグリシンベンジルエステルなどのエステル誘導体、フェニルグリシンアミド、アラニン、アラニンメチルエステル、アラニンエチルエステル、アラニンベンジルエステルなどのエステル誘導体、アラニンアミド、フェニルアラニン、ナフチルアラニン、フェニルアラニンメチルエステル、フェニルアラニンエチルエステル、フェニルアラニンベンジルエステルなどのエステル誘導体、フェニルアラニンアミド、N’−メチルフェニルアラニンアミド、フェニルアラニルアニリドなどのアミド誘導体、バリン、バリンメチルエステル、バリンメチルエステル、バリンイソプロピルエステル、バリン−t−ブチルエステル、バリンベンジルエステルなどのエステル誘導体、バリンアミド、ロイシン、ロイシンメチルエステル、イソロイシン、セリン、o−メチルセリン、o−ベンジルセリンなどのo−置換セリン、セリンメチルエステル、セリンベンジルエステルなどのエステル誘導体、スレオニン、o−メチルスレオニン、o−ベンジルスレオニンなどのo−置換スレオニン、スレオニンメチルエステル、スレオニン−t−ブチルエステルなどのエステル誘導体、チロシン、o−メトキシチロシン、o−ベンジルオキシチロシン、チロシンなどのo−置換チロシン、3−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)アラニン(DOPA)、チロシンメチルエステル、チロシンベンジルエステルなどのエステル誘導体、チロシンアミド、プロリン、ヒドロキシプロリン、プロリンメチルエステル、プロリン−t−ブチルエステル、プロリンベンジルエステルなどのエステル誘導体、プロリンアミド、リシン、オルニチン、リシンメチルエステル、リシンエチルエステル、リシンベンジルエステル、オルニチンメチルエステル、オルニチンエチルエステル、オルニチンベンジルエステルなどのエステル誘導体、アルギニン、アルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、ヒスチジン、ヒスチジンメチルエステル、トリプトファン、トリプトファンメチルエステル、トリプトファンベンジルエステル、トリプトファンアミド、システイン、シスチン、S−メチルシステイン、S−エチルシステイン、S−ベンジルシステイン、S−フェニルシステインなどのS−置換システイン、システインメチルエステル、システインベンジルエステルなどのエステル誘導体及びシステインスルホキシドとスルホンなどのS−酸化誘導体、メチオニン、メチオニンスルホキシド、メチオニンスルホンなどのS−酸化誘導体、メチオニンメチルエステル、メチオニンベンジルエステルなどのエステル誘導体、メチオニンアミド、アスパラギン酸、アスパラギン酸メチルエステル、アスパラギン酸エチルエステル、アスパラギン酸ベンジルエステルなどのエステル誘導体、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン酸メチルエステル、グルタミン酸エチルエステル、グルタミン酸ベンジルエステルなどのエステル誘導体、グルタミンが挙げられる。更に、ホモセリン、ホモシステイン、ノルロイシンなどのアミノ酸およびその誘導体であってもよい。また、β−アラニン、5−アミノバレリン酸、7−アミノヘプタン酸などC1〜C8のアミノカルボン酸なども選ばれる。
ペプチドはグリシルグリシン、グリシルグリシンメチルエステル、グリシルグリシンアミド、グリシルアラニン、グリシルアラニンメチルエステル、グリシルバリン、グリシルロイシン、グリシルフェニルアラニン、グリシルフェニルアラニンメチルエステル、グリシルフェニルアラニンアミド、グリシルプロリン、アラニルアラニン、アラニルプロリン、アラニルメチオニン、アラニルメチオニンメチルエステル、アラニルフェニルアラニン、グリシルグリシルグリシンなどが挙げられる。
前記一般式で表される化合物は、アミノ基の保護されたアミノ酸やペプチドおよびその誘導体であり、その保護基はアミノ酸化学あるいはペプチド合成化学の分野で数多く利用されている。
本発明の感熱記録材料における前記一般式(1)で表されるN−置換アミノ酸誘導体の、N−置換基により形成される官能基(−XNH−基)として、スルホニルアミノ基、ウレタン基、(チオ)尿素基(ウレイッド)、スルホニル尿素基が挙げられ、これらの官能基は、例えば、スルホニルアミノ基は塩化アリールスルホニルから誘導される。ウレタン基はクロロギ酸ベンジルエステルなどのクロロギ酸エステルあるいは炭酸ジフェニルなどの炭酸エステルなどから誘導される。(チオ)尿素基は、イソ(チオ)シアン酸フェニルなどのイソ(チオ)シアン酸エステルから誘導される。スルホニル尿素はトルエンスルホニルイソシアネートなどのスルホニル尿素から誘導される。
具体的には、スルホニルアミノ基を形成する化合物(X1)としては、塩化ベンゼンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、塩化m−トルエンスルホニル、塩化o−トルエンスルホニル、塩化p−メトキシベンゼンスルホニル、塩化p−キシレンスルホニル、塩化m−キシレンスルホニル、塩化メシチレンスルホニル、塩化1−ナフタレンスルホニル、塩化2−ナフタレンスルホニルなどの塩化物および臭化物、ヨウ化物などがあげられる。
ウレタン基を形成する化合物(X2)としては、クロロギ酸ベンジルエステル、クロロギ酸フェニルエステルなどのハロゲン化ギ酸エステル、炭酸ジフェニル、炭酸ジベンジルなどの炭酸エステルなどが挙げられる。
(チオ)尿素基を形成する化合物(X3)としては、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−トリルイソシアネート、m−トリルイソシアネート、o−トリルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネート、2−ナフチルイソシアネート、フェニレン1,4−ジイソシアネート、フェニレン1,3−ジイソシアネート、トリレン2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、ナフタレン1,5−ジイソシアネ−ト、4,4’−ジイソシアナート−3,3’−ジメチルビフェニル、メチレンジフェニル−4,4‘−ジイソシアナート、4,4’−ジイソシアナート−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、フェニルイソチオシアネート、m−トリルイソチオシアネート、p−トリルイソチオシアネートなどが挙げられる。
スルホニル尿素基を形成する化合物(X4)としては、ベンゼンスルホニルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
前記一般式(1)で、スルホニルアミノ基を形成する化合物(X1)を使用して得られるN−置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N−ベンゼンスルホニル−グリシン、N−ベンゼンスルホニル−グリシンメチルエステル、N−ベンゼンスルホニル−グリシンアミド、N−ベンゼンスルホニル−メチオニンメチルエステル、N−ベンゼンスルホニル−システイン−S−ベンジル、N−(p−トルエンスルホニル)−グリシン、N−(p−トルエンスルホニル)−アラニン、N−(p−トルエンスルホニル)−β−アラニン、N−(p−トルエンスルホニル)−フェニルアラニン、N−(p−トルエンスルホニル)−フェニルアラニンメチルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)−フェニルアラニンベンジルエステル、N−(p−トルエンスルホニル)−メチオニン、N−(p−トルエンスルホニル)−メチオニンベンジルエステル、N−(m−トルエンスルホニル)−イソロイシン、3−N−(o−トルエンスルホニル)アミノカプロン酸、N−(2,4−キシレンスルホニル)−アラニン、N−(2,4,6−メシチレンスルホニル)−セリン、N−(p−エチルベンゼンスルホニル)−スレオニン、N、N’−ジ(p−t−ブチルベンゼンスルホニル)−リシン、N、N’−ジ(p−t−ブチルベンゼンスルホニル)−オルニチン、N−(1−ナフタレンスルホニル)−トリプトファン、N−2-ナフタレンスルホニル−アスパラギンなどのN−アリールスルホニル−アミノ酸、エステルおよびアミド、N−ベンジルスルホニル−バリン、N−ベンジルスルホニル−チロシン、N−ベンジルスルホニル−フェニルグリシンなどのN−アラルキルスルホニル−アミノ酸、エステルおよびアミド等が挙げられる。
前記一般式(1)で、尿素基を形成する化合物(X3)を使用して得られるN−置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N−フェニルアミノカルボニル−グリシン、N−フェニルアミノカルボニル−グリシン−メチルエステル、N−フェニルアミノカルボニル−グリシンベンジルエステル、N−フェニルアミノカルボニル−グリシンアミド、N−フェニルアミノカルボニル−アラニン、N−フェニルアミノカルボニル−アラニン−メチルエステル、N−フェニルアミノカルボニル−β−アラニン、N−フェニルアミノカルボニル−メチオニン、N−フェニルアミノカルボニル−メチオニン−メチルエステル、N−フェニルアミノカルボニル−グルタミン、N,N’−ジ(フェニルアミノカルボニル)−リシン、N,N’−ジ(フェニルアミノカルボニル)−オルニチン、N−フェニルアミノカルボニル−フェニルアラニン、N−フェニルアミノカルボニル−ノルバリン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−グリシン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−アラニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−バリン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−システイン−S−ベンジル、N−(p−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−グルタミン酸、N−(p−トリルアミノカルボニル)−グルタミン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−グリシン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−グリシルグリシン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−グリシルグリシルグリシン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−グリシルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−ロイシルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン−スルホン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシン−メチルエステル、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルグリシン、N−フェニルグリシン、N−(3−イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジル)アミノカルボニル−メチオニン、およびN−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシンからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが良好である。
N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン−メチルエステル、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン−エチルエステル、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン−ベンジルエステル、N−(m−トリルアミノカルボニル)−β−フェニルアラニンアミド、N,N’−ジ(m−トリルアミノカルボニル)−リシン、N,N’−ジ(m−トリルアミノカルボニル)−リシン−メチルエステル、N,N’−ジ(m−トリルアミノカルボニル)−オルニチン、N,N’−ジ(m−トリルアミノカルボニル)−オルニチン−メチルエステル、N−(m−トリルアミノカルボニル)−グルタミン酸、N−(o−トリルアミノカルボニル)−アラニン、N−(o−トリルアミノカルボニル)−ホモセリン、N−(o−トリルアミノカルボニル)−バリン、1,6−ヘキサメチレンビス(N−アミノカルボニル−フェニルアラニン)、2,4−フェニレンビス(N−アミノカルボニルーフェニルアラニン)、1,3−トリレンビス(N−アミノカルボニル−フェニルグリシン)等が挙げられる。
前記一般式(1)で、チオ尿素基を形成する化合物(X3)を使用して得られるN−置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N−フェニルアミノチオカルボニル−フェニルアラニン、N−フェニルアミノチオカルボニル−フェニルアラニン−メチルエステル、N−フェニルアミノチオカルボニル−バリン−イソプロピルエステル、N−フェニルアミノチオカルボニル−チロシン−メチルエステル、N−フェニルアミノチオカルボニル−メチオニン−メチルエステル、N−フェニルアミノチオカルボニル−グリシルグリシン、N−フェニルアミノチオカルボニル−グリシルアラニン、N−m−トリルアミノチオカルボニル−フェニルアラニン、N−m−トリルアミノチオカルボニル−フェニルアラニン−ベンジルエステル、N−m−トリルアミノチオカルボニル−フェニルアラニンアミド、N−m−トリルアミノチオカルボニル−バリン、N−m−トリルアミノチオカルボニル−バリン−イソプロピルエステル、N−m−トリルアミノチオカルボニル−メチオニン−メチルエステル、N−m−トリルアミノチオカルボニル−グリシルグリシン、N−p−トリルアミノチオカルボニル−フェニルアラニン、N−p−トリルアミノチオカルボニル−フェニルアラニン−ベンジルエステル、N−p−トリルアミノチオカルボニル−フェニルアラニンアミド、N−p−トリルアミノチオカルボニル−バリン、N−p−トリルアミノチオカルボニル−バリン−イソプロピルエステル、N−p−トリルアミノチオカルボニル−メチオニン−メチルエステル、N−p−トリルアミノチオカルボニル−グリシルグリシン等が挙げられる。
前記一般式(1)で、ウレタン基を形成する化合物(X2)を使用して得られるN−置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N−ベンジルオキシカルボニル−グリシン、N−ベンジルオキシカルボニル−フェニルグリシン、N−ベンジルオキシカルボニル−バリン、N−ベンジルオキシカルボニル−メチオニン、N−ベンジルオキシカルボニル−チロシン、N−ベンジルオキシカルボニル−ヒドロキシプロリン、N−ベンジルオキシカルボニル−アルギニン、N−ベンジルオキシカルボニル−グリシン等が挙げられる。
前記一般式(1)で、スルホニル尿素基を形成する化合物(X4)を使用して得られるN−置換アミノ酸誘導体としては、例えば、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−グリシン、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−フェニルアラニン−メチルエステル、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−フェニルアラニン−エチルエステル、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−フェニルアラニンアミド、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−β―アラニン、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−β―アラニン−メチルエステル、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−メチオニン−メチルエステル、N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−ロイシン、N,N’−ジ(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−リシン−メチルエステル、N,N’−ジ(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−オルニチン−メチルエステル等が挙げられる。
本発明の感熱記録材料における前記一般式(1)で表されるN−置換アミノ酸誘導体の、Y基中のヒスチジン残基のNH基、又は、リシン残基若しくはオルニチン残基のNH基を保護するアミノ保護基(R’基)として、RX基が挙げられ、この他に、アシル基、アルキル基が挙げられる。これらのアミノ保護基(R’基)は、公知の方法により導入することができる。例えば、アシル基は酸無水物を用いて導入することができる。アルキル基は、例えば、アミン等の存在下で塩化トリチル等のハロゲン化アルキルにより導入することができる。
本発明の感熱記録材料における前記一般式(1)で表されるN−置換アミノ酸誘導体の、Y基中のアスパラギン酸残基又はグルタミン酸残基を保護するカルボキシ保護基(R”基)として、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基などが挙げられる。また、Y基中のセリン残基、スレオニン残基、若しくはチロシン残基のOH基、又はシステイン残基のSH基の保護基として、前記カルボキシ保護基(R”基)が挙げられる。これらのカルボキシ保護基(R”基)は、公知の方法により導入することができる。
本発明の感熱記録材料における顕色剤として好ましいN−置換アミノ酸誘導体としては、N−(p−トルエンスルホニル)−グリシン、N−(p−トルエンスルホニル)−アラニン、N−(p−トルエンスルホニル)−β−アラニンなどのN−アリルスルホニル−アミノ酸、N−フェニルアミノカルボニル−グリシン、N−フェニルアミノカルボニル−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−システイン−S−ベンジル、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−システイン−S−ベンジル、N−(p−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(フェニルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−チロシンなどのN−アミノカルボニル−アミノ酸であり、特に好ましくは、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(フェニルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルグリシンおよびN−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシンを挙げることができる。
これらN−置換アミノ酸誘導体の1種あるいは2種以上を併用して用いても良い。
更に、ZについてはOH基であることが好ましく、Xが−NHCO−基であることが好ましく、具体的は、N−置換アミノ酸誘導体がN−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(フェニルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルグリシンおよびN−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシンからなる群から選ばれる少なくとも1種を使用することが良好である。
本発明において、本発明の効果を阻害することのない範囲で、既存の顕色剤と併用してもよい。
本発明の感熱記録材料の感熱記録層は、前記塩基性染料と前記一般式で表される顕色剤と、下記一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体の保存安定剤とを含有する。
Figure 0006865656
(式中、Rはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
前記N、N’−ジアリール尿素誘導体は、下記式(3)、(4)又は(5)で表されるものであってもよい。
Figure 0006865656
本発明において、保存安定剤として併用する一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体は、前記N−置換アミノ酸誘導体と共に用いることで感熱記録材料の発色濃度、白色度を低下させずに地肌耐熱性を維持し、印字部の保存安定性、特に耐水性を更に向上させることができる。
一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体の含有量は、一般式(1)で示される顕色剤100質量部に対して10〜400質量部が好ましく、20〜200質量部がより好ましい。
(N、N’−ジアリール尿素誘導体の合成方法)
一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体は、下記式(6)で表される化合物と下記式(7)で表される芳香族アミン化合物を反応させることにより合成することができる。
Figure 0006865656
(式中、R1はアルキル基、又はアリール基を表わし、Rはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
例えば、下記の方法によって合成することができる。
工程1.3−[(R)n−PhSO3]−Ph−NH2/脱酸剤+XCOOR
→ 3−[(R)n−PhSO3]−Ph−NHCOOR1+ HCl・脱酸剤
工程2.3−[(R)n-PhSO3]−Ph−NHCOOR1+ 3−[(R)n−PhSO3]−Ph−NH2/塩
→ {3−[(R)n−PhSO3] −Ph −NH}2=CO + R1OH
(式中、R1はアルキル基、又はアリール基を表わし、Rはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
R1及びRのアルキル基は、前記Rのアルキル基と同様である。
上記合成方法の工程1で用いられるXCOORはハロゲン化炭酸エステル、炭酸ジエステルであり、Xはクロル、ブロム、OMe、OEt、OPro又はOPhであり、R1はMe、Et、Pro、Ph基などである。特にモノクロロ炭酸メチル、モノクロロ炭酸エチル、モノクロロ炭酸フェニル、炭酸ジエチル、炭酸ジフェニルが好ましい。
反応に際して脱酸剤および塩基として、有機塩基、無機塩基が用いられる。
無機塩基としては、LiOH、NaOH、KOH、NaHCO3、KHCO3、Na2CO3、K2CO3、MeONa、EtONaなどが挙げあれる。
有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカン−7−エン(DBU)などの有機塩基である。好適には、K2CO3、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0] ウンデカン−7−エン(DBU)である。
3-[(R)n-PhSO3]-Ph-NH2は3−ヒドロキシアニリンを直接O−スルホニル化することによっても合成可能であり、また、ニトロフェノール化合物をO−スルホニル化した後、ニトロ基を還元することによっても容易に得ることもできる。
3−[(R)n−PhSO3]−Ph−NH2としては、3−ベンゼンスルホニルオキシアニリン、3−(p−トルエン)スルホニルオキシアニリン、3−(m−トルエン)スルホニルオキシアニリン、3−(o−トルエン)スルホニルオキシアニリン、3−(p−キシレン)スルホニルオキシアニリン、3−メシチレンスルホニルオキシアニリンなどが挙げられる。好ましくは、3−ベンゼンスルホニルオキシアニリン、3−(p−トルエン)スルホニルオキシアニリンである。
一般的に、反応溶媒は非プロトン性溶媒中、反応温度0℃〜180℃で行われる。本発明において反応温度としては、0℃〜180℃の範囲で行なわれるが、好適には10℃〜100℃で、溶媒の沸点、反応生成物の安定性に準じ、溶媒、反応温度が好適に選択される。
非プロトン性溶媒として、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、酢酸ベンジルなどの酢酸エステル、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル化合物、アセトン、メチルエチルケトン、MIBKなどのケトン化合物、アセトニトリル、DMF、DMSO、DMIなどが挙げられる。
工程2では工程1で得られる3−[(R)n−PhSO3]−Ph−NHCOORと3−[(R)n−PhSO3]−Ph−NH2を塩基存在下に反応させることで実施される。
工程2で用いられる塩基、反応溶媒、反応温度は工程1で用いられる上記反応条件を用いることができる。
又、反応操作を簡略するために、2当量以上の3−[(R)n−PhSO3]−Ph−NH2を用いることによって工程1、工程2を同時に進行させることも可能である。
一般式(2)で表されるN,N’−ジアリール尿素誘導体として、N,N’−ジ−[3−(p−キシレンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、N,N’−ジ−[3−(メシチレンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、N,N’−ジ−[3−(o−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、N,N’−ジ-[3−(m−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、N,N’−ジ−[3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素、N,N’−ジ−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]尿素などを挙げることができる。
本発明の感熱記録材料において、常温で無色ないし淡色の塩基性染料としてトリフェニルメタン系、フルオラン系、ジフェニルメタン系、スピロ系、フルオレン系、チアジン系化合物が挙げられ、従来公知のロイコ染料から選ぶことができる。
例えば、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3,3−ビス(P−メチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノベンゾ[α]フルオラン、
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ)−2−n−ヘキシルオキシフェニル−4−アザフタリド、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル−4−アザフタリド、3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(2−メチル−1−n−オクチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリド、3−(N−エチル−N−イソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン、
3−(N−エチル−N−p−トルイジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、3−ジ(n−ペンチル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−[N−(3−エトキシプロピル)−N−エチルアミノ]6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−n−ヘキシル−N−エチルアミノ)−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−2−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、2,2−ビス{4−[6’−(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−3’−メチルスピロ[フタリド−3,9’−キサンテン]−2’−イルアミノ]フェニル}プロパンおよび3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン、3−ピロリジノ−6−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−7,8−ジベンゾフルオラン、3−ジエチルアミノ−6,7−ジメチルフルオラン、3−(N−メチル−p−トルイジノ)−7−メチルフルオラン、3−(N−メチル−N−イソアミルアミノ)−7,8−ベンゾフルオラン、3,3’−ビス(1−n−アミル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(N−メチル−N−イソアミルアミノ)−7−フェノキシフルオラン、3,3’−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3’−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3,3’−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)−7−(N−フェニル−N−メチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ピロリジノ−7−ジベンジルアミノフルオラン
などからも選ぶことができ、本発明はこれらに限定されるものではなく、又2種類以上を併用してもよい。
本発明の増感剤として従来公知の増感剤を併用することができる。
例えば、ステアリン酸アミド、ビスステアリン酸アミド、パルミチン酸アミドなどの脂肪酸アミド、p−トルエンスルホンアミド、ステアリン酸、ベヘン酸やパルミチン酸などのカルシウム、亜鉛あるいはアルミニウムなどの脂肪酸金属塩、p−ベンジルビフェニル、ジフェニルスルホン、ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、2−ベンジルオキシナフタレン、1,2−ビス(p−トリルオキシ)エタン、1,2−ビス(フェノキシ)エタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、1,3−ビス(フェノキシ)プロパン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸p−メチルベンジル、m−ターフェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸などが挙げられる。
更に、本発明は従来公知の保存安定剤を併用することができる。
例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4、6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチルm−クレゾール)、1,1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホン、トリス(2,6−ジメチル−4−tert−ブチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、4,4’−チオビス(3−メチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン等のヒンダードフェノール化合物、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4,4’−ジグリシジルオキシジフェニルスルホン、4−ベンジルオキシ−4’−(2−メチルグリシルオキシ)ジフェニルスルホン、テレフタル酸グリシジル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂型、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ化合物、N,N’―ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェイトのナトリウム塩または多価金属塩、ビス(4−エチレンイミンカルボニルアミノフェニル)メタン、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンおよび、下記一般式(8)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物等が挙げられ、これらの保存安定剤は、感熱記録材料の印字部の保存安定性に寄与する。
Figure 0006865656
(式中、nは1〜7の整数を表す。)
これらの保存安定剤のうち、1,1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1、3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−ビス[(4−メチル−3−フェノキシカルボニルアミノフェニル)ウレイド]ジフェニルスルホンおよび、上記一般式(8)で表されるジフェニルスルホン架橋型化合物から選ばれる少なくとも1種以上を含有することが好適であり、これらの保存安定剤を含有することにより、感熱記録材料における印字部の特に耐水性が向上する。
前記保存安定剤の含有量(一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体を除く。)は、該顕色剤100質量部に対して2.5〜100質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。
また、助剤としては、例えばジオクチオルコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、脂肪酸金属塩等の分散剤、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレンワックス、カルナバロウ、パラフィンワックス、エステルワックス等のワックス類、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、グリオキザール、ホウ酸、ジアルデヒドスターチ、メチロール尿素、グリオキシル酸塩、エポキシ系化合物等の耐水化剤、消泡剤、着色染料、蛍光染料、および顔料等が挙げられる。
本発明で感熱記録層に使用されるバインダーとしては、重合度200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ジアセトン変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、アミド変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラール変性ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレンーブタジエン共重合体ならびにエチルセルロース、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチラールポリスチロールおよびそれらの共重合体、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケトン樹脂、クロマン樹脂などが挙げられる。これらのバインダーは単独または2種以上を使用でき、溶剤に溶解して使用するほか、水または他の媒体中に乳化あるいはペースト状に分散した状態で使用することもできる。
感熱記録層に配合される顔料としては、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体や中空プラスチックピグメント等の無機あるいは有機顔料等が挙げられる。
本発明において感熱記録層に使用される塩基性染料、顕色剤、増感剤、バインダー、顔料およびその他の添加剤の種類や使用量は、感熱記録層に要求される品質性能に応じて適宜決定される。
本発明における感熱記録層において、顕色剤として前記一般式(1)で表されるN−置換アミノ酸誘導体の含有量は、発色濃度の観点から、感熱記録層の塩基性染料1質量部に対して、0.3〜5質量部が好ましく、更には0.4〜3質量部がより好ましい。
更に、増感剤はロイコ染料1部に対し0.2〜4質量部、バインダーは全固形分中5〜50質量%が適当である。支持体としては、紙、再生紙、合成紙、プラスティックフィルム、不織布、金属箔等が使用可能である。また、これらを組み合せた複合シートも使用可能である。
また、保存安定性を高める目的で有機顔料を含有する高分子物質からなるオーバーコート層を設けても良い。さらにサーマルヘッドヘの粕付着を防止、印字画質向上、感度を向上させる目的で有機顔料、無機顔料や中空微粒子などを含有するアンダーコート層を設けても良い。
本発明において感熱記録層に使用される塩基性染料、顕色剤、増感剤および必要により保存安定剤等は、例えば水を分散媒体として、ボールミル、アトライター、サンドミル等の攪拌粉砕機によって平均粒子径が2μm以下になるように微分散され使用される。
このように微分散された分散液に、必要により顔料、バインダー、助剤等を混合撹拌することで感熱記録層塗料を調整される。
このようにして得られた感熱記録層塗料を、乾燥後の塗布量が1.5〜12g/m程度、より好ましくは3〜7g/m程度になるように、支持体上に塗布し、乾燥することで形成される。
以下、実施例、比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、実施例中、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を表わす。
下記に実施例で用いたN−置換アミノ酸誘導体の合成例を例示する。
合成例1: N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、L−フェニルアラニン16.5g及び水50gを仕込んだ後、内温を15℃に調整し、8%水酸化ナトリウム水溶液50gを加えL−フェニルアラニンを溶解した。内温を15℃に保持し、酢酸エチルに溶解したm−トリルイソシアネート13.3gを滴下し5時間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え、希塩酸で中和して生成物を酢酸エチルで抽出した。抽出液の酢酸エチルを濃縮後、濃縮残渣にトルエンを加えて結晶化した。結晶を濾別し乾燥して、白色結晶のN−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニンを得た。融点は151℃であった。
合成例2:N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン
合成例1のL−フェニルアラニン16.5gに代えて、L−メチオニン14.9gを用いる以外、合成例1と同様の操作により、白色結晶のN−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニンを得た。融点は142℃であった。
合成例3:N−(m−トリルアミノカルボニル)−バリン
合成例1のL−フェニルアラニン16.5gに代えてL−バリン11.7gを用いる以外、合成例1と同様の操作により、白色結晶のN−(m−トリルアミノカルボニル)−バリンを得た。融点は169℃であった。
合成例4:N−(m−トリルアミノカルボニル)−システイン−S−ベンジル
合成例1のL-フェニルアラニン16.5gに代えてL−システイン−S−ベンジル21.1gを用いる以外、合成例1と同様の操作により、白色結晶のN−(m−トリルアミノカルボニル)−システイン−S−ベンジルを得た。融点は164℃であった。
合成例5:N−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシン
合成例1のL−フェニルアラニン16.5gに代えてL−チロシン18.1gを用いる以外、合成例1と同様の操作により、白色結晶のN−(m−トリルアミノスルホニル)−チロシンを得た。融点は161℃であった。
合成例6:N−フェニルアミノチオカルボニル−グリシルグリシン
合成例1と同じ装置にグリシルグリシン13.2g、水50g、THF50gを仕込み8%水酸化ナトリウム水溶液50gを加えてグリシルグリシンを溶解した。内温を20〜25℃に維持しながらフェニルイソチオシアナート13.5gを滴下し5時間撹拌した。合成例1と同様の反応処理を行い白色結晶のN−フェニルアミノチオカルボニル−グリシルグリシンを得た。融点は157℃であった。
合成例7:N−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−フェニルアラニン−メチルエステル
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、L−フェニルアラニン−メチルエステル塩酸塩21.5g及び酢酸エチル120gを仕込み、内温を10℃に保ちながら、トリエチルアミン10.1gを滴下した。内温を8〜10℃に保持しながらp−トルエンスルホニルイソシアナート19.7gを滴下し撹拌を5時間継続した。反応終了後、反応液に少量の酢酸を加え、水を加えて有機層を水洗分離した。有機層を減圧濃縮した残渣にトルエンを加え結晶を析出させ、濾過により白色結晶のN−(p−トルエンスルホニルアミノカルボニル)−フェニルアラニン−メチルエステルを得た。融点は162℃であった。
合成例8:N−(p−トルエンスルホニル)−β−アラニン
温度計、滴下ロート、攪拌機を備えた4つ口フラスコに、β−アラニン8.9g、水30g、8%水酸化ナトリウム水溶液を仕込み内温10℃まで冷却した。塩化p−トルエンスルホニル19.1gを溶解したTHF溶液30gと8%水酸化ナトリウム50gとを各々4分割し、各分画を交互にフラスコに滴下し反応をおこなった。4時間撹拌した後、希塩酸で酸性化した。反応液は合成例1と同様にして反応処理し白色結晶のN−(p−トルエンスルホニル)−β−アラニンを得た。融点は125℃であった。
下記に実施例で用いたN,N’−ジフェニル尿素誘導体の合成例を例示する。
合成例9:N,N’−ジ−[3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素の合成
温度計、攪拌機、滴下ロートを付した四ツ口フラスコに3−(p−トルエンスルホニルオキシ)アニリン5.26g、トリエチルアミン2.20gを酢酸エチルに溶解し内温を20℃にした。窒素雰囲気下に内温20℃にコントロールしながらクロロ炭酸フェニル3.29gを滴下し4時間攪拌後1昼夜静置した。反応液に水を加え、有機層を水洗し、有機層に無水MgSOを加え有機層を乾燥した。エバポレーターで溶媒を減圧留去してN−フェノキシカルボニル−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)アニリンの濃縮残渣を得、これをジオキサンに溶解した。
次いで、四ツ口フラスコに3−(p−トルエンスルホニルオキシ)アニリン5.26g、とDBU、ジオキサンを加え100℃に加温した。このジオキサン溶液にN−フェノキシカルボニル−3−(p−トルエンスルホニルオキシ)アニリン濃縮残渣を溶解したジオキサン溶液の内温を保持しながら滴下し、反応を7時間行った。内温を40℃に冷却し、反応液に酢酸エチルを加え希塩酸、重曹水、水で有機層を水洗した。有機層を無水MgSOで乾燥した後、溶媒を留去し濃縮残渣にMeOHを加えて結晶を析出させた。
結晶を濾別して N,N’−ジ−[3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素の淡褐色結晶8.6gを得た。融点164−168℃。図1に、IRチャートを示す。
合成例10:N,N’−ジ−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]尿素の合成
合成例1の3−(p−トルエンスルホニルオキシ)アニリン5.26gを3−(ベンゼンスルホニルオキシ)アニリン4.98gに代える以外合成例1と同様の操作をして、N,N’−ジ−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]尿素を合成した。
白色結晶であり、融点は130.9℃であった。図2に、IRチャートを示す。
下記操作により感熱記録材料を作製した。
[アンダーコート用塗料の作成]
プラスチック中空粒子(商品名:ローペイクSN−1055:中空率:55% 固形分26.5%)100部、焼成カオリンの50%分散液100部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(商品名:L−1571 固形分48%)25部、酸化澱粉の10%水溶液50部および水20部を混合して、アンダーコート用塗料を作成した。
(実施例1)
[感熱記録用塗料の作成]
A液(染料分散液の調製)
3−(N,N−ジブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 10部
10%ポリビニルアルコール水溶液 10部
水 16.7部
B液(顕色剤分散液の調製)
N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン 20部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20部
水 33.3部
C液(保存安定剤の調製)
N,N’−ジ−[3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素
20部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20部
水 33.3部
D液(増感剤分散液の調製)
1,2−ビス(m−トリルオキシ)エタン 15部
10%ポリビニルアルコール水溶液 15部
水 25部
上記A液、B液、C液およびD液の分散液をサンドグラインダーで平均粒子径が1μm以下になるまで粉砕し、下記割合で分散液を混合して塗布液とした。
A液(染料剤分散液) 36.7部
B1液(顕色剤分散液) 55.0部
C液(分散液) 18.3部
D液(増感剤分散液) 55.0部
水酸化アルミニウム(商品名:ハイジライトH−42)27部、無定形シリカ(商品名:ミズカシルP−605)10部、酸化澱粉の10%溶解物100部、ステアリン酸亜鉛分散液:(商品名:ハイドリンZ−8−36)19.4部および水20部からなる組成分を混合して感熱記録用塗料を作製した。
[感熱記録材料の作成]
支持体として坪量が53gの上質紙(酸性紙)にアンダーコート用塗料を乾燥後の面積当たりの質量が6g/mとなるように塗布および乾燥し、その後、感熱塗料が乾燥後の面積当たりの質量が3.8g/mになるように塗布乾燥した。
このシートをス−パーカレンダーで平滑度(JISP8155:2010)が900〜1200sになるように処理して感熱記録材料を作成した。
[各種試験]
1.感熱記録性試験(発色試験)
作成した感熱記録材料について、感熱記録紙印字試験機(大倉電気社製TH−PMD)を用い、印加エネルギー0.38mJ/dotで印加した。記録部の印字濃度はマクベス反射濃度計RD−914で測定した。
2.耐熱性試験
感熱記録性試験で記録した感熱記録材料を試験温度60℃の恒温環境下に24時間放置した後、試験片の印字部画像濃度と未印字部の濃度をマクベス反射濃度計で測定した。
3.耐湿熱試験
感熱記録性試験で記録した感熱記録材料を試験温度40℃、90%RHの環境下に24時間放置した後、試験片の印字部画像濃度と未印字部の濃度をマクベス反射濃度計で測定した。
4.耐油性試験
感熱記録性試験で記録した感熱記録材料にサラダオイル中に1分間浸漬しその後、試験片の油をふき取り、画像濃度をマクベス反射濃度計で測定した。
5.耐水性試験
感熱記録性試験で記録した感熱記録紙を水中に24時間浸漬しその後、試験片を風乾させ、画像濃度と未印字部をマクベス反射濃度計で測定した。
6.耐可塑剤性試験
ポリカーボネートパイプ(48mmφ)上にラップフィルム(商品名:ハイラップKMA三井化学製)を3重に巻き付け、感熱記録性試験で記録した感熱記録紙を乗せ、更にその上にラップフィルムを3重に巻き付け20℃65%RHの環境下で24時間放置し、その後、画像濃度と未印字部をマクベス反射濃度計で測定した。
この実施例による感熱記録材料の各種試験結果は、表1に記載の通りであった。
(実施例2)
実施例1のB液のN−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニンをN−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニンに代える以外は実施例1と同様の操作をおこなった。
この実施例による感熱記録材料の各種試験結果は、表1に記載の通りであった。
(実施例3)
実施例1のB液のN−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニンをN−(フェニルアミノカルボニル)−メチオニンに代える以外は実施例1と同様の操作をおこなった。
この実施例による感熱記録材料の各種試験結果は、表1に記載の通りであった。
(実施例4)
実施例1のB液のN−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニンをN−(p−トリルアミノカルボニル)−メチオニンに代える以外は実施例1と同様の操作をおこなった。
この実施例による感熱記録材料の各種試験結果は、表1に記載の通りであった。
(実施例5)
実施例1のBのN−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニンをN−(m−トリルアミノカルボニル)−バリンに代える以外は実施例1と同様の操作をおこなった。
この実施例による感熱記録材料の各種試験結果は、表1に記載の通りであった。
(実施例6)
実施例1のB液のN−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニンをN−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルグリシンに代える以外は実施例1と同様の操作をおこなった。この実施例による感熱記録材料の各種試験結果は、表1に記載の通りであった。
(実施例7)
実施例1のB液のN−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニンをN−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシンに代える以外は実施例1と同様の操作をおこなった。この実施例による感熱記録材料の各種試験結果は、表1に記載の通りであった。
(実施例8)
実施例1のC液のN,N’−ジ−[3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素をN,N’−ジ−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]尿素に代える以外は実施例1と同様の操作をおこなった。
[参考例1〜7]
実施例1〜7において各B液を77.3部使用し、C液を使用しない以外は実施例1〜7と同様の操作をおこなった。この参考例による感熱記録体の各種試験結果は、表1に記載の通りであった。
実施例および表1より明らかなように、アミノ酸誘導体から作成される感熱記録材料は、高い白色度で良好な発色濃度を示し、特にZについてはOH基、Xが−NHCO−であり、更に、N−置換アミノ酸誘導体がN−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルグリシンおよびN−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシンは印字部、未印字部の耐熱性、耐湿性、耐油性の保存安定性も良好であった。
さらに保存安定剤としてN,N’−ジ−[3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素もしくはN,N’−ジ−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]尿素の少なくとも1種を含む感熱記録材料は、N,N’−ジ−[3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素もしくはN,N’−ジ−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]尿素の少なくとも1種を含まない感熱記録材料と比較して、耐水性に優れていた。
Figure 0006865656
本発明の感熱記録材料は、使用する顕色剤が天然アミノ酸を主原料としたものとすることができるため、内分泌攪乱の懸念がなく、しかも発色濃度に優れ、非印字部の白色度が高く、且つ印字部の保存安定性も良好であり、更に保存安定剤としてN,N’−ジ−[3−(p−トルエンスルホニルオキシ)フェニル]尿素もしくはN,N’−ジ−[3−(ベンゼンスルホニルオキシ)フェニル]尿素の少なくとも1種等のN、N’−ジアリール尿素誘導体を含むことにより顕色剤のN−置換アミノ酸誘導体の耐水性を一層向上させることが可能なことから、従来の感熱記録材料に代わるものとして産業上の利用可能性は極めて有望である。

Claims (4)

  1. 常温で無色ないし淡色の塩基性染料と、加熱により該染料と接触して呈色し得る顕色剤とを含有する感熱記録層を支持体上に設けた感熱記録材料であって、前記顕色剤が、下記一般式(1)で表されるN−置換アミノ酸誘導体を含み、且つ、保存安定剤として、下記一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体を含む感熱記録材料。
    (R−X)−Y−(Z) ・・・(1)
    (式(1)中、RはC6〜C10のアリール基を有するアルキル基、又は、C1〜C8のアルキル基、C7〜C11のアラルキル基、C6〜C10のアリール基、若しくはC1〜C8のアルコキシ基の置換基を有していてもよいアリール基を表す。
    Xは、YのN末端に結合する基であって、−OCO−、−SONHCO−、−NHCO−、−NHCS−、又は−SO−を表わす。
    Yは、アミノ酸残基又はペプチド残基を表わし、Y基中の、セリン残基、スレオニン残基、アスパラギン酸残基、グルタミン酸残基、又はチロシン残基のOH基は、OR基又はOR”基に置換していてもよく、システイン残基のSH基は、SR基又はSR”基に置換していてもよく、ヒスチジン残基のNH基は、NR基又はNR’基に置換していてもよく、リシン残基又はオルニチン残基のNH基は、NHR基又はNHR’基に置換していてもよく、R’はアミノ保護基を表し、R”はカルボキシ保護基を表す。
    Zは、YのC末端に結合する基であって、OH基又はOR”基を表す。
    複数のR、R’、R”は同じであっても、異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
    ただし、Yは、シスチン残基以外のアミノ酸残基又はシスチン残基を有さないペプチド残基であり、m=1である。)
    Figure 0006865656
    (式中、Rはアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
  2. 前記N、N’−ジアリール尿素誘導体が、下記式(3)又は(4)で表される請求項1記載の感熱記録材料。
    Figure 0006865656
  3. 前記顕色剤がN−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルアラニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(p−トリルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(フェニルアミノカルボニル)−メチオニン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−バリン、N−(m−トリルアミノカルボニル)−フェニルグリシンおよびN−(m−トリルアミノカルボニル)−チロシンからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載の感熱記録材料。
  4. 前記一般式(2)で表されるN、N’−ジアリール尿素誘導体の含有量が、顕色剤100質量部に対して10〜400質量部である請求項1〜3のいずれか一項に記載の感熱記録材料。
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