JP6868558B2 - 低脂肪スプレッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低脂肪スプレッドの製造方法に関する。具体的には、乳化安定性及び口溶けの両方に優れており、製造者と消費者の両方が満足できる、低脂肪スプレッドの製造方法に関する。
低脂肪スプレッドは一般的に、油相と水相に原料を分散や溶解させて、油相と水相を混合してから、(予備)乳化、加熱(殺菌)、冷却、混練等することで製造される。近年、消費者の低カロリー指向等を意識し、各種の低脂肪スプレッドの開発が検討されており、例えば、次のような低脂肪スプレッドが提案されている。
WO99/15025号公報(特許文献1)には、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリドを含有し、脂肪率が40重量%以下であって、36℃付近における電気伝導度が300秒以内に0.1mS/cm以上に上昇する、有塩の低脂肪スプレッドが記載されている。また、特開2001−178361号公報(特許文献2)には、油脂含有量が35〜60重量%で、水相中の糖濃度が60〜75重量%の油中水型乳化物を40〜80部と、糖濃度が55〜75重量%の水性の風味液を60〜20部で混合して得られる、スプレッド状やバタークリーム状の低脂肪の油中水型組成物が記載されている。ここでは、糖濃度が60重量%よりも小さい場合、油中水型組成物の保存性が悪いため、糖濃度が所定値よりも大きいことが必須要件となる。
WO99/15025号公報 特開2001−178361号公報
低脂肪スプレッドでは、油相部を低減するため、水相部が相対的に増大する。ここで、低脂肪スプレッドは、油中水型乳化物であり、水相部が増大すると、乳化安定性が低下することとなる。特に、製造者が低脂肪スプレッドを商業規模で製造する場合には、冷却工程等において、油中水型乳化物から水中油型乳化物へ転相する等の現象が起こり、低脂肪スプレッドの乳化安定性が悪く、物性が劣ることとなる。このとき、低脂肪スプレッドの乳化安定性を担保する方法として、例えば、特許文献1では、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(PGPR)等のHLB値が小さい、強力な親油性の乳化剤を使用している。しかしながら、強力な親油性の乳化剤(PGPR等)を使用して、低脂肪スプレッドを製造すると、乳化安定性が優れたものとなるものの、乳化の状態が強固になりすぎるため、消費者が喫食する際にも、乳化の状態が壊れにくくなり、低脂肪スプレッドの口溶けが悪く、風味が劣ることとなる。
つまり、従来の低脂肪スプレッドでは、製造者が乳化安定性(物性)を向上させようとすると、消費者が口溶け(風味)を満足できないこととなり、消費者が口溶けを満足できるようにしようとすると、製造者が乳化安定性を十分に向上できないこととなっていた。そこで、本発明では、乳化安定性及び口溶けの両方に優れており、製造者と消費者の両方が満足できる、低脂肪スプレッドの製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者は、低脂肪スプレッドの油相部及び水相部の原料、配合、物性、風味等を含めて、低脂肪スプレッドの製造工程の全体等を見直して検討した。そして、この結果として、脂肪分が50質量%以上の油中水型乳化物を調製してから冷却した後に、水相(水性溶解物)を添加して混合することにより、乳化安定性及び口溶けの両方に優れており、製造者と消費者の両方が満足できる、低脂肪スプレッドを製造することができることを見出し、本発明を完成させた。具体的には、脂肪分が50質量%以上の油中水型乳化物を調製してから、この油中水型乳化物を冷却する一方で、水相(水性溶解物)を別途調製してから、この冷却した油中水型乳化物に添加して混合することにより、脂肪分が40質量%以下の低脂肪スプレッドを製造することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下の低脂肪スプレッドの製造方法等が提供される。
1.脂肪分が50質量%以上の油中水型乳化物を調製してから冷却した後に、水相(水性溶解物)を添加して混合することを特徴とする、低脂肪スプレッドの製造方法。
2.脂肪分が50質量%以上である油中水型乳化物を調製する工程と、
前記油中水型乳化物を加熱殺菌してから、冷却する工程と、
水相(水性溶解物)を調製し、加熱殺菌してから、冷却する工程と、
前記油中水型乳化物に前記水相(水性溶解物)を添加して、乳化する工程と
を含む、低脂肪スプレッドの製造方法。
3.HLB値が3以上の乳化剤を用いて、前記油中水型乳化物を調製することを特徴とする、1又は2に記載の低脂肪スプレッドの製造方法。
4.デンプンを配合して、前記水相を調製することを特徴とする、1〜3のいずれかに記載の低脂肪スプレッドの製造方法。
5.製造される低脂肪スプレッドの脂肪分が40質量%以下であることを特徴とする、1〜4のいずれかに記載の低脂肪スプレッドの製造方法。
6.37℃の導電率の測定において、測定開始から100秒未満で導電率が8mS/m以上に達する低脂肪スプレッドであることを特徴とする、1〜5のいずれかに記載の低脂肪スプレッドの製造方法。
7.37℃の導電率の測定において、測定開始から100秒未満で導電率が8mS/m以上に達することを特徴とする、低脂肪スプレッド。
8.脂肪分が40質量%以下であることを特徴とする、7に記載の低脂肪スプレッド。
本発明によれば、脂肪分が50質量%以上の高い状態で、油中水型乳化物を調製してから冷却して、低脂肪スプレッドの組織(構造)を安定化できる。このため、本発明では、低脂肪スプレッドの製造時に、転相などが起こりにくく、乳化安定性が良く、物性が優れている。
また、本発明によれば、PGPRなどの強力な親油性の乳化剤を使用しなくても、低脂肪スプレッドの乳化安定性を向上して、物性を安定化できる。このため、本発明では、低脂肪スプレッドの喫食時に、乳化状態が適切に崩壊し、口溶けが良く、風味が優れている。
したがって、本発明によれば、乳化安定性及び口溶けの両方に優れており、製造者と消費者の両方が満足できる、低脂肪スプレッドの製造方法を提供することができる。そして、本発明によれば、低脂肪スプレッドを商業規模で安定して製造することができる。
試験例1における、発明品1と従来品1の導電率の測定結果を示すグラフである。 試験例1における、発明品1と従来品1の導電率の測定結果を示すグラフであり、測定時間が100秒までの範囲で拡大して示したグラフである。 試験例2における、発明品2と従来品1の導電率の測定結果を示すグラフである。 試験例2における、発明品2と従来品1の導電率の測定結果を示すグラフであり、測定時間が100秒までの範囲で拡大して示したグラフである。 試験例3における、発明品3〜5の導電率の測定結果を示すグラフである。 試験例3における、発明品3〜5の導電率の測定結果を示すグラフであり、測定時間が100秒までの範囲で拡大して示したグラフである。 試験例4のユーステストの結果を示すグラフである。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法では、脂肪分が50質量%以上の油中水型乳化物(ベーススプレッド)を調製してから冷却した後に、水相(水性溶解物)を添加して混合する。これにより、乳化安定性(物性)及び口溶け(風味)の両方に優れており、製造者と消費者の両方が満足できる、低脂肪スプレッドを製造することができる。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法は、具体的には、脂肪分が50質量%以上の油中水型乳化物を調製してから、前記の油中水型乳化物を加熱(殺菌)した後に冷却して混練する。一方で、水相(水性溶解物)を別途調製してから、前記の水相を加熱(殺菌)した後に冷却する。そして、前記の冷却した油中水型乳化物に、前記の冷却した水相を添加して混合(混練)し、低脂肪スプレッドの組成を略均等に調整しながら、乳化の状態を安定化させる。
言い換えれば、本発明の低脂肪スプレッドの製造方法は、脂肪分が50質量%以上である油中水型乳化物を調製する工程と、前記油中水型乳化物を加熱殺菌してから、冷却する工程と、水相(水性溶解物)を調製し、加熱殺菌してから、冷却する工程と、前記油中水型乳化物に前記水相(水性溶解物)を添加して、乳化する工程とを含むものである。
本発明において、油中水型乳化物とは別に調製する水性溶解物は、追加の水相であり、油中水型乳化物の水相とともに、製造される低脂肪スプレッドにおいて水相を構成する。
尚、本発明の低脂肪スプレッドの製造方法では、セラミック製フィルター等を用いて、前記の油中水型乳化物を濾過してもよい。濾過は、前記の油中水型乳化物を加熱する前に濾過してもよいし、前記の油中水型乳化物を加熱した後に濾過してもよい。
本発明において「スプレッド」とは、日本農林規格(JAS)「マーガリン類」として規定されているもののうち、「ファットスプレッド」として定義されるものを指し、「ファットスプレッド」には、「マーガリン類」のうち、脂肪分(油脂含有率)が80%未満のものが含まれる。また、本発明において「商業規模で製造する」とは、商品を大規模で製造し、市場に安定して大量に供給することを指し、例えば1000kg以上の仕込み量で製造することが含まれる。
本発明では、油中水型乳化物(ベーススプレッド)の脂肪分は50質量%以上で調製する。油中水型乳化物(ベーススプレッド)の脂肪分は、より好ましくは、50〜80質量%、さらに好ましくは、50〜70質量%、さらに好ましくは、50〜60質量%である。この脂肪分が50〜80質量%であれば、水相部が多量になりすぎることで、乳化安定性が劣るようなことがなく、油相部が多量になりすぎることで、低脂肪スプレッドとするために後で水相を多量に加えなければならなくなり、不安定化の要因となるようなことがない。
油中水型乳化物を構成する油相、水相の材料は、特に限定されず、当技術分野において既知のものを適宜選択して使用できる。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法において、油中水型乳化物を調製する工程は、一般的な食品工業の装置や機器を用いて処理されれば、特に限定されないが、例えば、ジャケット付のタンク等を用いて処理されてもよい。このとき、この調製の温度の条件は、好ましくは、50〜75℃、5〜60分間、より好ましくは、50〜70℃、5〜30分間、さらに好ましくは、50〜65℃、5〜20分間、さらに好ましくは、50〜60℃、5〜10分間である。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法において、油中水型乳化物を加熱した後に冷却する工程は、一般的な食品工業の装置や機器を用いて処理されれば、特に限定されないが、例えば、プレート式熱交換機、チューブ式熱交換機、通電(ジュール)式加熱機、ジャケット付のタンク等を用いて処理されてもよい。
このとき、この加熱の条件は、好ましくは、90〜120℃、1〜60秒間、より好ましくは、90〜110℃、5〜60秒間、さらに好ましくは、90〜100℃、10〜60秒間、さらに好ましくは、90〜95℃、20〜60秒間である。
また、この冷却の条件は、好ましくは、10〜50℃、より好ましくは、10〜40℃、さらに好ましくは、15〜30℃、さらに好ましくは、15〜20℃であり、好ましくは、1〜120秒間、より好ましくは、1〜100秒間、さらに好ましくは、1〜80秒間、さらに好ましくは、1〜60秒間で、急速に冷却(急冷)することである。
なお、本発明の低脂肪スプレッドの製造方法において、油中水型乳化物を混練する工程は、一般的なマーガリンの製造のための装置や機器を用いて処理されれば、特に限定されない。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法において、水相(水性溶解物)を別途調製する工程は、一般的な食品工業の装置や機器を用いて処理されれば、特に限定されないが、例えば、ジャケット付のタンク等を用いて処理されてもよい。このとき、この調製の温度の条件は、好ましくは、50〜75℃、5〜60分間、より好ましくは、50〜70℃、5〜30分間、さらに好ましくは、50〜65℃、5〜20分間、さらに好ましくは、50〜60℃、5〜10分間である。
水相(水性溶解物)を構成する材料は、特に限定されず、当技術分野において既知のものを適宜選択して使用できる。
水相(水性溶解物)の量は、製造する低脂肪スプレッドにおいて目的とする脂肪分の割合(含有量)となるように、油中水型乳化物の脂肪分の割合(含有量)を考慮して、適宜決定できる。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法において、水相(水性溶解物)を加熱した後に冷却する工程は、一般的な食品工業の装置や機器を用いて処理されれば、特に限定されないが、例えば、プレート式熱交換機、チューブ式熱交換機、通電(ジュール)式加熱機、ジャケット付のタンク等を用いて処理されてもよい。
このとき、この加熱の条件は、好ましくは、90〜120℃、1〜60秒間、より好ましくは、90〜110℃、5〜60秒間、さらに好ましくは、90〜100℃、10〜60秒間、さらに好ましくは、90〜95℃、20〜60秒間である。
また、この冷却の条件は、好ましくは、3〜50℃、より好ましくは、3〜30℃、さらに好ましくは、3〜15℃、さらに好ましくは、3〜10℃であり、好ましくは、1〜120秒間、より好ましくは、1〜90秒間、さらに好ましくは、1〜60秒間、さらに好ましくは、1〜30秒間で、急速に冷却(急冷)することである。
なお、本発明の低脂肪スプレッドの製造方法において、冷却した油中水型乳化物に、冷却した水相(水性溶解物)を添加して混合(混練)する工程は、一般的なマーガリンの製造のための装置や機器を用いて処理されれば、特に限定されない。
従来の低脂肪スプレッドの製造方法では、例えば、油相と水相に原料を分散や溶解させて、油相と水相を混合してから(予備)乳化し、脂肪分が50質量%未満(例えば40質量%)の油中水型乳化物を調製した後に、加熱(殺菌)、冷却、混練する。このとき、従来の低脂肪スプレッドでは、少量の油相部を連続相とし、多量の水相部を分散相として、乳化させているため、乳化の状態が安定化しにくい。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法では、脂肪分が50質量%以上の油中水型乳化物を調製してから、前記の油中水型乳化物を加熱した後に冷却して混練し、乳化させる。一方で、水相(水性溶解物)を別途調製してから、前記の水相(水性溶解物)を加熱(殺菌)した後に冷却する。そして、前記の冷却した油中水型乳化物に、前記の冷却した水相(水性溶解物)を添加して混合(混練)し、低脂肪スプレッドの組成を略均等に調整しながら、乳化の状態を安定化させる。このとき、本発明の低脂肪スプレッドでは、多量の油相部を連続相とし、少量の水相部を分散相として、乳化させておくことで、乳化の状態が安定化してから、多量の水相部(水性溶解物)を添加して混合しているため、乳化の状態が安定化しやすい。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法では、HLB値が3以上の乳化剤を用いて、油中水型乳化物を調製してもよい。ここで、HLB値とは、乳化剤や界面活性剤において、水と油に対する親和性の程度を示す指標である。具体的には、HLB値は0から20までの範囲を基準とし、0に近いほど、親油性が高く、20に近いほど、親水性が高くなる。実際には、HLB値が小さい乳化剤を用いると、脂肪分が低い状態でも、油中水型乳化物において、乳化の状態を安定化して、乳化安定性が優れたものとなる。
本発明の油中水型乳化物(ベーススプレッド)において、乳化剤のHLB値は、好ましくは、3以上、より好ましくは、3〜20、さらに好ましくは、3〜10、さらに好ましくは、4以上、さらに好ましくは、4〜10、さらに好ましくは、4〜8、さらに好ましくは、4〜6である。この乳化剤のHLB値が3上であれば、低脂肪スプレッドの口溶けが悪く、風味が劣るようなことがない。
従来の低脂肪スプレッドの製造方法では、例えば、HLB値が1と小さい乳化剤のPGPRを用いると、脂肪分が40質量%以下の低い状態であっても、油中水型乳化物において、乳化の状態を安定化することができる。しかしながら、HLB値が小さい乳化剤を用いると、乳化安定性が優れたものとなるものの、乳化の状態が強固になりすぎるため、消費者が喫食する際にも、乳化の状態が壊れにくくなり、低脂肪スプレッドの口溶けが悪く、風味が劣ることとなる。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法では、HLB値が3以上の乳化剤を用いて、油中水型乳化物を調製するので、乳化の状態が適度な強度に維持されながら、消費者が喫食する際に、乳化の状態が適切に壊れて、低脂肪スプレッドの口溶けが良く、風味が優れることとなる。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法では、デンプンを配合して、水相(油中水型乳化物を構成する水相と、油中水型乳化物とは別に調製する水相(水性溶解物)とを含む)を調製してもよい。ここで、デンプンは、本発明の効果が得られれば、特に限定されないが、好ましくは、酵素的、物理的、化学的な化工処理を施して、特性を改質や改善し、機能性を付与や増強した化工デンプンである。本発明において、化工デンプンには、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン、リン酸架橋デンプン等を例示することができるが、ヒドロキシプロピルデンプンが好ましい。
本発明の水相(油中水型乳化物を構成する水相と、油中水型乳化物とは別に調製する水相(水性溶解物)とを含む)において、デンプンの濃度は、好ましくは、3質量%以上、より好ましくは、3〜10質量%、さらに好ましくは、4〜8質量%、さらに好ましくは、5〜6質量%である。このデンプンの濃度が3〜10質量%であれば、低脂肪スプレッドの乳化安定性を効果的に向上することができると共に、低脂肪スプレッドの離水を効果的に抑制や防止することができる。
本発明の低脂肪スプレッドの製造方法では、添加剤を配合して、水相(油中水型乳化物を構成する水相と、油中水型乳化物とは別に調製する水相(水性溶解物)とを含む)を調製してもよい。ここで、添加剤は、本発明の効果が得られれば、特に限定されないが、風味素材、物性改良剤を例示することができ、また、油脂等の脂肪分を例示することができる。
本発明の低脂肪スプレッドにおいて、脂肪分は、好ましくは、20〜45質量%、より好ましくは、25〜45質量%、さらに好ましくは、30〜45質量%、さらに好ましくは、30〜40質量%である。この脂肪分が20〜45質量%であれば、水相部が多量になりすぎることで、乳化安定性が劣るようなことがなく、油相部が多量になりすぎることで、低脂肪スプレッドではなくなるようなことがない。
本発明の低脂肪スプレッドでは、低脂肪スプレッドの導電率を測定して、口溶けの程度を評価することができる。ここで、導電率とは、水溶液における電流の流れやすさを表現する指標である。すなわち、低脂肪スプレッドの溶解が進行すると、低脂肪スプレッドに含まれる塩分(食塩)が水溶液に放出され、それに伴って、低脂肪スプレッドの導電率が上昇する。つまり、低脂肪スプレッドの導電率が上昇しやすいことは、低脂肪スプレッドの口溶けが良いことを意味している。
本発明の低脂肪スプレッドでは、37℃の導電率の測定において、測定開始から100秒未満で導電率が8mS/m以上に達する。このとき、測定開始から100秒未満で導電率が8mS/m以上に達しないと、低脂肪スプレッドの口溶けが悪いこととなる。そこで、本発明の低脂肪スプレッドは、37℃での導電率の測定において、好ましくは、測定開始から90秒未満で導電率が8mS/m以上に達し、より好ましくは、測定開始から80秒未満で導電率が8mS/m以上に達し、さらに好ましくは、測定開始から70秒未満で導電率が8mS/m以上に達し、さらに好ましくは、測定開始から60秒未満で導電率が8mS/m以上に達することとなる。
以下、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。なお、この実施例は、本発明を限定するものではない。
[実施例1]発明品1の製造
調合用のタンクに、食用植物油脂(三菱商事社)を11438.4g、食用精製加工油脂(植田製油社)を4450g、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン社、HLB値:4.3)を25g、レシチン(辻製油社)を75gで入れてから撹拌して混合し、「油相」を調製した。一方、別の調合用のタンクに、調合水(食品製造用水)を8009.1g、食塩(ダイヤソルト社)を480gで入れてから撹拌して溶解させた後に、ヒドロキシプロピルデンプン(エヌライトCL、イングレディオン・ジャパン社)を515gで入れてから撹拌して分散させた。その後に、60℃まで加温してから撹拌して混合し、「水相」を調製した。
そして、調合用のタンクにおいて、「油相」の入ったところに、「水相」を入れて混合し、さらに、香料(塩野香料社製)を7.5gで入れてから、50〜60℃程度に加温しながら、10分間で撹拌し、乳化(予備乳化)させて、「乳化物」を調製した。次に、この「乳化物」をプレート式熱交換機(殺菌機)に送液し、95℃、20秒間で加熱(殺菌)した後に、50℃程度に冷却した。その後に、フィルター(60メッシュ、PET製)を用いて、この「乳化物」を濾過してから、かきとり式熱交換機(冷却機)に送液し、18℃に急冷した。次に、この「乳化物」を混練機に送液し、20℃で混練しながら、合計を25kgとして、「ベーススプレッド」を調製した。発明品1の「ベーススプレッド」の配合表を表1に示した。
Figure 0006868558
別の調合用のタンクに、調合水(食品製造用水)を56640g、ヒドロキシプロピルデンプン(エヌライトCL、イングレディオン・ジャパン社)を3360gで入れてから撹拌して分散させた。次に、プレート式熱交換機(殺菌機)に送液し、95℃、60秒間で加熱(殺菌)した後に、5℃以下に冷却し、合計を60kgとして、「後混合用の水相」(水性溶解物)を調製した。発明品1の「後混合用の水相」の配合表を表2に示した。
Figure 0006868558
「ベーススプレッド」を混練機に送液しているところに、「後混合用の水相」を濾過してから混合して分散させた後に、20℃で混練し、「乳化物」を調製した。このとき、ベーススプレッド(表1):後混合用の水相(表2)が62.5:37.5の割合になるように混合した。次に、この「乳化物」を充填機に送液し、所定の容器に充填し、脂肪分が40質量%の低脂肪スプレッド(発明品1)を製造した。発明品1の配合表を表3に示した。
Figure 0006868558
[比較例1]従来品1の製造
調合用のタンクに、食用精製加工油脂(植田製油社)を224kg、グリセリン脂肪酸エステル(太陽化学社、HLB値:3)を6kgで入れてから撹拌して混合し、60℃に加温した。ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル(太陽化学社、HLB値:約1)を3.4kgで加えると共に、食用植物油脂(三菱商事社)を528.6kgで濾過してから加えて、さらに、酸化防止剤(トコフェロール(40%)、J−オイルミルズ社)を0.4kgで加えてから撹拌して混合し、「油相」を調製した。別の調合用タンクに、調合水(食品製造用水)を1068.76kgで入れ、食塩水(調合水(食品製造用水)を96kg、食塩(ダイヤソルト社)を32kgで混合してから撹拌して溶解させたもの)を128kg、ゼラチン(新田ゼラチン社)を34kg、クエン酸(三栄源エフ・エフ・アイ社)を5.4kg、クエン酸ナトリウム(三栄源エフ・エフ・アイ社)を0.6kgで加えてから、タンク内の圧力を0.060MPaに減圧しながら撹拌して混合し、「水相」を調製した。
そして、調合用のタンクにおいて、「油相」の入ったところに、「水相」を60℃に加温してから、フィルター(60メッシュ、PET製)を用いて、この「水相」を濾過した後に加えて、さらに、香料(塩野香料社)と香料(小川香料社)の混合物を0.84kgで加えてから、60℃程度に加温しながら、10分間で撹拌し、乳化(予備乳化)させて、「乳化物」を調製した。次に、焼結フィルター(40メッシュ)を用いて、この「乳化物」を濾過してから、プレート式熱交換機(殺菌機)に送液し、95℃、20秒間で加熱(殺菌)した後に、60℃程度に冷却した。その後に、焼結フィルター(40メッシュ)を用いて、この「乳化物」を濾過してから、かきとり式熱交換機(冷却機)に送液し、28℃に急冷してから、さらに、かきとり式熱交換機(冷却機)に送液し、18℃に急冷した。次に、この「乳化物」を混練機に送液し、20℃で混練した。そして、この「乳化物」を充填機に送液し、マグネットセパレーターを通した後に、所定の容器に充填し、脂肪分が38質量%の低脂肪スプレッド(従来品1)を製造した。従来品1の配合表を表4に示した。
Figure 0006868558
[試験例1]発明品1と従来品1の口溶けの比較
口溶けの程度を評価するため、発明品1と従来品1の導電率を測定した。具体的には、測定用の試料:1gを予め冷蔵し、温水:100gを恒温水槽内で37℃に調温したところに添加した。そして、電気伝導率計(CM−30R、東亜ディーケーケー社)を用いて、温水の導電率を10秒毎に600秒まで測定した。この結果を図1に示した。また、温水の導電率を100秒まで測定した範囲で拡大し、この結果を図2に示した。
ここで、導電率とは、電解質を含む水溶液において、電流の流れ易さを示す指標である。測定試料が水溶液に添加され、測定試料の構造が崩壊して、解乳化すると、測定試料の水相中の塩分が水溶液に放出されて、水溶液の導電率が上昇する。すなわち、測定試料を添加した水溶液の導電率が上昇することは、測定試料の構造が崩壊して、解乳化が進行していることを意味しており、測定試料の口溶けが良いことを表現している。
図1と図2において、発明品1では、試験開始から60秒程度が経過すると、導電率が24mS/m程度まで上昇し、その後にも、少なくとも600秒まで、導電率の数値(水準)が維持されていた。したがって、発明品1では、わずか60秒程度が経過すると、水相中の塩分(食塩)の全部が水溶液に放出されて、解乳化しており、口溶けが良い低脂肪スプレッドであることが確認された。つまり、発明品1では、強力な親油性の乳化剤のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使用しなくても、乳化の状態が安定した、口溶けが良い低脂肪スプレッドを製造できることが確認された。
一方、図1と図2において、従来品1では、試験開始から600秒程度が経過しても、導電率が上昇しなかった。したがって、従来品1では、少なくとも600秒程度が経過しても、水相中の塩分は水溶液に放出されず、解乳化せず、口溶けが悪い低脂肪スプレッドであることが示唆された。つまり、従来品1では、強力な親油性の乳化剤のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使用しており、乳化の状態が安定しているものの、口溶けが良くない低脂肪スプレッドを製造していることが確認された。
[実施例2]発明品2の製造
調合用のタンクに、食用精製加工油脂(植田製油社)を352.42kg、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン社、HLB値:4.3)を1.98kg、レシチン(辻製油社)を5.94kgで入れてから撹拌して混合した。食用植物油脂(三菱商事社)を831.6kgで濾過してから加え、酸化防止剤(トコフェロール(40%)、J−オイルミルズ社)を0.594kgで加えてから撹拌して混合し、「油相」を調製した。一方、別の調合用タンクに、調合水(食品製造用水)を596.673kgで入れ、食塩水(調合水(食品製造用水)を108.108kg、食塩(ダイヤソルト社)を36.036kgで混合してから撹拌して溶解させたもの)を144.144kg、ヒドロキシプロピルデンプン(エヌライトCL、イングレディオン・ジャパン社)を44.352kgで加え、タンク内の圧力を0.060MPaに減圧しながら撹拌して溶解させ、「水相」を調製した。
そして、調合用のタンクにおいて、「油相」の入ったところに、「水相」を60℃に加温してから、フィルター(60メッシュ、PET製)を用いて、この「水相」を濾過した後に加えて、さらに、香料(塩野香料社)を0.297kgで加えてから、50〜60℃程度に加温しながら、10分間で撹拌し、乳化(予備乳化)させて、「乳化物」を調製した。次に、焼結フィルター(40メッシュ)を用いて、この「乳化物」を濾過してから、プレート式熱交換機(殺菌機)に送液し、95℃、20秒間で加熱(殺菌)した後に、50℃程度に冷却した。その後に、焼結フィルター(40メッシュ)を用いて、この「乳化物」を濾過してから、かきとり式熱交換機(冷却機)に送液し、20℃に急冷してから、さらに、かきとり式熱交換機(冷却機)に送液し、14℃に急冷した。次に、この「乳化物」を混練機に送液し、20℃で混練し、合計を2000kgとして、「ベーススプレッド」を調製した。発明品2の「ベーススプレッド」の配合表を表5に示した。
Figure 0006868558
別の調合用のタンクに、実施例1と同様にして、「後混合用の水相」(水性溶解物)を調製した。
「ベーススプレッド」を混練機に送液しているところに、「後混合用の水相」を濾過してから混合して分散させた後に、20℃で混練し、「乳化物」を調製した。このとき、ベーススプレッド(表5):後混合用の水相(表2の配合)が66:34の割合になるように混合した。次に、この「乳化物」を充填機に送液し、マグネットセパレーターを通した後に、所定の容器に充填し、脂肪分が40質量%の低脂肪スプレッド(発明品2)を商業規模で製造した。発明品2の配合表を表6に示した。
Figure 0006868558
[試験例2]発明品2と従来品1の口溶けの比較
口溶けの程度を評価するため、発明品2と従来品1の導電率を測定した。具体的には、試験例1と同様にして、温水の導電率を10秒毎に600秒まで測定した。この結果を図3に示した。また、温水の導電率を100秒まで測定した範囲で拡大し、この結果を図4に示した。
図3と図4において、発明品2では、試験開始から60秒程度が経過すると、導電率が9〜10mS/m程度まで上昇し、その後にも、少なくとも600秒まで、導電率の数値(水準)が維持されていた。したがって、発明品2では、わずか60秒程度が経過すると、水相中の塩分(食塩)の全部が水溶液に放出されて、解乳化しており、口溶けが良い低脂肪スプレッドであることが確認された。つまり、発明品2では、強力な親油性の乳化剤のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使用しなくても、乳化の状態が安定した、口溶けが良い低脂肪スプレッドを商業規模で製造できることが確認された。
[実施例3]発明品3〜5の製造
調合用のタンクに、食用植物油脂(三菱商事社)を12995g、食用精製加工油脂(植田製油社)を5566g、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン社、HLB値:4.3)を23g、レシチン(辻製油社製)を138gで入れてから撹拌して混合し、「油相」を調製した。一方、別の調合用のタンクに、調合水(食品製造用水)を3475.76g、食塩(ダイヤソルト社)を276gで入れてから撹拌して溶解させた。さらに、ヒドロキシプロピルデンプン(エヌライトCL、イングレディオン・ジャパン社)を515.2gで加えてから撹拌して分散させた。その後に、60℃まで加温してから撹拌して混合し、「水相」を調製した。
そして、調合用のタンクにおいて、「油相」の入ったところに、「水相」を加えて混合し、さらに、βカロチン(DSMニュートリションジャパン社)を11.04gで加えて、50〜60℃程度に加温しながら、10分間で撹拌し、乳化(予備乳化)させて、「乳化物」を調製した。次に、この「乳化物」をプレート式熱交換機(殺菌機)に送液し、95℃、20秒間で加熱(殺菌)した後に、50℃程度に冷却した。その後に、フィルター(60メッシュ、PET製)を用いて、この「乳化物」を濾過してから、かきとり式熱交換機(冷却機)に送液し、18℃に急冷した。次に、この「乳化物」を混練機に送液し、20℃で混練しながら、合計を23kgとして、「ベーススプレッド」を調製した。発明品3〜5の「ベーススプレッド」の配合表を表7に示した。
Figure 0006868558
別の調合用のタンクに、調合水(食品製造用水)を13048g、食塩(ダイヤソルト社)を168g、ヒドロキシプロピルデンプン(エヌライトCL、イングレディオン・ジャパン社)を784gで入れてから撹拌して分散させた。次に、プレート式熱交換機(殺菌機)に送液し、95℃、60秒間で加熱(殺菌)した後に、5℃以下に冷却して、「後混合用の水相」(水性溶解物)を調製した。発明品3〜5の「後混合用の水相」の配合表を表8に示した。
Figure 0006868558
「ベーススプレッド」を混練機に送液しているところに、「後混合用の水相」を濾過してから混合して分散させた後に、20℃で混練し、「乳化物」を調製した。このとき、「ベーススプレッド」(表7)と「後混合用の水相」(表8)が表9の割合になるように混合した。次に、これらの「乳化物」を充填機に送液し、所定の容器に充填し、脂肪分が39.1質量%の低脂肪スプレッド(発明品3)、脂肪分が30.9質量%の低脂肪スプレッド(発明品4)、脂肪分が22.8質量%の低脂肪スプレッド(発明品5)を製造した。発明品3〜5の配合表を、それぞれ表10〜12に示した。
Figure 0006868558
Figure 0006868558
Figure 0006868558
Figure 0006868558
[試験例3]発明品3〜5の口溶けの比較
口溶けの程度を評価するため、発明品3〜5の導電率を測定した。具体的には、試験例1と同様にして、温水の導電率を10秒毎に600秒まで測定し、この結果を図5に示した。また、温水の導電率を100秒まで測定した範囲で拡大し、この結果を図6に示した。
図5と図6において、発明品3〜5では何れも、試験開始から60秒程度が経過すると、導電率が10mS/m程度まで上昇し、その後にも、少なくとも600秒まで、導電率の数値(水準)が維持されていた。したがって、発明品3〜5では何れも、わずか60秒程度が経過すると、水相中の塩分(食塩)の全部が水溶液に放出されて、解乳化しており、口溶けが良い低脂肪スプレッドであることが確認された。つまり、発明品3〜5では何れも、強力な親油性の乳化剤のポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを使用しなくても、乳化の状態が安定した、口溶けが良い低脂肪スプレッドを製造できることが確認された。
一方、発明品5では、導電率が最も速く上昇し、発明品3では、導電率が最も遅く上昇した。すなわち、低脂肪スプレッドの脂肪分の含量が小さい程、導電率が早く上昇しており、低脂肪スプレッドの口溶けが良いことが確認された。
[実施例4]発明品6の製造
調合用のタンクに、オリーブ油(三菱商事社)を10500g、食用精製加工油脂(植田製油社)を4125g、グリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン社、HLB値:4.3)を25g、レシチン(辻製油社製)を75gで入れてから撹拌して混合し、「油相」を調製した。一方、別の調合用のタンクに、調合水(食品製造用水)を9415g、食塩(ダイヤソルト社)を300gで入れてから撹拌して溶解させた。さらに、ヒドロキシプロピルデンプン(エヌライトCL、イングレディオン・ジャパン社)を560gで加えてから撹拌して分散させた。その後に、60℃まで加温してから撹拌して混合し、「水相」を調製した。
そして、調合用のタンクにおいて、「油相」の入ったところに、「水相」を加えて混合し、さらに、βカロチン(DSMニュートリションジャパン社)を12gで加えて、50〜60℃程度に加温しながら、10分間で撹拌し、乳化(予備乳化)させて、「乳化物」を調製した。次に、この「乳化物」をプレート式熱交換機(殺菌機)に送液し、95℃、20秒間で加熱(殺菌)した後に、50℃程度に冷却した。その後に、フィルター(60メッシュ、PET製)を用いて、この「乳化物」を濾過してから、かきとり式熱交換機(冷却機)に送液し、18℃に急冷した。次に、この「乳化物」を混練機に送液し、20℃で混練しながら、合計を25kgとして、「ベーススプレッド」を調製した。発明品6の「ベーススプレッド」の配合表を表13に示した。
Figure 0006868558
別の調合用のタンクに、調合水(食品製造用水)を16776g、食塩(ダイヤソルト社)を216g、ヒドロキシプロピルデンプン(エヌライトCL、イングレディオン・ジャパン社)を1008gで入れてから撹拌して分散させた。次に、プレート式熱交換機(殺菌機)に送液し、95℃、60秒間で加熱(殺菌)した後に、5℃以下に冷却して、「後混合用の水相」(水性溶解物)を調製した。発明品6の「後混合用の水相」の配合表を表14に示した。
Figure 0006868558
「ベーススプレッド」を混練機に送液しているところに、「後混合用の水相」を濾過してから混合して分散させた後に、20℃で混練し、「乳化物」を調製した。このとき、ベーススプレッド(表13):後混合用の水相(表14)が66:34の割合になるように混合した。次に、この「乳化物」を充填機に送液し、所定の容器に充填し、脂肪分が38.9質量%の低脂肪スプレッド(発明品6)を製造した。発明品6の配合表を表15に示した。
Figure 0006868558
[試験例4]発明品6と従来品1のユーステスト
発明品6と従来品1について104人を対象にユーステストを行った。具体的には、発明品と従来品をそれぞれ食してもらい、「後味のあっさり感」、「塩味の好み」、「オリーブの風味の好み」、「オリーブの香りの好み」、「風味のフレッシュ感の好み」の各項目について、評価した。
「後味のあっさり感」は、「あっさりしている」を5点、「ややあっさりしている」を4点、「どちらともいえない」を3点、「ややこってりしている」を2点、「こってりしている」を1点とした。
「塩味の好み」、「オリーブの風味の好み」、「オリーブの香りの好み」、「風味のフレッシュ感の好み」は、「好き」を5点、「やや好き」を4点、「どちらともいえない」を3点、「あまり好きでない」を2点、「好きでない」を1点とした。
各項目について5点又は4点と答えた人の割合(104人に対するパーセント)を図7に示す。
発明品6は、すべての項目について、従来品1と比較して高い評価が得られた。発明品6は、口溶けが良く、風味や塩味を良好に感じることができるものであった。
本発明によれば、脂肪分が50質量%以上の高い状態で、低脂肪スプレッドの組織を安定化できる。このため、本発明では、低脂肪スプレッドの製造時に、転相などが起こりにくく、乳化安定性が良く、物性が優れている。また、本発明によれば、PGPRなどの強力な親油性の乳化剤を使用しなくても、低脂肪スプレッドを製造できる。このため、本発明では、低脂肪スプレッドの喫食時に、乳化状態が適切に崩壊し、口溶けが良く、風味が優れている。
上記に本発明の実施形態及び/又は実施例を幾つか詳細に説明したが、当業者は、本発明の新規な教示及び効果から実質的に離れることなく、これら例示である実施形態及び/又は実施例に多くの変更を加えることが容易である。従って、これらの多くの変更は本発明の範囲に含まれる。
この明細書に記載の文献及び本願のパリ優先の基礎となる日本出願明細書の内容を全てここに援用する。

Claims (6)

  1. 脂肪分が50質量%以上の油中水型乳化物を、油相と第1水相とを混合し且つHLB値が4〜6の乳化剤を用いて調製してから冷却した後に、アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン及びリン酸架橋デンプンからなる群から選択される1種以上の化工デンプンを配合した第2水相(水性溶解物)を添加して混合し、略均等に調整る、低脂肪スプレッドの製造方法であって、
    製造される低脂肪スプレッドの脂肪分が25〜45質量%である、低脂肪スプレッドの製造方法。
  2. 油相と第1水相とを混合し且つHLB値が4〜6の乳化剤を用いて、脂肪分が50質量%以上である油中水型乳化物を調製する工程と、
    前記油中水型乳化物を加熱殺菌してから、冷却する工程と、
    アセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン及びリン酸架橋デンプンからなる群から選択される1種以上の化工デンプンを配合して第2水相(水性溶解物)を調製し、加熱殺菌してから、冷却する工程と、
    前記油中水型乳化物に前記第2水相(水性溶解物)を添加して混合し、略均等に調整する工程と
    を含む、低脂肪スプレッドの製造方法であって、
    製造される低脂肪スプレッドの脂肪分が25〜45質量%である、低脂肪スプレッドの製造方法。
  3. 製造される前記低脂肪スプレッドが、37℃の導電率の測定において、測定開始から60秒未満で導電率が8mS/m以上に達する、請求項1又は2に記載の低脂肪スプレッドの製造方法。
  4. 製造される前記低脂肪スプレッドが、口溶けの良い低脂肪スプレッドである、請求項1〜3のいずれかに記載の低脂肪スプレッドの製造方法。
  5. HLB値が4〜6の乳化剤並びにアセチル化アジピン酸架橋デンプン、アセチル化リン酸架橋デンプン、アセチル化酸化デンプン、オクテニルコハク酸デンプンナトリウム、酢酸デンプン、酸化デンプン、ヒドロキシプロピルデンプン、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋デンプン、リン酸モノエステル化リン酸架橋デンプン、リン酸化デンプン及びリン酸架橋デンプンからなる群から選択される1種以上の化工デンプンを含み、脂肪分が25〜45質量%であり、37℃の導電率の測定において、測定開始から60秒未満で導電率が8mS/m以上に達する、低脂肪スプレッド。
  6. 口溶けの良い低脂肪スプレッドである、請求項5に記載の低脂肪スプレッド。
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