JP6879252B2 - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機は、ハウジング、斜板、複数のピストン、容量制御弁及び開度調整弁を備えている。ハウジングには、吸入室、複数のシリンダボア、クランク室及び吐出室が形成されている。斜板は、クランク室内に設けられており、クランク室内のクランク室圧力によって傾斜角度が変更される。各ピストンは、斜板に係合しつつシリンダボア内に収容され、ハウジングとの間に圧縮室を形成する。容量制御弁及び開度調整弁はハウジングに設けられている。容量制御弁はクランク室圧力を変更可能である。
より詳細には、ハウジングには、吸入通路、給気通路及び抽気通路が形成されている。吸入通路は、外部回路と吸入室とを接続している。給気通路は、容量制御弁を介して吐出室とクランク室とを接続している。抽気通路は、クランク室と吸入室とを接続している。開度調整弁は、吸入通路の開度を変更可能である。
開度調整弁は、筒状をなす弁ケースと、弁ケース内に収容される弁体とを有している。弁ケースには、第1弁室、第2弁室、吸入窓、吸入口及び抽気窓が形成されている。第1弁室は、吸入通路の一部を構成している。第2弁室は、第1弁室と連通するとともに抽気通路の一部を構成している。吸入窓は、弁ケースの周面に開口しており、第1弁室と吸入通路の吸入室側とを連通している。吸入口は、弁ケースの端面に開口しており、第1弁室と吸入通路の外部回路側とを連通している。抽気窓は、吸入窓とは異なる位置で弁ケースの周面に開口しており、第2弁室と抽気通路とを連通している。
弁体は、第1弁体、第2弁体及び付勢ばねを有している。第1弁体は、第1弁室の内部を摺動可能である。第1弁体は、第1弁体が第1弁室の内部を摺動することにより、吸入窓と重なる領域を変化させる弁壁を有している。第2弁体は、第2弁室の内部を摺動可能である。付勢ばねは、第1弁体と第2弁体とが離間するように付勢している。
また、第1弁室及び第2弁室には、第1弁体と第2弁体とによってダンパ室が区画されている。弁ケースの周面には、バイパス路が形成されている。ダンパ室は、バイパス路によって吸入通路の吸入室側と連通している。
この圧縮機では、吸入室に取り入れる冷媒の吸入圧力が設定吸入圧力より低い起動時には、弁壁と吸入窓とが重なる領域が大きくなる。これにより、第1弁体は吸入窓の開度を小さくする。こうして、開度調整弁は、吸入通路の開度を小さくする。一方、吸入圧力が設定吸入圧力より高い大容量時には、弁壁と吸入窓とが重なる領域が小さくなる。これにより、第1弁体は吸入窓の開度を大きくする。こうして、開度調整弁は、吸入通路の開度を大きくする。さらに、クランク室圧力が設定クランク室圧力より高い小容量時には、第1弁体が吸入窓の開度を小さくする。こうして、開度調整弁は、吸入通路の開度を小さくする。
これらにより、この圧縮機では、大容量時の吸入圧力の圧力損失を防止しつつ、小容量時における静粛性も確保している。また、この圧縮機では、起動時における吸入圧力の圧力変動を低減できる。
そして、この圧縮機では、ダンパ室内の圧力に基づくダンパ効果によって、小容量時に第1弁体が第1弁室の内部を不必要に摺動することが防止されている。これにより、吸入圧力の圧力変動による小容量時の吸入脈動も低減されている。また、この圧縮機では、バイパス路によって吸入通路の吸入室側と連通させることにより、大容量時にダンパ室の圧力が過大になることの防止を図っている。
国際公開2017/145798号公報
しかし、上記従来の圧縮機では、バイパス路が弁ケースの周面に形成されているため、開度調整弁の取り付け時にバイパス路がハウジングによって塞がれると、ダンパ室の圧力を好適に調整し難くなる。これにより、大容量時にダンパ室の圧力が過大になり、ダンパ効果が過剰に発揮されることで、第1弁体の摺動が妨げられる。この結果、大容量時に外部回路から吸入室に冷媒を好適に取り入れ難くなる。
そこで、バイパス路がハウジングによって塞がれないように、ハウジングに対する開度調整弁の取り付け方向を規制したり、ハウジングに溝等を形成してハウジングと弁ケースとの間に隙間を設けたりすることが考えられる。しかしながら、この場合には、製造が複雑となり、製造コストが増大する。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、以下の課題を全て解決できる容量可変型斜板式圧縮機を提供することを課題としている。
(1)大容量時の吸入圧力の圧力損失を防止しつつ、小容量時における静粛性も確保できる。
(2)起動時における吸入圧力の圧力変動を低減できる。
(3)ダンパ室のダンパ効果を好適に発揮させつつ、製造コストの増大化を抑制できる。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機は、吸入室、シリンダボア、クランク室及び吐出室が形成されたハウジングと、
前記クランク室内に設けられ、前記クランク室内のクランク室圧力によって傾斜角度が変更される斜板と、
前記斜板に係合しつつ前記シリンダボア内に収容され、前記ハウジングとの間に圧縮室を形成するピストンと、
前記クランク室圧力を変更可能な容量制御弁とを備え、
前記ハウジングには、外部回路と前記吸入室とを接続する吸入通路と、前記容量制御弁を介して前記吐出室と前記クランク室とを接続する給気通路と、前記クランク室と前記吸入室とを接続する抽気通路とが形成され、
前記吸入通路の開度を変更する開度調整弁をさらに備えた容量可変型斜板式圧縮機において、
前記開度調整弁は、筒状をなす弁ケースと、前記弁ケース内に収容される弁体とを有し、
前記弁ケースには、前記吸入通路の一部を構成する第1弁室と、前記第1弁室と連通するとともに前記抽気通路の一部を構成する第2弁室と、周面に開口して前記第1弁室と前記吸入通路の前記吸入室側とを連通する吸入窓と、端面に開口して前記第1弁室と前記吸入通路の前記外部回路側とを連通する吸入口と、前記周面又は前記端面に開口し、前記第2弁室と前記抽気通路とを連通する抽気窓とが形成され、
前記弁体は、前記第1弁室の内部を摺動可能な第1弁体と、前記第2弁室の内部を摺動可能な第2弁体と、前記第1弁体と前記第2弁体とが離間するように前記第1弁体及び前記第2弁体を付勢する付勢ばねとを有し、
前記第1弁体は、前記第1弁体が前記第1弁室の内部を摺動することにより、前記吸入窓と重なる領域を変化させる弁壁を有し、
前記第1弁室及び前記第2弁室には、前記第1弁体と前記第2弁体とによってダンパ室が区画され、
前記弁壁には、周方向に延び、前記吸入窓と対面することにより、前記ダンパ室と前記吸入窓とを連通するバイパス路が形成されていることを特徴とする。
本発明の圧縮機では、吸入室に取り入れる冷媒の吸入圧力が予め設定された設定吸入圧力より低い起動時には、第1弁室の内部において、第1弁体は、弁壁と吸入窓とが重なる領域が大きくなるように摺動する。これにより、第1弁体は吸入窓の開度を小さくする。こうして、起動時には、開度調整弁が吸入通路の開度を小さくすることにより、起動時における吸入圧力の圧力変動を低減できる。
一方、吸入圧力が設定吸入圧力より高い大容量時には、第1弁室の内部において、第1弁体は、弁壁と吸入窓とが重なる領域が小さくなるように摺動する。これにより、第1弁体は吸入窓の開度を大きくする。こうして、最大容量時を含め、大容量時には、開度調整弁が吸入通路の開度を大きくすることにより、吸入圧力の圧力損失を防止できる。
また、クランク室圧力が予め設定された設定クランク室圧力より高い小容量時には、第2弁室の内部において、第2弁体は、第1弁体側に向かって摺動する。このため、付勢ばねにより、第1弁体が第2弁体から離間することで、第1弁室の内部において、第1弁体は、弁壁と吸入窓とが重なる領域が大きくなるように摺動する。こうして、最小容量時を含め、小容量時には、開度調整弁は、吸入通路の開度を小さくする。これにより、小容量時における吸入圧力の圧力変動も低減できる。ここで、第1弁体側に向かって摺動することにより、第2弁体が抽気窓の開度を小さくするように構成すれば、開度調整弁は抽気通路の開度を小さくする。これにより、クランク室内の高圧の冷媒を再度圧縮し難くなることから、最小容量時や小容量時に体積効率が上がる。この場合、この圧縮機では、別途の抽気弁を用いる必要がないため、部品点数を少なくでき、設計自由度が低下し難い。
そして、この圧縮機では、バイパス路が吸入窓と対面することで、ダンパ室と吸入通路の吸入室側とが連通する。これにより、ダンパ室の圧力が好適に調整され、ダンパ効果が好適に発揮される。このため、起動時や最小容量時を含め、小容量時に第1弁体が第1弁室の内部を不必要に摺動することを防止できる。このため、開度調整弁は、吸入通路の開度を小さくした状態を好適に維持できる。これにより、この圧縮機では、吸入圧力の圧力変動による小容量時の吸入脈動を小さくすることができる。一方、大容量時には、第1弁体が第1弁室の内部を好適に摺動することで、開度調整弁は吸入通路の開度を好適に大きくすることができる。このため、外部回路から吸入室に冷媒を好適に取り入れることができる。
ここで、バイパス路が第1弁体に形成されているため、ハウジングに開度調整弁を取り付けた際に、バイパス路がハウジングによって塞がれることがない。このため、ダンパ効果を好適に発揮させるに当たって、この圧縮機では、ハウジングに対する開度調整弁の取り付け方向を規制したり、ハウジングに溝等を形成してハウジングと弁ケースとの間に隙間を設けたりする必要がない。このため、製造を容易化することができる。
また、バイパス路が第1弁壁の周方向に形成されることにより、作動時に第1弁体が周方向に交差する方向に延びる回転軸心周りで回転した場合であっても、バイパス路と吸入窓との位相のずれが生じ難い。このため、この圧縮機では、第1弁体が回転した場合であっても、バイパス路を確実性高く吸入窓と対面させることが可能となる。
したがって、本発明の容量可変型斜板式圧縮機では、大容量時の吸入圧力の圧力損失を防止しつつ、小容量時における静粛性も確保できる。また、この容量可変型斜板式圧縮機では、起動時における吸入圧力の圧力変動を低減できる。そして、この容量可変型斜板式圧縮機では、ダンパ室のダンパ効果を好適に発揮させつつ、製造コストの増大化を抑制できる。
バイパス路は、第1弁体の位置に関わらず、少なくとも一部が吸入窓と対面していることが好ましい。この場合には、バイパス路によって、ダンパ室と吸入通路の吸入室側とが常に連通するため、ダンパ室の圧力を好適に調整することができ、ダンパ効果を好適に発揮させることができる。
また、第2弁体には、第2弁室の内部と、第2弁室の外部とを連通する細孔が形成されていることが好ましい。この場合には、第2弁室内が高圧であるときには、細孔を通じて第2弁室内の圧力を第2弁室の外部に抜くことができるため、第2弁体が動き易くなり、制御性が向上する。また、第2弁室内が低圧であるときには、細孔を通じて、第2弁室の外部から第2弁室内に冷媒を流入させることができる。これによっても、この圧縮機では、ダンパ室の圧力を好適に調整することができる。
弁壁は筒状をなし得る。そして、バイパス路は、弁壁の周方向に延びて吸入窓と対面可能な周溝と、弁壁に貫設され、周溝とダンパ室とを連通する連通孔とを有することが好ましい。この場合には、バイパス路によって、ダンパ室の圧力をより好適に調整できるため、ダンパ効果をより好適に発揮させることが可能となる。
また、周溝は環状に形成されていることが好ましい。この場合には、作動時に第1弁体が回転した場合であっても、周溝、ひいてはバイパス路が吸入窓に常に対面する。
本発明の容量可変型斜板式圧縮機では、大容量時の吸入圧力の圧力損失を防止しつつ、小容量時における静粛性も確保できる。また、この容量可変型斜板式圧縮機では、起動時における吸入圧力の圧力変動を低減できる。そして、この容量可変型斜板式圧縮機では、ダンパ室のダンパ効果を好適に発揮させつつ、製造コストの増大化を抑制できる。
図1は、実施例1の圧縮機の断面図である。 図2は、実施例1の圧縮機に係り、起動時における圧縮機の要部拡大断面図である。 図3は、実施例1の圧縮機に係り、最大容量時における圧縮機の要部拡大断面図である。 図4は、実施例1の圧縮機に係り、最小容量時における圧縮機の要部拡大断面図である。 図5は、実施例1の圧縮機に係り、開度調整弁を示す模式図である。図(a)は、起動時における開度調整弁を示す模式図である。図(b)は、第1弁体が吸入窓を開き始めた際の開度調整弁を示す模式図である。図(c)は、最大容量時における開度調整弁を示す模式図である。図(d)は、最小容量時における開度調整弁を示す模式図である。 図6は、実施例2の圧縮機に係り、起動時における圧縮機の要部拡大断面図である。 図7は、実施例2の圧縮機に係り、最大容量時における圧縮機の要部拡大断面図である。 図8は、実施例2の圧縮機に係り、最小容量時における圧縮機の要部拡大断面図である 図9は、実施例3の圧縮機の断面図である。 図10は、実施例3の圧縮機に係り、起動時における圧縮機の要部拡大断面図である。 図11は、実施例3の圧縮機に係り、最大容量時における圧縮機の要部拡大断面図である。 図12は、実施例3の圧縮機に係り、最小容量時における圧縮機の要部拡大断面図である。
以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図面を参照しつつ説明する。実施例1〜3の圧縮機は、片頭ピストン式の容量可変型斜板式圧縮機である。これらの圧縮機は、車両に搭載されており、空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の圧縮機のハウジング1は、フロントハウジング3、リヤハウジング5、シリンダブロック7及び弁形成プレート9を有している。本実施例では、フロントハウジング3が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング5が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1の紙面の上方を圧縮機の上方とし、図1の紙面の下方を圧縮機の下方として、圧縮機の上下方向を規定している。そして、図2以降では、図1に対応させて前後方向及び上下方向を規定している。なお、圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その姿勢が適宜変更される。
フロントハウジング3には、前方に向かって突出するボス3aが形成されている。ボス3a内には、圧縮機の前後方向に延びる第1軸孔3bが形成されている。第1軸孔3b内には軸封装置11a及び第1ラジアル軸受11bが設けられている。また、フロントハウジング3の後面には第1スラスト軸受11cが設けられている。
リヤハウジング5には、吸入室5a及び吐出室5bが形成されている。また、リヤハウジング5には、容量制御弁13が設けられている。吸入室5aはリヤハウジング5の径方向の外側に位置している。吸入室5aは、後述する吸入通路51により、圧縮機の外に設けられた蒸発器101に接続されている。吸入室5aは、リヤハウジング5の径方向に延びる弁収容室47を一体で有している。つまり、弁収容室47は、吸入室5aの一部を構成している。なお、弁収容室47の詳細については後述する。
吐出室5bはリヤハウジング5の径方向の内側に位置している。吐出室5bは吐出通路53により、圧縮機の外に設けられた凝縮器102に接続されている。吐出通路53には、逆止弁55が設けられている。蒸発器101、凝縮器102、膨張弁103、配管104等により、外部回路100が構成されている。そして、圧縮機及び外部回路100によって空調装置が構成されている。
シリンダブロック7は、フロントハウジング3と弁形成プレート9との間に位置している。フロントハウジング3とシリンダブロック7との間には、クランク室15が形成されている。シリンダブロック7には、複数個のシリンダボア7aが周方向に等角度間隔で形成されている。各シリンダボア7aは前方でクランク室15と連通している。
また、シリンダブロック7には、第1軸孔3bと同軸をなす第2軸孔7bが形成されている。第2軸孔7b内には第2ラジアル軸受17a、第2スラスト軸受17b及び押圧ばね17cが設けられている。
フロントハウジング3とシリンダブロック7とには、駆動軸19が挿通されている。駆動軸19は、フロントハウジング3内において、軸封装置11aに挿通されている。また、駆動軸19は、シリンダブロック7内において、第2ラジアル軸受17a及び第2スラスト軸受17bに挿通されている。これにより、駆動軸19は、ハウジング1に支持されており、圧縮機の前後方向と平行な回転軸心周りで回転可能となっている。
駆動軸19にはラグプレート21が圧入されている。ラグプレート21は、クランク室15内において前方に配置されており、駆動軸19の回転に伴ってクランク室15内で回転可能となっている。ラグプレート21とフロントハウジング3との間に第1ラジアル軸受11b及び第1スラスト軸受11cが設けられている。
また、駆動軸19には斜板23が挿通されている。斜板23は、クランク室15内において、ラグプレート21の後方に位置している。ラグプレート21と斜板23との間には、駆動軸19回りに傾角縮小ばね25が設けられている。また、駆動軸19の後方には、サークリップ27が固定されており、サークリップ27と斜板23との間には、駆動軸19回りに復帰ばね29が設けられている。
クランク室15内において、ラグプレート21と斜板23とはリンク機構31によって接続されている。リンク機構31は、駆動軸19の駆動軸心に直交する方向に対する斜板23の傾斜角度を変更可能に斜板23を支持している。
各シリンダボア7a内には、それぞれピストン33が往復動可能に収納されている。各ピストン33の後端面は、各シリンダボア7a内で弁形成プレート9と対向している。これにより、各ピストン33は、各シリンダボア7aの後方に圧縮室35を区画している。
各ピストン33と斜板23との間には、前後で対をなすシュー37a、37bが設けられている。各ピストン33は、各対のシュー37a、37bによって斜板23に係合している。そして、各対のシュー37a、37bによって、斜板23の回転がピストン33の往復動に変換されるようになっている。また、各ピストン33は、各対のシュー37a、37bによって、斜板23の傾斜角度に応じたストロークで、各シリンダボア7a内を往復動することが可能となっている。
弁形成プレート9は、前方から吸入弁板、弁板及び吐出弁板が積層されたものである。弁形成プレート9には、各シリンダボア7aに対応して、吸入リード弁、吸入ポート、吐出ポート及び吐出リード弁が形成されている。弁形成プレート9の後面にはリテーナ39が固定されている。リテーナ39は吐出室5b内に配置されており、吐出リード弁の最大開度を規制する。
この圧縮機は、図2に示すように、吐出室5bと容量制御弁13とを連通する第1給気通路41と、容量制御弁13とクランク室15とを接続する第2給気通路43と、吸入室5aと容量制御弁13とを連通する検知通路45とを備えている。
図1及び図2に示すように、第1給気通路41及び検知通路45はリヤハウジング5に形成されている。第2給気通路43はリヤハウジング5、リテーナ39、弁形成プレート9及びシリンダブロック7に形成されている。容量制御弁13はリヤハウジング5に設けられている。容量制御弁13は、吸入室5a内の吸入圧力Ps及びコントローラ49の制御信号に基づいて第1給気通路41と第2給気通路43との連通面積を調整する。こうして、この圧縮機では、第1、2給気通路41、43により、吐出室5bとクランク室15とが容量制御弁13を介して接続されている。
弁収容室47は、リヤハウジング5の径方向に延びる略円柱状に形成されている。弁収容室47は、開口部47a、第1弁収容室47b及び第2弁収容室47cを有している。開口部47aは、リヤハウジング5の外部、すなわち蒸発器101に向かって開口している。第1弁収容室47bは開口部47aよりも小径の円柱状をなしている。第1弁収容室47bの上端は、開口部47aと接続している。第2弁収容室47cは、第1弁収容室47bよりも小径の円柱状をなしている。第2弁収容室47cの上端は、第1弁収容室47bの下端と接続している。また、弁収容室47において、開口部47aと第1弁収容室47bとの間には段差部47dが形成されており、第1弁収容室47bと第2弁収容室47cとの間には段差部47eが形成されている。弁収容室47内には開度調整弁61が設けられている。
図2〜図4に示すように、開度調整弁61は、弁ケース63と弁体64とで構成されている。弁体64は、第1弁体65と、第2弁体67と、付勢ばね69とからなる。
弁ケース63は略円筒状に形成されている。弁ケース63は、筒体63aと、蓋体63bと、支持体63cとからなる。筒体63aは弁ケース63の周面を構成している。また、蓋体63bは、弁ケース63の下端面を構成している。そして、支持体63cは、弁ケース63の上端面を構成している。
筒体63aは、第1弁収容室47bより僅かに小径の円筒状をなす大径部631と、大径部631と同軸で大径部631と一体をなし、第2弁収容室47cより僅かに小径の円筒状をなす小径部632とからなる。大径部631内が第1弁室71aとされており、小径部632内が第2弁室71bとされている。第1弁室71aは円柱状をなしており、弁ケース63の軸方向に延びている。第2弁室71bは、第1弁室71aと同軸であって、第1弁室71aよりも小径の円柱状をなしている。第2弁室71bは、第1弁室71aと連通しつつ、弁ケース63の軸方向に延びている。
開度調整弁61は、弁ケース63の軸方向で弁収容室47内に挿入され、サークリップ73によって抜け止めされている。この状態において、開度調整弁61では、支持体63cの上部が段差部47dと当接するようになっており、大径部631の下部が段差部47eと当接するようになっている。こうして、開度調整弁61は、圧縮機の上下方向と弁ケース63の軸方向とが平行な状態で、リヤハウジング5内に配置されている。
また、大径部631には、複数個の吸入窓73aが周方向に形成されている。つまり、各吸入窓73aは、弁ケース63の周面に形成されている。各吸入窓73aは、図5に示すように、支持体63cに向かうにつれて開口面積が次第に小さくなる略矩形状に形成されている。
また、図5に示すように、各吸入窓73aには、それぞれ起動時開放路73bが一体で形成されている。つまり、各起動時開放路73bも大径部631の周方向に形成されている。各起動時開放路73bは、各吸入窓73aの下端と連続するように形成されている。各起動時開放路73bは、各吸入窓73aから離れるにつれて開口面積が次第に小さくなる略三角状に形成されている。なお、各起動時開放路73bの形状は適宜設計可能であり、各吸入窓73aと別体をなしていても良い。また、起動時開放路73bは、特定の吸入窓73aとのみ一体をなすように形成されていても良い。
図2〜図4に示すように、小径部632には、複数個の抽気窓73cが周方向に形成されている。つまり、各抽気窓73cは、弁ケース63の周面であって、各吸入窓73aとは異なる位置に形成されている。各抽気窓73cは、図5に示すように、各吸入窓73aよりも小径をなす円形状に形成されている。なお、抽気窓73cの個数等についても適宜設計可能である。
大径部631と小径部632との間には、内側に環状に突出するフランジ75が形成されている。フランジ75は、第1弁体65の下位置を規制するとともに、第2弁体67の上位置を規制するようになっている。第2弁体67がフランジ75に着座すれば、第2弁体67の上面には、フランジ75の内径によって図2に示す第1受圧面積S1が確保され、第2弁体67の下面には、第1受圧面積S1より大きな第2受圧面積S2が確保される。
また、小径部632には、抽気窓73cを上下に挟むOリング溝77a、77bが形成され、Oリング溝77a、77bにはOリング79a、79bが設けられている。Oリング79a、79bは第2弁収容室47cの内周面に当接している。
小径部632において、大径部631側とは反対側の端部に蓋体63bが固定されている。蓋体63bには連通窓73dが形成されている。連通窓73dは、弁ケース63の軸方向で第2弁室71bを後述する第2連通路59に連通させている。蓋体63bは第2弁体67の下位置を規制可能となっている。
大径部631において、小径部632側とは反対側の端部に支持体63cが固定されている。支持体63cが第1弁体65の上位置を規制可能となっている。支持体63cにはOリング溝77cが形成され、Oリング溝77cにはOリング79cが設けられている。Oリング79cは第1弁収容室47bの内周面に当接している。
また、支持体63cには、吸入口633が貫設されている。吸入口633は弁ケース63の軸方向に延びている。吸入口633は、開度調整弁61が弁収容室47内に挿入されることにより、上端が弁収容室47の開口部47aに向かって開口し、下端が第1弁室71aに向かって開口している。
図2〜図4に示すように、第1弁体65は、第1弁室71aの内部に収容されている。これにより、第1弁体65は、弁ケース63の軸方向、つまり、圧縮機の上下方向で第1弁室71aの内部を摺動可能である。第1弁体65は、円筒状の第1弁壁65aと、第1弁壁65aの上部で第1弁壁65aと一体をなす円盤状の第1蓋部65bとからなる。第1弁壁65aは、本発明の「弁壁」の一例である。第1弁壁65aは、外周面651と内周面652とを有している。また、第1蓋部65bには、抜き穴65cと、ばね座65dとが設けられている。抜き穴65cは、吸入口633と第1弁室71aとを連通している。
第1弁壁65aは、第1弁体65が第1弁室71aの内部に収容されることにより、各吸入窓73a及び各起動時開放路73bに対し、弁ケース63の軸方向に交差する方向、すなわち、弁ケース63の径方向で重なるようになっている。
第2弁体67は、第2弁室71bの内部に収容されている。これにより、第2弁体67は、弁ケース63の軸方向、つまり、圧縮機の上下方向で第2弁室71bの内部を摺動可能である。第2弁体67は、円筒状の第2弁壁67aと、第2弁壁67aの下部で第2弁壁67aと一体をなす円盤状の第2蓋部67bとからなる。
第2弁壁67aは、第2弁体67が第2弁室71bの内部に収容されることにより、各抽気窓73cに対し、弁ケース63の径方向で重なるようになっている。また、第2蓋部67bには、第1細孔67cが設けられている。第1細孔67cは、本発明の「細孔」の一例である。第1細孔67cは、連通窓73dと第2弁室71bとを弁ケース63の軸方向で連通している。こうして、第1細孔67cは、第2弁室71bの内部と、第2弁室71bの外部とを連通している。なお、第1細孔67cの形状等は適宜設計可能である。
付勢ばね69は、第1弁体65のばね座65dと、第2弁体67の第2蓋部67bとの間に保持されており、第1弁体65と第2弁体67とをその付勢力によって離間させている。
このように、第1弁体65が第1弁室71aの内部に収容されるとともに、第2弁体67が第2弁室71bの内部に収容されることにより、第1弁室65及び第2弁室67には、第1弁体65と第2弁体67とによって、ダンパ室60が区画されている。
また、第1弁壁65aには、バイパス路81が形成されている。バイパス路81は、周溝81aと連通孔81bとからなる。周溝81aは、図2に示すように、第1弁壁65aの外周面651に凹設されている。周溝81aは、図5に示すように、外周面651を周方向に1周する環状に形成されている。図2〜図5に示すように、周溝81aは、第1弁体65が第1弁室71aの内部を摺動することにより、各吸入窓73aや各起動時開放路73bと対面可能となっている。図2に示すように、連通孔81bは、周溝81aと接続しつつ第1弁壁65aの径方向に延びており、第1弁壁65aの内周面652に開口している。これにより、連通孔81bは、周溝81aとダンパ室60とを連通している。なお、バイパス路81の形状は適宜設計可能である。
ここで、図5に示すように、開度調整弁61において、第1弁体65が第1弁室71aの内部を弁ケース63の軸方向に摺動することで、第1弁壁65aは、各吸入窓73a及び各起動時開放路73bと重なる領域を変化させる。この結果、第1弁体65は、各吸入窓73a及び各起動時開放路73bの開度を変化させる。具体的には、図5の(a)に示すように、第1弁体65が第1弁室71aの内部で上位置にあり、第1弁体65と支持体63cとが当接しているときには、第1弁壁65aが各吸入窓73aの全領域と重なることにより、第1弁壁65aは各吸入窓73aを閉鎖する。これにより、第1弁体65は各吸入窓73aの開度を最小にする。また、第1弁体65が第1弁室71a内で上位置となることにより、バイパス路81の周溝81aが各吸入窓73aよりも上方に位置するため、バイパス路81は、各吸入窓73a及び各起動時開放路73bのいずれとも対面しない状態となる。一方、この状態では、第1弁壁65aは、各起動時開放路73bと重なる領域が最も小さくなるため、第1弁壁65aは各起動時開放路73bを大きく開放する。これにより、第1弁体65は各起動時開放路73bの開度を最大にする。
そして、第1弁体65がフランジ75に向かって第1弁室71aの内部を摺動することにより、第1弁壁65aでは各起動時開放路73bに重なる領域が徐々に大きくなる。このため、第1弁体65は、各起動時開放路73bの開度を徐々に小さくする。この際、第1弁壁65aは各吸入窓73aの全域と重なっているものの、バイパス路81と各吸入窓73aとが徐々に対面し始めることで、バイパス路81と各吸入窓73aとが連通し始める。その後、第1弁体65がフランジ75に向かって第1弁室71aの内部をさらに摺動することにより、図5の(b)に示すように、バイパス路81と各吸入窓73aとの連通面積が徐々大きくなる。そして、第1弁壁65aでは各吸入窓73aに重なる領域が徐々に小さくなり始める。このため、第1弁体65は、各吸入窓73aの開度を最小よりも大きくする。この際、第1弁壁65aは各起動時開放路73bの全域と重なるため、各起動時開放路73bは第1弁壁65aによって閉鎖される。こうして、第1弁体65は、各起動時開放路73bの開度を最小にする。
また、図5の(c)に示すように、第1弁体65が第1弁室71aの内部で下位置にあり、第1弁体65とフランジ75とが当接しているときには、第1弁壁65aは、各吸入窓73aと重ならないため、第1弁壁65aは各吸入窓73aを大きく開放する。これにより、第1弁体65は各吸入窓73aの開度を最大にする。また、バイパス路81は、各起動時開放路73bと対面する。
また、開度調整弁61において、第2弁体67が第2弁室71bの内部を弁ケース63の軸方向に摺動することにより、第2弁壁67aは、各抽気窓73cと重なる領域を変化させる。この結果、第2弁体67は、各抽気窓73cの開度を変化させる。具体的には、図5の(a)〜(c)に示すように、第2弁体67が第2弁室71bの内部で下位置にあり、第2弁体67と蓋体63bとが当接しているときには、第2弁壁67aは各抽気窓73cと重ならないため、第2弁壁67aは各抽気窓73c大きく開放する。これにより、第2弁体67は各抽気窓73cの開度を最大にする。また、第2弁体67がフランジ75に向かって第2弁室71bの内部を摺動することにより、第2弁壁67aが各抽気窓73cと徐々に重なり始めるため、第2弁壁67aは、各抽気窓73cを徐々に閉じ始める。このため、第2弁体67は各抽気窓73cの開度を徐々に小さくする。そして、図5の(d)に示すように、第2弁体67が第2弁室71bの内部で上位置にあり、第2弁体67とフランジ75とが当接しているときには、第2弁壁67aが各抽気窓73cの全領域と重なることにより、第2弁壁67aは各抽気窓73cを閉鎖する。これにより、第2弁体67は各抽気窓73cの開度を最小にする。また、このように、第2弁体67がフランジ75に向かって第2弁室71bの内部を摺動することにより、第1弁体65に作用する付勢ばね69のばね荷重が大きくなる。このため、第1弁体65は、支持体63cに向かって第1弁室71aの内部を摺動する。そして、第2弁体67が第2弁室71bの内部で上位置にあるときには、第1弁体65は、第1弁室71a内で上位置となり、各吸入窓73aの開度を最小にする。なお、図5では、説明を容易にするため、第1、2弁体65、67等の形状を簡略化して図示しているとともに、第1細孔67c等の図示を省略している。
図2に示すように、この圧縮機では、弁収容室47の開口部47a、支持体63cの吸入口633、第1弁室71a、各吸入窓73a及び第1弁収容室47bによって、吸入通路51が構成されている。つまり、各吸入窓73aは、弁ケース63の径方向で第1弁室71aを吸入通路51の下流側、すなわち吸入通路51の吸入室5a側に連通させている。また、各起動時開放路73bも、弁ケース63の径方向で第1弁室71aを吸入通路51の吸入室5a側に連通させている。一方、吸入口633は、弁ケース63の軸方向で第1弁室71aを吸入通路51の上流側、すなわち吸入通路51の蒸発器101側に連通させている。
そして、この圧縮機では、第1弁体65の上面には圧縮機に吸入される前の吸入圧力Psが作用する。これにより、第1弁体65が上記のように各吸入窓73aの開度を変化させ、第1弁室71aと吸入通路51の吸入室5a側との連通面積を変化させることによって、開度調整弁61は、吸入通路51の開度を変更する。また、この開度調整弁61では、第1弁体65が各起動時開放路73bの開度を変化させることにより、第1弁室71aと吸入通路51の吸入室5a側との連通面積を変化させる。
また、図1及び図2に示すように、リヤハウジング5には、第1連通路57及び第2連通路59が形成されている。第1連通路57は、一方側がクランク室15に開口しており、他方側が第2弁収容室47cに開口している。ここで、第1連通路57の他方側は、弁ケース63や弁収容室47の径方向で第2弁収容室47cに開口している。これにより、第1連通路57は、第2弁収容室47c及び各抽気窓73cを通じて、クランク室15と開度調整弁61の第2弁室71bとを連通している。この圧縮機では、第1連通路57、第2弁収容室47c、各抽気窓73c、第2弁室71b、第1弁室71a、バイパス路81、各起動時開放路73b及び第1弁収容室47bによって、抽気通路52が構成されている。そして、第2弁体67が上記のように各抽気窓73cの開度を変化させ、第1連通路57と第2弁室71bとの連通面積を変化させことによって、開度調整弁61は、抽気通路52の開度を変更する。
第2連通路59は、一方側が第2給気通路43と接続しており、他方側が第2弁収容室47cに開口している。これにより、第2連通路59は、第2弁収容室47c及び連通窓73dを通じて、第2給気通路43と開度調整弁61の第2弁室71bとを連通している。このため、第2弁体67の第2蓋部67bには、第2給気通路43内の制御圧力Pcvが作用する。
この圧縮機では、車両のエンジンやモータによって駆動軸19が回転駆動され、ラグプレート21及び斜板23が回転し、各ピストン33がシリンダボア7a内を往復動する。この際、各ピストン33は、斜板23の傾斜角度に応じたストロークでシリンダボア7a内を往復動する。このため、各ピストン33は、圧縮室35内に吸入室5a内の冷媒を吸入し、圧縮室35内で冷媒を圧縮し、圧縮室35から高圧の冷媒を吐出室5bに吐出する。
この間、この圧縮機では、容量制御弁13によってクランク室15のクランク室圧力Pcを調整することにより、吐出容量を適宜変更することが可能となっている。例えば、容量制御弁13が第1給気通路41と第2給気通路43との連通面積を大きくすれば、吐出室5b内の吐出圧力Pdの冷媒がクランク室15内に流入し易くなり、クランク室圧力Pcが高くなる。この場合、斜板23の傾斜角度が小さくなり、駆動軸19の1回転当たりの吐出容量が小さくなる。また、容量制御弁13が第1給気通路41と第2給気通路43との連通面積を小さくすれば、吐出圧力Pdの冷媒がクランク室15内に流入し難くなる。このため、クランク室15内の冷媒が抽気通路52を経て吸入室5aに流出し易くなり、クランク室圧力Pcが低くなる。この場合、斜板23の傾斜角度が大きくなり、吐出容量が大きくなる。
また、この圧縮機では、設定吸入圧力と設定クランク室圧力とが予め設定されている。設定吸入圧力及び設定クランク室圧力の大きさは、適宜設定することが可能である。
圧縮機が最小容量状態で停止し、長時間停止されると、クランク室15内の冷媒が冷却されて液冷媒となる場合がある。次に起動させると、吸入室5aに取り入れる冷媒の吸入圧力Psは設定吸入圧力より低く、クランク室圧力Pcは設定クランク室圧力よりも低くなっている。なお、この際、クランク室圧力Pcは、第2給気通路43内の制御圧力Pcvより高くなっている。
このような起動時には、開度調整弁61では、図2及び図5の(a)に示すように、第1弁体65が第1弁室71aで上位置に位置することにより、第1弁壁65aが各吸入窓73aを閉鎖することで、各吸入窓73aの開度が最小となる。これにより、開度調整弁61は、吸入通路51の開度を最小にする。このため、この圧縮機では、起動時における吸入圧力Psの圧力変動を低減することができる。
また、起動時では、第2弁体67が第2弁室71b内で下位置に位置することにより、第2弁壁67aは各抽気窓73cを開放する。このため、各抽気窓73cの開度が最大となる。これにより、第2弁体67が第1連通路57と第2弁室71bとの連通面積を最大にする。つまり、開度調整弁61は、抽気通路52の開度を大きくする。ここで、第1弁壁65aが各吸入窓73aを閉鎖している状態では、第1弁壁65aは各起動時開放路73bを開放するため、各起動時開放路73bの開度が最大となる。このため、起動時にクランク室15内に貯まった液冷媒等は、第1連通路57、第2弁収容室47c、各抽気窓73c、第2弁室71b、第1弁室71a及び各起動時開放路73bを経て、吸入通路51の吸入室5a側、ひいては吸入室5aに速やかに移動する。また、液冷媒等は、第1弁室71aと第1弁体65と間に不可避的に形成されるクリアランスを流通することによっても、吸入室5aに至る。これらにより、この圧縮機では、クランク室圧力Pcが迅速に低くなることから、速やかに容量を上げ易い。
そして、吐出容量が大きくなり始め、吸入圧力Psが設定吸入圧力よりも大きくなり始めることにより、第1弁体65がフランジ75に向かって第1弁室71a内を摺動する。このため、図5の(b)に示すように、第1弁壁65aが各吸入窓73aを開き始める。つまり、各吸入窓73aの開度が最小よりも大きくなる。この際、各起動時開放路73bは第1弁壁65aによって閉鎖されることで、その開度が最小となる。これにより、各起動時開放路73bからの冷媒の漏れがほぼなくなる。
また、最大容量時を含め、大容量時には、吸入圧力Psが設定吸入圧力より高くなる。一方、クランク室圧力Pcは設定クランク室圧力よりも低くなる。この際、各圧縮室35からのブローバイガス等の影響により、クランク室圧力Pcは、第2給気通路43内の制御圧力Pcvよりも高くなる。そして、最大容量時には、開度調整弁61は図3及び図5の(c)に示す状態となる。
このように最大容量時には、第1弁体65が第1弁室71aで下位置に位置することにより、第1弁壁65aは各吸入窓73aを大きく開放している。このため、各吸入窓73aの開度が最大となる。これにより、開度調整弁61は、吸入通路51の開度を最大にする。こうして、この圧縮機では、最大容量時を含め、大容量時の吸入圧力Psの圧力損失を防止できる。なお、最大容量時では、第1弁壁65aは各起動時開放路73bを閉鎖した状態を維持する。
また、最大容量時では、第2弁体67は第2弁室71b内で下位置に位置しており、第2弁壁67aは、各抽気窓73cを開放している。圧縮機が最大容量状態で作動しておれば、斜板23の傾斜角度が最大であることから、吐出室5b内の高圧の冷媒は、図1に示す逆止弁55を開いて凝縮器102に吐出される。
一方、最小容量時を含め、小容量時には、クランク室圧力Pcが設定クランク室圧力よりも高くなる。この際、容量制御弁13が第1給気通路41と第2給気通路43との連通面積を大きくしていることから、第2給気通路43内の制御圧力Pcvは、クランク室圧力Pcよりも高くなる。そして、最小容量時には、開度調整弁61は図4及び図5の(d)に示す状態になる。この場合、第2弁体67が第2弁室71b内で上位置に位置し、第1弁体65は付勢ばね69のばね荷重によって第1弁室71a内で上位置に位置する。このため、各吸入窓73aが第1弁壁65aによって閉鎖されることから、開度調整弁61は、吸入通路51の開度を小さくする。このため、最小容量時を含め、小容量時にも、吸入圧力Psの圧力変動が低減される。
また、この際には、制御圧力Pcvによって第2弁体67が第2弁室71b内で上位置に位置することから、第2弁壁67aは各抽気窓73cを閉鎖する。このため、各抽気窓73cの開度が最小となる。これにより、第1連通路57と第2弁室71bとの連通面積が最小となる。つまり、開度調整弁61が抽気通路52を閉じる。このため、最小容量時や小容量時にクランク室15内の高圧の冷媒を再度圧縮し難くなることから、この圧縮機では体積効率が上がる。
また、この際、容量制御弁13によってクランク室圧力Pcを迅速に高くすることができ、吐出容量を大容量から小容量へ迅速に変更できる。
さらに、この圧縮機では、抽気通路52を必要に応じて閉じることができるような抽気弁を開度調整弁61とは別個に設ける必要もない。このため、部品点数を少なくすることができ、設計自由度も低下し難くなっている。
そして、この圧縮機では、バイパス路81と、各起動時開放路73bとによって、第1弁室71a内及び第2弁室71b内の圧力、すなわちダンパ室60内の圧力を好適に調整することができる。つまり、図2、図5の(a)及び図5の(d)に示すように、第1弁体65が第1弁室71aの内部で上位置にあるときは、バイパス路81は各吸入窓73aと対面しないものの、この際には、各起動時開放路73bによって、ダンパ室60と吸入通路51の吸入室5a側とが連通する。こうして、ダンパ室60内の圧力を調整することができる。
一方、第1弁体65がフランジ75に向かって第1弁室71aの内部を摺動することにより、各起動時開放路73bは徐々に閉じられるものの、バイパス路81が各吸入窓73aと対面することで、バイパス路81及び各吸入窓73aを通じて、ダンパ室60と吸入通路51の吸入室5a側とが連通する。こうして、この場合にも、ダンパ室60内の圧力を調整することができる。なお、第1弁体65がフランジ75に向かって第1弁室71aの内部を摺動する過渡期には、バイパス路81が各吸入窓73aと対面しつつ、各起動時開放路73bが僅かに開いた状態となる。
さらに、図3及び図5の(c)に示すように、第1弁体65が第1弁室71aの内部で下位置にあるときは、バイパス路81が各起動時開放路73bと対面することで、バイパス路81及び各起動時開放路73bを通じて、ダンパ室60と吸入通路51の吸入室5a側とが連通する。こうして、この場合にも、ダンパ室60内の圧力を調整することができる。
ここで、この圧縮機では、第1弁体65の第1蓋部65bに抜き穴65cが形成されていることから、ダンパ室60は、抜き穴65を通じて吸入通路51の蒸発器101側とも連通する関係にある。しかし、抜き穴65cは、蒸発器101から吸入室5aに向かう冷媒ガスの流れと対向している。そして、蒸発器101から吸入室5aに向かう冷媒ガスの圧力は、ダンパ室60内の圧力より高くなる場合が多い。このため、抜き穴65cを通じてダンパ室60内の圧力を調整することは難しく、ダンパ効果が過剰となった際に、抜き穴65cによってはダンパ室60内の圧力を低下させ難い。
また、この圧縮機では、第1弁体65は、第1弁室71a内に収容されており、バイパス路81は、第1弁体65にのみ形成されている。このため、この圧縮機では、リヤハウジング5に開度調整弁61を取り付けた際に、バイパス路81がリヤハウジング5、つまり、弁収容室47の内壁によって塞がれることがない。このため、ダンパ室60内の圧力が過剰に高くなることがなく、ダンパ室60の圧力に基づくダンパ効果が好適に発揮される。このため、この圧縮機では、起動時や最小容量時を含め、小容量時には第1弁体65が第1弁室71a内を不必要に移動することを防止することで、開度調整弁61は吸入通路51の開度を小さくした状態を好適に維持できる。これにより、この圧縮機では、吸入圧力Psの圧力変動による小容量時の吸入脈動を小さくすることが可能となっている。また、大容量時には、第1弁体65が第1弁室71aの内部を好適に移動することで、蒸発器101から吸入室5aに冷媒を好適に取り入れることが可能となっている。
そして、このようにダンパ室60のダンパ効果を好適に発揮させるに当たって、この圧縮機では、弁収容室47に対する開度調整弁61の取り付け方向を規制したり、リヤハウジング5に溝等を形成して、弁収容室47と弁ケース63との間に隙間を設けたりする必要がない。このため、製造を容易化することが可能となっている。
したがって、実施例1の圧縮機では、大容量時の吸入圧力Psの圧力損失を防止しつつ、小容量時における静粛性も確保できる。また、この圧縮機では、起動時における吸入圧力Psの圧力変動を低減できる。そして、この圧縮機では、ダンパ室60のダンパ効果を好適に発揮させつつ、製造コストの増大化を抑制できる。
特に、この圧縮機では、バイパス路81と、各起動時開放路73bとによって、ダンパ室60内の圧力を調整できる。このため、ダンパ室60内の圧力を調整するに当たって、バイパス路81と各吸入窓73aとを常に対面させる必要がない。このため、この圧縮機では、開度調整弁61の設計の自由度を高くすることが可能となっている。
また、バイパス路81が周溝81aと連通孔81bからなり、周溝81aは、第1弁体65の第1弁壁65aを1周する環状に形成されている。ここで、バイパス路81について、例えば第1壁部65aの外周面651を弁ケース63の軸方向に延びて各吸入窓73c、各起動時開放路73b及びダンパ室60に連通する縦溝として構成することも考えられる。しかし、このようなバイパス路81では、圧縮機の作動時に第1弁体65が弁ケース63の軸方向に延びる回転軸心周りで回転することで、各吸入窓73a及び各起動時開放路73bとの位相のずれが生じ易くなる。この点、この圧縮機では、周溝81aが第1弁体65の第1弁壁65aを1周する環状に形成されているため、圧縮機の作動時に第1弁体65が回転した場合であっても、周溝81aと、各吸入窓73a及び各起動時開放路73bとの位相のずれが生じない。このため、第1弁体65が回転した場合であっても、バイパス路81を各吸入窓73aや各起動時開放路73bに常に対面させることが可能となっている。
さらに、この圧縮機では、第2弁体67の第2蓋部67bに第1細孔67cが設けられている。そして、第1細孔67cは、連通窓73dと第2弁室71bとを連通している。このため、開度調整弁61では、制御圧力Pcvが低下し、第2弁体67が第2弁室71b内を蓋体63bに向かって移動する際、第1細孔67cは、第1弁室71a及び第2弁室71b内の圧力を第2弁室71b外部に抜くことができる。この点においても、この圧縮機では、ダンパ室60内の圧力を好適に調整することができる。このため、第2弁体67が動き易くなり、制御性が向上する。また、第2蓋部67bに第1細孔67cが設けられることにより、クランク室圧力Pcが制御圧力Pcvより低い最小容量時には、第2給気通路43内の冷媒が第2連通路59、連通窓73d及び第1細孔67cを通じて第2弁室内71bに流入する。これによっても、ダンパ室60内の圧力を好適に調整することが可能となっている。
また、各吸入窓73aは、支持体63cに向かうにつれて開口面積が次第に小さくなる略矩形状に形成されている。このため、各吸入窓73aが例えば単純な正方形等である場合に比べて、この圧縮機では、第1弁壁65aが各吸入窓73aを開き始めるにつれて、吸入通路51の吸入室5a側と第1弁室71aとの連通面積を好適に増大させることが可能となっている。
さらに、弁ケース63は、第1弁室71aと第2弁室71bとの間にフランジ75を有しており、このフランジ75が第2弁体67の外径より小さい内径により、第1弁室71aと第2弁室71bとを連通している。そして、第2弁体67が第2弁室71b内を上位置に位置し、第1弁体65が第1弁室71aの上位置に位置すると、第2弁体67の内面には第1連通面積S1×吸入圧力Psの力が作用し、第2弁体67の下面には第2連通面積S2×制御圧力Pcvの力が作用する。第2弁体67は、第1連通面積S1<第2連通面積S2であることから、制御圧力Pcvの低下に敏感に反応することとなる。このため、抽気通路52を再び開放し易くなっている。
(実施例2)
図6〜図8に示すように、実施例2の圧縮機では、弁ケース63に起動時開放路73bが形成されていない。そして、この圧縮機では、図6及び図8に示すように、第1弁体65が第1弁室71a内で上位置にあるときだけでなく、図7に示すように、第1弁体65が第1弁室71a内で下位置にあるときにも、バイパス路81は各吸入窓73aと対面する。つまり、この圧縮機では、第1弁室71aの内部における第1弁体65の位置に関わらず、バイパス路81が各吸入窓73aと常に対面するようになっている。すなわち、この圧縮機では、バイパス路81が各吸入窓73aと常に対面するように、各吸入窓73aや第1弁体65の大きさ等が設計されている。この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様であり、同一の構成については同一の符号を付して構成に関する詳細な説明を省略する。
実施例1の圧縮機と同様、この圧縮機でも、起動時、小容量時、最大容量時及び最小容量時において、第1、2弁体65、67が第1、2弁室71a、71bの内部を移動する。このため、図6に示すように、起動時にクランク室15内に貯まった液冷媒等は、第1弁室71aと第1弁体65と間に不可避的に形成されるクリアランスの他、バイパス路81から各吸入窓73aを経て吸入室5aに移動することができる。つまり、この圧縮機では、バイパス路81及び各吸入窓73aが実施例1の圧縮機における起動時開放路73bとしても機能する。
そして、この圧縮機では、第1弁体65の位置に関わらず、バイパス路81が各吸入窓73aと常に対面することで、ダンパ室60内の圧力を調整することができる。このため、この圧縮機でも、ダンパ室60のダンパ効果を好適に発揮させることができる。この圧縮機における他の作用は、実施例1の圧縮機と同様である。
(実施例3)
図9及び図10に示すように、実施例3の圧縮機では、開度調整弁61に換えて、開度調整弁62を備えている。また、この圧縮機では、第1連通路57に換えて、第1連通路58が形成されている。一方、この圧縮機では、リヤハウジング5に第2連通路59が形成されていない。
第1連通路58は、一方側がクランク室15に開口しており、他方側が第2弁収容室47cに開口している。ここで、第1連通路58の他方側は、弁ケース63や弁収容室47の軸方向で第2弁収容室47cに開口している。
図10に示すように、開度調整弁62では、開度調整弁61と異なり、弁ケース63の小径部632に抽気窓73cが形成されていない。また、小径部632には、Oリング溝77a、77b及びOリング79a、79bが設けられていない。
開度調整弁62では、蓋体63bに抽気窓73eが形成されている。つまり、抽気窓73eは、弁ケース63の下端面に形成されている。これにより、抽気窓73eは、弁ケース63の軸方向で第2弁室71bを第1連通路58に連通させている。また、蓋体63bに抽気窓73eが形成されることにより、第2弁室71b内において、第2弁体67の第2蓋部67bは、弁ケース63の軸方向で抽気窓73eと対面している。そして、第2蓋部67bには、第2細孔67dが設けられている。第2細孔67dも本発明の「細孔」の一例である。第2細孔67dは、抽気窓73eと第2弁室71bとを弁ケース63の軸方向で連通している。なお、第2細孔67dの形状等は適宜設計可能である。
また、開度調整弁62では、弁ケース63に起動時開放路73bが形成されていない。このため、実施例2の圧縮機と同様、この圧縮機でも、図10〜図12に示すように、第1弁室71a内における第1弁体65の位置に関わらず、バイパス路81が各吸入窓73aと常に対面するようになっている。
この圧縮機では、第1連通路58、第2弁収容室47c、抽気窓73e、第2細孔67d、第2弁室71b、第1弁室71a、バイパス路81、各吸入窓73a及び第1弁収容室47bによって、抽気通路52が構成されている。開度調整弁62の他の構成を含め、この圧縮機における他の構成は実施例1の圧縮機と同様である。
この圧縮機では、設定クランク室圧力が付勢ばね69の付勢力によって調整されている。そして、この圧縮機では、第1連通路58、第2弁収容室47c及び抽気窓73eを通じて、第2弁体67の第2蓋部67bにはクランク室圧力Pcが作用する。
この圧縮機では、起動時には、吸入室5aに取り入れる冷媒の吸入圧力Psは設定吸入圧力より低く、かつクランク室圧力Pcが設定クランク室圧力より低くなる。このため、開度調整弁62では、図10に示すように、第1弁体65が第1弁室71aで上位置に位置する。これにより、第1弁壁65aは各吸入窓73aを閉鎖する。つまり、各吸入窓73aの開度が最小となる。こうして、開度調整弁62は吸入通路51の開度を小さくする。これにより、この圧縮機では、起動時における吸入圧力Psの圧力変動が低減される。また、起動時には、第2弁体67が第2弁室71b内で下位置に位置することから、第2弁体67は抽気窓73eを閉じる。なお、起動時にクランク室15内に充填され得る液冷媒等は、第1連通路58を経て抽気窓73eに至った後、第2細孔67dの他、第2弁室71bと第2弁体67と間や第1弁室71aと第1弁体65と間等に不可避的に形成されるクリアランスを流通することで、吸入室5aに流出し得る。
一方、最大容量時を含め、大容量時には、吸入圧力Psが設定吸入圧力より高く、かつクランク室圧力Pcが設定クランク室圧力より低くなる。そして、最大容量時には、図11に示すように、第1弁体65が第1弁室71aで下位置に位置することにより、各吸入窓73aの開度が最大となる。これにより、開度調整弁62は吸入通路51の開度を大きくする。こうして、この圧縮機でも、最大容量時を含め、大容量時の吸入圧力Psの圧力損失を防止できる。
また、最小容量時を含め、小容量時には、クランク室圧力Pcが設定クランク室圧力より高くなる。そして、最小容量時には、図12に示すように、第2弁体67が第2弁室71bの内部で上位置となることで、付勢ばね69のばね荷重によって、第1弁体65が第1弁室71aの内部で上位置となる。このため、各吸入窓73aが第1弁壁65aによって閉鎖されることで、開度調整弁62は吸入通路51の開度を小さくする。このため、最小容量時を含め、小容量時にも、吸入圧力Psの圧力変動が低減される。
そして、この圧縮機では、実施例2の圧縮機と同様、第1弁体65の位置に関わらず、バイパス路81が各吸入窓73aと常に対面することで、第1弁室71a内及び第2弁室71b内の圧力を調整することができる。
さらに、この圧縮機では、第2弁体67の第2蓋部67bに第2細孔67dが設けられている。このため、第2弁体67が抽気窓73eを閉じていても、第2細孔67dによって、抽気窓73eと第2弁室71bとが連通している。このため、開度調整弁62では、クランク室圧力Pcが低下し、第2弁体67が第2弁室71b内を蓋体63bに向かって移動する際、つまり、第2弁体67が抽気窓73eを閉じるように第2弁室71b内を移動する際、第2細孔67dは、第1弁室71a及び第2弁室71b内の圧力を第2弁室71bの外部に抜くことができる。また、クランク室圧力Pcが設定クランク圧力より低い際には、第1連通路58内の冷媒が抽気窓73e及び第2細孔67dを通じて第2弁室内71bに流入する。これらによっても、この圧縮機では、ダンパ室60内の圧力を好適に調整することができる。この圧縮機における他の作用は、実施例1の圧縮機と同様である。
以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1の圧縮機において、第1弁体65が第1弁室71aで上位置に位置する際に、バイパス路81の周溝81aの一部が各吸入窓73aと対面するように構成しても良い。また、第1弁体65が第1弁室71aで下位置に位置する際に、周溝81aの一部が各起動時開放路73bと対面するように構成しても良い。
また、実施例2、3の圧縮機において、第1弁体65が第1弁室71aの内部で上位置や下位置に位置する際に、バイパス路81の周溝81aの一部が各吸入窓73aと対面するように構成しても良い。
さらに、実施例1の圧縮機では、周溝81aが第1弁壁65aの外周面651を周方向に1周する環状に形成されているが、これに限らず、周溝81aは、外周面651を周方向に半周程度に延びる形状であっても良い。また、バイパス路81を連通孔81bのみで構成しても良い。実施例2、3の圧縮機についても同様である。
また、実施例1の圧縮機では、吸入室5aが弁収容室47を一体で有している。しかし、これに限らず、吸入室5aと弁収容室47とを別体としつつ、吸入室5aと弁収容室47とが通路によって連通する構成としても良い。実施例2、3の圧縮機についても同様である。
さらに、実施例1の圧縮機では、弁ケース63に各起動時開放路73bを形成しているが、これに限らず、第1弁体65に起動時開放路73bを形成しても良い。また、弁ケース63及び第1弁体65にそれぞれ起動時開放路73bを形成しても良い。
また、実施例1の圧縮機では、第1弁体65が各吸入窓73aを開き始めた際、すなわち、第1弁体65が各吸入窓73aの開度を最小よりも大きくすることで、各起動時開放路73bの開度が最小となるように構成している。しかし、これに限らず、第1弁体65が各吸入窓73aを開き始めた際に、各起動時開放路73bの開度が最小ではなく、その開度が最大よりも小さくなるように構成しても良い。
本発明は車両の空調装置等に利用可能である。
1…ハウジング
5a…吸入室
5b…吐出室
7a…シリンダボア
13…容量制御弁
15…クランク室
23…斜板
33…ピストン
35…圧縮室
41…第1給気通路(給気通路)
43…第2給気通路(給気通路)
51…吸入通路
52…抽気通路
60…ダンパ室
61、62…開度調整弁
63…弁ケース
64…弁体
65…第1弁体
65a…第1弁壁(弁壁)
67…第2弁体
67c…第1細孔(細孔)
67d…第2細孔(細孔)
69…付勢ばね
71a…第1弁室
71b…第2弁室
73a…吸入窓
73c、73e…抽気窓
81…バイパス路
81a…周溝
81b…連通孔
100…外部回路
633…吸入口

Claims (5)

  1. 吸入室、シリンダボア、クランク室及び吐出室が形成されたハウジングと、
    前記クランク室内に設けられ、前記クランク室内のクランク室圧力によって傾斜角度が変更される斜板と、
    前記斜板に係合しつつ前記シリンダボア内に収容され、前記ハウジングとの間に圧縮室を形成するピストンと、
    前記クランク室圧力を変更可能な容量制御弁とを備え、
    前記ハウジングには、外部回路と前記吸入室とを接続する吸入通路と、前記容量制御弁を介して前記吐出室と前記クランク室とを接続する給気通路と、前記クランク室と前記吸入室とを接続する抽気通路とが形成され、
    前記吸入通路の開度を変更する開度調整弁をさらに備えた容量可変型斜板式圧縮機において、
    前記開度調整弁は、筒状をなす弁ケースと、前記弁ケース内に収容される弁体とを有し、
    前記弁ケースには、前記吸入通路の一部を構成する第1弁室と、前記第1弁室と連通するとともに前記抽気通路の一部を構成する第2弁室と、周面に開口して前記第1弁室と前記吸入通路の前記吸入室側とを連通する吸入窓と、端面に開口して前記第1弁室と前記吸入通路の前記外部回路側とを連通する吸入口と、前記周面又は前記端面に開口し、前記第2弁室と前記抽気通路とを連通する抽気窓とが形成され、
    前記弁体は、前記第1弁室の内部を摺動可能な第1弁体と、前記第2弁室の内部を摺動可能な第2弁体と、前記第1弁体と前記第2弁体とが離間するように前記第1弁体及び前記第2弁体を付勢する付勢ばねとを有し、
    前記第1弁体は、前記第1弁体が前記第1弁室の内部を摺動することにより、前記吸入窓と重なる領域を変化させる弁壁を有し、
    前記第1弁室及び前記第2弁室には、前記第1弁体と前記第2弁体とによってダンパ室が区画され、
    前記弁壁には、周方向に延び、前記吸入窓と対面することにより、前記ダンパ室と前記吸入窓とを連通するバイパス路が形成されていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。
  2. 前記バイパス路は、前記第1弁体の位置に関わらず、少なくとも一部が前記吸入窓と対面している請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  3. 前記第2弁体には、前記第2弁室の内部と、前記第2弁室の外部とを連通する細孔が形成されている請求項1又は2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  4. 前記弁壁は筒状をなし、
    前記バイパス路は、前記弁壁の周方向に延びて前記吸入窓と対面可能な周溝と、前記弁壁に貫設され、前記周溝と前記ダンパ室とを連通する連通孔とを有する請求項1乃至3のいずれか1項記載の容量可変型斜板式圧縮機。
  5. 前記周溝は環状に形成されている請求項4記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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