JP6983380B2 - 一液型樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、一液型樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂を使用した熱硬化性樹脂組成物は、機械的特性、電気的特性、熱的特性、耐薬品性及び接着強度等の点で優れた性能を有することから、塗料、電気電子絶縁材料及び接着剤等の幅広い用途に利用されてきた。そのような樹脂組成物として、二液型樹脂組成物と、一液型樹脂組成物とが開発されている。二液型樹脂組成物では、使用時にエポキシ樹脂と硬化剤とが混合され、エポキシ樹脂が硬化させられる。一方、一液型樹脂組成物では、エポキシ樹脂と硬化剤とが予め混合されており、使用時に熱等により硬化させられる。
近年、半導体素子などの封止の分野における電子部品の保護、回路の高密化や接続の信頼性向上のため、一液型樹脂組成物が重要な役割を担っている。特に、生産性、作業性の向上を目的として、低温短時間での硬化に対する要求が高まっている。また、電子部品の小型化が進み、様々な装置のモバイル化、ウェアラブル化が達成された結果、従来よりも多様な環境下で電子機器が使用される場面が増えている。その結果、樹脂組成物に対しても、落下衝撃耐性や高温高湿耐性に関して、従来よりも高い信頼性が求められている。
上記に関連して、例えば特許文献1、2には、それぞれ、耐湿性に優れる低温速硬化性の一液型エポキシ樹脂組成物が記載されており、特定の構造を有するチオール化合物をエポキシ樹脂の硬化剤として用いることが記載されている。
国際公開第2015/060440号公報 国際公開第2015/060439号公報
樹脂組成物による接着部が落下時の衝撃に対して十分な耐性を有するためには、せん断方向と剥離方向のいずれの応力に対しても十分な接着力を発現することが必要と考えられる。しかし、一般に高いせん断接着力を発現するためには樹脂組成物の弾性率を高くすることが有効であるが、この場合剥離接着力が大きく低下する。一方、一般に高い剥離接着力を発現するためには樹脂組成物の弾性率を低くすることが有効であるが、この場合せん断接着力が大きく低下する。このため、双方の接着力に優れる樹脂組成物を得ることは困難であった。
また剥離接着力を向上させる方法として、特許文献2には柔軟な骨格を有するエポキシ樹脂を添加する方法が提案されているが、柔軟な骨格を有するエポキシ樹脂は一般に反応性が低いため、低温速硬化性に劣るという問題がある。
そこで、本発明の課題は、低温速硬化性に優れ、さらにせん断方向と剥離方向との双方の応力に対してより優れた接着力を有し、かつ、耐湿性にも優れる、一液型樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、以下の事項を含んでいる。
〔1〕下記A、BおよびC成分を含む、一液型樹脂組成物。
A:エポキシ樹脂
B: 分子内にチオール基を2つ有し、かつエステル骨格を含まないチオール化合物
C:分子内にチオール基を3つ以上有し、かつエステル骨格を含まないチオール化合物
〔2〕さらに下記D成分を含む、前記〔1〕に記載の一液型樹脂組成物。
D:潜在性硬化促進剤
〔3〕前記B成分及び前記C成分が、水酸基を有していない、前記〔1〕または〔2〕に記載の一液型樹脂組成物。
〔4〕前記C成分が、分子内に環骨格を有している、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物。
〔5〕前記B成分が、分子内に環骨格を有していない前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物。
〔6〕前記B成分の分子量が、130〜1000の範囲である、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物。
〔7〕前記B成分及び前記C成分のチオール基数の合計を1としたときに、前記C成分のチオール基の数の占める割合(前記C成分の総チオール基数/(前記B成分の総チオール基数+前記C成分の総チオール基数))が、0.1〜0.9である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物。
〔8〕前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物を含む接着剤。
〔9〕被着体としてのネオジウム磁石を接着するために用いられる前記〔8〕に記載の接着剤。
〔10〕前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物を含む封止材。
〔11〕前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物を熱硬化させてなる、硬化物。
〔12〕前記〔11〕記載の硬化物を含む、電子部品。
〔13〕被着体と、前記被着体の接着に用いられた前記〔11〕記載の硬化物と、を含む、ネオジウム磁石含有モーター。
〔14〕ネオジウム磁石含有モーターを含む電子部品であって、前記〔11〕に記載の硬化物を含む、電子部品。
本発明によれば、低温速硬化性に優れ、せん断方向と剥離方向との双方の応力に対してより優れた接着力を有し、かつ、耐湿性を有する、一液型樹脂組成物が提供される。
本発明の実施形態に係る一液型樹脂組成物は、(A成分)エポキシ樹脂、(B成分)分子内にチオール基を2つ有し、かつエステル骨格を含まないチオール化合物、及び(C成分)分子内にチオール基を3つ以上有し、かつエステル骨格を含まないチオール化合物を含有する。以下、「分子内にチオール基を2つ有し、かつエステル骨格を含まないチオール化合物」を「2官能エステルフリーチオール」、「分子内にチオール基を3つ以上有し、かつエステル骨格を含まないチオール化合物」を「多官能エステルフリーチオール」と記載する。本発明者の知見によれば、2官能エステルフリーチオールと多官能エステルフリーチオールとを併用することにより、せん断方向と剥離方向との双方について優れた接着力を有する一液型樹脂組成物を得ることができる。また、硬化剤であるチオール化合物として、エステルフリーチオール化合物を使用することにより、耐湿性を著しく高めることができる。
尚、本発明において、「一液型」樹脂組成物とは、硬化剤とエポキシ樹脂とを予め混合した組成物であって、熱を加えることによって硬化する性質を有する組成物を意味する。
[A成分:エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも1つのエポキシ基を有するものであれば特に限定されるものではない。好ましくは、エポキシ樹脂としては、平均して1分子当り2以上のエポキシ基を有するものが用いられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、カテコール、レゾルシノールなどの多価フェノールやグリセリンやポリエチレングリコールなどの多価アルコールとエピクロロヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル;p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロロヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル;フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロロヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル;更にはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィン、環式脂肪族エポキシ樹脂、その他ウレタン変性エポキシ樹脂;等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
エポキシ樹脂としては、これらの中でも、高耐熱性及び低透湿性を保つ等の観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、芳香族グリシジルアミン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン構造を有するエポキシ樹脂等が好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、50〜500g/eq、好ましくは100〜300、より好ましくは150〜200g/eqである。ここで、エポキシ当量とは、エポキシ基1個当たりのエポキシ樹脂の質量であり、JIS K 7236(2009)に準拠して測定することができる。
エポキシ樹脂は、液状であっても、固形状であっても、液状樹脂と固形状樹脂の両方を用いてもよい。ここで、「液状」及び「固形状」とは、室温でのエポキシ樹脂の状態である。塗工性、加工性、接着性の観点から、使用するエポキシ樹脂全体の少なくとも10質量%以上が液状であるのが好ましい。かかる液状エポキシ樹脂の具体例として、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「jER828EL」、三菱ケミカル社製「jER827」)、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「jER807」)、ナフタレン型2官能エポキシ樹脂(DIC社製「HP4032」、「HP4032D])、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂/ビスフェノールF型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ZXl059」)、水素添加された構造のエポキシ樹脂(三菱ケミカル社製「jERYX8000」)がある。中でも高耐熱であり低粘度である三菱ケミカル社製の「jER828EL」、および三菱ケミカル社製「jER807」が好ましい。
また、固形エポキシ樹脂の具体例として、ナフタレン型4官能エポキシ樹脂(DIC社製「HP4700」)、ジシクロペンタジエン型多官能エポキシ樹脂(DIC社製「HP7200」)、ナフトール型エポキシ樹脂(新日鉄住金化学社製「ESN−475V」)、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製「PB−3600」)、ビフェニル構造を有するエポキシ樹脂(日本化薬(株)製「NC3000H」、「NC3000L」、三菱ケミカル社製「jERYX4000」)などが挙げられる。
樹脂組成物全体の質量を100質量%とした場合、A成分のエポキシ樹脂の含有量は、例えば、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましく、30質量%以上がさらにより好ましく、40質量%以上が殊更好ましく、45質量%以上が特に好ましい。また、95質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましく、85質量%以下がさらに好ましく、80質量%以下がさらにより好ましく、75質量%以下が殊更好ましく、70質量%以下が特に好ましい。
[B成分:2官能エステルフリーチオール]
B成分である2官能エステルフリーチオールは、チオール基を骨格中に2つ有し、かつエステル結合を持たない化合物である。
尚、本発明において、エステル結合とは、「−C(=O)O−」で表される結合を言う。
2官能エステルフリーチオールの分子量は、臭気を抑制する観点から、好ましくは130以上、より好ましくは140以上、更に好ましくは150以上、最も好ましくは160以上である。
また、2官能エステルフリーチオールの分子量は、良好な速硬化性を得る観点から、例えば1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは300以下、更に好ましくは230以下である。
また、2官能エステルフリーチオールの分子量は、上記上限及び下限から任意に選択した範囲でもよく、例えば130〜1000、好ましくは140以上500以下、より好ましくは150以上300以下、最も好ましくは160以上230以下である。
好ましくは、2官能エステルフリーチオールは、分子内に水酸基を有さない。分子内に水酸基が存在しない場合、良好なポットライフを得やすい傾向にあり、樹脂組成物のライフと速硬化性とを両立させやすくなる。
好ましくは、2官能エステルフリーチオールは、分子内に環骨格を有さない。環骨格を有さない場合、骨格が柔軟になり、剥離強度により優れる樹脂組成物を得ることができる。
好適な2官能エステルフリーチオールとしては、下記式1で表される化合物が挙げられる。
(式1):HS−R1−SH
尚、式1中、R1は、炭素数3〜16、好ましくは4〜12の直鎖もしくは分岐鎖の2価の炭化水素基を示す。炭化水素基中には下記(1a)〜(1c)に示す2価の基を1つ以上含んでいてもよい。R1は、好ましくは直鎖の炭化水素基、もしくは下記(1a)で示される2価の基を1つ以上含む直鎖の炭化水素基である。
Figure 0006983380
Figure 0006983380
Figure 0006983380
上記式1で表される2官能エステルフリーチオールとして、具体的には、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,8−オクタンジチオール、及び1,10−デカンジチオール及び3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール及びビス-2−メルカプトエチルスルフィド等が挙げられ、1,8-オクタンジチオール及び1,10−デカンジチオール及び3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオールが好ましい。
樹脂組成物中の(B成分)2官能エステルフリーチオールの含有量は、特に限定されず、エポキシ樹脂や多官能エステルフリーチオールの種類等に応じて調整することができる。
例えば、(A成分)エポキシ樹脂の含有量を100質量部とした場合、(B成分)2官能エステルフリーチオールの含有量は、0.1〜100質量部であることが好ましく、1〜60質量部であることがより好ましく、10〜40質量部がさらに好ましい。
[C成分:多官能エステルフリーチオール]
C成分である多官能エステルフリーチオールは、チオール基を骨格中に3個以上有し(すなわち、3官能以上)、かつエステル結合を持たない化合物であれば、特に限定されない。
好ましくは、多官能エステルフリーチオールは、3〜6官能、より好ましくは3〜4官能のエステルフリーチオールである。
好ましくは、多官能エステルフリーチオールは、分子内に水酸基を有さない。分子内に水酸基が存在しない場合、良好なポットライフを得やすい傾向にあり、樹脂組成物のライフと速硬化性とを両立させやすくなる。
好ましい多官能エステルフリーチオールは、環骨格を有する化合物である。当該環骨格は脂環骨格、芳香環骨格、ヘテロ芳香環骨格、ヘテロ環骨格のいずれでもよいが、好ましくは芳香環骨格、ヘテロ芳香環骨格、ヘテロ環骨格であり、より好ましくは、ヘテロ環骨格である。環骨格を有する場合、せん断接着力が向上する。そのようなヘテロ環骨格を有する化合物として、例えば、5〜8員環の、環原子として少なくとも1つの窒素原子を含む、単環式又は2環式化合物が挙げられる。より具体的には、ヘテロ環骨格を有する化合物として、イソシアヌル環骨格やグリコールウリル骨格を含む化合物があげられる。
例えば、好適な多官能エステルフリーチオールとしては、下記式2で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006983380
上式2中、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜5の直鎖もしくは分岐鎖の2価の炭化水素基を示す。炭化水素基中にはさらに下記(2a)〜(2c)に示す2価の基を1つ以上含んでいてもよい。
Figure 0006983380
Figure 0006983380
Figure 0006983380
上記式2で表される多官能エステルフリーチオールとして、具体的には、トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレートが挙げられる。
或いは、他の好適な多官能エステルフリーチオールとしては、下記式3で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006983380
上式3中、R5、R6及びR7及びR8は、それぞれ独立に、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖の2価の炭化水素基を示す。炭化水素基中には下記(3a)〜(3c)に示す2価の基を1つ以上含んでいても良い。
Figure 0006983380
Figure 0006983380
Figure 0006983380
上記式3で表される多官能エステルフリーチオールとして、具体的には、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル等が挙げられる。
樹脂組成物中の(C成分)多官能エステルフリーチオールの含有量は、特に限定されず、エポキシ樹脂や2官能エステルフリーチオールの種類等に応じて調整することができる。
例えば、(A成分)エポキシ樹脂の含有量を100質量部とした場合、(C成分)多官能エステルフリーチオールの含有量は、0.1〜100質量部であることが好ましく、1〜60質量部であることがより好ましく、10〜50質量部がさらに好ましい。
組成物に含まれるB成分とC成分のチオール基の数の合計を1としたときに、C成分のチオール基の数の占める割合(C成分の総チオール基数/(B成分の総チオール基数+C成分の総チオール基数))は、例えば0.1〜0.9、好ましくは0.2〜0.8、より好ましくは0.3〜0.7である。
ここでチオール基の数とは、組成物に含まれるチオールの質量部をチオール基当量で割った値(チオールの質量部/チオール基当量)を示す。なお、組成物中にB成分やC成分としてのチオールが複数種含まれる場合は、それぞれのチオールの質量部をそれぞれのチオール基当量で割った値の合計を示す。
また、チオール基当量とは、チオール基1個当たりのチオール化合物の質量を示す値であり、チオール化合物の分子量を、その化合物1分子に含まれるチオール基の数で除して得られる値である。
また、本実施形態に係る樹脂組成物において、「A成分のエポキシ基の数」に対する、「B成分とC成分のチオール基の数の合計」の比(C成分とB成分の総チオール基数/A成分の総エポキシ基数)は、0.2〜2.0であることが好ましく、0.6〜1.2がより好ましい。
ここでエポキシ基の数とは、組成物に含まれるエポキシ樹脂の質量部をエポキシ基当量で割った値(エポキシ基の質量部/エポキシ基当量)を示す。なお、組成物中にA成分のエポキシ樹脂が複数種含まれる場合は、それぞれのエポキシ樹脂の質量部をそれぞれのエポキシ基当量で割った値の合計を示す。
[D成分:潜在性硬化促進剤]
好ましくは、本実施形態に係る樹脂組成物は、潜在性硬化促進剤を含有する。潜在性硬化促進剤とは、室温(20℃±15℃(JISZ8703)ではエポキシ樹脂の硬化に寄与せず、加熱時にエポキシ樹脂の硬化を促進させる機能を有する添加剤である。
好ましくは、潜在性硬化促進剤として、固体分散型潜在性硬化促進剤が用いられる。固体分散型潜在性硬化促進剤とは、室温ではエポキシ樹脂に不溶の固体であり、加熱することにより可溶化し、エポキシ樹脂の硬化促進剤として機能する化合物である。
固体分散型潜在性硬化促進剤として、例えば、室温で固体のイミダゾール化合物、および固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤が好ましい。
前記室温で固体のイミダゾール化合物としては、例えば、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2−メチルイミダゾリル−(1))−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2′−メチルイミダゾリル−(1)′)−エチル−S−トリアジン・イソシアヌール酸付加物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール−トリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール−トリメリテイト、N−(2−メチルイミダゾリル−1−エチル)−尿素、N,N′−(2−メチルイミダゾリル−(1)−エチル)−アジボイルジアミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤の例としては、アミン化合物とエポキシ化合物との反応生成物(アミン−エポキシアダクト系)、アミン化合物とイソシアネート化合物または尿素化合物との反応生成物(尿素型アダクト系)等が挙げられる。
前記固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤(アミン−エポキシアダクト系)の製造原料の一つとして用いられるエポキシ化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、カテコール、レゾルシノールなど多価フェノール、またはグリセリンやポリエチレングリコールのような多価アルコールとエピクロロヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル;p−ヒドロキシ安息香酸、β−ヒドロキシナフトエ酸のようなヒドロキシカルボン酸とエピクロロヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテルエステル;フタル酸、テレフタル酸のようなポリカルボン酸とエピクロロヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル;4,4′−ジアミノジフェニルメタンやm−アミノフェノールなどとエピクロロヒドリンとを反応させて得られるグリシジルアミン化合物;更にはエポキシ化フェノールノボラック樹脂、エポキシ化クレゾールノボラック樹脂、エポキシ化ポリオレフィンなどの多官能性エポキシ化合物やブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレートなどの単官能性エポキシ合物;等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
前記固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤の製造原料として用いられるアミン化合物は、エポキシ基と付加反応しうる活性水素を分子内に1以上有し、かつ第1級アミノ基、第2級アミノ基および第3級アミノ基の中から選ばれた官能基を少なくとも分子内に1以上有するものであればよい。このような、アミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、n−プロピルアミン、2−ヒドロキシエチルアミノプロピルアミン、シクロヘキシルアミン、4,4′−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンのような脂肪族アミン類;4,4′−ジアミノジフェニルメタン、2−メチルアニリンなどの芳香族アミン化合物;2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、ピペリジン、ピペラジンなどの窒素原子が含有された複素環化合物;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、この中で特に分子内に第3級アミノ基を有する化合物は、優れた硬化促進能を有する潜在性硬化促進剤を与える原料であり、そのような化合物の例としては、例えば、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、N−メチルピペラジンなどのアミン化合物や、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール化合物のような、分子内に第3級アミノ基を有する第1級もしくは第2級アミン類;2−ジメチルアミノエタノール、1−メチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−フェノキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、2−ジエチルアミノエタノール、1−ブトキシメチル−2−ジメチルアミノエタノール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル)−2−フェニルイミダゾリン、1−(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロピル)−2−メチルイミダゾリン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−β−ヒドロキシエチルモルホリン、2−ジメチルアミノエタンチオール、2−メルカプトピリジン、2−ベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、4−メルカプトピリジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸、N,N−ジメチルグリシン、ニコチン酸、イソニコチン酸、ピコリン酸、N,N−ジメチルグリシンヒドラジド、N,N−ジメチルプロピオン酸ヒドラジド、ニコチン酸ヒドラジド、イソニコチン酸ヒドラジドなどのような、分子内に第3級アミノ基を有するアルコール類、フェノール類、チオール類、カルボン酸類およびヒドラジド類;等が挙げられる。
前記のエポキシ化合物とアミン化合物を付加反応せしめ潜在性硬化促進剤を製造する際に、さらに分子内に活性水素を2以上有する活性水素化合物を添加することもできる。このような活性水素化合物としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシノール、ピロガロール、フェノールノボラック樹脂などの多価フェノール類、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール類、アジピン酸、フタル酸などの多価カルボン酸類、1,2−ジメルカプトエタン、2−メルカプトエタノール、1−メルカプト−3−フェノキシ−2−プロパノール、メルカプト酢酸、アントラニル酸、乳酸等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤の製造原料として用いられるイソシアネート化合物としては、例えば、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネートなどの単官能イソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートなどの多官能イソシアネート化合物;更には、これら多官能イソシアネート化合物と活性水素化合物との反応によって得られる、末端イソシアネート基含有化合物;等も用いることができる。このような末端イソシアネート基含有化合物の例としては、トルイレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンとの反応により得られる末端イソシアネート基を有する付加化合物、トルイレンジイソシアネートとペンタエリスリトールとの反応により得られる末端イソシアネート基を有する付加化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、前記固体分散型アミンアダクト系潜在性硬化促進剤の製造原料として用いられる尿素化合物として、例えば、尿素、チオ尿素などが挙げられるが、これらに限定されるものでない。
固体分散型潜在性硬化促進剤は、例えば、上記の製造原料を適宜混合し、室温から200℃の温度において反応させた後、冷却固化してから粉砕するか、あるいは、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン等の溶媒中で反応させ、脱溶媒後、固形分を粉砕することにより容易に得ることが出来る。
固体分散型潜在性硬化促進剤として市販されている代表的な例としては、例えば、アミン−エポキシアダクト系(アミンアダクト系)としては、「アミキュアPN−23」(味の素ファインテクノ社製商品名)、「アミキュアPN−H」(味の素ファインテクノ社製商品名)、「ノバキュアHX−3742」(旭化成社製商品名)、「ノバキュアHX−3721」(旭化成社製商品名)などが挙げられ、また、尿素型アダクト系としては、「フジキュアFXR−1020」(富士化成社製商品名)、「フジキュアFXR−1030」(富士化成社製商品名)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(A成分)エポキシ樹脂の含有量を100質量部とした場合、(D成分)潜在性硬化促進剤の含有量は、0.1〜100質量部であることが好ましく、1〜60質量部であることがより好ましく、5〜30質量部がさらに好ましい。
[E成分:安定剤]
本実施形態に係る樹脂組成物は、さらに、優れた保存安定性を実現させるために、ホウ酸エステル化合物、チタン酸エステル化合物、アルミネート化合物、ジルコネート化合物、イソシアネート化合物、カルボン酸、酸無水物及びメルカプト有機酸から選ばれる1種以上の安定剤(E成分)を含有することが好ましい。
前記ホウ酸エステル化合物としては、例えば、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリ−n−プロピルボレート、トリイソプロピルボレート、トリ−n−ブチルボレート、トリペンチルボレート、トリアリルボレート、トリヘキシルボレート、トリシクロヘキシルボレート、トリオクチルボレート、トリノニルボレート、トリデシルボレート、トリドデシルボレート、トリヘキサデシルボレート、トリオクタデシルボレート、トリス(2−エチルヘキシロキシ)ボラン、ビス(1,4,7,10−テトラオキサウンデシル)(1,4,7,10,13−ペンタオキサテトラデシル)(1,4,7−トリオキサウンデシル)ボラン、トリベンジルボレート、トリフェニルボレート、トリ−o−トリルボレート、トリ−m−トリルボレート、トリエタノールアミンボレート等が挙げられる。
前記チタン酸エステル化合物としては、例えば、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライソプロプルチタネート、テトラブチルチタネート、テトラオクチルチタネート等が挙げられる。
前記アルミネート化合物としては、例えば、トリエチルアルミネート、トリプロピルアルミネート、トリイソプロピルアルミネート、トリブチルアルミネート、トリオクチルアルミネート等が挙げられる。
前記ジルコネート化合物としては、例えば、テトラエチルジルコネート、テトラプロピルジルコネート、テトライソプロピルジルコネート、テトラブチルジルコネート等が挙げられる。
前記イソシアネート化合物としては、例えば、n−ブチルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2−エチルフェニルイソシアネート、2,6−ジメチルフェニルイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4‘−ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等が挙げられる。
前記カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリル酸等の飽和脂肪族一塩基酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和脂肪族一塩基酸、モノクロル酢酸、ジクロル酢酸等のハロゲン化脂肪酸、グリコール酸、乳酸等の一塩基性オキシ酸、グリオキザル酸、ブドウ酸などの脂肪族アルデヒド酸及びケトン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸等の脂肪族多塩基酸、安息香酸、ハロゲン化安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、けい皮酸、マンデル酸等の芳香族一塩基酸、フタル酸、トリメシン酸等の芳香族多塩基酸等が挙げられる。
前記酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水ドデシニルコハク酸、無水マレイン酸、メチルシクロペンタジエンと無水マレイン酸の付加物、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の脂肪族又は脂肪族多塩基酸無水物等、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロリメリット酸等の芳香族多塩基酸無水物等が挙げられる。
前記メルカプト有機酸としては、例えば、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプト酪酸、メルカプトコハク酸、ジメルカプトコハク酸などのメルカプト脂肪族モノカルボン酸、ヒドロキシ有機酸とメルカプト有機酸とのエステル化反応によって得られるメルカプト脂肪族モノカルボン酸、メルカプト安息香酸などのメルカプト芳香族モノカルボン酸等が挙げられる。
E成分としては、これらのうち、汎用性・安全性が高く、保存安定性を向上させる観点より、ホウ酸エステル化合物が好ましく、トリエチルボレート、トリ−n−プロピルボレート、トリイソプロピルボレート、トリ−n−ブチルボレートがより好ましく、トリエチルボレートがさらに好ましい。E成分の含有量は、樹脂の保存安定性が高まりさえすれば特に制限は無いが、A成分のエポキシ樹脂の含有を100質量部とした場合、E成分の含有量が0.001〜50質量部であることが好ましく、0.05〜30質量部であることがより好ましく、0.1〜10質量部であることがさらに好ましい。
樹脂組成物へのE成分の配合方法としては、A成分〜D成分と同時に配合する以外に、予めD成分の潜在性硬化促進剤とE成分とを混合しておくことも可能である。このときの混合方法としては、メチルエチルケトントルエンなどの溶媒中で、または液状のエポキシ樹脂中で、あるいは無溶媒で両者を接触させることによって行うことが出来る。
(F成分:その他の成分)
本実施形態の一液型樹脂組成物には、必要に応じて、本発明の分野で常用されている充填剤(例えば、フュームドシリカ)、希釈剤、溶剤、顔料、可撓性付与剤、カップリング剤、酸化防止剤、チクソトロピー性付与剤、分散剤等の各種添加剤を加えることが出来る。
以上説明したA〜C成分、及び任意成分であるD〜F成分を原料として使用して本実施形態に係る一液型樹脂組成物を調製するには、特別の困難はなく、従来公知の方法に準じて行うことができる。例えば、ヘンシェルミキサーなどの混合機で各成分を混合して、一液型樹脂組成物を調製することができる。
また、得られた一液型樹脂組成物の硬化も、特別の困難はなく、これも従来公知の方法に準じて行うことができる。例えば、室温以上の温度で、得られた一液型樹脂組成物を加熱することで硬化することができる。加熱は、例えば、70〜150℃、好ましくは、75〜120℃、より好ましくは80〜100℃の温度で、例えば、1〜60分、好ましくは、3〜30分、より好ましくは5〜15分の時間、行うことが適当である。特に、80あるいは100℃で10分間以下の加熱により硬化すれば、適度な低温速硬化性があると判断できる。
本実施形態には、上記の一液型樹脂組成物を加熱することによって得られる樹脂硬化物も包含され、当該樹脂硬化物を含有する機能性製品も包含される。機能性製品としては、例えば、接着剤、注型剤、シーリング剤、封止剤、繊維強化用樹脂、コーティング剤または塗料等が挙げられる。
また、このエポキシ樹脂硬化物は、例えば、ネオジウム磁石含有モーターにおける磁石と筐体の接着や、ネオジウム磁石含有モーターを搭載した電子部品用の接着剤として使用することができる。一般的に磁石は熱による減磁が大きい。本発明の樹脂組成物は接着時の加熱を80℃以下の低温に抑えることができるため、ネオジウム磁石と他の部材とを接着する用途、ネオジム磁石を搭載した電子部品において、ネオジム磁石以外の構成部材同士を接着する用途、及び、ネオジウム磁石含有部品搭載後の電子部品の接着工程における用途等に好適である。またネオジウム磁石は加熱されると収縮し、冷却されると膨張するという性質を有しているため、他の被着体として用いられる部材との線膨張が異なり、接着時に内部応力が発生する。このため落下などの衝撃をきっかけとして接着界面での剥離が生じやすい。これに関して本発明の樹脂組成物はせん断方向と剥離方向のいずれの応力に対しても高い接着力を有しているため、剥離が生じにくく、ネオジウム磁石の接着に特に好適である。
また、上述の(B成分)2官能エステルフリーチオール及び(C成分)多官能エステルフリーチオールは、エポキシ樹脂(A成分)を硬化することができるため、これらの混合物をエポキシ樹脂用硬化剤として使用することができる。すなわち、本実施形態に係るエポキシ樹脂用硬化剤は、上述の(B成分)2官能エステルフリーチオール及び(C成分)多官能エステルフリーチオールを含有する。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[一液型樹脂組成物の調製]
表1及び表2に示す配合組成で各成分を混合し、実施例1乃至7及び比較例1乃至7に係る樹脂組成物を調製した。尚、表1及び表2中、各成分の配合量は、質量部を意味する。また、各実施例及び比較例において、樹脂組成物中のエポキシ基の数とチオール基の数との比は、概ね1:1である。
具体的には、専用のプラスチック容器に、表1及び表2に示される量の材料を量り取った。その後、自転・公転真空ミキサーあわとり錬太郎(シンキー社製;ARE−250)を用い、室温にて2000rpmで十分混合し、更に1分間脱泡し、目的の樹脂組成物を得た。
なお、使用した材料の詳細は以下の通りである。
[エポキシ樹脂]
jER828EL:三菱ケミカル社製、ビスフェノールA型(BPA型)エポキシ樹脂、エポキシ当量186g/eq、
jER807:三菱ケミカル社製、ビスフェノールF型(BPF型)エポキシ樹脂、エポキシ当量165g/eq、
[2官能エステルフリーチオール]
1,8−オクタンジチオール:東京化成工業社製、チオール基合計当量89g/eq 分子量178
Figure 0006983380
1,10−デカンジチオール:東京化成工業社製、チオール基合計当量103g/eq 分子量206
Figure 0006983380
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール:東京化成工業社製、チオール基合計当量91g/eq 分子量182
Figure 0006983380
[2官能エステル含有チオール]
EGTP:淀化学社製、エチレングリコールビスチオプロピオネート、チオール基合計当量124g/eq
[多官能エステルフリーチオール]
TMPIC:味の素ファインテクノ社製、トリス(3−メルカプトプロピル)イソシアヌレート、チオール基合計当量117g/eq
Figure 0006983380
TS−G:四国化成社製、1,3,4,6−テトラキス(2−メルカプトエチル)グリコールウリル、チオール基合計当量103g/eq
Figure 0006983380
[多官能エステル含有チオール]
TMTP:淀化学社製、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート、チオール基合計当量140g/eq
[潜在性硬化促進剤]
PN−23:味の素ファインテクノ社製、アミンエポキシアダクト系硬化剤
[安定剤]
TEB:東京化成社製、トリエチルボレート
[充填剤]
AEROSIL200:日本アエロジル社製、フュームドシリカ
[低温速硬化性の評価]
各実施例及び各比較例について、低温速硬化性を、JISC6521に準じたゲルタイム(ゲル化時間)を測定することによって評価した。具体的には、まず、ホットプレート式ゲル化試験器(GT−D:日新科学社製)により、各実施例及び比較例の樹脂組成物が80℃で糸を引かなくなった時間を測定した。より詳細には、約0.5gの試料(樹脂組成物)をホットプレート式ゲル化試験機上に置いた。80℃(80℃ゲルタイム)となった時点を始点とし、樹脂組成物がホットプレート上で直径25mmの範囲内に収まるように、該樹脂組成物に対して先端幅5mmのへらで、接触円運動を繰り返した(1秒1回転)。樹脂組成物をホットプレートから30mm垂直に持ち上げて糸状のものが切れるようになったときを終点とし、当該始点から終点までの時間をゲル化するまでの時間とみなして測定を行った。なお、へらは、樹脂の粘度が低い間は持ち上げないようにし、粘度が上昇してきたら時々ホットプレートから約30mm垂直に持ち上げ、糸状のものが切れるまでこの上下運動を繰り返し行った。測定を2回繰り返し、その平均値を結果として用いた。ゲルタイムが短いほど、低温速硬化性に優れると言える。
[初期接着強度の評価]
(i)初期引っ張りせん断接着強度
軟鋼板(JISG3141、SPCC)の試験片を2個用意し、アセトンで湿らしたウエスにて油分を拭き取った。更に、該軟鋼板の接着面の表面を、エンドレスベルト#120で研磨した。軟鋼板の研磨面に、樹脂組成物を、厚さ約1mmで均一に塗布した。塗布面が約12mmでオーバーラップするように、2個の試験片をクリップ2個で貼り合せ、圧締した。この際、染み出した樹脂組成物は、直ちにウエスで拭き取った。試験片をオーブン内に均等に並べ、80℃、60分間加熱硬化し、接着させた。同一樹脂に対し、試験片を各々2つ調製した。得られた試験片を、テンシロン万能試験機(TOYO BALDWIN社製 UTM−5T)にて、JIS−K−6850に準拠して、引っ張りせん断接着強さを測定した(測定環境;温度25℃/湿度60%、引っ張り速度;5mm/min)。試験片が破壊された最大荷重(N)を基に、接着面積(mm2)を計測し、下記式より引っ張りせん断接着強度Aを計算した。
(式):引っ張りせん断接着強度A(N/mm2)=最大荷重(N)/接着面積(mm2
(ii)初期剥離接着強度
鋼板(25mm×150mm×0.4mm)の試験片を、アセトンで湿らしたウエスで拭き、油分を拭き取った。更に、該鋼板の接着面の表面を、エンドレスベルト#120で研磨した。鋼板の研磨面に樹脂組成物を、厚さ約20〜30μmで均一に塗布した。もう一枚の鋼板を重ね合わせてクリップ4個で貼り合せ圧締した。この際、染み出した樹脂組成物は、直ちに拭き取った。試験片をオーブン内に均等に並べ、80℃、60分間加熱硬化し接着させた。同一樹脂組成物に対し、試験片を各々2つ調製した。得られた試験片をテンシロン万能試験機(オリエンテック社製、RTM−500)にて、JIS−K−6854−3に従い引っ張り強さを測定した(測定環境;温度25℃/湿度60%、引っ張り速度;50mm/min)。平均剥離荷重(N)を基に、25mm幅当たりの剥離接着強度Aを算出した。
[耐湿性の評価]
(i)引っ張りせん断接着強度
初期引っ張りせん断接着強度の評価と同様の手順で別途作成した試験片を各々2つ調製した。121℃、100%RH飽和の条件に設定されたプレッシャークッカー試験機に24時間放置したのち、得られた試験片をテンシロン万能試験機(TOYO BALDWIN社製 UTM−5T)にて、接着性試験と同様にJIS−K−6850に準拠して引っ張りせん断接着強度を測定した(測定環境;温度25℃/湿度60%、引っ張り速度;5mm/min)。試験片が破壊された最大荷重(N)を基に、接着面積(mm2)を計測し、接着性の評価と同様に引っ張りせん断接着強度Bを計算した。
引っ張りせん断接着強度B(N/mm2)=最大荷重(N)/接着面積(mm2
[引っ張りせん断接着強度保持率]
湿度が接着強度に与える影響を評価するため、強度保持率を算出した。強度保持率は、上記引っ張りせん断接着強度Aと引っ張りせん断接着強度Bの値から、以下のようにして算出した。
[強度保持率]=[引っ張りせん断接着強度B]/[引っ張りせん断接着強度A]×100
尚、強度保持率の値が大きいほど、試験片が高い湿度に対して耐性があると言える。
[剥離接着強度]
初期剥離接着強度の評価と同様の手順で別途作成した試験片を各々2つ準備した。各試験片を121℃、100%RH飽和の条件に設定されたプレッシャークッカー試験機に24時間放置したのち、得られた試験片をテンシロン万能試験機(オリエンテック社製、RTM−500)にて、JIS−K−6854−3に従い引っ張り強さを測定した(測定環境;温度25℃/湿度60%、引っ張り速度;50mm/min)。平均剥離荷重(N)を基に、25mm幅当たりの剥離接着強度Bを算出した。
[剥離接着強度保持率]
湿度が剥離接着強度に与える影響を評価するため、強度保持率を算出した。強度保持率は、上記剥離接着強度Aと剥離接着強度Bの値から、以下のようにして算出した。
[強度保持率]=[剥離接着強度B]/[剥離接着強度A]×100
強度保持率の値が大きいほど、試験片が高い湿度に対して耐性があると言える。
[保存安定性]
実施例1乃至7のそれぞれについて、樹脂組成物を約5g、プラスチックの容器に密閉して温度25℃/湿度60%の恒温室に24時間放置した後、開封して流動性を確認した。
その結果、実施例1乃至7のいずれにおいても、スパチュラを用いて撹拌することができた。すなわち、実施例1乃至7に係る樹脂組成物は、何れも、優れた保存安定性を有していることが確認された。
[評価結果の考察]
上記各評価の結果を表1及び表2に示す。実施例1〜7の樹脂組成物は、比較例の樹脂組成物に比べ、良好なせん断接着力、剥離接着力、耐湿性、低温速硬化性を示すことが分かった。
詳細には、実施例1乃至5と、比較例1とを比較すると、比較例1では初期剥離接着強度が6(1N/25mm)であったのに対し、実施例1乃至5では15(1N/25mm)以上であった。すなわち、硬化剤として多官能エステルフリーチオールのみを使用した場合(比較例1)と比べて、2官能エステルフリーチオール及び多官能エステルフリーチオールを併用することにより(実施例1〜5)、初期の剥離接着強度が著しく高められることが判った。尚、多官能エステルフリーチオールの種類が実施例1〜5とは異なる実施例6を、対応する比較例2と比較しても、同様の傾向が見られた。
また、実施例2、4、5を、それぞれ比較例3〜5と比較すると、各比較例は各実施例に比べて、初期引っ張りせん断接着強度Aが著しく低かった。すなわち、硬化剤として2官能エステルフリーチオールのみを使用した場合(比較例3〜5)と比べて、2官能と多官能のエステルフリーチオールを併用することにより、初期引っ張りせん断接着強度を改善できることが判った。
次に、実施例1〜7を比較例6及び7と比較すると、各実施例の方が著しく高い耐湿性を示した。すなわち、エステル含有チオールではなく、エステルフリーチオールを硬化剤として使用することにより、耐湿性が著しく高められることが判った。
また、実施例1乃至7のいずれも、ゲルタイムが3分以内であり、良好な低温速硬化性を有していた。
Figure 0006983380
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Claims (14)

  1. A成分:エポキシ樹脂、
    B成分:分子内にチオール基を2つ有し、かつエステル骨格を含まないチオール化合物、及び
    C成分:分子内にチオール基を3つ以上有し、かつエステル骨格を含まないチオール化合物を含み、
    前記B成分が、分子内に環骨格を有していない、一液型樹脂組成物。
  2. 前記B成分の含有量が、前記A成分100質量部に対して、10〜40質量部である、請求項1に記載の一液型樹脂組成物。
  3. さらに下記D成分を含む、請求項1又は2に記載の一液型樹脂組成物。
    D成分:潜在性硬化促進剤
  4. 前記B成分及び前記C成分が、水酸基を有していない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一液型樹脂組成物。
  5. 前記C成分が、分子内に環骨格を有している、請求項1〜のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物。
  6. 前記B成分の分子量が、130〜1000の範囲である、請求項1〜のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物。
  7. 前記B成分及び前記C成分のチオール基の数の合計を1としたときに、前記C成分のチオール基の数の占める割合(前記C成分の総チオール基数/(前記B成分の総チオール基数+前記C成分の総チオール基数))が、0.1〜0.9である、請求項1〜のいずれか1項記載の一液型樹脂組成物。
  8. 接着剤として使用される、請求項1〜のいずれかに記載の一液型樹脂組成物。
  9. 被着体としてのネオジウム磁石を接着するために用いられる請求項に記載の一液型樹脂組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の一液型樹脂組成物を含む封止材。
  11. 請求項1〜のいずれかに記載の一液型樹脂組成物を熱硬化させてなる、硬化物。
  12. 請求項11記載の硬化物を含む、電子部品。
  13. 被着体と、前記被着体の接着に用いられた請求項11記載の硬化物と、を含む、ネオジウム磁石含有モーター。
  14. ネオジウム磁石含有モーターを含む電子部品であって、請求項11記載の硬化物を含む、電子部品。
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