JP6984843B2 - 異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体の製造方法 - Google Patents

異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体の製造方法 Download PDF

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本発明は、一つの成形型内で成形される発泡成形体であって、異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体の製造方法に関する。
従来から、発泡成形体は梱包材や魚箱や断熱用建材などに広く利用されていたが、最近では軽量性や吸音性や強度特性等に着目されて、例えば自動車用のバンパー芯材や床材等にも利用されるようになってきた。ところが、自動車用部品に適用する場合は、形状が複雑であり、また部品全体が一つの材質で均一に成形されているのではなく、例えば高密度の発泡成形樹脂部材と低密度の発泡成形樹脂部材とが組み合わさった異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体が要求される場合があった。
そこで、特許文献1に示されるように、密度の異なる発泡成形樹脂部材を交互に設けたバンパー芯材が提案されている。しかしながら、この発明では密度の異なる発泡成形樹脂部材を別々に成形しておき、これらを接着剤を用いて接合一体化するため、成形工程が複雑になり、また品質を一定に保つことも難しいという問題があった。
一方、成形型内に進退可能な2枚の仕切り板や櫛歯状の仕切り部材を設け、各区画に発泡倍率等の異なる発泡性原料ビーズを充填し、次いで、仕切り部材を後退後、加熱して異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体を一体成形する成形方法が提案されている(例えば、特許文献2や特許文献3を参照)。しかしながら、これらの発明では成形型が複雑になるという問題や、異種の発泡成形樹脂部材の接合面の接着強度が十分でないという問題があった。更には、通気性を有する発泡成形樹脂部材を用いることは考慮されておらず防音性、吸音性、吸湿性、保温性等の効果を得ることはできないものであった。
実開平6−12221号公報 特許第5219521号公報 特許第5104243号公報
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、一つの成形型内で成形することができ、また異種の発泡成形樹脂部材の接合面の結合強度を十分に大きいものとすることができ、更には通気性を有する発泡成形樹脂部材と通気性を有さない発泡成形樹脂部材を組み合わせて一体化することができて防音性、吸音性、吸湿性、保温性等も発揮することができる異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体の製造方法は、異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体を一つの成形型内で成形する製造方法であって、一つの成形型の内部が一方の発泡成形樹脂部材の成形用キャビティと他方の発泡成形樹脂部材の成形用キャビティとに区分けされていて、一方の発泡成形樹脂部材を一方の成形用キャビティで成形した後に、前記一方の発泡成形樹脂部材の両成形用キャビティの境界に接する端部を加熱溶融させて溶融層を形成し、次いで、他方の成形用キャビティに他方の発泡性原料ビーズを供給して加熱成形することにより、前記他方の発泡性原料ビーズが前記溶融層と混ざって両者が溶融・固化した混合層を形成させることを特徴とする異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体の製造方法であり、これを請求項1に係る発明とする。
請求項1に係る発明では、一つの成形型内で成形することができ、また異種の発泡成形樹脂部材の接合面の結合強度を十分に大きいものとすることができ、更には通気性を有する発泡成形樹脂部材と通気性を有さない発泡成形樹脂部材を組み合わせて一体化することができて防音性、吸音性、吸湿性、保温性等も発揮することができる異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体の製造方法を提供することができる。
本発明によって製造された発泡成形体の一例を示す正面断面図である。 本発明によって製造された発泡成形体の一例を示す平面断面図である。 本発明に係る発泡成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明に係る発泡成形体の製造方法を示す説明図である。 本発明に係る発泡成形体の製造方法を示す説明図である。
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図面は、一例として本発明を自動車用フロアスペーサ用の発泡成形体に適用した場合を示すものであって、図1は正面断面図、図2は平面断面図である。
この自動車用フロアスペーサは、ボディフレームの床面とその床面の上に敷設されるフロアマットの間に介在させて使用に供されるものであり、所定の機械的強度、防音性、吸音性などが要求されている。
従来から、異なる特性を得る目的で、発泡倍率の異なる異種の発泡成形樹脂部材を別々に成形しておき、これらを接着剤を用いて接合一体化したものは公知である。また、特許文献2や特許文献3に示されるように、通気性を有さない2種類の発泡成形樹脂部材を、一つの成形型内で成形する方法も公知である。しかしながら、通気性を有する発泡成形樹脂部材と通気性を有さない発泡成形樹脂部材の異種部材を一つの成形型内で一体成形した物およびその製造方法は提案されていない。
一方、本発明の異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体は、通気性を有する発泡成形樹脂部材と通気性を有さない発泡成形樹脂部材の接合端部が、前記の両樹脂が混合して溶融・固化された混合層を介し一体化されている点に特徴を有するものであり、従来にない新規なものである。
前記通気性を有する発泡成形樹脂部材31は、発泡粒子からなる原料ビーズが発泡粒子間に空隙を有するように相互に点融着するように成形されたものである。即ち、少なくとも3個の発泡セルに囲まれる空間が連なって形成される3次元細気孔を備えていて、内部に微細な通路を形成し通気性を有するものである。なお、この3次元細気孔は、多数に枝分かれしてジグザグに曲がりくねり、その内径は拡大・縮小の変化を不規則に繰り返すという複雑な空間経路を有しているので、侵入した音波に対し反射、干渉などの減衰効果を発揮して優れた防音性、吸音性を発揮することができる。
また、通気性を有さない発泡成形樹脂部材32は、発泡粒子からなる原料ビーズが相互に略全面で融着するように成形されたもので、気体や蒸気等を流通させる通気性を有しないものである。この通気性を有さない発泡成形樹脂部材32は、優れた軽量性および機械的強度を発揮することができる。
前記通気性を有する発泡成形樹脂部材31および通気性を有さない発泡成形樹脂部材32は、熱可塑性樹脂からなるものである。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂等からなるものである。あるいは、これらの樹脂を2種類以上混合した樹脂からなるものとすることもできる。また、原料ビーズの発泡倍率や色彩やビーズ径等も異なった任意のものを選択することができる。なお、成形性、機械的強度、融着性等の観点からポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、またはこれらの混合樹脂が特に好ましい。
また、前記原料ビーズの種類や発泡倍率、粒径等については、成形する発泡成形体の種類、使用目的、使用場所等に応じて適宜選択することができる。
前記通気性を有さない発泡成形樹脂部材32の通気率(発泡セル内の気孔を除いて、3次元細気孔の発泡成形体全体の容積中に占める割合)は5%未満であり、通気性を有する発泡成形樹脂部材31の通気率は10〜40%とすることが好ましい。通気性を有さない発泡成形樹脂部材32の通気率が5%以上では、通気性を有しないとは言えないからである。また、通気性を有する発泡成形樹脂部材31の通気率が10%未満では十分な通気性を有するとは言えず、一方、40%より大きいと成形体としての強度が弱くなるからである。
以上のように、本発明は異種の発泡成形樹脂部材からなる成形体とすることにより、それぞれの発泡部材の特徴を発揮して、従来にない複数の効果を奏する複合体を提供することができる。
前記通気性を有する発泡成形樹脂部材31と通気性を有さない発泡成形樹脂部材32の接合端部は、前記の両樹脂が混合して溶融・固化された混合層を介し一体化された構造となっている。ここでいう混合して溶融・固化されたとは、前記通気性を有する発泡成形樹脂と通気性を有さない発泡成形樹脂の熔融物が混然と混ざり合って溶融・固化した状態や、通気性を有する発泡成形樹脂の熔融物と通気性を有さない発泡成形樹脂の原料ビーズとが混然と混ざり合って溶融・固化した状態や、通気性を有する発泡成形樹脂の原料ビーズと通気性を有さない発泡成形樹脂の熔融物とが混然と混ざり合って溶融・固化した状態などをいう。
この結果、前記混合層33は、通気性を有する発泡成形樹脂と通気性を有さない発泡成形樹脂とが混合して溶融・固化されたものとなり、単に表面のみが溶融して接合するのに比べてより強固に連結した構造とすることができる。
また、前記混合層33は、図2に示されるように、平面視で凹凸状に構成されているのが好ましい。接着面の距離を長くすることで通気性を有する発泡成形樹脂部材31と通気性を有さない発泡成形樹脂部材32とをより強固に接着一体化することが可能となる。
図示のものでは、凹凸状は一つの凹部と凸部の単純なものとしてあるが、複数個の凹凸部でもよく、また波型や鋸刃型等の凹凸形状でもよく、接着面の距離を長くするあらゆる形状を採用することができる。
前記混合層33は、例えば、通気性を有する発泡成形樹脂部材31の成形後に、接合端部を別途設けたチャンバで加熱溶融し、次いで、通気性を有さない発泡性原料ビーズを供給後に加熱成形することにより、両樹脂が混合して溶融固化された混合層を形成することや、逆に、通気性を有さない発泡成形樹脂部材32の成形後に、接合端部をチャンバで加熱溶融し、次いで、通気性を有する発泡性原料ビーズを供給後に加熱成形することにより、両樹脂が混合して溶融固化された混合層を形成することができる。
あるいは、通気性を有する発泡成形樹脂部材31を成形した後、通気性を有さない発泡性原料ビーズを供給し、次いで、加熱成形する際に両樹脂が混合して溶融固化された混合層を形成することや、逆に、通気性を有さない発泡成形樹脂部材32を成形した後、通気性を有する発泡性原料ビーズを供給し、次いで、加熱成形する際に両樹脂が混合して溶融固化された混合層を形成することができ、成形する発泡成形体の種類、形状、用途等に応じて任意の方法を選択することができる。
次に、本発明の異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体の製造方法の一例を簡単に説明する。
図3〜図5は、本発明に係る発泡成形体の製造方法の一例を示す説明図である。図において、1は移動成形型である凸型、2は固定成形型である凹型、3は移動ダイプレート、4は固定ダイプレート、5、6は前記凹凸型の背面に形成されるチャンバである。図示の成形型では、前記凹凸型で形成される成形用キャビティが、型に対して垂直方向に可動し、かつ切離自在な一対の可動チャンバ7a、7bによって区分けされ、一方が通気性を有する発泡成形樹脂部材の成形用キャビティ8a、他方が通気性を有しない発泡成形樹脂部材の成形用キャビティ8bとされている。
なお、9a、9bは前記可動チャンバ7a、7bを可動するためのシリンダであり、10a、10bは前記の各成形用キャビティ8a、8b内へ発泡性原料ビーズを供給する充填器である。
図3に示されるように、可動チャンバ7a、7bが閉じられてキャビティが左右に区分けされており、この状態で通気性を有する発泡成形樹脂部材の成形用キャビティ8a内に充填器10aで発泡性原料ビーズを充填した後、キャビティ8aを加熱処理して通気性を有する発泡成形樹脂部材を成形する。
次いで、図4に示されるように、可動チャンバ7a内に加熱流体を供給し、可動チャンバ7aの表面に設けた孔部より加熱流体を噴出させて、接合している発泡成形樹脂部材の端部を局部的に加熱溶融する。
次いで、図5に示されるように、可動チャンバ7a、7bをキャビティ内部から後退させてキャビティ面と面一の状態とする。その後、通気性を有しない発泡成形樹脂部材の成形用キャビティ8b内に充填器10bで発泡性原料ビーズを充填し、次いで、キャビティ8bに加熱処理を施して通気性を有しない発泡成形樹脂部材を成形する。この時、前記原料ビーズは、前記の加熱溶融している溶融層と混ざって両者が溶融・固化した混合層33を形成する。この結果、通気性を有する発泡成形樹脂部材31と通気性を有しない発泡成形樹脂部材32とは混合層3により連結され、強固に一体化した成形品となる。
なお図中、21aはチャンバ5へ加熱用流体を供給する用役供給管、21bはチャンバ5からドレンやエアを排出する用役排出管、22aはチャンバ6へ加熱用流体を供給する用役供給管、22bはチャンバ6からドレンやエアを排出する用役排出管である。
また、23aは可動チャンバ7aへ加熱用流体を供給する用役供給管、23bは可動チャンバ7aからドレンやエアを排出する用役排出管、24aは可動チャンバ7bへ加熱用流体を供給する用役供給管、24bは可動チャンバ7bからドレンやエアを排出する用役排出管である。
また、25aはキャビティ8bへ加熱用流体を供給する用役供給管、25bはキャビティ8bを通過したエアや発生したドレンを排出する用役排出管である。
この製造方法によって得られる発泡成形体は、一つの成形型内で連続的に成形されるものであり、通気性を有する発泡成形樹脂部材31と通気性を有さない発泡成形樹脂部材32とが、接合端部が両樹脂が混合して溶融・固化された混合層33を介し一体化された構造となっている。また、前記混合層33は、通気性を有する発泡成形樹脂部材31の成形後に、接合面を成形する可動チャンバ7aに供給した加熱用蒸気により加熱溶融させて形成するもので、一つの成形型内で一連に混合層33を成形することができ、従来のように別々に成形したものを接着剤を用いて接合一体化するのと異なり、効率的かつ高品質に異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体を製造することが可能となる。
以上の説明からも明らかなように、本発明は気性を有する発泡成形樹脂部材と通気性を有さない発泡成形樹脂部材のからなる異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体を、一つの成形型内で連続的に成形することができ、優れた防音性、吸音性、吸湿性、保温性等を発揮することができる新しい構造の発泡成形体を提供するものである。この結果、バンパー芯材のような自動車部品や床材等の建材として、新しい構造の発泡成形体を提供することが可能となる。
1 凸型
2 凹型
3 移動ダイプレート
4 固定ダイプレート
5 チャンバ
6 チャンバ
7a 可動チャンバ
7b 可動チャンバ
8a 成形用キャビティ
8b 成形用キャビティ
9a シリンダ
9b シリンダ
10a 充填器
10b 充填器
21a 用役供給管
21b 用役排出管
22a 用役供給管
22b 用役排出管
23a 用役供給管
23b 用役排出管
24a 用役供給管
24b 用役排出管
25a 用役供給管
25b 用役排出管
31 通気性を有する発泡成形樹脂部材
32 通気性を有さない発泡成形樹脂部材
33 混合層

Claims (1)

  1. 異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体を一つの成形型内で成形する製造方法であって、一つの成形型の内部が一方の発泡成形樹脂部材の成形用キャビティと他方の発泡成形樹脂部材の成形用キャビティとに区分けされていて、一方の発泡成形樹脂部材を一方の成形用キャビティで成形した後に、前記一方の発泡成形樹脂部材の両成形用キャビティの境界に接する端部を加熱溶融させて溶融層を形成し、次いで、他方の成形用キャビティに他方の発泡性原料ビーズを供給して加熱成形することにより、前記他方の発泡性原料ビーズが前記溶融層と混ざって両者が溶融・固化した混合層を形成させることを特徴とする異種の発泡成形樹脂部材からなる発泡成形体の製造方法。
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