JP7001049B2 - 金属管のフレア加工方法 - Google Patents
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Description
部品の溶接や、素管のネジ加工をする必要がなく、比較的簡便な継手構造として、管端部を口拡げ加工してつば部を形成したテーパーフランジ継手がある。テーパーフランジ継手は、フランジの間に樹脂製あるいは金属製のOリングやガスケットを挟み、カプラで締め付ける様式である。
しかしながら、図4に示すとおり、上述したような従来の一般的なプレス加工では、円錐凸金型31の開き角が大きい場合、管端が円錐凸金型31から離れ、カールした状態となり、テーパーフランジ形状にならないという問題があった。
図5に示す例は、目標形状である開き角60度のテーパーフランジ形状を、3工程で加工するものである。
図5(a)は第1工程を示す図であり、開き角θが30度の円錐凸金型33を使用する。図5(b)は第2工程を示す図であり、開き角θが45度の円錐凸金型35を使用する。図5(c)は最終工程を示す図であり、目標形状である開き角θが60度の円錐凸金型37を使用する。
しかし、図5(b)に示す第2工程では管端加工部であるつば部に波うち形状39が生じて円錐凸金型35から浮いた箇所が見られ、図5(c)に示すその後の最終工程でも、波うち形状39は解消されずに残った。
そのため、必要に応じてパイプの外側に同じ開き角の円錐凹金型を配置し、円錐凸金型との間でフレア加工部を挟圧する所謂リストライク工程を追加して波うち形状を矯正する必要があり(図示なし)、工程数がさらに増えるという問題がある。
本実施の形態に係るフレア加工方法は、図1に示すとおり、凸金型1と凹金型3からなるフレア加工金型5を用いて、金属管7の管端を凸金型1に押し付けてテーパーフランジ形状にフレア加工するものである。フレア加工金型5、または金属管7、またはその双方が移動することによって、金属管7の管端は、凸金型1に押し付けられる。
フレア加工金型5の構成について、以下、図1(a)を用いて具体的に説明する。
凸金型1は円錐台形状をしており、その表面に円錐台表面形状の凸側成形面部9を備えている。凸金型1の中心軸11を図中の一点鎖線で示す。
凸側成形面部9を金属管7の管端の内周面に押し付けながらプレス成形を進めることで、金属管7の管端は凸側成形面部9に沿って拡管加工され、所望の開き角にフレア加工することができる。
凹金型3は、円筒形状をしており、上述した凸金型1の凸側成形面部9と対向配置される凹側成形面部13、金属管7を挿入可能な径をもつ凹側円柱面部15を備えている。凹側成形面部13および凹側円柱面部15の中心軸が凸側成形面部9の中心軸11と一致するように配置され、凸金型1と着脱可能に固定される。図中、凹金型3の中心軸と凸金型の中心軸11は同一の符号を付してある。
凹側成形面部13は凸側成形面部9と同じ開き角を有する円錐台表面形状の加工面であり、凹金型3の一端(凸金型1側)に形成されている。凹側成形面部13は、凸側成形面部9と後述する隙間d1を介して対向配置され、成形途中に凸側成形面部9から離れた金属管7の端部を支持することで、従来の加工方法の課題となっていた管端のカールを防止する機能を有する。
凹側円柱面部15は、凹側成形面部13の内周(最小円部)から連続して形成されており、その形状は加工する金属管7の外径Dとほぼ同径の直径を有する円柱面状となっている。金属管7を凹側円柱面部15の内側に挿入することで、金属管7の中心軸と凸金型および凹金型の中心軸11が一致する。
隙間d1の大きさは板厚tの金属管7の管端が挿入可能な程度あればよく、通常拡管加工部分は円筒状に引き伸ばされるため、その板厚は加工前の板厚から厚くなることはなく、t≦d1≦1.2tの範囲で設定すればよい。
金属管7を凹金型3に挿入することによって、金属管7と凸金型1および凹金型3の中心軸11は一致する。
この状態からフレア加工金型5を金属管7に押し付けることで、金属管7の管端が押し拡げられながら、図1(b)に示すように隙間d1に入り込む。
また、開き角の大きいフレア加工であっても工程数を増やすことなく、1工程での加工を可能にしたことで、従来の加工方法で課題となっていた複数工程の加工によってつば部に生じていた不整な波打ち形状の発生を防ぐことができる。
本実施の形態に係るフレア加工方法は、実施の形態1で説明した凸金型1(図1参照)に代えて、図2に示すような凸金型19を構成の一部としたフレア加工金型21を用いるものである。
凹金型3については実施の形態1と同様であるため、本実施の形態では実施の形態1と同一の符号を付して説明を省略する。また、凸金型19についても、実施の形態1と同様の部分については同一の符号を付してある。
本実施の形態の特徴である凸金型19について、以下、具体的に説明する。
凸金型19はフレア加工の加工面となる凸側成形面部9、凸側成形面部9から連続して形成されるR部23、R部23から連続して形成される凸側円柱面部25を備えている。
凸側成形面部9は実施の形態1と同様であるため説明を省略し、R部23と凸側円柱面部25について、図2(a)を用いて以下に説明する。
R部23は図2(a)の破線円で囲った拡大図に示す通り、凸側成形面部9の最小円部(金属管の管端が最初に当接する部分)から連続して形成されており、その表面形状は曲率半径Rを有する凹曲面となっている。
金属管7が最初に凸側成形面部9に当接する箇所は、押込み荷重が最も大きくなる箇所であるが、その箇所にR部23を設けることで、金属管7の管端を隙間d1に容易にガイドでき、押込み荷重を抑えることができる。
また、荷重低減の観点では曲率半径Rの上限を設ける必要は特にないが、曲率半径Rが大きいと、有効なフランジ面を得るための押込みストロークが長くなってしまうため、R部23の曲率半径Rは10mm以下とするのが好ましい。
凸側円柱面部25はR部23から連続して形成されており、その形状は長さLを有する円柱面状となっている(図2(a))。凸側円柱面部25の中心軸は凸側成形面部9の中心軸11と一致している。
開き角の大きいフレア加工を行う場合、金属管が凸金型に当接する近傍で、金属管の内側への座屈が生じることがあるが、金属管7の内側に円柱面状の凸側円柱面部25を設けることで、このような座屈を抑制することができる。
また、座屈抑制の観点では長さLの上限を設ける必要は特にないが、長さLが必要以上に長いと、加工前の金属管の取付けや加工後の金属管の取外しの作業を阻害してしまうため、凸側円柱面部25の長さLは金属管の外径Dの1/2以下とするのが好ましい。
また、凸側円柱面部25と凹側円柱面部15との間に隙間d2を設ける。
そのため、隙間d2は金属管7の板厚tに対し、1.1t≦d2≦1.5tの範囲で設定するのが好ましい。
金属管7を隙間d2に挿入することによって、金属管7と凸金型19および凹金型3の中心軸11は一致する。
この状態からフレア加工金型21を金属管7に押し付けることで、金属管7の管端はR部23の凹曲面に沿って押し拡げられながら、図2(b)に示すように、隙間d1に入り込む。
また、凸金型19に凸側円柱面部25を設けたことにより、金属管7の内側への座屈を防ぎ、開き角の大きい加工であっても、安定したフレア加工が可能となる。
本実施例では、外径D=φ48.6mm、板厚t=1.2mmのフェライト系ステンレス鋼管を素管として用い、管端に凸金型を押しつけてフレア加工を行った。
その比較結果を表1に示す。
しかしながら、開き角θ=80度以上では、金属管7の管端が隙間d1にスムーズに進入できず、金属管7のストレート部分(凸金型1に金属管7が当接する手前の部分)に座屈が生じた。
これらの効果により、発明例1では不整形状となってしまった開き角θ=80度以上の大きな開き角でもフレア加工が可能であり、設定したすべての開き角で、つば部の形状が良好で安定して良好なフレア加工が実施できた。
3 凹金型
5 フレア加工金型(実施の形態1)
7 金属管
9 凸側成形面部
11 中心軸
13 凹側成形面部
15 凹側円柱面部
17 チャッキング
19 凸金型(実施の形態2)
21 フレア加工金型(実施の形態2)
23 R部
25 凸側円柱面部
27 凸金型(実施の形態2の他の態様1)
29 凸金型(実施の形態2の他の態様2)
31 円錐凸金型(従来例)
33 円錐凸金型(従来例の他の態様(θ=30度))
35 円錐凸金型(従来例の他の態様(θ=45度))
37 円錐凸金型(従来例の他の態様(θ=60度))
39 波うち形状
Claims (4)
- 外径D、板厚tである円筒状の金属管の先端につば部を拡管成形するフレア加工方法であって、
円錐台表面形状の凸側成形面部を有する凸金型と、該凸金型の前記凸側成形面部と同じ開き角度を有する円錐台表面形状の凹側成形面部及び該凹側成形面部の内周から円筒状に連続する凹側円柱面部を有する円筒形状の凹金型とを、前記凸側成形面部と前記凹側成形面部の間にt以上1.2t以下である隙間d1を介して対向配置し、前記凹側円柱面部の内側に挿入した金属管の一端を前記凸側成形面部に押し付けて拡管加工し、前記金属管の一端を前記隙間d1に挿入させることで、管端のカールを防止して、つば部を成形することを特徴とするフレア加工方法。 - 前記凸金型は円錐台形状であり、前記凸側成形面部の最小円部に前記金属管を前記隙間d1に案内するR部が形成され、該R部の曲率半径を3mm以上に設定したことを特徴とする請求項1記載のフレア加工方法。
- 前記凸金型は、前記R部から連続し、前記凹側円柱面部に隙間d2を介して挿入配置される凸側円柱面部を有し、該凸側円柱面部の長さを5mm以上D/2以下に設定したことを特徴とする請求項2記載のフレア加工方法。
- 前記凸金型は円錐台形状であり、前記凸側成形面部の最小円部から連続し、前記凹側円柱面部に隙間d2を介して挿入配置される凸側円柱面部を有し、該凸側円柱面部の長さを5mm以上D/2以下に設定したことを特徴とする請求項1記載のフレア加工方法。
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