JP7002599B2 - 車両の制御装置 - Google Patents
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Description
その際、エンジンとモータの要求トルクを得るために投入しなければならない燃料および電力、即ち、入力の仕事率を鑑みてトルク分配を決定しないと、必要以上に燃料および電力を消費してしまう。即ち、効率が悪い状態で動作することとなり、燃費が悪化してしまう問題がある。
よって、エンジンおよびモータの効率を考慮して、それぞれの要求トルクを決定する制御が必要となる。
しかし、エンジンおよびモータにおいては、それら要求されたトルクを瞬時に発生することは困難であり、物理的な構造および運転状態に応じて動作遅れが生じる。
よって、その動作遅れが生じている間は、エンジンとモータのトルク分配は最適なものではなく、車両燃料消費量もしくは入力仕事率が最小値とならないケースがある。
以下、本願の車両の制御装置の好適な実施の形態について、図を用いて説明する。
なお、複数の駆動源による車両動作の条件が成立中に、探索パラメータとなる各駆動源の要求トルクおよびトランスミッションの要求変速比に対して、実動作の遅れを推定し、推定したトルクおよび変速比によって、総入力仕事率が最小となる要求トルクおよび要求変速比を探索し、各駆動源およびトランスミッションに要求する実施の形態について説明する。
図1において、エンジン101は、第1駆動源である。モータ102は、第2駆動源である。エンジン101とモータ102は、エンジン101のクランクプーリ103、モータ102のプーリ104、およびベルト105により連結されている。
エンジン101とモータ102の動力は、トランスミッション106、ディファレンシャルギア107を介して、ドライブシャフト108に接続されたタイヤ109へと伝達される。
モータ102は、インバータを経由してバッテリに接続されており、エンジン101からの動力伝達もしくは車両減速時におけるドライブシャフト108からの動力伝達などで発電して、電力供給する一方、車両加速時に力行運転を行う。これにより、ドライブシャフト108に動力を伝える。
エンジン制御用電子コントロールユニット111(以下、エンジン用ECUと称する。)は、マイクロプロセッサなどで構成されており、エンジン101を適切な状態に制御している。
トランスミッション制御用電子コントロールユニット112(以下、トランスミッション用ECUと称する。)は、マイクロプロセッサなどで構成されており、トランスミッション106を適切な状態に制御している。
なお、車両を適切な状態に制御するために、車両用ECU113には、後述する図2に示す、遅れ推定手段201、総入力仕事率最小探索手段202、総入力仕事率最小化制御手段203に関するプログラムあるいは固定値データが記憶されている。
また、後述するように、総入力仕事率最小化制御手段203における第1駆動源要求トルクであるエンジン要求トルクTe、第2駆動源要求トルクであるモータ要求トルクTm、トランスミッションの要求変速比Rtは、それぞれエンジン用ECU111、モータ用ECU110、およびトランスミッション用ECU112に送信されて、エンジン101、モータ102、およびトランスミッション106が適切に制御される。
図2において、遅れ推定手段201は、エンジン101、モータ102、およびトランスミッション106の現在の動作状態(エンジン回転数Ne、モータ回転数Nm、トランスミッション入口回転数Nt)に応じて、動作要求を出してからの動作遅れを推定する。具体的な演算方法は、後述する図3を用いた制御の流れにおいて説明する。
なお、車両の制御装置を構成するこれらの各手段は、車両用ECU113に記憶されている。
以下、実施の形態1による車両の制御装置において、複数の駆動源による車両動作の条件が成立中に、探索パラメータとなる各駆動源の要求トルクおよびトランスミッションの要求変速比に対して、実動作の遅れを推定し、推定したトルクおよび変速比によって総入力仕事率が最小となる要求トルクおよび要求変速比を探索し、各駆動源およびトランスミッションに要求する動作について説明する。
なお、この動作は、車両用ECU113において、所定時間周期のメインルーチン内のサブルーチンとして実行される。
また、ステップS301において、現在、複数の駆動源による車両動作のモードが成立していると判定された場合は、次のステップS302へ進む。
本実施の形態1において、各駆動源の要求トルクおよびトランスミッションの要求変速比に対する実動作の遅れは、一次遅れの時定数を用いて表し、むだ時間(後述する)はない、もしくは非常に短いとして表している。
エンジントルクの時定数tce、モータトルクの時定数tcm、変速比の時定数tctは、例えばエンジン回転数Ne、モータ回転数Nm、トランスミッション入口回転数Ntに応じて、予めテーブルで設定されており、式(1)~式(3)のように演算される。
tce=table(Ne) ・・・(1)
tcm=table(Nm) ・・・(2)
tct=table(Nt) ・・・(3)
式(1)~式(3)では、実機計測、シミュレーション結果もしくは幾何学的な演算式によってテーブル値が設定されているが、テーブル値に限らず、マップ値あるいは近似式によって表すものでも良い。このステップS302が、遅れ推定手段201に相当する。ステップS302の次に、ステップS303に進む。
例えば、所定時間周期のメインルーチン内のサブルーチン毎において、探索パラメータのエンジン要求トルク、モータ要求トルク、要求変速比に対し、エンジントルクの時定数tce、モータトルクの時定数tcm、変速比の時定数tctを用いて一次遅れを施し、エンジン推定トルクTep、モータ推定トルクTmp、推定変速比Rtpを演算する。
これらエンジン推定トルクTep、モータ推定トルクTmp、推定変速比Rtpから演算される総入力仕事率が、最小値となる組み合わせを探索し、最小値の条件成立もしくは所定探索回数となった際のエンジン要求トルクTe、モータ要求トルクTm、要求変速比Rtを出力する。なお、探索アルゴリズムは、最急降下法などの勾配法による最適化問題アルゴリズムを用いて演算する。
ステップS304の終了後、サブルーチンを終了する。
なお、図4中、実線は、実施の形態1による制御を示し、破線は、従来の制御を示している。
また、これらエンジン要求トルクTe、モータ要求トルクTm、要求変速比Rtに応じて、エンジン101、モータ102、トランスミッション106が動作した挙動が、エンジン実トルク、モータ実トルク、実変速比となっている。
このため、エンジン実トルク、モータ実トルク、実変速比の組み合わせは、要求時の組み合わせと異なり、総入力仕事率が最小となっていない。そのため、燃料消費量が比較的多くなる。
よって、本実施の形態1における車両の制御装置の制御によって、燃費の向上が可能となる。
次に、実施の形態2について説明する。
実施の形態1では、遅れ推定手段において、各駆動源および車両のトランスミッションに対して、動作を要求してからの実動作の遅れはあるものの、むだ時間はない、もしくは非常に短い場合について説明した。
実施の形態2は、むだ時間を有する場合についてのものである。
ここで、むだ時間とは、動作機器に対し、要求を出してから機器が動作し始めるまでの遅れ時間である。
次いで、探索パラメータに対して、遅れ推定手段による時定数を施した推定値を用い、制御要求に対して遅れを鑑みた場合の総入力仕事率が最小となる動作点を探索する第2の総入力仕事率最小探索手段を実施する。
そして、むだ時間が含まれる駆動源およびトランスミッションに対しては、第1の総入力仕事率最小探索手段で求められる制御要求値を、むだ時間が含まれない駆動源およびトランスミッションに対しては、第2の総入力仕事率最小探索手段で求められる制御要求値を各駆動源およびトランスミッションに要求する。
ただし、図1の車両用ECU113には、後述する図5に示す遅れ推定手段401、むだ時間判定手段402、第1の総入力仕事率最小探索手段403、第2の総入力仕事率最小探索手段404、総入力仕事率最小化制御手段405に関するプログラムあるいは固定値データが記憶されている。
図5において、遅れ推定手段401は、エンジン101、モータ102、およびトランスミッション106の現在の動作状態(エンジン回転数Ne、モータ回転数Nm、トランスミッション入口回転数Nt)に応じて、それらのむだ時間と動作遅れを推定する。
具体的な演算方法は、後述する図6を用いた制御の流れにおいて説明する。
以下、実施の形態2の車両の制御装置における動作について説明する。
実施の形態2の車両の制御装置において、複数の駆動源による車両動作の条件が成立中に、探索パラメータとなる各駆動源の要求トルクおよびトランスミッションの要求変速比に対して、遅れなく動作した場合の総入力仕事率が最小となる動作点を探索する第1の総入力仕事率最小探索手段を実施する。
また、探索パラメータに対して遅れ推定手段による時定数を施した推定値を用い、制御要求に対して遅れを鑑みた場合の総入力仕事率が最小となる動作点を探索する第2の総入力仕事率最小探索手段を実施する。
そして、むだ時間が含まれる駆動源およびトランスミッションに対しては、第1の総入力仕事率最小探索手段で求められる制御要求値を、むだ時間が含まれない駆動源およびトランスミッションに対しては、第2の総入力仕事率最小探索手段で求められる制御要求値を、各駆動源およびトランスミッションに要求する。
以下、この動作について説明する。
また、ステップS501において、現在、複数の駆動源による車両動作のモードが成立していると判定された場合は、次のステップS502へ進む。
本実施の形態2において、各駆動源の要求トルクおよびトランスミッションの要求変速比に対する実動作の遅れは、一次遅れの時定数とむだ時間を用いて表している。
エンジントルクの時定数tce、モータトルクの時定数tcm、変速比の時定数tctは、例えば、エンジン回転数Ne、モータ回転数Nm、トランスミッション入口回転数Ntに応じて、予めテーブルで設定されており、式(4)~式(6)のように演算される。
tce=table(Ne) ・・・(4)
tcm=table(Nm) ・・・(5)
tct=table(Nt) ・・・(6)
Le=table(Ne) ・・・(7)
Lm=table(Nm) ・・・(8)
Lt=table(Nt) ・・・(9)
式(4)~式(9)では、実機計測、シミュレーション結果もしくは幾何学的な演算式によって、テーブル値が設定されているが、テーブル値に限らず、マップ値または近似式によって表すものでも良い。このステップS502が、遅れ推定手段401に相当する。
ステップS502の次に、ステップS503に進む。
所定時間Lzは、例えば、第1の総入力仕事率最小探索手段403および第2の総入力仕事率最小探索手段404の演算周期と同じ時間が設定されている。
エンジントルクのむだ時間Le、モータトルクのむだ時間Lm、変速比のむだ時間Ltの最大値が、あらかじめ設定してある所定時間Lzよりも短い場合には、すべての探索パラメータにむだ時間が実質ないものとして、第1の総入力仕事率最小探索手段403を実施せずに、ステップS505に進み、第2の総入力仕事率最小探索手段404を実施する。
この探索においては、最小値の条件成立もしくは所定探索回数となった際のエンジン要求トルク、モータ要求トルク、要求変速比として、第1のエンジン要求トルクTe1、第1のモータ要求トルクTm1、第1の要求変速比Rt1を出力する。
ここで、探索アルゴリズムは、最急降下法などの勾配法による最適化問題アルゴリズムを用いて演算する。
例えば、所定時間周期のメインルーチン内のサブルーチン毎において、探索パラメータのエンジン要求トルク、モータ要求トルク、要求変速比に対し、エンジントルクの時定数tce、モータトルクの時定数tcm、変速比の時定数tctと、エンジントルクのむだ時間Le、モータトルクのむだ時間Lm、変速比のむだ時間Ltを用いて一次遅れを施し、エンジン推定トルクTep、モータ推定トルクTmp、推定変速比Rtpを演算する。
それらエンジン推定トルクTep、モータ推定トルクTmp、推定変速比Rtpから演算される総入力仕事率が最小値となる組み合わせを探索する。
この探索においては、最小値の条件成立もしくは所定探索回数となった際のモータ要求トルク、エンジン要求トルク、要求変速比として、第2のエンジン要求トルクTe2、第2のモータ要求トルクTm2、第2の要求変速比Rt2を出力する。
探索アルゴリズムは、最急降下法などの勾配法による最適化問題アルゴリズムを用いて演算する。
基本的に、むだ時間がある探索パラメータの要求値に対しては、第1の要求値を、むだ時間がない探索パラメータの要求値に対しては、第2の要求値を、最終的な要求値とする。
但し、第1の要求値と第2の要求値が混在した値において、検算された車両要求トルクが車両要求トルクTwと等しくない場合には、整合性を保つために、全て第2の要求値を最終的な要求値とする。
最終的な要求値となったエンジン要求トルクTe、モータ要求トルクTm、要求変速比Rtが、エンジン用ECU111、モータ用ECU110およびトランスミッション用ECU112に送信される。これが総入力仕事率最小化制御手段405に相当する。ステップS506の終了後、サブルーチンを終了する。
探索パラメータとなる各駆動源の要求トルクおよびトランスミッションの要求変速比に対して、実動作の遅れを推定し、個々の駆動源および車両のトランスミッションに対して動作を要求してからの実動作の遅れと、実動作の前にむだ時間が混在する場合には、遅れを考慮しない総入力仕事率が最小となる要求値を、むだ時間が混在しない場合には、遅れを考慮した総入力仕事率が最小となる要求値を、各駆動源およびトランスミッションに要求する実行例である。
なお、図7中、実線は、実施の形態2による制御を示し、破線は、従来の制御を示している。
また、これらエンジン要求トルクTe、モータ要求トルクTm、要求変速比Rtに応じて、エンジン、モータ、トランスミッションが動作した挙動が、エンジン実トルク、モータ実トルク、実変速比となっている。
このため、エンジン実トルク、モータ実トルク、実変速比の組み合わせは、要求時の組み合わせと異なり、総入力仕事率が最小となっていない。そのため、燃料消費量が比較的多くなる。
よって、(イ)から(ウ)までのタイミングに関して、本実施の形態2の制御により、燃費の向上が可能となる。
(ウ)からのタイミングでは、車速がさらに増加していき、エンジン、モータ、トランスミッションの回転数が高くなる領域となっているため、各動作のむだ時間が非常に短い時間となっている。そのため、探索パラメータにむだ時間が実質ないものとして、第2の総入力仕事率最小探索手段404のみを実施している。
これにより、本実施の形態2の制御により、燃費を向上が可能であると同時に、演算の負荷も低減が可能である。
また、探索パラメータに対して遅れ推定手段による時定数を施した推定値を用い、制御要求に対して遅れを鑑みた場合の総入力仕事率が最小となる動作点を探索する第2の総入力仕事率最小探索手段を実施する。
そして、むだ時間が含まれる駆動源およびトランスミッションに対しては、第1の総入力仕事率最小探索手段で求められる制御要求値を、むだ時間が含まれない駆動源およびトランスミッションに対しては、第2の総入力仕事率最小探索手段で求められる制御要求値を、各駆動源およびトランスミッションに要求する。
実施の形態2によれば、これにより、燃費を向上することができる。
すべての探索パラメータのむだ時間が非常に短い時間の場合、探索パラメータにむだ時間が実質ないものとして、第1の総入力仕事率最小探索手段をスキップし、第2の総入力仕事率最小探索手段のみを実施しているため、燃費を向上することができると同時に、演算の負荷も低減することができる。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
105 ベルト、106 トランスミッション、107 ディファレンシャルギア、
108 ドライブシャフト、109 タイヤ、110 モータ用ECU、
111 エンジン用ECU、112 トランスミッション用ECU、
113 車両用ECU、114 車速センサ、115 アクセルポジションセンサ、
116 ブレーキストロークセンサ、201 遅れ推定手段、
202 総入力仕事率最小探索手段、203 総入力仕事率最小化制御手段、
401 遅れ推定手段、402 むだ時間判定手段、
403 第1の総入力仕事率最小探索手段、
404 第2の総入力仕事率最小探索手段、405 総入力仕事率最小化制御手段、
1000 車両の制御装置、1001 プロセッサ、1002 記憶装置
Claims (2)
- 複数の駆動源が搭載された車両の制御装置であって、
上記各駆動源および上記車両のトランスミッションに対して、動作を要求してから実動作が行われるまでの遅れを各別に推定する遅れ推定手段、
要求された上記車両のトルクを得るために上記各駆動源に要求するトルクおよび上記トランスミッションに要求する変速比を演算し、上記実動作が行われたときの総入力の仕事率が、最小となる組み合わせにおける各値を、上記遅れ推定手段により推定された遅れを各別に加味して、求める要求値演算手段、
この要求値演算手段により求めた上記各値を制御要求値として、上記各駆動源および上記トランスミッションを制御する制御手段を備えたことを特徴とする車両の制御装置。 - 複数の駆動源が搭載された車両の制御装置であって、
上記各駆動源および上記車両のトランスミッションに対して、動作を要求してから実動作が行われるまでの遅れを各別に推定する遅れ推定手段、
要求された上記車両のトルクを得るために上記各駆動源に要求するトルクおよび上記トランスミッションに要求する変速比を演算し、上記実動作が行われたときの総入力の仕事率が、最小となる組み合わせにおける各値を求める第1の要求値演算手段、
要求された上記車両のトルクを得るために上記各駆動源に要求するトルクおよび上記トランスミッションに要求する変速比を演算し、上記実動作が行われたときの総入力の仕事率が、最小となる組み合わせにおける各値を、上記遅れ推定手段により推定された遅れを各別に加味して、求める第2の要求値演算手段、
上記第1の要求値演算手段および上記第2の要求値演算手段により求めた上記各値から選択し、制御要求値として、上記各駆動源および上記トランスミッションを制御する制御手段を備え、
上記遅れ推定手段により推定された遅れは、上記各駆動源または上記トランスミッションが、上記制御手段からの制御要求を受けてから実動作するまでのむだ時間を当該遅れ中に含み、
上記制御手段は、上記遅れ推定手段により各別に推定された遅れに含まれる上記むだ時間の最大値が予め設定されたしきい値以上の場合は上記第1の要求値演算手段により求めた該当する値を、上記むだ時間の最大値が上記しきい値より短い場合は上記第2の要求値演算手段により求めた該当する値を、制御要求値とすることを特徴とする車両の制御装置。
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