JP7009724B2 - 柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構 - Google Patents

柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構 Download PDF

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Description

本発明は、柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構に関する。
下記特許文献1には、柱梁架構の梁を支持する中間柱を撤去する際の、柱梁架構の補強方法が示されている。この補強方法では、中間柱は頂部を梁に残して撤去され、この頂部が添柱に支持された1対のアーチ部材で挟み込まれる。これにより、梁が受ける荷重を中間柱の頂部からアーチ部材を介して添柱に伝達し、梁の変形を抑制している。
特開2010-37746号公報
しかし、梁が受ける荷重をアーチ部材で受けても、アーチ部材は梁の下部に載置されるだけなので梁の応力状態を調整することは難しく、梁の変形を抑制することは難しい。
また、鉛直方向の高さが小さい天井裏空間には、このようなアーチ部材を格納することが難しい。このため、天井裏空間を設けずにアーチ部材を露出させたり、天井裏空間の高さを大きく取る必要がある。すなわち、上記特許文献1の柱梁架構の補強方法では、梁の変形を抑制するための制約が大きい。
本発明は上記事実を考慮して、既設梁の応力状態を調整できる柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構を提供することを目的とする。
請求項1の柱梁架構改修方法は、既設の柱梁架構内にある既設梁を支保工で支持し既設柱を撤去する工程と、前記既設柱の撤去部に跨って補助柱と補助梁とを備えた補助架構を設置する、又は、前記撤去部の両隣の既存柱に補助梁を架設する工程と、前記撤去部又は前記撤去部の周囲において、前記既設梁の下面と前記補助梁との間にジャッキ部材を設置する工程と、前記ジャッキ部材をジャッキアップして前記既設梁を支持する工程と、を有する。
請求項1に記載の柱梁架構改修方法によると、補助梁を受け台として既設梁をジャッキ部材でジャッキアップできる。このため、既設柱を撤去しても、既設梁をジャッキアップすることにより既設梁の応力状態を調整し、撤去前の状態に戻すことができる。
請求項2の柱梁架構改修方法は、前記既設梁を前記ジャッキ部材で支持した後、前記既設梁の下面と前記補助梁との間に荷重伝達部材を設置する工程を有する。
請求項2に記載の柱梁架構改修方法によると、ジャッキ部材が受ける荷重を、荷重伝達部材に盛りかえることができる。このため、ジャッキ部材を撤去して転用することができる。
請求項3の柱梁架構改修方法は、既設の柱梁架構内にある既設梁を支保工で支持し既設柱を撤去する工程と、前記撤去部の両側に、補助柱と、前記既設梁の側面に沿う補助梁と、を備えた補助架構を設置する工程と、前記撤去部において、前記既設梁の下面と前記補助梁を繋ぐ繋ぎ梁との間にジャッキ部材を設置する工程と、前記ジャッキ部材をジャッキアップして前記既設梁を支持する工程と、を有する。
請求項3に記載の柱梁架構改修方法によると、既設梁の側面に沿って補助梁が2本設置される。このため、補助梁が既設梁の下部に配置される場合と比較して、梁下空間を高くすることができる。また、補助梁1本あたりの部材寸法を小さくすることができる。
請求項4の柱梁架構改修方法は、前記補助梁は、前記支保工で支持した前記既設梁と直交する方向の前記既設梁に沿って構築される。
請求項5の柱梁架構改修方法は、前記補助柱と、撤去されない既設柱とを固定する。
請求項6の柱梁架構改修方法は、前記既設柱の撤去部または前記撤去部の周囲の基礎梁から地中へ向かって、地中アンカーを打ち込む工程を有する。
請求項7の柱梁架構改修方法は、前記既設柱は、前記既設梁の下面まで撤去する。
請求項8の改修柱梁架構は、前記柱梁架構の既設柱が撤去された撤去部に跨って設置され、補助柱と補助梁とを備えた補助架構、又は、前記柱梁架構の既設柱が撤去された撤去部の両隣の既存柱に架設された補助梁と、既設梁の下面と前記補助梁との間において、前記撤去部のみに設けられ、前記既設梁を持ち上げた状態で固定された持上げ部材と、を有する。
請求項8に記載の改修柱梁架構によると、補助梁を受け台として持上げ部材によって既設梁を持ち上げることができる。これにより、既設梁の応力状態を調整し、積載荷重の増加に伴う梁の変形や、柱を撤去した場合の梁の変形を抑制することができる。
請求項9の改修柱梁架構は、既設の柱梁架構と、補助柱及び補助梁を備え、前記既設梁の両側面に沿ってそれぞれ設けられた補助架構と、前記柱梁架構の既設柱が撤去された撤去部において、前記補助架構の補助梁を繋ぐ繋ぎ梁と、前記撤去部において、既設梁の下面と前記繋ぎ梁との間に設けられ、前記既設梁を持ち上げた状態で固定された持上げ部材と、を有する改修柱梁架構。
請求項10の改修柱梁架構は、前記既設柱は、前記既設梁の下面まで撤去されている。
本発明に係る柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構によると、既設梁の応力状態を調整できる。
(A)は本発明の第1実施形態に係る改修柱梁架構を示した平面図であり、(B)は(A)のB-B線断面図である。 本発明の第1実施形態に係る柱梁架構改修方法を示す立面図であり、(A)は梁下に支保工を設置した状態を示し、(B)は既設の柱を撤去した状態を示し、(C)は既設の柱の撤去部に跨る補助架構を設置した状態を示している。 (A)は本発明の第1実施形態に係る柱梁架構改修方法において既設の梁と補助梁との間にジャッキ部材を設置した状態を示す立面拡大図であり、(B)は(A)のB-B線断面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る柱梁架構改修方法において既設の梁と補助梁との間にコンクリート部材を設置した状態を示す立面拡大図であり、(B)は(A)のB-B線断面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構において、既設の柱と補助柱にそれぞれスタッドボルトを接合し、既設の柱と補助柱との間にコンクリートを打設した状態を示す立面図であり、(B)は既設の柱と補助柱とをボルト接合した状態を示す立面図である。 (A)は本発明の第1実施形態に係る柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構において、補助架構を十字に構成した例を示す平面図であり、(B)は既存の柱を撤去しないで補助架構を用いた例を示す平面図であり、(C)は補助柱を省略し補助梁だけを用いた例を示す立面図である。 (A)は本発明の第2実施形態に係る改修柱梁架構を示した平面図であり、(B)は(A)のB-B線断面図である。 (A)は本発明の第2実施形態に係る柱梁架構改修方法において既設の梁と繋ぎ梁との間にジャッキ部材を載置した状態を示す平面拡大図であり、(B)は(A)のB-B線断面図である。
[第1実施形態]
(柱梁架構)
第1実施形態に係る柱梁架構改修方法が適用される柱梁架構10は、図1(A)、(B)に示すように、柱12と、柱12に架け渡された梁14とを備えている。なお、図1(B)は図1(A)に示されたB-B線断面図であり、図1(A)は図1(B)に示されたA-A線断面図である。
図1(A)、(B)は柱梁架構10の改修後の状態を示している。詳しくは後述するが、柱梁架構10は改修時に柱12が撤去され(撤去部12E)、改修後の状態(改修柱梁架構)においては補助柱22と補助梁24とを備えた補助架構20が、撤去部12Eに跨るようにして配置されている。さらに、撤去部12Eにおいて、梁14の下面と補助梁24の上面との間に、梁14が受ける荷重を補助架構20へ伝達する荷重伝達部材としてのコンクリートブロック34(図1(B)参照)が設けられている。なお、撤去部12Eは、撤去前に柱12が存在していた空間の部分全体を指す。
なお、図1(A)、(B)において柱12は一定間隔で配置されているが、本発明の実施形態はこれに限らず、間隔はバラバラでもよい。また、撤去部12Eは図1(A)、(B)に示されたような配置に限らず、例えば隣り合う柱12を撤去して複数スパンに亘って撤去部12Eを配置してもよい。さらに、補助架構20は、構成を分かり易くするために図1(A)のX方向及びY方向に沿って配置された状態が描かれているが、X方向、Y方向任意の方向に沿って配置することができる。
柱梁架構10は、地下階を備えた建物の最下階の架構とされ、柱梁架構10を支持する基礎梁16の上面16Aは、図示しない地下水位よりも低位置に形成されている。柱12を撤去した撤去部12Eは、上方から下方へ基礎梁16を強く押圧できないので、柱12が撤去されない部分と比較して、地下水から上向きに受ける水圧Pに抵抗する力が弱い。このため、撤去部12Eまたは撤去部12Eの周囲の基礎梁16から地中へ向かって、水圧Pに抵抗するための地中アンカー18が打込まれる。
なお、地下水位が基礎梁16の上面16Aよりも低い場合や、水圧Pが建物の構造上問題とならない場合は、地中アンカー18を設ける必要はない。また、柱梁架構改修方法が適用される柱梁架構10は、建物の最下階に限らず、任意の階とすることができる。
(柱梁架構改修方法)
柱梁架構10において柱12を撤去する改修を行うためには、図2(A)に示すように、まず撤去対象となる柱12に支持されている梁14の下面14Aと基礎梁16の上面16Aとの間に仮設柱としての支保工90を設置して、梁14を支持する。
次に、図2(B)に示すように柱12を撤去する。このとき、後述するジャッキ部材32で梁14をジャッキアップしやすくするため、柱12は梁14の下面までの部分を平坦にはつり取ることが好ましい。
次に、図2(C)に示すように、支保工90を設置した梁14と直交する梁14に沿って、補助架構20を設置する。このとき補助架構20の補助柱22を、基礎梁16の上面16Aから立設し、柱梁架構10の柱12の側方に隙間を空けて配置する。補助柱22に支持される補助梁24は、柱梁架構10の梁14の下方に隙間を空けて延設される。これにより補助梁24は、図1(A)に示すように柱12を撤去した撤去部12Eに跨るようにして配置される。なお、補助柱22、補助梁24は何れもH形鋼で形成されているが、角型鋼管やCT形鋼、チャンネル材などを用いてもよい。
次に、図3(A)に示すように、撤去部12Eにおいて、梁14の下面14Aと補助梁24の上面24Aとの間に、ジャッキ部材32を設置する。図3(A)に示されたB-B線断面図である図3(B)に示すように、ジャッキ部材32は、撤去部12Eの中心部、即ち撤去された柱12(図2(A)参照)の軸方向の中心線CLが通る位置において、補助梁24に載置される。
次に、ジャッキ部材32により梁14をジャッキアップして、支保工90(図2参照)が梁14から受ける荷重をジャッキ部材32へ盛り変え、支保工90を撤去する。ジャッキ部材32により梁14をジャッキアップすることで、梁14の応力状態は、柱12を撤去する前の応力状態となる。ジャッキ部材32が受ける荷重は、補助梁24を介して補助柱22へ伝達される。なお、ジャッキ部材32は、梁14をジャッキアップできるものであれば、ネジ式ジャッキ、油圧ジャッキ、エアージャッキなど、各種の構造の物を用いることができる。
次に、図4(A)、(B)に示すように、撤去部12Eにおいて、梁14の下面14Aと補助梁24の上面24Aとの間に、コンクリートブロック34を設置する。コンクリートブロック34は、予め所定のサイズに成形されたものを用いてもよいし、ジャッキ部材32によって梁14をジャッキアップした状態で、ジャッキ部材32の周囲に型枠を組み付け、梁14の下面14Aと補助梁24の上面24Aとの間にコンクリートを充填し硬化させることで形成してもよい。なお、コンクリートブロック34は、梁14が受ける荷重を補助架構20へ伝達するため、高強度コンクリートを用いることが望ましい。また、コンクリートブロック34に代えて、無収縮モルタル、鋼材などを用いることもできる。
次に、ジャッキ部材32をジャッキダウンして、ジャッキ部材32が梁14から受ける荷重をジャッキ部材32からコンクリートブロック34へ盛り変え、ジャッキ部材32を撤去する。以上の工程により、改修柱梁架構が形成される。
(作用・効果)
第1実施形態に係る柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構によると、補助梁24を受け台として、既設の梁14をジャッキ部材32でジャッキアップできる。このため、既設の柱12を撤去しても、梁14をジャッキアップすることにより、梁14の応力状態を調整して柱12の撤去前の状態に戻すことができる。
つまり、柱12を撤去した場合、撤去部12Eにおいて梁14は上階の荷重によって沈み込む(撓む)が、補助梁24に載置したジャッキ部材32で梁14をジャッキアップすることで、沈み込んだ分を押し戻すことができる。
さらに、建物の改修時、用途変更などに伴い上階の積載荷重が従前よりも増える場合であっても、ジャッキアップにより梁14を押し戻す力を大きくすれば、積載荷重の増分に対応することができる。
このため、既設の柱12を撤去しても、撤去された柱12に支持されていた梁14に与える構造的な負担を低減することができる。これにより、図1(A)に示すように、改修前よりも広い無柱空間Vを形成することができる。また、互いに隣接する柱12を撤去し、撤去した箇所ごとに補助架構20を設けることで、無柱空間Vを更に広くすることもできる。
また、本実施形態においては、ジャッキ部材32が梁14から受ける荷重をジャッキ部材32からコンクリートブロック34へ盛り変えることで、ジャッキ部材32を撤去できる。このため、ジャッキ部材32を任意の用途に転用することができる。
なお、コンクリートブロック34は本発明における持ち上げ部材の一例であるが、持ち上げ部材の構成はこれに限らない。
例えばジャッキ部材32は必ずしも撤去する必要はない。ジャッキ部材32を撤去しない場合、梁14から受ける荷重はジャッキ部材32を介して補助梁24に伝達できるので、コンクリートブロック34は設置しなくてもよい。コンクリートブロック34を設置しなければ、施工手間が減る。この場合、ジャッキ部材32が持ち上げ部材となる。
あるいは、ジャッキ部材32の周囲にコンクリートを現場打ちし、このコンクリートにジャッキ部材32を埋設してもよい。ジャッキ部材32をコンクリートに埋設することで、ジャッキ部材32が破壊されてもコンクリートにより梁14を支えることができる。もしくは、コンクリートが破壊されてもジャッキ部材32により梁14を支えることができる。このため、梁14を支える機能を冗長化することができる。ジャッキ部材32及びコンクリートの双方が持ち上げ部材となる。
また、本実施形態においてジャッキ部材32は、柱12の撤去部12Eに設置される。柱12を撤去した際に、梁14の変形が最も大きくなる箇所は撤去部12Eであるが、この撤去部12Eにおいてジャッキ部材32を用いることで、梁14を効率的にジャッキアップすることができる。
なお、ジャッキ部材32は、撤去部12E以外の部分に設置することもできる。例えば図4(B)に二点鎖線で示したジャッキ部材32Aのように、撤去部12Eの周囲に複数設置してもよい。ジャッキ部材を複数設置すれば、ジャッキ部材1台あたりが負担する梁14からの荷重を小さくすることができる。このため、ジャッキ部材を小型化できる。また、ジャッキ部材32Aを撤去部12Eの周囲に設置し、撤去部12Eには設置しないことにより、撤去部12Eに設置するコンクリートブロック34を大きく形成することができる。このため、コンクリートブロック34が負担する単位体積当たりの荷重が低減されるので、コンクリートの強度を小さくすることができる。
また、本実施形態において、補助架構20の補助柱22は柱梁架構10の柱12の側方に隙間を空けて配置されている。これにより、予め補助柱22と補助梁24とを組み合わせて門型の補助架構20を形成し、これを既存の柱梁架構10の内側へスライドさせることにより、容易に配置することができる。
なお、図5(A)に示すように、補助柱22と柱12との隙間にはコンクリートを充填してもよい。この場合、例えば補助柱22の柱12側の側面にスタッドボルト36を溶接し、柱12の補助柱22側の側面にもスタッドボルト36を埋め込むことで、コンクリートを介して、補助柱22に作用する軸力及び曲げ力を柱12へ伝達することができる。
また、図5(B)に示すように、補助柱22を柱12へ近接させて、H形鋼で形成された補助柱22のフランジ22Fを、柱12の側面へボルト38を用いて固定してもよい。このような構成によっても、補助柱22に作用する軸力及び曲げ力を柱12へ伝達することができる。
なお、図5(A)、(B)においてスタッドボルト36及びボルト38を柱12に固定するためには、例えば図示しない後施工アンカーを埋設すればよい。
また、本実施形態において補助架構20は、補助柱22と補助梁24による門型の架構とされている。すなわち補助架構20は、既設の柱12及び梁14で形成される門型の柱梁架構10に沿う形状とされている。このため、例えば補助架構にアーチ部材などを用いる場合と比較して、補助架構を設置するための空間を少なくできる。したがって、改修後の建物に与えるプラン上の影響を小さくできる。
なお、本実施形態においては撤去部12Eに門型の補助架構20を配置しているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図6(A)に示すように、撤去部12Eを中心として、X方向、Y方向の梁14それぞれに沿うような平面十字形状の補助架構26を配置してもよい。補助架構26においては、補助柱26Aが既存の柱12に沿って4本設置され、Y方向に隣接する補助柱26A間に補助梁26Bが架け渡され、X方向に隣接する補助柱26Aから補助梁26Bの中心部に、補助梁26Cが架け渡されている。
これにより補助架構26は、梁14から受ける荷重を補助梁26B、26Cを介して4本の補助柱26Aへ伝達させることができる。したがって補助架構26は補助架構20(図1参照)と比べて、部材断面を小さくして、天井高を確保することができる。
また、本実施形態においては柱12を撤去して補助架構20を配置しているが、本発明の実施形態はこれに限らず、柱12を撤去しない場合でも、補助架構20を用いることができる。このように補助架構20を用いる場合としては、例えば図6(B)に示すように、隣接する柱12間のスパンが他の部分と比較して長い部分において、当該柱12間に架け渡された梁15の撓みを抑制する場合が挙げられる。このとき、例えば梁15の中央部をジャッキアップする。これにより、他の部分よりも柱のスパンが長い部分に他の部分よりも大きい積載荷重を与えても、構造耐力上問題が生じにくい。このため、建物を大きな面積が必要で大きな積載荷重が加わる用途(例えばプールなど)に改修することができる。
また、本実施形態においては補助柱22及び補助梁24から形成された補助架構20を用いているが、本発明の実施形態はこれに限らない。例えば図6(C)に示したように、補助柱を省略し、端面を柱12の側面に固定した補助梁28を用いてもよい。すなわち、梁14をジャッキアップするジャッキ部材32の受け台として機能し、梁14を想定の応力範囲内でジャッキアップした際に破壊されるものでなければよい。補助梁28のように、補助柱を備えない機構とすることで、必要な部材を削減することができる。
なお、これらの図6(A)、(B)、(C)に示した各変形例は、同様の構成を以下に示す第2実施形態に係る柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構においても適用することができる。
[第2実施形態]
(柱梁架構)
第2実施形態に係る柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構では、図7(A)、(B)に示すように、補助柱42と補助梁44とを備えた補助架構40が、既設の梁14の側面に沿って2組延設されている。なお、図7(B)は図7(A)に示されたB-B線断面図であり、図7(A)は図7(B)に示されたA-A線断面図である。
第1実施形態における補助架構20は、柱12の撤去部12Eに跨って配置されていたが、第2実施形態における補助架構40は、撤去部12Eの両側に配置されており、平面位置が一致していない。
図7(A)に示すように、補助柱42は既設の柱12の対向する2面に面して設置され、図7(B)に示すように、補助柱42の柱頭部には補助梁44を接合するためのブラケット42Aが溶接されている。なお、柱12における対向する2面とは、補助架構40の延設方向(図7(A)ではX方向)に沿った2面のことである。
補助梁44は、図7(B)に示すように、両端部が補助柱42のブラケット42Aに接合され、中央部が凹状に変形した変形梁とされている。さらに詳述すると、補助梁44は、一端がブラケット42Aに接合され、梁14の側面に沿って延設された上段部44Aと、上段部44Aの他端に中間部材44Cを介して接合された下段部44Bと、を備えている。
上段部44AはH形鋼で形成され、下フランジ44AHの下面が梁14の下面と高さを揃えて形成されている。また下段部44BもH形鋼で形成され、上フランジ44BHが梁14の下面よりも下方に形成されている。
図8(A)、(B)に示すように、梁14を挟んで延設された2本の補助梁44は、撤去部12Eを跨ぐ繋ぎ梁50によって繋がれている。すなわち、下段部44B同士が、繋ぎ梁50によって繋がれている。なお、図8(B)は図8(A)に示されたB-B線断面図であり、図8(A)は図8(B)に示されたA-A線断面図である。
さらに、撤去部12Eにおいて、梁14の下面と繋ぎ梁50の上面との間に、梁14が受ける荷重を繋ぎ梁50を介して補助架構40へ伝達する荷重伝達部材としてのコンクリートブロック34が設けられている。
(柱梁架構改修方法)
第2実施形態に係る柱梁架構改修方法は、第1実施形態に係る柱梁架構改修方法と同様、まず図2(A)、(B)に示すように、梁14を支保工90で支持した上で、柱12を撤去する。その後、図7(A)、(B)に示すように補助架構40を梁14の両側面に沿って設置し、2組の補助架構40を繋ぎ梁50で繋ぐ。
その後、図8(A)、(B)に示すように、繋ぎ梁50の上面にジャッキ部材32を設置し、梁14をジャッキアップして、コンクリートブロック34を設置する。
なお、上述したように第2実施形態においては、補助架構40は梁14の側面に沿って撤去部12Eの両側に配置され、撤去部12Eと平面位置が一致していない。このため、補助架構40は、柱12を撤去する前、あるいは支保工90を設置する前に設置することもできる。
(作用・効果)
第2実施形態に係る柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構では、図7(B)に示すように、補助梁44の上段部44Aにおける下フランジ44AHの下面が、梁14の下面と高さを揃えて形成されている。このため、柱梁架構10に補助架構40を設置しても、梁下空間が低くなることを抑制できる。これにより、梁14の直下に設備配管92等が配置されている場合でも、この設備配管92と干渉することなく補助梁44を設置することができる。または、天井高が低くなることを抑制できる。
また、第2実施形態に係る柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構では、1箇所の撤去部12Eに対して補助梁44が2本設置され、さらに補助柱42が4本設置される。このため、補助梁44及び補助柱42それぞれの1本あたりの負担荷重を小さくして、部材寸法を小さくすることができる。このため、1部材当りの重量を小さくすることができるので、運搬効率、施工効率を高くすることができる。
また、第2実施形態に係る柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構では、上述したように、補助架構40と撤去部12Eと平面位置が一致していない。このため、補助架構40を設置するタイミングを任意に決定することができる。したがって、施工計画の融通性が高い。
以上説明したように、柱梁架構10の改修にあたっては、第1実施形態及び第2実施形態の柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構の何れかを用いることができる。また、撤去部12Eが複数ある場合は、撤去部12E毎に、第1実施形態及び第2実施形態を適宜選択して用いることができる。さらに、これらの柱梁架構改修方法及び改修柱梁架構は、建物の新築時に柱梁架構10を補強するために用いることもできる。
10 柱梁架構
12 柱(既設柱)
24、26B、28、44 補助梁
32 ジャッキ部材(持上げ部材)
34 コンクリートブロック(荷重伝達部材、持上げ部材)
50 繋ぎ梁

Claims (10)

  1. 既設の柱梁架構内にある既設梁を支保工で支持し既設柱を撤去する工程と、
    前記既設柱の撤去部に跨って補助柱と補助梁とを備えた補助架構を設置する、又は、前記撤去部の両隣の既存柱に補助梁を架設する工程と、
    前記撤去部又は前記撤去部の周囲において、前記既設梁の下面と前記補助梁との間にジャッキ部材を設置する工程と、
    前記ジャッキ部材をジャッキアップして前記既設梁を支持する工程と、
    を有する柱梁架構改修方法。
  2. 前記既設梁を前記ジャッキ部材で支持した後、
    前記既設梁の下面と前記補助梁との間に荷重伝達部材を設置する工程を有する請求項1に記載の柱梁架構改修方法。
  3. 既設の柱梁架構内にある既設梁を支保工で支持し既設柱を撤去する工程と、
    前記既設柱の撤去部の両側に、補助柱と、前記既設梁の側面に沿う補助梁と、を備えた補助架構を設置する工程と、
    前記撤去部において、前記既設梁の下面と前記補助梁を繋ぐ繋ぎ梁との間にジャッキ部材を設置する工程と、
    前記ジャッキ部材をジャッキアップして前記既設梁を支持する工程と、
    を有する柱梁架構改修方法。
  4. 前記補助梁は、前記支保工で支持した前記既設梁と直交する方向の前記既設梁に沿って構築される、請求項1~3の何れか1項に記載の柱梁架構改修方法。
  5. 前記補助柱と、撤去されない既設柱とを固定する、請求項1~4の何れか1項に記載の柱梁架構改修方法。
  6. 前記既設柱の撤去部または前記撤去部の周囲の基礎梁から地中へ向かって、地中アンカーを打ち込む工程を有する、請求項1~5の何れか1項に記載の柱梁架構改修方法。
  7. 前記既設柱は、前記既設梁の下面まで撤去する、請求項1~6の何れか1項に記載の柱梁架構改修方法。
  8. 既設の柱梁架構と、
    前記柱梁架構の既設柱が撤去された撤去部に跨って設置され、補助柱と補助梁とを備えた補助架構、又は、前記柱梁架構の既設柱が撤去された撤去部の両隣の既存柱に架設された補助梁と
    設梁の下面と前記補助梁との間において、前記撤去部のみに設けられ、前記既設梁を持ち上げた状態で固定された持上げ部材と、
    を有する改修柱梁架構。
  9. 既設の柱梁架構と、
    補助柱及び補助梁を備え、既設梁の両側面に沿ってそれぞれ設けられた補助架構と、
    前記柱梁架構の既設柱が撤去された撤去部において、前記補助架構の補助梁を繋ぐ繋ぎ梁と、
    前記撤去部において、前記既設梁の下面と前記繋ぎ梁との間に設けられ、前記既設梁を持ち上げた状態で固定された持上げ部材と、
    を有する改修柱梁架構。
  10. 前記既設柱は、前記既設梁の下面まで撤去されている、請求項8又は9に記載の改修柱梁架構。
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