JP7026460B2 - ブレード清掃機構およびそれを用いた布類乾燥装置 - Google Patents

ブレード清掃機構およびそれを用いた布類乾燥装置 Download PDF

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Description

本発明は、布類乾燥装置のフィルタ清掃機構であって、特に清掃ブレードを用いた清掃機構およびそれを用いた布類乾燥装置に関する。
布類乾燥装置における乾燥フィルタを清掃する方式としては、装置内で自動清掃する方式が多く提案されている。特許文献1および特許文献2は、フィルタ上に付着したリントを、回転移動するブレードで掻取る方式である。これらの機械的な清掃方式のほかに、水を利用してフィルタ上のリントを取り除く水清掃方式や、風を本来の方向とは逆の方向からフィルタに吹付けることでフィルタ上のリントを取り除く風清掃方式なども提案されている。
これらの自動清掃方式以外に、特許文献3では、フィルタ部を送風路から着脱可能に構成するとともに、フィルタ近傍にリントを掻き取るためのブレードを配置し、ブレードを手動で動かすことで、フィルタ上のリントを取り除く方式が提案されている。フィルタを着脱して、近傍に常設されたクリーニング機構でフィルタを清掃することで、清掃時の操作性を向上している。
特開2011-130789号公報 特開2013-123444号公報 実開昭60-179296号公報
乾燥フィルタを自動清掃する方式の中では、特許文献1および特許文献2に開示されている可動するブレードでフィルタ上に付着したリントを清掃する機械的方式が、水を利用する清掃方式や風を利用する清掃方式に比較して、構成が簡単で有効な方式である。水を利用する方式は、水を取回すための配管などの機構が必要であるとともに、回収したリントが濡れてしまうため、その取扱いが煩雑になりやすい。また、風を利用した方式では、本来の乾燥風とは逆方向から風をフィルタに吹き付けることが必要であるため、そのための配管やダクト切替機構やファンの設置が必要となる。
これに対して、特許文献1および特許文献2に開示されている機械的な清掃方式では、可動ブレードのみで清掃できる。しかし、可動ブレードによる方式にも課題がある。リントの付着するフィルタは、薄いメッシュ状のフィルタであるために撓みやすく、ブレードを安定に接触させることが難しい。ブレードが安定に接触しなければ、フィルタ上のリントを取除くことはできない。一方で、強くブレードをフィルタに押付けすぎると薄いメッシュ状のフィルタを破損する恐れがある。
そこで、特許文献2では風の力を利用して、ブレードをフィルタ側に付勢する構成が開示されている。この方式でも、板状のブレードとフィルタとの安定接触には課題を残す。フィルタは、ブレードによるクリーニング力や乾燥時風圧などにより、たわみやたるみが生じやすい。このような撓みやたるみが生じたフィルタに付着したリントは、板状ブレードで掻き取ることは難しい。
手動清掃方式である特許文献3も、特許文献1および2と同様の課題を有する。フィルタを着脱したのち、近傍に常設されたクリーニング機構で手動清掃する方式でも、フィルタとブレードとの安定な接触条件を確保することが難しいのは同様である。
本発明の目的は、乾燥フィルタに過剰な負荷を与えることなく、適正な圧力条件で接触させ、安定なリント清掃を実現可能な清掃ブレードおよびそれを用いた布類乾燥装置を提供することにある。
これらの課題を解決するために、本発明のブレード清掃機構は、布類乾燥装置の乾燥風を送風するための送風路に設置されるリント捕獲用のフィルタを清掃するフィルタ清掃機構において、前記フィルタに当接させたブレードを相対的に移動させるブレード清掃機構であって、前記ブレードを保持するブレード保持部を有し、前記ブレードは、弾性体で構成されているとともに、前記ブレードは、前記ブレードの腹部が前記フィルタと面接触するように、前記ブレード保持部と前記フィルタの間隔を構成し、前記ブレードは、前記腹部が当接された状態で、前記フィルタの面に対して平行に移動可能に構成され、前記ブレードの移動方向の反転時に、前記ブレードが略S字状に変形するように、前記ブレード保持部と前記フィルタの間隔を構成し、前記ブレードが圧縮された状態のときの押圧力σ P と略S字状に座屈変形するために必要な応力σ B の関係は以下式1を満たす構成とする。σ P ≧σ B ×(1.05~1.3)(式1)


本発明の構成によれば、乾燥フィルタに過剰な負荷を与えることなく、適正な圧力条件で接触させ、安定なリント清掃を実現可能な清掃ブレードおよびそれを用いた布類乾燥装置を提供できる。
本発明におけるブレード清掃機構が採用可能なフィルタ清掃機構の一実施例を説明する図であり、その取扱いとして、a)布類乾燥装置取付け状態,b)取外し運搬状態,c)取外し廃棄状態を説明する図である。 図1で説明した本発明におけるフィルタ清掃機構の実構造を説明するである。 図2で説明した本発明におけるフィルタ清掃機構の、清掃時操作を説明する図で ある。 本発明におけるフィルタ清掃機構を用いた布類乾燥装置の一実施例を説明する為 の図である。 従来の弾性ブレードを利用したブレード清掃機構を説明する図である。 本実施例のブレードおよびその周辺構造を説明するための図である。 図5のブレード清掃機構を、清掃途中で逆方向に動かした場合のブレードの動き を、説明するための図である。 図6の本実施例のブレード清掃機構を、清掃途中で逆方向に動かした場合のブレードの動きを、説明するための図である。 図6の本実施例のブレード清掃機構を、逆方向に動かした状態から、途中で、清掃方向に戻した場合のブレードの動きを、説明するための図である。 本実施例のブレード清掃機構におけるブレード変形規制部材の効果について説明するための図であり、清掃が困難なリントの清掃を説明する図である。 本実施例のブレード部の詳細構造を説明するための図である。 本実施例のフィルタ清掃機構の一実施例であり、回転可動可能な可動部を備える構成を説明するための図である。
以下、この発明におけるブレード構成によるフィルタ清掃機構、以下より、ブレード清掃機構およびそれを用いた布類乾燥装置の実施形態を説明する。
布類乾燥装置の送風路には、乾燥する布類などの布類から発生したリントと呼ばれる糸くずなどが、流れ込んでしまう。この布類から発生したリントが、糸くずとして、乾燥した布類に再付着することは好ましくない。また、このリントが大量に送風機に流入すると、送風機の故障の原因となってしまう。このため、送風路にはリントを取り除くためのメッシュフィルタが設置される。
布類乾燥装置では、布類に非常に強力な送風を行うことで、短時間に布類乾燥を行う。このため、送風路に流れる送風量も大きく、乾燥する布類の状態にもよるものの、送風路に設置されたフィルタには、比較的短い時間で大量のリントが付着する。フィルタにリントが付着すると、送風効率が低下することから、乾燥の効率も低下し、乾燥に必要な時間が長くなる。加えて、乾燥に要するエネルギーも大きくなってしまう。効率的な布類の乾燥を実現するためには、送風路に設置されたフィルタから、常にリントを除去することが必要である。性能を確保するためにフィルタ清掃は頻繁に行うことが必要であることから、フィルタ清掃作業は、この布類乾燥装置のメンテナンス上の大きな負荷となっている。
本実施例は、このメンテナンス上の大きな負荷を抑制し、布類乾燥装置を常に効率的に動作させることを目的として、簡単な方法で、リントの飛散などの発生しないフィルタ清掃機構を提供するものである。本発明のフィルタ清掃機構は、ブレードによりフィルタを清掃するブレード清掃機構である。
ブレード清掃機構では、比較的簡単な構成でフィルタ清掃を、実現することができる。まず初めに、本実施例のブレード方式を搭載可能なブレード清掃機構について説明する。
図1は、本発明のブレード方式を搭載可能なブレード清掃機構の一実施例を説明である。図はブレード清掃方式の動作や取扱いを示しており、それぞれa)布類乾燥装置取付け状態,b)取外し運搬状態,c)取外し廃棄状態を説明する図である。図中のa)は、送風路1への設置状況を示している。送風路1はその一部のみを紙面に示しており、ハッチング部が送風路からの着脱部分である。送風時の風は、矢印の方向(図中右7から左(下)8)に流れる。送風路のフィルタ5とその上流側の送風路の一部2が一体で送風路1から着脱可能である。図1では、送風路1の断面を示しているために、記載していないが、ハッチング部と同じ長さの紙面手前と奥側の送風路壁面も一体で着脱する。着脱部分は、送風路風上流側に開口部を有し、フィルタ5面と送風路の壁面で構成されるカップ型となる。フィルタ5の一方の端部には、ブレード3とそれを格納する部位4が設けられ、布類乾燥装置の送風路1に取付け、送風を行う状態では、ブレード3はブレード格納部4に保持される。ブレード清掃機構は、ブレードをフィルタに押接させた状態で移動させることで、フィルタに付着したリントを掻取り、清掃する方式である。ブレードを使用しない時つまり、格納時はブレード先端の押接を解除されるように、ブレード格納部4には、深溝が形成されている。
図中のb)は送風路1から、フィルタ5およびブレード部3を取外して持運ぶ時の状況を模式的に示している。本実施例における着脱部分は、カップ型をしていることから、フィルタ5上のリント6が剥がれ落ちにくいとともに、開口部を上面にして持ち運ぶことで、万一フィルタ5からリント6が剥がれ落ちても、カップ内に保持することができる。
図中のc)はフィルタ5からリント6をダストボックス10などへ廃棄する状況を示している。本実施例のカップ型2部分は、フィルタの取り付いている側の壁面2fと清掃機構であるブレードが取り付けられている壁面2bが互いにスライドする構造を有している。フィルタ5を清掃する際には、ダストボックス10上で、カップ型2の開口部を下面にして、フィルタの取り付いている側の壁面2fに対して、ブレードの付いた側の壁面2b(可動部)を下側にスライドさせる。これによって、ブレード3が、フィルタ5面に平行に移動し、フィルタ5上のリント6を掻き取り、ダストボックス10側に廃棄されることになる。本実施例の着脱部が、フィルタ5とブレードスライド機構部で囲まれ、一面に開口部を有するカップ形状をしていることから、ブレード3によりフィルタ5から掻き落とされたリント6が飛び散り難く、開口部からダストボックス10に入れることが可能な構成となっている。
さらに本実施例で説明した実施例の構造では、ブレード3で清掃された後のフィルタ面は、ブレード3の反対側つまり、カップ形状の外側に突き出すようになる。清掃後のフィルタ5が、カップ形状の外側に突き出ることで、フィルタ5面へのアクセスが容易となる。これによって、万一、ブレード3での清掃が不十分な場合においても、フィルタを簡単に清掃することが可能である。
また、図1で示した本実施例のブレード清掃機構構成では、ブレード3に挟まったリント6などの除去なども容易である。この構造では、さらに可動部である壁面2bをスライドさせることで、フィルタ5の取り付いている側の壁面2fと清掃機構であるブレード3が取り付けられている壁面2bを完全に分離できるようにも構成されている。完全な分離を可能な構成にすれば、フィルタ5やブレード3の清掃やメンテナンスが非常に容易になる。衣類乾燥装置におけるフィルタ5に付着するリント6の状態は様々であるので、すべての状況下において、フィルタ5上のリント6を完全に清掃することを保証することは難しい。
ブレード清掃機構は、構造が比較的単純であることから、本実施例のように、フィルタ5やブレード3を分解して、清掃やメンテナンスを容易にする構成を取りやすい方式である。
本実施例では、フィルタ清掃3を手動で行うことを前提で説明した。モータやスイッチなどを設置して、自動で行うことも可能であることは言うまでもない。しかし、これらの自動動作用の部品類は、ブレードクリーニング機構の構造を複雑化させやすいことから、操作性やコスト面などへ配慮して行うことが必要である。
次に、図1で説明した本実施例におけるブレード清掃機構の実応用例を、より実構成に近い形で説明する。図2は、本発明のブレード方式を搭載可能なブレード清掃機構の実構成の一実施例を説明する図である。図は、図1のブレード清掃機構における着脱部分の詳細を説明している。布類乾燥装置に設置時は、矢印7側から送風が流入し、側面および下面に設けられたフィルタ面5から、風が側面矢印8sおよび下面矢印8b方向に送出される。図のフィルタ面5は、フィルタを支える格子状構造体に、フィルタ(半透明)が設置された構造を図示したものである。図2の実施例構造のように、フィルタ面5はカップ型形状の2面に形成することも可能である。カップ型着脱部分は、ブレード3を保持する側2bとフィルタ5を保持する側2fで構成される。また、ブレード保持部の上部は、布類乾燥装置に設置した際の上面蓋11を兼ねており、上側には、着脱用の取手部12が配置されている。
図3は、図2で示した本発明におけるフィルタ清掃機構の一実施例について、清掃時の操作方法を説明する図である。ダストボックス10の上で、フィルタ側壁面2fに対して、清掃機構側壁面2b(可動部)を引下げることで、フィルタ5上に付着したリント6をブレード3で清掃し、ダストボックス10に廃棄する。この時、着脱用の取手部12は、清掃機構側壁面2bを引下げる清掃機構操作用の取手部21としても利用できる。
図1から図3で説明した本発明の実施例では、カップ型形状の開口部に隣接する面側にフィルタ面を配置している。このようにすることで、フィルタ5の清掃時のブレード清掃機構3動作で、リント6を開口部側に押し出すことになり、リントの飛び散りを防止し、安定に、ダストボックス10にリント6を排出できる。本実施例で説明したブレード清掃機構は、比較的単純な構造でフィルタ清掃を実現できる方式である。
図4は、本発明のブレード清掃機構を用いた布類乾燥装置の一実施例を説明するための図である。本発明のブレード清掃機構を用いた布類乾燥装置について説明する。図の装置は、比較的広く用いられている横型回転ドラム式の乾燥装置である。布類は、装置正面に設けられた扉16から、乾燥する布類を回転ドラムに投入する。回転ドラム15は、直結されたモータ17で回転させることで、布類を撹拌するとともに、送風ファン14から送風される空気によって、布類を乾燥する。布類に送風される空気は、図示していないヒータなどによって、乾燥した温風が用いられる。乾燥する空気は、装置内に設けられた送風路1を通って、矢印のルートで循環する。
布類の乾燥機能に加えて、洗濯機能も備えた洗濯乾燥機も、基本的には同様の構成で、回転ドラムに水を給水する吸水口19や排水する排水口18を備えており、洗剤と一緒に、布類を撹拌することで洗浄する。図3の装置は、洗濯機能を有する洗濯乾燥機の模式図であることから、吸水口19や排水口18も記載した。
本実施例のブレード清掃機構は、布類乾燥装置の上部かつ、送風ファン14の前に配置されている。フィルタ5のメンテナンス性などを考慮すると、本実施例のフィルタ清掃機構の設置位置は、図示した布類乾燥装置の上部が最も適切である。特に、洗濯乾燥機など水を回転ドラム15に溜める必要のある装置では、送風ファン14やフィルタ5および清掃機構3は、水の影響のない高い位置に設置することが望ましい。
図4の実施例の布類乾燥装置では、本実施例のブレード清掃機構と送風ファンの間に、もう一つのフィルタ13を配置した。実際には本実施例のフィルタ清掃機構のフィルタ5で、送風路内を流れるリント6はほぼ回収できると考えられるが、本実施例のようなフィルタ5を着脱清掃する機構においては、万一の場合にフィルタ5を破損する可能性もある。また、本実施例のように、送風路の一部2を着脱する構造では、着脱部を着脱したままで送風が行われる可能性もある。実際は、着脱部分が取り外された状態では、送風動作が行われないように、送風路の着脱検知と制御を設けることが必要であるが、検知不良や制御上の誤動作のリスクも考えられる。そのため、本発明の布類乾燥装置の実施例では、フィルタ清掃機構と送風機14の間に、固定フィルタ13を設置する構造を基本としている。
現実には、本実施例のフィルタ清掃機構2を取り付けての送風動作となるので、固定フィルタ13の清掃は、ほぼ必要なく、メンテナンス上の大きな負担にはならない。しかし、送風路にフィルタ13があれば、いずれは上流のフィルタ5から漏れたリント6などが付着堆積して、送風を阻害していく可能性が有る。そこで、本実施例の布類乾燥装置では、固定フィルタ13を本実施例のブレード清掃機構の直近に配置することで、ブレード清掃機構の着脱部12から、清掃しやすいように配慮した。本実施例のブレード清掃機構を、実際に、布類乾燥装置などに適用する際には、このような配慮を行うことは重要となる。
図4の実施例の布類乾燥装置では、カップ型着脱部2の上面は、筐体の外装と一体になる蓋部11が設けられている。カップ型着脱部は、フィルタ側2fとブレード側2bの蓋部分11を組み付けたカップ型形状で装着する必要がある。万一のフィルタ側の装着漏れを防止するためのセンサなどを布類乾燥装置側に設けておくなどの配慮も、布類乾燥装置などに適用する上では必要となる。検出センサなどの構成としては、一般的な機械スイッチや光センサを利用できることから詳細説明は割愛する。また、本実施例構造では、布類乾燥装置に組付け時には、必ず清掃機構部3が前記待機位置4になる構造であることから、布類乾燥装置への取付け時に、清掃機構が送風に悪影響を及ぼすことはない。
このように、ブレード清掃機構を適用すれば、比較的簡単な構成でフィルタの清掃機構を提供でき、メンテナンス性を向上できる。しかしながら、そのようなブレード清掃機構にも、以下の課題がある。
ブレード3によってフィルタ上のリントを掻取る方式であるブレード清掃機構では、ブレードとフィルタを安定に接触させることが必要である。フィルタ面とブレードを安定に接触させるためには、ブレードをフィルタ側に押付けて清掃することが必要である。前記の特許文献(特開2013-123444号)の自動ブレード清掃機構では、風の力を利用して、ブレードをフィルタ面に付勢する方法が開示されている。
前記したようにフィルタは、強力な送風が行われる送風路内に設置される。このため、長い使用期間の間に、フィルタ面に、たるみなどが生じる可能性が高い。加えて、清掃時のブレード押圧力によっても、フィルタ面にゆがみが生じる可能性がある。このため、ブレードとフィルタの接触圧力は、あまり大きくすることはできない。しかし、前記3つの特許文献に代表される従来のブレード清掃機構では、ブレード剛性のために、低い押圧力で安定な清掃性を確保することが困難であった。
このことが、ブレードを用いた布類乾燥装置用の乾燥フィルタ清掃機構の最大の課題である。本実施例のブレード構成を用いた清掃機構では、これらの課題を解決し、ブレードとフィルタを安定化し、安定なクリーニング性能を確保することが可能となる。
ブレード清掃方式は、金属やプラスチックなどの比較的剛性の高い部材を、清掃対象面に押し当て清掃する方式だけでなく、ウレタンなどの弾性を有するゴム材料を、清掃対象に押し付けて清掃する方式もある。コピー機などで用いられる電子写真プリンタにおける感光体の清掃機構として、ウレタンゴムなどによるブレード清掃機構が用いられている。
図5は、これら一般的な弾性ブレードを利用したブレード清掃機構のブレード付近を模式的に表したものである。ブレード3の弾性変形を利用して、ブレード端部のエッジ部分23を清掃対象5に、押付けることで表面を掻き取り清掃する。
図6は、本実施例のブレードおよびその周辺構造を模式的に示したものである。ブレード3は、一般的なブレードクリーナに比較して比較的厚さが薄目で、ゴム硬度の低めのブレードを用いる。本実施例では、厚さが0.5~2mm厚程度で、ゴム硬度が50~70度程度のブレードを用いた。また、ブレード材質はゴム材料を用いる。本実施例のブレードは、洗濯乾燥機の乾燥フィルタ清掃用ブレードとして、耐摩耗性とともに加水分解や洗剤などへの耐薬品性を考慮し、NBR(ニトリルゴム)を用いたが、より耐薬品性が高いEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)も適用可能である。実際のブレードの厚さ,ゴム硬度,ゴム材質は、フィルタへの押圧力とリントの清掃性を鑑みて、決定することが必要である。
図6に示される本実施例のブレード清掃機構では、ブレード3は、ブレード保持部材20で保持されており、ブレードの自由端長に対して、保持位置とフィルタ間の距離24が短く設定されている。本実施例の構成では、ブレード自由端長の60~90%程度の保持位置とフィルタ間の距離24に設定している。これによって、清掃動作時のブレードは、図に示すように清掃方向下流側に大きく座屈変形し、ブレードの腹部とフィルタと接触23した状態となる。このようなブレードとフィルタの接触状態とすることで、比較的低いブレード押圧力でも、乾燥フィルタ上のリントを清掃することが可能であることを確認した。さらに、このようなブレード構成にすれば、フィルタの高さの変化が変化しても、ブレードとフィルタの接触部23長さが変化するだけで、ブレードのフィルタへの接触圧力の変化を抑制することができる。乾燥後のフィルタ上に付着するリントの厚さは、乾燥する布類の状態や量などで大きく変化する。厚くなる場合には、フィルタ上のリントの厚さが数mm程度になることもある。本発明のブレード清掃機構を用いれば、そのような厚いリントを清掃する場合でも、ブレードによるフィルタへの押圧力の増加は少ない。
さらに、図6で示した本発明のブレード清掃機構は、経時的なブレードの摩耗の影響も受けにくい構造である。本発明のブレード清掃機構では、図5のようにブレード端部のエッジ部分23を利用した清掃方式ではなく、図のように、ブレードを清掃方向下流側に大きく座屈変形させ、ブレードの腹部でフィルタと面接触23させることで清掃する。広い面での接触であることから摩耗が少ないとともに、エッジなどと違って、接触条件が変化し難い。さらに、摩耗しても、ブレードにかかる押圧力は、ブレード保持部と接触面間のブレードの座屈変形領域で発生していることから、ほとんど変化することはない。以上の理由により、本発明のブレード清掃機構は、経時的なブレードの摩耗の影響も受けにくい。
さらに、図6で示した本発明のブレード清掃機構は、以上動作時に発生する最大押圧力も小さくすることができる。図5や図6で示したブレード清掃機構では、清掃中のブレードを途中で逆方向に動かしたときに、最大の押圧力がフィルタにかかる。
図7は、図5の一般的なブレード清掃機構を、清掃途中で逆方向に動かした場合のブレードの動きを、模式的に示した図である。図に示すように、清掃途中で逆方向25に動かした場合、ブレードが圧縮される状態26を経由する。このブレードが圧縮された状態26の時に、フィルタへの押圧力は最大となる。この時のブレード押圧力σP(N/m2)は、ブレードのヤング率E(N/m2)とひずみδ(%)から次式となる。
σP=E×δ … 式1
図8は、図6の本発明のブレード清掃機構を、清掃途中で逆方向に動かした場合のブレードの動きを、模式的に示した図である。本発明のブレードは、図に示すように、清掃途中で逆方向25に動かした場合、ブレードがS字変形27することで、圧縮される状態26を経由することなく、ブレードを折り返すことが可能である。このため、本発明のブレード清掃機構は、清掃途中で逆方向に動かした場合でも、フィルタへの押圧力はあまり大きくなることはない。このようにブレードをS字変形27させるためには、ブレードが座屈変形させることが必要である。座屈変形するために必要な応力σBは、オイラーの座屈式と呼ばれ、次式で表される。
σB=(m×π2×E×I)÷(L2×A) … 式2
上式において、mは、両端の固定方法に関する定数で、一端固定のブレードでは、1/4となる。E:ヤング率(N/m2),I:断面二次モーメント(m4),L:ブレード長(m),A:ブレード断面積(m2)である。式1で求められるブレード押圧力σP(N/m2)に対して、式2で求められる座屈変形するために必要な応力σBが、小さい時に座屈変形することになる。実際には、ブレード折返し時に、安定な座屈変形を発生させるためには、座屈変形するために必要な応力σB の5~30%以上のブレード押圧力σPとなるように、ブレードの寸法条件やヤング率Eを決めることが必要であった。
σP≧σB×(1.05~1.3) … 式3
図9は、図6の本実施例のブレード清掃機構を、逆方向に動かした状態から、途中で、清掃方向に戻した場合のブレードの動きを、模式的に示した図である。この場合も、図8で説明した時の同様に、ブレードがS字変形27することで、圧縮される状態26を経由することなく、ブレードを折り返すことが可能である。
以上説明したように、本実施例のブレード清掃機構では、清掃中のブレードを途中で逆方向に動かした場合でも、フィルタに大きな押圧力が発生することはない。清掃途中でのブレードの移動方向の反転は異常操作ではあるが、手動可能なクリーニング機構に適用する場合は、このような異常操作が行われた場合も、問題が生じないような構造にしておくことは、極めて重要である。これによって、本実施例のブレード清掃機構では、ブレードの押圧力が過大になることはなく、フィルタを傷める心配はない。
次に、図10を用いて、本実施例のブレード清掃機構におけるブレード変形規制部材22の効果について説明する。上記で説明したように、本実施例のブレード清掃機構は、低い押圧力でフィルタ上のリントを除去でする方式である。しかしながら、ごくまれにではあるが、長期間フィルタ清掃をしない場合など、低い押圧力のブレードのみでは、清掃が難しい場合がある。本発明のブレード清掃機構では、このような場合を鑑み、ブレード変形規制部材22を設けている。高い付着力のリントが、フィルタに清掃している場合、そのリントを起点に、ブレードで集められた周囲のリントが引っ掛かり、厚いリント部6が形成される。図10は、このようなリント部を、本発明のブレード清掃機構が清掃する状況を示す図である。図に示すように、厚さの厚いリント部分では、ブレードが大きく変形し、ブレード背後に設けられたブレード変形規制部材22に接触し、ブレードの変形が規制される。これによって、ブレードの押圧力は、不連続に増加して、一時的に大きな力でリントを掻きとる。このような構成にすることで、局部的にこびり付いたリントが存在する場合も、一時的に高い押圧力を発生させて、清掃性を確保することができる。こびり付いたリントが清掃っされた後は、ブレード3は、ブレード変形規制部材22から離れることから、本来の低い押圧力に戻る。
以上のように、ブレード3の清掃方向下流側に、ブレードと隙間を開けて、ブレード変形規制部材22を配置することで、最小限のフィルタ押圧力負荷で、高い清掃性を確保できる。また、ブレード変形規制部材22を、弾性体で形成することで、急激な押圧増加を緩やかにできることから、フィルタへの押圧力負荷をさらに低減可能である。
次に、本実施例のブレード清掃機構における段差保持効果について説明する。図6などでも示されるように、本実施例のブレード清掃機構では、ブレードの保持部が、清掃方向下流側保持部20aと上流側保持部20bで段差を持った構造としている。清掃時におけるブレード押圧力に影響を与えるフィルタまでの距離は、概ね、下流側保持部20aとフィルタ5の距離24aで決まる。これに対して、ブレードを戻す際のフィルタまでの距離は、下流側保持部20bとフィルタ5の距離24bで決まる。清掃方向下流側保持部20aと上流側保持部20bに段差を設けることで、清掃方向と戻し方向のブレード押圧力に差を設けることが可能である。本実施例のブレード清掃機構では、保持部材20a,20bの高さ24a,24bに差を設けることで、清掃時のブレード押圧力よりも、戻し時のブレード押圧力が小さくなるように構成している。このようにすることで、フィルタへの負荷が少なくなるだけでなく、ブレード戻し時の操作力が軽くなり、操作性が向上する。さらに、ブレード戻し時は、リント清掃を行わないようにすることも可能である。図1から3で説明した本発明のブレード清掃機構では、ブレードはカップ形状の奥側に格納されることから、戻し動作時にリントを清掃してしまうと、カップの底にリントが溜まってしまう。本発明のブレード清掃機構におけるブレード保持部の段差構造を用いれば、リントを掻きだす清掃方向にブレードが移動するときのみ、リントの清掃を行うようにすることが可能となる。加えて、ブレード戻し時の押圧力を大きく削減できることから、ブレード裏面(非清掃面)の摩耗も抑制でき、ブレード自身の寿命を大幅に伸ばすことを可能とするものである。
図11は、本実施例のブレード部の詳細を説明するための模式図である。大きな面積のフィルタは、たるみなどが発生しやすいことから、一定間隔ごとに支え部材を配置し、その間にフィルタを設けることが一般的である。この支え部材に、ブレードが当たるとフィルタとブレードの接触が不安定になりやすい。特に、本発明のブレードは、フィルタ面への押圧力を小さくしていることから、フィルタ以外の部分にブレードが接触すると接触条件が不安定になりやすい。そこで、本発明のブレード清掃機構では、ブレードの一部に切欠部29を設けてフィルタの支え部材とブレードが接触しないように構成している。これによって、ブレードがより安定にフィルタと接触し、低押圧力でも高い清掃性を確保することができる。
また、本実施例のブレード部には、フィルタと接触する領域に、微細な突起30を形成した。
このような突起を形成することで、フィルタ上のリントと接触する面積が増加し、リントを掻きとりやすくなる。リントを掻きとりやすいブレードほど、清掃時にフィルタへの押圧力を低下できる。図11a)切欠ブレード例のブレードでは、点状の突起を形成した実施例を示しているが、フィルタ上のリントの掻取りを向上できる表面形状としては、鋸刃上の表面にするなど各種形状が考えられる。
また、ブレードの清掃性を向上する突起は、清掃方向にブレードを移動させた際に、フィルタ面と接触する側にのみ配置する。これによって、戻し動作時のブレードがリントを掻取る可能性を抑制できる。
図11のb)スリットブレード例は、フィルタ支え部材との接触による清掃性低下を抑制する他の例を説明している図である。図11のb)スリットブレード例では、a)切欠ブレード例の切欠き構造29ではなく、ブレード先端部に多数のスリット31を形成した。このような構造にすることで、スリットで区切られた細いブレードのうち、フィルタ支え部材と接触した部分のみフィルタとの接触が悪くなるが、その周辺の細いスリットは影響受けることはない。図11のa)切欠ブレード例の切欠構造の場合、切欠部とフィルタの支え部材との位置を正確に合わせておくことが必要であるが、図11のb)スリットブレード例の多数のスリットを形成した構造では、このような多数のスリット構造にすれば、フィルタの支え部材との位置が必要なくなるというメリットがある。また、図11のb)スリットブレード例のブレードは、フィルタと接触する領域に、摩擦抵抗を大きくする表面処理を施した。表面形状のみでなく、表面処理でもリントの清掃性を改善すれば、清掃に必要な押圧力を小さくできる。
また、裏面側にブレード面の摩擦抵抗を小さくし、潤滑性や離形性をよくする表面処理をすれば、戻し動作時のリント掻取りを抑制する効果を大きくできる。
ブレード戻し動作時のリント掻取りを抑制するために、前記したブレード保持部の段差構造と合わせて適用すればさらに、その効果は高くなる。
以上説明した本実施例のブレード清掃機構を適用することで、安定したフィルタ清掃を可能とするものである。
最後に、本発明のブレード清掃機構のその他の構成例を説明する。
12は、本発明のブレード清掃機構の他の実施例であり、回転可動可能な可動部を備える構成を説明するための図である。図中のa)は、送風路1への設置状況を示している。送風路1はその一部のみを紙面に示しており、ハッチング部が送風路からの着脱部分である。送風時の風は、矢印の方向(図中右7から左8)に流れる。送風路のフィルタ5とその上流側の送風路の一部2が一体で着脱可能である。図1では、送風路1の断面を示しているために、記載していないが、ハッチング部と同じ長さの紙面手前と奥側の送風路壁面も一体で着脱する。着脱部分は、送風路風上側(図中下側)に開口部を有し、フィルタ5面と送風路の壁面で構成されるカップ型となる。フィルタ5の一方の端部には、ブレード3とそれを格納する部位4が設けられ、布類乾燥装置の送風路1に取付け、送風を行う状態では、ブレード3はブレード格納部4に保持される。ブレード格納時は、ブレード先端の押接を解除されるように、ブレード格納部4には、深溝が形成されている。
布類乾燥装置から取り外して、ダストボックスまでの持運び時の取り扱いについては、図1のb)と同様に、カップ型2の開口部を上面にして持ち運べば、リント6がカップ内2に安全に保持できることは、前記した説明と同様である。
12中のb)はフィルタ5からリント6をダストボックス10などへ廃棄する状況を示している。本実施例のカップ型2部分は、フィルタの取り付いている側の壁面2fとブレード3が取り付けられている壁面2bが互いに回転可動軸33を中心に回転する構造を有している。フィルタ5を清掃する際には、ダストボックス10上で、カップ型2の開口部を下面にして、フィルタの取付いている側の壁面の取手部21をもって、約90度回転させる。これによって、フィルタ5面は、ブレード3に擦られながら回転することで、フィルタ上のリントが掻き取られ、ダストボックス10側に落下・廃棄される。本発明の着脱部2は、フィルタ5とブレード3を囲む、カップ形状していることから、着脱部搬送時のリント落下を防止するとともに、ブレード3によりフィルタ5から掻き落とされたリント6が飛び散り難く、開口部からダストボックス10に入れることが可能となる。
さらに本実施例の構造では、ブレード3で清掃された後のフィルタ面は、ブレード3の反対側つまり、カップ形状の外側に突き出すようになる。清掃後のフィルタ5が、カップ形状の外側に突き出ることで、フィルタ5面へのアクセスが容易となる。これによって、万一、ブレード3での清掃が不十分な場合においても、フィルタを簡単に清掃することが可能である。また、ブレード3に挟まったリント6などの除去などについても、フィルタの移動した開口面から行う意ことが可能であり、こちらも容易な構造である。
本実施例の構造では、回転可動部で連結されたフィルタ5の取り付いている側の壁面2fと清掃機構であるブレード3が取り付けられている壁面2bを分離できない構成とした。分離できない構造にすることで、衣類乾燥装置への取付け時におけるフィルタ5の取付け忘れなどを防止できる。本実施例の分離できない構造にすることで、前記した、フィルタ側の装着漏れを防止するためのセンサなどを布類乾燥装置側に設けておくことも不要となる。また、この構造においても、モータやスイッチなどを設置して、自動で行うことも可能であるが、前記同様、操作性やコスト面などへの配慮が必要であることは同様である。
以上、説明したように、本実施例のブレード清掃機構およびそれを用いた布類乾燥装置を用いることで、簡単な構成で、リントの飛散などの発生しないフィルタ清掃を実現できる。加えて、通常の清掃動作のみで清掃が不十分であった場合も、フィルタ面やブレードの清掃作業を容易に実施できるブレード清掃機構およびそれを用いた布類乾燥装置を提供することができる。
1 … 送風路
2 … カップ型取外部分(2b:清掃機構側,2f:フィルター側)
3 … ブレード
4 … ブレード格納部
5 … フィルタ(清掃対象)
6 … リント(送風路内で回収される布類から発生するダスト)
7 … 上流側送風方向
8 … 下流側送風方向
9 … 清掃時操作方向(清掃時ブレード移動方向)
10 … ダストボックス
11 … カップ型取外部分の筐体側蓋
12 … カップ型取外部分の取外時の取手部
13 … 固定フィルタ(清掃機構の設置無)
14 … 送風ファン
15 … 布類乾燥(洗濯)用回転ドラム
16 … 布類投入扉
17 … 回転ドラム回転用モータ
18 … 排水口
19 … 給水口
20 … ブレード保持部
(20a … 清掃方向下流側,20b … 清掃方向上流側)
21 … 清掃機構を操作する取手部
22 … ブレード変形規制部材
23 … ブレードとフィルタの接触部
24 … ブレード保持位置とフィルタとの距離
(24a … 清掃方向下流側,24b … 清掃方向上流側)
25 … ブレード戻し方向(清掃時ブレード移動方向と逆方向)
26 … ブレードの圧縮
27 … ブレードのS字変形
28 … フィルタ保持リブ部
29 … ブレード切欠
30 … ブレード清掃面の突起形成領域
31 … ブレードスリット
32 … ブレード清掃面の高摩擦抵抗化処理領域
33 … 清掃機構の回転可動用の回転軸

Claims (1)

  1. 布類乾燥装置の乾燥風を送風するための送風路に設置されるリント捕獲用のフィルタを清掃するフィルタ清掃機構において、
    前記フィルタに当接させたブレードを相対的に移動させるブレード清掃機構であって、
    前記ブレードを保持するブレード保持部を有し、
    前記ブレードは、弾性体で構成されているとともに、
    前記ブレードは、前記ブレードの腹部が前記フィルタと面接触するように、前記ブレード保持部と前記フィルタの間隔を構成し、
    前記ブレードは、前記腹部が当接された状態で、前記フィルタの面に対して平行に移動可能に構成され、
    前記ブレードの移動方向の反転時に、前記ブレードが略S字状に変形するように、前記ブレード保持部と前記フィルタの間隔を構成し、前記ブレードが圧縮された状態のときの押圧力σ P と略S字状に座屈変形するために必要な応力σ B の関係は以下式1を満たすことを特徴とするブレード清掃機構。
    σ P ≧σ B ×(1.05~1.3) (式1)
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