JP7062934B2 - 印刷物 - Google Patents
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本発明で使用する活性エネルギー線硬化型インキ(1)は、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリルアミド、リン酸基を有する(メタ)アクリレート、及びカルボキシル基を有する(メタ)アクリレートからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーAと、活性エネルギー線に不活性な樹脂とを含有する。
なお本発明において(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートとの総称を表し、(メタ)アクリルアミドとは、アクリルアミドとメタクリルアミドとの総称を表す。
また前記モノマーAは、前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)に対し2~98質量%の範囲で含有することが好ましい。もっと好ましくは3~80質量%の範囲であり、最も好ましくは5~60質量%の範囲である。この範囲において、粘度や印刷適性が良好なインキが作製しやすく、また、プラスチック基材に対する良好な密着性を得ることができる。
本発明で使用する活性エネルギー線硬化性モノマー及び又はオリゴマーは、活性エネルギー線硬化性技術分野で使用されるモノマー及び又はオリゴマーであれば特に限定なく使用することができる。特に反応基として(メタ)アクリロイル基、ビニルエーテル基等を有するものが好ましい。また反応基数や分子量にも特に限定はなく、反応基数の多いものほど反応性は高いが粘度や結晶性が高くなる傾向にあり、また分子量が高いものほど粘度が高くなる傾向にあることから、所望の物性に応じて適宜組み合わせて使用することができる。例えばUV-LEDのような低エネルギー照射で好適に硬化させるという点では、より反応性の高い3官能以上の活性エネルギー線硬化性モノマーを組み合わせ、用途に応じて印刷基材への接着性、皮膜の柔軟性等の必要物性を得る為に、適宜単官能、2官能のモノマーを単独もしくは併用することが好ましい。
本発明において活性エネルギー線に不活性な樹脂とは、活性エネルギー線活性基を有さずに活性エネルギー線を照射した際に硬化や重合等を生じない樹脂であり、具体的には、活性エネルギー線活性基を有さないポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂等が挙げられる。中でもポリエステル樹脂が好ましい。
本発明において、活性エネルギー線として紫外線を使用する場合には、光重合開始剤を使用することが好ましい。光重合開始剤としてはラジカル重合型の光重合開始剤が使用される。
具体的には、ベンゾインイソブチルエーテル、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン、ベンジル、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド6-トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルフォスフィンオキシド等が好適に用いられ、さらにこれら以外の分子開裂型のものとして、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オンおよび2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン等を併用しても良いし、さらに水素引き抜き型光重合開始剤である、ベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルスルフィド等も併用できる。
特に光源としてLEDを使用する場合には、LEDの発光ピーク波長を加味して光重合開始剤を選択することが好ましい。例えばUV-LEDを使用する場合に適した光重合開始剤としては、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン)、ビス(2、4、6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド、2,4-ジエチルチオキサントン、2-イソプロピルチオキサントン等が挙げられる。
更に必要に応じて、本発明の目的を逸脱しない範囲、とりわけ保存安定性、耐熱性、耐溶剤性等を保持できる範囲内で、他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、各種のカップリング剤;充填剤等を添加することができる。
本発明で使用する活性エネルギー線硬化型インキは色材を含まなくてもよいし含んでいてもよい。色材を含まない場合、透明の印刷層となり、例えばベタ版で全面に印刷した印刷物は表面コーティング膜として機能する。色材を含む場合、該色材の色インキとして、各種意匠性を発現する。
使用する色剤としては染料、顔料のいずれであってもよいが、印刷物の耐久性の点から顔料を使用することが好ましい。また色材の添加量は本発明で使用する活性エネルギー線硬化型インキ全硬化性成分に対して5~30質量%であることが好ましい。
本発明の印刷物は、基材と、前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)の硬化物である印刷層とを備えた印刷物である。
使用できる基材は特に限定は無く、例えば、上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体、エチレンメタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリ乳酸、ポリカーボネート等のフィルム又はシート、セロファン、アルミニウムフォイル、その他従来から印刷基材として使用されている各種基材を挙げることが出来る。中でも、本発明の効果を十分に発揮するためには、基材として包装材料用の熱可塑性樹脂フィルム等のプラスチック材からなるフィルムを使用することがこのましい。例えば食品包装用として使用される熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレンレテフタレート(PET)フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロン)、ポリアクリロニトリルフィルム、ポリエチレンフィルム(LLDPE:低密度ポリエチレンフィルム、HDPE:高密度ポリエチレンフィルム)やポリプロピレンフィルム(CPP:無延伸ポリプロピレンフィルム、OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム)等のポリオレフィンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体フィルム等が挙げられる。これらは一軸延伸や二軸延伸等の延伸処理を施してあってもよい。またフィルム表面には必要に応じて火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理を施してもよい。
本発明で使用する前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)は、特にPETフィルム、ナイロン、OPPに対する接着性に優れる。
(1)基材上に、前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)の硬化物である印刷層と、色材を含有する活性エネルギー線硬化型インキ(2)の硬化物である印刷層とを、少なくともこの順に有した印刷物や、
(2)基材上に、前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)の硬化物である印刷層と、接着剤層と、シーラントフィルムとを、少なくともこの順に有する印刷物や、
(3)基材上に、前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)の硬化物である印刷層と、色材を含有する活性エネルギー線硬化型インキ(2)の硬化物である印刷層と、接着剤層と、シーラントフィルムとを、少なくともこの順に有する印刷物等が挙げられる。
LED-UVランプより印刷面へ照射される紫外線の積算光量値に関しては、印刷基材上のUV硬化性組成物の種別や印刷層の厚み等により異なる為、厳密には特定出来ず、適宜好ましい条件を選択するものであるが、例えば、積算光量の総和が5~200mJ/cm2程度であり、より好ましくは、10~100mJ/cm2程度である。
着色顔料としてカーボンブラックであるラーベン1060Ultraをインキ全量の15質量%、光重合開始剤としてBASF社製IrgacureTPO(2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイド)10質量%、大同化成工業社製EAB-SS(4,4′-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン)5質量%、MIWON社製MIRAMER M300(トリメチロールプロパントリアクリレート)37.5質量%、固体ポリエチレンワックスであるSHAMROCK社製S-381-N1(25℃にて固体、融点97℃)3質量%、モノマーAとしてフェノールノボラック型エポキシアクリレート5質量%、活性エネルギー線に不活性な樹脂としてポリエステル樹脂22.5質量%、安定剤溶液2質量%を添加した組成物を三本ロールミルにて練肉することで、本発明の印刷物に使われる活性エネルギー線硬化型インキ(1)を作製した。
尚、安定剤溶液は、p-メトキシフェノール(メトキノン、精工化学社製)10質量%を
エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494NS、サ
ートマー社製)90質量%に溶解させた液状混合物である。
調整例2~9、比較調整例1~9についても、調整例1と同様の手順にて表1、表2、表4、表5の配合に従って、活性エネルギー線硬化型インキ(1)を作製した。
調整例10、11についても調整例1と同様の手順にて、表3の配合に従って、活性エネルギー線硬化型インキ(1)を作製した。また、活性エネルギー線硬化型インキ(2)も同様の手順にて作製した。
・不活性樹脂:活性エネルギー線に不活性な樹脂
・MIRAMER SC6300:フェノールノボラック型エポキシアクリレート50質量%とトリメチロールプロパントリアクリレート50質量%の混合物、MIWON社製
・HEAA:ヒドロキシエチルアクリルアミド、KJケミカルズ社製
・カヤマーPM-21:リン酸基含有メタアクリレート、日本化薬社製
・NKエステルA-SA:2-アクリロイルオキシエチルサクシネート、新中村化学社製
・EBECRYL436:塩素化ポリエステル樹脂60質量%とトリメチロールプロパントリアクリレート40質量%の混合物、ダイセル・オルネクス社製
・MIRAMER SC6400:クレゾールノボラック型エポキシアクリレート50質量%とトリメチロールプロパントリアクリレート50質量%の混合物、MIWON社製
・ACMO:アクリロイルモルフォリン、KJケミカルズ社製
・MIRAMER M142:エチレンオキサイド変性フェノールアクリレート、MIWON社製
・MIRAMER M284:ポリエチレングリコール300ジアクリレート、MIWON社製
・TMPTA:トリメチロールプロパントリアクリレート
・ラーベン1060Ultra:カーボンブラック、ビルラカーボン社製
・S-381-N1:ポリオレフィンワックス、SHAMROCK社製
・安定剤溶液:p-メトキシフェノール(メトキノン、精工化学社製)10質量%をエチ
レンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート(SR494NS、サート
マー社製)90質量%に溶解させた液状混合物
・IRGACURE TPO:2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォス
フィンオキサイド、BASF社製
・EAB-SS:4,4-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、大同化成工業社製
(活性エネルギー線硬化型インキ(1)の印刷)
調整例、比較調整例で得た活性エネルギー線硬化型インキ(1)0.15mlを、簡易展色機(RIテスター、豊栄精工社製)を用い、RIテスターのゴムロール及び金属ロール上に均一に引き伸ばした後、基材上に均一に塗布されるように展色し、印刷物を作製した。なおRIテスターとは、紙やフィルムにインキを展色する試験機であり、インキの転移量や印圧を調整することが可能である。使用した基材は以下の3種類である。
PET:二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム「E5102」、厚み12μm、東洋紡製
ナイロン:二軸延伸ナイロンフィルム「ON」、厚み15μm、ユニチカ製
OPP:二軸延伸ポリプロピレンフィルム「P2161」、厚み20μm、東洋紡製
前記手順で得た活性エネルギー線硬化型インキ(1)の印刷物を、アイグラフィックス社製LED-UVランプ(UEL0320-16E-02T、発光波長385nm)を使って硬化させた。LED-UVランプの出力は100%で、コンベアスピードは50m/分で実施した。
実施例10と11においては、前記手順で得た基材上に活性エネルギー線硬化型インキ(1)が硬化された印刷物に、更に、活性エネルギー線硬化型インキ(2)を印刷し硬化させた。印刷、硬化の手順は、活性エネルギー線硬化型インキ(1)と同様である。
各実施例、比較例で作製した印刷物の密着性を、次に示す手順によって評価した。粘着テープ(ニチバン製セロテープ(登録商標)、幅18mm)を約2cmの長さで印刷物に貼り、指で擦ってテープと印刷物の間に残っている空気を抜いた。その後直ちに、テープの端を持って90度上方に引っ張りテープを剥がした。テープが付着していた部分の印刷物の状態を目視にて、次の3段階で評価した。
○:テープが付着していた部分で、基材に残っているインキ皮膜の面積が80%以上
△:テープが付着していた部分で、基材に残っているインキ皮膜の面積が50~80%
×:テープが付着していた部分で、基材に残っているインキ皮膜の面積が50%以下
Claims (6)
- 基材と、少なくとも活性エネルギー線硬化型インキ(1)の硬化物である版を使用した印刷層とを備えた印刷物であって、前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)が、フェノールノボラック型エポキシアクリレート、ヒドロキシエチルアクリルアミド、リン酸基含有メタアクリレート、及び2-アクリロイルオキシエチルサクシネートからなる群から選ばれる少なくとも1つのモノマーAと、ポリエステル樹脂とを含有することを特徴とする印刷物。
- 前記モノマーAを前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)に対し2質量%~98質量%の範囲で含有する請求項1に記載の印刷物。
- 前記ポリエステル樹脂を、前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)に対し2質量%~60質量%の範囲で含有する請求項1または2に記載の印刷物。
- 基材上に、前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)の硬化物である印刷層と、色材を含有する活性エネルギー線硬化型インキ(2)の硬化物である印刷層とを、少なくともこの順に有する請求項1~3のいずれかに記載の印刷物。
- 前記基材が、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリスチレンフィルム又はポリアミドフィルムである請求項1~4の何れかに記載の印刷物。
- 前記印刷物が、前記活性エネルギー線硬化型インキ(1)及び/又は前記活性エネルギー線硬化型インキ(2)を、コーターユニットを使った印刷方式、水なしオフセット印刷方式、凸版印刷方式、またはスクリーン印刷方式で基材に印刷後、ピーク波長が350~400nmであるLED-UVランプで硬化させたものである請求項4に記載の印刷物。
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