JP7086588B2 - 硬化物、光学素子、光学機器及び光学素子の製造方法 - Google Patents

硬化物、光学素子、光学機器及び光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、屈折率の分散特性及び2次分散特性(θg,F)が高い化合物を用いた硬化物、光学素子及び光学機器に関する。
一般に、硝材(ガラス材料)や有機樹脂等からなる光学材料は、短波長側になるにつれ徐々にその屈折率が高くなる。この屈折率の波長分散性を表す指標として、アッベ数(分散特性)(ν)や2次分散特性(θg,F)等が挙げられる。このアッベ数やθg,F値は、それぞれの光学材料固有の値であるが、多くの場合、ある一定の範囲内に収まっている。図2は、従来の光学材料(硝材及び有機材料)の2次分散特性とアッベ数との関係を示す図である。
屈折光学系においては、分散特性の異なる硝材を適宜組み合わせることによって色収差を減らすことが可能である。例えば、望遠鏡等の対物レンズでは分散の小さい硝材を正レンズ、分散の大きい硝材を負レンズとして、これらを組み合わせて用いることで軸上に現れる色収差を補正している。但し、レンズの構成、枚数が制限される場合や使用される硝材が限られている場合等では、色収差を十分に補正することが困難となる場合がある。このような課題を解決する方法の一つとして、異常分散特性を有するガラス材料を活用する方法があり、この方法を利用した光学素子類の設計が行われている。
また、色収差補正機能に優れ、その形状が非球面形状等である光学素子を製造する場合、硝材のみを材料として用いるより、球面ガラス等の硝材の上に有機材料を成形する等の方法が知られている。この方法を用いると、量産性や成形性、形状の自由度、軽量性に優れる光学素子を製造することができるという利点がある。しかし、従来の有機材料の光学特性は、図2に示すように限られた一定の範囲内(2次分散特性[θg,F]が0.700以下)に収まっており、特異な分散特性を示す有機材料は非常に少ない。
特許文献1は、スルホン(メタ)アクリレートを有し2次分散特性(高θg,F特性)を有する化合物及びこの化合物を用いた光学素子を提案している。
特許文献2は、含ヘテロ芳香族化合物が汎用の有機材料だけでなく特許文献1よりも高い2次分散特性を有していることが提案されている。
特開2012-167019号公報 特開2011-136961号公報
しかしながら、特許文献1に示された有機材料は、従来の汎用有機材料よりはθg,F値は高いが、ガラス基材と有機材料の密着性が低いため成形時に割れが発生していた。また、特許文献2に示された有機材料は、θg,F値は非常に高いが、その一方で透過率が非常に低い。
本発明は、以上に述べた背景技術に鑑みてなされたものであり、屈折率の分散特性(アッベ数(ν))及び2次分散特性(θg,F)が高く、内部透過率が高い硬化物及びこの硬化物を用いた光学素子等を提供するものである。
本発明の硬化物は、下記の一般式(1)で表わされる化合物が重合若しくは共重合している、又は下記の一般式(1)で表される化合物が高分子材料に分散していることを特徴とする。
Figure 0007086588000001
(一般式(1)中、R及びRは、下記の一般式(2)乃至(5)から選ばれる一つであり、それぞれ同じであっても異なっていても良い。
Figure 0007086588000002
Figure 0007086588000003
Figure 0007086588000004
Figure 0007086588000005

*は結合手を表す。一般式(2)乃至(5)中、Z乃至Zは、水素、炭素、酸素、硫黄、窒素又はハロゲンを結合原子とする分子量1以上200未満の置換基であって、それぞれ同じであっても異なっていても良い。aは1又は2であり、aが2の場合はZ、Z、Zは同じであっても異なっていても良い。bは1乃至3から選ばれるいずれかの整数であり、bが2又は3の場合、Zは同じであっても異なっていても良い。)
本発明の光学素子は、上記の硬化物が成形されていることを特徴とする。
本発明の光学機器は、上記の光学機器を有することを特徴とする。
本発明の化合物は、上記の一般式(1)で表されることを特徴とする。
本発明の光学素子の製造方法は、基材上又は2つの基材の間に、上記の硬化物を設ける工程と、前記硬化物を成形する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、屈折率の分散特性(アッベ数(ν))及び2次分散特性(θg,F)が高く、透過率特性をもつ硬化物を提供することができる。
本発明の光学素子の例を示す概略図である。 従来の光学材料の2次分散特性とアッベ数との関係を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
[光学組成物、化合物]
まず本発明の光学用組成物について説明する。本明細書において、光学用組成物とは、未硬化の樹脂を硬化して硬化物にする前における、未硬化の化合物と添加物とを含む組成物を言う。本実施形態の光学用組成物は、少なくとも下記の一般式(1)で表わされる化合物を含むことを特徴とする。
Figure 0007086588000006
一般式(1)で表される化合物において、R、Rは、下記一般式(2)乃至(5)から選ばれるいずれか一つの置換基であることが好ましく、それぞれ同じであっても異なっていても良い。芳香族置換基のオルト位に水素以外の置換基があると屈折率特性が低下し、さらに他の材料に対する相溶性が光学用組成物の状態で高くかつ硬化物の状態では密着力が向上するため、これらの置換基が好ましい。
Figure 0007086588000007
Figure 0007086588000008
Figure 0007086588000009
Figure 0007086588000010
*は結合手を表す。一般式(2)乃至(5)中、Z乃至Zは、水素、炭素、酸素、硫黄、窒素又はハロゲンを結合原子とする分子量1以上200未満の置換基であって、それぞれ同じであっても異なっていても良い。aは1又は2であり、aが2の場合はZ、Z、Zは同じであっても異なっていても良い。bは1乃至3から選ばれるいずれかの整数であり、bが2又は3の場合、Zは同じであっても異なっていても良い。)
乃至Zの分子量が大きくなると光学性能が低下し、また、製造時の精製工程で結晶化できなくなり、光学用材料としての純度まで向上させることが難しくなる。従って、Z乃至Zは分子量1以上200未満の置換基であることが好ましい。分子量1以上200未満の置換基で分子量が大きい置換基を選択する場合、硬化物の光学性能を維持するためには、前記一般式(1)の純度や残留溶剤を高度に制御することが好ましい。Z乃至Zは、製造上の難易性を考慮すると、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、クロロメチルオキシ基、ジクロロメチルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、フルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、(メタ)アクリロイルオキシメチル基、2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2、2-ジメチルプロポキシメチル基、4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシメチル基、1-(メタ)アクリロイルオキシエチル基、1-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシ)エチル基、1-(4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシ)エチル基等であることがより好ましい。
乃至Zは、製造上の難易度を考慮すると、水素原子、メチル基、メトキシ基、メチルチオ基、ジメチルアミノ基、(メタ)アクリロイルオキシメチル基、2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2、2-ジメチルプロポキシメチル基、4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシメチル基、1-(メタ)アクリロイルオキシエチル基、1-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシ)エチル基、1-(4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシ)エチル基であることが更に好ましい。
[硬化物]
次に本実施形態の硬化物について説明する。
本実施形態の硬化物は、少なくとも一般式(1)で表される化合物が重合若しくは共重合している、又は一般式(1)で表される化合物が高分子材料に分散していることを特徴とする。
本発明の硬化物は、下記(A)乃至(D)の態様に大別される。
(A)一般式(1)で表わされる化合物が重合している硬化物。
(B)一般式(1)で表わされる化合物と他の共重合可能な重合性材料とが共重合している硬化物。
(C)一般式(1)で表わされる化合物を他の共重合可能重合性材料に分散させ、これらが共重合している硬化物。
(D)一般式(1)で表わされる化合物が他のマトリックスポリマーに分散している硬化物。
[硬化物の製造方法]
また、本発明の硬化物の製造方法は、少なくとも一般式(1)で表わされる化合物を含有する光学用組成物を用意する工程と、前記光学用組成物を重合して硬化させる工程と、を有することを特徴とする硬化物の製造方法である。
本実施形態の硬化物が(A)の硬化物である場合、硬化物は、一般式(1)で表わされる化合物と、重合開始剤とを含有する光学用組成物を重合することで製造される。尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、防カビ剤等をさらに含有させてもよい。
重合開始剤には、光照射によりラジカル種やカチオン種などの活性種を発生するもの、熱によりラジカル種などの活性種を発生するものを用いることができる。
光照射によりラジカル種を発生する重合開始剤としては、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-1-ブタノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキサイド、4-フェニルベンゾフェノン、4-フェノキシベンゾフェノン、4,4’-ジフェニルベンゾフェノン、4,4’-ジフェノキシベンゾフェノン等を用いることができる。
また、光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤としては、ヨードニウム(4-メチルフェニル)[4-(2-メチルプロピル)フェニル]-ヘキサフルオロホスフェート用いることが好ましい。
熱によりラジカル種を発生する重合開始剤としては、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、tert-ブチルパーオキシピバレート、tert-ブチルパーオキシネオヘキサノエート、tert-ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、tert-ブチルパーオキシネオデカノエート、tert-ヘキシルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオデカノエート等の過酸化物を用いることができる。
本実施形態の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合開始剤の添加量は、一般式(1)で表わされる化合物の総質量に対して0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。尚、重合開始剤は1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。尚、一般式(1)で表わされる化合物に対する重合開始剤の添加割合は、光照射量、さらには、付加的な加熱温度に応じて適宜選択してもよい。また、得られる重合体の目標とする平均分子量に応じて、調整してもよい。
重合禁止剤は、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノンモノエチルエーテル、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、ヒドロキノンモノブチルエーテル、ヒドロキノンモノペンチルエーテル、ヒドロキノンモノヘキシルエーテル、ヒドロキノンモノオクチルエーテル、ヒドロキノンモノへプチルエーテル等のヒドロキノン系の重合禁止剤、3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート等の置換基を有するフェノール系の重合禁止剤等を用いることができる。但し、ヒドロキノン等のヒドロキノン系の重合禁止剤、ベンゾキノン等のベンゾキノン系の重合禁止剤は、UV照射で黄変することがあるため好適ではない。
重合禁止剤としては、反応時や保存時の重合抑制剤として上述したものを用いるkとができるがそれらに限定されない。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01質量%以上1.00質量%以下の範囲が好ましい。また、一つの重合禁止剤のみを使用しても良いし2種類以上の重合禁止剤を組み合わせて使用しても良い。着色の少なさを考慮すると具体的にはヒドロキノン系重合禁止剤を組み合わせて利用することが好ましい。
光増感剤は、ベンゾフェノン、4,4-ジエチルアミノベンゾフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2-ジエトキシアセトフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、アシルホスフィンオキサイド等を用いることができる。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。
耐光安定剤は、硬化物の光学特性に大きな影響を及ぼさないものであれば特に制限は無く、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-p-クレゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-[5-クロロ(2H)-ベンゾトリアゾール-2-イル]-4-メチル-6-(tert-ブチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ジ-tert-ペンチルフェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2,2’-メチルレンビス[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)]-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-ドデシル-4-メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系の化合物、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸エチル、2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリル酸 2-エチルヘキシル等のシアノアクリレート系の化合物、トリアジン系の化合物、オクタベンゾン、2,2’-4,4’-テトラヒドロベンゾフェノン等のベンゾフェノン系の化合物等を用いることができる。上記耐光安定剤が光増感剤の役割を果たす場合もあり、その場合には光増感剤は添加しなくても良い。添加量は、光学用組成物に対して、0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。
耐熱安定剤は、硬化物の光学特性に大きな影響を及ぼさないものであれば特に制限は無く、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸の側鎖を有する炭素数7~9のアルキルエステル、4,6-ビス(オクチルチオメチル)-o-クレゾール、4,6-ビス(ドデシルチオメチル)-o-クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)]プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロピオネート等のヒンダードフェノール系の化合物、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系の化合物、ジオクタデシル-3,3’-チオジプロピオネート等の硫黄系の化合物等を用いることができる。添加量は、光学用組成物に対して、0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。
酸化防止剤は、硬化物の光学特性に大きな影響を及ぼさないものであれば特に制限は無く、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル)[[3,5-ビス(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート等のヒンダードアミン系の化合物等を用いることができる。添加量は、光学用組成物に対して、0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。
本実施形態の硬化物が(B)の態様である場合、硬化物は、一般式(1)で表わされる化合物と共重合可能な重合性材料とからなる光学用組成物を重合することで製造される。該光学用組成物中の一般式(1)で表わされる化合物物の含有量は、1.0質量%以上99.9質量%以下が好ましい。硬化物の分散特性及び2次分散特性が光学設計上有用な範囲とするために、一般式(1)で表わされる化合物は、50.0質量%以上99.9質量%以下含有することが好ましい。尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、防カビ剤等をさらに含有させてもよい。
共重合可能な重合性材料としては、例えば(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。例えば、1,3-アダマンタンジオールジメタクリレート、1,3-アダマンタンジメタノールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(2-メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(2-アクリロイルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-(2-メタクリロイルオキシ)フェニル]フルオレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシメチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2-ビス(4-アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、1,1-ビス(4-アクリロキシエトキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-メタクリロキシエトキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-アクリロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-メタクリロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-アクリロキシエトキシフェニル)スルホン、1,1-ビス(4-メタクリロキシエトキシフェニル)スルホン、1,1-ビス(4-アクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、1,1-ビス(4-メタクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、メチルチオアクリレート、メチルチオメタクリレート、フェニルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレンジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル化合物、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、3,9-ジビニルスピロビ(m-ジオキサン)等のビニル化合物、ジイソプロペニルベンゼン等を用いることができるが、これらに限定されない。
共重合可能な重合性材料の添加量は、前記光学用組成物の質量に対して、0.10質量%以上80.00質量%以下の範囲が好ましい。硬化物の分散特性及び2次分散特性が光学設計上有用な範囲になることを考慮すると好ましくは0.10質量%以上30.00質量%以下である。
(B)の態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合開始剤は、(A)の態様において示した重合開始剤を(A)の態様により示した添加割合で用いることが出来る。また、(B)の態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤を用いる場合には、(A)の態様において示したものを(A)の態様により示した添加割合で用いることが出来る。
本発明の硬化物が、(C)の態様の硬化物である場合、硬化物は、一般式(1)で表わされる化合物が共重合可能な重合性材料に分散されている光学用組成物を重合することで製造される。光学用組成物に含有される共重合可能な重合性材料の含有量は、1.0質量%以上99.0質量%以下であることが好ましい。得られる硬化物の分散特性及び2次分散特性、また一般式(1)で表わされる化合物と重合性材料との相溶性を考慮すると、一般式(1)で表わされる化合物の含有量は、50.0質量%以上99.9質量%以下が好ましい。
尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、防カビ剤等をさらに含有させてもよい。
重合性材料としては、硬化物の分散特性及び2次分散特性が光学設計上有用な範囲になるのであれば特に制限はない。具体的には、(B)の態様において示された(メタ)アクリル系モノマー、アリル化合物、ビニル化合物、ジイソプロペニルベンゼン化合物、エポキシ化合物、チイラン化合物等を用いることが出来る。
(C)の態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合開始剤は、(A)の態様において示した重合開始剤を(A)の態様により示した添加割合で用いることが出来る。また、(C)の態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤を用いる場合には、(A)の態様において示したものを(A)の態様により示した添加割合で用いることが出来る。
本発明の硬化物が、(D)の態様の硬化物である場合、硬化物は、一般式(1)で表わされる化合物と、一般式(1)で表わされる化合物で表わされる化合物と分散可能なマトリックスポリマーとからなる光学用組成物を重合或いは成形することで製造される。光学用組成物に含有されるマトリックスポリマー化合物の含有量は、1.0質量%以上99.0質量%以下であることが好ましい。得られる硬化物の分散特性及び2次分散特性、また一般式(1)で表わされる化合物とマトリックスポリマーとの相溶性を考慮すると、マトリックスポリマーの含有量は、1.0質量%以上50.0質量%以下が好ましい。尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、防カビ剤等をさらに含有させてもよい。
マトリックスポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマー;アリル系ポリマー;エチレン単独重合体、エチレンとプロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン等の1種または2種以上のα-オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとの1種または2種以上のランダムまたはブロック共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外の1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン等の1種または2種以上のα-オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体、1-ブテン単独重合体、アイオノマー樹脂、さらにこれら重合体の混合物等のポリオレフィン系樹脂;石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロンMXD等ポリアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル等のスチレン、アクリロニトリル系樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン-ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリケトン樹脂;ポリメチレンオキシド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。これらの樹脂は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。またこれらマトリックスポリマーは、一般式(1)で表わされる化合物との相溶性や硬化物の分散特性及び2次分散特性を考慮した上で適宜選択される。
(D)の態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合開始剤は、(A)の態様において示した重合開始剤を(A)の態様により示した添加割合で用いることが出来る。また、(D)の態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤を用いる場合には、(A)の態様において示したものを(A)の態様により示した添加割合で用いることが出来る。
各種添加剤や汎用モノマー及びマトリックスポリマーとの混合方法は、均一に混合できるのであれば特に制限はない。例えば、溶剤等に全ての材料を混合後、溶剤を除去する方法、材料を加熱して溶融しそのまま混合する方法等を用いることができる。(A)、(B)、(C)の態様の硬化物を得るための光学用組成物を調製する際には、溶剤中で混合する方法が均一になるので好ましい。(D)の態様の硬化物を得るための光学用組成物を調製する際には、マトリックスモノマーの溶剤への低い溶解度を考慮すると材料を加熱してそのまま混合する方法が好ましい。
溶剤を除去する方法としては、光学用組成物中の残留溶剤量が少なくなるのであれば特に制限はなく、減圧留去法や蒸留法等を用いることができる。減圧留去法では、減圧下で重合反応が促進される可能性もあるため、酸素を含んだ気体を流通させながら減圧留去することが好ましい。また蒸留法では、加熱により重合反応が促進される可能性もあるため、重合禁止剤の追加や加熱温度を適宜調整することが好ましい。
本実施形態の光学用組成物を重合し、(A)乃至(D)の態様の硬化物を製造する場合、重合反応は光学用組成物中の重合開始剤により開始される。重合開始剤が光照射により活性種を発生する光重合開始剤である場合、前記光重合開始剤が活性種を発生する好適な波長の光を照射することで、本発明の硬化物の製造を行う。好適な波長の光としては、例えば、紫外光または可視光が挙げられる。また、重合開始剤が加熱により活性種を発生する熱重合開始剤である場合、前記熱重合開始剤が活性種を発生する好適な温度に加熱することで、本発明の硬化物の製造を行う。好適な温度としては、例えば80℃以上180°以下である。
(光学素子、光学素子の製造方法)
次に、本実施形態の光学素子及びその製造方法について図を参照しながら説明する。
本実施形態の光学素子は、上記(A)乃至(D)の態様の硬化物を成形してなることを特徴とする。図2は、本発明の光学素子の例としての光学レンズを示す概略図である。図2(a)の光学素子は、本発明の硬化物を成形加工してなる薄膜(光学部材10)が基材である基材20の片方の面上に設けられている。図2(b)の光学素子は、本発明の硬化物を成形加工してなる薄膜(光学部材10)が2つの基材の間、すなわち基板30と基板40との間に設けられている。
基材20,30,40としては、プラスチック基材やガラス基材や樹脂基材を用いることができる。これらの中で、耐環境性能を考慮するとガラス基材を用いるこが好ましい。ガラス基材を用いることがまたその形状は限定されることはなく、平面、曲面、凹面、凸面、フィルム状であっても良い。
本実施形態の光学素子は、一般式(1)の化合物を含む硬化物を有しているので、高い2次分散性と高い透過率とを両立している。従来、2次分散特性の高い材料は電子供与性置換基や大きな共役構造を有していたが、一般式(1)の化合物は芳香族性ヘテロ環を導入することで電子供与性置換基や大きな共役構造をもたなくても高い2次分散特性を発現する。また、本実施形態の光学素子は、透過率の極端な低下を抑制するとともに、基材と硬化物との密着性が高く割れが発生しにくい。
図1(a)の光学素子を製造する方法としては、例えば、光透過性材料からなる基材上に膜厚の薄い層構造の本発明の硬化物を形成する方法が挙げられる。具体的には、金属材料等からなる型をガラス基板から一定の距離を置いて設け、この型とガラス基板20との間にある空隙に流動性の本発明の光学用組成物を充填する。その後、前記型を軽く抑えることで、型成形を行う。そして型を抑えつけたまま、光学用組成物の重合を行う。重合反応は光照射または加熱により行われる。
光重合により光学用組成物の重合を行う場合、例えば、前記基板として利用する光透過性材料、具体的にはガラス基板20を介して、成形されている光学用組成物のモノマー等の原料に対して、均一に光照射を実施する。照射される光量は、光重合開始剤を利用した反応機構に応じて、また、含有される光重合開始剤の含有比率に応じて、適宜選択される。
前述のように、かかる光重合反応による光学用組成物の硬化物の製造においては、照射される光が型成形されているモノマー等の原料の全体に均一に照射されることがより好ましい。従って、利用される光照射は、基板に利用する光透過性材料、例えばガラス基板を介して、均一に行うことが可能な波長の光を選択することが一層好ましい。この際、光透過性材料の基板上に形成する光学用組成物の厚さを薄くすると、製造時の光照射量が少なく軽量になり、さらに硬化物の熱膨張や吸湿による変形も低減できる光学素子になるので好ましい。
また、熱重合により光学用組成物の重合を行う場合、前記型を加熱することにより光学用組成物の重合を行ってもよく、型成形された光学用組成物をオーブン等の加熱機器中で加熱することで光学用組成物の重合を行ってもよい。加熱温度は、熱重合開始剤を利用した反応機構に応じて、また、含有される光重合開始剤の含有比率に応じて、適宜選択される。
光重合反応による光学用組成物の硬化物の製造と同様に、熱が型成形されている光学用組成物の原料の全体に均一に加えられることがより好ましい。従って、利用される加熱方法は、型成形された光学用組成物を加熱機器中で均一に加熱することが一層好ましい。また、型上に形成する硬化物の厚さを薄くすることで、型を加熱することにより光学用組成物の重合する製造方法でも、光学用組成物を均一に加熱することができる。
図2(b)の光学素子を製造する方法としては、例えば、基板30と基板40との間に、未硬化の本発明の光学用組成物等を流し込み、軽く抑えることで成形を行う。そしてこの状態に保ったまま未硬化の樹脂組成物の光重合を行うことで、硬化物とする。それにより本発明の硬化物が基板30及び基板40に挟まれた光学素子を得ることができる。
また、熱重合法による硬化物の形成を行うこともできる。この場合、全体の温度をより均一とすることが望ましく、光透過性材料の基板上に形成する重合性組成物の硬化物の膜厚を薄くすることが、本発明の光学素子にはより好適なものとなる。
また形成する硬化物を厚くする場合には、膜厚、樹脂成分の光吸収などを考慮した光の照射量、光の照射強度、光源など、及び加熱温度、加熱時間などを適宜選択することで、硬化物を厚くすることが可能である。
一方、本発明の硬化物を上記(C)の態様で用いる場合、該硬化物の成形方法として溶融成形法を用いることができる。溶融成形法を用いることで、低複屈折性、機械強度及び寸法精度等の特性に優れた成形物を得ることができる。溶融成形法としては、プレス成形、押し出し成形、射出成形等が挙げられるが、成形性及び生産性の観点から射出成形が好ましい。
また、成形工程における成形条件は、使用目的または成形方法により適宜選択される。射出成形における硬化物の温度は、150℃から400℃の範囲であることが好ましく、200℃から350℃の範囲であることがより好ましく、200℃から330℃の範囲であることが特に好ましい。前記温度範囲で硬化物を成形することにより、成形時に適度な流動性を樹脂に付与して成形物である本発明の光学素子のヒケやひずみの発生を防止することができる。また、前記温度範囲で硬化物を成形することにより、硬化物の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止し、さらには、光学素子の黄変を効果的に防止することができる。
(光学機器)
本実施形態の光学機器は、例えば光学レンズを有するカメラ、双眼鏡、望遠鏡などに使用できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例に限定されるものではない。
(化合物A~E)
下記化合物A乃至化合物Eは特開2014-43565号公報及び特開2012-167019号公報を参考にして合成した。
Figure 0007086588000011
Figure 0007086588000012
Figure 0007086588000013
Figure 0007086588000014
Figure 0007086588000015
Figure 0007086588000016
Figure 0007086588000017
一例として、化合物Dは下記の合成法で製造した。
ジフェニルスルホン-4,4’-ジイルビス(トリフルオロメタンスルホナート)44g、5-ホルミル-2-フランボロン酸30g、炭酸ナトリウム45g、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル1.6g、1,4-ジオキサン400ml、純水200mlの溶液を脱気した後、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム1.0gを添加し80℃で5時間加熱撹拌し後処理することでカップリング体を得た。得られたカップリング体14gのテトラヒドロフラン400ml、メタノール400mlの混合溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム3.2gを少しずつ添加し、5時間かけて24℃まで昇温した。液体クロマトグラフィーで反応の終点を確認後、水を添加して反応を停止させ後処理することで還元体を得た。得られた還元体の水酸基を2-(2-ブロモエトキシ)テトラヒドロ-2H-ピランと水素化ナトリウムで反応後、酸性水溶液で後処理することで化合物Dの前駆体を得た。化合物Dの前駆体5gの酢酸エチル50ml、ピリジン10ml溶液を0℃に冷却し、メタクリル酸無水物5.6gをゆっくり滴下することで化合物Dを合成した。得られた化合物Dは1HNMRによりその構造を確認した。
H-NMR(CDCl3;TMS):δ 1.92(s、6H)、3.21(t、4H)、4.34(t、4H)、4.58(s、4H)、5.61(s、2H)、6.11(s、2H)、6.70(d、2H)、7.07(d、2H)、7.76-7.78(m、4H)、7.91-7.98(m、4H)
また、前記一般式(1)からなる光学用組成物は、必要な材料全てが溶解する溶剤中で混合し、溶剤を減圧留去して製造した。その際、光学用組成物の重合を抑制するため5%の酸素を含んだ気体を液中に通しながら行った。
(評価サンプルの作製手順)
(1)光学用組成物の調製
一般式(1)で表わされる化合物の含有量が、各実施例または各比較例に示される含有量となるように、それぞれの材料を秤量し混合した。その混合物に対し、0.1質量%の重合禁止剤としての4-メトキシフェノール、1.0質量%の重合開始剤としての1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184/BASF社(旧チバ社)製)を秤量した。上記混合物と秤量した化合物とを、一般式(1)の3倍量のアセトンに全ての材料を溶解させて混合した後、アセトンを留去することで光学用組成物を調製した。残留溶剤量を少なくするため溶媒留去の最終工程は5%の酸素を含んだ気体を液中に通しながら80℃で15分間減圧留去した。
(2)評価用サンプルの作製
(2a)屈折率測定用サンプル
直径30mmの円板型のガラス基板を2枚用意して、測定対象となる重合禁止剤、重合開始剤等を含む前記光学用組成物を、厚さが500μmで均一になるように、スペーサーを設置したガラス基板で挟んだ。サンプルに紫外光を照射することで2枚のガラス基板に挟まっている前記光学用組成物を硬化させ、屈折率測定用サンプルを製造した。
(2b)透過率測定用サンプル
直径30mmの円板型のガラス基板を4枚用意して、測定対象となる重合禁止剤、重合開始剤等を含む前記光学用組成物を、厚さが500μm及び200μmで均一になるように、スペーサーを設置したガラス基板で挟んだ。それぞれのサンプルに紫外光を照射することで2枚のガラス基板に挟まっている前記光学用組成物を硬化させ、透過率測定用サンプルを製造した。
(2c)密着力測定用サンプル
直径30mm、厚さ1mmの円板型のガラス基板、直径15mm、厚さ5mmの円板型のガラス基板を用意して、測定対象となる重合禁止剤、重合開始剤等を含む前記光学用組成物を、厚さ50μmになるようにスペーサーを設置して前記ガラス基板で挟んだ。そこに紫外光を照射することで2枚のガラス基板に挟まっている前記光学用組成物を硬化させ、密着力測定用サンプルを製造した。
(作製サンプルの評価方法)
(2)測定及び評価
(2a)屈折率、分散特性(アッベ数)、2次分散特性(θg,F)
アッベ屈折計(カルニュー光学工業)を用いて測定し、表には波長587.6nmでの屈折率並びに下記式より算出した分散特性及び2次分散特性を示す。
アッベ数(分散特性) :[ν]=(n-1)/(n-n
2次分散特性 :[θg,F]=(n-n)/(n-n
2次分散特性(θg,F)は、下記の基準で評価した。
A:0.75以上(色収差補正効果が非常に高く、また薄膜にしてもその効果を発揮することができるため耐久性の観点においても非常に有用である。)
B:0.68以上0.75未満(色収差補正効果は高いが効果を十分に発揮させるためにはレンズの膜厚を厚くする必要があるため耐久性に注意する必要がある。)
C:0.68未満(膜厚を厚くしても色収差補正効果が低い。)
(2b)透過率
日立ハイテクノロジー社製分光光度計U-4000(製品名)を用いて、500μm、200μmのサンプルをそれぞれ測定した。それぞれのデータから500μmの内部透過率を算出し、波長430nmでの透過率を計算した。透過率は、下記の基準で評価した。
A:透過率が98%以上(硝材と組み合わせて使用する光学系において、数多くの機種の光学系に組み込むことが可能である。)
B:透過率が93%以上98%未満(透過率の高い硝材を使用した特定の光学系においてのみ使用可能である。)
C:透過率が93%未満(薄膜化することで特定の光学系においてのみ使用すること可能である。)
(2c)密着力
治具を使用して直径30mmの基板、直径15mmの基板を固定し、インストロンジャパン製の引張試験機5581を用い、0.1mm/minで引張試験を行うことで樹脂層の密着力を測定し、破断時の最大荷重を求めた。密着性は下記の基準で評価した。
A:最大荷重が140N以上(離型力が高い時でもはがれることなく成形することが可能であり、さらに信頼性試験時でもはがれることがほとんどない。)
B:最大荷重が100N以上140N未満(離型力が高い時に稀にはがれることがあるが信頼性試験時でははがれることがほとんどない。)
C:最大荷重が100N未満(離型時にはがれやすく離型剤を使用することが好ましく、信頼性試験でもはがれることがある。)
(実施例1~7)
表1に記載の添加割合でそれぞれの材料を秤量し、重合開始剤及び重合禁止剤を更に秤量し、上記の方法で調製及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1~3)
表1に記載の添加割合でそれぞれの材料を秤量し、重合開始剤及び重合禁止剤を更に秤量し、前記の方法で調製及び評価を行った。評価結果を表1に示す。
Figure 0007086588000018
本発明の光学素子は、レンズ、プリズムに用いることができる。また、本発明の光学機器は、本発明の光学素子を有する望遠鏡、双眼鏡、カメラ等に用いることができる。
10 光学部材
20、30、40 基板

Claims (12)

  1. 下記の一般式(1)で表わされる化合物が重合若しくは共重合している、又は下記の一般式(1)で表される化合物が高分子材料に分散していることを特徴とする硬化物。
    Figure 0007086588000019

    (一般式(1)中、R及びRは、下記の一般式(2)乃至(5)から選ばれる一つであり、それぞれ同じであっても異なっていても良い。
    Figure 0007086588000020

    Figure 0007086588000021

    Figure 0007086588000022

    Figure 0007086588000023

    *は結合手を表す。一般式(2)乃至(5)中、Z乃至Zは、水素、炭素、酸素、硫黄、窒素又はハロゲンを結合原子とする分子量1以上200未満の置換基であって、それぞれ同じであっても異なっていても良い。aは1又は2であり、aが2の場合はZ、Z、Zは同じであっても異なっていても良い。bは1乃至3から選ばれるいずれかの整数であり、bが2又は3の場合、Zは同じであっても異なっていても良い。)
  2. 前記一般式(2)乃至(5)中、Z乃至Zは、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、(メタ)アクリロイルオキシメチル基、2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2、2-ジメチルプロポキシメチル基、4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシメチル基、1-(メタ)アクリロイルオキシエチル基、1-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシ)エチル基、1-(4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシ)エチル基より選ばれる一つであることを特徴とする請求項1に記載の硬化物。
  3. 前記一般式(2)乃至(5)中、Z乃至Zは、水素原子、メチル基、メトキシ基、メチルチオ基、ジメチルアミノ基、(メタ)アクリロイルオキシメチル基、2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2、2-ジメチルプロポキシメチル基、4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシメチル基、1-(メタ)アクリロイルオキシエチル基、1-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシ)エチル基、1-(4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシ)エチル基より選ばれる一つであることを特徴とする請求項1又は2に記載の硬化物。
  4. 前記一般式(1)で表される化合物を50.0質量%以上99.9質量%以下含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の硬化物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の硬化物が成形されていることを特徴とする光学素子。
  6. 前記光学素子がレンズであることを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記光学素子は、基材の上に前記硬化物が設けられたレンズであることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
  8. 前記光学素子は、2つの基材の間に前記硬化物が設けられたレンズであることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
  9. 請求項5乃至8のいずれか一項に記載の光学素子を有することを特徴とする光学機器。
  10. 下記の一般式(1)で表わされることを特徴とする化合物。
    Figure 0007086588000024

    (一般式(1)中、R、Rは、下記の一般式(2)乃至(5)から選ばれるいずれか一つであり、それぞれ同じであっても異なっていても良い。
    Figure 0007086588000025

    Figure 0007086588000026

    Figure 0007086588000027

    Figure 0007086588000028

    *は結合手を表す。前記一般式(2)乃至(5)中、Z乃至Zは、水素原子、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、(メタ)アクリロイルオキシメチル基、2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2、2-ジメチルプロポキシメチル基、4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシメチル基、1-(メタ)アクリロイルオキシエチル基、1-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシ)エチル基、1-(4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシ)エチル基より選ばれるいずれか一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良い。aは1又は2であり、aが2の場合はZ、Z、Zは同じであっても異なっていても良い。bは1乃至3から選ばれる一つであり、bが2又は3の場合、Zは同じであっても異なっていても良い。)
  11. 前記一般式(2)乃至(5)中、Z乃至Zは、水素原子、メチル基、メトキシ基、メチルチオ基、ジメチルアミノ基、(メタ)アクリロイルオキシメチル基、2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシメチル基、3-(メタ)アクリロイルオキシ-2、2-ジメチルプロポキシメチル基、4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシメチル基、1-(メタ)アクリロイルオキシエチル基、1-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)エチル基、1-(3-(メタ)アクリロイルオキシ-2-メチルプロポキシ)エチル基、1-(4-(メタ)アクリロイルオキシブトキシ)エチル基より選ばれる一つであることを特徴とする請求項10に記載の化合物。
  12. 基材上又は2つの基材の間に、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の硬化物を設ける工程と、
    前記硬化物を成形する工程と、を有することを特徴とすることを特徴とする光学素子の製造方法。
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