JP7116397B2 - 乾燥水電解水素ガスの製造方法及び吸収液 - Google Patents
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Description
水を電解して、水素と原料水由来の水蒸気とを含有する湿潤水電解水素ガスを得る水素生成工程と、
前記湿潤水電解水素ガスと、イオン液体と無機塩とを含有する吸収液とを接触させ前記水蒸気を選択的に前記吸収液に吸収させて、湿度の減少した乾燥水電解水素ガスと水蒸気を吸収した富吸収液とを得る吸収工程と、
前記乾燥水電解水素ガスと、前記富吸収液を気液分離する分離工程と、
を含み、
前記無機塩は、炭素を含まない酸、炭酸、酢酸、蟻酸、シアン酸、又はシアン化水素酸のアニオンと、無機化合物のカチオンとからなる塩(前記イオン液体を除く)である。
前記再生工程は、前記富吸収液と乾燥ガスとを接触させる方法、前記富吸収液を加熱する方法、及び/又は前記富吸収液を減圧する方法、であると好ましい。
前記無機塩は、炭素を含まない酸、炭酸、酢酸、蟻酸、シアン酸、又はシアン化水素酸のアニオンと、無機化合物のカチオンとからなる塩(前記イオン液体を除く)である。
本発明に係る水素生成工程では、水を電解して、水素と原料水由来の水蒸気とを含有する湿潤水電解水素ガスを得る。水の電解方法は、水素が発生する方法であれば特に限定されないが、アルカリ水電解、固体高分子型水電解、高温水蒸気電解などが挙げられる。
本発明に係る吸収工程では、前記の水素生成工程で得られた湿潤水電解水素ガスと、吸収液とを接触させる。本発明に用いる吸収液は、有機塩のイオン液体と無機塩とを含有する。湿潤水電解水素ガス中の水蒸気は、吸収液に選択的に吸収され、湿度の減少した乾燥水電解水素ガスと、水蒸気を吸収した富吸収液が得られる。本明細書では、水蒸気を吸収した吸収液を、吸収前の吸収液と区別するために「富吸収液」あるいは「水リッチな吸収液」と呼ぶことがある。
本発明に用いるイオン液体は、カチオンとアニオンからなり、100℃、大気圧で液体の塩である。本発明に係るイオン液体は、特に室温(25℃)で液体であると好ましい。すなわち、本発明に係るイオン液体の融点は、100℃以下であれば特に限定されないが、50℃未満であると好ましく、25℃未満であるとより好ましく、10℃未満であると特に好ましい。このイオン液体には、微量の水分を含むことで融点が100℃以下になるものも含むことができる。また、本発明に係るイオン液体の融点の下限は、特に限定されない。なお、イオン液体は融点以下でも過冷却となり液体状態をとることが多く、そのような液体状態を保持できれば融点が高くとも限定されない。
本発明に係る無機塩は、無機化合物のアニオンと無機化合物のカチオンとからなる塩であり、前述のイオン液体を除く化合物である。具体的には、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、クロム酸などの炭素を含まない酸、炭酸、酢酸、シアン酸、シアン化水素酸などの無機酸のアニオンと、金属イオンのカチオンとからなる塩であって、100℃、大気圧で非液体の化合物が挙げられる。
本発明に係る吸収液中のイオン液体と無機塩との組み合わせは特に限定されないが、無機塩がイオン液体に均一に溶解しうる無機塩であると好ましく、無機塩がイオン液体中に使用温度で均一に溶解または分散しうるものであるとより好ましい。具体的には、イオン液体としてのメチルトリブチルホスホニウム ジメチルホスフェートと、無機塩としての酢酸リチウム、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、塩化リチウム、硝酸カルシウム、硝酸リチウム又は臭化リチウムの組み合わせが好ましく、イオン液体としてのメチルトリブチルホスホニウム ジメチルホスフェートと、無機塩としての酢酸リチウム、塩化カルシウム又は塩化リチウムの組み合わせがより好ましい。
本発明に係る分離工程は、前記吸収工程で湿度の減少した乾燥水電解水素ガスと、水蒸気を吸収した富吸収液を気液分離する。吸収液に含まれるイオン液体及び無機塩は、水蒸気を吸収し、かつ蒸気圧が低いので、気液分離して、富吸収液を除くだけで乾燥水電解水素ガスが得られる。
本発明の乾燥水電解水素ガスの製造方法は、前述の分離工程で得られた富吸収液を再生させる再生工程を含むことができる。
本発明の乾燥水電解水素ガスの製造方法について、図を用いて説明するが本発明はこれに限定されない。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。圧力は、特に断りのない限り絶対圧である。
大気圧下で、露点計(ロトロニック社製;工業用温湿度変換器HF533-WAA3D14X・耐圧型プローブHC2-IE102-M、東京光電子工業株式会社製;鏡面式露点計DPH-703A)を用いて、露点を測定した。
各種の吸収液を用いて、その水蒸気吸収量を測定した。測定は、乾燥空気で充填した恒温恒湿器内に、所定の質量の吸収液(イオン液体及び無機塩)をサンプル瓶に入れて設置する。その後、吸収液を攪拌子で攪拌しながら、恒温恒湿器に所定の温度で所定の湿度の空気を通気して吸収液に接触させ、所定の時間間隔で吸収量の質量変化を測定した。吸収液の質量変化が無くなった時点を飽和状態とみなし、水蒸気吸収量wH2O(g/g-吸収液)を求めた。ここで、「g-吸収液」は、特に断りの無い限り、吸収液の質量である。温度及び相対湿度の条件は、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)で行った。なお、イオン液体及び無機塩への水素の吸収量と、空気の吸収量は、いずれも水分の吸収量に比べて無視できる程度のものである。また、湿潤水素と湿潤空気における水蒸気吸収量の差がない。そのため、湿潤空気の水蒸気吸収量を測定することで、湿潤水素の除湿効果を確認することができる。
乾燥空気雰囲気下で、攪拌子を入れた蓋付きサンプル瓶(容量9ml)に、無機塩としての酢酸リチウム0.5084gを入れ、イオン液体としての、下式で示される、メチルトリブチルホスホニウム ジメチルホスフェート(日本化学工業株式会社製、ヒシコーリンPX-4MP、化学式[(n-C4H9)3P+(CH3)][(MeO)2PO2 -])0.5080gを加えて、酢酸リチウムが完全に溶解するまで攪拌し、均一溶液の吸収液E1を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:1)。
無機塩としての酢酸リチウムの質量を0.5042gに変え、イオン液体のPX-4MPの質量を0.2523gに変えた以外は、実施例1と同様にして、吸収液E2を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:2)。調製した吸収液E2について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表1に示す。また、吸収液E2を調製する前の酢酸リチウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図7、8に示す。吸収液E2を調製する前の酢酸リチウムは、白色固体であった。吸収液E2は、約25℃の場合、湿度50%RHのときは固体が残っていた。湿度70%RH及び湿度90%RHのときは吸収液は透明な均一溶液になった。さらに、吸収液E1は、約80℃の場合、湿度30%RHのときは透明な均一溶液になり、湿度50%RHのときはゲル状になり、湿度90%RHのときは、固体になった。このように特定の条件で固体になる組成比の場合、固体にならない条件下で、吸収液の移送を行うことができる。
無機塩の酢酸リチウムの質量を0.6203gに変え、イオン液体のPX-4MPを0.2063gに、た以外は、実施例1と同様にして、吸収液E3を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:3)。調製した吸収液E3について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表1に示す。また、吸収液E3を調製する前の酢酸リチウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図7、8に示す。吸収液E3を調製する前の酢酸リチウムは白色固体であった。また、吸収液E3は、約25℃の場合、湿度50%RH及び湿度70%RHのときは固体が残っていた。湿度90%RHのときは透明な均一溶液になった。さらに吸収液E3は、約80℃の場合、湿度30%RHのときは透明な均一溶液になり、湿度50%RHのときは固体が残り、湿度90%RHのときは固体になった。
無機塩としての酢酸リチウムを、塩化カルシウム0.4181gに変え、イオン液体のPX-4MPを、PX-4MP0.4180gに変えた以外は実施例1と同様にして吸収液E4を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:1)。調製した吸収液E4について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表1に示す。また、吸収液E4を調製する前の塩化カルシウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図7、8に示す。吸収液E4を調製する前の塩化カルシウムは白色固体であった。また、吸収液E4は、約25℃の場合、湿度50%RHでは固体が残っており、湿度70%RH、湿度90%RHでは透明な均一溶液になった。また、吸収液E4は、約80℃の場合、湿度30%RHでは白濁溶液となり、湿度70%RH及び湿度90%RHでは固体になった。
無機塩としての酢酸リチウムを、硝酸カルシウム0.4141gに変え、イオン液体のPX-4MPを0.4148gに変えた以外は、実施例1と同様にして、吸収液E5を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:1)。調製した吸収液E5について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表1に示す。また、吸収液E5を調製する前の硝酸カルシウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図7、8に示す。吸収液E5を調製する前の硝酸カルシウムは白色固体であった。また、吸収液E5は、約25℃の場合、湿度50%RH及び湿度70%RHのときは固体が残っており、湿度90%RHのときは透明な2層の溶液になった。また、吸収液E5は、約80℃の場合、湿度30%RHでは黄色の2層の溶液となり、湿度70%RH及び湿度90%RHでは固体になった。
無機塩としての酢酸リチウムを、酢酸カルシウム0.4141gに変え、イオン液体のPX-4MPを0.4148gに変えた以外は、実施例1と同様にして、吸収液E6を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:1)。調製した吸収液E6について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表1に示す。また、吸収液E6を調製する前の酢酸カルシウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図7、8に示す。吸収液E6を調製する前の硝酸カルシウムは白色固体であった。また、吸収液E6は、約25℃の場合、湿度50%RH、湿度70%RH及び湿度90%RHのときは固体であった。また、吸収液E6は、約80℃の場合、湿度30%RHでは黄色の2層の溶液となり、湿度70%RH及び湿度90%RHでは固体になった。
無機塩としての酢酸リチウムを、塩化リチウム0.402gに変え、イオン液体のPX-4MPを0.4013gに変えた以外は、実施例1と同様にして、吸収液E7を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:1)。調製した吸収液E7について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表1に示す。また、吸収液E7を調製する前の塩化リチウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図7、8に示す。吸収液E7を調製する前の塩化リチウムは白色固体であった。また、吸収液E7は、約25℃の場合、湿度50%RH、湿度70%RH及び湿度90%RHのいずれの場合も均一な溶液であった。また、吸収液E7は、約80℃の場合、湿度30%RHでは均一で透明な溶液となり、湿度70%RH及び湿度90%RHでは固体と液体の混合物であった。
トリエチレングリコール(以下「TEG」と略記することがある)を吸収液R1として用い、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表1に示す。表1の吸収量は、TEG単位質量当たりの水蒸気吸収量を示す。なお、80℃の条件では、吸収液が揮発し吸収量は測定できなかった。吸収液R1、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図7、8に示す。水蒸気を吸収する前の吸収液R1は無色の液体であった。また、約25℃の場合、湿度50%RH、湿度70%RH、及び湿度90%RHのときは、透明な無色の液体であった。
イオン液体としての、下式で示されるテトラブチルホスホニウム o,o-ジエチルホスホロジチオエート(日本化学工業株式会社製、ヒシコーリンPX-4ET、化学式[(n-C4H9)4P+][(C2H5O)2PSS-])を吸収液R2として用い、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表1に示す。表1の吸収量は、PX-4ET単位質量当たりの水蒸気吸収量を示す。
無機塩を用いない以外は、実施例1と同様にして、吸収液R3(イオン液体のみ)を調製した。調製した吸収液R3について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表1に示す。水蒸気を吸収する前の吸収液R3は無色の液体であった。また、約25℃の場合、湿度50%RH、湿度70%RH及び湿度90%RHのいずれのときも、透明な無色の液体であった。また、吸収液R3は、約80℃の場合、湿度30%RH、湿度70%RH及び湿度90%RHのいずれのときも、透明な無色の液体であった。
以上の結果から、カルシウム塩、リチウム塩などの無機塩を添加すると、水蒸気吸収量が増加することがわかった。水分吸収量については、実施例4(PX-4MP+CaCl2=1:1)が最も水蒸気吸収量が多く、続いて実施例7(PX-4MP+LiCl=1:1)、実施例2(PX-4MP+CH3COOLi=1:2)、実施例3(PX-4MP+CH3COOLi=1:3)、実施例1(PX-4MP+CH3COOLi=1:1)、実施例5(PX-4MP+Ca(NO3)2=1:1)の順に水蒸気吸収量が増加したことがわかる。イオン液体とTEGの比較を行うと、比較例3(PX-4MP)のほうが比較例1(TEG)よりも水分吸収量が多く、比較例2(PX-4ET)はほとんど水蒸気を吸収していないことがわかる。イオン液体に酢酸リチウムを添加する場合、混合割合が、PX-4MP:CH3COOLiで、1:1(実施例1)のときより1:2(実施例2)及び1:3(実施例3)のほうが水蒸気吸収量が多く、湿度の依存性も高かった。1:2(実施例2)は、1:3(実施例3)よりわずかに吸収量が多かった。
次に、無機塩の割合に対する水蒸気吸収量について検討を行った。
無機塩としての酢酸リチウムを、塩化リチウム0.4524gに変え、イオン液体のPX-4MPを0.2272gに変えた以外は、実施例1と同様にして、吸収液E8を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:2)。調製した吸収液E8について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表2に示す。また、吸収液E8を調製する前の塩化リチウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図11に示す。吸収液E8を調製する前の塩化リチウムは白色固体であった。また、吸収液E8は、約25℃の場合、湿度50%RH、湿度70%RH、及び湿度90%RHのとき、透明な均一溶液になった。また、吸収液E8は、約80℃の場合、湿度30%RH及び湿度70%RHでは白濁溶液となり、湿度90%RHでは透明な均一溶液になった。
無機塩としての酢酸リチウムを、塩化リチウム0.7991gに変え、イオン液体のPX-4MPを0.2655gに変えた以外は、実施例1と同様にして、吸収液E9を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:3)。調製した吸収液E9について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表2に示す。また、吸収液E9を調製する前の塩化リチウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図11に示す。吸収液E9を調製する前の塩化リチウムは白色固体であった。また、吸収液E9は、約25℃の場合、湿度50%RH、湿度70%RH及び湿度90%RHのとき、透明な均一溶液になった。また、吸収液E9は、約80℃の場合、湿度30%RH及び湿度70%RHでは白濁溶液となり、湿度90%RHでは透明な均一溶液になった。
無機塩としての酢酸リチウムを、塩化カルシウム0.6018gに変え、イオン液体のPX-4MPを0.3007gに変えた以外は、実施例1と同様にして、吸収液E10を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:2)。調製した吸収液E10について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表2に示す。また、吸収液E10を調製する前の塩化カルシウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図11に示す。吸収液E10を調製する前の塩化カルシウムは白色固体であった。また、吸収液E10は、約25℃の場合、湿度50%RH、湿度70%RH及び湿度90%RHのとき、透明な均一溶液になった。また、吸収液E10は、約80℃の場合、湿度30%RHのとくは固体となり、湿度70%RHのときは2層となり、湿度90%RHのときは透明な均一溶液になった。
無機塩としての酢酸リチウムを、塩化カルシウム0.6375gに変え、イオン液体のPX-4MPを0.2078gに変えた以外は、実施例1と同様にして、吸収液E11を調製した(質量比;イオン液体:無機塩=1:3)。調製した吸収液E11について、約25℃(相対湿度約50%、約70%、約90%)及び約80℃(相対湿度約30%、約50%、約70%、約90%)の条件で水蒸気吸収量の測定を行った。測定結果を表2に示す。また、吸収液E11を調製する前の塩化カルシウム、各温度、湿度下での飽和状態における目視による外観を図11に示す。吸収液E11を調製する前の塩化リチウムは白色固体であった。また、吸収液E10は、約25℃の場合、湿度50%RH、湿度70%RH及び湿度90%RHのとき、透明な均一溶液になった。また、吸収液E11は、約80℃の場合、湿度30%RHのときは固体になり、湿度70%RHのときは2層になり、湿度90%RHでは透明な均一溶液になった。
図14に示す除湿装置を用いて、各種の条件で水電解水素ガスの除湿を行った。図14に示す除湿装置は、水電解装置(不図示)と、水電解水素ライン27、加湿塔28、富吸収液33用の流量計30、再生塔31、再生した吸収液34用の送液ポンプ32を備える。水電解装置(不図示)で発生した水電解水素ガスは、露点の確認後、水電解水素ライン27を通して加湿塔28に供給する。加湿塔28では、除湿性能を評価するため温度10℃で飽和湿度まで加湿する。吸収塔29では、加湿された湿潤水素と吸収液34とを所定の温度で接触させる。吸収塔29で水分を吸収した富吸収液33を、流量計30で流量調整し、再生塔31へ移送する。再生塔31では、富吸収液33と乾燥窒素を接触させて、吸収液34を再生させる。再生した吸収液34は、送液ポンプ32で流量を調整して吸収塔29へ循環させる。
なお、下記の実験では、イオン液体単独、エチレングリコール単体の吸収液を用いているが、本願発明の吸収液を用いて同様に行う事で、より効率的に水電解水素ガスの除湿を行う事ができる。
水電解水素ガスを、流量2L/min、圧力0.30MPaGで水電解水素ライン27に供給し、加湿塔温度を10℃、吸収塔温度を25℃、吸収塔圧力を0.30MPaG、吸収塔液量を500mL、再生塔液量を500mL、吸収液をイオン液体PX-4MPに固定し、再生塔の温度を約60℃~100℃、再生塔の圧力を、-50kPaG~0kPaG、乾燥窒素流量を100~500mL/min、吸収液の循環量を2~5mL/minの範囲で表3に示す条件で除湿試験を行った。より具体的には、1)露点計へ乾燥させた水電解水素ガスを流し、乾燥水素の露点を測定し、次いで、2)露点計へ加湿塔28からのラインを切り替え、加湿水素の露点を測定し露点が10℃程度であることを確認し、次いで3)露点計へ吸収塔29からのラインを切り替え(すなわち、水電解水素ガスを水電解水素ライン27で加湿塔28に導入して加湿し、更に吸収塔29に導入し)、吸収液による除湿を行い、除湿水素の露点を経時的に測定し、露点が一定になった時点の露点を除湿水素の露点とした。結果を表3に示す。また、吸収液中の水分量を測定した。結果を表3に示す。
次に、吸収液としてイオン液体PX-4MP及びTEGを用いて比較を行った。
(固定条件)水素流量を2L/min、加湿塔温度を10℃、吸収塔温度を25℃、吸収塔圧力を0.30MPaG、吸収塔液量を500mL、再生塔液量を500mLに固定し、表4に示す条件で、除湿試験1と同様にして除湿試験を行った。結果を表4に示す。
2 ・・・湿潤水素
3 ・・・マスフローコントローラ(MFC)
4 ・・・三方弁
5 ・・・吸収塔
6 ・・・吸収液
7 ・・・三方弁
8 ・・・トラップ
9 ・・・静電容量式露点計
10・・・鏡面式露点計
11・・・乾燥水素
12・・・富吸収液
13・・・流量計
14・・・再生塔
15・・・送液ポンプ
16・・・トラップ
17・・・真空ポンプ
18・・・排気口
19・・・乾燥窒素ボンベ
20・・・流量計
21・・・乾燥窒素
22・・・湿潤窒素
23・・・排気口
24・・・T字コネクター
25・・・マスフローコントローラ(MFC)
26・・・コンプレッサ
27・・・水電解水素ライン
28・・・加湿塔
29・・・吸収塔
30・・・流量計
31・・・再生塔
32・・・送液ポンプ
33・・・富吸収液
34・・・吸収液
Claims (10)
- 水を電解して、水素と原料水由来の水蒸気とを含有する湿潤水電解水素ガスを得る水素生成工程と、
前記湿潤水電解水素ガスと、イオン液体と無機塩とを含有する吸収液とを接触させ前記水蒸気を選択的に前記吸収液に吸収させて、湿度の減少した乾燥水電解水素ガスと水蒸気を吸収した富吸収液とを得る吸収工程と、
前記乾燥水電解水素ガスと、前記富吸収液を気液分離する分離工程と、
を含み、
前記無機塩は、炭素を含まない酸、炭酸、酢酸、蟻酸、シアン酸、又はシアン化水素酸のアニオンと、無機化合物のカチオンとからなる塩(前記イオン液体を除く)である、乾燥水電解水素ガスの製造方法。 - 前記無機塩は、前記イオン液体に均一に溶解しうる無機の塩であり、前記イオン液体に対する前記無機塩の含有量は、前記イオン液体の常温における溶解度以下である、請求項1に記載の乾燥水電解水素ガスの製造方法。
- 前記無機塩は、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、硝酸リチウム又は硝酸カルシウムである、請求項1又は2に記載の乾燥水電解水素ガスの製造方法。
- 前記イオン液体は、ホスホニウム類とリン酸エステルイオンとからなる塩である、請求項1から3のいずれか1項に記載の乾燥水電解水素ガスの製造方法。
- 前記富吸収液から水分を除去して前記吸収液を再生させる再生工程を更に含み、
前記再生工程は、前記富吸収液と乾燥ガスとを接触させる方法、前記富吸収液を加熱する方法、及び/又は前記富吸収液を減圧する方法、である、請求項1から5のいずれか1項に記載の乾燥水電解水素ガスの製造方法。 - 前記再生工程は、前記富吸収液と乾燥ガスとを接触させる方法であり、前記乾燥ガスは、前記分離工程で気液分離された前記乾燥水電解水素ガスの一部である、請求項6に記載の乾燥水電解水素ガスの製造方法。
- 前記再生工程は、100℃以下で行う、請求項6又は7に記載の乾燥水電解水素ガスの製造方法。
- 前記無機塩は、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、硝酸リチウム又は硝酸カルシウムである、請求項9に記載の吸収液。
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