以下、本開示の物流部材分配方法について、実施の形態を示す図面に基づいて説明する。以下の例では、物流部材分配方法、物流部材分配システムが適用された物流システムを例に挙げて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本開示の物流部材分配システム200の概要を示す図である。物流部材分配システム200は、物品、例えば農作物を輸送する輸送機器1と、トランスファーセンター(TC)であるベース(拠点)センター2と、ディストリビューションセンター(DC)である集配センター3とを含む物流システム100に適用されている。物流システム100は、中央サーバ4の処理に基づいて運用される。中央サーバ4は、輸送機器1、ベースセンター2、及び、集配センター3と通信接続が可能である。中央サーバ4は、生産者又は製造者、集配センター3のオペレータが使用する端末装置5と通信接続が可能である。
輸送機器1は、搬送トラック、列車、輸送機、船舶等の乗り物(vehicle )である。輸送機器1は自動運転によって走行する搬送ロボットであってもよい。
ベースセンター2は、物流における所謂幹線に設けられた通過型センターであり、港、空港、貨物駅、道路網におけるインターチェンジ(IC)等、輸送機器1の拠点となる場所に設置される。ベースセンター2は例えば所定の距離毎に設けられる。
集配センター3は、生産者若しくは製造者の拠点から輸送対象の物品を収集して、ベースセンター2へ向けて輸送するか、又は、逆に、ベースセンター2から荷を受けて保管し、エンドユーザへ向けて物品を輸送する拠点となる卸、若しくは配送センターに相当する。集配センター3は、ベースセンター2に対して複数設けられるとよい。集配センター3は、小売業者である荷受人によって管理されていてもよい。集配センター3がベースセンター2へ向けて輸送する物品を収集する場合、集配センター3にて物品がパレットPに積み付けられてもよい。
本開示では、異なるベースセンター2間の幹線輸送ではなく主に生産者又は製造者から集配センター3、集配センター3からベースセンター2へ、幹線輸送後のベースセンター2から集配センター3への輸送機器1による荷物の輸送と、輸送に伴って使用されるパレットPの分配とについて説明する。幹線輸送については、特許文献1,2に提案されたパレットPを用いた輸送を実施することが好ましい。
ベースセンター2を中心とする物流システム100では、輸送対象物は物流部材に積み付けられて搬送される。物流部材は、具体的にはパレットP及び小型コンテナCである。以下の説明ではパレットPに絞って説明するが小型コンテナCも同様に扱われるとよい。物流部材は更に、フレキシブルコンテナ、所謂フレコンであってもよいし、鉄コンテナであってもよいし、段ボール箱であってもよい。その他、物流で物品を載置させたり、収容させたりするために使用される袋、板材、箱材は物流部材に含まれる。
従前からパレットを用いた輸送に対する取り組みがなされている。パレット単位での搬送によって積み替え作業を削減することができる。しかしながら従来のパレット輸送では、生産者若しくは製造者が所有したパレットを使用したり、パレットレンタル業者から供給されたパレットを使用したりしてきた。このような従来のパレット輸送では、所有していたパレットを用いた出荷物を荷受した卸での回収が困難であったり、パレット専用の回収システムが必要となってパレット代金の負担が発生したりする。パレットを用いた物品の出荷者から荷受人までの距離が長い場合、回収には同距離を走行するか、パレットレンタル業者が多数の拠点を持つ必要がある。パレットは物品と同様に都市へ集まるが消費はされないので、都市から出荷者へ戻すパレットのみの流通が必要となり、コスト負担増になる。このような事情によって、パレットを用いた輸送の十分な普及には至っていないのが現状である。そこで本開示の物流部材分配システムでは、パレットを輸送機器1と共にシェアする。このため中央サーバ4は、輸送機器1の配車、輸送経路を決定する処理と共にパレットPの適切な配置をコントロールする。
パレットPの適切な配置は具体的には、以下のように実現する。パレットPには個々にパレット識別情報が付されている。図1及び以下の説明では、パレット識別情報は簡易に、アルファベットと数字の組み合わせ、例えば「a-1 」で表現される。中央サーバ4は、パレット識別情報に対応付けてパレットPが夫々、どのような状態にあるかを記憶したデータベースを有し、逐次更新する。状態とは例えば、空状態及び物品が載置された状態の2つの状態と、ベースセンター2、輸送機器1内、生産者又は製造者の拠点、及び集配センター3のいずれに存在しているかの所在情報との組み合わせである。
中央サーバ4では、生産者又は製造者、及び集配センター3夫々に存在可能なパレットPのパレット数を、各々を識別する情報と対応付けて記憶しておく。図1の例では、製造者Mの拠点にはパレットPは8つ存在するようにしてあり、製造者Mを識別する出荷者識別情報に対応付けてパレット数「8」が記憶される。集配センター3には、パレットPは200個存在するようにしてあり、センター識別情報に対応付けてパレット数「200」が記憶される。パレットPは、中央サーバ4を管理する管理事業者(フランチャイザー)による輸送機器1の荷台のシェアを利用する生産者、製造者、輸送機器1の事業者、及び集配センター3(フランチャイジー)に夫々、パレット数を指定して分配される。
中央サーバ4は、生産者、製造者、又は集配センター3から配車依頼を端末装置5から受けると、いずれの輸送機器1をどのような経路で依頼元の生産者又は製造者へ走行させるかの経路を決める。中央サーバ4は、このように輸送経路を決定すると共に、出荷予定の物品を積み付けるパレットPの数に応じて、パレットPを同数、依頼元へ輸送するように指示する。中央サーバ4は、ベースセンター2から集配センター3を荷受とする物品を輸送させる際、同様にして物品が載置されたパレットPの分だけ、集配センター3からパレットPを回収し、ベースセンター2へ戻らせるように決定する。回収するパレットPは空であってもよいし、輸送すべき物品が積み付けられていてもよい。
図1の例を参照して具体的に説明すると以下のようになる。製造者MからパレットPを2つ使用した出荷予定に対する輸送依頼を受けた中央サーバ4は、第1に、中央サーバ4を管理する管理事業者から分配したパレットPへの積み付けを製造者Mに指示する。中央サーバ4は、製造者Mが出荷を予定している物品がベースセンター2を経由して輸送されることを認識した上で、ベースセンター2から集配センター3へ向けて出発する輸送機器1に対し、ベースセンター2と集配センター3との間に位置する製造者Mの拠点を経由する輸送経路を決定する。中央サーバ4は、対象の輸送機器1に対し、製造者Mの拠点で出荷される2つのパレットPの搬入を指示すると共に、同数の例えば空のパレットPを荷台に積載することを指示する。中央サーバ4は、製造者Mの拠点宛ての物品がベースセンター2に存在する場合には、その物品をパレットPへ積み付けるか、物品が積み付けられているパレットPを含めて2つのパレットPを積載するように対象の輸送機器1へ指示する。輸送機器1は、ベースセンター2から出発する時点で、製造者M宛てのパレット識別情報「a-1 」,「a-2 」の2つの空のパレットPと、集配センター3を荷受先とする物品が積み付けられたパレット識別情報「b-1 」,「b-2 」及び「b-3 」の3つのパレットPを含むパレットPを積載している。
輸送機器1は、製造者Mの拠点に到達すると、製造者Mから出荷する物品が積み付けられたパレット識別情報「c-1 」,「c-2 」のパレットPを積載する代わりに、パレット識別情報「a-1 」,「a-2 」の2つの空のパレットPを製造者Mの拠点に置いていく。輸送機器1は、製造者Mの拠点で積載したパレットPのパレット識別情報「c-1 」,「c-2 」の情報を中央サーバ4へ通知する。パレット識別情報「c-1 」,「c-2 」のパレットPに積み付けられた物品はベースセンター2へ輸送される。輸送機器1は、製造者Mの拠点から出発する時点で製造者Mから出荷されたパレット識別情報「c-1 」,「c-2 」の2つのパレットPと、集配センター3を荷受先とする物品が積み付けられたパレット識別情報「b-1 」,「b-2 」及び「b-3 」の3つのパレットPとを含むパレットPを積載している。
輸送機器1は、集配センター3へ、ベースセンター2を経由してきたパレット識別情報「b-1 」,「b-2 」及び「b-3 」の物品が積み付けられた3つのパレットPを届ける代わりに、パレット識別情報「e-1 」,「e-2 」及び「e-3 」の3つのパレットPを回収する。中央サーバ4は、集配センター3への輸送の際に、3つのパレットPの回収を通知しておく。輸送機器1は、集配センター3で積載したパレットPのパレット識別情報「e-1 」,「e-2 」及び「e-3 」の情報を中央サーバ4へ通知する。パレット識別情報「e-1 」,「e-2 」及び「e-3 」のパレットPは、ベースセンター2へ輸送される。輸送機器1は、集配センター3から出発する時点で製造者Mから出荷されたパレット識別情報「c-1 」,「c-2 」の2つのパレットPと、集配センター3から回収したパレット識別情報「e-1 」,「e-2 」及び「e-3 」の3つのパレットPとを含むパレットPを積載し、そのままベースセンター2へ戻る。
ベースセンター2では輸送機器1は、積載している全てのパレットPを搬出し、新たな輸送経路の指示を受け、指示されたパレットPを積載して輸送する。ベースセンター2で搬出されたパレット識別情報「c-1 」,「c-2 」の2つのパレットPは、幹線輸送によって他のベースセンター2へ向けて他の輸送機器1で輸送される。輸送された2つのパレットP分のパレットPが、他のベースセンター2から搬送される。ベースセンター2におけるパレットPの数も、分配された指定数であることが望ましいが、複数のベースセンター2全体にてパレットPが物品の流通量に応じた数になるように、幹線輸送における輸送経路、パレット分配の仕組みにて調整されてもよい。
このように、パレットPの循環を、物品を輸送する輸送機器1の輸送経路、輸送機器1に輸送させる物品をコントロールする中央サーバ4で一体に管理させることによって、図1に示すように、製造者Mの拠点、及び集配センター3には夫々、常に同一の数のパレットPが存在することになる。製造者Mの拠点、集配センター3ではパレットPは、その数が合っていれば、物品の保管用に使用されてもよいし、物品の移動に使用されていてもよいし、次の出荷予定に使用されてもよいし、他の所有されているパレットと混在されてもよいし、加盟期間中は自由に使用されてよい。即ち、パレットPに載せる物品は中央サーバ4でコントロールする輸送機器1で輸送することと、輸送機器1による回収の指示に応じることさえ守られれば、他の用途で使用してもよい。
上述したように図1に示した物流システム100におけるパレットPの分配方法は、パレットPのみを対象とせず、折り畳みコンテナCを対象としてもよい。この場合、折り畳みコンテナCにもコンテナ識別情報を付し、物品を収容してパレットPに積み付けられて使用される。折り畳みコンテナCについても、空か物品を収容しているかの状態と、いずれのパレットPに積載されているかの情報との組み合わせを中央サーバ4で逐次記憶しておく。
図1に示した物流部材を循環させる基本のシステムは、エンドユーザが物品を受け取る際の梱包材、即ち段ボール箱等に適用されることも可能である。例えば配送センターとしての集配センター3から最終的に荷物を受けるエンドユーザまでのラストワンマイルにおける輸送において、折り畳みコンテナ又は段ボール箱についても配送先でエンドユーザから、使用済みの折り畳みコンテナC又は段ボール箱を回収して戻る。段ボール箱は識別番号を付さずに、解体されていてよい。エンドユーザから段ボール箱を回収できた場合にはエンドユーザにポイントを付与するなどして動機付けを与えることで回収率を向上させることができる。エンドユーザに折り畳み可能な小型コンテナCで荷物が届けられる場合には、エンドユーザにも小型コンテナCを分配し、エンドユーザへ小型コンテナCで荷物を配送した場合には使用済みの空の小型コンテナCを回収して同様に適用できる。
このようなパレットPを含む物流部材の管理を、輸送機器1のコントロールと共にした物流を可能とする物流部材分配システムについて具体的な構成及び処理を以下に説明する。
第1にパレットPについて説明する。図2は、パレットPの模式図である。パレットPは物流の現場で広く用いられているパレットと同様に100cmから120cm四方の大きさを有した物流部材であり、より好ましくは樹脂製である。パレットPはその他、木製、ステンレス製、段ボール製等多様な材料製でよく、フォークリフトでの運搬に適合したリフト孔が設けられているとよい。パレットPは、輸出入の規制に適合した材料製のパレットを用いるとよい。パレットPの周面には、パレット識別情報を記憶してあるタグPTが取り付けられている。タグPTは、RFID等を用いた無線タグである。タグPTはいずれか一面のみに設けられてもよいが、四方に対称な形状のパレットPに向きの制限を与えないように四方に取り付けられている。実施の形態1におけるパレットPの周面には、四辺夫々を区別するための模様、絵、文字列、又はコード等の視覚的に差異があるマークTが付されている。図2の例では、マークTはダイヤ、ハード、クローバー、クラブの絵柄を夫々有し、各々異なる色を持つ。マークTの絵柄はこれに限られないことは勿論である。マークTはタグPTと一体になっていてもよい。例えば四辺に付されるタグPT夫々に異なる色が付されているか、又は、4つのタグPTが夫々異なる形状であってもよい。四辺が同一であるパレットPを撮像した撮像画像から向きを認識し、パレットPに積み付けられている物品の配置を認識できるようにするためである。
タグPTには、予め付与されているパレットPのパレット識別情報が無線リーダにより読み出し可能に記憶されている。なおタグPTにおけるパレットPのパレット識別情報は書き換え不可であるが、タグPTには、ライタによってパレットPに積み付けられる一つ又は複数の物品の情報を書き込み可能である。物品の情報とは、物品の種別及び品目、重量、集荷の日付、物品の配送番号、直近に経由したベースセンター2の拠点識別情報、目的地のベースセンター2、荷受人情報、送り元情報等である。タグPTに代替して予め付与されているパレットPのパレット識別情報に対応する一次元コード、二次元コードが印刷された所定の媒体であってもよい。タグPTの上に一次元コード、二次元コードが印刷されていてもよい。物品の情報は中央サーバ4側にパレット識別情報に対応付けて記憶されている。
輸送機器1は、実施の形態1では搬送トラックである。図3A及び図3Bは、輸送機器1の一例を示す模式図である。図3Aは、横開きの扉を有している荷台の例、図3Bは、後方の扉を有している荷台の例を示している。図3A及び図3Bに示す例のどちらの場合も輸送機器1は、パレットP単位で物品を搬送するためにパレットフレーム11を荷台内部に設けている。パレットフレーム11は具体的には、荷台を床面から天井に至る高さを半分に上下二段に分ける台である。荷台は車幅方向にパレットPが2つ並置できる内寸を有している。パレットフレーム11にて区分けされた上下と、左右とでパレットPの収容位置を特定することができる。
パレットフレーム11は、図3Bに示すように、荷台の床の板材自体、又は床面に敷かれた板材と共に荷台の後部扉から全体引き出すことが可能であってもよい。この場合、荷台の床面の板材を巨大なパレットと考えれば、板材も物流部材としてパレット上にパレットPが複数積載され、パレットP夫々の上に複数の小型コンテナCが積載された入れ子状態で管理することも可能である。図3Bの場合、荷台の床面には、パレットPを容易に移動できるようにローラーが複数設けられ、且つ、自由に移動することを抑止するための止め具が折り畳み可能に立設されているとよい。
輸送機器1が列車、輸送機、船舶等の乗り物である場合、図3A又は図3Bの荷台部分と同様の構造の大型コンテナが用いられ、大型コンテナがパレットフレーム11を備える構成とすればよい。
このように構成される物流システム100におけるパレットP単位での輸送を中央サーバ4がコントロールすると共に、物流部材分配システム200では、中央サーバ4が車載機10と、ベースセンター2におけるベースコントローラ20と、端末装置5とを用いてパレットPの分配をコントロールする。
図4及び図5は、物流部材分配システム200の構成を示すブロック図である。図4には車載機10及び中央サーバ4の構成が示されている。輸送機器1には、運転手の座席付近に車載機10が搭載されている。車載機10は運転手が持ち込む携帯端末装置であってもよい。車載機10は、処理部101、記憶部102、表示部103、音声出力部104、GPS受信部105、通信部106、入出力部107を備える。
処理部101は、CPU(Central Processing Unit )またはGPU(Graphics Processing Unit)を用いたプロセッサである。処理部101は、内蔵するROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)等のメモリを用いて処理を実行する。処理部101は、内蔵するタイマーによって逐次、時間情報を取得することができる。
記憶部102は、例えばフラッシュメモリ、又はSSD(Solid State Drive )等の不揮発性の記憶媒体を含む。記憶部102は、処理部101によって作成された情報、処理部101が参照する情報を記憶する。記憶部102は、車載機10が搭載された輸送機器1の荷台に積載されているパレットPのパレット識別情報を記憶する。積載されているパレットのパレット識別情報には、パレットPの荷台における位置を特定する情報が対応付けられて記憶されるとよい。パレット識別情報に対応付けて、パレットPの荷受人、輸送経路の情報を中央サーバ4から取得して記憶部102にて記憶しておいてもよい。
表示部103は、液晶パネルまたは有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を含む。表示部103は、輸送機器1の運転手へ経路、行き先等を通知する通知部である。
音声出力部104は、スピーカを含む。音声出力部104は、スピーカにて音声又はビープ音を発生させ、輸送機器1の運転手へ経路、行き先等を通知する通知部である。
GPS受信部105は、GPS信号を受信して車載機10が搭載されている輸送機器1の位置を導出するデバイスである。処理部101は、GPS受信部105によって輸送機器1の位置を適宜特定することができる。
通信部106は、無線通信を行なうデバイスである。通信部106は、公衆通信網を介して、または所定の移動通信規格によって中央サーバ4との情報の送受信を実現する無線通信モジュールである。通信部106は、ネットワークカード、無線通信デバイスまたはキャリア通信用モジュールを用いる。処理部101は、通信部106によって中央サーバ4から運転手への通知内容、荷台に搬入すべきパレットPのパレット識別情報、荷台から搬出されるべきパレットPのパレット識別情報を受信し、記憶部102に記憶する。
入出力部107は、荷台に設けられたセンサ群、又はアクチュエータとの接続を実現するインタフェースである。処理部101は、入出力部107を介してセンサからの情報を取得し、場合に応じてアクチュエータへ制御信号を出力する。
リーダ71は、パレットPに付されているタグPTからパレット識別情報を読み取り、取得することができるデバイスである。リーダ71は、荷台内例えばパレットフレーム11に設けられる。パレットP夫々が荷台内のいずれの場所に収容されているかを識別できるように、リーダ71がパレットフレーム11における収容位置毎に設けられていてもよい。輸送機器1がパレットPの搬入搬出口に、例えば、荷台の後部開口に設けられたアクチュエータである電動式昇降台を有する場合、昇降台上に設けられてもよい。処理部101は、リーダ71で読み取ったパレット識別情報、タグPTに記憶されている物品の情報を取得することが可能である。
荷重センサ72は、パレットPの搬入時又は搬出時に重さを測定するデバイスである。荷重センサ72は例えば、パレットフレーム11のパレット収容位置夫々に設けられる。荷重センサ72は、輸送機器1におけるパレットPの搬入搬出口、例えば上述のリーダ71と共に電動式昇降台に設けられてもよい。処理部101は、荷重センサ72から出力される測定した重さに対応する信号に基づいてパレットPの重さを特定することができる。
アクチュエータ73は、上述したように例えば電動式昇降台である。電動式昇降台はパレットフレーム11の上下の段及び地上と同じ高さまで昇降できる。電動式昇降台は例えばパレットPを輸送機器1の車幅方向に2枚並べた大きさを有し、車幅方向を半分に分割できるように分割可能な構成としてもよい。アクチュエータ73は、パレットフレーム11上で、パレットPをスライドさせるモータ及びローラー、折り畳み式ピボット、並びに上下を入れ替える昇降台であってもよい。
中央サーバ4は、サーバコンピュータであり、処理部40、記憶部41、通信部42を備える。なお中央サーバ4は、1つのサーバコンピュータ(ハードウェア)を用いる構成のみならず、複数のサーバコンピュータで処理を分散する構成としてもよいし、大型コンピュータに仮想的に生成される複数のサーバコンピュータ(インスタンス)の内の1つであってもよい。
処理部40はCPU又はGPUを用い、内蔵する揮発性メモリ、クロック等を含む。処理部40は、記憶部41に記憶されている制御プログラム40Pに基づき各構成部を制御する。
記憶部41は、ハードディスク又はSSDを用いる。記憶部41は、制御プログラム40Pを記憶する。記憶部41にはWebサーバプログラム42Pが記憶されており、処理部40はWebサーバ機能を発揮し、このWebサーバ機能によって端末装置5から、輸送機器1の荷台のシェアの依頼等を受け付けることができる。
記憶部41には、物流DB(Data Base )400が構築されてよい。物流DB410は、外部記憶装置であってもよい。処理部40は、データベース操作モジュールにより、物流DB410に対する読み書きが可能である。物流DB410には例えば、後述するようにユーザ情報411、第1パレット情報412、第2パレット情報413、及び輸送機器情報414が記憶されている。
通信部42は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2における通信を実現する。処理部40は、通信部42により、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介して端末装置5との間で情報の送受信が可能である。また処理部40は、通信部42により、キャリアネットワークN2を介して輸送機器1に搭載されている車載機10との間で情報の送受信が可能である。
図5には、端末装置5の構成が示されている。端末装置5は、処理部50、記憶部51、通信部52、表示部53及び操作部54を備える。
処理部50は、CPU又はGPUを用いる。処理部50は、揮発性メモリ、クロック等を用いて構成部を制御する。処理部50はプロセッサ、メモリ、記憶部51、通信部52を集積した1つのSoCとして構成されてもよい。処理部50は、記憶部51に記憶されているアプリプログラム5Pに基づき、中央サーバ4のWebサーバへの通信接続を実行し、中央サーバ4によって提供される輸送機器1を用いた輸送依頼に係るWebページを介した処理を実行する。
記憶部51は、フラッシュメモリを用い、輸送依頼者用のアプリプログラム5Pを含む処理部50が参照するプログラム及びデータを記憶する。
通信部52は、ネットワークNへの通信接続を実現する通信モジュールである。通信部52は、ネットワークカード、無線通信デバイス又はキャリアネットワークN2における次世代通信用のモジュールであってもよい。
表示部53は、液晶パネル又は有機ELディスプレイ等のディスプレイ装置を用いる。操作部54は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、物理ボタン、ディスプレイ内蔵のタッチパネルデバイス、スピーカ及びマイクロフォン等を用いる。操作部54は、物理ボタン又はタッチパネルにて表示部53に表示されている画面上で操作を受け付けてもよいし、マイクロフォンにて入力音声から操作内容を認識し、スピーカで出力する音声との対話形式で操作を受け付けてもよい。
このように構成される物流部材分配システム200において、中央サーバ4は上述したように、中央サーバ4を管理する管理事業者による輸送機器1の荷台のシェアを利用する生産者又は製造者M、及び集配センター3を識別する情報に対応付けて、管理事業者との契約で指定されたパレットPの数を記憶しておく。ベースセンター2におけるパレットPの数も共に対応付けておく。
図6は、物流DB410に記憶されている情報の内容例を示す図である。図6に示すように物流DB410には、ユーザ情報411として、生産者又は製造者M、集配センター3等のオペレータに対して付与された識別情報と、住所等の属性と、中央サーバ4が依頼を受けるWebページへのログインするためのアカウント情報とが対応付けて記憶されている。ユーザ情報には、図6に示すように、パレットPの分配数も対応付けて記憶される。物流DB410には、第1パレット情報412として、生産者又は製造者M等のオペレータに対して付与された識別情報に対応付けて、各拠点に存在するはずのパレットPのパレット識別情報が逐次記憶されている。
物流DB410には、第2パレット情報413として、パレット識別情報に対応付けて、パレットPが積載されている輸送機器1を識別する機器識別情報、パレットPに積み付けられている物品の情報が記憶されている。物品の情報は、パレットPに積み付けられている小型コンテナC又は他の物流部材のコンテナ識別情報であってもよい。物品の情報は、輸送番号、出荷者、荷受人を識別する情報、パレットPの物品込みの重さの情報を含むとよい。
物流DB410には、輸送機器情報414として、輸送機器1を識別する機器識別情報に対応付けて、輸送機器1の位置情報(緯度経度)、出発地、目的地、及び経由地点を時間と共に含む運行情報、並びに積載中のパレットPのパレット識別情報が記憶されている。
中央サーバ4は、物流DB410に記憶された情報を、車載機10から得られる情報、ベースセンター2、集配センター3から得られる情報を用いて更新しつつ、輸送機器1、ベースセンター2、集配センター3における輸送、搬入及び搬出をコントロールする。図7は、中央サーバ4における処理の概要を示す機能ブロック図である。中央サーバ4の処理部40は、受付部401、経路決定部402、指示部403及び更新部404として機能する。
受付部401は、輸送機器1の輸送依頼をパレットP単位で受け付け、依頼に対し応答する。輸送依頼の受け付けタイミングは逐次である。受付部401は、輸送機器1全体の輸送依頼を受け付けるのではなく、輸送機器1の荷台(輸送機、列車、船舶等の場合は大型コンテナ)のシェアを受け付ける。受付部401は、空きがある輸送機器1及び荷台におけるパレットPの収容位置を複数候補提示し、いずれかの指定を受けるようにしてもよい。
経路決定部402は、受付部401で受け付けた輸送依頼と、物流DB410に記憶されている情報とに基づいて、パレットP単位で、いずれの輸送機器1を用いて移動すべきか、輸送機器1はどのように輸送すべきかの経路を決定する。経路決定部402の処理は、1日の内の複数回、輸送機器1のベースセンター2からの出発前等に逐次行なう。経路決定部402は初期的に、各パレットPのパレット識別情報を、運行予定の輸送機器1の荷台又は積載されるコンテナCにおける収容部識別情報に仮に紐づけ、輸送機器1の輸送経路と、パレットPの収容位置とを所定条件下で仮決めから最適化して決定する。
経路決定部402の経路最適化の処理は、独立した他のサーバコンピュータによって実行されてもよい。サーバコンピュータは、量子コンピュータを用いてもよい。
指示部403は、経路決定部402が決定したパレットPを積載する輸送機器1、及び輸送機器1の輸送経路を、輸送機器1へ指示する。指示部403は、ベースセンター2におけるパレットPのソート、集配センター3における積み付け、積み下ろし等を指示する機能を含んでもよい。
更新部404は、物流DB410に記憶されている情報を更新する。更新部404は、輸送機器1の車載機10からの情報、ベースセンター2にて幹線輸送の輸送機器から搬出されたパレットPの情報等を取得し、物流DB410における第1パレット情報412、第2パレット情報413等を更新する。
図8は、中央サーバ4の受付部401の機能により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。
中央サーバ4の処理部40は、輸送機器1の荷台のシェアを利用する生産者又は製造者のアカウントに基づいて使用されている端末装置5、又は、集配センター3のオペレータのアカウントに基づいて使用されている端末装置5を介して、輸送依頼を受け付ける(ステップS101)。
輸送依頼には、利用する予定のパレットPの数、出荷予定のパレットPに積み付けられる物品の情報、出荷準備完了予定時刻、荷受人情報が含まれる。
処理部40は受付部401として、経路決定部402に対し、輸送依頼に含まれる情報を通知する(ステップS102)。通知された輸送依頼は、輸送依頼に対する識別情報を付して記憶部41に逐次履歴として、未処理又は処理済みの状況を示す情報と対応付けて記憶される。履歴は、ブロックチェーンを用いて記録されてもよい。
処理部40は、経路決定部402によって決定された出荷予定のパレットPを輸送する輸送機器1、出荷予定のパレットPの代用のパレットPのパレット識別情報等を取得する(ステップS103)。予定情報には、輸送機器1の輸送依頼元への集荷予定時刻等が含まれている。
処理部40は、輸送依頼への応答として端末装置5へ、出荷予定のパレットPに対する輸送機器1の集荷予定時刻に加え、パレットPを届ける、又はパレットPを回収することを通知する(ステップS104)。このとき、パレットPへの積み付けを注意喚起するメッセージを共に送信することが望ましい。
図9A及び図9Bは、中央サーバ4により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。中央サーバ4の処理部40は、1日の内の複数回等の定期的に、及び、受付部401で輸送依頼を受け付けたタイミングで以下の処理を実行する。処理部40は、以下の処理を、ベースセンター2を中心とする地域毎に実行するとよい。以下の一例では、ベースセンター2を基準(出発点)として処理を行なっているが、集配センター3毎に処理を行なってもよい。
処理部40は経路決定部402として、輸送機器1夫々の位置情報及び運行情報を物流DB410の輸送機器情報414から参照する(ステップS201)。
処理部40は、ベースセンター2に存在し、集配センター3を主とするベースセンター2周辺の拠点を荷受先とし、且つ、搬入先の輸送機器1が未決定のパレットPのパレット識別情報を物流DB410から抽出する(ステップS202)。処理部40は、ステップS202で抽出したパレット識別情報を、目的地と、目的地に到着すべき到着希望日時とに基づいて分別する(ステップS203)。
処理部40は、輸送機器情報414に基づいて、ベースセンター2に存在する輸送機器1、又はベースセンター2を行き先として所定時間以内に到着する輸送機器1を抽出する(ステップS204)。
処理部40は、未処理の輸送依頼を参照し(ステップS205)、輸送依頼に含まれる出荷予定のパレットPのパレット数、パレットPの出荷準備完了予定時刻、及び目的地(荷受先)を取得する(ステップS206)。
処理部40は、ステップS203で分別した目的地に、ステップS205で参照した輸送依頼元の拠点があるか否かを判断する(ステップS207)。拠点があると判断された場合(S207:YES)、処理部40は、輸送依頼元の拠点(生産者、製造者又は集配センター3)を目的地とするパレットPの数が、ステップS206で取得した出荷予定のパレットPの数と同数であるか否かを判断する(ステップS208)。
ステップS207で拠点が無いと判断された場合(S207:YES)、処理をステップS210へ進める。
ステップS208にて同数であると判断された場合(S208:YES)、処理部40は、目的地でパレットPを搬出し、目的地でパレットPを搬入する。そこでこの場合、処理部40はそのまま処理をステップS210へ進める。
ステップS208にて同数でないと判断された場合(S208:NO)、処理部40は、パレットPの数の差分に応じて、空のパレットPについて、出発地、目的地、及び到着希望日時等の情報を作成する(ステップS209)。
ステップS209において、輸送依頼元の拠点を目的地とするパレットPの数が、出荷予定のパレットPの数より多い場合、輸送依頼元の拠点で、空のパレットPを回収する。そこで処理部40は、拠点を出発地として目的地をベースセンター2とし、パレット識別情報は未番とする回収対象のパレットPの情報をステップS203で分別した情報に追加する。未番とするのは、いずれの空のパレットPが回収対象とされるかは輸送依頼元で決定してよいからである。集配センター3が輸送依頼元であって、集配センター3が自動搬入搬出装置を持ち、中央サーバ4の制御下にある場合、処理部40は経路決定部402として、集配センター3に存在するはずのパレットPのパレット識別情報から、回収対象のパレット識別情報を決定してもよい。
ステップS209において、輸送依頼元の拠点を目的地とするパレットPの数(ゼロを含む)が、出荷予定のパレットPの数より少ない場合、ベースセンター2から輸送依頼元の拠点へ空のパレットPを届ける。そこで処理部40は、ベースセンター2に存在する空のパレットPのパレット識別情報を差分の数だけ第1パレット情報412から選択し、選択したパレット識別情報を、ベースセンター2を出発地とし、輸送依頼元の拠点を目的地としてステップS203で分別した情報に追加する。
処理部40は、ステップS204で抽出した輸送機器1の荷台における収容位置に、ステップS203にて目的地、到着希望日時別に分別した、ベースセンター2から出発すべきパレットPのパレット識別情報、ステップS206で取得したパレットPの情報、及びステップS209で作成したパレットPの情報を紐づけるようにして、各パレットPの経路、並びに各輸送機器1の行き先及び経由点を含む輸送経路を決定する(ステップS210)。ステップS206における輸送依頼元の拠点を出発地とするパレットPのパレット識別情報については、パレット識別情報は積み付けられるパレットPが未確定なので、未番とし、輸送依頼を識別する情報等で紐付けるとよい。また、輸送依頼元の拠点を出発地とするパレットPの目的地が、ベースセンター2の周辺以外の幹線輸送を経由した他の地域である場合、処理部40は、ステップS210で決定する経路の目的地(経由地)はベースセンター2として決定処理を行なう。
処理部40は経路決定部402として、ステップS210で決定した各パレットPの経路に基づき、ステップS204で抽出された輸送機器1夫々に対してベースセンター2、輸送経路で搬入すべきパレットP及び搬出すべきパレットPのパレット識別情報、並びに輸送経路を、輸送機器1毎に決定する(ステップS211)。未確定のパレットPに関しては、搬入すべき若しくは搬出するべきパレット数のみ、又は、パレット数分のパレット識別情報でなく上述したように輸送依頼を識別する情報、輸送依頼元の識別情報等であってもよい。
処理部40は指示部403として、ベースセンター2で荷台に搬入すべきパレットP、輸送経路で搬入すべきパレットP、搬出すべきパレットPの情報として、ステップS211で決定したパレット識別情報と、決定された輸送経路を輸送機器1の車載機10へ向け送信する(ステップS212)。車載機10は、輸送経路と、輸送経路上のいずれかの地点で搬出すべきパレットPのパレット識別情報、搬入すべきパレットPの数等を受信して記憶部102に記憶するとよい。
ベースセンター2に、パレットPのソータ及び自動搬入装置が設けられている場合、処理部40は指示部403として、決定された輸送機器1に対して搬入すべきパレット識別情報及び収容位置を決定し、自動搬入装置へ指示するとよい(特許文献1参照)。
処理部40は、ステップS205で参照した輸送依頼を処理済みとして記憶を更新し(ステップS213)、1回の処理を終了する。
図10は、中央サーバ4の更新部404の機能により実行される処理手順の一例を示すフローチャートである。処理部40は更新部404として、逐次以下の処理を実行する。
なお中央サーバ4に対して車載機10は定期的に、GPS受信部105で特定される位置情報を通知する。車載機10は、運行情報の経路に含まれる集荷先の生産者若しくは製造者、又は集配センター3へ到着し、荷台の搬入出口(図3Aのウィングドア)が開き、再度閉められた後に、リーダ71で読み取ったタグPTに記憶されていたパレット識別情報を取得する。車載機10の処理部101は、搬入出口の開閉前に取得できていたパレット識別情報を、搬入出口の開閉後に取得できなかった場合、搬出されたパレットPのパレット識別情報であるとして記憶部102に記憶する。処理部101は、搬入出口の開閉前には取得できなかったが開閉後に取得できたパレット識別情報は、搬入されたパレットPのパレット識別情報であるとして記憶する。処理部101は、搬出されたパレットP及び搬入されたパレット識別情報を中央サーバ4へ通知する。荷重センサ72を用いてパレットP夫々の重さを測定し、搬入されたパレットPのパレット識別情報と共に中央サーバ4へ送信するとよい。
処理部40は更新部404として、輸送機器1の車載機10からの位置情報の通知を受け付け(ステップS301)、輸送機器情報414の位置情報を更新する(ステップS302)。処理部40は更新部404として、搬入された、又は搬出されたパレット識別情報の通知を受け付け(ステップS303)、輸送機器情報414における輸送機器1毎に積載されているパレット識別情報を更新し(ステップS304)、第2パレット情報413におけるパレットPを積載している輸送機器識別情報を更新する(ステップS305)。処理部40は更新部404として、第1パレット情報412における拠点毎に存在するはずのパレット識別情報を更新し(ステップS306)、1回の更新処理を終了する。
図8から図10に示した中央サーバ4の処理部40によって、物流DB410の第1パレット情報412、第2パレット情報413、及び輸送機器情報は適宜更新する。図11から図13は、図1に示した例における物流DB410の内容の更新例を示す。図11A図11B及び図11Cは、輸送機器1がベースセンター2を出発した時点における情報の内容例である。処理部40は経路決定部402として、機器識別情報「1234-5678 」の輸送機器1に対し、パレット識別情報「a-1 」,「a-2 」の2つの空のパレットPと、集配センター3向けのパレット識別情報「b-1 」,「b-2 」,「b-3 」の3つのパレットPとの搬入を決定し指示した。車載機10でこれらのパレット識別情報の搬入をリーダ71で読み取り、荷重センサ72で重さを測定し中央サーバ4へ通知する。処理部40は更新部404として、搬出されたパレットPの識別情報で第1パレット情報412(図11A)を更新する。処理部40は更新部404として、実際に積載されている輸送機器1の機器識別情報によって第2パレット情報413(図11B)、輸送機器情報414(図11C)を更新する。更新された内容は、図中の下線部で示している。処理部40は、車載機10から通知されたパレット識別情報が指示と異なる場合には、警告を出す等して対応するとよい。搬入時と搬出時とで荷重センサ72にて測定された結果が異なる場合も車載機10から警告が発せられるとよい。
図12A、図12B及び図12Cは、輸送機器1が製造者Mの拠点(XYZ)を出発した時点における情報の内容例である。処理部40は経路決定部402として、機器識別情報「1234-5678」の輸送機器1に対し、パレット識別情報「a-1 」,「a-2 」の2つの空のパレットPを拠点XYZで搬出することを指示している。拠点XYZ周辺にて車載機10は、記憶部102に記憶してある輸送経路、並びに搬入又は搬出すべきパレットPの情報を表示部103及び音声出力部104で通知してもよい。車載機10は、パレット識別情報「a-1 」,「a-2 」がリーダ71で取得できなくなったことで搬出されたパレットPのパレット識別情報としてこれを中央サーバ4へ通知し、中央サーバ4の更新部404が図12に示すようにこれを製造者Mの拠点(XYZ)に存在するパレットのパレット識別情報として第1パレット情報412を更新する。その代わりに、車載機10は、輸送依頼に含まれる出荷予定のパレット数に応じた、パレット識別情報「c-1 」,「c-2 」,「c-3 」がリーダ71で取得できたことでこれを搬入されたパレットPとしてこれを中央サーバ4へ通知し、中央サーバ4の更新部404が図12B及び図12Cに示すように第2パレット情報413及び輸送機器情報414を更新する。
図13A、図13B及び図13Cは、輸送機器1が集配センター3を出発した時点における情報の内容例である。処理部40は経路決定部402として、機器識別情報「1234-5678 」の輸送機器1に対し、パレット識別情報「b-1 」,「b-2 」,「b-3 」の3つのパレットPを集配センター3(AB)で搬出することを指示している。集配センター3(AB)周辺にて車載機10は、記憶部102に記憶してある輸送経路、並びに搬入又は搬出すべきパレットPの情報を表示部103及び音声出力部104で通知してもよい。車載機10は集配センター3の位置にて、パレット識別情報「b-1」,「b-2」,「b-3」がリーダ71で取得できなくなったことで搬出されたパレットPのパレット識別情報としてこれを中央サーバ4へ通知し、中央サーバ4の更新部404が図13Aに示すようにこれを集配センター3(AB)に存在するパレットのパレット識別情報として第1パレット情報412を更新する。その代わりに、車載機10は、回収予定のパレット数に応じた、パレット識別情報「e-1 」,「e-2 」,「e-3 」がリーダ71で取得できたことでこれを搬入されたパレットPとしてこれを中央サーバ4へ通知し、中央サーバ4の更新部404が図13B及び図13Cに示すように第2パレット情報413及び輸送機器情報414を更新する。
このようにして図1に示したように、輸送機器1の荷台のシェアと共に、パレットPをベースセンター2、生産者又は製造者、集配センター3でシェアして利用することで、パレットPを適切に分配して循環利用することができる。実施の形態1で示したように、パレットPを、各拠点における数を維持したまま回収及び分配を輸送と共に実施することで、各拠点におけるパレットPの最適数が分かるようになる。中央サーバ4は、パレットPの最適な数を生産者又は製造者に対して提案し、生産者又は製造者に分配するパレットPをミニマムにしてコスト削減を支援することも可能である。
なお図9A及び図9Bのフローチャートに示した処理手順の内、ステップS210の輸送経路及びパレットの経路の決定処理は、仮決定から最適化を繰り返すことで決定されるとよい(特許文献1等)。決定処理は、輸送経路及びパレットの経路を決定するように学習された学習モデルを用いて実行されてもよい。決定処理は、シミュレーションによって実行されてもよい。ベースセンター2を出発点とし、ベースセンター2を終着点とし、生産者又は製造者の拠点、及び集配センター3をノードとした輸送経路そのものをニューラルネットワークに適用してパレットPの数、輸送機器1の数を条件に各ノード間の経路のいずれを選択した場合により移動距離の総計又は輸送時間の総計がより少なくなるように学習されるとよい。なおこの学習モデルは、全体の輸送時間が短縮されるほど報酬を高くする強化学習によって学習されてもよいし、逐次再学習されてもよい(特許文献1等)。この場合、量子コンピュータ等が演算に用いられてもよい。
実施の形態1では、配置が最適化されるパレットPは、対象を、中央サーバ4を管理する管理事業者(フランチャイザー)によって分配されるパレットPには限定されなくてよい。輸送機器1の荷台のシェアを利用する生産者、製造者、輸送機器1の事業者、及び集配センター3(フランチャイジー)や、他のパレットレンタル、又はパレットリース業者から提供されているパレットPも共に最適化されるとよい。なおこの場合、パレットPにはいずれも、他と識別可能な固有のパレット識別情報が付与されていることが前提である。業者別の識別情報を付与することで、レンタル業者、リース業者に対しても、各業者が所有して貸し出されているパレットがいずれの輸送機器1に収容されているか、いずれのセンターで利用されているかを、図6A及び図6Bのデータベースに基づいて中央サーバ4から情報提供することが可能である。
実施の形態1では、パレットPは輸送機器1、各ベースセンター2、及び集配センター3のいずれかで循環するとした。しかしながら、膨大な量のパレットを最適な経路で循環させるためには、ベースセンター2に並設されるパレットセンターを新たに設け、パレットセンターでは、パレットPを集積しておくことが可能にしてあるとよい。中央サーバ4は、輸送機器1、各ベースセンター2、及び集配センター3に加えてパレットセンターに存在するパレットPを加えて最適な分配を導出する。
(実施の形態2)
実施の形態2では、輸送機器1におけるパレットPの収容位置を適宜最適化する。このため実施の形態2では、輸送機器1の荷台にハンドリングシステムが搭載される。図14は、実施の形態2における輸送機器1を示す模式図である。実施の形態2における輸送機器1は、アクチュエータ73は、荷台においてパレットPをスライドパズルのように動かすためのモータの駆動によって回転するローラー731、及びローラー731の回転の伝達を抑止する折り畳み式ピボット732である。パレットPは、向きの異なるローラー731と、自由回転するコロ733によって車幅方向及び車長方向のいずれにもスライド移動可能である。異なる向きに設けられたローラー731は、車載機10の処理部101からの処理によって、パレットフレーム11の天面あるいは床面から選択的に突出/没入が制御される。実施の形態2のアクチュエータ73には、パレットフレーム11の上下間を昇降する昇降台が含まれてもよい。
実施の形態2における物流システム100及び物流システム100に適用される物流部材分配システム200の構成は、輸送機器1の荷台のハンドリングシステム及び制御処理以外については、実施の形態1における構成と同様である。したがって、共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
実施の形態2では、車載機10の記憶部102に、中央サーバ4から取得した輸送機器1の輸送経路と、輸送機器1で輸送中、又はこれから輸送するパレットPのパレット識別情報と、パレットPの宛先等の情報を記憶する。車載機10の処理部101は、記憶部102に記憶されるパレットPの集荷地点、パレットPの宛先の情報に基づいて、次に搬出すべきパレットPが搬入出口近傍になるように、搬入すべきパレットPをスムーズに搬入できるように荷台におけるパレットPの収容位置を決定する。
図15は、記憶部102に記憶されるパレットPの収容位置の内容例を示す図である。図15に示すように、輸送機器1毎に、パレットPのパレット識別情報に対応付けて、各パレットPのパレットフレーム11における収容位置情報が記憶されている。パレットフレーム11における収容位置情報は、図15に示すように「下左1」、及び「上右2」のように、図上下段のいずれか、車幅方向の左右のどちらか、及び輸送機器1の前方から何番目か、を示す情報でもよいし、パレットフレーム11上を番地で区分し、その番地を示す数字若しくは記号、又はその組み合わせで表されてもよい。
図16は、ハンドリングシステムの制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。処理部101は、荷台に収容されているパレットPのパレット識別情報から、パレット識別情報に対応付けられている宛先の情報に基づいて、輸送機器1が向かう次の地点に搬出すべきパレットPのパレット識別情報を抽出する(ステップS701)。処理部101は、各パレット識別情報に対応する収容位置情報を読み出し(ステップS702)、ステップS701で抽出したパレット識別情報が示すパレットPの収容位置を決定する(ステップS703)。ステップS703は、搬入出口からより近い場所である。図3Aに示したウィングドア式であれば、左側半分のいずれかであるし、図3Bに示した荷台の場合は後部である。
処理部101は、決定した収容位置までに抽出されたパレットPと、他のパレットPをスライド移動させるための経路を決定し(ステップS704)、決定した経路に応じて、アクチュエータ73へ制御信号を出力し(ステップS705)、スライド移動が終了すると処理を終了する。スライド移動は、輸送機器1の停車中でもよいし、走行中であってもよい。
図15に示したパレットP夫々の収容位置情報は、図16のステップS703の処理によって逐次更新される。更新された収容位置情報は、中央サーバ4へ送信されて、物流DB410で共有していてもよい。
このように、荷台にパレットP単位のハンドリングシステムが搭載され、車載機10でパレットPの移動経路に応じて配置を変更することで、パレットPを集荷する地点、パレットPを届ける場所で、運転手が搬出すべきパレットPを探し出したり、そのパレットPのみを搬出するために他のパレットPを移動させたりといった作業が不要になる。
実施の形態2における荷台のハンドリングシステムは、本開示のパレットPのシェアにおいて必須ではない。パレットPの荷台における収容位置は、ベースセンター2にて自動搬入搬出装置が使用されない場合には、実施の形態1のように特に指定されておらずともよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、パレットP上の物品の積み付け方を提案できる。このためパレットP上の空間を、物品の収容空間として番地を割り当て、パレットP上の空間をシェアする。パレットP上の空間は、図2に示したように四方を区別するマークTによって識別される。実施の形態3では、パレットPのタグPT上に、パレット識別情報を示す一次元コードが印刷されている。後述するようにパレット上の物品の積み付け方が識別されることを利用し、実施の形態2の中央サーバ4は、パレットPに積み付けられている物品のパッキングリストの作成を支援する。更に実施の形態3の中央サーバ4は、ベースセンター2間で輸送機、列車、船舶等の輸送機器1による幹線輸送を含め、国境を越えた輸送を考慮し、パレットP毎のパッキングリストや、同一の出荷者及び荷受人のパレットPに関する通関書類等を、荷受人の言語に応じて翻訳する機能をも発揮する。
実施の形態3では、輸送機器1のオペレータ、又は集配センター3におけるパレットPの搬入搬出作業のオペレータは、端末装置6を所持する。ベースセンター2においては、搬入搬出は特許文献1,2にて開示しているように自動的に行なわれることが好ましいが、人手による場合には、ベースセンター2におけるオペレータも端末装置6を持ってもよい。実施の形態2における端末装置6は可搬型の通信端末であり、例えばタブレット端末である。端末装置6は、眼前の現実のパレットP及びパレットPに積み付けられている物品の映像に、AR(Augmented Reality )画像を表示させることができる表示部及び処理部を持つデバイスであれば、態様はこれに限らず、眼鏡型であってもよい。
実施の形態3における物流システム100及び物流システム100に適用される物流部材分配システム200の構成は、端末装置6、並びに、処理の詳細以外については、実施の形態1における構成と同様である。したがって、共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図17は、端末装置6の構成を示すブロック図である。端末装置6は、端末装置5同様に、処理部60、記憶部61、通信部62、表示部63、操作部64及び撮像部65を備える。処理部60、記憶部61、通信部62、表示部63及び操作部64の構成は、記憶部61に記憶されるアプリプログラム6Pが異なり、アプリプログラム6Pに基づく処理内容以外は端末装置5と同様であるから、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
記憶部61に記憶されているアプリプログラム6Pは、パレットP等の物流部材の搬入搬出、積み付け又は積み下ろし等に関するオペレータ用のコンピュータプログラムであって、端末装置6を、パレットPに積み付けられている物品の情報を出力させるための特定の装置として機能させるプログラムである。
撮像部65はカメラデバイスである。処理部60はカメラデバイスから得られる映像信号又は静止画像信号を取得することができる。
実施の形態2における端末装置5の記憶部51に記憶されているアプリプログラム5Pは、アプリプログラム6Pに対応するプログラムであって、パレットPに積み付けられる物品の情報を入力させるための特定の装置として機能させるプログラムである。
実施の形態3において端末装置5にて輸送依頼を中央サーバ4へ送信する処理について説明する。図18は、実施の形態3における輸送依頼の受け付け処理手順の一例を示すフローチャートである。物品を出荷予定の生産者又は製造者におけるオペレータは、パレットPに出荷予定の物品を積み付ける前に、端末装置5を用いて出荷予定の物品の積み付け方の提案について中央サーバ4へ問い合わせる。
端末装置5の処理部50は、アプリプログラム5Pに基づき、出荷予定の物品の情報を入力する操作を受け付ける(ステップS501)。出荷予定の物品の情報は、物品の説明(description )、物品の数量(Quantity)、大きさ(Measurement )を含む。物品が段ボール箱又は小型コンテナC等のより小さい単位の物流部材に仕分けて梱包されている場合、それらの物流部材の大きさ及び個数が入力されることが望ましい。
処理部50はアプリプログラム5Pに基づき、入力された物品の情報を中央サーバ4へ向けて送信する(ステップS502)。
中央サーバ4の処理部40は、制御プログラム40Pに含まれる積み付け提案用のモジュールに基づいて、物品の情報を取得し(ステップS401)、必要なパレット数、パレット上の配置を導出する(ステップS402)。ステップS402における導出処理は、物品を積み付けられたパレットPが、パレットフレーム11に収容可能な大きさの範囲となるように、また、重い物品は下の方に積まれるように、処理部40の演算に基づき実行される。処理部40は、導出された物品の配置を示すと共に、そのまま輸送依頼を受け付けるための画面の情報を端末装置5へ送信する(ステップS403)。
端末装置5の処理部50は、中央サーバ4から送信された画面の情報を受信し(ステップS503)、受信した情報に基づき、積み付け方の提案及び輸送依頼を受け付ける画面を表示部53に表示させる(ステップS504)。
処理部50は、輸送依頼を受け付ける画面上で、ステップS501で入力された物品の情報と共に、パレットPの数、荷受人の指定等、輸送に必要な情報の入力を受け付け(ステップS505)、輸送依頼を中央サーバ4へ送信する(ステップS506)。
中央サーバ4は、輸送依頼を受信すると(ステップS404)、図8のフローチャートに示した処理を実行し、パレットPの数に応じて経路決定部402によって決定された輸送機器1等の応答を、輸送依頼を識別する情報と共に端末装置5へ送信する(ステップS405)。
端末装置5を使用する生産者又は製造者は、積み付け方の提案を含む画面を確認して参考にし、物品のパレットPへの積み付けを実行する。端末装置5の処理部50は、パレットP上の物品の配置を取得し(ステップS507)、積み付けられたパレットPのパレット識別情報を取得する(ステップS508)。
端末装置5はステップS507及びステップS508の処理に前後してステップS506の輸送依頼への応答を受信しており(ステップS509)、応答に含まれる輸送依頼を識別する情報に対応付けてステップS507及びステップS508で取得した物品の配置の情報をパレットPのパレット識別情報を中央サーバ4へ送信する(ステップS510)。
中央サーバ4の処理部40は、輸送依頼を識別する情報に対応付けてパレット識別情報で識別されるパレットPの物品の配置の情報を受信し(ステップS406)、物流DB410に記憶し(ステップS407)、輸送依頼を受け付ける処理を終了する。
図18のフローチャートに示した処理手順は、複数の生産者から集荷する集配センター3のオペレータによって端末装置5を用いて実行されてもよい。この場合、異なる生産者からであっても同一の荷受人宛ての物品は、同一のパレットPをシェアするようにして積み付けられてもよく、各物品がパレットP上のいずれの空間に収容又は積載されているかが中央サーバ4へ送信される。
ステップS507の物品の配置の取得処理は、オペレータによって、いずれの物品がパレットP上の空間のいずれに存在するかの情報が入力されることで実現されてもよいし、端末装置5に設けられたカメラデバイスで得られる画像に対する画像処理によって実現されてもよい。各物品の梱包に付された一次元又は二次元コードを読み取ることで実現されてもよい。物品の配置は、識別可能なマークTによって識別されるパレットP上の番地を対応付けて認識される。図19は、物品の配置の取得の一例を示す図である。図19に示すように端末装置6の表示部63に、パレットPを撮像した画像が表示されている。オペレータは、画像上で、物品のリストからいずれをどこに積み付けたかを指定する。処理部60は、パレットPを撮像した画像中のマークTの絵柄から、パレットPの向きを特定して指定された物品が積み付けられた場所の番地情報を特定することができる。
図20は、物品の配置情報の内容例を示す図である。パレットPのパレット識別情報に対応付けて、パレットPに積み付けられている物品の情報が、その物品のパレット上の番地と共に記憶される。番地に対応付けて、どのような物品が配置されているかが記憶されてもよい。図20に示した配置の情報は、タグPTに物品の情報として記憶されてもよい。図20に示すように、パレットPのパレット識別情報に対応付けて、パレットP上の空間の番地情報と、各番地情報で識別される空間を占める物品の情報が記憶される。
パレットPの物品の配置の情報には、事後的に荷重センサ7によってパレットP全体の重さが測定され、対応付けて記憶されている。出荷された後、輸送機器1の荷重センサ72にてパレットP全体の重さを測定したものが中央サーバ4へ、パレット識別情報と対応付けて通知されて記憶されてもよい。
パレットP上の物品の配置情報と、パレットPのパレットフレーム11上の収容位置情報とで階層状に、輸送機器1が複数のパレットPを積載し、複数のパレットP夫々が複数の物品を収容又は積載するという親子関係を有して物流DB410に記憶される。これらの情報に基づいて、パレットPがパレット識別情報によって識別され、いずれの輸送機器1にて輸送中か、いずれのセンターに到着したか等に応じて中央サーバ4はパレットPの移動経路、輸送機器1の輸送経路を逐次再決定し、最適化する処理を行なう。
また、図20に示す情報により、パレットPから物品が荷下ろしされるまで、パレットPにどのような物品がどこに配置されて積み付けられているかを追跡することが容易になる。図21は、端末装置6にて物品の配置情報を出力する手順の一例を示すフローチャートである。端末装置6を持つオペレータが、撮像部65によってパレットPを撮像し、アプリプログラム6Pを起動させると以下の処理が実行される。
処理部60は、アプリプログラム6Pに基づき、撮像部65から出力される映像を取得する(ステップS801)。処理部60は、映像中にパレットPが写っているか否かを、パレットPの形状パターン、又はタグPT上に印刷された一次元又は二次元コードを読み取ることで認識する(ステップS802)。
処理部60は、パレットPが写っていることを認識できた場合、パレットPが端末装置6に向かってどちらを向いているか、予め記憶してあるマークTの認識パターン基づいて、映像中のマークTを識別することで特定する(ステップS803)。処理部60は、パレットPの向きと、パレットPの映像中の領域と、パレットP上の物品の収容位置を示す番地情報を用いて、物品の情報を示す画像を、撮像部65から出力されている映像上に重ねて描画し(ステップS804)、表示部63に出力し(ステップS805)、処理を終了する。
図22は、端末装置6によるパレットPのAR画像の表示例を示す図である。図22に示すようにオペレータは、パレットPのパレット識別情報に対応付けられている物品の場所を示す情報に基づき、パレットPのパッキングリストを視覚的に確認することが可能である。
パッキングリストは図22に示したように、パレットP上から物品が積み下ろされるまでは視覚的に確認できるが、通関書類等を荷受人の言語に応じて出力する必要がある。そこで、端末装置6又は端末装置5からの依頼に応じて、物流DB410に記憶されているパレットPのパレット識別情報に対応付けられている情報を用いて中央サーバ4が通関書類の出力を支援する。
荷受人の言語で通関書類を作成するため、中央サーバ4は、記憶部41に各国の通関書類作成用のデータを記憶しておく。各国の通関書類作成用のデータには、世界基準用に英語によるデータが含まれる。中央サーバ4は、これらの情報を用いて、出荷者で入力操作された物品の情報を物流DB410に追跡可能に記憶しておき、各国用の通関書類へ自動変換し出力することが可能である。
(実施の形態4)
図23は、実施の形態4の物流システム120の概要図である。以下、輸送機器1のパレットP単位でのシェアリングに関しては、特許文献1,2に記載した内容を援用する。
物流システム120は、物品、例えば農作物を輸送する輸送機器1と、輸送機器1が立ち寄るトランスファーセンターである複数のベース(拠点)センター2とを含む。物流システム120は更に、物品(例えば図23中の農作物F)を集配するディストリビューションセンターである集配センター3を含む。集配センター3はベースセンター2と兼用であってもよい。物流システム100は、後述する物流データを管理するルーティングセンター8、物流システム100におけるデータを管理するデータセンター9を含む。
実施の形態4の物流システム120の内、実施の形態1から3に示したシステムと共通する構成については同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
ルーティングセンター8、データセンター9には、生産者又は製造者、集配センター3のオペレータが使用する端末装置6と通信接続が可能である。ネットワークNは、インターネット、及びキャリアネットワークと、ベースセンター2、集配センター3に設けられている基地局BSとを含む。ベースセンター2、集配センター3は、ネットワークNを介してルーティングセンター8及びデータセンター9と通信接続が可能である。
輸送機器1は、搬送トラック、列車、輸送機、船舶等の乗り物(vehicle)である。輸送機器1は、自動運転によって走行する搬送ロボットであってもよい。輸送機器1は夫々、搭載されている通信機、又は運転者が所持する携帯端末装置によりGPS衛星Sからのデータを用いて位置情報を取得し、逐次ネットワークNを介してデータセンター9へ自身の識別情報と共に送信する。
ベースセンター2は、図1に示すように、港、空港、貨物駅、道路網におけるインターチェンジ(IC)等、輸送機器1の拠点となる場所に設置されるとよい。行政区分の規模に相当する地域ごとに1つ又は複数設置され、国際便が発着する港、空港、貨物駅に1つ設置されるとよい。
本開示の物流システム120では、輸送対象物である物品は物流部材に積み付けられて搬送される。物流部材は、具体的にはパレットP及び小型コンテナCである。以下の説明ではパレットPに絞って説明するが小型コンテナCも同様に扱われるとよい。物流部材は更に、フレキシブルコンテナ、所謂フレコンであってもよいし、鉄コンテナであってもよいし、段ボール箱であってもよい。その他、物流で物品を載置させたり、収容させたりするために使用される袋、板材、箱材は物流部材に含まれる。
ルーティングセンター8は、輸送機器1の輸送経路、輸送機器1からのパレットPの積み下ろし、パレットPが積載されるべき輸送機器1を示す移動経路を決定する。ルーティングセンター8は、輸送機器1から逐次得られる位置情報、輸送機器1に積載されているパレットPのパレット識別情報に基づき、決定した輸送経路及び移動経路を最適化して適宜更新し、ベースセンター2へパレットPの搬出・搬入を指示し、輸送機器1へ行き先を指示する。
図24は、ベースセンター2を中心としたローカル物流システム201の概要図である。物流システム100は、図24に示すようなローカル物流システム201を、地域を跨いで接続して構成される。
図24に示すローカル物流システム201におけるベースセンター2には、輸送機器1の入庫を受け付け、輸送機器1から物品をパレットP単位で搬出・搬入する装置群と、装置群を制御するベースコントローラ20が設けられている。ベースコントローラ20は、ルーティングセンター8及びデータセンター9と通信接続が可能である。集配センター3は、ベースセンター2を中心とする地域に対して複数設置されている。
ルーティングセンター8は、ローカル物流システム201における後述するLPアドレスを管理し、ローカル物流システム201内での輸送経路、移動経路を決定する。ルーティングセンター8は、地域毎に分散して存在する複数のコンピュータ(インスタンス)が連携するようにして構成されることが好ましい。
データセンター9は、データベース(以下DBという)に物流データを記憶し、書き込みリクエスト、読み出しリクエスト等に応じる。データセンター9は、ルーティングセンター8同様に複数に分散されるとよい。データセンター9は、ベースセンター2毎に設けられていてもよい。ベースセンター2には、パレットセンター22が並設される。
本開示の物流システム120では、パレットP単位で輸送機器1の荷台をシェアし、パレットPは出発地から目的地まで異なる輸送機器1を経由して輸送されることが許容される。輸送機器1は出発地と目的地が同一のパレットPを集めて輸送する必要が無い。輸送機器1は、ベースセンター2(ローカル物流システム201)を1又は複数経由し、経由するベースセンター2で一部のパレットPを降ろし、また新たに、輸送機器1の次の経由地点又は目的地を目的地とするパレットPを積んで走行する。
このような積み換えをしながらの輸送では、輸送機器1の移動状況、交通網の交通情報、海洋の天候情報等と、輸送機器1に輸送されているパレットP、各パレットPの宛先等に基づいて、パレットPの移動経路、及び輸送機器1の輸送経路を逐次再決定する。決定した移動経路及び輸送経路に基づいてベースセンター2で適宜積み換えを実行し、輸送機器1へは次の目的地(経由地)を指示する。移動経路及び輸送経路の最適解を導出するために、ローカル物流システム201での最適解を導出し、ローカル物流システム201の地域の最適解を異なるローカル物流システム201に亘ってつなげることで輸送機器1の輸送経路及びパレットPの移動経路の最適解を導出する。
このため、本開示の物流システム120においては、パレットP、輸送機器1、ベースセンター2等の固定的施設には、各々固定的な識別情報が割り振られると共に、階層化される物流用のアドレス Logistic Protocolアドレス(以下、LPアドレス)を割り振り、このLPアドレスを出発地、目的地のアドレスとしてLPネットワーク上で経路をコントロールする。LPアドレスは、IPアドレスと同様に、4バイト又は6バイトの数列であり、IPアドレス同様に固定的なプライベートアドレス及びグローバルアドレスとして階層的に用いられる。LPアドレスは、上述した地域毎の輸送経路及び移動経路の導出範囲と対応させるように割り振られるとよい。
LPアドレスは、輸送機器1及び/又はパレットPの所有者である運輸事業者、各ベースセンター2、集配センター3、輸送経路及び移動経路の最適解を導出するルーティングセンター8、データセンター9、パレットPを集積しておくパレットセンター22にグローバルアドレスが割り振られる。そして各グローバルアドレスのローカルネットワーク内で、プライベートアドレスのLPアドレスが割り振られる。例えば、ベースセンター2に設置されるベースコントローラ20によって制御される装置群であって、パレットP又は輸送機器1の経由地点となり得る物に対し、ベースセンター2毎のプライベートアドレスが割り振られる。
図25は、本開示の物流システム120のLPネットワーク300を示す図である。物流システム120は、ベースセンター2を中心とするローカル物流システム201単位に階層化されたLPネットワーク300でコントロールされる。図25に示すように、例えば大阪、兵庫等の行政区分、次にそれらをまとめた関西、近畿といった地域ブロック、次にそれらをまとめた国家に1又は複数設けられる国際局、次にアジア、ヨーロッパ等の大州に階層化される。
LPネットワーク300に基づく物流システム120における物流は、ローカル物流システム201内で完結する輸送はそのローカル物流システム201に対応するローカルネットワーク301内で最適化し、異なるローカルネットワーク301間に亘る輸送は、上位階層のローカルネットワーク301下で最適化する。国をまたぐ国際的な輸送の際には、大州のローカルネットワーク301で、更に大州をまたぐ輸送の場合には大州のローカルネットワーク301間で連携して最適化する。
移動する輸送機器1及びパレットPにも、LPアドレスが割り振られる。移動するので基本的には、輸送機器1及びパレットPには、輸送機器1及びパレットPの所有者である運輸事業者に割り振られたグローバルアドレス傘下のLPアドレスが割り振られ、常に上下関係(親子関係)の組で記憶され、使用されてもよい。移動する輸送機器1及びパレットPには初期的に所有者である運輸事業者に割り振られているグローバルアドレスの傘下にあるローカルネットワーク301内のプライベートアドレスが割り振られ、IPアドレスと同様に、異なるローカルネットワーク301を亘り進むと共にローカルネットワーク301毎に、LPアドレスが割り振られてもよい。
このようなLPネットワーク300を基に最終的な宛先に縛られることなく、地域内で効率が最も良い経路での輸送に徹する物流システム120について以下、詳細を説明する。
物流システム100で用いられるパレットPについて説明する。パレットPは物流の現場で広く用いられているパレット同様に略100cmから120cm四方の大きさを有した物流部材である。図26は、パレットPの一例を示す模式斜視図である。パレットPは、矩形平板状の基部P2と、基部P2の上に載置される同サイズの天板パレットP1とに分離可能に構成される。
図26Aは、リフト型のパレットPである。図26Aでは、基部P2と天板パレットP1とを分解して示している。フォーク等に適合したリフト孔が設けられている基部P2上に天板パレットP1が載置されている。図26Bは、ローラ型のパレットPである。基部P2には一辺に沿った向きに、ローラP3が内部に並設されている。ローラP3は、基部P2の側部に設けられたスイッチ機構によって基部P2の天板から露出できるようにしてある。ローラP3により、基部P2に傾斜を付けることで基部P2の上に載置された天板パレットP1を滑るように移動させることができる。例えば、スイッチ機構によってローラP3が露出し、ペダル状のスイッチを押すことによって基部P2が傾斜することで天板パレットP1が滑るように移動することができる。なおパレットPは、図26Aに示したリフト型と、図26Bに示したローラ型とを組み合わせた態様であってよい。例えば、ローラP3は、長さ方向に分断されて構成されており、図26Aのリフト型のように基部P2にリフト孔が設けられて、天板パレットP1がフォーク等によって持ち上がることができるようにしてある。
図26Cは、搬送車型のパレットPである。搬送車型のパレットPは、基部P2の下部に走行車P4が設けられており、内蔵する制御部によって走行可能である。走行制御部は、無線通信によって外部から位置情報による走行指示を受け付け、走行指示に応じて走行車P4を走行させる。搬送車型のパレットPは、基部P2の天板に露出可能なローラP3を備える。搬送車型のパレットPは、基部P2の下部と走行車P4との間に基部P2の傾きを変更可能な支持機構P5を備える。支持機構P5は四隅にバネ支柱を有し、内蔵の制御部又はスイッチ、ボタン等の機構に基づいてバネ支柱夫々の支柱の高さを変えて基部P2の天板を傾斜させ、ローラP3を露出させることで天板パレットP1を滑るように移動させることができる。
図27は、パレットPの他の一例を示す模式斜視図である。パレットPは基部P2と、基部P2の上に載置される天板パレットP1とに分離可能に構成される。図27の例では、基部P2は100cmから120cmの範囲の矩形又は正方形状の底板P6の向かい合う2側辺に沿った側壁と、側壁と略平行な内壁とを有する。側壁及び内壁の端面には、底板P6の4つの角部、及び四辺夫々の中点、基部P2の中央部の9箇所に対応する位置に、球面状の支持部P7を有している。支持部P7が天板パレットP1を支持する。基部P2は、側壁及び内壁の半分の高さに中板P8を有し、底板P6と中板P8との間にフォークリフトのフォークを差し込むことができるようにしてある。フォークリフトは、底板P6と中板P8との間にフォークを差し込んで基部P2ごとパレットPを持ち上げることと、天板パレットP1のみを持ち上げることの両方が可能である。
図28Aは、図27に示したパレットPの基部P2の上面図、図28Bは、側面図、図28Cは正面図、図28Dは下面図である。
図29Aは、図27に示したパレットPの天板パレットP1の上面図、図29Bは側面図、図29Cは下面図である。天板パレットP1は単純な矩形又は正方形状の板材であってもよいが、図29Aから図29Cに示すように、基部P2に当接する面の基部P2の支持部P7に対応する9箇所に、球面状の支持部P7に対応する球面状の凹部P9を備えた形状であってもよい。
図26Aから図26C、図27、図28及び図29に示した型のいずれであっても、天板パレットP1は、基部P2の傾斜やリフト孔等の機構によって基部P2から天板パレットP1を分離させることが可能である。
パレットPの天板パレットP1及び基部P2はいずれも好ましくは樹脂製であり、その他、木製、ステンレス製、段ボール製等多様な材料製でよく、天板パレットP1と基部P2とで異なる材料製であってもよい。
図26Aから図26C、図27、図28及び図29に示した型のいずれであっても、天板パレットP1には、天板パレットP1を固有に識別するパレット識別情報が記憶されたタグTが取り付けられている。タグTは、RFID等を用いた無線タグでもよいし、SIGFOX(登録商標)等の無線通信モジュールを内蔵してもよい。タグTがRFIDを利用する場合、タグTに記憶されたパレット識別情報がリーダによって読み出され、輸送機器1に搭載されているGPSモジュールで取得される位置情報と対応付けて、輸送機器1から逐次発信されるとよい。タグTがSIGFOX等の無線通信モジュールを内蔵する場合、GPS又はGPSを使用せずに位置情報を特定し、記憶されているパレット識別情報及び位置情報を対応付けて発信することが好ましい。
タグTには、固有のパレット識別情報が記憶されているのみならず、固有又は可変のLPアドレスが記憶されている。更にタグTには、パレットPに積み付けられる一つ又は複数の物品の情報を書き込み可能である。物品の情報とは、物品の種別及び品目、重量、集荷の日付、物品の配送番号、直近に経由したベースセンター2の拠点識別情報、目的地のベースセンター2、荷受人情報、送り元情報等である。
図26Aから図26C、図27、図28及び図29に示したパレットPを用い、製造者、輸送機器1、集配センター3、ベースセンター2は、パレットP単位で物品の積み下ろしをする。実際には、天板パレットP1のみを移動させ、パレットPの基部P2は製造者、輸送機器1内、集配センター3、ベースセンター2内にて使用する。なお図26Aから図26C、図27、図28及び図29に示した分離可能なパレットPに限られず、分離されないパレットPも共に使用されてよい。以下、天板パレットP1のみがそこに積み付けられた物品と共に輸送機器1の荷台に積み降ろしされるものとして説明する。
輸送機器1は、以下の説明においては搬送トラックであるとする。図30A、図30B、及び図30Cは、輸送機器1及び中型コンテナの模式斜視図である。図30Aは、パレットフレーム11を荷台に備えた輸送機器1の模式斜視図である。図30Aに示すように、輸送機器1の荷台には、天板パレットP1単位で物品を搬送するためのパレットフレーム11が設けられている。パレットフレーム11は具体的には、荷台を床面から天井に至る高さを半分に上下二段に分ける台である。台には天板パレットP1の搬出及び搬入を容易にするために、ローラ型のパレットPの基部P2(図26B)同様にローラを設けてあってもよい。輸送機器1の荷台は車幅方向に天板パレットP1が2つ並置できる内寸を有している。パレットフレーム11にて区分けされた上下と、左右とで荷物つき天板パレットP1の収容位置を特定することができる。上下、左右、前後の位置、又はパレットフレーム11内での位置若しくは通し番号によって、輸送機器1内のいずれの位置に天板パレットP1が収容されているかを識別できるようにしてある。識別された収容部には収容部識別情報が割り当てられて輸送機器1の車載機10で使用される。
図30Bは、中型コンテナ12を荷台に積載した輸送機器1の模式斜視図である。中型コンテナ12は、天板パレットP1を2つから8つ程度、収容できる大きさである。中型コンテナ12の容量は複数種類存在し、図30Bに示すように、異なる大きさの中型コンテナ12が荷台に積載されるとよい。中型コンテナ12は、例えば樹脂製である。中型コンテナ12は、折り畳みが可能な機構を有していることが好ましい。中型コンテナ12は、冷蔵、冷凍機構を有していてもよい。
図30Cは、区分けされたパレットフレーム11を荷台に備えた輸送機器1の模式斜視図である。図30Cに示すように、輸送機器1の荷台には、天板パレットP1単位で物品を搬送するためのパレットフレーム11が設けられている。図30Cのパレットフレーム11は、天板パレットP1を各々格納する複数の収容部13に区分けされている。収容部13には、シャッター状の扉131が設けられている。収容部13は、底部に、図28A-図29Dに示したように、天板パレットP1に対応する基部P2と同様の支持部132を設けている。支持部132は、フォークによって天板パレットP1を引き出しやすくする。収容部13は、内部に底面以外の5つの内面に緩衝材133が設けられている。緩衝材により、天板パレットP1に積み付けられた荷物を保持する。収容部13は、図30Cに示すように、表示器134を備えてもよい。表示部134は、ルーティングセンター8又はデータセンター9から車載機10を介して受信した情報に基づき、収容部13に収容されるパレット識別情報、搬出すべき又は搬入すべきであることを示すテキスト等を表示するとよい。
輸送機器1が列車、輸送機、船舶等の乗り物である場合、パレットPを収容する大型コンテナが用いられ、大型コンテナがパレットフレームにて、収容部を識別できるようにしてあるとよい。図30A、図30B及び図30Cの荷台に対応する横開きの箱がそのまま大型コンテナとして使用されてもよい。
輸送機器1は、車載機10及び天板パレットP1のタグTからパレット識別情報、LPアドレスを読み取るリーダを備える。車載機10は、GPS受信機を有し、輸送機器1の位置情報を逐次取得し、ルーティングセンター8又はデータセンター9へ送信する。天板パレットP1のタグTがSIGFOXである場合、位置情報は天板パレットP1のタグTから送信されてもよい。車載機10は、輸送機器1の荷台に天板パレットP1が搬入されると、天板パレットP1のパレット識別情報をリーダで読み取る。収容中の天板パレットP1のパレット識別情報及び/又はLPアドレスと、パレットフレーム11における収容位置を識別する収容部識別情報とを、予め記憶している輸送機器1の機器識別情報と対応付けてルーティングセンター8又はデータセンター9へ送信する。車載機10は、輸送機器1の荷台から搬出される天板パレットP1のタグからパレット識別情報をリーダで読み取り、搬出された天板パレットP1のパレット識別情報及び/又はLPアドレスを、予め記憶している輸送機器1の機器識別情報と対応付けてルーティングセンター8又はデータセンター9へ送信する。車載機10は、搬出される天板パレットP1について、その天板パレットP1が収容されていた収容部の収容部識別情報を対応付けて、搬出されることをルーティングセンター8又はデータセンター9へ通知してもよい。
図31は、データセンター9の構成を示すブロック図である。データセンター9は、物流DB910と、物流DB910への読み書きを実行するデータデバイス902とを含む。データデバイス902は、ベースセンター2のベースコントローラ20、輸送機器1に搭載されている車載機10等から得られるデータを記憶する。
データデバイス902は、処理部90、記憶部91及び通信部92を備える。処理部90はCPUまたはGPUを用いたプロセッサである。処理部90は、内蔵するROM及びRAM等のメモリを用いて処理を実行する。処理部90は、内蔵するタイマーによって逐次、時間情報を取得することができる。
通信部92は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2における通信を実現する。処理部90は、通信部92により、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介して端末装置5との間で情報の送受信が可能である。また処理部90は、通信部92により、キャリアネットワークN2を介して輸送機器1に搭載されている車載機10との間で情報の送受信が可能である。処理部90は、通信部92により、公衆通信網N1、キャリアネットワークN2、又は専用線を介し、ルーティングセンター8、ベースセンター2のベースコントローラ20、集配センター3の集配装置30と通信接続が可能である。
処理部90は、物流DB910と接続されており、物流DB910に対して読み書き処理が可能である。物流DB910には、第1パレット情報911、第2パレット情報912、輸送機器情報913、及びユーザ情報914が記憶されている。第1パレット情報911は、各ベースセンター2、パレットセンター22、集配センター3、生産拠点に対して付与されている固有識別情報、LPアドレスに対応付けて、各所に存在するはずの天板パレットP1のパレット識別情報、LPアドレスが逐次記憶されている。
物流DB910の第2パレット情報912には、パレット識別情報に対応付けて、LPアドレス、天板パレットP1が積まれている輸送機器1を識別する輸送機器識別情報、天板パレットP1に積み付けられている物品の情報が記憶されている。物品の情報は、天板パレットP1に積み付けられている小型コンテナC又は他の物流部材のコンテナ識別情報であってもよい。物品の情報は、輸送番号、出荷者、荷受人を識別する情報、天板パレットP1の物品込みの重さの情報を含むとよい。
物流DB910には、輸送機器情報913として、輸送機器1を識別する機器識別情報に対応付けて、割り振られているLPアドレス、輸送機器1の位置情報(緯度経度高さ)、出発地のLPアドレス、目的地のLPアドレス、及び経由地点のLPアドレスを時間と共に含む運行情報、並びに積載中の天板パレットP1のLPアドレスが記憶されている。
物流DB910には、ユーザ情報914として、物流システム120におけるアカウント情報(識別情報)に対応付けて、事業者若しくは荷主の種別、氏名又は名称、住所、電子メール又は電話番号等の連絡先情報が記憶されている。
データセンター9は、ブロックチェーンで構成されていて、データデバイス902が、ブロックチェーンのノードであってもよい。
図32は、ルーティングセンター8の構成を示すブロック図である。ルーティングセンター8は、ネットワークDB810、経路DB820、及びルーティングデバイス830を含む。
ネットワークDB810は、ルーティングセンター8、図25のLPネットワーク300のグローバルなLPアドレスを記憶している。
経路DB820は、輸送機器1に対して決定した輸送経路、及びパレットP夫々の移動経路について、制御の基になる決定データ、及び、実績データを両方記憶している。
ルーティングデバイス830は、サーバコンピュータであり、処理部80、記憶部81、通信部82を備える。ルーティングデバイス830は、1つのサーバコンピュータ(ハードウェア)を用いる構成のみならず、複数のサーバコンピュータで処理を分散する構成としてもよいし、大型コンピュータに仮想的に生成される複数のサーバコンピュータ(インスタンス)の内の1つであってもよい。ルーティングデバイス830は、データセンター9の物流DB910の情報の更新処理を除き、後述する経路の最適化に関しては、量子コンピュータによって演算を実行してもよい。
処理部80はCPUまたはGPUを用いたプロセッサである。処理部80は、内蔵するROMおよびRAM等のメモリを用いて処理を実行する。処理部80は、内蔵するタイマーによって逐次、時間情報を取得することができる。
記憶部81は、ハードディスク又はSSD(Solid State Drive )等の不揮発性の記憶媒体を含む。記憶部81は、コンピュータプログラム80Pを記憶する。処理部80は、記憶部81に記憶されているコンピュータプログラム80Pに基づく演算によって最適経路を導出する処理を実行する。
記憶部81にはWebサーバプログラムが記憶されており、処理部80はWebサーバ機能を発揮し、このWebサーバ機能によって端末装置5から、輸送機器1の輸送依頼、即ち、荷台のシェアの依頼等を受け付けてもよい。
通信部82は、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2における通信を実現する。処理部80は、通信部82により、公衆通信網N1又はキャリアネットワークN2を介して端末装置5との間で情報の送受信が可能である。また処理部80は、通信部82により、キャリアネットワークN2を介して輸送機器1に搭載されている車載機10との間で情報の送受信が可能である。処理部80は、通信部82により、公衆通信網N1、キャリアネットワークN2、又は専用線を介し、データセンター9、ベースセンター2のベースコントローラ20、集配センター3の集配装置30と通信接続が可能である。
ルーティングデバイス830は、物流DB910から輸送機器1の移動、物品の発送によって輸送機器1から得られる位置情報、積載している天板パレットP1のデータ、ベースセンター2、集配センター3から得られる物品の在所情報に基づき物流DB910を逐次、更新するようにデータデバイス902へリクエストする。ルーティングデバイス830は、物流DB910に記憶されているデータに基づいて輸送機器1の輸送経路及びパレットPの移動経路を決定し、これに基づいて輸送機器1、ベースセンター2、集配センター3における輸送、搬入及び搬出をコントロールする。
ベースコントローラ20は、ルーティングデバイス830から指示された機器識別情報の輸送機器1が入庫してきた場合、事前に受信しておいた指示情報に基づき、その輸送機器1から搬出すべき天板パレットP1(パレットP)を搬出する指示を搬出装置へ与える。指示情報には、機器識別情報に対応付けて、搬出すべき天板パレットP1のパレット識別情報及び/又はLPアドレスと、その天板パレットP1が収容されているパレットフレーム11における位置を示す収容部識別情報とが含まれている。ベースコントローラ20は、搬出が終了し、そのまま輸送すべき天板パレットP1についてはそのまま収容している輸送機器1の空き収容部に、事前に受信してある指示情報に基づき、その輸送機器1へ搬入すべき天板パレットP1(パレットP)を搬入する指示を搬入装置へ与える。指示情報には、機器識別情報に対応付けて、搬入すべき天板パレットP1のパレット識別情報及び/又はLPアドレスと、その天板パレットP1を収容すべき(空いているはずの)パレットフレーム11における収容部の位置を示す収容部識別情報とが含まれている。
集配センター3において集配装置30は、天板パレットP1のパレット識別情報及び/又はLPアドレスに対応付けて、積み付けられた物品の情報を作成し、データセンター9へ送信する。集配装置30は、ルーティングセンター8から、搬入先の輸送機器1の機器識別情報及び収容される収容部の識別情報に対応付けて天板パレットP1のパレット識別情報及び/又はLPアドレスを含む指示を受信し、指示通りに輸送機器1に搬入する。集配装置30は、目的地である場合、到着した天板パレットP1のパレット識別情報及び/又はLPアドレスを、到着済みとしてデータセンター9へ送信する。
実施の形態4において、輸送依頼者である生産者又は製造者、集配センター3のオペレータが使用する端末装置5の処理部50は、記憶部51に記憶されているアプリプログラム5Pに基づき、ルーティングデバイス830のWebサーバへの通信接続を実行する。処理部50は、ルーティングデバイス830によって提供される輸送依頼に係るWebページを介した処理を実行する。
図33及び図34は、物流システム120にて物品の輸送依頼を受ける際の処理手順の一例を示すフローチャートである。以下、端末装置5が、使用者に付与されている物流システム120におけるアカウント情報に基づいてルーティングセンター8と通信接続した状態で開始される。
荷主が、端末装置5を使用してLPアドレスを問い合わせる(ステップS601)。
ルーティングデバイス830は、LPアドレスの問い合わせを受信し(ステップS831)、問い合わせの送信元の端末装置6の位置、又は問い合わせと共に送信される端末装置6の使用者である荷主のアカウント情報に基づいて、LPアドレスを応答する(ステップS832)。
端末装置5は、LPアドレスを受信し(ステップS602)、表示部53に表示する(ステップS603)。処理部50は、表示部53及び操作部54を用い、輸送対象の物品の量、種別、出発地、目的地、及び到着希望日時を受け付け(ステップS604)、出発地、目的地及び到着希望日時を、LPアドレスに対応付けてルーティングデバイス830へ送信する(ステップS605)。
ルーティングデバイス830は、設定された出発地、目的地及び到着希望時刻を受信し(ステップS833)、処理部80は、出発地に対応する集配センター5を特定する(ステップS834)。処理部80は、目的地が出発地と同一ローカルネットワーク301内であるか否かを判断する(ステップS835)。同一ローカルネットワーク301内であると判断された場合(S835:YES)、処理部80は、特定した集配センター3に存在する、又は、到着予定の空のパレットPの同一ローカルネットワーク内でのLPアドレスを抽出し(ステップS836)、その集配センター3に到着できる輸送機器1のLPアドレスを抽出する(ステップS837)。
処理部80は、抽出した天板パレットP1のLPアドレス、輸送機器1のLPアドレス及び位置情報に基づいてその荷物を積み付ける天板パレットP1のローカルネットワーク301内における移動経路、ローカルネットワーク301内又はローカルネットワーク301内に存在する予定の輸送機器1の輸送経路の候補を導出する(ステップS838)。ステップS838の処理は、演算によって最適な経路を試行し、最も経路が短い、又は使用パレットP数が少ない等の条件によって最適化する。処理部80は、処理を次のステップS839へ進める。
ステップS835において目的地が出発地と同一ローカルネットワーク301でないと判断された場合(S835:NO)、処理部80は、目的地のローカルネットワーク301(グローバルアドレス)を特定する(ステップS840)。処理部80は、目的地のローカルネットワーク301へのローカルネットワークの経路を特定し(ステップS841)、天板パレットP1の移動経路、及び輸送経路の候補を、跨ぐローカルネットワーク301毎に部分経路を導出する(ステップS842)。ステップS842において処理部80は、ローカルネットワーク301毎に、部分経路(出発地及び目的地)内の出発地に到着できる輸送機器1のLPアドレスを逐次更新される輸送機器情報から抽出して用いる。処理部80は、処理をステップS839へ進める。このとき部分経路は、他のリクエストにも使用される候補として経路DBに記憶されるとよい。
処理部80は、導出した移動経路及び輸送経路の候補を端末装置6へ送信する(ステップS839)。
端末装置5は、移動経路及び輸送経路の候補を受信し(ステップS606)、主な経由地点を示して経路リストを表示部53に表示する(ステップS607)。端末装置5では、経路リストから荷主が希望する経路が選択され(ステップS608)、ルーティングデバイス830へ送信される(ステップS609)。
ルーティングデバイス830は、選択された経路を受信し(ステップS843)、処理部80は、決定された経路として経路DBに記憶し(ステップS844)、処理を終了する。
図33及び図34のフローチャートに示した処理手順を、具体例を挙げて説明する。図35は、LPネットワーク300に基づく輸送経路の決定方法の概要図である。例えば「日本」「滋賀」の1つの集配センター3を出発地として、「タイ」「チェンマイ」の1つの集配センター3を目的地として物品を輸送する輸送依頼がされているものとして説明する。以下、LPアドレスはIPv4同様の数列として説明するが、これに限られない。
ルーティングデバイス830は、「滋賀」の集配センター3のLPアドレスを、ローカルネットワーク301内で特定する。例えば出発地の集配センター3のLPアドレスは、「滋賀」のローカルネットワーク301内ではプライベートアドレスとして、アドレス192.168.01.121と特定できる。
目的地はローカルネットワーク301外であり、目的地の「チェンマイ」のローカルネットワーク301のLPアドレスが、グローバルアドレスとして例えば215.0.120.10として特定される。「滋賀」のローカルネットワーク301では、このグローバルアドレスへの経路は導出できないので、「滋賀」のグローバルアドレス204.0.046.0 から上位の「近畿」のグローバルアドレス150.0.100.0 へ問い合わせられる。「近畿」のローカルネットワーク301傘下でもグローバルアドレス215.0.120.10へは直接アクセスできないので、ルーティングデバイス830によって、更に上位の「日本」のグローバルアドレス20.0.10.0 のローカルネットワーク301へ問い合わせられる。「日本」のローカルネットワーク301傘下でもグローバルアドレス215.0.120.10へは直接アクセスできないので、ルーティングデバイス830によって、更に上位の「アジア」のグローバルアドレス10.0.10.0 のローカルネットワーク301へ問い合わせられる。アジアのローカルネットワーク301から、「チェンマイ」のグローバルアドレス215.0.120.10へのアクセス経路が問い合わせられ、「タイ」のローカルネットワーク301からアクセス経路が、「タイ」のローカルネットワーク傘下の「北部」ローカルネットワーク301を経由するとして応答される。目的地の集配センター3の「チェンマイ」のローカルネットワーク301内でのLPアドレス192.168.01.130も、「チェンマイ」のローカルネットワーク301に対応するルーティングデバイス830によって特定される。したがって、経路は集配センター3(192.168.01.121)→「滋賀」204.0.046.0 →「近畿」150.0.100.0 →「日本」20.0.10.0 →「アジア」10.0.10.0 →「タイ」50.0.10.0 →「北部」205.0.120.0 →「チェンマイ」215.0.120.10→集配センター3(192.168.01.130)と特定される。グローバルネットワーク間の経路は、対応するベースセンター20間、例えば「近畿」→「日本」では滋賀のベースセンター2→大阪→大阪港のベースセンター2等で輸送機器1の経路が決定され、「日本」→「アジア」→「タイ」では、大阪港のベースセンター2→(経由港、例えば中国広州港)のベースセンター2→タイのバンコク港のベースセンター2、「タイ」→「北部」ではバンコク港のベースセンター2→チェンマイ県のベースセンター2、「北部」→「チェンマイ」ではチェンマイ県のベースセンター2内で経路が決定される。上述の意味でルーティングデバイス830は、ローカルネットワーク301毎に分散されるとよい。
図35の例では、移動する天板パレットP1には、天板パレットP1の所有者の運輸事業者又はルーティングセンター8の運営者に割り当てられているグローバルアドレス204.0.046.01に属するLPアドレス192.168.01.105が割り振られ、このLPアドレス「204.0.046.01:192.168.01.105」が目的地まで使用される。
このように決定された移動経路及び輸送経路が、各ローカルネットワーク301に対応するベースコントローラ20へ送信され、ローカルネットワーク301内の部分経路(地域内輸送である場合には全体経路)での出発地及び目的地への輸送がコントロールされる。ルーティングデバイス330は、ローカルネットワーク301内での輸送機器1の輸送経路、及びパレットPの移動経路を交通情報等に応じて適宜更新する。図36は、経路DB820に記憶される輸送経路及び移動経路のデータの内容例である。図36に示すように、逐次更新される輸送経路は、輸送機器1の機器識別情報及びLPアドレス(移動可能)と、更新された日時(バージョン)とに対応付けられて記憶される。このデータについても、ブロックチェーン上に履歴として逐次追加記録されていってもよい。最新のバージョンを参照してルーティングデバイス830から各輸送機器1及びベースコントローラ20へ指示が送信される。
それらの適宜更新される輸送経路に基づいて走行する輸送機器1からは、輸送機器1のLPアドレスと現在位置(緯度経度高さ)が逐次送信され、データセンター9の輸送機器情報913にて逐次記録される。図37は、輸送機器情報913に記憶されるデータの内容例である。図37に示すように、逐次更新される現在位置は、輸送機器1の機器識別情報及びLPアドレスと、更新された日時(バージョン)とに対応付けられて記憶される。このデータについても、ブロックチェーン上に履歴として逐次記録されていってもよい。図37の例では、輸送機器1は移動可能なので、輸送機器1のLPアドレスは、輸送機器1の所有者である運輸事業者に割り当てられているグローバルアドレス204.0.046.02に属するLPアドレス192.168.01.168が割り振られ、移動先まで使用される。
同一ローカルネットワーク301内において、出発地の集配センター3又はベースセンター2から、目的地の集配センター3又はベースセンター2までの輸送が制御される。しかしながら、異なるローカルネットワーク301を跨ぐ場合、ベースコントローラ20によって対象のパレットPが搬出・搬入される。これにより、その制御権が、パレットPの移動先のローカルネットワーク301に移動する。制御権の移転先のローカルネットワーク301でも同様に、ルーティングデバイス830が、ローカルネットワーク301内の部分経路における出発地から目的地までの輸送を、適宜変更可能な状態でコントロールする。
図38及び図39は、予約受付画面530の内容例を示す。予約受付画面530は、端末装置5の表示部53に表示される。図38に示す予約受付画面530は、輸送依頼に係る物品の種別、量(個数)及びサイズ、出発地、目的地、希望到着日時の入力画面を含む。図38の予約受付画面530に含まれる「検索」ボタンが選択されると、輸送依頼がルーティングセンター8のルーティングデバイス830へ送信され、ルーティングデバイス830によって経路の候補が抽出される。図39に示す予約受付画面530は、経路の検索結果を示している。図39の検索結果は、図38の予約受付画面530で受け付けられた情報に基づき抽出された経路の候補が複数表示されている。予約受付画面530は、候補夫々に対応付けて選択インタフェースを含む。経路は、図39に示すように、出発地である「A」という「滋賀」の集配センター3から、目的地の「チェンマイ」の集配センター3まで、括弧書きで示す異なる運輸事業者による輸送機器1を跨いで運ばれる場合も1つの輸送手段として選択可能に示される。経路の候補夫々には、その経路で輸送させた場合の料金が記載されており、比較できるようにしてある。経路を選択すると、その物品が例えば異なる国、大州を跨ぎ、異なる運輸事業者による輸送機器1を跨いだ経路で輸送されるとしても、1つの輸送依頼として1回の決済対象としてルーティングセンター8又は決済用の専用機器によって処理される。
図40は、予約及び決済処理の一例を示すフローチャートである。取引条件に応じて、実際の輸送経路に基づき予約決済される。図40のフローチャートに示す処理は、データデバイス902によって実行されるものとする。ルーティングセンター8から経路DB810に記憶される予定経路及び輸送の実績を読み出すことができる別装置にて、以下の決済サービスに関する処理を実行するようにしてもよい。
データデバイス902の処理部90は、輸送経路の決済リクエストを、端末装置5を介して受け付け(ステップS901)、リクエスト元の端末装置5のユーザを荷主とする依頼を物流DB910から検索する(ステップS902)。処理部90は、検索の結果得られる移動経路及び輸送経路の一覧を表示する(ステップS903)。
処理部90は、ルーティングセンター8の経路DB820を参照し、荷主が依頼している決済前の移動経路及び輸送経路を読み出す(ステップS904)。
処理部90は、ステップS904によって読み出した荷主のパレットPを輸送する1又は複数の輸送機器1の運輸事業者を、支払先として仮に決定する(ステップS905)。処理部90はステップS905において、パレットPが異なる輸送機器1を亘って輸送される場合、その異なる輸送機器1夫々の運輸事業者(複数)を支払先として仮決定する。
処理部90は、リクエスト元の荷主と、ステップS905で仮決定した支払先との間の関係に基づき、支払先毎に決済方法を検索する(ステップS906)。ステップS906において、処理部90は、荷主についてオープンアカウントがあるか否か、オープンアカウントがある場合、いずれの枠を用いるのが支払先との関係で最も適切であるか、決定するとよい。処理部90は、荷主についてオープンアカウントがないか、又は適切な枠が存在しない場合、クレジット処理とすると決定する。決定の根拠は例えば、金融機関及び/又は信用情報の管理事業者との連携を可能にしておき、更には、仮想通貨のウォレット情報等を参照可能としておき、これらの情報を参照して処理部90、又は決済用の特定の装置が決定するとよい。ステップS906において処理部90は、輸送機器1毎に、パレットPを輸送した距離及び運賃等を算出し、算出した金額に基づいて検索するとよい。
処理部90は、ステップS906で検索した決済方法を、支払先毎に表示し(ステップS907)、表示した決済方法から、支払先毎に選択を受け付ける(ステップS908)。ステップS908はスキップされ、処理部90又は決済用の特定の装置によって自動的に、支払先に応じて適切に決定されてもよい。
処理部90は、決定された決済方法の確認を受け付け(ステップS909)、確認された支払先の運輸事業者の輸送機器1による輸送経路及びパレットPの移動経路を決定する(ステップS910)。処理部90は、決定された経路及び決済方法によって予約が完了したことを、端末装置5を介して荷主へ通知し(ステップS911)、処理を終了する。
このように予約、決定されたパレットPの出発地(集配センター)、経由地、目的地と、パレットPの実際の移動経路(積載された輸送機器1及び輸送機器夫々の輸送経路)のデータがデータセンター9に記憶される。これにより、いずれのパレット識別情報のパレットPに積み付けられるべきが、そしてそのパレットPはどのような経路で1又は複数の輸送機器1に積載されるかの指示が可能である。そして、輸送機器1又はパレットPから逐次送信される位置情報、及び輸送機器1が立ち寄る経由地点のベースセンター2にて実際に積み下ろしされたパレットPのパレット識別情報が逐次データセンター9へ送信され、記憶される。これにより、予定の輸送機器1の輸送経路及びパレットPの移動経路に対し、実際の輸送経路及び移動経路が実績データとして記憶され、各物品の移動経路としてトレースすることが可能になる。どのような決済方法によって決済するかを、データセンターに記憶してある取引条件、決済条件に応じて正確に決済することも可能である。
上述したようにLPアドレスを用いた物流制御によって物流システム120では、異なる運輸事業者、異なる国を跨いだ物流についてもまとめて輸送依頼から予約が可能である。異なる運輸事業者の輸送機器1を亘ったパレットPの輸送においても、支払う荷主にとっては1回の決済手続で、異なる輸送事業者夫々への適切な決済までを実行する物流の総合的なMaasが可能となる。
開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。