以下に、添付の図面を用いて本発明の好ましい実施の形態を説明する。本発明に係る電子機器は、無人航空機(以下、「ドローン1」と称す。)に取り付けられる撮像装置(以下、「カメラ10」と称す)を対象とする。但し、本発明に係る電子機器は、これに限定されるものではなく、アクチュエータによって駆動され可動体に載置される電子機器に広く適用することができる。
図1(A)及び図1(B)は、本発明に係るカメラ10が搭載されているドローン1を示しており、図1(A)はドローン1が着地している状態の斜視図、図1(B)はドローン1が飛行中の状態の斜視図である。ドローン1は、複数のプロペラ2(2a、2b、2c、2d)を備えており、図示のドローン1は4枚のプロペラ2を備えたクワッドコプターと呼ばれるものである。プロペラ2の数や大きさはドローン1の重量、用途によって異なる。ドローン1は、プロペラ2が回転することによって揚力を発生させ、浮遊することができ、全てのプロペラ2を等しい回転数に制御することで機体を空中で安定保持(ホバリング)させることができる。また、プロペラ2の回転数を異ならせることで、機体の姿勢の変更、移動を行うことができる。
ドローン1には、アクションカムと称する小型なカメラ10が取り付けられている。カメラ10は、携帯性を重視するため小型且つ軽量に構成されている。カメラ10は大別して固定部と可動部によって構成され、固定部はドローン1と締結するための締結部品と後述する通信手段などを備えている。カメラ10の可動部は、固定部に対して、略水平方向であるパン方向(水平・左右)に、また可動部の一部が略鉛直方向であるチルト方向(垂直・上下)及び、ロール方向(回転)にそれぞれ回動可能に構成されている。これら3つの方向の回動を制御してドローン1の揺れをキャンセルさせる動作を行うことができる。これによってカメラ10は、像揺れが少ない画像を撮影することができる。なお、カメラ10は別の固定部品によってドローン1以外の自転車や身体にも装着可能である。カメラ10の内部構成の詳細については後述する。
また、ドローン1は、スキッド3(3a、3b)を備えている。スキッド3は、非飛行時にドローン1を地上で支持する機構である。本発明に係るカメラ10を搭載したドローン1のスキッド3は、格納可能に構成されている。具体的には、ドローン1に取り付けられる部分が一定量回動可能に構成されており、ドローン1が離陸すると、スキッド3を図1(A)に示す位置から図1(B)に示す位置へ回動させ、格納させることができる。そして、ドローン1が着陸する時には、スキッド3を図1(B)に示す位置から図1(A)に示す位置へ回動させると共に、着陸に備えさせ、ドローン1やカメラ10が地面に接触して破損してしまう等の不具合を防ぐことができる。またスキッド3を格納させることで、ドローン1の飛行中にカメラ10がパンニング駆動を行いながら撮影する際、撮影画角内にスキッド3が写り込んでしまう等の不具合を防ぐことができる。
(実施例1)
次に本発明の実施例1に係るカメラ10の詳細について説明する。図2(A)は、本実施例1のカメラ10の斜視図である。図2(B)は、説明のために外装カバーの一部であるサイドカバー49を非表示にしたカメラ10の斜視図である。
図2(A)に示すように、カメラ10は1段目の可動部であるパンユニット30と、2段目の可動部であるチルトユニット40の2つの可動部と固定部であるカメラ10の土台部分となるベースユニット20(ベース部材)で構成されている。
ベースユニット20は、外部から電力を受け取るための不図示の電源入力部、後述する被駆動体であるレンズユニット50から得られる画像を外部へ送信する通信手段とパンユニット30やチルトユニット40の駆動の制御や画像処理を行う主基板部を備えている。また、ベースユニット20は、パンユニット30を回動可能に支持し、パンユニット30をパン方向に旋回させるための不図示のパンユニット駆動手段を備えている。
パンユニット30は、ベースユニット20を基準として矢印Pで示されるパン方向に回動可能である。また、パンユニット30は、チルトユニット40を回動可能に支持している。更に、図2(B)に示すようにパンユニット30は、後述する駆動手段35、36と回転量検知手段37、38を備えている。
チルトユニット40は、光学的な被写体像を形成する光学レンズ部とその被写体像を電気的な撮像信号に変換する撮像部からなるレンズユニット50を備えている。そして、チルトユニット40は、パンユニット30に対してレンズユニット50の光学レンズ部の光軸を通り、矢印Pに垂直な矢印Tで示されるチルト方向に回動可能である。更に、チルトユニット40は、レンズユニット50が光学レンズ部の光軸を中心とする回転方向(矢印Rで示されるロール方向)に回動可能となるようにレンズユニット50を保持している。
上述の各ユニットを構成することにより、カメラ10を任意の方向に変えて撮影することが可能になると共に、光軸を中心に回転させながら撮影することも可能になる。
次に、上述の各ユニットの詳細について、図3から図5を用いて説明する。図3は、カメラ10の本体構成を示すための要部の分解斜視図である。図4は、チルトユニット40の内部構成を示す分解斜視図である。図5は、カメラ10の軸tと軸pにおける要部断面図である。なお、本発明の説明上不要で図示すると図が煩雑になるものは省略している。
図3から図5において、軸pは図2(A)の矢印Pで示したパンユニット30のパン方向のパン回転軸(第3の軸)を示し、軸tは図2(A)の矢印Tで示したチルトユニット40のチルト方向のチルト回転軸(第2の軸)を示す。軸rは図2(B)の矢印Rで示したレンズユニット50の光学レンズ部の光軸を回転中心とするロール方向のロール回転軸(第1の軸)を示す。本実施例1では、軸pと軸tは略直交した構成となっているが、軸pと軸tは必ずしも直交する関係である必要はない。
図3においてベースユニット20は、不図示の主基板部や通信手段、電源入力部を備えている。主基板部は、システム制御回路(CPU)やメモリ、パンユニット30やチルトユニット40の駆動制御を行うドライバIC等を搭載しており、カメラ10の全体の制御を行う。
通信手段は、通信制御回路やアンテナを備えており、主基板部と接続されている。通信手段は、レンズユニット50から得られた画像データを受信手段(不図示)へ電波を介することにより送信、又は送信手段(不図示)からカメラ10の操作等を行うための情報を受信する。
不図示の電源入力部は、ベースユニット20の底面部20aに設けられており、電気接点部を備えている。電源入力部は外部から電力を受け取り、主基板部などへ電力を供給する。本実施例1では、ドローン1と電源入力部が接続されることでドローン1から主基板部へ電力が供給可能となる。更に、ベースユニット20の底面部20aには上述のドローン1のような移動体等に取り付け可能な不図示のアタッチメントが備えられている。
次に、パンユニット30の内部構成について説明する。パン基台31は、パンユニット30の構成部材であり板状金属をプレス加工によって成形されたパンシャーシ32(第2の支持部材)と、射出成形等の方法によって加工された樹脂製のパンベース33を備えている。
パンシャーシ32は、ビスによってパンベース33と締結される平面である基台部32cと、基台部32cに垂直な平面を有し、互いに平行な一対の腕部32a、32bとから成る。パンシャーシ32の腕部32a、32bには、後述する一対の軸受部材34A、34Bが固定されている。
パンユニット30は、パン基台31を介してベースユニット20に対して軸pを中心に回動可能に支持されており、このベースユニット20内には、パンベース33が軸pを中心に回転駆動するための不図示のパン方向の駆動機構が設けられている。
軸受部材34A、34Bは、パンシャーシ32の腕部32a、32bにそれぞれ固定されており、後述する円柱部材45A、45B(回動軸部)が軸tを中心に滑らかに回動可能となるように円柱部材45A、45Bを支持する。
駆動手段35、36、回転量検知手段37、38は、パンシャーシ32の腕部32a、32bにそれぞれ固定され、回転量検知手段37、38は軸受部材34A、34Bの一部に嵌入され、その位置が決まる。そして、回転量検知手段37、38の抜け方向の規制と円柱部材45A、45Bの先端の規制を行うための押さえ板39A、39Bが軸受部材34A、34Bと共に腕部32a、32bに組み付けられることで、回転量検知手段37、38が固定される。なお、軸受部材34A、34Bとしては、低摩擦で摺動性に優れる樹脂(例えば、ポリアセタール(POM)等)を射出成形して形成された部材や、精度よく滑らかに加工された金属などが用いられる。
次に、チルトユニット40の内部構成について説明する。チルトユニット40の外装カバーの一部である上カバー47と下カバー48に挟まれる内部の空間には、後述するチルトシャーシ44(第1の支持部材)、レンズユニット50、第1回転板41、第2回転板42、被駆動板である第3回転板43が収容されている。
ここで、チルトユニット40の詳細を説明するために図4を用いて説明する。図4において、チルトシャーシ44はコの字型(U字型)に成形されており、軸rと直交する前面部44cと、前面部44cから曲げて形成された、互いに平行な対向する側壁部44a、44bを備えている。側壁部44a、44bには、ヘッダー加工又は切削加工により形成された金属製の円柱部材45A、45Bが設けられており、円柱部材45A、45Bはパンユニット30の軸受部材34A、34Bにそれぞれ挿通される。この円柱部材45A、45Bがチルトユニット40の回動軸部となり、軸tを中心に回動可能にパンシャーシ32(図3参照)に支持される。チルトシャーシ44の円柱部材45A、45Bには、それぞれ第1回転板41、第2回転板42が挿通され、それぞれが円柱部材45A、45Bを回転軸(軸t)として回動可能に支持されている。
前面部44cには、レンズユニット50を挿入するための開口44dが設けてあり、コの字の内側面にはレンズユニット50をスムーズに回転させるための摺動部材46が配置され、この摺動部材46を介してレンズユニット50が回動可能に保持されている。また、前面部44cのコの字の外側面には、第3回転板43が軸rを中心に回動可能に保持されている。即ち、摺動部材46がチルトシャーシ44の開口44dに係合した状態において、第3回転板43とレンズユニット50は固定され、第3回転板43とレンズユニット50は一体で軸rを中心に回動する。
第1回転板41、第2回転板42はチルトシャーシ44の円柱部材45A、45Bに回動可能に支持されており、後述するようにパンシャーシ32の腕部32a、32bに配置されている駆動手段35、36によってそれぞれ独立して回転駆動が可能となっている。なお、上述したチルトシャーシ44はエンジニアプラスチック等で成形し、円柱部材45A、45B及び摺動部材46を一体で成形してもよい。
第1回転板41、第2回転板42の内側稜線部には斜面部41s、42sが設けられており、図2(A)に示す組み立てられた状態では、第3回転板43の内側稜線部に設けられた斜面部43sと接触するように構成されている。そして、第1回転板41や第2回転板42が回転するとそれらの駆動力が第3回転板43に伝達される。なお、斜面部41s、42s、43sは摩擦係数が高いことが望ましく、摩擦係数を高めるために表面に摩擦部材や弾性部材を別途設けてもよい。
本実施例1では、斜面部41s、42s、43sを摩擦によって駆動するようにしているが、第1回転板41、第2回転板42、第3回転板43の外周にかさ歯車形状を設けてギア連結させても同様の効果を得ることができる。
また第1回転板41と第2回転板42には、図3で示した駆動手段35、36から駆動力を効率的に受けるための摩擦摺動面41a、42aが設けられている。更に第1回転板41及び第2回転板42の摩擦摺動面41a、42aの径方向の内側には、それぞれ明暗パターン41b、42b(不図示)が設けられている。この明暗パターン41b、42bは、一定の周期で周方向に反射率の異なる面が配列されたパターンであり、例えば印刷又は表面処理により反射率を変化させている。この明暗パターン41b、42bは、後述する回転量検知手段37、38によって第1回転板41と第2回転板42の回転量を検知するためのものである。図中の明暗パターン41b、42bは実際には非常に細かいパターンであるが説明のためパターン形状を簡略化して表現している。
ここで、第1回転板41と第2回転板42の駆動方法について、詳細に説明する。図3及び図5に示す駆動手段35、36は、高周波振動(超音波振動)を発生する発生源であり、駆動手段35と第1回転板41、駆動手段36と第2回転板42が組み合わさって振動型アクチュエータ(超音波モータ)として作用する。図5に示すように駆動手段35、36は、超音波振動しながらそれぞれ第1回転板41と第2回転板42に間欠的に接触・非接触を繰り返す振動子35v、36vを備えている。そして、振動子35v、36vの背面(第1回転板41と第2回転板42と対向しない側の面)に超音波振動を発生させるための圧電素子35p、36pが備えられている。圧電素子35p、36pはフレキシブルプリント基板(以下、FPCと称す)35f、36fが電気的に接続されている。上述の6つの部材は図中の矢印D及び矢印Eの方向に不図示の付勢手段によって付勢されている。付勢手段はバネ部材が用いられているものとする。図3に示すように接触部36cは第2回転板42の摩擦摺動面42aと接触する部位で振動子36vに2ヶ所設けられている。また不図示であるが同様に振動子35vも接触部35cを2ヶ所有しているものとする。
図5に示すように、第1回転板41の摩擦摺動面41aには、駆動手段35が有する2ヶ所の接触部35cが不図示のばねによって矢印Dの方向に一定な加圧力で接触した状態となっている。同様に、第2回転板42の摩擦摺動面42aには、駆動手段36が有する2ヶ所の接触部36cが不図示のばねによって矢印Eの方向に一定な加圧力で接触した状態となっている。この状態において、図3で説明した不図示のドライバICからFPC35f、36fを介して圧電素子35p、36pに高周波電圧が印加されると、振動子35v、36vが超音波振動する。このとき振動子35v、36vの振動方向は、圧電素子35p、36pへの電圧入力範囲などを変化させることで第1回転板41、第2回転板42に対向する方向だけでなく、直交する方向にも振動させることができる。そして振動子35v、36vのそれぞれ2ヶ所の接触部35c、36cにおいて、上述の対向する方向及び直交する方向の振動状態を組み合わせることで軸tを中心とする円周の接線方向の力を発生させることができる。その結果、第1回転板41、第2回転板42は、軸tを中心に回転することができ、第1回転板41、第2回転板42とそれらを駆動する駆動手段35、36は、チルト方向の駆動機構を構成する。そして、第1回転板41、第2回転板42と接触している第3回転板43へ駆動力が伝わる。
次に、第1回転板41、第2回転板42の駆動制御を行う際の回転検出方法について図3と図4を用いて説明する。図3において、回転量検知手段37は、第1回転板41の時間あたりの回転量を検出するためのもので、第1回転板41の明暗パターン41bに対面するようにパンシャーシ32に固定されている。同様に、回転量検知手段38は、第2回転板42の時間あたりの回転量を検出するためのもので、第2回転板42の明暗パターン42bに対面するようにパンシャーシ32に固定されている。本実施例1では回転量検知手段37は、FPC37fと、光学式センサ37sで構成されている。同様に、回転量検知手段38は、FPC38fと、光学式センサ38sで構成されている。光学式センサ37s、38sには、それぞれFPC37f、38fが電気的に接続されており、第1回転板41と第2回転板42の明暗パターン41b、42bが検出されるようになっている。
光学式センサ37s、38sは、光を照射する発光部と、発光部から照射された光が反射物に当たって反射した反射光を受光する受光部が一体的にパッケージングされて構成されている。例えば、発光部には発光ダイオードが採用され、受光部にはフォトトランジスタが適用されている。受光部は、発光部から放たれた光が反射して得られる反射光を受光し、その受光量に応じた電気信号に変換する。本実施例1では、光学式センサ37s、38sにはそれぞれ2組の発光部及び受光部が明暗パターン41b、42bの明暗の周期の4分の1ずれた位相で検出できるように配置される。そのため、第1回転板41、第2回転板42の回転量と回転方向が検出可能となっている。この回転量と回転方向を検出する原理や回転速度の求め方については、公知であるので説明を省略する。
図6(A)は、本実施例1に係るカメラ10のレンズユニット50の回転方向の定義を示す斜視図である。第1回転板41、第2回転板42、第3回転板43及びチルトシャーシ44のそれぞれが矢印で示した基準となる回転方向を時計回り(CW)方向と定義し、CW方向と反対の回転方向を反時計回り(CCW)方向として定義する。図6(B)は、各駆動形態における第1回転板41、第2回転板42、第3回転板43の回転方向とチルトシャーシ44の回転状態についてまとめた表である。
まず、レンズユニット50をチルト駆動させる場合について説明する。第1回転板41と第2回転板42の駆動方向をCW方向とし、同じ回転速度で駆動した場合、第3回転板43は第1回転板41及び第2回転板42の接点において同方向(円周方向では互いに反対向き)の力を等しく受けるため、軸rを中心に回転しない。第3回転板43はチルトシャーシ44で保持され、かつチルトシャーシ44と第1回転板41、第2回転板42の回転中心は軸tで一致する。よってチルトシャーシ44は第3回転板43と共にCW方向に回転し、レンズユニット50も軸rを中心に回転することなく、軸tを中心にCW方向へ回転することになる(図6(B)第1駆動を参照)。ここで、第1回転板41、第2回転板42、第3回転板43の各斜面部41s、42s、43sは、互いにスリップはしないものとし、以下の説明においても同様とする。
また、第1回転板41と第2回転板42の駆動方向をCCW方向とし、同じ回転速度で駆動した場合、第3回転板43は第1回転板41及び第2回転板42の接点において同方向(円周方向では互いに反対向き)の力を等しく受けるため、軸rを中心に回転しない。第3回転板43はチルトシャーシ44で保持され、かつチルトシャーシ44と第1回転板41、第2回転板42の回転中心は軸tで一致する。よってチルトシャーシ44は第3回転板43と共にCCW方向に回転し、レンズユニット50も軸rを中心に回転することなく、軸tを中心にCCW方向へ回転することになる(図6(B)の第2駆動を参照)。
次に、レンズユニット50をロール駆動させる場合について説明する。第1回転板41の駆動方向をCW方向、第2回転板42の駆動方向をCCW方向とし、同じ回転速度で駆動した場合、第3回転板43は第1回転板41及び第2回転板42の接点において逆方向(円周方向では互いに同じ向き)の力を等しく受ける。このため、第3回転板43は軸rを中心とする回転方向の力を受けCCW方向に回転する。このとき、レンズユニット50も第3回転板43と一体となってCCW方向に回転し、チルトシャーシ44は軸tを中心に回転せずに停止状態となる(図6(B)の第3駆動を参照)。
また、第1回転板41の駆動方向をCCW方向、第2回転板42の駆動方向をCW方向とし、同じ回転速度で駆動した場合、第3回転板43は第1回転板41及び第2回転板42の接点において逆方向(円周方向では互いに同じ向き)の力を等しく受ける。このため、第3回転板43は軸rを中心とする回転方向の力を受けCW方向に回転する。このとき、レンズユニット50も第3回転板43と一体となってCW方向に回転し、チルトシャーシ44は軸tを中心に回転せずに停止状態となる(図6(B)の第4駆動を参照)。
本実施例1では、更にレンズユニット50をチルト駆動、ロール駆動の両方を同時に駆動させることも可能である。第1回転板41の駆動方向をCW方向とし、第2回転板42の駆動を停止した場合、第3回転板43は第1回転板41との接点において力を受け、軸rを中心とする回転方向の力を受けCCW方向に回転する。このとき第2回転板42は停止状態であるため、第3回転板43は第2回転板42との接点において自身の回転に伴う反力を受けることになる。そのため、チルトシャーシ44に保持されている第3回転板43はCCW方向に回転しつつ、第2回転板42に沿って(軸tを中心とする回転方向に)転がるように移動していく。よって、レンズユニット50も第3回転板43と一体となってr軸を中心にCCW方向に回転しつつ、軸tを中心にCW方向へ回動する(図6(B)の第5駆動を参照)。
また、第2回転板42の駆動方向をCW方向とし、第1回転板41の駆動を停止した場合、第3回転板43は第2回転板42との接点において力を受け、軸rを中心とする回転方向の力を受けCW方向に回転する。このとき第1回転板41は停止状態であるため、第3回転板43は第1回転板41との接点において自身の回転に伴う反力を受けることになる。そのため、チルトシャーシ44に保持されている第3回転板43はCW方向に回転しつつ、第1回転板41に沿って(軸tを中心とする回転方向に)転がるように移動していく。よって、レンズユニット50も第3回転板43と一体となってr軸中心にCW方向に回転しつつ、軸tを中心にCW方向へ回動する(図6(B)の第6駆動を参照)。
また、第1回転板41の駆動方向をCCW方向とし、第2回転板42の駆動を停止した場合、第3回転板43は第1回転板41との接点において力を受け、軸rを中心とする回転方向の力を受けCW方向に回転する。第2回転板42は停止状態であるため、第3回転板43は第2回転板42との接点において自身の回転に伴う反力を受けることになる。そのため、チルトシャーシ44に保持されている第3回転板43はCW方向に回転しつつ、第2回転板42に沿って(軸tを中心とする回転方向に)転がるように移動していく。よって、レンズユニット50も第3回転板43と一体となってr軸中心にCW方向に回転しつつ、軸tを中心にCCW方向へ回動する(図6(B)の第7駆動を参照)。
また、第2回転板42の駆動方向をCCW方向とし、第1回転板41の駆動を停止した場合、第3回転板43は第2回転板42との接点において力を受け、軸rを中心とする回転方向の力を受けCCW方向に回転する。第1回転板41は停止状態であるため、第3回転板43は第1回転板41との接点において自身の回転に伴う反力を受けることになる。そのため、チルトシャーシ44に保持されている第3回転板43はCCW方向に回転しつつ、第1回転板41に沿って(軸tを中心とする回転方向に)転がるように移動していく。よって、レンズユニット50も第3回転板43と一体となってr軸中心にCCW方向に回転しつつ、軸tを中心にCCW方向へ回動する(図6(B)の第8駆動を参照)。
これまでの説明では、第1回転板41と第2回転板42の回転時の回転速度は一定速度としてきたが、第1回転板41と第2回転板42を同時に回転させている場合でもそれぞれの回転速度に差があれば、チルト駆動とロール駆動を同時に行うことができる。即ち、停止状態である第1回転板41又は第2回転板42を他方の回転板の速度より遅い速度で回転駆動した場合にもチルト駆動、ロール駆動を実現することができる。つまり第1回転板41と第2回転板42の回転速度の速度差を調節することでレンズユニット50のチルト駆動、ロール駆動それぞれを所望の駆動速度(駆動量)で駆動させることができる。そして、本実施例1では、第1回転板41、第2回転板42、第3回転板43とそれらを駆動する駆動手段35、36は、ロール方向への駆動機構を構成し、所望の駆動量で制御することにより、ロール方向の駆動、又はチルト及びロール方向の駆動を実現できる。
なお、一般にチルト駆動、ロール駆動は、それぞれ別の駆動源を配置して行われるが、本実施例1ではチルト及びロール方向の駆動機構を共にパンユニット30に配置することができるので、チルトユニット40内部の配線を最小限にすることができる。更に、パン駆動、チルト駆動、ロール駆動を実現できるので、被装着体であるドローン1の動きを規制することなく撮影することができる。
(実施例2)
次に、本実施例2に係るカメラ210について図7、図8を用いて説明する。なお、本実施例2ではチルトシャーシ244(第1の支持部材)、被駆動体であるレンズユニット250、被駆動板である第3回転板243以外の構成は、実施例1と同様であるのでそれらの部材の説明は省略する。
図7は、本実施例2におけるチルトユニット240の内部構成を示す分解斜視図である。チルトシャーシ244はコの字型(U字型)に成形されており、軸rと直交する前面部244cと、前面部244cから曲げて形成された、互いに平行な対向する側壁部244a、244bを備えている。前面部244cには、レンズユニット250を挿入するための開口244dと、レンズユニット250が軸rを中心に回転しないように固定するための2つの固定部244eが設けられている。そして、レンズユニット250には、2つの固定部244eに対応する締結部250aが2つ設けられており、締結部250aを介してビス202によりレンズユニット250がチルトシャーシ244に対して動かないように固定されている。
レンズユニット250の光学レンズ部は、レンズを光軸(軸r)に沿って移動することで被写体像の大きさを変更可能な、いわゆるズーム光学系を搭載している。レンズユニット250内において、鏡筒250bは光軸(軸r)に沿って直進方向(矢印Zの方向)に移動可能に支持されると共に、ズーム光学系を支持している。鏡筒250bが前進又は後退することでレンズユニット250内の不図示の撮像素子に結像する被写体像の大きさを変化させる、いわゆるズーム倍率を変更することができる。
第3回転板243は、カム溝243aを有し、チルトシャーシ244に対して回動可能に取り付けられる。カム溝243aは第3回転板243の回転方向に対し、所定の傾斜が設けられている。第3回転板243と摺動部材46はチルトシャーシ244を挟んだ状態で圧入又は接着により固定され、チルトシャーシ244に対して軸rを中心に回動可能に支持される。
鏡筒250bの外周には、カムピン201が取り付け可能なネジ穴250cが設けられている。カムピン201の先端は、ネジ穴250cと螺合するネジ形状になっており、レンズユニット250を第3回転板243に挿通後、カム溝243aにカムピン201を挿通させながら鏡筒250bのネジ穴250cに締め込む。そして、レンズユニット250が固定される。上述の構成により、カム溝243aにはその回転方向に対して所定の傾斜が設けられているため、第3回転板243が回転するとカムピン201がカム溝243aに沿って移動するので鏡筒250bも光軸に沿って移動する。ここでは、カムピン201がカム溝243aに対してのカムフォロワとなっており、第3回転板243とレンズユニット250は、カム溝243a及びカムフォロワで係合しており、第3回転板243の回転によってズーム倍率を変更することができる。即ち、第3回転板243はレンズユニット250のズーム駆動機構(ズームリング)の一部を構成する。
図8(A)は、本実施例2に係るカメラ210のレンズユニット250の回転方向の定義を示す斜視図である。第1回転板41、第2回転板42、第3回転板243及びチルトシャーシ244のそれぞれが矢印で示した基準となる回転方向を時計回り(CW)方向と定義し、CW方向と反対の回転方向を反時計回り(CCW)方向と定義する。図8(B)は、各駆動形態における第1回転板41、第2回転板42、第3回転板243の回転方向とチルトシャーシ244の回転状態についてまとめた表である。
まず、レンズユニット250をチルト駆動させる場合について説明する。第1回転板41と第2回転板42の駆動方向をCW方向とし、同じ回転速度で駆動した場合、第3回転板243は第1回転板41及び第2回転板42の接点において同方向(円周方向では互いに反対向き)の力を等しく受けるため、軸rを中心に回転しない。第3回転板243はチルトシャーシ244で保持され、かつチルトシャーシ244と第1回転板41、第2回転板42の回転中心は軸tで一致する。よってチルトシャーシ244は第3回転板243と共にCW方向に回転し、レンズユニット250も軸tを中心にCW方向へ回転することになる(図8(B)の第9駆動を参照)。ここで、第1回転板41、第2回転板42、第3回転板243の各斜面部41s、42s、243sは互いにスリップはしないものとし、以下の説明においても同様とする。
また、第1回転板41と第2回転板42の駆動方向をCCW方向とし、同じ回転速度で駆動した場合、第3回転板243は第1回転板41及び第2回転板42の接点において同方向(円周方向では互いに反対向き)の力を等しく受けるため軸rを中心に回転しない。第3回転板243はチルトシャーシ244で保持され、かつチルトシャーシ244と第1回転板41、第2回転板42の回転中心は軸tで一致する。よってチルトシャーシ244は第3回転板243と共にCCW方向に回転し、レンズユニット250も軸tを中心にCCW方向へ回転することになる(図8(B)の第10駆動を参照)。
次に、レンズユニット250をズーム駆動させる場合について説明する。第1回転板41の駆動方向をCW方向、第2回転板42の駆動方向をCCW方向とし、同じ回転速度で駆動した場合、第3回転板243は第1回転板41及び第2回転板42との接点において逆方向(円周方向では互いに同じ向き)の力を等しく受ける。このため、第3回転板243は軸rを中心とする回転方向の力を受けCCW方向に回転する。上述したように第3回転板243が回転するとレンズユニット250のズーム倍率を変化させることができ、例えば、第3回転板243がCCW方向に回転するとレンズユニット250はズーム倍率が小さくなる方向へ変化する。この状態をズームアウトと呼ぶことにする。このときチルトシャーシ244は回動せずに停止状態となる(図8(B)の第11駆動を参照)。
また、第1回転板41の回転方向をCCW方向、第2回転板42の駆動方向をCW方向とし、同じ回転速度で駆動した場合、第3回転板243は第1回転板41及び第2回転板42との接点において逆方向(円周方向では互いに同じ向き)の力を等しく受ける。このため、第3回転板243は軸rを中心とする回転方向の力を受けCW方向に回転する。上述したように第3回転板243が回転するとレンズユニット250のズーム倍率を変化させることができ、例えば、第3回転板243がCW方向に回転するとレンズユニット250はズーム倍率が大きくなる方向へ変化する。この状態をズームインと呼ぶことにする。このときチルトシャーシ244は回動せずに停止状態となる(図8(B)の第12駆動を参照)。
これまでの説明では、第1回転板41と第2回転板42の回転時の回転速度は一定速度としてきたが、実施例1でも述べたように第1回転板41と第2回転板42の回転速度に差をつけることで、ズーム駆動とチルト駆動の同時駆動を行うことも可能である。そして、本実施例2では、第1回転板41、第2回転板42、第3回転板243とそれらを駆動する駆動手段35、36は、ズーム駆動の駆動機構を構成し、所望の駆動量で制御することにより、ズーム駆動、又はチルト駆動及びズーム駆動を実現できる。
また、本実施例2では鏡筒250bが光軸に沿って直進方向に移動するズーム機構で説明したが、鏡筒250bが第3回転板243と一体で回転することで内部のレンズが光軸方向に移動するズーム機構を用いても同様の効果を得ることが可能である。
なお、一般にチルト駆動、ズーム駆動はそれぞれ別の駆動源を配置しているが、本実施例2ではチルト方向の駆動機構及びズーム駆動機構を共にパンユニット30に配置することができるのでチルトユニット240の配線を最小限にすることができる。更に、パン駆動、チルト駆動、ズーム駆動を実現できるので、被装着体であるドローン1の動きを規制することなく撮影することができる。
本発明は、上述した実施例1又は2の形態に限定されるものでは無く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、その他種々の構成を採り得ることは勿論である。