以下、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書で説明する各図において、陽極、EL層、中間層、陰極などの大きさや厚さは、個々に説明の明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしも各構成要素はその大きさに限定されず、また各構成要素間での相対的な大きさに限定されない。
また、本明細書等において、第1、第2、第3などとして付される序数詞は、便宜上用いるものであって工程の順番や上下の位置関係などを示すものではない。そのため、例えば、「第1の」を「第2の」又は「第3の」などと適宜置き換えて説明することができる。また、本明細書等に記載されている序数詞と、本発明の一態様を特定するために用いられる序数詞は一致しない場合がある。
また、本明細書等で説明する本発明の構成において、同一部分又は同様の機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。また、同様の機能を有する部分を指す場合には、ハッチパターンを同じくし、特に符号を付さない場合がある。
なお、「膜」という言葉と、「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の有機化合物について、以下説明する。
本発明の一態様の有機化合物は下記一般式(G0)で表される有機化合物である。
一般式(G0)中、Aは置換もしくは無置換のジベンゾカルバゾール骨格を表し、Ar1はジベンゾカルバゾール骨格のN位で結合し、Ar1及びAr3乃至Ar8はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、Ar2は置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、a、b、c、d、e、f及びgはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表し、Ar9乃至Ar12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のアリール基または置換もしくは無置換の炭素数3乃至100のヘテロアリール基を表す。
本発明の一態様に係る有機化合物は、一分子中にジベンゾカルバゾール骨格を一つ及びアミン骨格を2つ有する有機化合物である。該構成とすることで、量子収率が高く、色純度が高い青色蛍光材料が得られることを、本発明者らは見出した。本発明の一態様に係る有機化合物はジベンゾカルバゾール骨格を有するため、高い量子収率を有する。さらにジベンゾカルバゾール骨格はカルバゾール骨格と比較し、耐熱性に優れるため好ましい。
該ジベンゾカルバゾール骨格はジベンゾ[c,g]カルバゾール骨格であると好ましい。該構成とすることで、本発明の一態様の有機化合物を発光素子に適用することで、信頼性に優れた発光素子を得ることができる。
また、本発明の一態様の有機化合物は、一般式(G0)中、ジベンゾカルバゾール骨格が有する2つのナフタレン骨格それぞれに一つずつアミン骨格を有する置換基が結合すると好ましい。すなわち、Ar3がジベンゾカルバゾール骨格が有する2つのナフタレン骨格のいずれか一方に、Ar4が他方のナフタレン骨格に結合すると好ましい。該構成とすることによって、2つのアミン骨格どうしの立体障害を抑制することができるため、容易に本発明の一態様の有機化合物を合成できるため好ましい。また、一分子中にジベンゾカルバゾール骨格を一つ及びアミン骨格を1つ有する有機化合物と比較し、発光素子の発光効率を向上させることができる。本効果はジベンゾカルバゾール骨格が二つのアミン骨格で挟まれることで、最高被占軌道(Highest Occupied Molecular Orbital:HOMO)および最低空軌道(Lowest Unoccupied Molecular Orbital:LUMO)軌道が共にジベンゾカルバゾール骨格に分布し、励起してから発光するまでの構造変化を少なくすることができるためである。
また、本発明の一態様に係る有機化合物はジベンゾカルバゾール骨格のN位に置換もしくは無置換アリール基または、置換もしくは無置換アリーレン基を介して置換もしくは無置換アリール基を有すると好ましい。該構成とすることで、N位に水素が結合している場合よりも耐熱性や信頼性が良好な芳香族炭化水素基を導入できるため、耐熱性、信頼性に優れた有機化合物を得ることができる。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は一般式(G0)中Ar9乃至Ar12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のアリール基または置換もしくは無置換の炭素数3乃至100のヘテロアリール基を導入すると好ましい。該構成とすることで、アミン骨格に水素から耐熱性や信頼性が良好な芳香族炭化水素基を導入できさらに、アミン骨格を信頼性や昇華性が良好な3級アミン骨格にすることができるため、耐熱性、信頼性に優れた有機化合物を得ることができる。
該炭素数6乃至100のアリール基、炭素数3乃至100のヘテロアリール基としては、
置換または無置換のフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリフェニリル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾフルオレニル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾフラニル基、ジベンゾフルオレニル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトフラニル基、フェナントリル基、トリアジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアゾリル基、ピリジニル基、ベンゾフロピリミジニル基、ベンゾチオピリミジニル基、ベンゾフロピラジニル基、ベンゾチオピラジニル基、ベンゾフロピリジニル基、ベンゾチオピリジニル基、ビカルバゾリル基等が挙げられる。ただし、該炭素数6乃至100のアリール基、炭素数3乃至100のヘテロアリール基はこれに限られない。
本発明の一態様の有機化合物は下記一般式(G1)で表される有機化合物である。
一般式(G1)中、Ar1は置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、Ar2は置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、R1乃至R6のいずれか一は一般式(G1-1)で表される置換基であり、R7乃至R12のいずれか一は一般式(G1-2)で表される置換基であり、その他のR1乃至R12はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、aは0乃至3の整数を表す。
一般式(G1-1)及び(G1-2)中、Ar3乃至Ar8はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、b、c、d、e、f及びgはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表し、Ar5乃至Ar8はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のアリール基または置換もしくは無置換の炭素数3乃至100のヘテロアリール基を表す。
本発明の一態様の有機化合物は、一般式(G1)中、Ar3がジベンゾ[c,g]カルバゾール骨格の1位乃至6位のいずれか一と結合し、Ar4がジベンゾ[c,g]カルバゾール骨格の6位乃至13位のいずれか一と結合すると好ましい。すなわち、ジベンゾ[c,g]カルバゾールが有する2つのナフタレン骨格それぞれに一つずつアミン骨格を有する置換基が結合すると好ましい。該構成とすることによって、一分子中にジベンゾ[c,g]カルバゾール骨格を一つ及びアミン骨格を1つ有する有機化合物と比較し、発光素子の発光効率を向上させることができる。本効果は分子全体の対称性が向上するためと考えられる。
本発明の一態様の有機化合物は下記一般式(G2)で表される有機化合物である。
一般式(G2)中、Ar1、Ar3乃至Ar8はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を有し、Ar2は置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、a、b、c、d、e、f及びgはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表し、Ar9乃至Ar12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のアリール基または置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のヘテロアリール基を表し、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
一般式(G2)中において、Ar3及びAr4がそれぞれジベンゾ[c,g]カルバゾール骨格の5位及び9位に結合することが好ましい。すなわち、アミン骨格を有する置換基はジベンゾ[c,g]カルバゾール骨格の5位及び9位において結合することが好ましい。該構成とすることによって、後述するように合成が簡便に行えるため、安価に本発明の一態様の有機化合物を得ることができる。
本発明の一態様の有機化合物は下記一般式(G2)で表される有機化合物である。
一般式(G3)中、Ar3乃至Ar8はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を有し、b、c、d、e、f及びgはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表し、Ar9乃至Ar12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のアリール基または置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のヘテロアリール基を表し、R1乃至R15はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
本発明の一態様の有機化合物は、N位に置換または無置換のフェニル基を有すると好ましい。フェニル基は安価にジベンゾカルバゾール骨格のN位に導入できるため、該構成とすることで、本発明の一態様の有機化合物を安価に合成することができる。また、ジベンゾカルバゾール骨格のN位にフェニル基を導入すると、昇華性を向上させることができる。
また、上述の一般式(G0)乃至(G3)、(G1-1)及び(G1-2)中、b及びcがそれぞれ0であると好ましい。すなわち、ジベンゾカルバゾール骨格とアミン骨格が直接結合すると好ましい。該構成とすることで、良好な量子収率を有する有機化合物を得ることができる。
また、上述の一般式(G0)乃至(G3)、(G1-1)及び(G1-2)中、d、e、f及びgがそれぞれ独立に1以上3以下であっても良い。すなわち、Ar8乃至Ar12がアリーレン基を介してアミン骨格と結合しても良い。該構成とすることによって、共役系の長さを調整できるため、発光色の調整を行うことができる。また、分子量を増加させることができるため、耐熱性に優れた有機化合物を得ることができる。
また、上述の一般式(G0)乃至(G3)、(G1-1)及び(G1-2)中、a、d、e、f及びgが0であっても構わない。すなわち、Ar8乃至Ar12とアミン骨格が直接結合しても良い。該構成とすることで、より安価に本発明の一態様の有機化合物を得ることができる。
また、上述の一般式(G0)乃至(G3)、(G1-1)及び(G1-2)中、Ar9及びAr11はそれぞれ独立に、置換または無置換のフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリフェニリル基、フルオレニル基、カルバゾリル基、ジベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ベンゾフルオレニル基、ベンゾカルバゾリル基、ナフトベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾフラニル基、ジベンゾフルオレニル基、ジベンゾカルバゾリル基、ジナフトチオフェニル基、ジナフトフラニル基、フェナントリル基のいずれか一であると好ましい。これら置換基はアミン骨格への導入が容易であり、電気化学的に安定であるため、安価に信頼性が良い有機化合物を得ることができる。
また、上述の一般式(G0)乃至(G3)、(G1-1)及び(G1-2)中、Ar10及びAr12はそれぞれ独立に、一般式(Ht-1)乃至(Ht-7)で表される置換基のいずれかであると好ましい。
一般式(Ht-3)及び(Ht-4)中、Xは酸素または硫黄を表し、(Ht-1)乃至(Ht-7)中、R16乃至R21のいずれか一、R22乃至R31のいずれか一、R32乃至R39のいずれか一、R40乃至R48のいずれか一、R49乃至R57のいずれか一及びR58乃至R67のいずれか一が窒素との単結合を表し、その他のR16乃至R85はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表す。
本発明の一態様の有機化合物は下記構造式(100)乃至(105)及び(168)で表される有機化合物である。
<置換基の例>
一般式(G0)乃至(G3)、(G1-1)及び(G1-2)において、Ar1及びAr3乃至Ar8で表される置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、フルオレンジイル基、ビフェニルジイル基、スピロフルオレンジイル基、ターフェニルジイル基などが挙げられる。特にフェニレン基、ビフェニルジイル基を用いると他のアリーレン基と比較して安価でかつ、分子量が小さくなるため、良好な昇華性を得ることができるため好ましい。具体的には、下記構造式(Ar-1)乃至(Ar-27)で表される基を適用することができる。なお、Arで表される基はこれらに限定されず、置換基を有していても良い。
また、一般式(G0)乃至(G3)、(G1-1)及び(G1-2)において、Ar9乃至Ar12は例えば、置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のアリール基または置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のヘテロアリール基を表す。該アリール基若しくは該ヘテロアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基、フェナントリル基などを具体例として挙げることができる。また、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環を含む縮合複素芳香環(例えば、カルバゾール環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾナフトフラン環、ベンゾナフトチオフェン環、インドロカルバゾール環、ベンゾフロカルバゾール環、ベンゾチエノカルバゾール環、インデノカルバゾール環、ジベンゾカルバゾール環など)を有する置換基も挙げることができる。より具体的には例えば、下記構造式(Ar-28)乃至(Ar-79)で表される基が挙げられる。なお、Ar9乃至Ar12で表される基はこれらに限定されない。
なお、(Ar-28)乃至(Ar-36)の様に、Ar9乃至Ar12がフェニル基やアルキルフェニル基、ビフェニル基で構成される場合、発光が短波長であり、好ましい。また置換基が嵩高いため、分子間相互作用が抑制され、昇華や蒸着温度が下げることができる。また、(Ar-29)、(Ar-32)の様に、オルト位にアルキル基を導入すると、発光波長が短波長となるため、好ましい。また、(Ar-39)乃至(Ar-45)に示すフルオレニル基は、六員環が2つ以上縮環したアリール骨格よりも発光が短波長であり、好ましい。
また、一般式(G0)乃至(G2)において、Ar2で表される置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基としては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニル基、フルオレニル基、ビフェニルジイル基、スピロフルオレニル基などが挙げられる。具体的には、下記構造式(Ar-28)乃至(Ar-51)で表される基を適用することができる。なお、Ar2で表される基はこれらに限定されず、置換基を有していても良い。
また、一般式(G1)乃至(G3)におけるR1乃至R15及び一般式(Ht-1)乃至(Ht-7)におけるR16乃至R85は、例えば、水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至25アリール基を表す。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基などを挙げることができ、該シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基などを具体例として挙げることができる。より具体的には例えば、下記構造式(R-1)乃至(R-35)で表される基が挙げられる。なお、R1乃至R15及びR16乃至R85で表される基はこれらに限定されない。
このとき、R16乃至R85は、水素である場合、本発明の一態様の有機化合物を簡便・安価に合成できる。電気化学的に安定で信頼性が良好となり、好ましい。また水素以外の置換基であると、本発明の一態様の有機化合物の耐熱性を向上させることができる。(R-2)乃至(R-15)、(R-17)乃至(R-21)、(R-29)、(R-30)の様に、アルキル基やシクロアルキル基、アルキル基を有するアリール基であると、有機溶剤への溶解性が良好となるため、本発明の一態様の有機化合物の精製を簡便に行うことができる。またアリール基によって分子がかさ高くなることで昇華温度を下げることができる。(R-16)、(R-22)乃至(R-26)、(R-31)乃至(R-35)の様に、アルキル基やシクロアルキル基を有さないアリール基は、電気化学的に安定で信頼性が良好となる。
なお、上述の一般式(G0)乃至(G3)、(G1-1)、(G1-2)及び一般式(Ht-1)乃至(Ht-7)において、A、Ar1乃至Ar12、R1乃至R85がさらに置換基を有する場合、該置換基としては、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6乃至25アリール基をあげることができる。該アルキル基としては例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、n-ヘキシル基などを挙げることができ、該シクロアルキル基としては例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを挙げることができ、該アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フルオレニル基、スピロフルオレニル基などを具体例として挙げることができる。
また、本発明の一態様に係る有機化合物は、分子量が1500以下であると、昇華性が良好なため、好ましい。より好ましくは、分子量が1200以下、さらに好ましくは分子量が1000以下である。また分子量が600以上であると、耐熱性が良好となるため、好ましい。
<化合物の具体例>
一般式(G0)乃至(G3)として表される化合物の具体的な構造としては、下記構造式(100)乃至(175)で表される有機化合物等を挙げることができる。なお、一般式(G0)乃至(G3)として表される有機化合物は、下記例示に限られない。
なお構造式(174)で表される有機化合物のように、一般式(G0)(G1)、(G1-1)、(G1-2)、(G2)及び(G3)中の、b、c、d、e、f及びgがそれぞれ独立に1乃至3の整数の場合、Ar1及びAr3乃至Ar8は異なる置換基を結合させても良い。例えば、構造式(174)は一般式(G0)において、cが2の場合である場合の一例であるが、Ar3として一つには1,3フェニレンを、もう一つは1,4フェニレンを用いている。。
なお、本実施の形態における有機化合物は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷法等の方法を用いて成膜することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の有機化合物の合成法の一例について、一般式(G0)で表される有機化合物を例に説明する。
一般式(G0)で表される有機化合物は、下記合成スキーム(F-1)に示すように、有機化合物(a1)と、アリールアミン化合物(a2)とアリールアミン化合物(a3)とのクロスカップリング反応により、得ることができる。X1やX2の例としては塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基や、スルホニルオキシ基などがあげられる。D1はbやcが0、すなわち有機化合物(a2)や有機化合物(a3)が二級アミンである場合、水素を表し、1以上、すなわち有機化合物(a2)や有機化合物(a3)が三級アミンである場合はボロン酸やジアルコキシボロン酸、アリールアルミニウム、アリールジルコニウム、アリール亜鉛、又はアリールスズ等を表す。
一般式(a1)乃至(a3)及び(G0)中、Aは置換もしくは無置換のジベンゾカルバゾール骨格を表し、Ar1はジベンゾカルバゾール骨格のN位で結合し、Ar1及びAr3乃至Ar8はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、Ar2は置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、a、b、c、d、e、f及びgはそれぞれ独立に0乃至3の整数を表し、Ar9乃至Ar12はそれぞれ独立に置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のアリール基または置換もしくは無置換の炭素数6乃至100のヘテロアリール基を表す。
上記反応は様々な条件によって進行させることができる、その一例として、塩基存在下にて金属触媒を用いた合成方法を適用することができる。例えば、bまたはcが0の場合はウルマンカップリングやハートウィッグ・ブッフバルト反応を用いることができる。bまたはcが1以上の場合は鈴木・宮浦反応を用いることができる。
なお、ここでは有機化合物(a1)に対して有機化合物(a2)および有機化合物(a3)を同時に反応させているが、有機化合物(a2)と有機化合物(a3)が異なる有機化合物である場合、有機化合物(a1)に対して有機化合物(a2)と有機化合物(a3)とを1種類ずつ順番に反応させる方が収率・純度よく目的物を得られ、好ましい。有機化合物(a2)と有機化合物(a3)が同一である場合が、有機化合物(a1)に対して同時に反応させて収率・純度よく目的物を得られ、好ましい。
またbやcが1以上の場合は、反応させる官能基が逆すなわち、有機化合物(a1)のX1およびX2がボロン酸等を表し、有機化合物(a2)のD1および有機化合物(a3)のD2がハロゲン基を表しても良い。
以上のように、本発明の一態様の有機化合物を合成することができる。
また、本実施の形態では、本発明の一態様の有機化合物の合成に用いることのできる、中間体の合成法の一例について説明する。
一般式(G2)で表される有機化合物の原料は、下記合成スキーム(F-2)に示すように、有機化合物(b1)をハロゲン化することで有機化合物(b2)を得ることができる。
一般式(b1)及び(b2)中、Ar1は置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリーレン基を表し、Ar2は置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、R1乃至R10はそれぞれ独立に水素、炭素数1乃至6のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3乃至7のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数6乃至25のアリール基を表し、aは0乃至3の整数を表す。X3およびX4の例としては塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン基などがあげられる。
上記反応は様々な条件によって進行させることができる。例えば、極性溶媒下でハロゲン化剤を用いた反応を用いることができる。上記ハロゲン化剤としては、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)やN-ヨードコハク酸イミド(NIS)、臭素、ヨウ素、ヨウ化カリウム等を用いることができる。ハロゲン化剤として臭化物を用いると、より安価に合成できるため好ましい。またハロゲン化剤としてヨウ化物を用いると、生じた目的物を原料として用いた場合(ヨウ素置換された部分がより活性が高いため)より反応が容易に進むため好ましい。
また上記スキームにおいては、N-ブロモコハク酸イミド(NBS)やN-ヨードコハク酸イミド(NIS)を酢酸エチルやクロロホルム存在下で反応させると、ジベンゾ[c,g]カルバゾール骨格の5位と9位を選択的に、室温で簡便にハロゲン化することができる。そのため、本発明の一態様に係る有機化合物の合成に好適に用いることができる。また、上記反応で用いられる、酢酸エチルやクロロホルム等の溶媒は、水と混和しにくいため、反応終了後の溶液を水で洗浄することで、不要なコハク酸イミドや未反応のNBSやNISなどを容易に取り除け、精製が簡便であるので好ましい。
またスキーム(F-2)で得られた有機化合物(b2)は、スキーム(F-1)で有機化合物(a1)として用いることができる。
以上、本発明の一態様の有機化合物の合成方法の一例について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、他のどのような合成方法によって合成されても良い。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様である有機化合物を有する発光素子の構成例を、図1を用いて以下に説明する。
図1(A)は本発明の一態様である発光素子150の断面図である。発光素子150は少なくとも、一対の電極(電極101と、電極102)を有し、該電極間にEL層100を有する。
また、EL層100は少なくとも発光層130及び正孔輸送層112を有する。さらに正孔注入層111、電子輸送層118、電子注入層119等の機能層を有する。
なお、本実施の形態では電極101を陽極、電極102を陰極として説明するが、発光素子の構成はこれに限定されない。すなわち、電極101を陰極、電極102を陽極とする構成であっても良い。その場合、積層順が逆となる。つまり、陽極側から正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層という順序で積層すれば良い。
また、EL層100の構成はこれに限定されず、他の機能層、例えば電子または正孔の輸送性を向上または阻害することができる機能層、または励起子の拡散を抑制することができる機能層を有していても良い。これら機能層はそれぞれ単層であっても、複数の層の積層構造であっても良い。
発光素子150はEL層100のいずれかの層に本発明の一態様に係る有機化合物が含まれていればよい。なお、該有機化合物は良好な量子収率を有する。そのため、発光層130のゲスト材料として用いることによって、発光効率が良好な発光素子を得ることができる。また、色純度が良好な青色発光を得ることができる。
<発光素子の構成例1>
次に、上記青色蛍光素子の構成例について図1(A)、図1(B)、図1(C)を用いて説明する。
図1(A)に示す発光素子150は、少なくとも発光層130に本発明の一態様である有機化合物を用いた素子である。図1(B)は発光層130における材料の構成例を示しており、図1(C)は発光層130における各材料のエネルギー準位の相関を表す模式図である。
ここでは、ホスト材料131のT1準位がゲスト材料132のT1準位よりも低い場合について説明する。図1(C)における表記及び符号は、以下の通りである。なお、ホスト材料121のT1準位がゲスト材料122のT1準位よりも高くても構わない。
・Host(131):ホスト材料131
・Guest(132):ゲスト材料132(蛍光材料)
・SFH:ホスト材料131のS1準位
・TFH:ホスト材料131のT1準位
・SFG:ゲスト材料132(蛍光材料)のS1準位
・TFG:ゲスト材料132(蛍光材料)のT1準位
ホスト材料131は、三重項励起エネルギーを三重項-三重項消滅(TTA:triplet-triplet annihilation)によって一重項励起エネルギーに変換する機能を有すると好ましい。そうすることで、本来蛍光発光に寄与しない発光層130で生成した三重項励起エネルギーの一部を、ホスト材料131における一重項励起エネルギーに変換し、ゲスト材料132に移動することで(図1(C)ルートE1参照)、蛍光発光として取り出すことが可能となる。そのため、蛍光素子の発光効率を向上させることができる。なお、TTAによる蛍光発光は、寿命の長い三重項励起状態を経ての発光であるため、遅延蛍光が観測される。
発光層130において、効率良くゲスト材料132へ一重項励起エネルギーを移動させるためには、図1(C)に示すように、ホスト材料131の一重項励起エネルギーの最も低い準位(S1準位)は、ゲスト材料132のS1準位より高いことが好ましい。また、ホスト材料131の三重項励起エネルギーの最も低い準位(T1準位)は、ゲスト材料132のT1準位より低いことが好ましい(図1(C)ルートE2参照)。このような構成にすることによって、発光層130において、効率良くTTAを生じさせることができる。
さらにホスト材料131のT1準位は発光層130と接する正孔輸送層112に使用される材料のT1準位より低いことが好ましい。すなわち、正孔輸送層112が励起子拡散を抑制する機能を有することが好ましい。このような構成にすることで、発光層130で生成した三重項励起子の発光層130への拡散を抑制することができるため、発光効率が良い素子を提供することができる。
本発明の一態様である有機化合物は良好な量子収率を有するため、上記TTAを利用した発光素子中のゲスト材料として好適に使用することができる。
なお、最低励起一重項エネルギー準位は、有機化合物が一重項基底状態から最低励起一重項状態へ遷移する際の吸収スペクトルから観測することができる。もしくは、有機化合物の蛍光発光スペクトルのピーク波長から最低励起一重項エネルギー準位を推定しても良い。また、最低励起三重項エネルギー準位は、有機化合物が一重項基底状態から最低励起三重項状態へ遷移する際の吸収スペクトルから観測することができるが、該遷移が禁制であることから、観測することが困難な場合がある。その場合には、有機化合物の燐光発光スペクトルのピーク波長より、最低励起三重項エネルギー準位を推定しても良い。
なお、本発明の一態様である有機化合物は、有機薄膜太陽電池などの電子デバイスに用いることができる。より具体的には、キャリア輸送性を有するため、キャリア輸送層、キャリア注入層に用いることができる。また、アクセプター性物質との混合膜を用いることで、電荷発生層として用いることができる。また、光励起するため、発電層として用いることができる。
<材料>
次に、本発明の一態様に係わる発光素子の構成要素の詳細について、以下説明を行う。
≪発光層≫
発光層130中では、ホスト材料131が少なくともゲスト材料132より重量比で多く存在し、ゲスト材料132(蛍光材料)は、ホスト材料131中に分散される。なお、発光層130において、ホスト材料131は、一種の化合物から構成されていても良く、複数の化合物から構成されていても良い。
また、発光層130において、ゲスト材料132としては、本発明の一態様に係る有機化合物を用いることが好ましい。また、ゲスト材料132としては、アントラセン誘導体、テトラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、スチルベン誘導体、アクリドン誘導体、クマリン誘導体、フェノキサジン誘導体、フェノチアジン誘導体などを用いることができ、例えば以下の材料を用いることができる。
具体的には、5,6-ビス[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAP2BPy)、5,6-ビス[4’-(10-フェニル-9-アントリル)ビフェニル-4-イル]-2,2’-ビピリジン(略称:PAPP2BPy)、N,N’-ジフェニル-N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6FLPAPrn)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ビス[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6mMemFLPAPrn)、N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-N,N’-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-ピレン-1,6-ジアミン(略称:1,6tBu-FLPAPrn)、N,N’-ビス[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニル-3,8-ジシクロヘキシルピレン-1,6-ジアミン(略称:ch-1,6FLPAPrn)、N,N’-ビス[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニルスチルベン-4,4’-ジアミン(略称:YGA2S)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4-(10-フェニル-9-アントリル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’-(2-tert-ブチルアントラセン-9,10-ジイルジ-4,1-フェニレン)ビス[N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPPA)、N-[4-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)フェニル]-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’-オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン-2,7,10,15-テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPA)、N-[9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-2-アントリル]-N,9-ジフェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCABPhA)、N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N-[9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-2-アントリル]-N,N’,N’-トリフェニル-1,4-フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10-ビス(1,1’-ビフェニル-2-イル)-N-[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N-フェニルアントラセン-2-アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9-トリフェニルアントラセン-9-アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン6、クマリン545T、N,N’-ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、2,8-ジ-tert-ブチル-5,11-ビス(4-tert-ブチルフェニル)-6,12-ジフェニルテトラセン(略称:TBRb)、ナイルレッド、5,12-ビス(1,1’-ビフェニル-4-イル)-6,11-ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2-(2-{2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-6-メチル-4H-ピラン-4-イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2-{2-メチル-6-[2-(2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)テトラセン-5,11-ジアミン(略称:p-mPhTD)、7,14-ジフェニル-N,N,N’,N’-テトラキス(4-メチルフェニル)アセナフト[1,2-a]フルオランテン-3,10-ジアミン(略称:p-mPhAFD)、2-{2-イソプロピル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2-{2-tert-ブチル-6-[2-(1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2-(2,6-ビス{2-[4-(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}-4H-ピラン-4-イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2-{2,6-ビス[2-(8-メトキシ-1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H-ベンゾ[ij]キノリジン-9-イル)エテニル]-4H-ピラン-4-イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、5,10,15,20-テトラフェニルビスベンゾ[5,6]インデノ[1,2,3-cd:1’,2’,3’-lm]ペリレン、などが挙げられる。
なお、発光層130において、ホスト材料131及びゲスト材料132以外の材料を有していても良い。
また、発光層130において、ホスト材料131として、本発明の一態様の有機化合物を用いることができる。
なお、発光層130に用いることができる材料としては、特に限定はないが、例えば、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)、ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などの金属錯体、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、2,2’,2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、9-[4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CO11)などの複素環化合物、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα-NPD)、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物が挙げられる。また、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、クリセン誘導体、ジベンゾ[g,p]クリセン誘導体等の縮合多環芳香族化合物が挙げられ、具体的には、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、N,N-ジフェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:CzA1PA)、4-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:DPhPA)、4-(9H-カルバゾール-9-イル)-4’-(10-フェニル-9-アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、N,9-ジフェニル-N-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPA)、N,9-ジフェニル-N-{4-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]フェニル}-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCAPBA)、N,9-ジフェニル-N-(9,10-ジフェニル-2-アントリル)-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:2PCAPA)、7-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:cgDBCzPA)、6,12-ジメトキシ-5,11-ジフェニルクリセン、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’-オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン-2,7,10,15-テトラアミン(略称:DBC1)、9-フェニル-3-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:PCzPA)、3,6-ジフェニル-9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:DPCzPA)、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、9,9’-ビアントリル(略称:BANT)、9,9’-(スチルベン-3,3’-ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS)、9,9’-(スチルベン-4,4’-ジイル)ジフェナントレン(略称:DPNS2)、1,3,5-トリ(1-ピレニル)ベンゼン(略称:TPB3)などを挙げることができる。また、これら及び公知の物質の中から、上記ゲスト材料132のエネルギーギャップより大きなエネルギーギャップを有する物質を、一種もしくは複数種選択して用いればよい。
なお、発光層130は2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層130とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する物質を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する物質を用いる構成などがある。
次に、図1(A)に示す発光素子150のその他の構成の詳細について、以下説明する。
≪正孔注入層≫
正孔注入層111は、一対の電極の一方(電極101または電極102)からのホール注入障壁を低減することでホール注入を促進する機能を有し、例えば遷移金属酸化物、フタロシアニン誘導体、あるいは芳香族アミンなどによって形成される。遷移金属酸化物としては、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物などが挙げられる。フタロシアニン誘導体としては、フタロシアニンや金属フタロシアニンなどが挙げられる。芳香族アミンとしてはベンジジン誘導体やフェニレンジアミン誘導体などが挙げられる。ポリチオフェンやポリアニリンなどの高分子化合物を用いることもでき、例えば自己ドープされたポリチオフェンであるポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)などがその代表例である。
正孔注入層111として、正孔輸送材料と、これに対して電子受容性を示す材料の複合材料を有する層を用いることもできる。あるいは、電子受容性を示す材料を含む層と正孔輸送材料を含む層の積層を用いても良い。これらの材料間では定常状態、あるいは電界存在下において電荷の授受が可能である。電子受容性を示す材料としては、キノジメタン誘導体やクロラニル誘導体、ヘキサアザトリフェニレン誘導体などの有機アクセプターを挙げることができる。具体的には、7,7,8,8-テトラシアノ-2,3,5,6-テトラフルオロキノジメタン(略称:F4-TCNQ)、クロラニル、2,3,6,7,10,11-ヘキサシアノ-1,4,5,8,9,12-ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT-CN)等の電子吸引基(ハロゲン基やシアノ基)を有する化合物である。また、遷移金属酸化物、例えば第4族から第8族金属の酸化物を用いることができる。具体的には、酸化バナジウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化タングステン、酸化マンガン、酸化レニウムなどである。中でも酸化モリブデンは大気中でも安定であり、吸湿性が低く、扱いやすいため好ましい。
正孔輸送材料としては、電子よりも正孔の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する材料であることが好ましい。具体的には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、スチルベン誘導体などを用いることができる。また、該正孔輸送材料は高分子化合物であっても良い。
なお本発明の一態様の有機化合物も該正孔輸送材料として好適に用いることができる。
これら正孔輸送性の高い材料として、例えば、芳香族アミン化合物としては、N,N’-ジ(p-トリル)-N,N’-ジフェニル-p-フェニレンジアミン(略称:DTDPPA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、N,N’-ビス{4-[ビス(3-メチルフェニル)アミノ]フェニル}-N,N’-ジフェニル-(1,1’-ビフェニル)-4,4’-ジアミン(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、具体的には、3-[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA1)、3,6-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzDPA2)、3,6-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-(1-ナフチル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzTPN2)、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等を挙げることができる。
また、カルバゾール誘導体としては、他に、4,4’-ジ(N-カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5-トリス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzPA)、1,4-ビス[4-(N-カルバゾリル)フェニル]-2,3,5,6-テトラフェニルベンゼン等を用いることができる。
また、芳香族炭化水素としては、例えば、2-tert-ブチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:t-BuDNA)、2-tert-ブチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、9,10-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)アントラセン(略称:DPPA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス(4-フェニルフェニル)アントラセン(略称:t-BuDBA)、9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、9,10-ジフェニルアントラセン(略称:DPAnth)、2-tert-ブチルアントラセン(略称:t-BuAnth)、9,10-ビス(4-メチル-1-ナフチル)アントラセン(略称:DMNA)、2-tert-ブチル-9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、9,10-ビス[2-(1-ナフチル)フェニル]アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(1-ナフチル)アントラセン、2,3,6,7-テトラメチル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン、9,9’-ビアントリル、10,10’-ジフェニル-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス(2-フェニルフェニル)-9,9’-ビアントリル、10,10’-ビス[(2,3,4,5,6-ペンタフェニル)フェニル]-9,9’-ビアントリル、アントラセン、テトラセン、ルブレン、ペリレン、2,5,8,11-テトラ(tert-ブチル)ペリレン等が挙げられる。また、この他、ペンタセン、コロネン等も用いることができる。このように、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有し、炭素数14乃至炭素数42である芳香族炭化水素を用いることがより好ましい。
なお、芳香族炭化水素は、ビニル骨格を有していてもよい。ビニル基を有している芳香族炭化水素としては、例えば、4,4’-ビス(2,2-ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、9,10-ビス[4-(2,2-ジフェニルビニル)フェニル]アントラセン(略称:DPVPA)等が挙げられる。
また、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)等の高分子化合物を用いることもできる。
さらに、正孔輸送性の高い材料としては、例えば、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα-NPD)やN,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4,4’,4’’-トリス(カルバゾール-9-イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’-トリス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:1’-TNATA)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4-フェニル-3’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:mBPAFLP)、N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-N-{9,9-ジメチル-2-[N’-フェニル-N’-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)アミノ]-9H-フルオレン-7-イル}フェニルアミン(略称:DFLADFL)、N-(9,9-ジメチル-2-ジフェニルアミノ-9H-フルオレン-7-イル)ジフェニルアミン(略称:DPNF)、2-[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:DPASF)、4-フェニル-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)、4,4’-ジフェニル-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBBi1BP)、4-(1-ナフチル)-4’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBANB)、4,4’-ジ(1-ナフチル)-4’’-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)トリフェニルアミン(略称:PCBNBB)、4-フェニルジフェニル-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)アミン(略称:PCA1BP)、N,N’-ビス(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N,N’-ジフェニルベンゼン-1,3-ジアミン(略称:PCA2B)、N,N’,N’’-トリフェニル-N,N’,N’’-トリス(9-フェニルカルバゾール-3-イル)ベンゼン-1,3,5-トリアミン(略称:PCA3B)、N-(4-ビフェニル)-N-(9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-イル)-9-フェニル-9H-カルバゾール-3-アミン(略称:PCBiF)、N-(1,1’-ビフェニル-4-イル)-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]-9,9-ジメチル-9H-フルオレン-2-アミン(略称:PCBBiF)、9,9-ジメチル-N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]フルオレン-2-アミン(略称:PCBAF)、N-フェニル-N-[4-(9-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)フェニル]スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-アミン(略称:PCBASF)、2-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:PCASF)、2,7-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]-スピロ-9,9’-ビフルオレン(略称:DPA2SF)、N-[4-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]-N-(4-フェニル)フェニルアニリン(略称:YGA1BP)、N,N’-ビス[4-(カルバゾール-9-イル)フェニル]-N,N’-ジフェニル-9,9-ジメチルフルオレン-2,7-ジアミン(略称:YGA2F)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。また、3-[4-(1-ナフチル)-フェニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPN)、3-[4-(9-フェナントリル)-フェニル]-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PCPPn)、3,3’-ビス(9-フェニル-9H-カルバゾール)(略称:PCCP)、1,3-ビス(N-カルバゾリル)ベンゼン(略称:mCP)、3,6-ビス(3,5-ジフェニルフェニル)-9-フェニルカルバゾール(略称:CzTP)、3,6-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)-9-フェニル-9H-カルバゾール(略称:PhCzGI)、2,8-ジ(9H-カルバゾール-9-イル)-ジベンゾチオフェン(略称:Cz2DBT)、4-{3-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]フェニル}ジベンゾフラン(略称:mmDBFFLBi-II)、4,4’,4’’-(ベンゼン-1,3,5-トリイル)トリ(ジベンゾフラン)(略称:DBF3P-II)、1,3,5-トリ(ジベンゾチオフェン-4-イル)-ベンゼン(略称:DBT3P-II)、2,8-ジフェニル-4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-III)、4-[4-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-6-フェニルジベンゾチオフェン(略称:DBTFLP-IV)、4-[3-(トリフェニレン-2-イル)フェニル]ジベンゾチオフェン(略称:mDBTPTp-II)等のアミン化合物、カルバゾール化合物、チオフェン化合物、フラン化合物、フルオレン化合物、トリフェニレン化合物、フェナントレン化合物等を用いることができる。上述した化合物の中でも、ピロール骨格、フラン骨格、チオフェン骨格、芳香族アミン骨格の少なくとも一を有する化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する化合物は、正孔輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。
≪正孔輸送層≫
正孔輸送層112は正孔輸送材料を含む層であり、正孔注入層111の材料として例示した正孔輸送材料を使用することができる。正孔輸送層112は正孔注入層111に注入された正孔を発光層130へ輸送する機能を有するため、正孔注入層111のHOMO準位と同じ、あるいは近いHOMO準位を有することが好ましい。
また、1×10-6cm2/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、本発明の一態様である有機化合物も好適に用いることができる。
≪電子輸送層≫
電子輸送層118は、電子注入層119を経て一対の電極の他方(電極101または電極102)から注入された電子を発光層130へ輸送する機能を有する。電子輸送性材料としては、正孔よりも電子の輸送性の高い材料を用いることができ、1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する材料であることが好ましい。電子を受け取りやすい化合物(電子輸送性を有する材料)としては、含窒素複素芳香族化合物のようなπ電子不足型複素芳香族や金属錯体などを用いることができる。具体的には、キノリン配位子、ベンゾキノリン配位子、オキサゾール配位子、あるいはチアゾール配位子を有する金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、キノキサリン誘導体、ジベンゾキノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、ピリジン誘導体、ビピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、トリアジン誘導体などが挙げられる。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層118は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
具体的には、例えば、トリス(8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Alq)、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(III)(略称:Almq3)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(II)(略称:BeBq2)、ビス(2-メチル-8-キノリノラト)(4-フェニルフェノラト)アルミニウム(III)(略称:BAlq)、ビス(8-キノリノラト)亜鉛(II)(略称:Znq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等が挙げられる。また、この他ビス[2-(2-ベンゾオキサゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnPBO)、ビス[2-(2-ベンゾチアゾリル)フェノラト]亜鉛(II)(略称:ZnBTZ)などのオキサゾール系、またはチアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3-ビス[5-(p-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、9-[4-(5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CO11)、3-(4-ビフェニリル)-4-フェニル-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、9-[4-(4,5-ジフェニル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-イル)フェニル]-9H-カルバゾール(略称:CzTAZ1)、2,2’,2’’-(1,3,5-ベンゼントリイル)トリス(1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール)(略称:TPBI)、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]-1-フェニル-1H-ベンゾイミダゾール(略称:mDBTBIm-II)、バソフェナントロリン(略称:Bphen)、2,9-ビス(ナフタレン-2-イル)-4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(略称:NBPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの複素環化合物や、2-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTPDBq-II)、2-[3’-(ジベンゾチオフェン-4-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mDBTBPDBq-II)、2-[3’-(9H-カルバゾール-9-イル)ビフェニル-3-イル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzBPDBq)、2-[4-(3,6-ジフェニル-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2CzPDBq-III)、7-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:7mDBTPDBq-II)、及び、6-[3-(ジベンゾチオフェン-4-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:6mDBTPDBq-II)、2-[3-(3,9’-ビ-9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:2mCzCzPDBq)、4,6-ビス[3-(フェナントレン-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mPnP2Pm)、4,6-ビス[3-(4-ジベンゾチエニル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mDBTP2Pm-II)、4,6-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリミジン(略称:4,6mCzP2Pm)などのジアジン骨格を有する複素環化合物や、2-{4-[3-(N-フェニル-9H-カルバゾール-3-イル)-9H-カルバゾール-9-イル]フェニル}-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン(略称:PCCzPTzn)などのトリアジン骨格を有する複素環化合物や、3,5-ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)フェニル]ピリジン(略称:35DCzPPy)、1,3,5-トリ[3-(3-ピリジル)フェニル]ベンゼン(略称:TmPyPB)などのピリジン骨格を有する複素環化合物、4,4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。上述した複素環化合物の中でも、トリアジン骨格、ジアジン(ピリミジン、ピラジン、ピリダジン)骨格、及びピリジン骨格の少なくとも一を有する複素環化合物は、安定で信頼性が良好であり好ましい。また、当該骨格を有する複素環化合物は、電子輸送性が高く、駆動電圧低減にも寄与する。また、ポリ(2,5-ピリジンジイル)(略称:PPy)、ポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(ピリジン-3,5-ジイル)](略称:PF-Py)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)](略称:PF-BPy)のような高分子化合物を用いることもできる。ここに述べた物質は、主に1×10-6cm2/Vs以上の電子移動度を有する物質である。
なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層118は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
また、電子輸送層118と発光層130との間にキャリアの移動を制御する層を設けても良い。これは上述したような電子輸送性の高い材料に、電子トラップ性の高い物質を少量添加した層であり、キャリアの移動を抑制することによって、キャリアバランスを調節することが可能となる。このような構成は、電子が発光層を通り抜けてしまうことにより発生する問題(例えば素子寿命の低下)の抑制に大きな効果を発揮する。
また、n型の化合物半導体を用いても良く、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化錫、酸化タングステン、酸化タンタル、チタン酸バリウム、ジルコン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、ケイ酸ジルコニウムのような酸化物、窒化ケイ素のような窒化物、硫化カドミウム、セレン化亜鉛及び硫化亜鉛等も用いることができる。
≪電子注入層≫
電子注入層119は電極102からの電子注入障壁を低減することで電子注入を促進する機能を有し、例えば第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩などを用いることができる。また、先に示す電子輸送性材料と、これに対して電子供与性を示す材料の複合材料を用いることもできる。電子供与性を示す材料としては、第1族金属、第2族金属、あるいはこれらの酸化物などを挙げることができる。具体的には、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化セシウム、フッ化カルシウム、リチウム酸化物等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウムのような希土類金属化合物を用いることができる。また、電子注入層119にエレクトライドを用いてもよい。該エレクトライドとしては、例えば、カルシウムとアルミニウムの混合酸化物に電子を高濃度添加した物質等が挙げられる。また、電子注入層119に、電子輸送層118で用いることが出来る物質を用いても良い。
また、電子注入層118に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性及び電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層118を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、ナトリウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、蒸着法(真空蒸着法を含む)、インクジェット法、塗布法、グラビア印刷等の方法で形成することができる。また、上述した、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層には、上述した材料の他、量子ドットなどの無機化合物や、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いてもよい。
≪量子ドット≫
発光材料としては量子ドットも用いることができる。量子ドットは、数nmサイズの半導体ナノ結晶であり、1×103個から1×106個程度の原子から構成されている。量子ドットはサイズに依存してエネルギーシフトするため、同じ物質から構成される量子ドットであっても、サイズによって発光波長が異なり、用いる量子ドットのサイズを変更することによって容易に発光波長を調整することができる。
また、量子ドットは、発光スペクトルのピーク幅が狭いため、色純度のよい発光を得ることができる。さらに、量子ドットの理論的な内部量子効率はほぼ100%であると言われており、蛍光発光を呈する有機化合物の25%を大きく上回り、りん光発光を呈する有機化合物と同等となっている。このことから、量子ドットを発光材料として用いることによって発光効率の高い発光素子を得ることができる。その上、無機化合物である量子ドットはその本質的な安定性にも優れているため、寿命の観点からも好ましい発光素子を得ることができる。
量子ドットを構成する材料としては、第14族元素、第15族元素、第16族元素、複数の第14族元素からなる化合物、第4族から第14族に属する元素と第16族元素との化合物、第2族元素と第16族元素との化合物、第13族元素と第15族元素との化合物、第13族元素と第17族元素との化合物、第14族元素と第15族元素との化合物、第11族元素と第17族元素との化合物、酸化鉄類、酸化チタン類、カルコゲナイドスピネル類、半導体クラスターなどを挙げることができる。
具体的には、セレン化カドミウム、硫化カドミウム、テルル化カドミウム、セレン化亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、テルル化亜鉛、硫化水銀、セレン化水銀、テルル化水銀、砒化インジウム、リン化インジウム、砒化ガリウム、リン化ガリウム、窒化インジウム、窒化ガリウム、アンチモン化インジウム、アンチモン化ガリウム、リン化アルミニウム、砒化アルミニウム、アンチモン化アルミニウム、セレン化鉛、テルル化鉛、硫化鉛、セレン化インジウム、テルル化インジウム、硫化インジウム、セレン化ガリウム、硫化砒素、セレン化砒素、テルル化砒素、硫化アンチモン、セレン化アンチモン、テルル化アンチモン、硫化ビスマス、セレン化ビスマス、テルル化ビスマス、ケイ素、炭化ケイ素、ゲルマニウム、錫、セレン、テルル、ホウ素、炭素、リン、窒化ホウ素、リン化ホウ素、砒化ホウ素、窒化アルミニウム、硫化アルミニウム、硫化バリウム、セレン化バリウム、テルル化バリウム、硫化カルシウム、セレン化カルシウム、テルル化カルシウム、硫化ベリリウム、セレン化ベリリウム、テルル化ベリリウム、硫化マグネシウム、セレン化マグネシウム、硫化ゲルマニウム、セレン化ゲルマニウム、テルル化ゲルマニウム、硫化錫、セレン化錫、テルル化錫、酸化鉛、フッ化銅、塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅、酸化銅、セレン化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、硫化コバルト、酸化鉄、硫化鉄、酸化マンガン、硫化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化ジルコニウム、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、セレンと亜鉛とカドミウムの化合物、インジウムと砒素とリンの化合物、カドミウムとセレンと硫黄の化合物、カドミウムとセレンとテルルの化合物、インジウムとガリウムと砒素の化合物、インジウムとガリウムとセレンの化合物、インジウムとセレンと硫黄の化合物、銅とインジウムと硫黄の化合物、及びこれらの組合せなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、組成が任意の比率で表される、いわゆる合金型量子ドットを用いても良い。例えば、カドミウムとセレンと硫黄の合金型量子ドットは、元素の含有比率を変化させることで発光波長を変えることができるため、青色発光を得るには有効な手段の一つである。
量子ドットの構造としては、コア型、コア-シェル型、コア-マルチシェル型などがあり、そのいずれを用いても良いが、コアを覆ってより広いバンドギャップを持つ別の無機材料でシェルを形成することによって、ナノ結晶表面に存在する欠陥やダングリングボンドの影響を低減することができる。これにより、発光の量子効率が大きく改善するためコア-シェル型やコア-マルチシェル型の量子ドットを用いることが好ましい。シェルの材料の例としては、硫化亜鉛や酸化亜鉛が挙げられる。
また、量子ドットは、表面原子の割合が高いことから、反応性が高く、凝集が起こりやすい。そのため、量子ドットの表面には保護剤が付着している又は保護基が設けられていることが好ましい。当該保護剤が付着している又は保護基が設けられていることによって、凝集を防ぎ、溶媒への溶解性を高めることができる。また、反応性を低減させ、電気的安定性を向上させることも可能である。保護剤(又は保護基)としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン類、ポリオキシエチレンn-オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn-ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、トリ(n-ヘキシル)アミン、トリ(n-オクチル)アミン、トリ(n-デシル)アミン等の第3級アミン類、トリプロピルホスフィンオキシド、トリブチルホスフィンオキシド、トリヘキシルホスフィンオキシド、トリオクチルホスフィンオキシド、トリデシルホスフィンオキシド等の有機リン化合物、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジエステル類、また、ピリジン、ルチジン、コリジン、キノリン類等の含窒素芳香族化合物等の有機窒素化合物、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等のアミノアルカン類、ジブチルスルフィド等のジアルキルスルフィド類、ジメチルスルホキシドやジブチルスルホキシド等のジアルキルスルホキシド類、チオフェン等の含硫黄芳香族化合物等の有機硫黄化合物、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸、アルコール類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類等が挙げられる。
量子ドットは、サイズが小さくなるに従いバンドギャップが大きくなるため、所望の波長の光が得られるように、そのサイズを適宜調整する。結晶のサイズが小さくなるにつれて、量子ドットの発光は青色側へ、つまり、高エネルギー側へシフトする。そのため、量子ドットのサイズを変更させることにより、紫外領域、可視領域、赤外領域のスペクトルの波長領域にわたって、その発光波長を調整することができる。量子ドットのサイズ(直径)は、0.5nm以上20nm以下、好ましくは1nm以上10nm以下の範囲のものが通常良く用いられる。なお、量子ドットはそのサイズ分布が狭いほど、より発光スペクトルが狭線化し、色純度の良好な発光を得ることができる。また、量子ドットの形状は特に限定されず、球状、棒状、円盤状、その他の形状であってもよい。なお、棒状の量子ドットである量子ロッドは、指向性を有する光を呈する機能を有するため、量子ロッドを発光材料として用いることにより、より外部量子効率が良好な発光素子を得ることができる。
ところで、有機EL素子では多くの場合、発光材料をホスト材料に分散し、発光材料の濃度消光を抑制することによって発光効率を高めている。ホスト材料は発光材料以上の一重項励起エネルギー準位または三重項励起エネルギー準位を有する材料であることが必要である。特に、青色燐光材料を発光材料に用いる場合においては、それ以上の三重項励起エネルギー準位を有し、且つ、寿命の観点で優れたホスト材料が必要であり、その開発は困難を極めている。ここで、量子ドットは、ホスト材料を用いずに量子ドットのみで発光層を構成しても発光効率を保つことができるため、この点でも寿命という観点から好ましい発光素子を得ることができる。量子ドットのみで発光層を形成する場合には、量子ドットはコア-シェル構造(コア-マルチシェル構造を含む)であることが好ましい。
発光層の発光材料に量子ドットを用いる場合、当該発光層の膜厚は3nm以上100nm以下、好ましくは10nm以上100nm以下とし、発光層中の量子ドットの含有率は1以上100以下体積%とする。ただし、量子ドットのみで発光層を形成することが好ましい。なお、当該量子ドットを発光材料としてホスト材料に分散した発光層を形成する場合は、ホスト材料に量子ドットを分散させる、またはホスト材料と量子ドットとを適当な液媒体に溶解または分散させてウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、ダイコート法、ブレードコート法、ロールコート法、インクジェット法、印刷法、スプレーコート法、カーテンコート法、ラングミュア・ブロジェット法など)により形成すればよい。燐光性の発光材料を用いた発光層については、上記ウェットプロセスの他、真空蒸着法も好適に利用することができる。
ウェットプロセスに用いる液媒体としては、たとえば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒を用いることができる。
≪一対の電極≫
電極101及び電極102は、発光素子の陽極または陰極としての機能を有する。電極101及び電極102は、金属、合金、導電性化合物、及びこれらの混合物や積層体などを用いて形成することができる。
電極101または電極102の一方は、光を反射する機能を有する導電性材料により形成されることが好ましい。該導電性材料としては、アルミニウム(Al)またはAlを含む合金等が挙げられる。Alを含む合金としては、AlとL(Lは、チタン(Ti)、ネオジム(Nd)、ニッケル(Ni)、及びランタン(La)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等が挙げられ、例えばAlとTi、またはAlとNiとLaを含む合金等である。アルミニウムは、抵抗値が低く、光の反射率が高い。また、アルミニウムは、地殻における存在量が多く、安価であるため、アルミニウムを用いることによる発光素子の作製コストを低減することができる。また、銀(Ag)、またはAgとN(Nは、イットリウム(Y)、Nd、マグネシウム(Mg)、イッテルビウム(Yb)、Al、Ti、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、スズ(Sn)、鉄(Fe)、Ni、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、または金(Au)の一つまたは複数を表す)とを含む合金等を用いても良い。銀を含む合金としては、例えば、銀とパラジウムと銅を含む合金、銀と銅を含む合金、銀とマグネシウムを含む合金、銀とニッケルを含む合金、銀と金を含む合金、銀とイッテルビウムを含む合金等が挙げられる。その他、タングステン、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、銅、チタンなどの遷移金属を用いることができる。
また、発光層から得られる発光は、電極101及び電極102の一方または双方を通して取り出される。したがって、電極101及び電極102の少なくとも一方は、光を透過する機能を有する導電性材料により形成されると好ましい。該導電性材料としては、可視光の透過率が40%以上100%以下、好ましくは60%以上100%以下であり、かつその抵抗率が1×10-2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。
また、電極101及び電極102は、光を透過する機能と、光を反射する機能と、を有する導電性材料により形成されても良い。該導電性材料としては、可視光の反射率が20%以上80%以下、好ましくは40%以上70%以下であり、かつその抵抗率が1×10-2Ω・cm以下の導電性材料が挙げられる。例えば、導電性を有する金属、合金、導電性化合物などを1種又は複数種用いて形成することができる。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITO)、珪素または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(略称:ITSO)、酸化インジウム-酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide)、チタンを含有した酸化インジウム-錫酸化物、インジウム-チタン酸化物、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムなどの金属酸化物を用いることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、1nm以上30nm以下の厚さ)の金属薄膜を用いることができる。金属としては、例えば、Ag、またはAgとAl、AgとMg、AgとAu、AgとYbなどの合金等を用いることができる。
なお、本明細書等において、光を透過する機能を有する材料は、可視光を透過する機能を有し、且つ導電性を有する材料であればよく、例えば上記のようなITOに代表される酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、または有機物を含む有機導電体を含む。有機物を含む有機導電体としては、例えば、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料、有機化合物と電子受容体(アクセプター)とを混合してなる複合材料等が挙げられる。また、グラフェンなどの無機炭素系材料を用いても良い。また、当該材料の抵抗率としては、1×105Ω・cm以下が好ましく、1×104Ω・cm以下がさらに好ましい。
また、上記の材料の複数を積層することによって電極101及び電極102の一方または双方を形成してもよい。
また、光取り出し効率を向上させるため、光を透過する機能を有する電極と接して、該電極より屈折率の高い材料を形成してもよい。このような材料としては、可視光を透過する機能を有する材料であればよく、導電性を有する材料であっても有さない材料であってもよい。例えば、上記のような酸化物導電体に加えて、酸化物半導体、有機物が挙げられる。有機物としては、例えば、発光層、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、または電子注入層に例示した材料が挙げられる。また、無機炭素系材料や光が透過する程度の金属薄膜も用いることができ、数nm以上数十nm以下の層を複数積層させてもよい。
電極101または電極102が陰極としての機能を有する場合には、仕事関数が小さい(3.8eV以下)材料を有することが好ましい。例えば、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素(リチウム、ナトリウム、セシウム等のアルカリ金属、カルシウム、ストロンチウム等のアルカリ土類金属、マグネシウム等)、これら元素を含む合金(例えば、AgとMg、AlとLi)、ユーロピウム(Eu)、Yb等の希土類金属、これら希土類金属を含む合金、アルミニウム、銀を含む合金等を用いることができる。
また、電極101または電極102を陽極として用いる場合、仕事関数の大きい(4.0eV以上)材料を用いることが好ましい。
また、電極101及び電極102は、光を反射する機能を有する導電性材料と、光を透過する機能を有する導電性材料との積層としてもよい。その場合、電極101及び電極102は、各発光層からの所望の光を共振させ、その波長を強めることができるように、光学距離を調整する機能を有することができるため好ましい。
電極101及び電極102の成膜方法は、スパッタリング法、蒸着法、印刷法、塗布法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
≪基板≫
また、本発明の一態様に係る発光素子は、ガラス、プラスチックなどからなる基板上に作製すればよい。基板上に作製する順番としては、電極101側から順に積層しても、電極102側から順に積層しても良い。
なお、本発明の一態様に係る発光素子を形成できる基板としては、例えばガラス、石英、又はプラスチックなどを用いることができる。また可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、からなるプラスチック基板等が挙げられる。また、フィルム、無機蒸着フィルムなどを用いることもできる。なお、発光素子、及び光学素子の作製工程において支持体として機能するものであれば、これら以外のものでもよい。あるいは、発光素子、及び光学素子を保護する機能を有するものであればよい。
例えば、本発明等においては、様々な基板を用いて発光素子を形成することが出来る。基板の種類は、特定のものに限定されることはない。その基板の一例としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルムなどがある。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラスなどがある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルムなどの一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。または、一例としては、アクリル等の樹脂などがある。または、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニルなどがある。または、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ、無機蒸着フィルム、又は紙類などがある。
また、基板として、可撓性基板を用い、可撓性基板上に直接、発光素子を形成してもよい。または、基板と発光素子との間に剥離層を設けてもよい。剥離層は、その上に発光素子を一部あるいは全部完成させた後、基板より分離し、他の基板に転載するために用いることができる。その際、耐熱性が劣る基板や可撓性の基板にも発光素子を転載できる。なお、上述の剥離層には、例えば、タングステン膜と酸化シリコン膜との無機膜の積層構造の構成や、基板上にポリイミド等の樹脂膜が形成された構成等を用いることができる。
つまり、ある基板を用いて発光素子を形成し、その後、別の基板に発光素子を転置してもよい。発光素子が転置される基板の一例としては、上述した基板に加え、セロファン基板、石材基板、木材基板、布基板(天然繊維(絹、綿、麻)、合成繊維(ナイロン、ポリウレタン、ポリエステル)若しくは再生繊維(アセテート、キュプラ、レーヨン、再生ポリエステル)などを含む)、皮革基板、又はゴム基板などがある。これらの基板を用いることにより、壊れにくい発光素子、耐熱性の高い発光素子、軽量化された発光素子、または薄型化された発光素子とすることができる。
また、上述した基板上に、例えば電界効果トランジスタ(FET)を形成し、FETと電気的に接続された電極上に発光素子150を作製してもよい。これにより、FETによって発光素子150の駆動を制御するアクティブマトリクス型の表示装置を作製できる。
なお、本実施の形態において、本発明の一態様について述べた。または、他の実施の形態において、本発明の一態様について述べる。ただし、本発明の一態様は、これらに限定されない。つまり、本実施の形態及び他の実施の形態では、様々な発明の態様が記載されているため、本発明の一態様は、特定の態様に限定されない。例えば、本発明の一態様として、発光素子に適用した場合の例を示したが、本発明の一態様は、これに限定されない。例えば、場合によっては、または、状況に応じて、本発明の一態様は、発光素子に適用しなくてもよい。
以上、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態と適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態においては、実施の形態3に示す発光素子の構成と異なる構成の発光素子、について、図2を用いて、以下説明を行う。なお、図2において、図1(A)に示す符号と同様の機能を有する箇所には、同様のハッチパターンとし、符号を省略する場合がある。また、同様の機能を有する箇所には、同様の符号を付し、その詳細な説明は省略する場合がある。
<発光素子の構成例2>
図2は、発光素子250の断面模式図である。
図2に示す発光素子250は、一対の電極(電極101及び電極102)の間に、複数の発光ユニット(発光ユニット106及び発光ユニット108)を有する。複数の発光ユニットのうちいずれか一つの発光ユニットは、図1(A)に示した、EL層100と同様な構成を有すると好ましい。つまり、図1(A)で示した発光素子150は、1つの発光ユニットを有し、発光素子250は、複数の発光ユニットを有すると好ましい。なお、発光素子250において、電極101が陽極として機能し、電極102が陰極として機能するとして、以下説明するが、発光素子250の構成としては、逆であっても構わない。
また、図2に示す発光素子250において、発光ユニット106と発光ユニット108とが積層されており、発光ユニット106と発光ユニット108との間には電荷発生層115が設けられる。なお、発光ユニット106と発光ユニット108は、同じ構成でも異なる構成でもよい。例えば、発光ユニット108に、EL層100と同様な構成を用いると好ましい。
また、発光素子250は、発光層120と、発光層170と、を有する。また、発光ユニット106は、発光層120の他に、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層113、及び電子注入層114を有する。また、発光ユニット108は、発光層170の他に、正孔注入層116、正孔輸送層117、電子輸送層118、及び電子注入層119を有する。
発光素子250は発光ユニット106及び発光ユニット108が有するいずれかの層に本発明の一態様に係る有機化合物が含まれていればよい。なお、該有機化合物が含まれる層として好ましくは発光層120または発光層170である。
電荷発生層115は、正孔輸送性材料に電子受容体であるアクセプター性物質が添加された構成であっても、電子輸送性材料に電子供与体であるドナー性物質が添加された構成であってもよい。また、これらの両方の構成が積層されていても良い。
電荷発生層115に、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料が含まれる場合、該複合材料には実施の形態3に示す正孔注入層111に用いることができる複合材料を用いればよい。有機化合物としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール化合物、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の化合物を用いることができる。なお、有機化合物としては、正孔移動度が1×10-6cm2/Vs以上であるものを適用することが好ましい。ただし、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。有機化合物とアクセプター性物質の複合材料は、キャリア注入性、キャリア輸送性に優れているため、低電圧駆動、低電流駆動を実現することができる。なお、発光ユニットの陽極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの正孔注入層または正孔輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには正孔注入層または正孔輸送層を設けない構成であっても良い。あるいは、発光ユニットの陰極側の面が電荷発生層115に接している場合は、電荷発生層115が該発光ユニットの電子注入層または電子輸送層の役割も担うことができるため、該発光ユニットには電子注入層または電子輸送層を設けない構成であっても良い。
なお、電荷発生層115は、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と他の材料により構成される層を組み合わせた積層構造として形成してもよい。例えば、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、電子供与性物質の中から選ばれた一の化合物と電子輸送性の高い化合物とを含む層とを組み合わせて形成してもよい。また、有機化合物とアクセプター性物質の複合材料を含む層と、透明導電膜を含む層とを組み合わせて形成してもよい。
なお、発光ユニット106と発光ユニット108とに挟まれる電荷発生層115は、電極101と電極102とに電圧を印加したときに、一方の発光ユニットに電子を注入し、他方の発光ユニットに正孔を注入するものであれば良い。例えば、図2において、電極101の電位の方が電極102の電位よりも高くなるように電圧を印加した場合、電荷発生層115は、発光ユニット106に電子を注入し、発光ユニット108に正孔を注入する。
なお、電荷発生層115は、光取出し効率の点から、可視光に対して透光性(具体的には、電荷発生層115に対する可視光の透過率が40%以上)を有することが好ましい。また、電荷発生層115は、一対の電極(電極101及び電極102)よりも低い導電率であっても機能する。
上述した材料を用いて電荷発生層115を形成することにより、発光層が積層された場合における駆動電圧の上昇を抑制することができる。
また、図2においては、2つの発光ユニットを有する発光素子について説明したが、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子についても、同様に適用することが可能である。発光素子250に示すように、一対の電極間に複数の発光ユニットを電荷発生層で仕切って配置することで、電流密度を低く保ったまま、高輝度発光を可能とし、さらに長寿命な発光素子を実現できる。また、消費電力が低い発光素子を実現することができる。
なお、上記各構成において、発光ユニット106及び発光ユニット108に用いるゲスト材料が呈する発光色としては、互いに同じであっても異なっていてもよい。発光ユニット106及び発光ユニット108が互いに同じ色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は少ない電流値で高い発光輝度を呈する発光素子となり好ましい。また、発光ユニット106及び発光ユニット108が互いに異なる色の発光を呈する機能を有するゲスト材料を有する場合、発光素子250は多色発光を呈する発光素子となり好ましい。この場合、発光層120及び発光層170のいずれか一方もしくは双方、に発光波長の異なる複数の発光材料を用いることによって、発光素子250が呈する発光スペクトルは異なる発光ピークを有する発光が合成された光となるため、少なくとも二つの極大値を有する発光スペクトルとなる。
上記の構成は白色発光を得るためにも好適である。発光層120及び発光層170の光を互いに補色の関係とすることによって白色発光を得ることができる。特に、演色性の高い白色発光、あるいは少なくとも赤色と緑色と青色とを有する発光になるようゲスト材料を選択することが好適である。
また、3つ以上の発光ユニットを積層した発光素子の場合、それぞれの発光ユニットに用いるゲスト材料が呈する発光色は、互いに同じであっても異なっていてもよい。同色の発光を呈する発光ユニットを複数有する場合、この複数の発光ユニットが呈する発光色は、その他の色と比較して、少ない電流値で高い発光輝度を得ることができる。このような構成は、発光色の調整に好適に用いることができる。特に、発光効率が異なり且つ、異なる発光色を呈するゲスト材料を用いる場合に好適である。例えば、3層の発光ユニットを有する場合、同色の蛍光材料を有する発光ユニットを2層、該蛍光材料とは異なる発光色を呈するりん光材料を有する発光ユニットを1層とすることで、蛍光発光とりん光発光の発光強度を調整することができる。すなわち、発光ユニットの数によって発光色の強度を調整可能である。
このような蛍光発光ユニットを2層、りん光発光ユニットを1層有する発光素子の場合、青色蛍光材料を含む発光ユニットを2層及び黄色りん光材料を含む発光ユニットを1層含有する発光素子、青色蛍光材料を含む発光ユニットを2層及び、赤りん光材料及び緑りん光材料を含む発光層ユニットを1層有する発光素子、または青色蛍光材料を含む発光ユニットを2層及び赤りん光材料、黄色りん光材料及び緑りん光材料を含む発光層ユニットを1層有する発光素子、であると効率良く白色発光が得られるため好ましい。
また、発光層120または発光層170の少なくとも一つを層状にさらに分割し、当該分割した層ごとに異なる発光材料を含有させるようにしても良い。すなわち、発光層120、または発光層170の少なくとも一つが2層以上の複数層でもって構成することもできる。例えば、第1の発光層と第2の発光層を正孔輸送層側から順に積層して発光層とする場合、第1の発光層のホスト材料として正孔輸送性を有する材料を用い、第2の発光層のホスト材料として電子輸送性を有する材料を用いる構成などがある。この場合、第1の発光層と第2の発光層とが有する発光材料は、同じ材料あっても異なる材料であってもよく、同じ色の発光を呈する機能を有する材料であっても、異なる色の発光を呈する機能を有する材料であってもよい。互いに異なる色の発光を呈する機能を有する複数の発光材料を有する構成により、三原色や、4色以上の発光色からなる演色性の高い白色発光を得ることもできる。
また、発光ユニット108の発光層がりん光性化合物を有すると好適である。なお、複数のユニットのうち、少なくとも一つのユニットに、本発明の一態様に係る有機化合物を適用することによって、発光効率、信頼性が良好な発光素子を提供することができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置について、図3(A)及び図3(B)を用いて説明する。
図3(A)は、発光装置を示す上面図、図3(B)は図3(A)をA-BおよびC-Dで切断した断面図である。この発光装置は、発光素子の発光を制御するものとして、点線で示された駆動回路部(ソース側駆動回路)601、画素部602、駆動回路部(ゲート側駆動回路)603を含んでいる。また、604は封止基板、625は乾燥材、605はシール材であり、シール材605で囲まれた内側は、空間607になっている。
なお、引き回し配線608はソース側駆動回路601及びゲート側駆動回路603に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)609からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基板(PWB:Printed Wiring Board)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態を含むものとする。
次に、上記発光装置の断面構造について図3(B)を用いて説明する。素子基板610上に駆動回路部及び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路601と画素部602中の一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路601はnチャネル型TFT623とpチャネル型TFT624とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路は種々のCMOS回路、PMOS回路、NMOS回路で形成しても良い。また本実施の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、駆動回路を基板上ではなく、外部に形成することもできる。
また、画素部602はスイッチング用TFT611と電流制御用TFT612とそのドレインに電気的に接続された第1の電極613とを含む画素により形成される。なお、第1の電極613の端部を覆うように絶縁物614が形成されている。絶縁物614は、ポジ型の感光性樹脂膜を用いることにより形成することができる。
また、絶縁物614上に形成される膜の被覆性を良好なものとするため、絶縁物614の上端部または下端部に曲率を有する面が形成されるようにする。例えば、絶縁物614の材料として感光性アクリルを用いた場合、絶縁物614の上端部のみに曲面をもたせることが好ましい。該曲面の曲率半径は0.2μm以上0.3μm以下が好ましい。また、絶縁物614として、ネガ型、ポジ型、いずれの感光材料も使用することができる。
第1の電極613上には、EL層616、および第2の電極617がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極613に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO膜、またはケイ素を含有したインジウム錫酸化物膜、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、EL層616は、蒸着マスクを用いた蒸着法、インクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。EL層616を構成する材料としては、低分子化合物、または高分子化合物(オリゴマー、デンドリマーを含む)であっても良い。
さらに、EL層616上に形成され、陰極として機能する第2の電極617に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Mg、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi等)を用いることが好ましい。なお、EL層616で生じた光が第2の電極617を透過させる場合には、第2の電極617として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO、2wt%以上20wt%以下の酸化亜鉛を含む酸化インジウム、ケイ素を含有したインジウム錫酸化物、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
なお、第1の電極613、EL層616、第2の電極617により、発光素子618が形成されている。発光素子618は実施の形態3及び実施の形態4の構成を有する発光素子であると好ましい。なお、画素部は複数の発光素子が形成されてなっているが、本実施の形態における発光装置では、実施の形態3及び実施の形態4で説明した構成を有する発光素子と、それ以外の構成を有する発光素子の両方が含まれていても良い。
さらにシール材605で封止基板604を素子基板610と貼り合わせることにより、素子基板610、封止基板604、およびシール材605で囲まれた空間607に発光素子618が備えられた構造になっている。なお、空間607には、充填材が充填されており、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、樹脂若しくは乾燥材又はその両方で充填される場合もある。
なお、シール材605にはエポキシ系樹脂やガラスフリットを用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板604に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiber Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
<発光装置の構成例1>
図4には表示装置の一例として、白色発光を呈する発光素子を形成し、着色層(カラーフィルタ)を形成した発光装置の例を示す。
図4(A)には基板1001、下地絶縁膜1002、ゲート絶縁膜1003、ゲート電極1006、1007、1008、第1の層間絶縁膜1020、第2の層間絶縁膜1021、周辺部1042、画素部1040、駆動回路部1041、発光素子の第1の電極1024W、1024R、1024G、1024B、隔壁1025、EL層1028、発光素子の第2の電極1029、封止基板1031、シール材1032などが図示されている。
また、図4(A)、図4(B)には着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を透明な基材1033に設けている。また、黒色層(ブラックマトリックス)1035をさらに設けても良い。着色層及び黒色層が設けられた透明な基材1033は、位置合わせし、基板1001に固定する。なお、着色層、及び黒色層は、オーバーコート層1036で覆われている。また、図4(A)においては、光が着色層を透過せずに外部へと出る発光層と、各色の着色層を透過して外部に光が出る発光層とがあり、着色層を透過しない光は白、着色層を透過する光は赤、青、緑となることから、4色の画素で映像を表現することができる。
図4(B)では赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)をゲート絶縁膜1003と第1の層間絶縁膜1020との間に形成する例を示した。図4(B)に示すように着色層は基板1001と封止基板1031の間に設けられても良い。
また、以上に説明した発光装置では、TFTが形成されている基板1001側に光を取り出す構造(ボトムエミッション型)の発光装置としたが、封止基板1031側に発光を取り出す構造(トップエミッション型)の発光装置としても良い。
<発光装置の構成例2>
トップエミッション型の発光装置の断面図を図5に示す。この場合、基板1001には光を通さない基板を用いることができる。TFTと発光素子の陽極とを接続する接続電極を作製するまでは、ボトムエミッション型の発光装置と同様に形成する。その後、第3の層間絶縁膜1037を電極1022を覆って形成する。この絶縁膜は平坦化の役割を担っていても良い。第3の層間絶縁膜1037は第2の層間絶縁膜1021と同様の材料の他、他の様々な材料を用いて形成することができる。
発光素子の第1の下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bはここでは陽極とするが、陰極であっても構わない。また、図6のようなトップエミッション型の発光装置である場合、下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bは反射電極とすることが好ましい。なお、第2の電極1029は光を反射する機能と、光を透過する機能を有することが好ましい。また、第2の電極1029と下部電極1025W、下部電極1025R、下部電極1025G、下部電極1025Bとの間でマイクロキャビティ構造を適用し特定波長の光を増幅する機能を有することが好ましい。EL層1028の構成は、実施の形態3及び実施の形態4で説明したような構成とし、白色の発光が得られるような素子構造とする。
図4(A)、図4(B)、図5において、白色の発光が得られるEL層の構成としては、発光層を複数層用いること、複数の発光ユニットを用いることなどにより実現すればよい。なお、白色発光を得る構成はこれらに限られない。
図5のようなトップエミッション構造では着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)を設けた封止基板1031で封止を行うことができる。封止基板1031には画素と画素との間に位置するように黒色層(ブラックマトリックス)1030を設けても良い。着色層(赤色の着色層1034R、緑色の着色層1034G、青色の着色層1034B)や黒色層(ブラックマトリックス)はオーバーコート層によって覆われていても良い。なお封止基板1031は透光性を有する基板を用いる。
また、ここでは赤、緑、青、白の4色でフルカラー表示を行う例を示したが特に限定されず、赤、緑、青の3色でフルカラー表示を行ってもよい。また、赤、緑、青、黄の4色でフルカラー表示を行ってもよい。
以上のようにして、実施の形態3及び実施の形態4で説明した発光素子を用いた発光装置を得ることができる。
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることが可能である。
(実施の形態6)
本実施の形態では、本発明の一態様の電子機器について説明する。
本発明の一態様は有機ELを用いた発光素子であるため、平面を有し、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、本発明の一態様により、曲面を有し、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器を作製できる。また、該電子機器に本発明の一態様の有機化合物を用いることで、発光効率が良好な、信頼性の高い電子機器を作製できる。
電子機器としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、パチンコ機などの大型ゲーム機などが挙げられる。
図6(A)、(B)に示す携帯情報端末900は、筐体901、筐体902、表示部903、及びヒンジ部905等を有する。
筐体901と筐体902は、ヒンジ部905で連結されている。携帯情報端末900は、折り畳んだ状態(図6(A))から、図6(B)に示すように展開させることができる。これにより、持ち運ぶ際には可搬性に優れ、使用するときには大きな表示領域により、視認性に優れる。
携帯情報端末900には、ヒンジ部905により連結された筐体901と筐体902に亘って、フレキシブルな表示部903が設けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部903に用いることができる。これにより、高信頼性を有する携帯情報端末を作製することができる。
表示部903は、文書情報、静止画像、及び動画像等のうち少なくとも一つを表示することができる。表示部に文書情報を表示させる場合、携帯情報端末900を電子書籍端末として用いることができる。
携帯情報端末900を展開すると、表示部903が大きく湾曲した形態で保持される。例えば、曲率半径1mm以上50mm以下、好ましくは5mm以上30mm以下に湾曲した部分を含んで、表示部903が保持される。表示部903の一部は、筐体901から筐体902にかけて、連続的に画素が配置され、曲面状の表示を行うことができる。
表示部903は、タッチパネルとして機能し、指やスタイラスなどにより操作することができる。
表示部903は、一つのフレキシブルディスプレイで構成されていることが好ましい。これにより、筐体901と筐体902の間で途切れることのない連続した表示を行うことができる。なお、筐体901と筐体902のそれぞれに、ディスプレイが設けられる構成としてもよい。
ヒンジ部905は、携帯情報端末900を展開したときに、筐体901と筐体902との角度が所定の角度よりも大きい角度にならないように、ロック機構を有することが好ましい。例えば、ロックがかかる(それ以上に開かない)角度は、90度以上180度未満であることが好ましく、代表的には、90度、120度、135度、150度、または175度などとすることができる。これにより、携帯情報端末900の利便性、安全性、及び信頼性を高めることができる。
ヒンジ部905がロック機構を有すると、表示部903に無理な力がかかることなく、表示部903が破損することを防ぐことができる。そのため、信頼性の高い携帯情報端末を実現できる。
筐体901及び筐体902は、電源ボタン、操作ボタン、外部接続ポート、スピーカ、マイク等を有していてもよい。
筐体901または筐体902のいずれか一方には、無線通信モジュールが設けられ、インターネットやLAN(Local Area Network)、Wi-Fi(登録商標)などのコンピュータネットワークを介して、データを送受信することが可能である。
図6(C)に示す携帯情報端末910は、筐体911、表示部912、操作ボタン913、外部接続ポート914、スピーカ915、マイク916、カメラ917等を有する。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部912に用いることができる。これにより、高い歩留まりで携帯情報端末を作製することができる。
携帯情報端末910は、表示部912にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力するなどのあらゆる操作は、指やスタイラスなどで表示部912に触れることで行うことができる。
また、操作ボタン913の操作により、電源のON、OFF動作や、表示部912に表示される画像の種類の切り替えを行うことができる。例えば、メール作成画面から、メインメニュー画面に切り替えることができる。
また、携帯情報端末910の内部に、ジャイロセンサまたは加速度センサ等の検出装置を設けることで、携帯情報端末910の向き(縦か横か)を判断して、表示部912の画面表示の向きを自動的に切り替えることができる。また、画面表示の向きの切り替えは、表示部912に触れること、操作ボタン913の操作、またはマイク916を用いた音声入力等により行うこともできる。
携帯情報端末910は、例えば、電話機、手帳または情報閲覧装置等から選ばれた一つまたは複数の機能を有する。具体的には、スマートフォンとして用いることができる。携帯情報端末910は、例えば、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、動画再生、インターネット通信、ゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。
図6(D)に示すカメラ920は、筐体921、表示部922、操作ボタン923、シャッターボタン924等を有する。またカメラ920には、着脱可能なレンズ926が取り付けられている。
本発明の一態様を用いて作製された発光装置を、表示部922に用いることができる。これにより、高信頼性を有するカメラを作製することができる。
ここではカメラ920を、レンズ926を筐体921から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ926と筐体921とが一体となっていてもよい。
カメラ920は、シャッターボタン924を押すことにより、静止画または動画を撮像することができる。また、表示部922はタッチパネルとしての機能を有し、表示部922をタッチすることにより撮像することも可能である。
なお、カメラ920は、ストロボ装置や、ビューファインダーなどを別途装着することができる。または、これらが筐体921に組み込まれていてもよい。
図7(A)は腕時計型の携帯情報端末9200を、図7(B)は腕時計型の携帯情報端末9201を、それぞれ示す斜視図である。
図7(A)に示す携帯情報端末9200は、移動電話、電子メール、文章閲覧及び作成、音楽再生、インターネット通信、コンピュータゲームなどの種々のアプリケーションを実行することができる。また、表示部9001はその表示面が湾曲して設けられ、湾曲した表示面に沿って表示を行うことができる。また、携帯情報端末9200は、通信規格された近距離無線通信を実行することが可能である。例えば無線通信可能なヘッドセットと相互通信することによって、ハンズフリーで通話することもできる。また、携帯情報端末9200は、接続端子9006を有し、他の情報端末とコネクターを介して直接データのやりとりを行うことができる。また接続端子9006を介して充電を行うこともできる。なお、充電動作は接続端子9006を介さずに無線給電により行ってもよい。
図7(B)に示す携帯情報端末9201は、図7(A)に示す携帯情報端末と異なり、表示部9001の表示面が湾曲していない。また、携帯情報端末9201の表示部の外形が非矩形状(図7(B)においては円形状)である。
図7(C)から(E)は、折り畳み可能な携帯情報端末9202を示す斜視図である。なお、図7(C)が携帯情報端末9202を展開した状態の斜視図であり、図7(D)が携帯情報端末9202を展開した状態または折り畳んだ状態の一方から他方に変化する途中の状態の斜視図であり、図7(E)が携帯情報端末9202を折り畳んだ状態の斜視図である。
携帯情報端末9202は、折り畳んだ状態では可搬性に優れ、展開した状態では、継ぎ目のない広い表示領域により表示の一覧性に優れる。携帯情報端末9202が有する表示部9001は、ヒンジ9055によって連結された3つの筐体9000に支持されている。ヒンジ9055を介して2つの筐体9000間を屈曲させることにより、携帯情報端末9202を展開した状態から折りたたんだ状態に可逆的に変形させることができる。例えば、携帯情報端末9202は、曲率半径1mm以上150mm以下で曲げることができる。
図8(A)は、掃除ロボットの一例を示す模式図である。
掃除ロボット5100は、上面に配置されたディスプレイ5101、側面に配置された複数のカメラ5102、ブラシ5103、操作ボタン5104を有する。また図示されていないが、掃除ロボット5100の下面には、タイヤ、吸い込み口等が備えられている。掃除ロボット5100は、その他に赤外線センサ、超音波センサ、加速度センサ、ピエゾセンサ、光センサ、ジャイロセンサなどの各種センサを備えている。また、掃除ロボット5100は、無線による通信手段を備えている。
掃除ロボット5100は自走し、ゴミ5120を検知し、下面に設けられた吸い込み口からゴミを吸引することができる。
また、掃除ロボット5100はカメラ5102が撮影した画像を解析し、壁、家具または段差などの障害物の有無を判断することができる。また、画像解析により、配線などブラシ5103に絡まりそうな物体を検知した場合は、ブラシ5103の回転を止めることができる。
ディスプレイ5101には、バッテリーの残量や、吸引したゴミの量などを表示することができる。掃除ロボット5100が走行した経路をディスプレイ5101に表示させてもよい。また、ディスプレイ5101をタッチパネルとし、操作ボタン5104をディスプレイ5101に設けてもよい。
掃除ロボット5100は、スマートフォンなどの携帯電子機器5140と通信することができる。カメラ5102が撮影した画像は、携帯電子機器5140に表示させることができる。そのため、掃除ロボット5100の持ち主は、外出先からでも、部屋の様子を知ることができる。また、ディスプレイ5101の表示をスマートフォンなどの携帯電子機器で確認することもできる。
本発明の一態様の発光装置はディスプレイ5101に用いることができる。
図8(B)に示すロボット2100は、演算装置2110、照度センサ2101、マイクロフォン2102、上部カメラ2103、スピーカ2104、ディスプレイ2105、下部カメラ2106および障害物センサ2107、移動機構2108を備える。
マイクロフォン2102は、使用者の話し声及び環境音等を検知する機能を有する。また、スピーカ2104は、音声を発する機能を有する。ロボット2100は、マイクロフォン2102およびスピーカ2104を用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
ディスプレイ2105は、種々の情報の表示を行う機能を有する。ロボット2100は、使用者の望みの情報をディスプレイ2105に表示することが可能である。ディスプレイ2105は、タッチパネルを搭載していてもよい。また、ディスプレイ2105は取り外しのできる情報端末であっても良く、ロボット2100の定位置に設置することで、充電およびデータの受け渡しを可能とする。
上部カメラ2103および下部カメラ2106は、ロボット2100の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ2107は、移動機構2108を用いてロボット2100が前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット2100は、上部カメラ2103、下部カメラ2106および障害物センサ2107を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。
本発明の一態様の発光装置はディスプレイ2105に用いることができる。
図8(C)はゴーグル型ディスプレイの一例を表す図である。
ゴーグル型ディスプレイは、例えば、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005(電源スイッチ、又は操作スイッチを含む)、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい、又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、第2の表示部5002、支持部5012、イヤホン5013等を有する。
本発明の一態様の発光装置は表示部5001および第2の表示部5002に用いることができる。
また、図9(A)、(B)に、折りたたみ可能な携帯情報端末5150を示す。折りたたみ可能な携帯情報端末5150は筐体5151、表示領域5152および屈曲部5153を有している。図9(A)に展開した状態の携帯情報端末5150を示す。図9(B)に折りたたんだ状態の携帯情報端末5150を示す。携帯情報端末5150は、大きな表示領域5152を有するにも関わらず、折りたためばコンパクトで可搬性に優れる。
表示領域5152は屈曲部5153により半分に折りたたむことができる。屈曲部5153は伸縮可能な部材と複数の支持部材とで構成されており、折りたたむ場合は、伸縮可能な部材が伸びて、屈曲部5153は2mm以上、好ましくは5mm以上の曲率半径を有して折りたたまれる。
なお、表示領域5152は、タッチセンサ(入力装置)を搭載したタッチパネル(入出力装置)であってもよい。本発明の一態様の発光装置を表示領域5152に用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、本発明の一態様の発光素子を様々な照明装置に適用する一例について、図10及び図11を用いて説明する。本発明の一態様である発光素子を用いることで、発光効率が良好な、信頼性の高い照明装置を作製できる。
本発明の一態様の発光素子を、可撓性を有する基板上に作製することで曲面を有する発光領域を有する電子機器、照明装置を実現することができる。
また、本発明の一態様の発光素子を適用した発光装置は、自動車の照明にも適用することができ、例えば、フロントガラス、天井等に照明を設置することもできる。
図10(A)は、多機能端末3500の一方の面の斜視図を示し、図10(B)は、多機能端末3500の他方の面の斜視図を示している。多機能端末3500は、筐体3502に表示部3504、カメラ3506、照明3508等が組み込まれている。本発明の一態様の発光装置を照明3508に用いることができる。
照明3508は、本発明の一態様の発光装置を用いることで、面光源として機能する。したがって、LEDに代表される点光源と異なり、指向性が少ない発光が得られる。例えば、照明3508とカメラ3506とを組み合わせて用いる場合、照明3508を点灯または点滅させて、カメラ3506により撮像することができる。照明3508としては、面光源としての機能を有するため、自然光の下で撮影したような写真を撮影することができる。
なお、図10(A)、(B)に示す多機能端末3500は、図7(A)から図7(C)に示す電子機器と同様に、様々な機能を有することができる。
また、筐体3502の内部に、スピーカ、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン等を有することができる。また、多機能端末3500の内部に、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサを有する検出装置を設けることで、多機能端末3500の向き(縦か横か)を判断して、表示部3504の画面表示を自動的に切り替えるようにすることができる。
表示部3504は、イメージセンサとして機能させることもできる。例えば、表示部3504に掌や指で触れ、掌紋、指紋等を撮像することで、本人認証を行うことができる。また、表示部3504に近赤外光を発光するバックライト又は近赤外光を発光するセンシング用光源を用いれば、指静脈、掌静脈などを撮像することもできる。なお、表示部3504に本発明の一態様の発光装置を適用してもよい。
図10(C)は、防犯用のライト3600の斜視図を示している。ライト3600は、筐体3602の外側に照明3608を有し、筐体3602には、スピーカ3610等が組み込まれている。本発明の一態様の発光素子を照明3608に用いることができる。
ライト3600としては、例えば、照明3608を握持する、掴持する、または保持することで発光することができる。また、筐体3602の内部には、ライト3600からの発光方法を制御できる電子回路を備えていてもよい。該電子回路としては、例えば、1回または間欠的に複数回、発光が可能なような回路としてもよいし、発光の電流値を制御することで発光の光量が調整可能なような回路としてもよい。また、照明3608の発光と同時に、スピーカ3610から大音量の警報音が出力されるような回路を組み込んでもよい。
ライト3600としては、あらゆる方向に発光することが可能なため、例えば、暴漢等に向けて光、または光と音で威嚇することができる。また、ライト3600にデジタルスチルカメラ等のカメラ、撮影機能を有する機能を備えてもよい。
図11は、発光素子を室内の照明装置8501として用いた例である。なお、発光素子は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置を形成することもできる。その他、曲面を有する筐体を用いることで、発光領域が曲面を有する照明装置8502を形成することもできる。本実施の形態で示す発光素子は薄膜状であり、筐体のデザインの自由度が高い。したがって、様々な意匠を凝らした照明装置を形成することができる。さらに、室内の壁面に大型の照明装置8503を備えても良い。また、照明装置8501、8502、8503に、タッチセンサを設けて、電源のオンまたはオフを行ってもよい。
また、発光素子をテーブルの表面側に用いることによりテーブルとしての機能を備えた照明装置8504とすることができる。なお、その他の家具の一部に発光素子を用いることにより、家具としての機能を備えた照明装置とすることができる。
以上のようにして、本発明の一態様の発光装置を適用して照明装置及び電子機器を得ることができる。なお、適用できる照明装置及び電子機器は、本実施の形態に示したものに限らず、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
また、本実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示した構成と適宜組み合わせて用いることができる。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、5,9-ビス[N-フェニル-N-(4-ビフェニル)アミノ]-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:5,9BPA2PcgDBC)(構造式(100))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<ステップ1:5,9BPA2PcgDBCの合成>
200mL三口フラスコに5,9-ジブロモ-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールを1.5g(3.0mmol)、4-フェニルジフェニルアミンを2.2g(9.0mmol)、ナトリウム tert-ブトキシドを1.7g(18mmol)入れた。この混合物へ、トルエン30mLとトリ(tert-ブチル)ホスフィンの10%ヘキサン溶液0.2mLを加え、この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気した。この混合物にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を17mg(30μmol)加え、窒素気流下にて120℃で7時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物にトルエンを加え、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、濾液を得た。得られた濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:トルエン=7:3)で精製し、得られたフラクションを濃縮することで、固体を得た。得られた固体をトルエン/エタノールで再沈殿し、黄色固体を1.8g、収率74%で得た。本合成スキームを下記(A-1)に示す。
得られた固体1.5gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。圧力2.2×10-2Pa、アルゴン流量0mL/minの条件で、320℃で加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.70g、回収率45%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(DMSO-d6,300MHz):δ=6.97(t,J1=7.2Hz,2H),7.03-7.10(m,8H),7.23-7.31(m,6H),7.38-7.43(m,6H),7.50-7.66(m,15H),7.79(d,J1=7.2Hz,2H),8.15(dd,J1=8.7Hz,J2=1.5Hz,2H),9.22(d,J1=8.7Hz,2H).
また、得られた固体の1H NMRチャートを図12(A)及び図12(B)に示す。なお、図12(B)は図12(A)における6.0ppmから9.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、5,9BPA2PcgDBCが得られたことが分かった。
<5,9BPA2PcgDBCの特性>
次に、5,9BPA2PcgDBCのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを測定した結果を図13に示す。また、薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図14に示す。固体薄膜は石英基板上に真空蒸着法にて作製した。トルエン溶液の吸収スペクトルは、紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用いて測定し、トルエンのみを石英セルに入れて測定したスペクトルを差し引いて示した。また、薄膜の吸収スペクトルは、分光光度計((株)日立ハイテクノロジーズ製 分光光度計U4100)を用いた。また、薄膜の発光スペクトルの測定には、蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用いた。溶液の発光スペクトルの測定と量子収率は絶対PL量子収率測定装置((株)浜松ホトニクス製 Quantaurus-QY)を用いた。
図13より、5,9BPA2PcgDBCのトルエン溶液は419nm、324nm、314nm、283nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは460nm付近(励起波長400nm)であった。また、図14より、5,9BPA2PcgDBCの薄膜は、419nm、331nm、313nmおよび284nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは473nmおよび496nm付近(励起波長410nm)に見られた。この結果から、5,9BPA2PcgDBCが青色に発光することを確認した。また、蛍光発光物質のホストとして利用可能であることがわかった。
また、トルエン溶液での量子収率は、81%と良好であり、発光材料として好適であることがわかった。
次に、本実施例で得られた5,9BPA2PcgDBCを液体クロマトグラフ質量分析(Liquid Chromatography Mass Spectrometry,略称:LC/MS分析)によって分析した。
LC/MS分析は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Ultimate3000によりLC(液体クロマトグラフィー)分離を行い、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製Q ExactiveによりMS分析(質量分析)を行った。
LC分離は、任意のカラムを用いてカラム温度は40℃とし、送液条件は溶媒を適宜選択し、サンプルは任意の濃度の5,9BPA2PcgDBCを有機溶媒に溶かして調整し、注入量は5.0μLとした。
Targeted-MS2法により、5,9BPA2PcgDBC由来のイオンであるm/z=829.35のMS2測定を行なった。Targeted-MS2の設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=829.35±2.0(isolation window=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCE(Normalized Collision Energy)を50として測定した。得られたMSスペクトルを図15に示す。
図15の結果から、5,9BPA2PcgDBCは、主としてm/z=752、676、584、508、432、341、244付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図に示す結果は、5,9BPA2PcgDBCに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる5,9BPA2PcgDBCを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=752付近のプロダクトイオンは、5,9BPA2PcgDBCにおけるフェニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BPA2PcgDBCが、フェニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=676付近のプロダクトイオンは、5,9BPA2PcgDBCにおけるビフェニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BPA2PcgDBCが、ビフェニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=584付近のプロダクトイオンは、5,9BPA2PcgDBCにおける4-フェニルジフェニルアミノ基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BPA2PcgDBCが、4-フェニルジフェニルアミノ基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=341付近のプロダクトイオンは、5,9BPA2PcgDBCにおける4-フェニルジフェニルアミノ基が2つ離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BPA2PcgDBCが、7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールおよび4-フェニルジフェニルアミノ基2つを含んでいることを示唆するものである。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、N,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ビス[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール-5,9-ジアミン(略称:5,9mMemFLPA2PcgDBC)(構造式(101))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<ステップ1:5,9mMemFLPA2PcgDBCの合成>
200mL三口フラスコに5,9-ジブロモ-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールを1.1g(2.1mmol)、N-(3-メチルフェニル)-3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニルアミンを2.7g(6.3mmol)、ナトリウム tert-ブトキシドを1.2g(13mmol)入れた。この混合物へ、トルエン25mLとトリ(tert-ブチル)ホスフィンの10%ヘキサン溶液0.2mLを加え、この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気した。この混合物にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を24mg(42μmol)加え、窒素気流下にて110℃で13時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物にトルエンを加え、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、濾液を得た。得られた濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶:ヘキサン:トルエン=1:1)で精製し、フラクションを濃縮することで固体を得た。得られた固体をトルエン/エタノールで再結晶し、黄色固体を1.7g、収率68%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(A-2)に示す。
得られた固体1.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。圧力1.5×10-2Pa、アルゴン流量0mL/minの条件で、350℃で加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.60g、回収率58%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(DMSO-d6,300MHz):δ=2.15(s,6H),6.54(dd,J1=6.6Hz,J1=0.9Hz,2H),6.71(d,J1=8.4Hz,4H),6.79-6.83(m,4H),6.89-6.96(m,6H),7.02-7.16(m,18H),7.22(s,2H),7.25-7.32(m,4H),7.42-7.61(m,7H),7.77-7.85(m,6H),8.02(dd,J1=8.4Hz,J2=1.2Hz,2H),9.19(d,J1=8.1Hz,2H).
また、得られた固体の1H NMRチャートを図16(A)及び図16(B)に示す。なお、図16(B)は図16(A)における6.0ppmから9.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、5,9mMemFLPA2PcgDBCが得られたことが分かった。
<5,9mMemFLPA2PcgDBCの特性>
次に、5,9mMemFLPA2PcgDBCのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを測定した結果を図17に示す。また、薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図18に示す。測定は実施例1と同様に行った。
図17より、5,9mMemFLPA2PcgDBCのトルエン溶液は417nm、308nm、297nm、284nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは458nm付近(励起波長420nm)であった。また、図18より、5,9mMemFLPA2PcgDBCの薄膜は、417nm、308nmおよび278nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは470nm、494nmおよび535nm付近(励起波長410nm)に見られた。この結果から、5,9mMemFLPA2PcgDBCが青色に発光することを確認し、発光物質や可視領域の蛍光発光物質のホストとして利用可能であることがわかった。
また、トルエン溶液での量子収率は79%と良好であり、発光材料として好適であることがわかった。
次に、本実施例で得られた5,9mMemFLPA2PcgDBCをLC/MS分析によって分析した。分析方法は実施例1と同様に行った。得られたMSスペクトルを図19に示す。
図19の結果から、5,9mMemFLPA2PcgDBCは、主としてm/z=945、868、764、686、522、446、241付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図に示す結果は、5,9mMemFLPA2PcgDBCに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる5,9mMemFLPA2PcgDBCを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=945付近のプロダクトイオンは、5,9mMemFLPA2PcgDBCにおける9-フェニル-9H-フルオレニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9mMemFLPA2PcgDBCが、9-フェニル-9H-フルオレニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=868付近のプロダクトイオンは、5,9mMemFLPA2PcgDBCにおける(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9mMemFLPA2PcgDBCが、(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=764付近のプロダクトイオンは、5,9mMemFLPA2PcgDBCにおけるN-3-メチルフェニル)-N-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]アミノ基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9mMemFLPA2PcgDBCが、N-3-メチルフェニル)-N-[3-(9-フェニル-9H-フルオレン-9-イル)フェニル]アミノ基を含んでいることを示唆するものである。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、N,N’-ビス(6-フェニル-ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル)-N,N’-ジフェニル-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール-5,9-ジアミン(略称:5,9BnfA2PcgDBC)(構造式(102))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<ステップ1:5,9BnfA2PcgDBCの合成>
200mL三口フラスコに5,9-ジブロモ-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールを1.1g(2.3mmol)、N-(6-フェニルベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル)フェニルアミンを2.2g(5.6mmol)、ナトリウム tert-ブトキシドを1.3g(14mmol)入れた。この混合物へ、トルエン25mLとトリ(tert-ブチル)ホスフィンの10%ヘキサン溶液0.2mLを加え、この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気した。この混合物にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を26mg(45μmol)加え、窒素気流下にて110℃で7時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物にトルエンを加え、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、濾液を得た。得られた濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:トルエン=2:1、次いでヘキサン:トルエン=3:2)で精製し、フラクションを濃縮することで固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/エタノールで再結晶し、黄色固体を2.2g、収率86%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(A-3)に示す。
得られた固体1.2gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。圧力8.6×10-3Pa、アルゴン流量0mL/minの条件で、375℃で加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.55g、回収率47%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(DMSO-d6,300MHz):δ=6.96(d,J1=7.8Hz,4H),7.02-7.12(m,8H),7.21(t,J1=7.2Hz,2H),7.28-7.44(m,19H),7.64(t,J1=7.8Hz,2H),7.73-7.82(m,4H),8.12(d,J1=8.4Hz,2H),8.21(d,J1=7.8Hz,2H),8.28(s,2H),8.36(d,J1=7.8Hz,2H),8.78(d,J1=8.7Hz,2H),9.22(d,J1=8.4Hz,2H).
また、得られた固体の1H NMRチャートを図20(A)及び図20(B)に示す。なお、図20(B)は図20(A)における6.5ppmから9.0ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、5,9BnfA2PcgDBCが得られたことが分かった。
<5,9BnfA2PcgDBCの特性>
次に、5,9BnfA2PcgDBCのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを測定した結果を図21に示す。また、薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図22に示す。測定は実施例1と同様に行った。
図21より、5,9BnfA2PcgDBCのトルエン溶液は414nm、284nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは451nm、477nm付近(励起波長360nm)であった。また、図22より、5,9BnfA2PcgDBCの薄膜は、416nm、346nm、325nmおよび262nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは466nmおよび494nm付近(励起波長400nm)に見られた。この結果から、5,9BnfA2PcgDBCが青色に発光することを確認し、発光物質や可視領域の蛍光発光物質のホストとして利用可能であることがわかった。
また、トルエン溶液での量子収率は87%と良好であり、発光材料として好適であることがわかった。
次に、本実施例で得られた5,9BnfA2PcgDBCをLC/MS分析によって分析した。分析方法は実施例1と同様に行った。得られたMSスペクトルを図23に示す。
図23の結果から、5,9BnfA2PcgDBCは、主としてm/z=816、726、649、572、433,341付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図に示す結果は、5,9BnfA2PcgDBCに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる5,9BnfA2PcgDBCを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=816付近のプロダクトイオンは、5,9BnfA2PcgDBCにおける6-フェニル-ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BnfA2PcgDBCが、6-フェニル-ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=726付近のプロダクトイオンは、5,9BnfA2PcgDBCにおけるN-(6-フェニル-ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル)-N-フェニルアミノ基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BnfA2PcgDBCが、N-(6-フェニル-ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル)-N-フェニルアミノ基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=341付近のプロダクトイオンは、5,9BnfA2PcgDBCにおけるN-(6-フェニル-ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル)-N-フェニルアミノ基が2つ離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BnfA2PcgDBCが、7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールおよびN-(6-フェニル-ベンゾ[b]ナフト[1,2-d]フラン-8-イル)-N-フェニルアミノ基を2つ含んでいることを示唆するものである。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、N,N’-ジ(ジベンゾフラン-4-イル)-N,N’-ジフェニル-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール-5,9-ジアミン(略称:5,9FrA2PcgDBC-II)(構造式(103))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<ステップ1:5,9FrA2PcgDBC-IIの合成>
200mL三口フラスコに5,9-ジブロモ-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールを1.5g(2.9mmol)、4-アニリノジベンゾフランを2.4g(9.3mmol)、ナトリウム tert-ブトキシドを1.7g(17mmol)入れた。この混合物へ、トルエン30mLとトリ(tert-ブチル)ホスフィンの10%ヘキサン溶液0.2mLを加え、この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気した。この混合物にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を33mg(58.2μmol)加え、窒素気流下にて110℃で8時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物にトルエンを加え、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、濾液を得た。得られた濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:トルエン=2:1、次いでヘキサン:トルエン=3:2)で精製し、フラクションを濃縮することで固体を得た。得られた固体をトルエン/酢酸エチルで再結晶した。淡黄色固体を1.5g、収率60%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(A-4)に示す。
得られた固体1.3gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。圧力9.8×10-3Pa、アルゴン流量0mL/minの条件で、310℃で加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.75g、回収率59%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(DMSO-d6,300MHz):δ=6.72(d,J1=7.5Hz,4H),6.89(t,J1=7.5Hz,2H),7.14-7.19(m,6H),7.28(t,J1=7.8Hz,2H),7.38-7.51(m,15H),7.77(t,J1=8.7Hz,2H),7.93(dd,J1=7.2Hz,J2=0.90Hz,2H),8.16(dd,J1=7.2Hz,J2=1.2Hz,2H),8.24(dd,J1=8.4Hz,J2=1.2Hz,2H),9.20(d,J1=8.7Hz,2H).
また、得られた固体の1H NMRチャートを図24(A)及び図24(B)に示す。なお、図24(B)は図24(A)における6.5ppmから8.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、5,9FrA2PcgDBC-IIが得られたことが分かった。
<5,9FrA2PcgDBC-IIの特性>
次に、5,9FrA2PcgDBC-IIのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを測定した結果を図25に示す。また、薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図26に示す。測定は実施例1と同様に行った。
図25より、5,9FrA2PcgDBC-IIのトルエン溶液は409nm、342nm、285nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは449nm付近(励起波長400nm)であった。また、図26より、5,9FrA2PcgDBC-IIの薄膜は、410nm、346nm、314nm、285nmおよび248nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは464nmおよび483nm付近(励起波長410nm)に見られた。この結果から、5,9FrA2PcgDBC-IIが青色に発光することを確認した。また、蛍光発光物質のホストとして利用可能であることがわかった。
また、トルエン溶液での量子収率は86%と良好であり、発光材料として好適であることがわかった。
次に、本実施例で得られた5,9FrA2PcgDBC-IIをLC/MS分析によって分析した。分析方法は実施例1と同様に行った。得られたMSスペクトルを図27に示す。
図27の結果から、5,9FrA2PcgDBC-IIは、主としてm/z=781、691、600、523、433、270付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図に示す結果は、5,9FrA2PcgDBC-IIに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる5,9FrA2PcgDBC-IIを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=781付近のプロダクトイオンは、5,9FrA2PcgDBC-IIにおけるフェニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9FrA2PcgDBC-IIが、フェニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=691付近のプロダクトイオンは、5,9FrA2PcgDBC-IIにおけるジベンゾフラニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9FrA2PcgDBC-IIが、ジベンゾフラニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=600付近のプロダクトイオンは、5,9FrA2PcgDBC-IIにおけるN-(ジベンゾフラン-4-イル)-N-フェニルアミノ基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9FrA2PcgDBC-IIが、N-(ジベンゾフラン-4-イル)-N-フェニルアミノ基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=270付近のプロダクトイオンは、5,9FrA2PcgDBC-IIにおける5-[N-(ジベンゾフラン-4-イル)-N-フェニルアミノ]-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾリル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9FrA2PcgDBC-IIが、5-[N-(ジベンゾフラン-4-イル)-N-フェニルアミノ]-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾリル基を含んでいることを示唆するものである。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、5,9-ビス[N-(2,5-ジメチルフェニル)-N-(4-ビフェニル)アミノ]-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:5,9oDMeBPA2PcgDBC)(構造式(104))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<ステップ1:5,9oDMeBPA2PcgDBCの合成>
200mL三口フラスコに5,9-ジブロモ-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールを1.4g(2.8mmol)、N-(2,6-ジメチルフェニル)-4-ジフェニルアミンを1.9g(7.1mmol)、ナトリウム tert-ブトキシドを1.6g(17mmol)入れた。この混合物へ、トルエン30mLとトリ(tert-ブチル)ホスフィンの10%ヘキサン溶液0.2mLを加え、この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気した。この混合物にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を32mg(56μmol)加え、窒素気流下にて110℃で7.5時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物にトルエンを加え、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、濾液を得た。得られた濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:トルエン=2:1、次いでヘキサン:トルエン=3:2)で精製し、フラクションを濃縮することで固体を得た。得られた固体をトルエン/酢酸エチルで再結晶し、黄色固体を1.0g、収率40%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(A-5)に示す。
得られた固体1.0gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。圧力2.3×10-2Pa、アルゴン流量0mL/minの条件で、310℃で加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.80g、回収率79%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(DMSO-d6,300MHz):δ=2.00(s,12H).6.59(d,J1=9.0Hz,4H),7.03(s,2H),7.13(s,6H),7.27(t,J1=7.2Hz,2H),7.37-7.53(m,15H),7.60(d,J1=6.9Hz,4H),7.73(t,J1=7.2Hz,2H),8.11(dd,J1=8.7Hz,J2=0.9Hz,2H),9.19(d,J1=8.4Hz,2H).
また、得られた固体の1H NMRチャートを図28(A)及び図28(B)に示す。なお、図28(B)は図28(A)における6.5ppmから9.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、5,9oDMeBPA2PcgDBCが得られたことが分かった。
<5,9oDMeBPA2PcgDBCの特性>
次に、5,9oDMeBPA2PcgDBCのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを測定した結果を図29に示す。また、薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図30に示す。測定は実施例1と同様に行った。
図29より、5,9oDMeBPA2PcgDBCのトルエン溶液は433nm、415nm、310nm、282nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは458nm、487nm付近(励起波長430nm)であった。また、図30より、5,9oDMeBPA2PcgDBCの薄膜は、437nm、418nm、390nm、310nmおよび276nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは473nmおよび497nm付近(励起波長410nm)に見られた。この結果から、5,9oDMeBPA2PcgDBCが青色に発光することを確認し、発光物質や可視領域の蛍光発光物質のホストとして利用可能であることがわかった。
また、トルエン溶液での量子収率は85%と良好であり、発光材料として好適であることがわかった。
次に、本実施例で得られた5,9oDMeBPA2PcgDBCをLC/MS分析によって分析した。分析方法は実施例1と同様に行った。得られたMSスペクトルを図31に示す。
図31の結果から、5,9oDMeBPA2PcgDBCは、主としてm/z=780、614、537、509、459、343、270、194付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図に示す結果は、5,9oDMeBPA2PcgDBCに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる5,9oDMeBPA2PcgDBCを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=780付近のプロダクトイオンは、5,9oDMeBPA2PcgDBCにおける2,5-ジメチルフェニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9oDMeBPA2PcgDBCが、2,5-ジメチルフェニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=614付近のプロダクトイオンは、5,9oDMeBPA2PcgDBCにおけるN-(2,5-ジメチルフェニル)-N-(4-ビフェニル)アミノ基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9oDMeBPA2PcgDBCが、N-(2,5-ジメチルフェニル)-N-(4-ビフェニル)アミノ基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=537付近のプロダクトイオンは、5,9oDMeBPA2PcgDBCにおけるN-(2,5-ジメチルフェニル)-N-(4-ビフェニル)アミノ基とフェニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9oDMeBPA2PcgDBCが、N-(2,5-ジメチルフェニル)-N-(4-ビフェニル)アミノ基とフェニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=343付近のプロダクトイオンは、5,9oDMeBPA2PcgDBCにおけるN-(2,5-ジメチルフェニル)-N-(4-ビフェニル)アミノ基が2つ離脱した状態のカチオンと推定され、5,9oDMeBPA2PcgDBCが、N-(2,5-ジメチルフェニル)-N-(4-ビフェニル)アミノ基2つと7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールを含んでいることを示唆するものである。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、5,9-ビス[ジ(4-ビフェニル)アミノ]-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:5,9BBA2PcgDBC)(構造式(105))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<ステップ1:5,9BBA2PcgDBCの合成>
200mL三口フラスコに5,9-ジブロモ-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールを1.3g(2.6mmol)、ビス(4-ビフェニリル)アミンを2.1g(6.4mmol)、ナトリウムtert-ブトキシドを1.5g(15mmol)入れた。この混合物へ、トルエン26mLとトリ(tert-ブチル)ホスフィンの10%ヘキサン溶液0.2mLを加え、この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気した。この混合物にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を29mg(51μmol)加え、窒素気流下にて110℃で15時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物にトルエンを加え、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、濾液を得た。得られた濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:トルエン=2:1、次いでヘキサン:トルエン=3:2)で精製し、フラクションを濃縮することで固体を得た。得られた固体をトルエン/エタノールで再沈殿し、黄色固体を2.2g、収率90%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(A-6)に示す。
得られた固体1.1gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。圧力2.2×10-2Pa、アルゴン流量0mL/minの条件で、310℃で加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.51g、回収率45%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H-NMR δ(CDCl3):1H NMR(DMSO-d6,300MHz):δ=7.14(d,J1=8.7Hz,8H),7.27-7.32(m,4H),7.39-7.63(m,31H),7.69(d,J1=6.6Hz,2H),7.82(t,J1=7.2Hz,2H),8.18(d,J1=9.3Hz,2H),9.25(d,J1=8.1Hz,2H)
また、得られた固体の1H NMRチャートを図32(A)及び図32(B)に示す。なお、図32(B)は図32(A)における7.0ppmから9.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、5,9BBA2PcgDBCが得られたことが分かった。
<5,9BBA2PcgDBCの特性>
次に、5,9BBA2PcgDBCのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを測定した結果を図33に示す。また、薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図34に示す。測定は実施例1と同様に行った。
図33より、5,9BBA2PcgDBCのトルエン溶液は423nm、342nm、314nm、287nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは465nm付近(励起波長400nm)であった。また、図34より、5,9BBA2PcgDBCの薄膜は、423nm、344nm、313nm、290nmおよび246nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは482nm、514nmおよび548nm付近(励起波長410nm)に見られた。この結果から、5,9BBA2PcgDBCが青色に発光することを確認した。また、蛍光発光物質のホストとして利用可能であることがわかった。
また、トルエン溶液での量子収率は75%と良好であり、発光材料として好適であることがわかった。
次に、本実施例で得られた5,9BBA2PcgDBCをLC/MS分析によって分析した。分析方法は実施例1と同様に行った。得られたMSスペクトルを図35に示す。
図35の結果から、5,9BBA2PcgDBCは、主としてm/z=829、662、509、432、320付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図35に示す結果は、5,9BBA2PcgDBCに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる5,9BBA2PcgDBCを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=829付近のプロダクトイオンは、5,9BBA2PcgDBCにおけるビフェニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BBA2PcgDBCが、ビフェニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=662付近のプロダクトイオンは、5,9BBA2PcgDBCにおけるジ(4-ビフェニル)アミノ基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BBA2PcgDBCが、ジ(4-ビフェニル)アミノ基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=320付近のプロダクトイオンは、5,9BBA2PcgDBCにおけるジ(4-ビフェニル)アミノ]-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BBA2PcgDBCが、ジ(4-ビフェニル)アミノ]-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール基を含んでいることを示唆するものである。
本実施例では、本発明の一態様である、一般式(G0)で表される化合物の一つである、5,9-ビス{4‐[N-(4-ビフェニル)-N-フェニルアミノ]フェニル}-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾール(略称:5,9BPAP2PcgDBC)(構造式(168))の合成方法と、該化合物の特性について説明する。
<ステップ1:5,9BPAP2PcgDBCの合成>
200mL三口フラスコに1.3g(2.6mmol)の5,9-ジブロモ-7-フェニルジベンゾ[c,g]カルバゾールと、2.3g(6.4mmol)の4’-フェニルトリフェニルアミン-4-ボロン酸、68mg(0.23mmol)のトリス(2-メチルフェニル)ホスフィン、1.8g(13mmol)の炭酸カリウムを入れた。この混合物に、15mLのトルエンと、5mLのエタノールと、5mLの水を加えた。この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気した。脱気を行った混合物に10mg(45μmol)の酢酸パラジウム(II)を加え、窒素気流下、90℃で12.5時間攪拌した。撹拌後、得られた反応混合物に水、エタノールを加え、超音波を照射後、ろ過し、固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:トルエン=2:1、次いでヘキサン:トルエン=1:1)で精製し、フラクションを濃縮することで固体を得た。得られた固体をトルエンで再結晶し、黄色固体を2.1g、収率86%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(A-7)に示す。
得られた黄色固体1.1gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。圧力2.4×10-
2Pa、アルゴン流量0mL/minの条件で、380℃で加熱して行った。昇華精製後、黄色固体を0.89g、回収率82%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H-NMR:1H NMR(CD2Cl2,300MHz):δ=7.09(t,J1=7.2Hz,2H),7.21-7.76(m,45H),8.20(d,J1=6.9Hz,2H),9.32(d,J1=9.0Hz,2H).
また、得られた黄色固体の1H NMRチャートを図47(A)及び図47(B)に示す。なお、図47(B)は図47(A)における6.5ppmから9.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から黄色固体は目的物である、5,9BPAP2PcgDBCであることが分かった。
<5,9BPAP2PcgDBCの特性>
次に、5,9BPAP2PcgDBCのトルエン溶液の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを測定した結果を図48に示す。また、薄膜の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを図49に示す。測定は実施例1と同様に行った。
図48より、5,9BPAP2PcgDBCのトルエン溶液は391nm、324nm、291nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは453nm付近(励起波長397nm)であった。また、図49より、5,9BPAP2PcgDBCの薄膜は、394nm、322nm、294nm付近に吸収ピークが見られ、発光波長のピークは465nm付近(励起波長390nm)に見られた。この結果から、5,9BPAP2PcgDBCが青色に発光することを確認し、発光物質や可視領域の蛍光発光物質のホストとして利用可能であることがわかった。
また、トルエン溶液での量子収率は95%と非常に良好であり、発光材料として好適であることがわかった。
この様に本発明の一態様の有機化合物である5,9BPAP2PcgDBCは、ジベンゾカルバゾール骨格とアミンとの間にアリーレン基を導入することで、アリーレン基を導入していない化合物と比較し、吸収ピーク波長と発光ピーク波長が短波長化することが分かった。。また量子収率も高くなることがわかった。
次に、本実施例で得られた5,9BPAP2PcgDBCをLC/MS分析によって分析した。LC分離は実施例1と同様に行った。Targeted-MS2法により、5,9BPAP2PcgDBC由来のイオンであるm/z=981.41のMS2測定を行なった。Targeted-MS2の設定は、ターゲットイオンの質量範囲をm/z=981.41±2.0(isolationwindow=4)とし、検出はポジティブモードで行った。コリジョンセル内でターゲットイオンを加速するエネルギーNCEを60として測定した。得られたMSスペクトルを図50に示す。
図50の結果から、5,9BPAP2PcgDBCは、主としてm/z=905、829、736、660、584、507、493、417付近にプロダクトイオンが検出されることがわかった。なお、図50に示す結果は、5,9BPAP2PcgDBCに由来する特徴的な結果を示すものであることから、混合物中に含まれる5,9BPAP2PcgDBCを同定する上での重要なデータであるといえる。
なお、m/z=905付近のプロダクトイオンは、5,9BPAP2PcgDBCにおけるフェニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BPAP2PcgDBCが、フェニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=829付近のプロダクトイオンは、5,9BPAP2PcgDBCにおけるビフェニル基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BPAP2PcgDBCが、ビフェニル基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=736付近のプロダクトイオンは、5,9BPAP2PcgDBCにおけるN-ビフェニル-4-フェニルアミノ基が離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BPAP2PcgDBCが、N-ビフェニル-4-フェニルアミノ基を含んでいることを示唆するものである。
なお、m/z=493付近のプロダクトイオンは、5,9BPAP2PcgDBCにおけるN-ビフェニル-4-ビフェニルアミノ基が2つ離脱した状態のカチオンと推定され、5,9BPAP2PcgDBCが、N-ビフェニル-4-フェニルアミノ基を2つ含んでいることを示唆するものである。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物を含む発光素子及び比較発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。本実施例で作製した発光素子の積層構造を図1(A)に示す。また、素子構造の詳細を表1及び表2に示す。また、本実施例で用いる有機化合物を以下に示す。なお、他の有機化合物については他の実施の形態または実施例を参照すればよい。
≪発光素子1の作製≫
ガラス基板上に電極101として、ITSO膜をスパッタリング法にて厚さが70nmになるように形成した。なお、電極101の電極面積は、4mm2(2mm×2mm)とした。次に基板上に発光素子を形成するための前処理として、基板表面を水で洗浄し、200℃で1時間乾燥させた後、UVオゾン処理を370秒行った。その後、1×10-4Pa程度の真空度に保たれた真空蒸着装置に基板を入れ、170℃で30分間のベークを行った。その後、基板を30分程度放冷した。
次に、電極101上に正孔注入層111として、PCPPnと、酸化モリブデン(VI)(MoO3)と、を重量比(PCPPn:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCPPnを厚さが30nmになるように蒸着した。
次に、発光層130として、正孔輸送層112上に、cgDBCzPAと5,9BPA2PcgDBCとを、重量比(cgDBCzPA:5,9BPA2PcgDBC)が1:0.03になるように、且つ厚さが25nmになるように共蒸着した。なお、発光層130において、5,9BPA2PcgDBCは、蛍光発光を呈するゲスト材料である。
次に、発光層130上に、電子輸送層118(1)として、cgDBCzPAを厚さが15nmになるよう蒸着した。次に、電子輸送層118(1)上に、電子輸送層118(2)として、NBPhenを厚さが10nmになるように、順次蒸着した。
次に、電子輸送層118上に、電子注入層119として、LiFを厚さが1nmになるように蒸着した。
次に、電子注入層119上に、電極102として、アルミニウム(Al)を厚さが200nmになるように形成した。
次に、窒素雰囲気のグローブボックス内において、封止材を用いて封止するために、発光素子を形成した基板とは別の基板(対向基板)を、発光素子を形成した基板に固定することで、発光素子1を封止した。具体的には、対向基板に乾燥剤を貼り、さらに発光素子を形成した範囲周辺に封止材を塗布した該対向基板と、発光素子を形成したガラス基板とを貼り合わせ、波長が365nmの紫外光を6J/cm2照射し、80℃にて1時間熱処理した。以上の工程により発光素子1を得た。
≪発光素子2乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7の作製≫
発光素子2乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7の作製工程は、先に示した発光素子1と発光層130の作製工程のみ異なり、その他の作製工程は発光素子1と同様としたため、詳細な説明は省略する。素子構造の詳細は表1及び表2を参照すれば良い。
なお、本発明の一態様である発光素子1乃至発光素子6及び発光素子9には本発明の一態様である有機化合物である、ジベンゾカルバゾール骨格にアミン骨格が2つ結合した構造を有する有機化合物を用いた。一方、比較発光素子7にはジベンゾカルバゾール骨格にアミン骨格が1つ結合した構造を有する有機化合物を用いた。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7の特性を測定した。輝度およびCIE色度の測定には色彩輝度計(トプコン社製、BM-5A)を用い、電界発光スペクトルの測定にはマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製、PMA-11)を用いた。
発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7の電流効率-輝度特性を図36に示す。また、電流密度-電圧特性を図37に示す。また、外部量子効率-輝度特性を図38に示す。なお、各発光素子の測定は室温(23℃に保たれた雰囲気)で行った。
また、1000cd/m2付近における、発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7の素子特性を表3に示す。
また、発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7に12.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを図39示す。
図36及び表3で示すように、発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7は高い電流効率を示した。特に、本発明の一態様に係る有機化合物を用いた発光素子1乃至発光素子6、発光素子9はいずれも10cd/Aを超える、青色蛍光素子としては非常に高い電流効率を示した。また、発光素子1乃至発光素子6、発光素子9はいずれも比較発光素子7よりも高い電流効率を示した。よって、ジベンゾカルバゾール骨格にアミン骨格が一つ結合した構造よりも、ジベンゾカルバゾール骨格にアミン骨格が二つ結合した構造の方が発光素子の発光効率が良いことが分かった。
図38及び表3で示すように、発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7は高い外部量子効率を示した。特に、本発明の一態様に係る有機化合物を用いた発光素子1乃至発光素子6及び発光素子9はいずれも9%を超える、蛍光素子としては非常に高い外部量子効率を示した。また、発光素子1乃至発光素子6及び発光素子9はいずれも比較発光素子7よりも高い外部量子効率を示した。よって、ジベンゾカルバゾール骨格にアミン骨格が一つ結合した構造を有する有機化合物よりも、ジベンゾカルバゾール骨格にアミン骨格が二つ結合した構造を有する有機化合物の方が発光素子の発光効率が良いことが分かった。これは、発光素子1乃至発光素子6及び発光素子9で発光材料として用いた、ジアミン化合物である本発明の一態様の有機化合物が、比較発光素子7で用いたモノアミン化合物のそれよりも発光量子収率が高いことが要因の一つと考えられる。
特に、本発明の一態様に係る有機化合物である5,9mMemFLPA2PcgDBCや5,9BPAP2PcgDBCを発光材料として用いた発光素子は、外部量子効率が11%以上と非常に高い値を示した。よって、ジベンゾカルバゾール骨格に結合したアリールアミンに置換基としてフルオレニル基を導入する、またはジベンゾカルバゾール骨格とアリールアミン骨格との間にアリーレン基を導入すると、特に外部量子効率が高い発光素子が得られることが分かった。
また本発明の一態様の化合物を発光材料に用いた素子において、S1が高く(吸収端から導いたバンドギャップが3.3eV以上)、LUMO準位の低い材料(-2.7eVより大きい)を正孔輸送層に用いた場合、特に高い外部量子効率が得られることが分かった。
なお、一対の電極から注入されたキャリア(正孔及び電子)の再結合によって生成する一重項励起子の生成確率は25%であるため、外部への光取り出し効率を25%とした場合、蛍光素子の外部量子効率の理論値は最大で6.25%となる。発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7においてはいずれも理論限界値よりも高い効率が得られている。この理由は、発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7において、一対の電極から注入されたキャリアの再結合によって生成した一重項励起子に由来する発光に加えて、実施の形態3で示したTTAにより三重項励起子の一部が一重項励起子に変換され、蛍光発光に寄与しているためと考えられる。本実施例では例示しないが、過渡蛍光測定を行ったところ、発光素子3乃至発光素子6それぞれから遅延蛍光が観測された。その他の発光素子からも同様に遅延蛍光が観測されると考えられる。従って、発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7ではTTAによって理論限界値以上の外部量子効率が得られていることがわかった。
また、図37及び表3で示すように、発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7はそれぞれ、良好な駆動電圧を有することが分かった。
また、図39より発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7の発光スペクトルはそれぞれ、468nm、462nm、459nm、458nm、471nm、474nm、461nm、456nm付近にスペクトルピークを有し、半値全幅はそれぞれ、50nm、52nm、50nm、54nm、51nm、53nm、57nm、57nm程度であったため、発光素子1乃至発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7はそれぞれが有するゲスト材料に由来する良好な青色の発光を示した。また、発光素子2乃至発光素子4は特に色度yが低い値を示した。発光素子2乃至発光素子4のゲスト材料として用いた、本発明の一態様の有機化合物には、アミン骨格に嵩高い置換基を有する。そのため、同じ窒素に結合している、他方のアリール基との立体障害が大きくなるため、窒素原子とアリール基間の結合長が長くなり、共役の分布範囲が小さくなる。その結果、発光がより短波長シフトし、色度yが低くなったと考えられる。
<発光素子の信頼性>
次に、発光素子1乃至発光素子4、発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7の2mAにおける定電流駆動試験を行った。その結果を図40に示す。図40から発光素子1乃至発光素子4、発光素子6、発光素子9及び比較発光素子7は良好な信頼性を有することが分かった。特に発光素子1、発光素子4及び発光素子9はLT90(輝度10%減少時間)がいずれも100時間を超えており、特に良好な信頼性を示すことが分かった。また、図40より発光素子1乃至発光素子6、発光素子9は比較発光素子7と比較しそれぞれ同等以上の信頼性を有することが分かった。特に発光素子1、発光素子3、発光素子4及び発光素子9は比較発光素子7よりも優れた信頼性を有することが分かった。よって、本発明の一態様に係る有機化合物のアミン骨格が有する置換基に無置換のフェニル基を導入すると信頼性がより良好になることが示唆される。また、比較発光素子7と同等の信頼性を有する発光素子2及び発光素子6はいずれも電流効率が比較発光素子7よりも良好であるため、各素子に同一の値で電流を流した場合、発光素子2及び発光素子6の方が比較発光素子7よりも輝度が高い。同一電流での駆動試験においてより高輝度で光る発光素子2及び発光素子6は比較発光素子7よりも信頼性が良好であると言える。つまり同一輝度で駆動した場合、発光素子2及び発光素子6は比較発光素子7よりも信頼性が良好であると言える。
以上、本発明の一態様の化合物を発光層に用いることで、色純度の高い青色発光を示し、高い発光効率、良好な駆動電圧及び良好な信頼性を示す発光素子を作製することができる。また、本発明の一態様である有機化合物を用いた発光素子は、ジベンゾカルバゾール骨格にアミン骨格が一つ結合した構造を有する有機化合物よりも発光効率が高く、良好な信頼性を有することが分かった。
本実施例では、本発明の一態様に係る有機化合物を含む、実施例8とは異なる発光素子の作製例と、当該発光素子の特性について説明する。本実施例で作製した発光素子の積層構造を図1(A)に示す。また、素子構造の詳細を表4に示す。また、本実施例で用いる有機化合物を以下に示す。なお、他の有機化合物については他の実施の形態または実施例を参照すればよい。
≪発光素子8作製≫
発光素子8の作製工程は、先に示した発光素子1と正孔注入層111及び正孔輸送層112の作製工程のみ異なり、その他の作製工程は発光素子1と同様としたため、詳細な説明は省略する。素子構造の詳細は表4を参照すれば良い。
<発光素子8の作製>
発光素子8の正孔注入層111として、電極101上にPCzPAと、酸化モリブデン(VI)(MoO3)と、を重量比(PCzPA:MoO3)が1:0.5になるように、且つ厚さが10nmになるように共蒸着した。
次に、正孔注入層111上に正孔輸送層112として、PCzPAを厚さが30nmになるように蒸着した。
<発光素子の特性>
次に、上記作製した発光素子8の特性を測定した。発光素子の測定条件は先に示す実施例と同様に行った。
発光素子8の電流効率-輝度特性を図41に示す。また、電流密度-電圧特性を図42に示す。また、外部量子効率-輝度特性を図43に示す。
また、1000cd/m2付近における、発光素子8の素子特性を表5に示す。
また、発光素子8に12.5mA/cm2の電流密度で電流を流した際の発光スペクトルを図44示す。
図41及び表5で示すように、発光素子8は10cd/Aを超える、青色蛍光素子としては非常に高い電流効率を示した。また、図43に示すように、外部量子効率の最大値は8.0%を超えており、蛍光素子の理論限界値を大きく上回る効率を示した。これは、上述のようにTTAの効果であると考えられる。
また、図42及び表5で示すように、発光素子8は良好な駆動電圧を有することが分かった。
また、図44より発光素子8の発光スペクトルは468nm付近にスペクトルピークを有し、半値全幅は50nm程度であったため、発光素子8はゲスト材料に由来する良好な青色の発光を示した。
<発光素子の信頼性>
次に、発光素子8の2mAにおける定電流駆動試験を行った。その結果を図45に示す。図45から発光素子8はLT90が250時間を超える非常に良好な信頼性を示した。上述の発光素子1と比較し、発光素子8は良好な信頼性を示した。発光素子1と発光素子8は正孔注入層111及び正孔輸送層112に用いた材料のみ異なる。また、本発明の一態様に係る発光素子は、正孔注入層111及び正孔輸送層112に用いる材料によって信頼性が変化することが分かった。
(参考例1)
本参考例では、実施例8で用いた、BPAPcgDBCの合成方法について説明する。
<ステップ1:BPAPcgDBCの合成>
200mL三口フラスコに5-ブロモ-7-フェニル-7H-ジベンゾ[c,g]カルバゾールを2.2g(5.1mmol)、4-フェニルジフェニルアミンを1.9g(7.7mmol)、ナトリウム tert-ブトキシドを1.5g(15mmol)入れた。この混合物へ、トルエン30mLとトリ(tert-ブチル)ホスフィンの10%ヘキサン溶液0.2mLを加え、この混合物を減圧しながら攪拌することで脱気した。この混合物にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)を29mg(51μmol)加え、窒素気流下にて110℃で7時間加熱撹拌した。撹拌後、この混合物にトルエンを加え、フロリジール、セライト、アルミナを通して吸引ろ過し、濾液を得た。得られた濾液を濃縮して固体を得た。この固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン:トルエン=5:1、次いでヘキサン:トルエン=3:1)で精製し、固体を得た。得られた固体を酢酸エチル/エタノールで再結晶し、淡黄色固体を2.0g、収率65%で得た。ステップ1の合成スキームを下記式(B-1)に示す。
得られた固体1.9gをトレインサブリメーション法により昇華精製した。圧力4.0Pa、アルゴン流量5mL/minの条件で、265℃で加熱して行った。昇華精製後、淡黄色固体を1.8g、回収率92%で得た。
得られた固体の核磁気共鳴分光法(1H NMR)による分析データを以下に示す。
1H NMR(DMSO-d6,300MHz):δ=6.97(t,J1=7.2Hz,1H),7.03-7.10(m,4H),7.23-7.31(m,3H),7.38-7.43(m,3H),7.49-7.62(m,8H),7.65-7.69(m,4H),7.76-7.82(m,2H),8.00(d,J1=8.7Hz,1H),8.15(t,J1=7.8Hz,2H),9.13(d,J1=8.4Hz,1H),9.21(d,J1=7.8Hz,1H).
また、得られた固体の1H NMRチャートを図46(A)及び図46(B)に示す。なお、図46(B)は図46(A)における6.5ppmから8.5ppmの範囲の拡大図である。測定結果から目的物である、BPAPcgDBCが得られたことが分かった。
<BPAPcgDBCの特性>
トルエン溶液でのBPAPcgDBCの量子収率は69%であり、ジアミン化合物である本実施の一態様の有機化合物の方が、モノアミン化合物の場合よりも量子収率が高くなることが分かった。