JP7145085B2 - 筆記板用水性インク組成物 - Google Patents
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Description
近年、店頭の看板等としてホワイトボード又はブラックボードなどの筆記板は屋外で使用されることも想定される。
トリメチルグリシン及び/又はカルニチン類から選ばれる少なくとも一つ以上の化合物の含有量は、インク組成物全量に対して、0.5~10質量%含有されていることが好ましい。
本発明の筆記板用水性インク組成物は、少なくとも、顔料と、トリメチルグリシン及び/又はカルニチン類から選ばれる少なくとも一つ以上の化合物とを含有することを特徴とするものである。
具体的には、カーボンブラック、群青、二酸化チタン顔料等の無機顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、スレン顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、スレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、イソインドリノン系顔料等の有機顔料、アルミニウム顔料、透明又は着色透明フィルムにアルミニウム等の金属蒸着膜を形成した金属蒸着樹脂顔料、パール顔料等が挙げられ、これらは、少なくとも1種(各単独又は2種以上、以下同様)が挙げられる。
これらの平板状顔料として用いられるパール顔料、アルミニウム顔料(粉末)、真鍮粉末などの金属粉顔料、金属蒸着樹脂顔料等は筆跡にて光を反射させ、光輝性をインク組成物に付与することができる。
用いることができるパール顔料には、魚鱗箔のような天然品と天然マイカの表面を金属酸化物で被膜したもの及び合成マイカの表面を金属酸化物で被膜したもののような合成品とがある。一般的には入手しやすさと安全性、安定性の面から、後者が多く使われている。パール顔料は、マイカ表面に被覆させた金属酸化物の種類やコーティング膜厚によって様々な色調を示すものである。市販されているパール顔料としては、例えば、イリオジン100(粒子径10~60μm、銀色)、イリオジン151(粒子径1~110μm、銀色)、イリオジン153(粒子径20~100μm、銀色)、イリオジン201(粒子径5~25μm、金色)、イリオジン217(粒子径10~60μm、赤銅色)、イリオジン289(粒子径10~125μm、青色)、イリオジン504(粒子径10~60μm、ワインレッド色)、イリオジン530(粒子径10~125μm、銅色)(以上、メルクジャパン社製)等がある。
用いることができる金属蒸着樹脂顔料は、例えば、ポリエステルフイルムなどの樹脂フィルムの片面にアルミニウムなどの金属を真空蒸着した後、所望の色とする際に、両面に着色コーティングをした後細かく切断することで得られるものである。市販されている金属蒸着樹脂顔料としては、例えば、アルミコーティングポリエステルフイルムから構成されるクリスタルカラーX-20(平均粒子径100μm、ダイヤ工業社製)、尾池工業社製のエルジーNEO#100(平均粒子径110~120μm)、#150(平均粒子径90~100μm)、#200(平均粒子径55~65μm)、#325(平均粒子径30~40μm)、#500(平均粒子径10~20μm)等がある。
なお、本発明(実施例等含む)で規定する平板状顔料等の平均粒子径は、粒子径分布解析装置HRA9320-X100(日機装株式会社製)を用いて、屈折率1.81、体積基準により算出されたD50の値を意味する。
これらの顔料の含有量が1%未満では、描線の輝度感などが不十分であり、一方、40%を超えると、インクの流出性が不十分となる。
用いることができるカルニチン類としては、基本骨格であるL-カルニチン、D-カルニチン、DL-カルニチン(これらの三成分の表記を「L(D)-カルニチン」と表記する)、それらの塩、それらの誘導体、前記誘導体の塩などが挙げられ、これらは少なくとも1種を用いることができる。
L(D)-カルニチンの誘導体として具体的には、アセチルカルニチン、パルミトイルカルニチン、ラウロイルカルニチンなどが挙げられる。
カルニチン誘導体の塩として具体的には、グリシンプロピオニルカルニチン塩酸塩、アセチルカルニチン二塩酸塩、タウリンアセチルカルニチン塩酸塩などが挙げられる。
これらの中で好ましくは、安全性、入手容易性、筆記板用インク組成物中での経時安定性にも優れる点から、L-カルニチン、DL-カルニチン塩酸塩、アセチルL-カルニチンの使用が望ましい。
これらの含有量が0.5%未満であると、本発明の効果を発揮することができず、一方、10%超過であると、本発明の効果はそれほど変わらず、むしろ粘度増加による筆記性能の低下、描線のかすれなどをもたらすこととなる。
用いることができる樹脂粒子としては、中空粒子などが挙げられる。用いる中空粒子は、顔料として平板状顔料を用いた場合の筆記板への悪影響の発生を抑制すると共に、平板状顔料によるハードケーキ形成の抑制、並びに、消去性の向上を付与する成分となるものである。
用いる中空粒子は、平板状顔料の光輝感を損なわずに、上記筆記板への悪影響の発生の抑制、ハードケーキ形成の抑制、消去性の向上などの目的の効果を発揮せしめるには、小さめの粒子径が有利であり、平均粒子径(D50)が0.1~2.0μmとなるものが良く、好ましくは、0.1~1.0μm、更に好ましくは0.6μm未満となるものが望ましい。なお、平均粒子径が2.0μm超過のものであると、顔料として平板状顔料を用いた場合には、光輝感が損なわれたりし、好ましくない。
例えば、用いる中空粒子としては、ガラスやシリカ粒子等の無機系中空粒子や、高分子化合物からなる、架橋スチレン-アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、アクリロニトリル-アクリル樹脂等のアクリル系樹脂、メタアクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂等の中空樹脂粒子などを用いることができ、また、形状として球状、楕円状などが挙げられ、好ましくは、材質としてはスチレン系、あるいはアクリル系樹脂、形状としては球状のものが望ましい。なお、中空部がない粒子、所謂中実粒子(密実粒子)では、本発明の効果を発揮することができないものである。
これらの樹脂粒子の含有量は、インク組成物全量に対して、好ましくは、固形分濃度で0.1~10%、更に好ましくは、0.5~8%が望ましい。
用いることができる糖類としては、質量平均分子量が5000以下の糖類を用いることが望ましい。この特性の糖類は、更に消去性が増強されるものとなる。
用いることができる質量平均分子量が5000以下の糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、還元糖、非還元等類、糖アルコール、還元澱粉分解物、及びこれらの混合物などが使用できる。なお、質量平均分子量が5000を超える糖類、例えば、キサンタンガムなどの増粘多糖類などを使用した場合は、その増粘作用により、レオロジー特性を阻害する場合があり、好ましくない。
この含有量が0.001%以上とすることにより、本発明の効果を更に発揮でき、一方、30%以下とすることにより、筆記した描線の乾燥性を低下させることがない。
顔料分散剤としては、スチレンアクリル共重合体等の樹脂分散剤を使用することができ、pH調整剤としては、顔料分散安定性などのインク性能の安定性の点から、pHを6.5~10.5とすることが望ましく、アンモニア、アミノメチルプロパノール、トリエタノールアミンなどを使用することができる。また、界面活性剤としては、筆記板用水性インク組成物に汎用の各種界面活性剤を用いることができ、例えば、フッ素を含む界面活性剤(パーフルオロアルケニルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキル基付加物、パーフルオロブタンスルホン酸基付加物など高分子量の重合物を含むもの)などが挙げられる。
また、本発明の筆記板用水性インク組成物は、ホワイトボードマーカー、ブラックボードマーカーなどの非吸収面となる筆記板用として好適に使用することができる。
本発明の上記作用メカニズムについては、以下のように推察される。すなわち、上述の如く、少なくとも、顔料を含有し、トリメチルグリシン及び/又はカルニチン類から選ばれる少なくとも一つ以上の化合物が含有された筆記板用水性インク組成物の描線においては、トリメチルグリシン及び/又はカルニチン類は室温で固体であるため、適度な硬さと固着性を描線に付与する。描線内部ではトリメチルグリシン及び/又はカルニチン類の窒素原子は筆記板面上に配向しており、消去動作を受けると、圧力によって水が塗膜と筆記板面の界面に浸透して、トリメチルグリシン及び/又はカルニチン類を溶解する。その結果、描線の固着力が低下して消去が可能となる。
これによって、雨水など屋外環境にも耐えられるような従来にない固着性を発揮すると共に、これと相反する水拭きによる消去が軽い力で実現できるものとなる。
下記表1及び表2に示す配合処方で、ホモミキサーあるいはディスパーで混合分散して、各筆記板用水性インク組成物を調製した。
得られた実施例1~9及び比較例1~3の各筆記板用水性インク組成物について、下記試験方法により、水拭き消去性、固着性について評価した。
これらの結果を下記表1及び表2に示す。
<水拭き消去性>
三菱鉛筆社製PC-5Mのペン体に、各筆記板用水性インク組成物を詰め、25℃、相対湿度65%の環境下において、直径約30mmの螺旋を5つ、ブラックボード又はホワイトボード上に描き、これを50℃、相対湿度30%の環境において1日保管した後に取り出し、常温に戻した状態でキムタオル(実験用ペーパータオル、日本製紙クレシア株式会社製)に約25gの水道水を含ませ、ボードを水平に保ったまま、600gfの荷重をかけた状態で擦過した。擦過後の描線の様子を観察し、下記評価基準で評価した(n=5)。
評価基準:
A:1回の擦過で消去できた。
B:2回の擦過で消去できた
C:消去に3回以上の擦過を要した。
三菱鉛筆社製PC-5Mのペン体に、各筆記板用水性インク組成物を詰め、25℃、相対湿度65%の環境下において、直径約30mmの螺旋を5つ、ブラックボード又はホワイトボード上に描き、キムタオル(実験用ペーパータオル、日本製紙クレシア株式会社製)を用い、ボードを水平に保ったまま、400gfの荷重をかけた状態で1回擦過した。擦過後の描線の様子を観察し、下記評価基準で評価した(n=5)。
評価基準:
A:描線に変化がなかった。
B:描線のごく一部が消去された。
C:描線の1/5以上が消去された。
Claims (2)
- 少なくとも、顔料と、トリメチルグリシン及び/又はカルニチン類から選ばれる少なくとも一つ以上の化合物とを含有することを特徴とする筆記板用水性インク組成物。
- トリメチルグリシン及び/又はカルニチン類から選ばれる少なくとも一つ以上の化合物の含有量が、インク組成物全量に対して、0.5~10質量%含有されていることを特徴とする請求項1記載の筆記板用水性インク組成物。
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