JP7155407B2 - 切削インサート、切削工具及び切削加工物の製造方法 - Google Patents

切削インサート、切削工具及び切削加工物の製造方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月29日に出願された日本国特許出願2019-065771号の優先権を主張するものであり、この先の出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
本開示は、一般的には、被削材の切削加工に用いられる切削インサートに関する。切削加工としては、例えば、旋削加工及び転削加工が挙げられる。旋削加工としては、例えば、外径加工、内径加工、溝入れ加工及び突っ切り加工が挙げられる。
金属などの被削材を切削加工する際に用いられる切削インサートとして、例えば特開2017-196693号公報(特許文献1)に記載の切削インサートがある。特許文献1に記載の切削インサートは、硬質合金からなる本体と、ダイヤモンドからなる刃部とを有する。また、刃部は、チップブレーカ凹部を有する。
特許文献1に記載の切削インサートにおいては、チップブレーカ凹部におけるブレーカ壁面の上端の高さが切れ刃と同じである。そのため、切れ刃で生じた切屑が容易にブレーカ壁面を乗り越えることができる。この結果、ブレーカ壁面による切屑へのブレーキング効果が不十分となる恐れがある。
本開示の限定されない一例の切削インサートは、上面、下面、前端面、第1側面、第2側面、前切刃、第1横切刃及び第2横切刃を有する。下面は、上面の反対側に位置する。前端面は、上面及び下面の間に位置する。第1側面は、上面及び前端面と隣り合う。第2側面は、第1側面の反対側に位置して、上面及び前端面と隣り合う。前切刃は、上面及び前端面の交わりに位置する。第1横切刃は、上面及び第1側面の交わりに位置する。第2横切刃は、上面及び第2側面の交わりに位置する。
上面は、前すくい面、第1横すくい面及びブレーカ突起を有する。前すくい面は、前切刃に沿って位置し、前切刃から離れるに従って下面に近づく。第1横すくい面は、第1横切刃に沿って位置し、第1横切刃から離れるに従って下面に近づく。ブレーカ突起は、第1横すくい面よりも第1横切刃から離れて位置し、第1横すくい面に沿って延びる。第1横切刃は、前切刃から離れるにしたがって下面に近づく傾斜部を有する。
ブレーカ突起は、第1領域、第2領域及び第3領域を有する。第1側面の側から側面視した場合に、第1領域は、傾斜部よりも下面から離れて位置する。第2領域は、第1領域よりも前切刃の近くであって、傾斜部よりも下面の近くに位置する。第3領域は、第1領域よりも前切刃から離れ、傾斜部よりも下面の近くに位置する。
限定されない一例の切削インサートを示す斜視図である。 図1に示す切削インサートを上面の側から見た平面図である。 図1に示す切削インサートを前端面の側から見た平面図である。 図1に示す切削インサートを第1側面の側から見た平面図である。 図1に示す領域A1を拡大した拡大図である。 図2に示す領域A2を拡大した拡大図である。 図4に示す領域A3を拡大した拡大図である。 図6に示す旋削工具におけるVIII断面の拡大図である。 図6に示す旋削工具におけるIX断面の拡大図である。 図6に示す旋削工具におけるX断面の拡大図である。 限定されない一例の切削工具を示す斜視図である。 図11に示す領域A4を拡大した拡大図である。 限定されない一例の切削加工物の製造方法における一工程を示す概略図である。 限定されない一例の切削加工物の製造方法における一工程を示す概略図である。 限定されない一例の切削加工物の製造方法における一工程を示す概略図である。
<切削インサート>
以下、本開示の限定されない複数の実施形態の切削インサート1(以下、単にインサート1ともいう)について、図面を用いて詳細に説明する。但し、以下で参照する各図では、説明の便宜上、各実施形態を説明する上で必要な主要部材のみが簡略化して示される。したがって、インサート1は、参照する各図に示されない任意の構成部材を備え得る。また、各図中の部材の寸法は、実際の構成部材の寸法及び各部材の寸法比率等を忠実に表したものではない。
限定されない実施形態のインサート1は、いわゆる溝入れ加工に用いることが可能である。インサート1は、一つの部材によって構成されてもよく、また、図1に示す一例のように基部3及び切削部5を有してもよい。インサート1は、基部3及び切削部5を含み、全体として概ね多角板形状であってもよい。具体的には、図1に示す一例のように、四角板形状であってもよい。
基部3の材質としては、例えば、超硬合金、サーメット及びセラミックスなどが挙げられ得る。超硬合金の組成としては、例えば、WC(炭化タングステン)-Co、WC-TiC(炭化チタン)-Co及びWC-TiC-TaC(炭化タンタル)-Coが挙げられ得る。
ここで、WC、TiC及びTaCは硬質粒子であってもよく、Coは結合相であってもよい。また、サーメットは、セラミック成分に金属を複合させた焼結複合材料であってもよい。具体的には、サーメットとして、TiC又はTiN(窒化チタン)を主成分とした化合物が挙げられ得る。ただし、基部3の材質は、これらに限定されない。
切削部5の材質としては、例えば、超硬合金、PCD(ポリクリスタルダイヤモンド)及びcBN(キュービックボロンナイトライド)などが挙げられ得る。ただし、切削部5の材質は、これらに限定されない。
切削部5の材質が、例えば上記のPCD又はcBNであって基部3よりも硬度の高い材質である場合には、インサート1の全体がPCD又はcBNである場合と比較して、インサート1の製造コストを抑えつつ耐久性を高めることができる。
切削部5は、基部3に接合されてもよい。このとき、切削部5は、ロウ材のような接合部材を用いて基部3に接合されてもよい。また、切削部5は、基部3と一体的に焼成されることによって接合されてもよい。
図1に示すように、インサート1は、上面7、下面9、前端面11、第1側面13、第2側面15、前切刃17、第1横切刃19及び第2横切刃21を有してもよい。図1に示すように上面7は、多角形状であってもよい。図2に示すように上面7を平面視(上面視)した場合に、上面7は四角形状であってもよい。
ここで、多角形状とは、厳密に多角形の形状であることに限定されない。例えば、上面視した場合において、上面7における4つの角の少なくとも1つが丸みを帯びて、外側に向かってわずかに凸となる形状であってもよい。
また、上面視した場合において、4つの辺は、それぞれ厳密な直線形状に限定されない。例えば、上面視した場合において、4つの辺の少なくとも1つが、外側に向かってわずかに凸となる形状、又はわずかに凹となる形状であってもよい。
下面9は、上面7の反対側に位置する面であり、多角形状であってもよい。例えば、下面9は、上面7と同様に四角形状であってもよい。下面9は、上面7に対して平行であってもよく、また、上面7に対して傾斜してもよい。下面9は、図1に示す一例のように上面7が有する平坦面23に対して平行であってもよい。
前端面11、第1側面13及び第2側面15は、それぞれ上面7及び下面9の間に位置してもよい。前端面11は、下面9に接続されてもよく、また、下面9から離れてもよい。図1に示す一例のように、前端面11は、上面7及び下面9に接続されてもよい。
第1側面13及び第2側面15は、上面7及び前端面11と隣り合ってもよい。このとき、第2側面15は、第1側面13の反対側に位置してもよい。前端面11、第1側面13及び第2側面15は、それぞれ平らな形状であってもよく、また、曲面形状であってもよい。
上面7は、図2に示す一例のように、前端7a(図2における左側)から後端7b(図2における右側)に向かって第1中心軸O1に沿って延びた長方形状であってもよい。この場合には、上面7及び第1側面13の交わり、並びに、上面7及び第2側面15の交わりは、それぞれ上面7及び前端面11の交わりよりも長い。
インサート1の大きさは特に限定されない。例えば、上面視した場合における第1中心軸O1に沿った方向の長さは、15~40mm程度に設定できる。上面視した場合における第1中心軸O1に直交する方向の長さは、1~8mm程度に設定できる。また、第1側面13を平面視(側面視)した場合における第1中心軸O1に直交する方向の長さは、5~12mm程度に設定できる。
また、インサート1が基部3及び切削部5を有する場合において、上面視した際の第1中心軸O1に沿った方向での切削部5の長さは、0.5~8mm程度に設定できる。上面視した際の第1中心軸O1に直交する方向での切削部5の長さは、0.5~8mm程度に設定できる。また、第1側面13を側面視した際の第1中心軸O1に直交する方向での切削部5の長さは、0.2~0.8mm程度に設定できる。
切削部5は、切刃として、前切刃17、第1横切刃19及び第2横切刃21を有してもよい。前切刃17は、上面7及び前端面11の交わりに位置してもよい。このとき、前切刃17は、上面7及び前端面11の交わりの全体に位置してもよく、また、上面7及び前端面11の交わりの一部のみに位置してもよい。
第1横切刃19は、上面7及び第1側面13の交わりに位置してもよい。このとき、第1横切刃19は、上面7及び第1側面13の交わりの全体に位置してもよく、また、上面7及び第1側面13の交わりの一部のみに位置してもよい。
第2横切刃21は、上面7及び第2側面15の交わりに位置してもよい。このとき、第2横切刃21は、上面7及び第2側面15の交わりの全体に位置してもよく、また、上面7及び第2側面15の交わりの一部のみに位置してもよい。
上面7は、前すくい面25、第1横すくい面27及びブレーカ突起29を有してもよい。前すくい面25は、前切刃17に沿って位置し、前切刃17から離れるに従って下面9に近づいてもよい。前すくい面25は、前切刃17で生じた切屑(以下、便宜的に第1切屑とする。)が流れる領域であってもよい。
前切刃17が上記のように傾斜する場合には、第1切屑が前切刃17から離れる方向に進み易い。そのため、前切刃17の近くで第1切屑が詰まる恐れが小さい。上面7が前すくい面25を有する場合には、前端面11は、逃げ面として機能してもよい。
第1横すくい面27は、第1横切刃19に沿って位置し、第1横切刃19から離れるに従って下面9に近づいてもよい。第1横すくい面27は、第1横切刃19で生じた切屑(以下、便宜的に第2切屑とする。)が流れる領域であってもよい。
第1横すくい面27が上記のように傾斜する場合には、第2切屑が第1横切刃19から離れる方向に進み易い。そのため、第1横切刃19の近くで第2切屑が詰まる恐れが小さい。上面7が第1横すくい面27を有する場合には、第1側面13は、逃げ面として機能してもよい。
上面7は、第2横すくい面31をさらに有してもよい。第2横すくい面31は、第2横切刃21に沿って位置し、第2横切刃21から離れるに従って下面9に近づいてもよい。第2横すくい面31は、第2横切刃21で生じた切屑が流れる領域である。上面7が第2横すくい面31を有する場合には、第2側面15は、逃げ面として機能してもよい。
ブレーカ突起29は、第1横すくい面27よりも第1横切刃19から離れて位置してもよい。また、ブレーカ突起29は、下面9から離れる方向に突出しており、第1横すくい面27に沿って延びてもよい。ブレーカ突起29は、第2切屑を湾曲させる機能を有してもよい。第2切屑を湾曲させることで、第2切屑が長く延び過ぎることが避けられ易い。また、ブレーカ突起29は、第1切屑を湾曲させる機能を有してもよい。
ブレーカ突起29は、図1に示す一例のように傾斜面33及び上端面57を有してもよい。傾斜面33は、前すくい面25、第1横すくい面27及び第2横すくい面31に沿って位置しており、これらのすくい面から離れるにしたがって下面9から離れるように傾斜してもよい。
上端面57は、傾斜面33に沿って位置しており、下面9に平行な平坦面であってもよい。ブレーカ突起29が、平らな上端面57と、上端面57及び上記のすくい面の間に位置する傾斜面33とを有する、と言い換えてもよい。
第1横切刃19は、前切刃17から離れるにしたがって下面9に近づく傾斜部35を有してもよい。第1横切刃19が傾斜部35を有する場合には、第1横切刃19に加わる切削抵抗を小さくできる。また、第1横切刃19が傾斜部35を有する場合には、第2切屑が前切刃17から離れた方向に進み易い。そのため、第1切屑及び第2切屑が、絡まりにくく、これらの切屑の排出性が向上する。
ブレーカ突起29は、第1領域37、第2領域39及び第3領域41を有してもよい。第1側面13の側から側面視した場合に、第1領域37は、傾斜部35よりも下面9から離れて位置してもよい。第2領域39は、第1領域37よりも前切刃17の近くであって、傾斜部35よりも下面9の近くに位置してもよい。第3領域41は、第1領域37よりも前切刃17から離れ、傾斜部35よりも下面9の近くに位置してもよい。
ブレーカ突起29が第1領域37を有する場合には、第1横切刃19で生じて第1横すくい面27の上を進んだ第2切屑を、第1領域37において安定して湾曲させることができる。
また、ブレーカ突起29が第2領域39を有する場合には、前すくい面25のスペースを安定して確保できる。そのため、例えば前切刃17のみを用いて切削加工を行う場合、並びに、前切刃17及び第1横切刃19における第2領域39に沿った部分のみを用いて切削加工を行う場合のように、送り量が小さい切削加工を行う場合に、前切刃17の近くで第1切屑及び第2切屑が詰まる恐れが小さい。
また、第1切屑がブレーカ突起29の傾斜面33に安定して接触し易い。結果として、第1切屑が、ブレーカ突起29を乗り越えて長く延び過ぎることが避けられ易い。
また、ブレーカ突起29が第3領域41を有する場合には、第2切屑が第1横切刃19の近くで詰まる恐れが小さい。第1横切刃19における第1領域37及び第2領域39に沿った部分に加えて第3領域41に沿った部分を用いて切削加工を行う場合には、第2切屑の幅が大きくなり易い。
ブレーカ突起29が第3領域41を有する場合には、第1横切刃19における第3領域41に沿った部分で生じた第2切屑がブレーカ突起29を乗り越え易い。そのため、ブレーカ突起29によるブレーキング効果が強くなり過ぎることが避けられ、第2切屑の排出性が向上する。
また、第3領域41が第1領域37よりも前切刃17から離れる場合には、第1横切刃19における第1領域37に沿った部分で生じた切屑が、第1横切刃19における第3領域41に沿った部分で生じた切屑に引っ張られ易い。そのため、第2切屑が前切刃17から離れる方向に進み易い。これにより、前切刃17によって形成された被削材の仕上げ面が傷つきにくい。
第1横切刃19の傾斜部35は、第1部位43、第2部位45及び第3部位47を有してもよい。第1部位43は、第1側面13の側から側面視した場合に凹曲線形状であってもよい。第2部位45は、第1部位43よりも前切刃17の近くに位置してもよい。第3部位47は、第1部位43よりも前切刃17から離れて位置してもよい。
第2部位45及び第3部位47は、第1側面13の側から側面視した場合にそれぞれ直線形状であってもよい。このとき、下面9に対する第2部位45の傾斜角θ1が、下面9に対する第3部位47の傾斜角θ2より大きくてもよい。
傾斜部35において相対的に前切刃17の近くに位置する、すなわちインサート1の前端7aの近くに位置する第2部位45の傾斜角θ1が相対的に大きい場合には、切削加工時のびびり振動を抑制できる。
また、傾斜部35の全体の傾斜角が大きいのではなく、傾斜部35において相対的に前切刃17から離れて位置する第3部位47の傾斜角θ2が相対的に小さい場合には、下面9から第3部位47までのインサート1の厚みが厚く確保され易い。そのため、インサート1の耐久性が高い。
また、第2部位45及び第3部位47の間に凹曲線形状の第1部位43が位置する場合には、第1部位43、第2部位45及び第3部位47が滑らかに接続されるため、傾斜部35の特定の箇所に切削負荷が集中しにくい。
傾斜部35が上記の第1部位43、第2部位45及び第3部位47を有する場合において、第1領域37は、図6に示す一例のように、第3部位47よりも前切刃17の近くに位置してもよい。相対的に傾斜角θ2が小さい第3部位47において生じる切屑の厚みは、相対的に傾斜角θ1が大きい第2部位45において生じる切屑の厚みよりも厚い。
傾斜部35よりも下面9から離れて位置する第1領域37が、第3部位47よりも前切刃17の近くに位置する場合には、厚みが厚く詰まり易い、第3部位47で生じる切屑がブレーカ突起29を乗り越え易い。そのため、切屑が詰まりにくい。
また、第1領域37は、図8に示す一例のように、第1側面13の側から側面視した場合に第1部位43の上に位置してもよい。この場合には、前すくい面25のスペースをより安定して確保できる。そのため、送り量が小さい切削加工を行う場合に、前切刃17の近くで切屑が詰まる恐れがさらに小さい。
ブレーカ突起29における傾斜面33は、第1すくい面に沿って位置する第1ブレーカ壁面49を有してもよい。言い換えれば、ブレーカ突起29は、第1横すくい面27から離れるにしたがって下面9から離れる第1ブレーカ壁面49を有してもよい。
上面視した場合に、第1ブレーカ壁面49は、前切刃17から離れるにしたがって前切刃17に平行な方向における幅が狭くなる第1部分49aを有してもよい。
ここで、第1部分49aは、ブレーカ突起29における第3領域41に位置してもよい。前切刃17に平行な方向における幅が狭くなる第1部分49aが第3領域41に位置する場合には、第1横切刃19における第3領域41に沿った部分で生じた切屑がブレーカ突起29をさらに乗り越え易い。
上面7は、下面9に対して平行な底面51をさらに有してもよい。底面51は、例えば、第1横すくい面27及びブレーカ突起29の間に位置してもよい。底面51は、上面視した場合に、前切刃17から離れるにしたがって前切刃17に平行な方向における幅が広くなる第2部分51aを有してもよい。ここで、第2部分51aは、ブレーカ突起29における第3領域41に沿って位置してもよい。
前切刃17に平行な方向における幅が広くなる第2部分51aが第3領域41に沿って位置する場合には、第1横すくい面27、第2部分51a及び第3領域41によって構成されるブレーカ溝の幅が広く確保され易い。そのため、第1横切刃19における第3領域41に沿った部分で生じた切屑がブレーカ突起29をさらに乗り越え易い。
また、上面7は、第1副ブレーカ突起53及び第2副ブレーカ突起55をさらに有してもよい。上面視した場合に、第1副ブレーカ突起53は、ブレーカ突起29から前切刃17に向かって延びてもよい。
第2副ブレーカ突起55は、第1副ブレーカ突起53及び第1横切刃19の間に位置し、第1副ブレーカ突起53に沿って延びてもよい。図6に示す一例のように、第1副ブレーカ突起53及び第2副ブレーカ突起55は、上面視した場合に、第1中心軸O1よりも第1横切刃19の近くに位置してもよい。
第1副ブレーカ突起53及び第2副ブレーカ突起55の上端は、ブレーカ突起29の上端面57より低くてもよい。ここで、低いとは、下面9からの高さが低いことを意味してもよい。
上端が、ブレーカ突起29の上端面57よりも低い第1副ブレーカ突起53及び第2副ブレーカ突起55を有する場合には、前すくい面25のスペースが確保されつつ、第1切屑の流れる方向が第1副ブレーカ突起53及び第2副ブレーカ突起55によって制御され易い。
第1副ブレーカ突起53は、ブレーカ突起29から離れてもよく、また、ブレーカ突起29に接してもよい。図6に示す一例のように、第1副ブレーカ突起53がブレーカ突起29に接する場合には、前切刃17で生じて第1副ブレーカ突起53の上を流れる第1切屑が、ブレーカ突起29に向かって滑らかに流れ易い。そのため、第1切屑が第1副ブレーカ突起53及びブレーカ突起29の上を流れる際に詰まりにくい。
第2副ブレーカ突起55は、ブレーカ突起29から離れてもよく、また、ブレーカ突起29に接してもよい。図6に示す一例のように、第2副ブレーカ突起55がブレーカ突起29から離れる場合には、第2切屑が、第2副ブレーカ突起55及びブレーカ突起29に対して段階的に接触し易い。
そのため、第2切屑を第2副ブレーカ突起55及びブレーカ突起29によって安定して湾曲させることができる。これにより、第2切屑が前切刃17によって形成された被削材の仕上げ面に流れにくくなるため、仕上げ面が傷つきにくい。
第1副ブレーカ突起53は、上面視した場合に、第2副ブレーカ突起55よりも前切刃17の近くまで延びてもよい。第1副ブレーカ突起53が相対的に前切刃17の近くまで延びた場合には、第1切屑の流れる方向が第1副ブレーカ突起53によって制御され易い。
また、第2副ブレーカ突起55が相対的に前切刃17から離れた場合には、上面7における前切刃17及び第1横切刃19が交わる角の近くに、突起のないスペースが確保され易い。そのため、第1切屑及び第2切屑が詰まりにくい。
第2副ブレーカ突起55は、上面視した場合に、第1副ブレーカ突起53よりも前切刃17から離れた領域まで延びてもよい。図6に示す一例のように、第2副ブレーカ突起55がブレーカ突起29から離れる場合には、第2切屑が、第2副ブレーカ突起55及びブレーカ突起29に対して段階的に接触し易い。
第1横切刃19の傾斜部35が上記した第1部位43、第2部位45及び第3部位47を有する場合において、第1副ブレーカ突起53及び第2副ブレーカ突起55は、図6に示すように上面視した際に、第2部位45の内側に位置してもよい。すなわち、第1副ブレーカ突起53及び第2副ブレーカ突起55は、第1中心軸O1に沿った方向において、第1部位43より前切刃17の近くに位置してもよい。
第1部位43が凹曲線形状であることから、この第1部位43において生じる切屑は、第2部位45及び第3部位47において生じる切屑と比較して詰まり易い。しかしながら、第1副ブレーカ突起53及び第2副ブレーカ突起55が上記のように位置する場合には、第1横切刃19の第1部位43において生じる切屑が、詰まりにくい。
ブレーカ突起29は、図6に示すように上面視した場合に、前切刃17の二等分線の上に位置してもよい。言い換えれば、ブレーカ突起29は、図6に示すように上面視した場合に、第1中心軸O1の上に位置してもよい。この場合には、第2横すくい面31のスペースが確保され易い。そのため、第1横切刃19の代わりに第2横切刃21を用いる切削加工において、第2横切刃21で生じる切屑が長く延び過ぎることが避けられ易い。
インサート1は、図1などに示すように、第1側面13及び第2側面15において開口する貫通孔59を有してもよい。なお、図1に示す一例のように、貫通孔59は、第1側面13の中心から第2側面15の中心に向かって形成されてもよい。
貫通孔59は、インサート1をホルダに固定する際に例えばネジを挿入するために用いることが可能である。インサート1の貫通孔59にネジを挿入し、このネジの先端をホルダに形成されたネジ孔に挿入して、ネジをネジ孔に固定させることによって、インサート1をホルダ3に装着してもよい。インサート1をホルダに固定する際には、ネジの代わりに例えばクランプ部材を用いてもよい。
<切削工具>
次に、本開示の限定されない複数の実施形態の切削工具101について図面を用いて説明する。
限定されない実施形態の切削工具101は、ホルダ103及びインサート1を有してもよい。ホルダ103は、図11に示すように、第1端103a(図11における左下端)から第2端103b(図11における右上端)にかけて第2中心軸O2に沿って延びた棒形状であってもよい。また、ホルダ103は、ポケット105及びネジ孔を有してもよい。
ポケット105は、インサート1が取り付けられる部位であり、ホルダ103における第1端103aの側に位置してもよい。図12に示す一例のように、ポケット105は、ホルダ103における第1端103aを含むように位置してもよい。従って、図12に示す一例のように、ポケット105は、第1端103aにおいて開口してもよい。
ポケット105は、インサート1が当接する面として、座面109及び拘束側面111を有してもよい。拘束側面111は、座面109に対して傾斜してもよい。そのため、ポケット105における座面109及び拘束側面111を区別することが可能である。座面109は、第2中心軸O2に平行に延びてもよい。また、拘束側面111は第2中心軸O2に対して傾斜してもよい。
ネジ孔は、インサート1をホルダ103に固定するためのネジ113が取り付けられるである。ネジ孔は、ポケット105において開口してもよい。例えば、ネジ孔は、座面109において開口してもよい。
ホルダ103を構成する部材としては、例えば、鋼、鋳鉄及びアルミ合金などを用いることができる。特に、これらの部材の中で鋼が用いられた場合には、ホルダ103の靱性が高い。ホルダ103の大きさは、被削材の大きさに応じて適宜設定すればよい。
図11に示す一例のように、いわゆる旋削加工に用いられる切削工具101が示されてもよい。限定されない実施形態の切削工具101は、溝入れ加工において用いられることが可能であるが、このような加工に限定されない。例えば、切削工具101が、内径加工、外径加工及び横送り加工に用いられても何ら問題ない。
<切削加工物の製造方法>
次に、本開示の限定されない複数の実施形態にかかる切削加工物の製造方法について図面を用いて説明する。
切削加工物201は、被削材203を切削加工することによって作製されてもよい。限定されない実施形態においては、切削加工として溝入れ加工を例示する。限定されない実施形態における切削加工物201の製造方法は、以下の工程を備えてもよい。すなわち、
(1)被削材203を回転させる工程と、
(2)回転している被削材203に上記の限定されない実施形態に代表される切削工具101を接触させる工程と、
(3)切削工具101を被削材203から離す工程と、
を備えてもよい。
より具体的には、まず、図13に示すように、被削材203を軸Dの周りでD1方向に回転させてもよい。また、切削工具101をD2方向に動かすことによって、被削材203に切削工具101を相対的に近付けてもよい。次に、図14に示すように、切削工具101における第1切刃を被削材203に接触させて、被削材203を切削してもよい。
このとき、切削工具101をD3方向に動かしながら被削材203を切削することによって溝入れ加工を行うことができる。そして、図15に示すように、切削工具101をD4方向に動かすことによって、切削工具101を被削材203から相対的に遠ざけてもよい。
図13に示すように、軸Dを固定するとともに被削材203を回転させた状態で切削工具101を近付けてもよい。また、図14に示すように、回転している被削材203にインサートの前切刃を接触させることによって被削材203を切削してもよい。また、図15に示すようにおいては、被削材203を回転させた状態で切削工具101を遠ざけてもよい。
なお、限定されない実施形態の製造方法における切削加工では、切削工具101を動かすことによって、切削工具101を被削材203に接触させてもよい。また、切削工具101を動かすことによって、切削工具101を被削材203から離してもよい。しかしながら、実施形態の製造方法は、このような形態に限定されない。
例えば、(1)の工程において、被削材203を切削工具101に近付けてもよい。同様に、(3)の工程において、被削材203を旋削工具101から遠ざけてもよい。切削加工を継続する場合には、被削材を回転させた状態を保持して、被削材203の異なる箇所にインサートの切刃を接触させる工程を繰り返せばよい。
なお、被削材203の材質の代表例としては、炭素鋼、合金鋼、ステンレス、鋳鉄又は非鉄金属などが挙げられ得る。
1・・・切削インサート(インサート)
3・・・基部
5・・・切削部
7・・・上面
7a・・前端
7b・・後端
9・・・下面
11・・・前端面
13・・・第1側面
15・・・第2側面
17・・・前切刃
19・・・第1横切刃
21・・・第2横切刃
23・・・平坦面
25・・・前すくい面
27・・・第1横すくい面
29・・・ブレーカ突起
31・・・第2横すくい面
33・・・傾斜面
35・・・傾斜部
37・・・第1領域
39・・・第2領域
41・・・第3領域
43・・・第1部位
45・・・第2部位
47・・・第3部位
49・・・第1ブレーカ壁面
49a・・第1部分
51・・・底面
51a・・第2部分
53・・・第1副ブレーカ突起
55・・・第2副ブレーカ突起
57・・・上端面
59・・・貫通孔
101・・・切削工具
103・・・ホルダ
103a・・第1端
103b・・第2端
105・・・ポケット
109・・・座面
111・・・拘束側面
113・・・ネジ
201・・・切削加工物
203・・・被削材
O1・・・第1中心軸
O2・・・第2中心軸

Claims (12)

  1. 上面と、
    前記上面の反対側に位置する下面と、
    前記上面及び前記下面の間に位置する前端面と、
    前記上面及び前記前端面と隣り合う第1側面と、
    前記第1側面の反対側に位置して、前記上面及び前記前端面と隣り合う第2側面と、
    前記上面及び前記前端面の交わりに位置する前切刃と、
    前記上面及び前記第1側面の交わりに位置する第1横切刃と、
    前記上面及び前記第2側面の交わりに位置する第2横切刃と、を有し、
    前記上面は、
    前記前切刃に沿って位置し、前記前切刃から離れるに従って前記下面に近づく前すくい面と、
    前記第1横切刃に沿って位置し、前記第1横切刃から離れるに従って前記下面に近づく第1横すくい面と、
    前記第1横すくい面よりも前記第1横切刃から離れて位置し、前記第1横すくい面に沿って延びたブレーカ突起と、を有し、
    前記第1横切刃は、前記前切刃から離れるにしたがって下面に近づく傾斜部を有し、
    前記ブレーカ突起は、前記第1側面の側から側面視した場合に、
    前記傾斜部よりも前記下面から離れて位置する第1領域と、
    前記第1領域よりも前記前切刃の近くであって、前記傾斜部よりも前記下面の近くに位置する第2領域と、
    前記第1領域よりも前記前切刃から離れ、前記傾斜部よりも前記下面の近くに位置する第3領域と、を有する切削インサート。
  2. 前記傾斜部は、前記第1側面の側から側面視した場合に、
    凹曲線形状の第1部位と、
    前記第1部位よりも前記前切刃の近くに位置する直線形状の第2部位と、
    前記第1部位よりも前記前切刃から離れて位置する直線形状の第3部位と、を有し、
    前記第1領域は、前記第3部位よりも前記前切刃の近くに位置する、請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記第1側面の側から側面視した場合に、前記第1領域は、前記第1部位の上に位置する、請求項2に記載の切削インサート。
  4. 前記ブレーカ突起は、前記第1横すくい面から離れるにしたがって前記下面から離れる第1ブレーカ壁面を有し、
    上面視した場合に、前記第1ブレーカ壁面は、前記前切刃から離れるにしたがって前記前切刃に平行な方向における幅が狭くなる部分を有する、請求項1~3のいずれか1つに記載の切削インサート。
  5. 前記上面は、前記第1横すくい面及び前記ブレーカ突起の間に位置し、前記下面に対して平行な底面をさらに有し、
    上面視した場合に、前記底面は、前記前切刃から離れるにしたがって前記前切刃に平行な方向における幅が広くなる部分を有する、請求項1~4のいずれか1つに記載の切削インサート。
  6. 前記上面は、上面視した場合に、
    前記ブレーカ突起から前記前切刃に向かって延びた第1副ブレーカ突起と、
    前記第1副ブレーカ突起及び前記第1横切刃の間に位置しており、前記第1副ブレーカ突起に沿って延びた第2副ブレーカ突起と、をさらに有し、
    前記第2副ブレーカ突起は、前記ブレーカ突起から離れる、請求項1~5のいずれか1つに記載の切削インサート。
  7. 前記第1副ブレーカ突起は、上面視した場合に、前記第2副ブレーカ突起よりも前記前切刃の近くまで延びた、請求項6に記載の切削インサート。
  8. 前記第2副ブレーカ突起は、上面視した場合に、前記第1副ブレーカ突起よりも前記前切刃から離れた領域まで延びた、請求項6又は7に記載の切削インサート。
  9. 前記傾斜部は、前記第1側面の側から側面視した場合に、
    凹曲線形状の第1部位と、
    前記第1部位よりも前記前切刃の近くに位置する直線形状の第2部位と、
    前記第1部位よりも前記前切刃から離れて位置する直線形状の第3部位と、を有し、
    前記第1副ブレーカ突起及び前記第2副ブレーカ突起は、上面視した場合に、前記第2部位の内側に位置する、請求項6~8のいずれか1つに記載の切削インサート。
  10. 上面視した場合に、前記ブレーカ突起は、前記前切刃の二等分線の上に位置する、請求項1~9のいずれか1つに記載の切削インサート。
  11. 第1端から第2端にかけて中心軸に沿って延びた棒形状であって、前記第1端の側に位置するポケットを有するホルダと、
    前記ポケット内に位置する、請求項1~10のいずれか1つに記載の切削インサートと、を有する切削工具。
  12. 被削材を回転させる工程と、
    回転している前記被削材に請求項11に記載の切削工具を接触させる工程と、
    前記切削工具を前記被削材から離す工程と、を備えた切削加工物の製造方法。
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