JP7164560B2 - 圧着端子の外観検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電線の先端部に圧着された圧着端子をカメラで撮影して外観を検査する圧着端子の外観検査装置に関する。
この種の外観検査装置が特許文献1等において知られている。特許文献1に記載の外観検査装置は、画像上の端子(スズメッキ端子)と電線芯線(銅線)の色の違いを利用して圧着端子の状態を検査していた。
特開2017-26449号公報
しかし、色の違いを利用するのみでは、圧着端子の状態を検査することが難しい場合があった。例えば、銅電線ではなくアルミ電線に対してスズメッキ端子を圧着した場合には、画像上、端子の色と電線の芯線の色との区別が難しく、検査できなかった。また、端子上の変形箇所(例えば、後述するベルマウス)に関しても、通常の加締部(平らな部分)とベルマウス(傾斜した部分)との色の差や明るさの差も小さいことから、正確な検査が難しかった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、端子と芯線が同系色(例えば、スズメッキ端子とアルミ芯線の組み合わせ)である場合にも、電線加締部からの芯線の出寸法やベルマウスの寸法の良否を評価することのできる圧着端子の外観検査装置を提供することにある。
前述した目的を達成するために、本発明に係る圧着端子の外観検査装置は、下記(1)~()を特徴としている。
(1) 電線の先端部に圧着された圧着端子をカメラで撮影して外観を検査する圧着端子の外観検査装置であって、
撮影空間の定位置に設定された端子セット部と、
前記端子セット部に配置される圧着端子の電線加締部を上方から撮影するカメラと、
前記カメラの撮影したデジタル画像を処理する画像処理部と、
を備え、
前記画像処理部は、前記デジタル画像に対し空間フィルタリング処理することで該画像中のエッジを抽出した抽出画像を生成し、該抽出画像から前記電線加締部とその周辺の複数の特徴点の位置割り出し、割り出した結果に基づいて前記圧着端子を評価し、
前記画像処理部は、
記電線加締め部における加締め治具で挟み込まれて平らとなった部分の前後両端に形成される前記加締め治具で挟み込まれずに斜めに開いた部分、であるベルマウスの根元の位置に対応するエッジと、前記ベルマウスの先端の位置に対応するエッジとの間の距離を検出することで、前記ベルマウスの長さを推定する
ことを特徴とする圧着端子の外観検査装置。
(2) 前記画像処理部は、前記抽出画像に対しパターンマッチング処理することで、特定のエッジパターンに対応する特徴点の位置を割り出し、その特徴点の位置に基づいて前記圧着端子を評価する、
ことを特徴とする上記(1)に記載の圧着端子の外観検査装置。
(3) 前記カメラの撮影対象空間に向けて一定の指向性を有した照明光を当てる照明手段を備える、
ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の圧着端子の外観検査装置。
(4) 前記画像処理部は、前記デジタル画像に対し空間フィルタリング処理することで、前記電線加締部における電線の芯線の長さ方向に垂直な方向のエッジと前記芯線の長さ方向に平行な方向のエッジとの少なくともいずれか一方のエッジを抽出した抽出画像を生成し、生成した前記抽出画像に基づいて前記圧着端子を評価する、
ことを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載の圧着端子の外観検査装置。
上記(1)の構成の圧着端子の外観検査装置によれば、カメラで撮影したデジタル画像に対し空間フィルタリング処理を行うことで、画像中のエッジ(画素の明るさや色などの急激な変化)を際立たせることができる。そして、エッジの画像から電線加締部とその周辺の複数の特徴点の位置を割り出すことができ、複数の特徴点間の距離に基づいて圧着端子の外観形状を評価することができる。
例えば、圧着端子の電線加締部の前端の位置やその前端から突出した電線の芯線の前端の位置は、デジタル画像中のエッジとして空間フィルタリング処理により特徴的に抽出することができる。そのため、圧着端子の電線加締部の前端の位置に対応するエッジと、電線の芯線の前端の位置に対応するエッジとの間の距離を検出することにより、圧着端子の電線加締部からの芯線の出寸法を推定することができ、その芯線の出寸法が適正範囲にあるかどうかを評価することができる。
また、圧着端子を電線の芯線に加締める場合、アンビルとクリンパで直接電線加締部を挟み込んで変形させるのが一般的である。その際、電線加締部の、アンビルとクリンパで直接挟み込まれて平らになった部分の前後両端(芯線の長さ方向における両端)に、「ベルマウス」と呼ばれる、アンビルとクリンパで直接挟み込まれずに斜めに開いた部分が形成される。このベルマウスが適切に形成されているかどうかも、圧着端子の外観検査における重要な検査項目である。このベルマウスの根元の位置と先端(電線加締部の前端に相当)の位置も、前者が形状変化位置であったり後者が外縁輪郭部であったりするため、画像中のエッジとして空間フィルタリング処理により特徴的に抽出される。そのため、ベルマウスの根元の位置に対応するエッジとベルマウスの先端の位置に対応するエッジとの間の距離を検出することにより、ベルマウスの長さを推定することができ、ベルマウスの有無は勿論、ベルマウスの長さが適正寸法範囲内に形成されているかどうかを評価することができる。また、ベルマウスの長さを含めて、圧着端子の電線加締めによる実際の拘束位置(ベルマウスの根元付近)からの芯線の精細な出寸法を評価することができる。
また、エッジの画像から特定の評価領域におけるエッジの占有面積を割り出すことにより、例えば、電線加締部から突出した電線の芯線の量、即ち、芯線の出寸法を推定することができ、芯線の出寸法が適正範囲にあるかどうかを評価することができる。つまり、芯線を構成する1本1本の細線(例えば、芯線が複数本の細線による撚線の場合など)は個別の輪郭を持つので、空間フィルタリング処理により、1本1本の細線をエッジとして抽出することができる。したがって、圧着端子の電線加締部から突出している芯線の長さ(芯線に相当する画像部分の長さ)が大きくなれば、エッジとして抽出される部分の背景画面に対する占有面積が大きくなる。そこで、エッジの占有面積の大きさにより、芯線の出寸法を推定することができ、それにより、芯線の出寸法が適正範囲にあるかどうかを評価することができる。
上記のように、カメラの画像上で色の変化が少ない場合(例えば、スズメッキ端子とアルミ電線のアルミ芯線との関係のように同系色の場合)や、高さ方向に傾斜しているだけでカメラの画像上で明るさの変化の少ない領域(例えば、ベルマウスの部分)など、従来では画像により判別・評価が難しかった場合や領域であっても、空間フィルタリング処理によるエッジの抽出画像に基づいて的確に判別・評価することが可能になる。
上記(2)の構成の圧着端子の外観検査装置によれば、パターンマッチング処理を利用することにより、容易にエッジ画像中の特徴点の位置を割り出すことができる。
上記(3)の構成の圧着端子の外観検査装置によれば、一般的な拡散光の照明を当てるのではなく、指向性を高めた照明光を撮影対象部分に当てることにより、ベルマウスのような傾斜のある部分を意図的に暗く写し出したりすることができる。そのため、明暗を際立たせることで、エッジを一層はっきりと際立たせることができるようになる。
上記(4)の構成の圧着端子の外観検査装置によれば、電線加締部における芯線の長さ方向に垂直な方向のエッジと芯線の長さ方向に平行な方向のエッジとの少なくともいずれか一方を抽出することにより、電線加締部とその周辺の複数の特徴点の位置および特定の評価領域におけるエッジの占有面積の割り出しを有利に行うことができる。例えば、空間フィルタとしてソベルフィルタ(Sobel filter)を用いる場合、垂直方向(画像の上下方向=縦方向)のフィルタリングと水平方向(画像の水平方向=横方向)のフィルタリングを選択的に行うことができる。
芯線の長さ方向に垂直な方向を垂直方向とし、芯線の長さ方向に沿う方向を水平方向として、カメラの撮影したデジタル画像を取り込んだ場合、垂直方向のフィルタリングを行うことによって、垂直方向のエッジ(縦線)のみを抽出することができる。例えば、ベルマウスの根元の括れや先端の輪郭線は、芯線の長さ方向に垂直な方向に延在するので、垂直用のフィルタで検出することができる。また、水平方向のフィルタリングを行うことによって、水平方向のエッジ(横線)のみを抽出することができる。例えば、芯線を構成する1本1本の細線は水平方向に延在しているので、芯線の領域は水平用のフィルタで検出することができる。このように、ベルマウス領域や芯線領域など、領域ごとにそれぞれ最適なフィルタを使用することで、求めたいエッジの画像を正確に得ることができ、画像処理の的確化と迅速化に貢献することができる。
本発明によれば、カメラの画像上において色や明るさの変化が少ない場合でも、空間フィルタリング処理によるエッジの抽出画像に基づいて的確に判別・評価することが可能になる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係る圧着端子の外観検査装置の構成図で、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図である。 図2は、本発明の実施形態に係る外観検査装置の正面図である。 図3は、本発明の実施形態に係る外観検査装置のデータ処理部の概略構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施形態に係る外観検査装置による検査対象部位の説明図で、図4(a)は圧着端子の電線加締部の周辺部位の平面図、図4(b)は同部位の側面図である。 図5は、電線加締部の周辺部位を撮影した画像データおよびエッジ抽出画像の説明図で、図5(a)はカメラで撮影したデジタル画像、図5(b)および図5(c)は、図5(a)に示した元画像をソベルフィルタで処理したエッジ抽出画像であり、図5(b)は垂直方向のフィルタで処理したエッジ抽出画像、図5(c)は水平方向のフィルタで処理したエッジ抽出画像を示す図である。 図6は、撮影対象部位に対する照明光の違いによる反射光の違いを説明するための図で、図6(a)は一般的な拡散光で照明した場合のベルマウスからの光の反射方向を示す図、図6(b)は高指向性の平行光で照明した場合のベルマウスからの光の反射方向を示す図である。
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る外観検査装置の構成図で、図1(a)は平面図、図1(b)は側面図、図2は正面図である。
図1、図2に示すように、本実施形態の外観検査装置は、電線Wの先端に圧着された圧着端子Tを照明光を当てながらカメラで撮影して外観を検査するものである。
カメラによる撮影空間の定位置には端子セット部1が設定されている。図1においては、端子セット部1に圧着端子Tが配置されている。この端子セット部1は、カメラによる撮影空間の中央に設定されている。
この端子セット部1には、前方に圧着端子Tの前端を向け、上方に圧着端子Tの電線加締部の上面を向け、後方に圧着端子Tが接続された電線Wの延在方向を向け、左右側方に圧着端子Tの左右側面を向けた姿勢で、圧着端子Tが挿入セットされるようになっている。電線Wの先端に圧着接続(加締め接続)された圧着端子Tは、例えば、電線Wの延在方向と垂直な水平方向(左右方向)から、あるいは、電線Wの延在方向と平行な後方から前方に向かって、端子セット部1に挿入セットされる。端子セット部1は、支持部材(不図示)によって圧着端子Tおよび電線Wの少なくとも一方を支持している。
この外観検査装置には、端子セット部1に配置される圧着端子Tに対して一定方向から照明光を当てる照明手段として、上部照明手段3が設けられている。上部照明手段3は、端子セット部1に配置される圧着端子Tの上方に位置している。上部照明手段3には、多数のLEDを配置した平面光源の出光面にプリズムシートを張り付けて、高指向性の平行光を照明光として出射するものが用いられている。この上部照明手段3は、圧着端子Tに対し上方から高指向性の平行光を当てる。
また、この外観検査装置には、端子セット部1に配置される圧着端子Tを一定方向から撮影するカメラとして、上方カメラ2と、正面カメラ(図示略)との2台のカメラが固定的に設けられている。上方カメラ2は、端子セット部1(圧着端子T)の真上に配置されており、端子セット部1に配置された圧着端子Tの上面像を真上から撮影する。また、正面カメラは、端子セット部1(圧着端子T)の正面に配置されており、端子セット部に配置された圧着端子Tを正面から撮影する。この正面カメラは、挿入された圧着端子Tの傾きを見るためのものである。
また、この外観検査装置は、上方から圧着端子Tの状態を撮影する上方カメラ2のデジタル画像を処理する画像処理部10を備えている。この画像処理部10は、カメラの撮影したデジタル画像に対し空間フィルタリング処理することで該画像中のエッジを抽出した画像を生成し、該エッジの画像から電線加締部とその周辺の複数の特徴点の位置および特定の評価領域におけるエッジの占有面積の少なくとも一方を割り出し、割り出した結果に基づいて圧着端子を評価する機能を備えている。
以下、画像処理部の機能について説明する。
図3は、外観検査装置のデータ処理部の概略構成を示すブロック図である。
画像処理部10は、上方カメラ2の撮影したデジタル画像をソフトウエア処理して、電線加締部やその周辺の形状の良否判定のための評価を行うようになっている。
図3に示すように、この画像処理部10は、概略的に述べると、画像データの取込部11と、取り込んだ画像中のエッジを抽出するエッジ抽出部12と、エッジ間の長さを検出するエッジ間長さ検出部13と、エッジ間の長さに基づいて芯線の出寸法を算出する芯線出寸法算出部14と、エッジ間の長さに基づいてベルマウスの寸法を算出するベルマウス寸法算出部15と、を有している。また、画像処理部10は、エッジ相当部である白面積検出部17を設けていてもよい。この場合、芯線出寸法算出部14やベルマウス寸法算出部15は、白面積検出部17の検出結果に基づいて芯線の出寸法やベルマウスの寸法を算出する機能を持つようにする。
図4は、外観検査装置による検査対象部位の説明図で、図4(a)は圧着端子の電線加締部の周辺部位の平面図、図4(b)は同部位の側面図である。
図4(a)、(b)に示すように、圧着端子Tは、電線Wの先端部に加締められている。電線Wの先端部では、被覆Wbが除去されて芯線Waが所定長さ露出しており、その露出した芯線Waに圧着端子Tの電線加締部(芯線加締部)TAが加締め接続(圧着接続)されている。加締め接続には、クランパ100とアンビル101が用いられ、クランパ100とアンビル101に挟み込まれる箇所は平らに変形させられ、クランパ100とアンビル101に挟み込まれない箇所(電線加締部の前後両端)には、斜めに開いたベルマウスTBが形成される。
圧着端子Tの圧着形状評価(圧着品質評価)には、電線加締部TAの前端TAaからの芯線Waの出寸法SAや前端側のベルマウスTBの長さSBが重要であり、画像処理部10は、それらの寸法評価のためのデータ処理を行う。
図5は、電線加締部の周辺部位を撮影した画像データおよびエッジ抽出画像の説明図で、図5(a)はカメラで撮影したデジタル画像、図5(b)および図5(c)は、図5(a)に示した元画像をソベルフィルタで処理したエッジ抽出画像であり、図5(b)は垂直方向のフィルタで処理したエッジ抽出画像、図5(c)は水平方向のフィルタで処理したエッジ抽出画像を示す図である。
画像処理において、画像上のエッジとは、画像の色や明るさの変化が急である事象を指す。画像の色や明るさの急な変化は、次のような事象と一致する可能性が高い。
・深さが不連続である。
・面の向きが不連続である。
・材質が変化している。
圧着端子Tの電線加締部TAの前端と芯線Waとの境界や、芯線Waの輪郭や、ベルマウスTBの根元や先端の画像上の変化は、上記の事象に合致するので、画像上のエッジとして認識できる。そこで、画像処理部10では、カメラの撮影したデジタル画像を空間フィルタリングしてエッジを抽出しエッジの画像を生成する。空間フィルタリングによりエッジを抽出することで、画像中のエッジを際立たせることができる。勿論、エッジの画像は、ディスプレイ上に具体的に表示しなくてもよく、仮想空間上に存在しているだけでよい。
ここでは、エッジ抽出のための空間フィルタとして、ソベルフィルタを利用する場合を説明するが、それ以外のフィルタを利用することも可能である。ソベルフィルタは、垂直方向(画像の上下方向=縦方向)のフィルタリング(縦線検出)と水平方向(画像の水平方向=横方向)のフィルタリング(横線検出)の2つのフィルタ機能を持つ。どちらか一方だけのフィルタ機能を利用してもよいし、両方のフィルタ機能を利用してもよい。
画像処理部10は、まず、芯線Waの長さ方向に垂直な方向を垂直方向とし、芯線Waの長さ方向に沿う方向を水平方向として、カメラの撮影したデジタル画像を取り込む。図5(a)は取り込んだ画像である。この画像に対し、垂直方向のフィルタリングを行うことによって、図5(b)に示すように、垂直方向のエッジ(縦線)のみを抽出することができる。例えば、ベルマウスTBの根元の括れや先端の輪郭線は、芯線Waの長さ方向に垂直な方向に延在するので、垂直用のフィルタで検出することができる。同様に、芯線Waの先端も、垂直用のフィルタで検出することができる。
また、水平方向のフィルタリングを行うことによって、図5(c)に示すように、水平方向のエッジ(横線)のみを抽出することができる。例えば、芯線Waを構成する1本1本の細線は水平方向に延在しているので、芯線Waの領域は水平用のフィルタで検出することができる。
このように、ベルマウス領域や芯線領域など、領域ごとにそれぞれ最適なフィルタを使用することで、求めたいエッジの画像を正確に得ることができる。そして、エッジの画像から電線加締部TAとその周辺の複数の特徴点の位置を割り出すことができる。
特徴点の位置の割り出しにはパターンマッチングを利用する。即ち、画像処理部10は、エッジの画像に対しパターンマッチング処理することで、特定のエッジパターンに対応する特徴点の位置を割り出す。
例えば、図5(b)に示すように、枠20で示す仮想のパターンを移動させていき、枠内における白い領域の割合が所定値を超えたら、その位置にエッジがあると判定する。予め、モデルパターンデータで、ベルマウスTBの大まかな位置はわかっているので、その近傍から枠20の移動を開始する。枠20を移動させていき、ベルマウスTBの想定領域で最初に所定値を超えた位置をベルマウスTBのエッジと判定する。左側のエッジ(根元)と右側のエッジ(先端)の間隔がベルマウスの長さSBとなる。ベルマウスBが規定値より長すぎたり短すぎたり、また、位置が規定範囲外にある、あるいは、ベルマウスTBが形成されていないと見なした場合は、形状不良と評価する。このようにパターンマッチング処理を利用することにより、容易にエッジ画像中の特徴点の位置を割り出すことができる。
また、電線加締部TAの前端TAaの位置やその前端から突出した芯線Waの前端の位置も、デジタル画像中のエッジとして特徴的に抽出されるので、電線加締部TAの前端TAaの位置に対応するエッジと、芯線Waの前端の位置に対応するエッジとの間の距離を検出することにより、電線加締部TAからの芯線Waの出寸法SAを検出することができる。また、ベルマウスTBの長さを含めて、圧着端子の電線加締めによる実際の拘束位置(ベルマウスの根元付近)からの芯線の精細な出寸法も評価することができる。
このように、エッジの抽出により、特徴点の検出が容易にできるようになるので、複数の特徴点間の距離に基づいて圧着端子の外観形状を的確に評価することができる。
また、エッジ間の距離の他に、抽出したエッジの面積により、圧着端子の状態を評価することもできる。即ち、エッジの画像から特定の評価領域におけるエッジの占有面積を割り出すことによって、例えば、電線加締部TAから突出した芯線Waの量、即ち、芯線Waの出寸法を推定することができ、芯線の出寸法が適正範囲にあるかどうかを評価することができる。
つまり、芯線Waを構成する1本1本の細線(例えば、芯線が複数本の細線による撚線の場合など)は個別の輪郭を持つので、水平方向のソベルフィルタにより、図5(b)に示すように、1本1本の細線をエッジとして抽出することができる。したがって、圧着端子の電線加締部から突出している芯線Waの長さ(芯線に相当する画像部分の長さ)が大きくなれば、エッジとして抽出される部分の背景画面に対する占有面積が大きくなる。例えば、水平方向のソベルフィルタによりエッジを抽出し、芯線Waのエッジを黒背景に白点あるいは白線で表示する場合、評価領域22内における黒面積に対する白面積の割合や量で芯線領域の大きさを評価することができる。つまり、芯線領域については、芯線Waの存在を表すエッジの合計面積が所定値以上であるか否かを判定することによって、芯線Waの電線加締部TAからのはみ出し量(出寸法)を評価することが可能となる。また、所定値未満の場合は、芯線Waが存在すべき場所に必要量の芯線が無い状態、つまり、芯線Waの出寸法SAが足りないと評価することができる。
また、ベルマウスTBについては、次のように評価することができる。
例えば、カメラの撮影対象空間に向けて一定の指向性を有した照明光を当てる。そうした場合、ベルマウスTBの部分だけを黒く(暗く)写すことができる。
図6は、撮影対象部位(主にベルマウス)に対する照明光の違いによる反射光の違いを説明するための図で、図6(a)は一般的な拡散光で照明した場合のベルマウスからの光の反射方向を示す図、図6(b)は高指向性の平行光で照明した場合のベルマウスからの光の反射方向を示す図である。これらの図では、入射光の方向をN、反射光の方向をFの矢印で簡略に示す。
図6(a)に示すように、拡散照明では多方向から光が当たるため、斜面(ベルマウスTB)でも他の部分と同じく明るくなりやすい。しかし、図6(b)に示すように、指向性照明では、ベルマウスTBは光が横に反射するために暗くなる。
このように、一般的な拡散光の照明を当てるのではなく、指向性を高めた照明光を撮影対象部分に当てることにより、ベルマウスTBのような傾斜のある部分を意図的に暗く写し出したりすることができる。そのため、明暗を際立たせることで、エッジを一層はっきりと際立たせることができるようになり、その後の画像処理の迅速化に貢献できる。
以上の説明のように、実施形態の外観検査装置は、カメラで撮影したデジタル画像に対して空間フィルタリングによりエッジ抽出を行った上で圧着端子の評価を行う。したがって、カメラの画像上で色の変化が少ない場合(例えば、スズメッキ端子とアルミ電線のアルミ芯線との関係のように同系色の場合)や、高さ方向に傾斜しているだけでカメラの画像上で明るさの変化の少ない領域(例えば、ベルマウスの部分)など、従来では画像により判別・評価が難しかった場合や領域であっても、空間フィルタリング処理によるエッジの抽出画像に基づいて的確に判別・評価することが可能になる。
ここで、上述した本発明の実施形態に係る圧着端子の外観検査装置の特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 電線(W)の先端部に圧着された圧着端子(T)をカメラ(2)で撮影して外観を検査する圧着端子の外観検査装置であって、
撮影空間の定位置に設定された端子セット部(1)と、
前記端子セット部(1)に配置される圧着端子の電線加締部(TA)を上方から撮影するカメラ(2)と、
前記カメラ(2)の撮影したデジタル画像を処理する画像処理部(10)と、
を備え、
前記画像処理部(10)は、前記デジタル画像に対し空間フィルタリング処理することで該画像中のエッジを抽出した抽出画像を生成し、該抽出画像から前記電線加締部とその周辺の複数の特徴点の位置および特定の評価領域におけるエッジの占有面積の少なくとも一方を割り出し、割り出した結果に基づいて前記圧着端子を評価する、
ことを特徴とする圧着端子の外観検査装置。
[2] 前記画像処理部(10)は、前記抽出画像に対しパターンマッチング処理することで、特定のエッジパターンに対応する特徴点の位置を割り出し、その特徴点の位置に基づいて前記圧着端子を評価する、
ことを特徴とする上記[1]に記載の圧着端子の外観検査装置。
[3] 前記カメラの撮影対象空間に向けて一定の指向性を有した照明光を当てる照明手段(3)を備える、
ことを特徴とする上記[1]または[2]に記載の圧着端子の外観検査装置。
[4] 前記画像処理部(10)は、前記デジタル画像に対し空間フィルタリング処理することで、前記電線加締部における電線の芯線の長さ方向に垂直な方向のエッジと前記芯線の長さ方向に平行な方向のエッジとの少なくともいずれか一方のエッジを抽出した抽出画像を生成し、生成した前記抽出画像に基づいて前記圧着端子を評価する、
ことを特徴とする上記[1]~[3]のいずれかに記載の圧着端子の外観検査装置。
[5] 前記抽出画像の中の特定の領域におけるエッジの占有面積を算出し、その結果に基づいて前記圧着端子を評価する、
ことを特徴とする上記[4]に記載の圧着端子の外観検査装置。
1 端子セット部
2 上方カメラ
10 画像処理部
T 圧着端子
TA 電線加締部
TB ベルマウス
W 電線
Wa 芯線

Claims (4)

  1. 電線の先端部に圧着された圧着端子をカメラで撮影して外観を検査する圧着端子の外観検査装置であって、
    撮影空間の定位置に設定された端子セット部と、
    前記端子セット部に配置される圧着端子の電線加締部を上方から撮影するカメラと、
    前記カメラの撮影したデジタル画像を処理する画像処理部と、
    を備え、
    前記画像処理部は、前記デジタル画像に対し空間フィルタリング処理することで該画像中のエッジを抽出した抽出画像を生成し、該抽出画像から前記電線加締部とその周辺の複数の特徴点の位置割り出し、割り出した結果に基づいて前記圧着端子を評価し、
    前記画像処理部は、
    記電線加締め部における加締め治具で挟み込まれて平らとなった部分の前後両端に形成される前記加締め治具で挟み込まれずに斜めに開いた部分、であるベルマウスの根元の位置に対応するエッジと、前記ベルマウスの先端の位置に対応するエッジとの間の距離を検出することで、前記ベルマウスの長さを推定する
    ことを特徴とする圧着端子の外観検査装置。
  2. 前記画像処理部は、前記抽出画像に対しパターンマッチング処理することで、特定のエッジパターンに対応する特徴点の位置を割り出し、その特徴点の位置に基づいて前記圧着端子を評価する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧着端子の外観検査装置。
  3. 前記カメラの撮影対象空間に向けて一定の指向性を有した照明光を当てる照明手段を備える、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の圧着端子の外観検査装置。
  4. 前記画像処理部は、前記デジタル画像に対し空間フィルタリング処理することで、前記電線加締部における電線の芯線の長さ方向に垂直な方向のエッジと前記芯線の長さ方向に平行な方向のエッジとの少なくともいずれか一方のエッジを抽出した抽出画像を生成し、生成した前記抽出画像に基づいて前記圧着端子を評価する、
    ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の圧着端子の外観検査装置。
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