JP7198723B2 - フレーク状無水フタル酸の袋詰め方法 - Google Patents

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Description

この発明は、フレーク状無水フタル酸の製造方法で、ドラムフレーカーを使用して得られたフレーク状無水フタル酸を袋詰めする方法に関する。
従来のフレーク状無水フタル酸の製造方法に関しては、特許文献1に記載された方法が挙げられる。先ず、ナフタレンを酸化して粗無水フタル酸を得、得られた粗無水フタル酸を蒸留してタンクに入れる。次に、タンク内の溶融状態にある無水フタル酸をポンプ等でドラムフレーカーへ移送する。ドラムフレーカーでは、ドラム表面に溶融無水フタル酸を付着させ、ドラム内部に冷却水を通して熱交換させながら、無水フタル酸の融点以下まで冷却して固化させる。固化された無水フタル酸は、刃で削り落とされてフレーク状とされて、計量器のホッパーを経て袋詰めされる。
つまり、上述のフレーク状無水フタル酸の製造方法では、固化された直後のフレーク状無水フタル酸が袋詰めされて出荷されている。袋詰めに使用される袋として、従来は紙袋を使用していたが、近年はフレキシブルコンテナバック(以下、「フレコンバック」とも称する。)を使用することが主流となっている。フレキシブルコンテナバックは、ポリプロピレンやポリエチレン等の柔らかい素材で作られた袋で、袋の上部に吊りベルトが取り付けられているとともに、上部に設けた投入口と底部に設けた排出口を備えている。
紙袋を使用する場合は、出荷先で紙袋を破ってフレーク状無水フタル酸を出すが、フレコンバックを使用する場合は、底部の排出口を開けてフレーク状無水フタル酸を出す。そのため、フレーク状無水フタル酸が袋内で大きな凝集体を形成していると、フレコンバックの場合は、排出口が塞がれてフレーク状無水フタル酸をスムーズに出せなくなる問題が生じる。
特許文献1には、ドラムフレーカーでの溶融無水フタル酸の冷却温度は「無水フタル酸の融点以下まで」と記載されているだけで、フレーク状無水フタル酸の袋詰め時の温度に関する記載はない。
特許文献2にもフレーク状無水フタル酸の製造方法が記載されている。この方法では、タンク内の溶融状態にある無水フタル酸をスチールコンベアの下段部の上面に落下させて薄膜状に拡げ、上段部で挟んだ状態で噴霧ノズルからの冷却水で冷却し、凝固させた後に、掻取刃で掻き取られてホッパーに貯蔵される。ホッパーに貯蔵される凝固物として、温度70℃の薄片が例示されている。
特許文献3にもフレーク状無水フタル酸の製造方法が記載されており、フレーク状無水フタル酸を60℃になるまで冷却する旨の記載がある。
特許文献4にもフレーク状無水フタル酸の製造方法が記載されているが、この方法は、最終製品を楕円体粒子、非晶質粒子、および針状結晶粒子の混合物とするための方法であり、フレーク状無水フタル酸の袋詰め時の温度に関する記載はない。
特開2002-308865号公報 特開昭64-34977号公報 米国特許第2064468号明細書 特開昭62-42980号公報
この発明の課題は、袋詰めされたフレーク状無水フタル酸を袋底部の排出口からスムーズに出せなくなることが防止できる方法を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明の一態様は、ドラムフレーカーを使用して、溶融状態の無水フタル酸を冷却、固化し、固化された無水フタル酸を切断して得られたフレーク状無水フタル酸を、50℃以下の温度で、底部に排出口を有する袋に充填するフレーク状無水フタル酸の袋詰め方法を提供する。
この発明の一態様の方法によれば、袋詰めされたフレーク状無水フタル酸を袋底部の排出口からスムーズに出せなくなることが防止できる。
フレーク状無水フタル酸の袋詰め方法を説明する図であって、実施例および比較例の方法で使用した設備を示す概略図である。
〔知見〕
本発明者らが、フレーク状無水フタル酸がフレコンバック内で凝集する原因の究明に鋭意努力した結果、その原因が無水フタル酸の昇華性に由来することが分かった。フレコンバック内でフレーク状無水フタル酸の表面の一部が昇華し、昇華したものが再度固化すると、この再固化物がバインダーとなってフレーク状無水フタル酸同士が凝集しやすい状態となる。その昇華速度は温度に依存し、50℃以上になると、急激に昇華し易くなることが分かった。この知見に基づき、本発明者らはこの発明を見出した。
〔実施形態〕
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。また、以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
この実施形態の方法は、ドラムフレーカーを使用して、溶融状態の無水フタル酸を冷却、固化し、固化された無水フタル酸を切断して得られたフレーク状無水フタル酸を、フレコンバック(底部に排出口を有する袋)に充填するフレーク状無水フタル酸の袋詰め方法であって、フレコンバックに充填されるフレーク状無水フタル酸の温度を50℃以下に制御する。この温度制御のために、ドラムフレーカーで使用する冷却水の温度を例えば25℃以下に調節して、切断直後のフレーク状無水フタル酸の温度が常時50℃以下になるようにする。
これにより、フレコンバック内でフレーク状無水フタル酸の表面が昇華しにくくなるため、フレーク状無水フタル酸同士を凝集させるバインダーが生じにくい状態となる。その結果、フレコンバック内に大きな凝集体が形成されにくくなるため、出荷先でフレコンバックからフレーク状無水フタル酸を出す際に、排出口が塞がれてスムーズに出せなくなることを防止できる。
無水フタル酸の凝固点は131℃であり、131℃以下の温度であれば溶融状態の無水フタル酸は固化するためフレーク状にすることができるが、フレコンバックに充填されたフレーク状無水フタル酸の温度が60℃以上であると、フレコンバック内でフレーク状無水フタル酸が大きな凝集体を形成し易い。この大きな凝集体で排出口が塞がれると、出荷先で底部の排出口を開けただけでは、フレーク状無水フタル酸はフレコンバックから出て来ない。つまり、フレコンバックの排出口からフレーク状無水フタル酸がスムーズに出せなくなる。特に、夏場の外気温度が高い時には、フレコンバック内のフレーク状無水フタル酸の温度は60℃以上になり易い。
これに対して、この実施形態の方法では、上述のように、フレコンバックに充填されるフレーク状無水フタル酸の温度を50℃以下に制御することで、出荷先でフレコンバックからフレーク状無水フタル酸を出す際に、排出口が塞がれてスムーズに出せなくなることを防止できる。
以下、この発明の実施例および比較例について説明する。
図1に示す設備は、溶融状態の無水フタル酸からフレーク状無水フタル酸を得て、得られたフレーク状無水フタル酸を袋詰めするためのものであって、溶融状態の無水フタル酸が入ったタンク1、ドラムフレーカー2、タンク1からドラムフレーカー2へ向かう配管3、および計量器4を備えている。
ドラムフレーカー2は、容器21と、ドラム22と、削り落とし刃23と、フレーク排出路24と、赤外線温度計25を有する。ドラム22の内部には、冷却水導入管26の下流端部分と冷却水排出管27の上流端部分が配置されている。ドラム22の内部には、図示されないドラム冷却用の散水ノズルが設置され、この散水ノズルに冷却水導入管26から冷却水が供給される。ドラム22の内部の下部に溜まった冷却水が、冷却水排出管27から外部に排出される。
ドラム22の回転により、容器21内にある溶融状態の無水フタル酸51がドラム22の表面に付着して冷却されて、固化される。この固化された無水フタル酸52が、削り落とし刃23でドラム22の表面から削り落とされてフレーク状とされ、フレーク排出路24に向かう。赤外線温度計25は、削り落とされた直後のフレーク状無水フタル酸53の温度を検出する。
配管3のタンク1側にポンプ31が設置されている。配管3の下流端部分が、ドラムフレーカー2の容器21の上部に設置されている。ポンプ31の作動により、タンク1内の溶融状態の無水フタル酸51が、配管3からドラムフレーカー2の容器21内に供給される。
計量器4は、フレーク排出路24から落下してきたフレーク状無水フタル酸53をホッパー内に入れて計量する。計量器4のホッパーの下部にフレコンバック6を設置して、計量後のホッパー内のフレーク状無水フタル酸53を落下させることにより、所定量のフレーク状無水フタル酸をフレコンバック6に充填することができる。
実施例の方法では、冷却水として、36℃の水道水を冷却して温度が25℃に制御されたものを使用して、図1の設備を稼働させた。その結果、赤外線温度計25で検出されたフレーク状無水フタル酸53の温度が常時50℃以下になっていた。よって、フレーク状無水フタル酸が50℃以下の温度でフレコンバック6に充填された。
比較例の方法では、冷却水として36℃の水道水をそのまま使用して図1の設備を稼働させた。その結果、赤外線温度計25で検出されたフレーク状無水フタル酸53の温度は65℃になっていた。よって、フレーク状無水フタル酸が65℃程度の温度でフレコンバック6に充填された。
実施例の方法でフレーク状無水フタル酸が充填されたフレコンバックと、比較例の方法でフレーク状無水フタル酸が充填されたフレコンバックを、一週間、同じ場所に保管し、保管後に、各フレコンバック内のフレーク状無水フタル酸の寸法を調べた。
その結果、実施例の方法でフレーク状無水フタル酸が充填されたフレコンバックの場合、フレコンバック内のフレーク状無水フタル酸の寸法は10cm3以下であった。そして、フレコンバックの排出口を開けるだけで、スムーズにフレコンバックの排出口からフレーク状無水フタル酸を出すことができた。
これに対し、比較例の方法でフレーク状無水フタル酸が充填されたフレコンバックの場合は、フレコンバック内のフレーク状無水フタル酸はほとんどが凝集体になっており、10,000cm3の凝集体になっているものもあった。そして、このような大きな凝集体がフレコンバックの排出口を塞いでいたため、フレコンバックの排出口を開けるだけではフレーク状無水フタル酸は出て来なかった。よって、フレーク状無水フタル酸をフレコンバックの排出口から出すためには、外力を加える必要があった。
この結果から分かるように、この発明の方法によれば、フレーク状無水フタル酸がフレコンバック内で大きな凝集体になることが防止され、フレコンバックに袋詰めされたフレーク状無水フタル酸をフレコンバックの底部の排出口からスムーズに出せなくなることが防止できる。
1 溶融状態の無水フタル酸が入ったタンク
2 ドラムフレーカー
21 容器
22 ドラム
23 削り落とし刃
24 フレーク排出路
25 赤外線温度計
26 冷却水導入管
27 冷却水排出管
3 配管
4 計量器
51 溶融状態の無水フタル酸
52 固化された無水フタル酸
53 フレーク状無水フタル酸
6 フレコンバック(底部に排出口を有する袋)

Claims (2)

  1. ドラムフレーカーを使用して、溶融状態の無水フタル酸を冷却、固化し、固化された無水フタル酸を切断して得られた50℃以下の温度のフレーク状無水フタル酸を、50℃以下の温度で、底部に排出口を有する袋に充填するフレーク状無水フタル酸の袋詰め方法。
  2. 前記袋はフレキシブルコンテナバックである請求項1記載のフレーク状無水フタル酸の袋詰め方法。
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